JP2013054324A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象物の色度が温度によって変化するというサーモクロミズム現象を抑制し、高精度なカラーマッチングや色安定性を実現できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】排出経路において用紙110を停止させたり、低速で搬送したり、あるいは、搬送経路を切り替えたりすることで、用紙110の温度を十分に低下させる。用紙110の温度を十分に低下させることができれば、サーモクロミズム現象が抑制される。その結果、高精度なカラーマッチングや色安定性を実現できる画像形成装置を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、測色機能を備えた画像形成装置に関する。
画像形成装置の画像品質(以下画質と呼ぶ)には、粒状性、面内一様性、文字品位、色再現性(色安定性を含む)などがある。多色画像形成装置が普及した今日においては、最も重要な画質は色再現性であると言われることもある。人間は経験に基づいた期待する色(特に人肌、青空、金属など)についての記憶があり、その許容範囲を超えると違和感を覚えてしまう。これらの色は記憶色と呼ばれ、写真などを出力する際にその再現性を問われることが多くなった。記憶色に限らずOffice系文書においても、モニタとの色の差に違和感を覚えてしまうオフィスユーザ層、CG画像の色再現性を追求するグラフィックアーツユーザ層など、オンデマンド画像形成装置に対する色再現性(安定性を含む)の要求度が増している。
特許文献1では、用紙の搬送経路に設けられたカラーセンサによって用紙上に形成されたパッチ像を読み取るインライン方式の測色器を備えた画像形成装置が提案されている。画像形成装置が外部に排出した用紙上のパッチ画像を読み取るオフライン方式の測色器と比較して、特許文献1に記載の発明は、自動的に、ICCプロファイルを作成できる利点がある。ICCはInternational Color Consortiumの略称である。カラーマネージメント・モジュール(CMM)が、ICCプロファイルを用いて色変換を行うことにより、複数の画像形成装置間や、画像形成装置と画像表示装置との間で色合わせを実現できる。
特開2004−086013号公報
しかし、特許文献1の発明では、画像形成装置の搬送経路に測色器がインラインで配置さているため、測定対象物の色度が温度によって変化するという「サーモクロミズム」という現象が問題になる。これは、色材を形成する分子構造が、「熱」によって変化する等によって引き起こされる現象である。
ここで、画像形成装置においてインラインで画像を測色するためには、色材がシート材に載せられた後で且つ混色が完了した状態である必要がある。色材にインクを用いる画像形成装置においては乾燥装置によって加熱乾燥した後で測色する必要がある。色材にトナーを用いる画像形成装置では定着装置によってトナーを加熱溶融して混色した後で測色する必要がある。これは、ユーザがカラーマッチングの精度や色の安定性を要求する際には、通常、常温環境下における画像をもとに判断するためである。従って、カラーセンサは乾燥装置や定着装置よりもシートの搬送方向で下流側に配置される必要がある。
一方で、画像形成装置をコンパクトに構成するためには乾燥装置や定着装置からカラーセンサまでの搬送パス長さは必要最小限にとどめられる必要がある。よって乾燥装置や定着装置によって加熱されたシートおよび色材は、常温まで冷却されることなく、カラーセンサへと搬送されてしまう。また、シート搬送ガイドなど画像形成装置内部の部材や内部の雰囲気の昇温によってもシート温度は常温よりも高温になってしまう。
このように、インラインで画像を測色する測色器を備えた画像形成装置では、サーモクロミズムの影響を受けて通常環境下(常温環境下)における色度とは異なる測色結果が得られてしまうことがある。ときには、カラーマッチング精度や色の安定性についての指標としての、ISO 12647−7記載のカラーマッチング精度規格や、安定性の規格である再現性規定を満たせなくなってしまう。
そこで、本発明は、測定対象物の色度が温度によって変化するというサーモクロミズム現象を抑制し、高精度なカラーマッチングや色安定性を実現できる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、
色材によって用紙に画像を形成する像形成手段と、
前記画像を前記用紙に定着させる定着手段と、
前記用紙の搬送方向において前記定着手段よりも下流で前記用紙に定着した画像を測色する測色手段と、
前記測色手段によって測色を実行する場合における前記定着手段から前記測色手段まで前記用紙が搬送されるのに要する搬送時間を、前記測色手段によって測色を実行しない場合における前記定着手段から前記測色手段まで前記用紙が搬送されるのに要する搬送時間よりも長くする搬送制御手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、排出経路において用紙を停止させたり、低速で搬送したり、あるいは、搬送経路を切り替えたりすることで、用紙の温度を十分に低下させる。用紙の温度を十分に低下させることができれば、サーモクロミズム現象が抑制される。その結果、高精度なカラーマッチングや色安定性を実現できる画像形成装置を提供することができる。
画像形成装置を示す図 カラーセンサを示す図 制御ブロックを示す図 ICCプロファイルを示す図 カラーマネージメント環境を示す図 実施形態1を示すフローチャート 実施形態1の待機位置を示す図 用紙待機時間、用紙表面温度、ΔE76(15℃との比較)の関係を示す図 画像形成装置内における用紙温度のとりうる範囲を示す図 用紙の種類ごと冷却時間の一例を示す図 実施形態2のバッファを示す図 実施形態2を示すフローチャート 用紙待機時間と、紙表面温度、ΔE76(15℃との比較)の関係を示す図
本発明は、定着手段から測色手段までの搬送経路を制御するか、または、搬送経路における用紙の搬送速度を制御することで、定着手段から測色手段まで用紙が搬送されるのに要する搬送時間を、測色手段によって測色を実行しない場合と比較して、測色手段によって測色を実行する場合でより長くすることを特徴とする。とりわけ、実施形態1では、搬送経路における用紙の搬送速度を制御すること(一時的に搬送速度をゼロにすること)を特徴としている。また、実施形態2では、搬送経路を切り替えることで搬送距離を長くすることを特徴とする。なお、実施形態2では、搬送経路を切り替えても十分な搬送距離を確保できないときに、一部の搬送経路において搬送速度を低下させてもよい。いずれの実施形態においても、搬送経路や搬送速度を制御することで、用紙が定着手段を出発したタイミングからの経過時間が所定時間を超えた後に用紙を測色手段に到着させることを特徴としている。ここで、所定時間とは、画像形成装置が設置された環境の温度に対する測色手段による色差ΔE76が1.5以下となる時間である。換言すれば、所定時間とは、測色手段に到着した用紙の温度が摂氏45度以下となる時間である。このように、本発明では、排出経路において用紙を停止させたり、低速で搬送したり、あるいは、搬送経路を切り替えたりすることで、用紙の温度を十分に低下させる。用紙の温度を十分に低下させることができれば、サーモクロミズム現象が抑制される。その結果、高精度なカラーマッチングや色安定性を実現できる画像形成装置を提供することができる。
[実施形態1]
(画像形成装置)
本実施形態では電子写真方式のレーザビームプリンタを用いて上記課題の解決方法を説明する。ここでは、一例として、画像形成方式として電子写真方式を採用する。しかし、本発明は、インクジェット方式や昇華方式にも適用できる。これは、本発明が、測定対象物の色度が温度によって変化するというサーモクロミズム現象が発生しうる画像形成装置において有効な発明だからである。なお、インクジェット方式では、インクを吐出して用紙に画像を形成する像形成手段やインクを乾燥させる定着手段(乾燥手段)が使用される。
図1は画像形成装置100の構造を示す断面図である。画像形成装置100は、筐体101を備える。筐体101には、エンジン部を構成するための各機構と、制御ボード収納部104とが設けられている。制御ボード収納部104には、各機構による各印刷プロセス処理(例えば、給紙処理など)に関する制御を行なうエンジン制御部102と、プリンタコントローラ103が収納されている。
図1が示すように、エンジン部にはYMCKに対応した4つのステーション120、121、122、124が設けられている。ステーション120、121、122、124は、トナーを用紙に転写して画像を形成する像形成手段である。ここで、YMCKは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの略称である。各ステーションは、ほぼ共通の部品により構成されている。感光ドラム105は、像担持体の一種であり、一次帯電器111により一様の表面電位に帯電する。感光ドラム105は、レーザ108が出力するレーザ光によって、潜像が形成される。現像器112は、色材(トナー)を用いて潜像を現像してトナー像を形成する。トナー像(可視像)は、中間転写体106上に一次転写される。中間転写体106上に形成された可視像は、収納庫113から搬送されてきた用紙110に対して、転写ローラ114に二次転写される。
本実施形態の定着処理機構は、用紙110に転写されたトナー像を加熱および加圧して用紙110に定着させる第一定着器150および第二定着器160を有している。第一定着器150には、用紙110に熱を加えるための定着ローラ151、用紙110を定着ローラ151に圧接させるための加圧ベルト152、定着完了を検知する第一定着後センサ153を含む。これらローラは中空ローラであり、内部にそれぞれヒータを有している。また、これらローラは、不図示のモータにより駆動されて、用紙110を搬送する。第二定着器160は、第一定着器150よりも用紙110の搬送方向で下流に配置されている。第二定着器160は、第一定着器150により定着した用紙110上のトナー像に対してグロスを付加したり、定着性を確保したりする。第二定着器160も、第一定着器150と同様に定着ローラ161、加圧ローラ162、第二定着後センサ163を有している。用紙110の種類によっては第二定着器160を通す必要がない。この場合、エネルギ消費量低減の目的で第二定着器160を経由せずに用紙110は搬送経路130を通過する。搬送経路切り替えフラッパ131は、用紙110を搬送経路130へ誘導するか、第二定着器160に誘導するかを切り替える切替手段として機能する。
搬送経路切り替えフラッパ132は、用紙110を排出経路135へと誘導するか、外部への排出経路139に誘導する誘導部材である。排出経路135には、反転センサ137が設けられている。用紙110の先端は、反転センサ137を通過し、反転部136へ搬送される。反転センサ137が用紙110の後端を検出すると、用紙110の搬送方向が切り替えられる。搬送経路切り替えフラッパ133は、用紙110を両面画像形成用の搬送経路138へと誘導するか、排出経路135に誘導する誘導部材である。搬送経路切り替えフラッパ134は、用紙110を外部への排出経路139に誘導する誘導部材である。
用紙110の搬送方向において第二定着器160よりも下流には、用紙110上のパッチ画像を検知するカラーセンサ200が配置されている。カラーセンサ200は、用紙の搬送方向において定着手段よりも下流で用紙に定着した画像を測色する測色手段として機能する。操作部180からの指示により色検出が指示されると、エンジン制御部102は濃度調整、階調調整、多次色調整などを実行する。
(カラーセンサ)
図2はカラーセンサ200の構造を示す図である。白色LED201は、用紙110上のトナーパッチ220に光を照射する発光素子である。回折格子202はトナーパッチ220から反射した光を波長ごとに分光する分光部品である。ラインセンサ203は、回折格子202により波長ごとに分解された光を検出するn個の受光素子を備えた光検出素子である。演算部204は、ラインセンサ203により検出された各画素の光強度値から各種の演算を行う。メモリ205は、演算部204が使用する各種のデータを保存する。演算部204は、例えば、光強度値から分光演算する分光演算部やLab値を演算するLab演算部などを有する。また、白色LED201から照射された光を用紙110上のトナーパッチ220に集光したり、トナーパッチ220から反射した光を回折格子202に集光したりするレンズ206がさらに設けられてもよい。
(プロファイル)
画像形成装置100は、パッチ画像の検出結果からプロファイルを作成し、そのプロファイルを用いて入力画像を変換して出力画像を形成する。優れた色再現性を実現するプロファイルとして、ここでは近年市場で受け入れられているICCプロファイルを用いることとする。ただし、本発明は、ICCプロファイルでなければ適用できない発明ではない。本発明は、Adobe社が提唱したPostScriptのレベル2から採用されているCRD(Color Rendering Dictionary)やPhotoshop内の色分解テーブル、墨版情報を維持するEFI社のColorWise内CMYKシミュレーションなどにも適用できる。
カスタマエンジニアによる部品交換時や、カラーマッチング精度が要求されるジョブの前、さらには、デザイン構想段階などで最終出力物の色味が知りたい時などに、ユーザは操作部180を操作してカラープロファイルの作成処理を指示する。
プロファイルの作成処理は、図3のブロック図に示すプリンタコントローラ103において行われる。操作部180がプロファイル作成指示を受け付けると、プロファイル作成部301は、ISO12642テストフォームであるCMYKカラーチャートを、プロファイルを介さずにエンジン制御部102に出力する。プロファイル作成部301は、カラーセンサ制御部302に測色指示を送る。エンジン制御部102は、画像形成装置100を制御して帯電、露光、現像、転写、定着といったプロセスを実行させる。これにより、用紙110にはISO12642テストフォームが形成される。カラーセンサ制御部302はカラーセンサ200を制御して、ISO12642テストフォームを測色させる。カラーセンサ200は、測色結果である分光反射率データをプリンタコントローラ103のLab演算部303に出力する。Lab演算部303は、分光反射率データをL*a*b*データに変換して、プロファイル作成部301に出力する。なお、Lab演算部303は、機器に依存しない色空間信号であるCIE1931XYZ表色系へ分光反射率データを変換してもよい。
プロファイル作成部301は、エンジン制御部102に出力したCMYK色信号と、Lab演算部303から入力されたL*a*b*データとの関係から出力ICCプロファイルを作成する。プロファイル作成部301は、出力ICCプロファイル格納部305に格納されている出力ICCプロファイルに代えて、作成した出力ICCプロファイルを格納する。
ISO12642テストフォームは一般的な複写機が出力可能な色再現域を網羅するCMYK色信号のパッチを含んでいる。よって、プロファイル作成部301は、それぞれの色信号値と測色したL*a*b*値との関係から色変換表を作成する。つまりCMYK→Labの変換表が作成される。この変換表をもとにして、逆変換表が作成される。
図4は、ICCプロファイルのデータ構造を示している。ICCプロファイルは、ヘッダー、タグとそのデータからなる。タグには、色変換テーブルのタグや、白色点(wtpt)やプロファイル内部で定義されているLab値によって表現されるある色が再現可能範囲の内側か外側かを記述する(gamt)タグなどもある。
プロファイル作成部301は、ホストコンピュータからI/F308を通じてプロファイル作成命令を受け付けると、作成した出力ICCプロファイルをI/F308を通じてホストコンピュータに出力する。ホストコンピュータは、ICCプロファイルに対応した色変換をアプリケーションプログラムで実行することができる。
(色変換処理)
通常のカラー出力における色変換においては、スキャナ部からI/F308を介して入力されたRGB信号値やJapanColorなどの標準印刷CMYK信号値を想定して入力された画像信号は、外部入力用の入力ICCプロファイル格納部307に送られる。入力ICCプロファイル格納部307は、I/F308から入力された画像信号に応じて、RGB→L*a*b*あるいはCMYK→L*a*b*変換を実行する。入力ICCプロファイル格納部307に格納されている入力ICCプロファイルは、複数のLUT(ルックアップテーブル)により構成されている。これらのLUTは、たとえば、入力信号のガンマをコントロールする1次元LUT、ダイレクトマッピングといわれる多次色LUT、生成された変換データのガンマをコントロールする1次元LUTである。入力された画像信号は、これらのLUTを用いてデバイスに依存した色空間からデバイスに依存しないL*a*b*データに変換される。
L*a*b*色度座標に変換された画像信号はCMM306に入力される。CMMはカラーマネージメントモジュールの略語である。CMM306は、各種の色変換を実行する。たとえば、CMM306は、入力機器としてのスキャナ部などの読取色空間と、出力機器としての画像形成装置100の出力色再現範囲のミスマッチをマッピングするGUMAT変換を実行する。また、CMM306は、入力時の光源種と出力物を観察するときの光源種のミスマッチ(色温度設定のミスマッチとも言う)を調整する色変換を実行する。このようにしてCMM306は、L*a*b*データをL’*a’*b’*データへ変換し、出力ICCプロファイル格納部305に出力する。測色によって作成されたプロファイルが出力ICCプロファイル格納部305に格納されている。よって、出力ICCプロファイル格納部305は、新たに作成したICCプロファイルによってL’*a’*b’*データを色変換し、出力機器に依存したCMYK信号へと変換してエンジン制御部102へ出力する。
図3で、CMM306は、入力ICCプロファイル格納部307と出力ICCプロファイル格納部305と分離されている。しかし、図5が示すようにCMM306はカラーマネージメントを司るモジュールのことであり、入力プロファイル(印刷ICCプロファイル501)と出力プロファイル(プリンタICCプロファイル502)を使って色変換を行うモジュールである。
(制御のながれ)
本実施形態の特徴である用紙搬送および測色の制御について、図6のフローチャート図および図7の用紙位置説明図を用いて説明する。
S601で、プリンタコントローラ103は、操作部180を経由して用紙の種類(厚さ、坪量、表面性など)を示す用紙情報を受け付ける。用紙の種類を検出するセンサを搬送経路に設けるときは、プリンタコントローラ103は、このセンサから用紙情報を取得してもよい。このように、プリンタコントローラ103、操作部180、用紙の種類を検出するセンサは、用紙の厚さ、坪量または表面性を示す用紙情報の入力を受け付ける受け付け手段として機能する。
S602で、プリンタコントローラ103は、色味の調整を行う色味調整モードを開始する。この開始の指示も操作部180によって受け付けられてもよい。
S603で、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部102に用紙110の給紙を指示する。エンジン制御部102は、搬送ローラ駆動モータ311を起動して、収納庫113から用紙110を搬送経路に給紙する。
S604で、プリンタコントローラ103は、各ステーションを制御して中間転写体106にテストフォームを転写させるよう、エンジン制御部102に指示を出す。また、プリンタコントローラ103は、用紙情報をエンジン制御部102に送信する。この用紙情報に基づいて、用紙の種類に応じた転写条件を用いて、エンジン制御部102は中間転写体106から用紙110にテストフォームを二次転写する。
S605で、プリンタコントローラ103は、用紙情報をエンジン制御部102に送信することで、エンジン制御部102は用紙の種類に応じた定着条件を使用して第一定着器150や第二定着器160を制御し、用紙110にテストフォームを定着させる。エンジン制御部102は、用紙の種類に応じて搬送経路切り替えフラッパ131を駆動するフラッパ駆動モータ312を制御し、第一定着器150だけに用紙110を通過させたり、第二定着器160にも用紙を通過させたりする。例えば、エンジン制御部102は、普通紙の場合には第一定着器150だけに用紙110を通過させ、厚紙やコート紙の場合には第一定着器150だけでなく、第二定着器160にも用紙を通過させる。
S606で、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部102を通じて用紙110の先端が第一定着後センサ153または第二定着後センサ163を通過したことを検知すると、エンジン制御部102内のタイマ310の計時を開始させる。ここで、本実施形態では用紙110の温度を環境温度に下げるために必要となる時間を所定時間Tと呼ぶことにする。たとえば、所定時間Tは、タイマ310のカウント開始から色差ΔE76が1.5未満になる時間である。本実施形態では、カラーセンサ200の個体差ばらつきや同色パッチの繰り返し読み取り再現性を考慮して、カラーセンサ200による測色精度目標値としてΔE76=1.5と定めている。
マゼンタは、温度による色度の変動が他の色に比べて大きいことが実験により明らかとなっている。とりわけ、搬送時間、用紙温度およびマゼンタの色差ΔEの関係から、本実施形態では、所定時間Tが約45秒に設定されている。図7(A)ないし図7(C)は、画像形成装置100内において用紙110を所定時間Tだけ待機させる箇所を示した図である。
S607で、プリンタコントローラ103はエンジン制御部102に用紙110の搬送を継続させることで、図7(A)が示すように、用紙110の先端がカラーセンサ200を通過する。なお、プリンタコントローラ103は、この時点ではまだ測色を開始しない。
S608で、プリンタコントローラ103はエンジン制御部102に用紙110の搬送をさらに継続させる。図7(B)が示すように用紙110が反転部136に到達したことを反転センサ137が検出すると、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部102を通じて用紙110の搬送を停止する。つまり、エンジン制御部102は搬送ローラ駆動モータ311を停止させる。これにより、用紙110は、反転部136において待機することになる。このように、プリンタコントローラ103は、測色を実行する場合には、搬送手段を制御して用紙を一旦停止させる制御手段として機能する。
S609で、プリンタコントローラ103は、用紙情報が示す種類が冷却時間を必要とする種類かどうかを判定する。たとえば、プリンタコントローラ103は、用紙情報ごとに冷却時間が必要かどうかテーブル化して保持している。このテーブルは、たとえば、記憶部350に記憶されている。プリンタコントローラ103は、このテーブルを参照して冷却時間を必要とする種類かどうかを判定する。冷却時間を必要とする種類かどうかの判定は、反転部136で用紙110を待機させる必要があるかどうかの判定や反転部136で用紙110の搬送速度を低下させる必要があるかどうかの判定と実質的に同一である。よって、このテーブルは、それぞれ異なる用紙情報とそれに対応した搬送経路(反転部136への誘導が必要かどうか)または搬送速度(反転部136で用紙を待機させる必要があるかどうか)とを対応付けたテーブルの一例である。このように、プリンタコントローラ103は、操作部180により受け付けられた用紙情報に対応した搬送経路または搬送速度をテーブルから取得して使用する。冷却時間が必要であれば、S610に進む。冷却時間が必要でなければ、S610ないしS612をスキップしてS613に進む。
S610で、プリンタコントローラ103は、タイマ310からタイマ値を取得し、タイマ値が所定時間Tを超えたかどうか判定する。タイマ値が所定時間Tを超えると、S611に進む。
S611で、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部102にタイマ310をリセットさせる。
S612で、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部102に用紙110の搬送を再開させる。エンジン制御部102は、搬送ローラ駆動モータ311の駆動を再開することで、用紙110をカラーセンサ200に向かわせる。
S613で、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部102に用紙110の搬送を継続させることで、用紙110がカラーセンサ200を通過する。
本実施形態によれば、カラーセンサ200に用紙110が到達したタイミングで、所定時間Tがすでに経過している。よって、この時点でのサーモクロミズム依存の測色精度はΔE76=0.5以下になっている。厳密には、この時点で所定時間Tよりも長い時間が経過している。これは、S612で用紙110の搬送を再開してから用紙110がカラーセンサ200へ到達するまでに要する搬送時間がさらに経過しているからである。この時間は数秒であるため測色精度に影響しない。
S614で、プリンタコントローラ103は、カラーセンサ制御部302を通じてカラーセンサ200に測色を実行させる。カラーセンサ200によって測色が終了した用紙110は、図7(C)が示すように、排出経路139を通って、画像形成装置100の外へと排出される。
(効果説明)
このように本実施形態によれば、用紙の種類に応じて用紙110を所定時間にわたって待機させることで、用紙110の温度を測色をするうえで適正な温度に低下させることができる。
図8は、用紙110の待機時間、温度およびΔE76(15℃との比較)と、用紙110の搬送経路における位置との関係を時系列で示している。図8によれば、用紙110にトナー像が定着した直後にカラーセンサ200を通過した時点(S607)での用紙110の温度は約65℃である。この時点で測色を行うと、ユーザが成果物を用いる常温環境(15〜30℃)に対して、色差ΔE76が2.4程度発生してしまう。これは、色味再現安定性の規格[4.2.3](各パッチΔE1.5以下)をオーバしてしまうことを意味する。
本実施形態では、所定時間Tだけ反転部136で用紙110を待機させてから再びカラーセンサ200に用紙110を搬送し、測色を実行する。そのときの用紙110の温度は約45℃以下である。よって、画像形成装置100が設置される環境の最低温度として想定される15℃での測色結果に対して、本実施形態では色差ΔE76を1.5未満に低減させることができる。
図9は画像形成装置100における用紙110の種類ごとに用紙110がとりうる温度の範囲を示している。図9においてハッチングを付与した範囲901は、画像形成装置100の動作保証環境を示している。本実施形態の画像形成装置100では、トナーパッチを用紙110へ定着させた直後での用紙110の温度は30℃〜70℃である。そこで、設置環境の最低温度(15℃)を基準とした色差ΔE76を0.5以下に設定したい場合、所定時間Tを用紙110の種類に依存させずに一律で45secに設定すればよいことがわかる。
本実施形態では、用紙110の種類に応じて待機の要/不要を使い分けたり、用紙110の種類に応じて所定時間Tを使い分けたりする。とりわけ、用紙110の種類に応じて所定時間Tを動的に調整すれば、測色シーケンスにかかる時間を最小限に抑えることができる。
用紙坪量や用紙の表面コート材の有無によって用紙の熱容量が異なる。熱容量が異なれば、用紙110を目標温度まで冷却させるまでの冷却時間(所定時間T)も異なる。
図10は、冷却時間である所定時間Tと用紙110の種類との関係を示す表である。図10によれば、表面性として、普通紙、片面コート紙、および、両面コート紙といった3つの種類が例示されている。また、坪量としては、60gsm〜109gsm、110gsm〜209gsm、210gsm〜350gsmといった3種類の坪量が示されている。とりわけ、表面コート層の無い普通紙(薄紙)に限り、所定時間Tを0に設定できる。さらに図10に示したテーブルを用いることで、プリンタコントローラ103は、用紙110の種類に応じて所定時間Tを最小限に設定できる。つまり、所定時間Tを動的に制御することで、測色シーケンス全体での時間を短縮化することができる。この場合、テーブルは記憶部350に予め格納されているものとする。
このように、本実施形態によれば、用紙110の温度が十分に低下した状態で測色を実行する。よって、用紙110の厚さ、坪量や表面性が異なっても、カラーセンサ200の測色結果を安定化させることができる。その結果、ΔE76<1.5を達成できるようになる。
[実施形態2]
本実施形態では画像形成装置100のエンジン制御部102内のタイマ310を用いずに所定時間T後にカラーセンサ200による測色を行うことを特徴としている。具体的には、用紙110を待機させる待機位置を有していない画像形成装置では、本実施形態が有用であろう。
(画像形成装置)
以下に、本実施形態に係わる画像形成装置の構成について説明する。図11(A)はバッファ部141を画像形成装置100の内部に設けた例を示し、図11(B)はバッファ部141を画像形成装置100の外部に設けた例を示している。
図11(A)では用紙110の搬送方向で反転部136の下流側にバッファ部141が配置されている。エンジン制御部102は、搬送経路切り替えフラッパ1101によってバッファ部141の使用/不使用を切り替える。搬送経路切り替えフラッパ1101は、定着手段から出力された用紙を第1搬送経路または第2搬送経路に誘導する誘導手段として機能する。バッファ部141の搬送速度は、用紙110の温度が十分に低下してからカラーセンサ200へ到達させるために、バッファ部141以外の他の搬送経路の搬送速度よりも遅く設定される。なお、搬送速度に代えて、バッファ部141の搬送距離を用紙110の温度が十分に低下する程度の長さに設計してもよい。
図11(B)では画像形成装置100の下流側にバッファユニット140が接続されている。エンジン制御部102は、搬送経路切り替えフラッパ1102によってバッファ部141の使用/不使用を切り替える。搬送経路切り替えフラッパ1102は、定着手段から出力された用紙を第1搬送経路または第2搬送経路に誘導する誘導手段として機能する。バッファ部141の搬送速度は、用紙110の温度が十分に低下してからカラーセンサ200へ到達させるために、バッファ部141以外の他の搬送経路の搬送速度よりも遅く設定される。用紙110の搬送方向でバッファユニット140の下流には後処理ユニット190などが接続可能である。後処理ユニット190は、穿孔処理や製本処理、ステープル処理など実行するユニットである。このようなバッファユニット140は、既存の画像形成装置に対しても追加できる利点もある。
このように、バッファ部141を経由しない排出経路は、測色手段によって測色を実行しない場合に用紙110が誘導される第1搬送経路である。また、バッファ部141を経由する排出経路は、測色手段によって測色を実行する場合に用紙110が誘導される第2搬送経路である。図11(A)および図11(B)から明らかなように、第2搬送経路の搬送距離は、第1搬送経路よりも長い。また、測色を実行しない場合には、プリンタコントローラ103が、搬送手段である搬送ローラを制御して第1搬送速度で用紙110を搬送する。また、測色を実行する場合には、プリンタコントローラ103が、搬送ローラを制御して用紙を一旦停止させるか、または、第1搬送速度よりも低速の第2搬送速度で用紙を搬送する。用紙を一旦停止させるケースは、第2搬送速度をゼロにまで低下させる例であり、実施形態1の技術思想と共通である。
なお、図11(A)ではバッファ部141を通過すると用紙110の表裏が反転してしまうため、カラーセンサ200は、図1と比較して反対側に配置する必要がある。また、バッファ部141を通過させる必要がない用紙110についても測色を実行するには、図1と同様の位置にもカラーセンサ200を配置する必要がある。つまり、2つのカラーセンサ200が必要となる。もちろん、バッファ部141を通過させる必要がない用紙110についてもバッファ部141を通過させるようにエンジン制御部102が搬送制御を実行するのであれば、カラーセンサ200は1つでよい。
このように、画像形成装置100の本体サイズの都合によりバッファ部141を筐体101の内部に設けることが不可能な場合、図11(B)に示すバッファユニット140は有用であろう。なお、図11(A)と図11(B)とでは、所定時間Tが経過した後に測色を実行する点は共通しているため、基本的に、測色シーケンスも共通である。
図12のフローチャートにおいて、図6のフローチャートと共通する箇所には同一の参照符号を付与することで説明を省略する。図12において、S601ないしS605が実行されるとS1201に進む。S1201で、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部102を通じてフラッパ駆動モータ312を駆動して搬送路切り替えフラッパ132を切り替え、用紙110を排出経路135へ誘導する。
S1202で、プリンタコントローラ103は、用紙情報が示す種類が冷却時間を必要とする種類かどうかを判定する。この判定方法はS610と共通である。たとえば、記憶部350に記憶されているテーブルを参照して、プリンタコントローラ103は、冷却時間を必要とする種類かどうかを判定する。冷却時間を必要とする種類かどうかの判定は、バッファ部141への誘導が必要かどうかの判定やバッファ部141で用紙の搬送速度を低下させる必要があるかどうかの判定と実質的に同一である。よって、このテーブルは、それぞれ異なる用紙情報とそれに対応した搬送経路(バッファ部141への誘導が必要かどうか)または搬送速度(バッファ部141で用紙の搬送速度を低下させる必要があるかどうか)とを対応付けたテーブルの一例である。このように、プリンタコントローラ103は、操作部180により受け付けられた用紙情報に対応した搬送経路または搬送速度をテーブルから取得して使用する。冷却時間が必要であれば、S1203に進む。冷却時間が必要でなければ、S1204に進むことで、プリンタコントローラ103は、用紙110をカラーセンサ200に搬送する。
S1203で、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部102を通じて搬送路切り替えフラッパ1101を切り替え、用紙110をバッファ部141に誘導する。さらに、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部102を通じて、バッファ部141に配置された搬送ローラを駆動する搬送ローラ駆動モータ311を起動して、バッファ部141内の搬送経路で用紙110を搬送する。なお、エンジン制御部102は、バッファ部141における用紙110の搬送速度を、排出経路135などの他の搬送経路の搬送速度よりも遅くなるように搬送ローラ駆動モータ311を駆動する。これにより、所定時間Tを消費させ、用紙110の温度を十分に低下させることができる。なお、バッファ部141内の搬送経路の長さを十分に長く確保できる画像形成装置では、搬送速度を低下させる必要はない。
S1204で、プリンタコントローラ103は、排出経路135に戻ってきた用紙110をさらにカラーセンサ200へ搬送する。その後、S614に進み、測色が実行される。
(効果説明)
図13は、用紙待機時間、用紙温度、ΔE76(15℃との比較)、用紙の位置(搬送距離)を時系列に示した図である。搬送経路切り替えフラッパ1101を用紙110の後端が通過した時点で、エンジン制御部102は、バッファ部141の搬送速度を遅くする(S1203)。これにより、定着装置を用紙110が出発してから所定時間Tが経過した後で用紙110がカラーセンサ200を通過するようになる。
実施形態1と同様に実施形態2では、用紙110が最初にカラーセンサ200を通過した時点では用紙110の温度が約65℃である。この時点で測色を行うと、ユーザが成果物を用いる常温環境(25℃)に対する色差ΔE76が1.7程度になってしまう。この値は、色味再現安定性の規格[4.2.3](各パッチΔE1.5以下)をオーバしている。
一方、本実施形態では、用紙110をバッファ部141に誘導することによって所定時間Tが経過した後で、つまり、用紙110の温度が約45℃以下に低下した後で、用紙110をカラーセンサ200に到達させることができる。従って、画像形成装置100の設置環境の想定最低温度(15℃)に対する色差ΔE76を1.5まで低減させることができる。
本発明によれば、
用紙に測定用画像を形成する像形成手段と、
前記測定用画像を加熱して前記用紙に定着させる定着手段と、
前記用紙の搬送方向において前記定着手段よりも下流に設けられ、前記用紙に定着した前記測定用画像の色を測定する測定手段と、
前記測手段によって測を実行する場合における前記定着手段から前記測手段まで前記用紙が搬送されるのに要する時間を、前記測手段によって測を実行しない場合における前記定着手段から前記測手段まで前記用紙が搬送されるのに要する時間よりも長くする搬送制御手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供することができる。
しかし、特許文献1の発明では、画像形成装置の搬送経路に測色器がインラインで配置さているため、測定対象物のが温度によって変化するという「サーモクロミズム」という現象が問題になる。これは、色材を形成する分子構造が、「熱」によって変化する等によって引き起こされる現象である。
このように、インラインで画像を測色する測色器を備えた画像形成装置では、サーモクロミズムの影響を受けて通常環境下(常温環境下)におけるとは異なる測色結果が得られてしまうことがある。ときには、カラーマッチング精度や色の安定性についての指標としての、ISO 12647−7記載のカラーマッチング精度規格や、安定性の規格である再現性規定を満たせなくなってしまう。
そこで、本発明は、測定対象物のが温度によって変化するというサーモクロミズム現象を抑制し、高精度なカラーマッチングや色安定性を実現できる画像形成装置を提供することを目的とする。
[実施形態1]
(画像形成装置)
本実施形態では電子写真方式のレーザビームプリンタを用いて上記課題の解決方法を説明する。ここでは、一例として、画像形成方式として電子写真方式を採用する。しかし、本発明は、インクジェット方式や昇華方式にも適用できる。これは、本発明が、測定対象物のが温度によって変化するというサーモクロミズム現象が発生しうる画像形成装置において有効な発明だからである。なお、インクジェット方式では、インクを吐出して用紙に画像を形成する像形成手段やインクを乾燥させる定着手段(乾燥手段)が使用される。
図1が示すように、エンジン部にはYMCKに対応した4つのステーション120、121、122、12が設けられている。ステーション120、121、122、12は、トナーを用紙に転写して画像を形成する像形成手段である。ここで、YMCKは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの略称である。各ステーションは、ほぼ共通の部品により構成されている。感光ドラム105は、像担持体の一種であり、一次帯電器111により一様の表面電位に帯電する。感光ドラム105は、レーザ108が出力するレーザ光によって、潜像が形成される。現像器112は、色材(トナー)を用いて潜像を現像してトナー像を形成する。トナー像(可視像)は、中間転写体106上に一次転写される。中間転写体106上に形成された可視像は、収納庫113から搬送されてきた用紙110に対して、転写ローラ114に二次転写される。
(カラーセンサ)
図2はカラーセンサ200の構造を示す図である。白色LED201は、用紙110上のトナーパッチ220(測定用画像)に光を照射する発光素子である。回折格子202はトナーパッチ220から反射した光を波長ごとに分光する分光部品である。ラインセンサ203は、回折格子202により波長ごとに分解された光を検出するn個の受光素子を備えた光検出素子である。演算部204は、ラインセンサ203により検出された各画素の光強度値から各種の演算を行う。メモリ205は、演算部204が使用する各種のデータを保存する。演算部204は、例えば、光強度値から分光演算する分光演算部やLab値を演算するLab演算部などを有する。また、白色LED201から照射された光を用紙110上のトナーパッチ220に集光したり、トナーパッチ220から反射した光を回折格子202に集光したりするレンズ206がさらに設けられてもよい。
L*a*b*座標に変換された画像信号はCMM306に入力される。CMMはカラーマネージメントモジュールの略語である。CMM306は、各種の色変換を実行する。たとえば、CMM306は、入力機器としてのスキャナ部などの読取色空間と、出力機器としての画像形成装置100の出力色再現範囲のミスマッチをマッピングするGAMUT変換を実行する。また、CMM306は、入力時の光源種と出力物を観察するときの光源種のミスマッチ(色温度設定のミスマッチとも言う)を調整する色変換を実行する。このようにしてCMM306は、L*a*b*データをL'*a'*b'*データへ変換し、出力ICCプロファイル格納部305に出力する。測色によって作成されたプロファイルが出力ICCプロファイル格納部305に格納されている。よって、出力ICCプロファイル格納部305は、新たに作成したICCプロファイルによってL'*a'*b'*データを色変換し、出力機器に依存したCMYK信号へと変換してエンジン制御部102へ出力する。
マゼンタは、温度によるの変動が他の色に比べて大きいことが実験により明らかとなっている。とりわけ、搬送時間、用紙温度およびマゼンタの色差ΔEの関係から、本実施形態では、所定時間Tが約45秒に設定されている。図7(A)ないし図7(C)は、画像形成装置100内において用紙110を所定時間Tだけ待機させる箇所を示した図である。

Claims (8)

  1. 色材によって用紙に画像を形成する像形成手段と、
    前記画像を前記用紙に定着させる定着手段と、
    前記用紙の搬送方向において前記定着手段よりも下流で前記用紙に定着した画像を測色する測色手段と、
    前記測色手段によって測色を実行する場合における前記定着手段から前記測色手段まで前記用紙が搬送されるのに要する搬送時間を、前記測色手段によって測色を実行しない場合における前記定着手段から前記測色手段まで前記用紙が搬送されるのに要する搬送時間よりも長くする搬送制御手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記定着手段から前記測色手段までの搬送経路の距離を制御するか、または、前記搬送経路における前記用紙の搬送速度を制御することで、前記用紙が前記定着手段を出発したタイミングからの経過時間が所定時間を超えた後に前記用紙を前記測色手段に到着させ、
    前記所定時間は、前記画像形成装置が設置された環境の温度に対する前記測色手段による色差ΔE76が1.5以下となる時間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記定着手段から前記測色手段までの搬送経路の距離を制御するか、または、前記搬送経路における前記用紙の搬送速度を制御することで、前記用紙が前記定着手段を出発したタイミングからの経過時間が所定時間を超えた後に前記用紙を前記測色手段に到着させ、
    前記所定時間は、前記測色手段に到着した前記用紙の温度が摂氏45度以下となる時間であることを特徴とする請求項1の記載の画像形成装置。
  4. 前記用紙の厚さ、坪量または表面性を示す用紙情報の入力を受け付ける受け付け手段と、
    それぞれ異なる用紙情報とそれに対応した搬送経路または搬送速度とを対応付けたテーブルと
    をさらに備え、
    前記制御手段は、前記受け付け手段により受け付けられた前記用紙情報に対応した搬送経路または搬送速度を前記テーブルから取得して使用することで、前記定着手段から前記測色手段までの搬送経路の距離を制御するか、または、前記搬送経路における前記用紙の搬送速度を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記定着手段から前記測色手段へ前記用紙を搬送する第1搬送経路と、
    前記第1搬送経路よりも距離が長く、前記定着手段から前記測色手段へ前記用紙を搬送する第2搬送経路と、
    前記定着手段から出力された前記用紙を前記第1搬送経路または前記第2搬送経路に誘導する誘導手段と
    をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記測色手段によって測色を実行しない場合には、前記誘導手段を制御して前記用紙を第1搬送経路へ誘導し、
    前記測色手段によって測色を実行する場合には、前記誘導手段を制御して前記用紙を前記第2搬送経路へ誘導する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記定着手段から前記測色手段へ前記用紙を搬送する搬送手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記測色手段によって測色を実行しない場合には、前記搬送手段を制御して第1搬送速度で前記用紙を搬送し、
    前記測色手段によって測色を実行する場合には、前記搬送手段を制御して前記用紙を一旦停止させるか、または、前記第1搬送速度よりも低速の第2搬送速度で前記用紙を搬送することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記像形成手段は、トナーを前記用紙に転写して前記画像を形成する手段であり、
    前記定着手段は、前記トナーを加熱して前記用紙に定着させる手段であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記像形成手段は、インクを吐出して前記用紙に前記画像を形成する手段であり、
    前記定着手段は、前記インクを乾燥させる乾燥手段であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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