JP2013053443A - 転倒防止補強付ケーソン防波堤 - Google Patents

転倒防止補強付ケーソン防波堤 Download PDF

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Taiki Komaki
大樹 古牧
Koichiro Yasuno
浩一朗 安野
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Penta Ocean Construction Co Ltd
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Abstract

【課題】大量の越波が生じるような大波浪の来襲に際しても耐えうる堅牢な構造のケーソン防波堤が低コストで構築でき、越波による背面側の洗掘が抑制される転倒防止補強付ケーソン防波堤の提供。
【解決手段】水底面に造成した捨石マウンド1上にケーソン3を並べて設置することによって堤体Aを構成し、ケーソン3の背面側に、捨石を積み上げた背面支持部5を備えるとともにケーソン3の背面に、ケーソンと一体化させて突出させた転倒防止用張り出し部6を備え、その張り出し部6の下面を背面支持部5に支持させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ケーソンを用いた既設又は新設防波堤において、想定外の大波浪が押し寄せて越波が生じた際にも、滑動や転倒が生じることのない転倒防止補強付ケーソン防波堤に関する。
従来、防波堤の滑動抵抗及び転倒抵抗を高める方法として、水底の捨石マウンド上に設置する防波堤用のコンクリートブロックに、上下に貫通する杭挿通孔を形成しておき、この孔を通して捨石マウンド及びその下の水底地盤内に杭を打設し、打設した杭の上端をコンクリートブロックの杭挿通孔に嵌合させた状態とする方法が知られている(特許文献1)。
この他、ケーソンのフーチングを、該ケーソンの下端から所定長さ分だけ高い位置に設け、そのフーチング下のマウンド嵌入部を水底の捨石マウンドに形成した嵌入穴内に挿入し、フーチング下面を捨石マウンド上面に当接させるようにしたものが知られている(特許文献2)。
また、ケーソン下端部の前後に比較的長い盤状のフーチングを一体に備えるとともに、該フーチングの端部に垂直壁を立ち上がり状に形成しておき、垂直壁の外側に捨石マウンドを造成したものが知られている(特許文献3)。
特開平2−96011号公報 特開2002−266332号公報 特開2003−313844号公報
しかし、水深の大きい地点や高い波が来襲する海域における防波堤の構築は、従来コンクリートケーソンを使用した工法が一般的であり、上述した従来のコンクリートブロックを貫通させて水底地盤に杭を打設する方法は、水深の大きい地点や高い波が来襲する海域では、杭の打設作業が困難であるために好ましくないという問題がある。
また、前述した特許文献2に示されている、フーチング下のマウンド嵌入部を水底の捨石マウンドに形成した嵌入穴内に挿入する方法では、嵌入穴を形成しつつ捨石マウンドを造成する必要があり、潜水夫に頼る作業が多くなり、作業性が悪く且つ高コストとなるという問題ある。
更に、前述した特許文献3では、フーチングを長くすることによって転倒抵抗を大きくするとともに、垂直壁に対する捨石マウンドによる滑動抵抗を大きくすることによりし、滑動及び転倒を防止せんとしているものであるが、越波即ち防波堤を乗り越える波によって滑動防止のための捨石マウンドが洗掘されと滑動抵抗が小さくなって所期の目的を達成できなくなるという問題がある。
更に、上述した各従来の技術では、新たな防波堤を設計し、構築する際には採用できるものであるが、既設のケーソン防波堤の補強には実施できないという問題がある。
本発明は、このような従来の問題に鑑み、新設、既設を問わず実施でき、大量の越波が生じるような大波浪の来襲に際しても耐えうる堅牢な構造のケーソン防波堤が低コストで構築でき、しかも越波による背面側の洗掘が抑制されて滑動、転倒抵抗の完全消失を来すことのない転倒防止補強付ケーソン防波堤の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、水底面に造成した捨石マウンド上にケーソンを並べて設置することによって堤体を構成し、該堤体の前記ケーソン背面側に、捨石を積み上げた重量式背面支持部を備え、前記ケーソンの背面に、該ケーソンと一体化させて突出させた転倒防止用張り出し部を備え、該転倒防止用張り出し部の下面を前記重量式背面支持部に支持させるようにしたことを特徴としてなる転倒防止補強付ケーソン防波堤にある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記転倒防止用張り出し部は、ケーソンに予め一体成形されていることにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記転倒防止用張り出し部は、既設堤体のケーソンに対して固着させたものであることにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3何れか1の構成に加え、前記転倒防止用張り出し部は、ケーソンとは別に形成したプレキャストコンクリート部材をケーソンに一体化させたものであることにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜4の何れか1の構成に加え、前記転倒防止用張り出し部は、前記ケーソン背面から後方に向けて突出された複数の支え壁部を有し、該支え壁部の底部間を底板部で連結した形状であることにある。
本発明に係る転倒防止補強付ケーソン防波堤は、堤体を構成しているケーソン背面側に、捨石を積み上げた重量式背面支持部を備えるとともに、ケーソンの背面に、該ケーソンと一体化させて突出させた転倒防止用張り出し部を備え、該転倒防止用張り出し部の下面を前記重量式背面支持部に支持させるようにしたことにより、重量式背面支持部によって水平波力に対するケーソンの滑動及び転倒抵抗が増加するとともに、越波による背面側の重量式背面支持部上面の洗掘が抑制され、洗掘終末時においても、重量式背面支持部の完全な崩落を防止でき、想定を超える波浪が発生した場合でも、滑動、転倒抵抗の完全消失を防止できる。
本発明においては、前記転倒防止用張り出し部は、ケーソンに予め一体成形しておくことにより、施工現場における工数が削減できる。
本発明においては、前記転倒防止用張り出し部を、既設堤体のケーソンに対して固着させたことによって、転倒防止機能が十分でない既存の防波堤においても効果的な転倒防止補強を施すことができる。
本発明においては、前記転倒防止用張り出し部を、ケーソンとは別に形成したプレキャストコンクリート部材をもって構成させ、ケーソンに一体化させることにより、新設のケーソン防波堤、既設のケーソン防波堤を問わず、容易且つ低コストで転倒防止補強付ケーソン防波堤とすることができる。
本発明においては、前記転倒防止用張り出し部を、前記ケーソン背面から後方に向けて突出された複数の支え壁部と、該支え壁部の底部間を底板部で連結した形状とすることによって、ケーソン荷重を大きくすることなく施工できる。
本発明に係る転倒防止補強付ケーソン防波堤の一例を示す縦断面図である。 同上の平面図である。 図1に示した転倒防止補強付ケーソン防波堤の転倒防止用張り出し部の設置方法を示す部分断面図である。 本発明の転倒防止補強付ケーソン防波堤に使用する転倒防止用張り出し部の他の例を示す斜視図である。 (a)は比較例である重量式背面支持部のみを使用した転倒防止補強付ケーソン防波堤の越波による背面側の洗掘初期状態を示す断面図、(b)は同洗掘終末状態を示す断面図である。 (a)は本発明の転倒防止補強付ケーソン防波堤の越波による洗掘初期状態を示す断面図、(b)は同洗掘終末状態を示す断面図である。
次に、本発明に係る転倒防止補強付ケーソン防波堤の実施の態様を図面に示した実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係る転倒防止補強付ケーソン防波堤の概略構成を示す断面図であり図2は同平面図を示しており、図中符号1は水底地盤2上に造成した捨石マウンド、3はコンクリート製のケーソンである。
ケーソン3には、底部の前後面に張り出したフーチング4が一体に形成されている。このケーソン3は、図には詳示されてないが、例えば陸上のケーソン制作ヤードにて中空に製造し、海上を曳航して設置位置に運搬し、浮力を調整しつつ沈めて捨石マウンド上に載置されている。中空部内には砂や石等の中詰材を充填して所定の重量となるようにしている。
このようにしてケーソン3を捨石マウンド1上に多数並べることによって堤体Aを構築している。
堤体Aを構成している各ケーソン3の背面側、即ち、波が打ち寄せる側とは反対側(陸側)には、捨石マウンド1上から水底地盤2上にまたがらせて重量式背面支持部5を備えている。この重量式背面支持部5は、捨石マウンド1と同様に捨石を積み上げることによって造成され、ほぼ平らな頂面5aを有するとともに、背面を傾斜させた法面5bとしている。
ケーソン3の背面には、ケーソン3と一体化させて突出させた転倒防止用張り出し部6を備えている。この転倒防止用張り出し部6は、プレキャストコンクリート製の部材をケーソン背面に固着したものであってもよく、ケーソン1の構築時に一体に成形したものであってもよい。
尚、既設の堤体Aに対して施工する場合には、ケーソン1とは別に形成したプレキャストコンクリート製の転倒防止用張り出し部6を使用し、堤体Aが新設である場合には、転倒防止用張り出し部6を予めケーソン1に一体成形したものを使用できる。
転倒防止用張り出し部6の下面は、前述した重量式背面支持部5の上面に支持されているとともに、該重量式背面支持部5の上面の一部を覆うようにしている。
転倒防止用張り出し部6の幅、即ち堤体Aの長さ方向側の長さaは、図2に示すようにケーソン幅より小さくし、堤体Aの長さ方向に間欠的に並べた配置とする。この他、図には示してないがケーソン3の幅と同じくし、堤体Aの長さ方向に連続した配置としてもよい。
転倒防止用張り出し部6の形状は、一例として図1、図2に示すように上面が後方下向きに傾斜され、背面視が方形状となっているものとすることができる。尚、上面は水平であってもよい。
この他、図4に示すように、ケーソン3の背面両側部から後方に向けて突出され、上面が後方下向きに傾斜した一対の支え壁部6a,6aを有し、該支え壁部6a,6aの底部間を底板部6bで連結した背面視が凹形状に一体成形したものであってもよい。尚、支え壁部6aは、図には示してないが、上面に一部水平部を設けその後部側を下向きに傾斜させた形状であってもよい。また、支え壁部6aは、必要に応じてケーソン背面両側部に加え、その中間部分に1又は複数一体に備えたものであってもよい。
このように構成される転倒防止補強付ケーソン防波堤の構築に際し、既設の堤体Aを利用する場合には以下の手順で行う。初めに重量式背面支持部5を構築する。次に図3に示すようにケーソン3の背面に転倒防止用張り出し部6を一体化させるためのアンカー筋10を突設するとともに、プレキャストコンクリート製の転倒防止用張り出し部6を、その背部の鉄筋籠部11を露出させた半製品12としておき、アンカー筋10を鉄筋籠部11内に挿入した状態で半製品12をケーソン3の背面に接合させ、鉄筋籠部11の両側部及び下側に型枠13を組み、その内部にコンクリート打設することによって転倒防止用張り出し部6をケーソン3に取り付ける。
尚、上述の方法は、堤体が新設の場合であっても、予めケーソン3の背面にアンカー筋10を突設しておき、同様にして施工することができる。
この他、新規に構築されるケーソン3に予め転倒防止用張り出し部6を一体に形成する場合には、ケーソン3を捨石マウンド1上に並べて載置させることによって堤体Aを構成させた後、重量式背面支持部5を造成し、転倒防止用張り出し部6の下面を重量式背面支持部5にて支持させる。
このように構成される転倒防止補強付ケーソン防波堤は、堤体Aの前面側に波力が作用した際に生じる水平方向の力に対しては、ケーソン3の重量と重量式背面支持部5の重量によって対抗し、ケーソン3の背面側への滑動が防止される。
また、高波浪によってケーソン上部に水平方向の波力Fが作用した際には、後方側に回転するモーメントが生じるが、このモーメントは、回転中心が転倒防止用張り出し部6の後端下面B部分となる。
これに対し、重量式背面支持部5がない場合には、モーメントの回転中心がフーチング4の下面先端C部分であり、本発明の転倒防止補強付ケーソン防波堤では、モーメントの、回転中心と水平力作用点との距離L1が、重量式背面支持部5のない場合の同距離L2に比べて短いため、同じ水平波力が作用した場合に、本発明では作用するモーメントが小さく、より大きい波力に対抗できる。
また、高波浪が打ち寄せることによって越波が生じた場合において、図5に示す比較例のように重量式背面支持部5のみによる転倒防止構造と、図6に示す本発明の重量式背面支持部5と転倒防止用張り出し部6とを併用した転倒防止構造とを比較すると、比較例においては図5(a)に示すように、越波初期に重量式背面支持部5の上部の洗掘が始まり、洗掘終末時にはすべてが崩壊し、滑動及び転倒抵抗が著しく低下する。これに対し、本発明では図6(a)に示すように、越波によって重量式背面支持部5の上面の洗掘が始まるが、転倒防止用張り出し部6の存在によって重量式背面支持部5の洗掘が抑制され、洗掘終末時にも図6(b)に示すように、重量式背面支持部5下の洗掘が抑制され完全な崩壊を免れることができ、滑動抵抗及び転倒抵抗が残存し、次に来襲する波浪に対抗することができる。
A 堤体
1 捨石マウンド
2 支持地盤
3 ケーソン
4 フーチング
5 重量式背面支持部
5a 頂面
5b 法面
6 転倒防止用張り出し部
6a 支え壁部
6b 底板部
10 アンカー筋
11 鉄筋籠部
12 半製品
13 型枠
本発明は、ケーソンを用いた既設又は新設防波堤において、想定外の大波浪が押し寄せて越波が生じた際にも、滑動や転倒が生じることのない転倒防止補強付ケーソン防波堤に関する。
従来、防波堤の滑動抵抗及び転倒抵抗を高める方法として、水底の捨石マウンド上に設置する防波堤用のコンクリートブロックに、上下に貫通する杭挿通孔を形成しておき、この孔を通して捨石マウンド及びその下の水底地盤内に杭を打設し、打設した杭の上端をコンクリートブロックの杭挿通孔に嵌合させた状態とする方法が知られている(特許文献1)。
この他、ケーソンのフーチングを、該ケーソンの下端から所定長さ分だけ高い位置に設け、そのフーチング下のマウンド嵌入部を水底の捨石マウンドに形成した嵌入穴内に挿入し、フーチング下面を捨石マウンド上面に当接させるようにしたものが知られている(特許文献2)。
また、ケーソン下端部の前後に比較的長い盤状のフーチングを一体に備えるとともに、該フーチングの端部に垂直壁を立ち上がり状に形成しておき、垂直壁の外側に捨石マウンドを造成したものが知られている(特許文献3)。
特開平2−96011号公報 特開2002−266332号公報 特開2003−313844号公報
しかし、水深の大きい地点や高い波が来襲する海域における防波堤の構築は、従来コンクリートケーソンを使用した工法が一般的であり、上述した従来のコンクリートブロックを貫通させて水底地盤に杭を打設する方法は、水深の大きい地点や高い波が来襲する海域では、杭の打設作業が困難であるために好ましくないという問題がある。
また、前述した特許文献2に示されている、フーチング下のマウンド嵌入部を水底の捨石マウンドに形成した嵌入穴内に挿入する方法では、嵌入穴を形成しつつ捨石マウンドを造成する必要があり、潜水夫に頼る作業が多くなり、作業性が悪く且つ高コストとなるという問題ある。
更に、前述した特許文献3では、フーチングを長くすることによって転倒抵抗を大きくするとともに、垂直壁に対する捨石マウンドによる滑動抵抗を大きくすることによりし、滑動及び転倒を防止せんとしているものであるが、越波即ち防波堤を乗り越える波によって滑動防止のための捨石マウンドが洗掘されると滑動抵抗が小さくなって所期の目的を達成できなくなるという問題がある。
更に、上述した各従来の技術では、新たな防波堤を設計し、構築する際には採用できるものであるが、既設のケーソン防波堤の補強には実施できないという問題がある。
本発明は、このような従来の問題に鑑み、新設、既設を問わず実施でき、大量の越波が生じるような大波浪の来襲に際しても耐えうる堅牢な構造のケーソン防波堤が低コストで構築でき、しかも越波による背面側の洗掘が抑制されて滑動、転倒抵抗の完全消失を来すことのない転倒防止補強付ケーソン防波堤の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、水底面に造成した捨石マウンド上にケーソンを並べて設置することによって堤体を構成し、該堤体の前記ケーソン背面側に、捨石を積み上げた背面支持部を備え、前記ケーソンの背面に、該ケーソンと一体化させて突出させた転倒防止用張り出し部を備え、該転倒防止用張り出し部の下面を前記背面支持部に支持させるようにしたことを特徴としてなる転倒防止補強付ケーソン防波堤にある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記転倒防止用張り出し部は、ケーソンに予め一体成形されていることにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記転倒防止用張り出し部は、既設堤体のケーソンに対して固着させたものであることにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3何れか1の構成に加え、前記転倒防止用張り出し部は、ケーソンとは別に形成したプレキャストコンクリート部材をケーソンに一体化させたものであることにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜4の何れか1の構成に加え、前記転倒防止用張り出し部は、前記ケーソン背面から後方に向けて突出された複数の支え壁部を有し、該支え壁部の底部間を底板部で連結した形状であることにある。
本発明に係る転倒防止補強付ケーソン防波堤は、堤体を構成しているケーソン背面側に、捨石を積み上げた背面支持部を備えるとともに、ケーソンの背面に、該ケーソンと一体化させて突出させた転倒防止用張り出し部を備え、該転倒防止用張り出し部の下面を前記背面支持部に支持させるようにしたことにより、背面支持部によって水平波力に対するケーソンの滑動及び転倒抵抗が増加するとともに、越波による背面側の背面支持部上面の洗掘が抑制され、洗掘終末時においても、背面支持部の完全な崩落を防止でき、想定を超える波浪が発生した場合でも、滑動、転倒抵抗の完全消失を防止できる。
本発明においては、前記転倒防止用張り出し部は、ケーソンに予め一体成形しておくことにより、施工現場における工数が削減できる。
本発明においては、前記転倒防止用張り出し部を、既設堤体のケーソンに対して固着させたことによって、転倒防止機能が十分でない既存の防波堤においても効果的な転倒防止補強を施すことができる。
本発明においては、前記転倒防止用張り出し部を、ケーソンとは別に形成したプレキャストコンクリート部材をもって構成させ、ケーソンに一体化させることにより、新設のケーソン防波堤、既設のケーソン防波堤を問わず、容易且つ低コストで転倒防止補強付ケーソン防波堤とすることができる。
本発明においては、前記転倒防止用張り出し部を、前記ケーソン背面から後方に向けて突出された複数の支え壁部と、該支え壁部の底部間を底板部で連結した形状とすることによって、ケーソン荷重を大きくすることなく施工できる。
本発明に係る転倒防止補強付ケーソン防波堤の一例を示す縦断面図である。 同上の平面図である。 図1に示した転倒防止補強付ケーソン防波堤の転倒防止用張り出し部の設置方法を示す部分断面図である。 本発明の転倒防止補強付ケーソン防波堤に使用する転倒防止用張り出し部の他の例を示す斜視図である。 (a)は比較例である背面支持部のみを使用した転倒防止補強付ケーソン防波堤の越波による背面側の洗掘初期状態を示す断面図、(b)は同洗掘終末状態を示す断面図である。 (a)は本発明の転倒防止補強付ケーソン防波堤の越波による洗掘初期状態を示す断面図、(b)は同洗掘終末状態を示す断面図である。
次に、本発明に係る転倒防止補強付ケーソン防波堤の実施の態様を図面に示した実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係る転倒防止補強付ケーソン防波堤の概略構成を示す断面図であり図2は同平面図を示しており、図中符号1は水底地盤2上に造成した捨石マウンド、3はコンクリート製のケーソンである。
ケーソン3には、底部の前後面に張り出したフーチング4が一体に形成されている。このケーソン3は、図には詳示されてないが、例えば陸上のケーソン制作ヤードにて中空に製造し、海上を曳航して設置位置に運搬し、浮力を調整しつつ沈めて捨石マウンド上に載置されている。中空部内には砂や石等の中詰材を充填して所定の重量となるようにしている。
このようにしてケーソン3を捨石マウンド1上に多数並べることによって堤体Aを構築している。
堤体Aを構成している各ケーソン3の背面側、即ち、波が打ち寄せる側とは反対側(陸側)には、捨石マウンド1上から水底地盤2上にまたがらせて背面支持部5を備えている。この背面支持部5は、捨石マウンド1と同様に捨石を積み上げることによって造成され、ほぼ平らな頂面5aを有するとともに、背面を傾斜させた法面5bとしている。
ケーソン3の背面には、ケーソン3と一体化させて突出させた転倒防止用張り出し部6を備えている。この転倒防止用張り出し部6は、プレキャストコンクリート製の部材をケーソン背面に固着したものであってもよく、ケーソン1の構築時に一体に成形したものであってもよい。
尚、既設の堤体Aに対して施工する場合には、ケーソン1とは別に形成したプレキャストコンクリート製の転倒防止用張り出し部6を使用し、堤体Aが新設である場合には、転倒防止用張り出し部6を予めケーソン1に一体成形したものを使用できる。
転倒防止用張り出し部6の下面は、前述した背面支持部5の上面に支持されているとともに、該背面支持部5の上面の一部を覆うようにしている。
転倒防止用張り出し部6の幅、即ち堤体Aの長さ方向側の長さaは、図2に示すようにケーソン幅より小さくし、堤体Aの長さ方向に間欠的に並べた配置とする。この他、図には示してないがケーソン3の幅と同じくし、堤体Aの長さ方向に連続した配置としてもよい。
転倒防止用張り出し部6の形状は、一例として図1、図2に示すように上面が後方下向きに傾斜され、背面視が方形状となっているものとすることができる。尚、上面は水平であってもよい。
この他、図4に示すように、ケーソン3の背面両側部から後方に向けて突出され、上面が後方下向きに傾斜した一対の支え壁部6a,6aを有し、該支え壁部6a,6aの底部間を底板部6bで連結した背面視が凹形状に一体成形したものであってもよい。尚、支え壁部6aは、図には示してないが、上面に一部水平部を設けその後部側を下向きに傾斜させた形状であってもよい。また、支え壁部6aは、必要に応じてケーソン背面両側部に加え、その中間部分に1又は複数一体に備えたものであってもよい。
このように構成される転倒防止補強付ケーソン防波堤の構築に際し、既設の堤体Aを利用する場合には以下の手順で行う。初めに背面支持部5を構築する。次に図3に示すようにケーソン3の背面に転倒防止用張り出し部6を一体化させるためのアンカー筋10を突設するとともに、プレキャストコンクリート製の転倒防止用張り出し部6を、その背部の鉄筋籠部11を露出させた半製品12としておき、アンカー筋10を鉄筋籠部11内に挿入した状態で半製品12をケーソン3の背面に接合させ、鉄筋籠部11の両側部及び下側に型枠13を組み、その内部にコンクリート打設することによって転倒防止用張り出し部6をケーソン3に取り付ける。
尚、上述の方法は、堤体が新設の場合であっても、予めケーソン3の背面にアンカー筋10を突設しておき、同様にして施工することができる。
この他、新規に構築されるケーソン3に予め転倒防止用張り出し部6を一体に形成する場合には、ケーソン3を捨石マウンド1上に並べて載置させることによって堤体Aを構成させた後、背面支持部5を造成し、転倒防止用張り出し部6の下面を背面支持部5にて支持させる。
このように構成される転倒防止補強付ケーソン防波堤は、堤体Aの前面側に波力が作用した際に生じる水平方向の力に対しては、ケーソン3の重量と背面支持部5の重量によって対抗し、ケーソン3の背面側への滑動が防止される。
また、高波浪によってケーソン上部に水平方向の波力Fが作用した際には、後方側に回転するモーメントが生じるが、このモーメントは、回転中心が転倒防止用張り出し部6の後端下面B部分となる。
これに対し、背面支持部5がない場合には、モーメントの回転中心がフーチング4の下面先端C部分であり、本発明の転倒防止補強付ケーソン防波堤では、モーメントの、回転中心と水平力作用点との距離L1が、背面支持部5のない場合の同距離L2に比べて短いため、同じ水平波力が作用した場合に、本発明では作用するモーメントが小さく、より大きい波力に対抗できる。
また、高波浪が打ち寄せることによって越波が生じた場合において、図5に示す比較例のように背面支持部5のみによる転倒防止構造と、図6に示す本発明の背面支持部5と転倒防止用張り出し部6とを併用した転倒防止構造とを比較すると、比較例においては図5(a)に示すように、越波初期に背面支持部5の上部の洗掘が始まり、洗掘終末時にはすべてが崩壊し、滑動及び転倒抵抗が著しく低下する。これに対し、本発明では図6(a)に示すように、越波によって背面支持部5の上面の洗掘が始まるが、転倒防止用張り出し部6の存在によって背面支持部5の洗掘が抑制され、洗掘終末時にも図6(b)に示すように、背面支持部5下の洗掘が抑制され完全な崩壊を免れることができ、滑動抵抗及び転倒抵抗が残存し、次に来襲する波浪に対抗することができる。
A 堤体
1 捨石マウンド
2 支持地盤
3 ケーソン
4 フーチング
背面支持部
5a 頂面
5b 法面
6 転倒防止用張り出し部
6a 支え壁部
6b 底板部
10 アンカー筋
11 鉄筋籠部
12 半製品
13 型枠

Claims (5)

  1. 水底面に造成した捨石マウンド上にケーソンを並べて設置することによって堤体を構成し、
    該堤体の前記ケーソン背面側に、捨石を積み上げた重量式背面支持部を備え、
    前記ケーソンの背面に、該ケーソンと一体化させて突出させた転倒防止用張り出し部を備え、
    該転倒防止用張り出し部の下面を前記重量式背面支持部に支持させるようにしたことを特徴としてなる転倒防止補強付ケーソン防波堤。
  2. 前記転倒防止用張り出し部は、ケーソンに予め一体成形されている請求項1に記載の転倒防止補強付ケーソン防波堤。
  3. 前記転倒防止用張り出し部は、既設堤体のケーソンに対して固着させたものである請求項1に記載の転倒防止補強付ケーソン防波堤。
  4. 前記転倒防止用張り出し部は、ケーソンとは別に形成したプレキャストコンクリート部材をケーソンに一体化させたものである請求項1〜3の何れか1に記載の転倒防止補強付ケーソン防波堤。
  5. 前記転倒防止用張り出し部は、前記ケーソン背面から後方に向けて突出された複数の支え壁部を有し、該支え壁部の底部間を底板部で連結した形状である請求項1〜4の何れか1に記載の転倒防止補強付ケーソン防波堤。
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