JP6923282B2 - 捨石構造物及びその築造方法 - Google Patents

捨石構造物及びその築造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6923282B2
JP6923282B2 JP2017202801A JP2017202801A JP6923282B2 JP 6923282 B2 JP6923282 B2 JP 6923282B2 JP 2017202801 A JP2017202801 A JP 2017202801A JP 2017202801 A JP2017202801 A JP 2017202801A JP 6923282 B2 JP6923282 B2 JP 6923282B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubble
wall portion
laminating
offshore
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017202801A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018131891A (ja
Inventor
金澤 剛
剛 金澤
大樹 酒井
大樹 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toyo Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Construction Co Ltd filed Critical Toyo Construction Co Ltd
Publication of JP2018131891A publication Critical patent/JP2018131891A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6923282B2 publication Critical patent/JP6923282B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、捨石護岸または捨石堤に備えられた、捨石を積層してなる捨石構造物及びその築造方法に関するものである。
海域あるいは水域に建設される埋立地(人工島)の外郭をなす護岸は、その構造形式から捨石式、セル式、矢板式、ケーソン式などの重量式があり、施工条件に応じて選択し、組み合わせて施工される。また、港湾や漁港などに建設される防波堤にも、捨石式の傾斜堤に代表される捨石堤、ケーソン式の直立堤、捨石マウンド上にケーソンが立設される混成堤などがあり、種々の条件に応じてその構造が選択される。
そこで、図1に示すように、捨石式の護岸(以下、捨石護岸と称す)100は、概略、所定水域の底面上に、砂を敷設してなる敷砂層101が設けられ、該敷砂層101上に砂を盛ってなる盛砂層102が設けられる。また、該盛砂層102上に多数の捨石(例えば、重量10〜200kg/個)を投入して積層してなる断面略台形状の捨石構造物103が上下方向に沿って2段設けられ、上側の捨石構造物103の沖側法面に、多数の被覆石(例えば、重量400〜600kg/個)が当該法面を覆うように配置される被覆石部位104が設けられる。さらに、当該被覆石部位104の沖側法面には、多数の消波ブロックが当該部位104を覆うように配置される消波ブロック部位105が設けられ、下側の捨石構造物103の岸側法面から岸側には向かって盛砂層102が設けられ、上側の捨石構造物103の上端面に上部ブロック(上部コンクリートの打設含む)106が配置されて、捨石護岸100が築造される。そして、捨石護岸100の内側には土砂が投入、積層されて陸地が造成される。
また、図2に示すように、捨石堤200は、概略、所定水域の底面上に多数の捨石を投入して積層してなる断面略台形状の捨石構造物103が設けられ、捨石構造物103の沖側法面及び岸側法面から底面に至る範囲に、多数の被覆石が当該範囲を覆うように配置される被覆石部位104が設けられる。また、当該各被覆石部位104上には、多数の消波ブロックが当該部位104を覆うように配置される消波ブロック部位105が設けられ、捨石構造物103の上端面にコンクリートが打設される上部コンクリート打設部位107が設けられて、捨石堤200が築造される。
しかしながら、上述したような、完成した捨石護岸100または捨石堤200においては、所要の設計波に対してその安定性が確保されているのに対して、被覆石(被覆石部位104)や消波ブロック(消波ブロック部位105)が設置される前段階における捨石構造物103の施工中に、高波浪が来襲すると、捨石は重量が小さいために波力により飛散してしまい、捨石の散乱により捨石構造物103の断面形状が変形するといった被災が発生してしまう。
このような被災を防ぎ、施工中における捨石構造物103の安定性を確保するために、従来においては、台風等の接近が予測された場合には、通常の捨石より重量の大きな石材例えば被覆石、あるいは網状の袋材に捨石を詰めたものを暫定的に施工中の捨石構造物103の表面を被覆する対策を講じるか、あるいはワイヤーまたはチェーン製の網体(ネット)で施工中の捨石構造物103の表面を覆うなどの対策が取られてきたが、いずれもその効果は限定的であった。
そこで、特許文献1には、方形体状の鋼製籠内に所要塊の捨石を充填して法止用捨石籠体を形成せしめ、該捨石籠体を順次海底原地盤上に所要の法面勾配をもって積重せしめつつ、該積重捨石籠体の背後に順次捨石材を投入充填せしめて法面堤体状に構築せしめる護岸用捨石堤の構築方法が開示されている。
特開平11−247154号公報
しかしながら、特許文献1に記載の護岸用捨石堤の構築方法においても、施工中に、高波浪が来襲すると、捨石籠体の背後に積層された捨石材が飛散して、捨石籠体を超えるようにして流失してしまい、上述した問題を解決することはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、施工中に高波浪が来襲しても、安定性を確保しつつ、捨石の流失を抑制することができる捨石構造物及びその築造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した捨石構造物の発明は、捨石護岸または捨石堤の延設方向に沿って備えられる、多数の捨石を積層してなる捨石構造物であって、該捨石構造物は、その内部の岸沖方向略中央部位に位置して、且つ鉛直方向に延びる壁部を該捨石構造物の延設方向に沿って配置すると共に、該壁部の沖側及び岸側に前記多数の捨石を積層して構成され、前記壁部は、水の通過は許容しつつ捨石の通過は規制するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明では、捨石構造物の施工中に高波浪が来襲しても、壁部により、当該壁部を介して沖側の捨石が岸側に移動するのを抑制することができ、施工中の捨石構造物の断面形状の変形を抑制することができる。また、壁部は水の通過は許容するので、壁部を立設する際、波浪による壁部の大きな移動を抑制することができる。
請求項2に記載した捨石構造物の発明は、請求項1に記載した発明において、前記壁部は、網体で構成されることを特徴とするものである。
請求項2の発明では、壁部の取り扱いが容易となり、作業性が良好となる。
請求項3に記載した捨石構造物の発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記壁部には、該壁部の傾倒を抑制する支持部が設けられることを特徴とするものである。
請求項3の発明では、施工時、壁部を容易に自立させることができ、作業性が向上する。
請求項4に記載した捨石構造物の発明は、請求項1に記載した発明において、前記壁部は、捨石を中詰した網状の袋体を複数積層して構成されることを特徴とするものである。
請求項4の発明では、施工時、壁部の安定性が向上する。
請求項5に記載した捨石構造物の築造方法に係る発明は、捨石護岸または捨石堤の延設方向に沿って備えられる、多数の捨石を積層してなる捨石構造物の築造方法であって、水の通過は許容しつつ捨石の通過は規制する網体の上部にフロートを接続すると共に、前記網体の下部に重量物を接続する準備ステップと、次に、前記重量物を所定水域の底面に設置すると共に前記フロートを海面に浮かせることで、前記網体を鉛直方向に沿って延在させつつ、前記捨石構造物の延設方向に沿って延在させてその姿勢を保持する保持ステップと、次に、前記網体の沖側及び岸側に捨石を積層して前記捨石構造物を築造する築造ステップと、を含むことを特徴とするものである。
請求項5の発明では、特に、保持ステップにより、網体を容易に鉛直方向に沿って自立させて、その姿勢を保持することができるので、施工中の捨石構造物の安定性を確保しつつ、作業性が向上する。
請求項6に記載した捨石構造物の築造方法に係る発明は、捨石護岸または捨石堤の延設方向に沿って備えられる、多数の捨石を積層してなる捨石構造物の築造方法であって、捨石を中詰した網状の袋体を、前記捨石構造物の天端面に向かって積層すると共に前記捨石構造物の延設方向に沿って複数配置する袋体設置ステップと、次に、前記各袋体の沖側及び岸側に捨石を積層する捨石積層ステップと、を含み、前記袋体設置ステップと前記捨石積層ステップとを繰り返し実施して、前記捨石構造物を築造しており、前記捨石積層ステップでは、前記捨石構造物の完成断面形状の内側で、前記袋体の沖側及び岸側に捨石を積層するようにして、当該捨石積層ステップを繰り返すことで、前記捨石構造物の完成断面形状に徐々に近づくようにすることを特徴とするものである。
請求項6の発明では、捨石を中詰した網状の袋体を積層しながら、各袋体の周り捨石を積層することができるので、施工中、壁部の姿勢を安定させつつ、捨石構造物の安定性を確保することができる。また、請求項6の発明では、捨石積層ステップにおいて、捨石構造物の完成断面形状の内側で、袋体の沖側及び岸側に捨石を積層するようにして、捨石積層ステップを繰り返すことで、捨石構造物の完成断面形状に徐々に近づくようにするので、施工中、高波浪を受けて、積層した捨石による捨石構造物の断面形状が変形したとしても、捨石構造物の完成断面形状より外方への捨石の流出を極力抑えることができ、復旧作業の軽減、材料の損失等、工事上の不利益を抑止することが可能となる。
請求項に記載した捨石構造物の築造方法に係る発明は、捨石護岸または捨石堤の延設方向に沿って備えられる、多数の捨石を積層してなる捨石構造物の築造方法であって、水の通過は許容しつつ捨石の通過は規制する壁部と、該壁部に設けられ、該壁部の傾倒を抑制すべく支持部と、を用意する準備ステップと、前記支持部を所定水域の底面に設置することで前記壁部を自立させる設置ステップと、次に、前記壁部の沖側及び岸側に捨石を積層して前記捨石構造物を築造する築造ステップと、を含むことを特徴とするものである。
請求項の発明では、支持部により壁部を容易に自立させて安定させることができ、壁部の周りに捨石を積層することで、施工中の捨石構造物の安定性を確保しつつ、作業性が向上する。
本発明に係る捨石構造物では、壁部を備えているので、捨石構造物の施工中に高波浪が来襲しても、捨石構造物の安定性を確保しつつ、捨石の流失を抑制することができる。
また、本発明に係る捨石構造物の築造方法では、施工中の捨石構造物の安定性を確保しつつ、捨石構造物の作業性が良好となる。
図1は、本発明の実施形態に係る捨石構造物が採用される捨石護岸の概略断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る捨石構造物が採用される捨石堤の概略断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る捨石構造物の断面図である。 図4は、第1の実施形態に係る壁部として採用される網体の斜視図である。 図5は、第1の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図6は、第2及び第3の実施形態に係る壁部として採用される、捨石を中詰したふとんかごの斜視図である。 図7は、第2の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図8は、第3の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図9は、第4の実施形態に係る壁部の斜視図である。 図10は、第4の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図11は、第5の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図12は、第6の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図13は、第7の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図14は、第8の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図15は、第9の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図16は、第10の実施形態に係る壁部を採用して、捨石構造物を築造する方法を段階的に示す図である。 図17は、捨石構造物が交差してなる隅角部を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図17に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る捨石構造物1は、図1〜図3に示すように、捨石護岸100または捨石堤200に適用されている。本実施形態では、捨石護岸100に採用された捨石構造物1を説明する。捨石構造物1は、所定水域に捨石を投入して積層することで、断面略台形状で捨石護岸100の延設方向に沿って築造される。なお、捨石構造物1には、粒径200〜600mm/個程度であり、重量10〜200kg/個程度の捨石が採用される。図3から解るように、捨石構造物1の内部に、鉛直方向に延びる壁部2a〜2jが捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。壁部2a〜2jは、水の通過は許容するものの捨石の通過は規制するもので構成される。
まず、第1の実施形態に係る壁部2aを図3及び図4に基づいて説明する。第1の実施形態に係る壁部2aは、捨石構造物1内で、その延設方向に対する直交方向(以下、岸沖方向という)略中央部位に鉛直方向に延び、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。図4に示すように、第1の実施形態に係る壁部2aは、網体5(ネット)で構成される。該網体5は可撓性を有するものである。網体5に設けられた多数の開口6は捨石の粒径よりも小さく形成される。例えば、捨石構造物1に採用される捨石が粒径200〜600mm/個の場合は、網体5の各開口6の内径を200mm以下に設定する。なお、網体5は、金属、化学繊維や合成樹脂等で形成されており、所望の強度を有していれば、その材質について限定されることはない。
次に、上述した第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1の築造方法を、図5に基づいて説明する。
まず、準備ステップを実施する。当該準備ステップでは、略矩形状の網体5の下端に重量物であるアンカー8を固定する。アンカー8にはH型鋼等が使用される。一方、網体5の上端に主フロート9を接続する。詳しくは、網体5により主フロート9全体を包み込むようにして、網体5の上端に主フロート9を接続する。この主フロート9は、浮力により網体5を鉛直方向に安定させるためのものである。この主フロート9には、合成樹脂や合成ゴム等が使用される。
次に、初期捨石積層ステップを実施する。図5(a)に示すように、当該初期捨石積層ステップでは、所定水域の底面に、高波浪が来襲しても、捨石が散乱せずその断面が変形しないレベルまで、捨石を投入して積層してなる初期積層部位7を捨石構造物1の延設方向に沿って築造する。なお、初期捨石積層ステップでは、捨石構造物1の完成断面形状(2点鎖線で示す)に係る沖側法面及び岸側法面に一致するように捨石を積層する。この初期捨石積層ステップは必要に応じて実施される。
次に、保持ステップを実施する。図5(a)を参照して、当該保持ステップでは、初期捨石積層ステップにて構築した捨石を積層してなる初期捨石積層部位7上にアンカー8を設置すると共に、主フロート9により網体5の上端を海面に浮かべて網体5が鉛直方向に延設されるようにして、その姿勢を保持する。なお、網体5を安定して保持するために、詳しくは、網体5の下部のたるみを抑制するために、必要に応じて、網体5の上下方向の適宜位置に中間フロート10を接続する。
次に、図5(b)、(c)に示すように、築造ステップを実施する。当該築造ステップでは、網体5の周りに、捨石を断面略台形状を呈するように投入して、主フロート9全体が埋設される手前まで積層して捨石構造物1を築造する。当該築造ステップでは、図5(b)に示すように、捨石を投入して積層する際、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面及び岸側法面に一致させつつ、完成断面形状の天端面に徐々に近づくように実施される。このとき、網体5は、岸沖方向略中央部位に位置するが、網体5は鉛直方向に直線状に延びる必要はない。
次に、図5(c)を参照して、捨石構造物1の上端面からは、網体5により包み込まれた主フロート9の上端部が突出した状態となっており、主フロート9を包み込む網体5の頂部を切り裂くようにして、主フロート9だけを撤去し、その部位に捨石を積層して捨石構造物1を完成させる。その後、捨石護岸100を築造する際の通常工程に進む。なお、アンカー8、網体5及び中間フロート10は埋めたままの状態となる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1では、当該捨石構造物1の内部には、鉛直方向に延びる壁部2aが捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。この壁部2aは、水の通過は許容するものの捨石の通過は規制するもので構成される。これにより、捨石構造物1の施工中に高波浪が来襲しても、壁部2aにより沖側の捨石が岸側に移動するのを抑制することができ、施工中の捨石構造物1の断面形状の変形を抑制することができる。
また、第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1の築造方法では、保持ステップにおいて主フロート9及びアンカー8を採用することで、壁部2aとしての網体5を容易に鉛直方向に沿って自立させて、その姿勢を保持することができるので、施工中の捨石構造物1の安定性を確保しつつ、作業性が向上する。
次に、第2の実施形態に係る壁部2bを図6及び図7に基づいて説明する。第2の実施形態に係る壁部2bは、捨石構造物1内の岸沖方向略中央部位に鉛直方向に延び、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。第2の実施形態に係る壁部2bは、捨石を中詰した、いわゆるふとんかご15を鉛直方向に沿って複数段積層すると共に捨石構造物1の延設方向に沿って互いに接触するようにして複数配置して構成されている。捨石を中詰した複数のふとんかご15は体積が略同じに形成されている。ふとんかご15は、金属、化学繊維や合成樹脂等で形成されており、所望の強度を有していれば、その材質について限定されることはない。なお、以下に言及するふとんかご15は、捨石を中詰したふとんかご15のことを意味する。
次に、上述した第2の実施形態に係る壁部2bを採用した捨石構造物1の築造方法を図7に基づいて説明する。
まず、初期捨石積層ステップを実施する。当該初期捨石積層ステップは、上述した第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1の築造方法における初期捨石積層ステップと同様であるので、ここでの説明を省略する。
次に、かご設置ステップを実施する。かご設置ステップの前段階にて、複数のふとんかご15が用意される。そして、図7(a)に示すように、当該かご設置ステップでは、ふとんかご15を、初期捨石積層部位7上の岸沖方向略中央部位に鉛直方向に沿って複数段積層すると共に捨石構造物1の延設方向に沿って複数配置する。本実施形態では、図7に示すように、鉛直方向に沿って2段または3段積層される。なお、かご設置ステップでは、鉛直方向に沿って隣接するふとんかご15、15同士、及び捨石構造物1の延設方向に沿って隣接するふとんかご15、15同士を連結することも可能である。これにより、施工時、壁部2bの姿勢を安定させることができる。
次に、図7(b)に示すように、捨石積層ステップを実施する。当該捨石積層ステップでは、積層されたふとんかご15の周りに、積層された最も上位のふとんかご15または上から2段目のふとんかご15の上端付近まで捨石を積層する。
次に、かご設置ステップと捨石積層ステップとを繰り返し実施することで、最終的に捨石構造物1を築造する。その後、捨石護岸100を築造する際の通常工程に進む。各ふとんかご15は埋めたままの状態となる。なお、捨石積層ステップでは、図7(b)に示すように、捨石を投入して積層する際、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面及び岸側法面に一致させて、その完成断面形状の天端面に徐々に近づくように繰り返し実施される。
以上説明した、第2の実施形態に係る壁部2bを採用した捨石構造物1についても、第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1と同様の作用効果を奏することができる。
また、第2の実施形態に係る壁部2bを採用した捨石構造物1の築造方法では、かご設置ステップと捨石積層ステップとを繰り返し実施するので、壁部2bの姿勢を安定させることができ、ひいては、捨石構造物1の安定性を確保することができる。
次に、第3の実施形態に係る壁部2cを図8に基づいて説明する。第3の実施形態に係る壁部2cは、捨石構造物1内の岸沖方向略中央部位に鉛直方向に延び、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。第3の実施形態に係る壁部2cは、第2の実施形態に係る壁部2bで採用したふとんかご15を鉛直方向に沿って複数段積層すると共に岸沖方向に沿って互いに接触するように複数列配置して、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って互いに接触するように複数配置して構成される。また、第3の実施形態に係る壁部2cでは、岸側のふとんかご15の上端面と、沖側のふとんかご15の上端面とは同一平面上に配置されず、岸側のふとんかご15と、沖側のふとんかご15とは、鉛直方向に沿って互いにずれるようにして配置される。
次に、上述した第3の実施形態に係る壁部2cを採用した捨石構造物1の築造方法を、図8に基づいて説明する。
まず、初期捨石積層ステップを実施する。当該初期捨石積層ステップは、上述した第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1の築造方法における初期捨石積層ステップと同様であるので、ここでの説明を省略する。
次に、第1かご設置ステップを実施する。第1かご設置ステップの前段階にてふとんかご15が用意される。そして、図8(a)に示すように、当該第1かご設置ステップでは、ふとんかご15を初期捨石積層部位7上の岸沖方向略中央部位に捨石構造物1の延設方向に沿って互いに接触するように複数配置する。
次に、部分捨石積層ステップを実施する。当該部分捨石積層ステップでは、第1かご設置ステップにより複数配置されたふとんかご15の背面側(岸側)に、ふとんかご15の底面により大きい範囲に、且つふとんかご15の厚みの半分程度の高さになるまで捨石を捨石構造物1の延設方向に沿って積層する。図8では部分捨石積層部位16にて示される。
次に、第2かご設置ステップを実施する。当該第2かご設置ステップでは、ふとんかご15を部分捨石積層部位16上に沖側のふとんかご15と接触するように捨石構造物1の延設方向に沿って互いに接触するように複数配置する。この時、第2かご設置ステップにて設置した、岸側のふとんかご15の上端面の高さが、第1かご設置ステップにて設置した、沖側のふとんかご15の上端面よりも高くなる。
次に、第3かご設置ステップを実施する。当該第3かご設置ステップでは、第1かご設置ステップにて設置した、沖側のふとんかご15上にふとんかご15を積層する。
次に、捨石積層ステップを実施する。図8(b)に示すように、当該捨石積層ステップでは、沖側の鉛直方向1段目ふとんかご15の上端面に一致するまで全体的に捨石を積層する。
次に、第4かご設置ステップを実施する。当該第4かご設置ステップでは、第2かご設置ステップにて設置した、岸側のふとんかご15上にふとんかご15を積層する。
次に、図8(c)に示すように、第3かご設置ステップ、捨石積層ステップ及び第4かご設置ステップをこの順序で繰り返し実施して、最終的に捨石構造物1を築造する。その後、捨石護岸100を築造する際の通常工程に進む。各ふとんかご15は埋めたままの状態となる。なお、捨石積層ステップでは、図8(b)及び(c)に示すように、捨石を投入して積層する際、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面及び岸側法面に一致させて、その完成断面形状の天端面に徐々に近づくように繰り返し実施される。
この結果、第1及び第3かご設置ステップにより沖側に積層された各ふとんかご15と、第2及び第4かご設置ステップにより岸側に積層された各ふとんかご15とは、鉛直方向に沿って互いにずれるようにして積層されることなり、岸側に積層された各ふとんかご15によって、沖側に積層された各ふとんかご15が、施工中に波力により岸側に移動するのを抑制することができ、施工中の壁部2cの安定性をさらに向上させることができる。
以上説明した、第3の実施形態に係る壁部2cを採用した捨石構造物1についても、第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1と同様の作用効果を奏することができる。
また、第3の実施形態に係る壁部2cを採用した捨石構造物1の築造方法では、施工中、特に、波浪に対して壁部2bの姿勢をさらに安定させることができ、ひいては、捨石構造物1の安定性を確保することができる。
次に、第4の実施形態に係る壁部2dを図9に基づいて説明する。第4の実施形態に係る壁部2dは、捨石構造物1内の岸沖方向略中央部位に鉛直方向に延び、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。第4の実施形態に係る壁部2dは、当該壁部2dの傾倒を抑制する支持部20を備えている。壁部2dは、H鋼等により略矩形状の枠体23を形成して、該枠体23内に網体24を固定して構成される。網体24に設けられた多数の開口25は捨石の粒径よりも小さく形成される。例えば捨石構造物1に採用される捨石が粒径200〜600mm/個の場合には、網体24の各開口25の内径は200mm以下に設定される。支持部20は、H鋼等により略矩形状の枠体26を形成して、該枠体26内に網体27を固定して構成される。そして、支持部20を壁部2d(枠体23)の下端に、該支持部20が沖側及び岸側に延在して、設置時所定水域の底面にそれぞれ接触するように接続する。なお、支持部20が沖側または岸側のいずれか一方に延在するようにしてもよい。また、壁部2dの枠体23及び支持部20の枠体26を、コンクリート製で形成してもよい。
次に、上述した第4の実施形態に係る、支持部20を有する壁部2dを採用した捨石構造物1の築造方法を図10に基づいて説明する。
まず、準備ステップとして、予め、上述したような、図9に示す支持部20を有する壁部2dが用意される。
次に、初期捨石積層ステップを実施する。当該初期捨石積層ステップは、上述した第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1の築造方法における初期捨石積層ステップと同様であるので、ここでの説明を省略する。
次に、図10(a)に示すように、設置ステップを実施する。当該設置ステップでは、支持部20を初期捨石積層部位7上に設置する。この結果、壁部2dは鉛直方向に自立するようになる。
次に、図10(b)に示すように、築造ステップを実施する。当該築造ステップでは、壁部2dの周りに、捨石を断面略台形状を呈するように投入して積層して捨石構造物1を築造する。当該築造ステップでは、図10(b)に示すように、捨石を投入して積層する際、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面及び岸側法面に一致させつつ、完成断面形状の天端面に徐々に近づくように実施される。
次に、捨石護岸100を築造する際の通常工程に進む。なお、壁部2dの上端は、捨石構造物1の上端面とその高さを一致させており、壁部2d及び支持部20は埋めたままの状態となる。
以上説明した、第4の実施形態に係る壁部2dを採用した捨石構造物1についても、第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1と同様の作用効果を奏することができる。
また、第4の実施形態に係る壁部2dを採用した捨石構造物1の築造方法では、支持部20により壁部2dを容易に鉛直方向に沿って自立させて安定させることができるので、施工中の捨石構造物1の安定性を確保しつつ、作業性が向上する。
次に、第5の実施形態に係る壁部2eを図11に基づいて説明する。第5の実施形態に係る壁部2eは、捨石構造物1内の岸沖方向略中央部位に鉛直方向に延び、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。第5の実施形態に係る壁部2eは、第2の実施形態に係る壁部2bで採用したふとんかご15を鉛直方向に沿って複数段積層すると共に岸沖方向に沿って互いに接触するように複数列配置して、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って互いに接触するように複数配置して構成される。また、第5の実施形態に係る壁部2eでは、岸側のふとんかご15の上端面と、沖側のふとんかご15の上端面とが略同一平面上に位置する。なお、第5の実施形態に係る壁部2eでは、最も上部に位置するふとんかご15は、その直下の、岸側のふとんかご15と沖側のふとんかご15とに跨るように配置されて構成される。
次に、上述した第5の実施形態に係る壁部2eを採用した捨石構造物1の築造方法を、図11に基づいて説明する。
まず、初期捨石積層ステップを実施する。図11(a)に示すように、当該初期捨石積層ステップでは、所定水域の底面に、高波浪が来襲しても、捨石が散乱せずその断面が変形しないレベルまで、捨石を投入して積層してなる初期積層部位7を捨石構造物1の延設方向に沿って築造する。なお、初期積層部位7の沖側法面及び岸側法面は、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面及び岸側法面と一致せず、初期積層部位7は、捨石構造物1の内部で、その沖側法面及び岸側法面が、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面及び岸側法面に略平行となるように築造される。この初期積層部位7の天端面は、次の第1かご設置ステップにおいて、ふとんかご15を安定して配置することができる幅を有する。
次に、第1かご設置ステップを実施する。当該第1かご設置ステップの前段階にて、複数のふとんかご15が用意される。そして、図11(b)に示すように、当該第1かご設置ステップでは、ふとんかご15を初期捨石積層部位7上で、沖側に鉛直方向に沿って2段積層すると共に岸側に1段互いに接触するように配置して、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って互いに接触するように配置する。
次に、捨石積層ステップを実施する。図11(c)に示すように、当該捨石積層ステップでは、岸側のふとんかご15の上端付近まで全ふとんかご15の周りに捨石を積層する。このとき、捨石積層部位12の沖側法面及び岸側法面は、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面及び岸側法面に一致せず、初期積層部位7の沖側法面及び岸側法面と略平行に築造される。
次に、第2かご設置ステップを実施する。図11(d)に示すように、当該第2かご設置ステップでは、ふとんかご15を、沖側及び岸側のふとんかご15上にそれぞれ載置する。
次に、捨石積層ステップと第2かご設置ステップとを繰り返し実施することで、図11(e)に示すように、最終的に捨石構造物1を築造する。なお、最後の第2かご設置ステップでは、ふとんかご15が、沖側及び岸側のふとんかご15上にそれらを跨るように配置される。また、捨石積層ステップを繰り返すことで、捨石構造物1の完成断面形状に係る、天端面、沖側法面及び岸側法面に徐々に近づくように、各ふとんかご15の周りに捨石を積層して、最後の捨石積層ステップにて、捨石構造物1の完成断面形状に係る、天端面、沖側法面及び岸側法面に一致するように捨石を積層する。
次に、第6の実施形態に係る壁部2fを図12に基づいて説明する。第6の実施形態に係る壁部2fは、捨石構造物1内の沖側法面に沿って、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。第6の実施形態に係る壁部2fは、第2の実施形態に係る壁部2bで採用したふとんかご15を鉛直方向に沿って複数段積層すると共に岸沖方向に沿って複数列配置して、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って複数配置して構成されている。また、第6の実施形態に係る壁部2fでは、岸側のふとんかご15の上端面と、沖側のふとんかご15の上端面とが略同一平面上に位置する。なお、第6の実施形態に係る壁部2fでは、最も上部に位置するふとんかご15が、岸沖方向に沿って1列に配置されて構成されている。
次に、上述した第6の実施形態に係る壁部2fを採用した捨石構造物1の築造方法を、図12に基づいて説明する。
まず、初期捨石積層ステップを実施する。図12(a)に示すように、当該初期捨石積層ステップでは、所定水域の底面に、高波浪が来襲しても、捨石が散乱せずその断面が変形しないレベルまで、捨石を投入して積層してなる初期積層部位7を捨石構造物1の延設方向に沿って築造する。なお、初期積層部位7の沖側法面が、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面に一致しており、初期積層部位7の岸側法面が、捨石構造物1の完成断面形状に係る岸側法面に略平行となるように築造される。
次に、第1かご設置ステップを実施する。当該第1かご設置ステップの前段階にて、複数のふとんかご15が用意される。そして、図12(b)に示すように、当該第1かご設置ステップでは、ふとんかご15を初期捨石積層部位7上で、岸沖方向に沿って2列互いに接触するように配置すると共に岸側のふとんかご15上にふとんかご15を積層して、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って互いに接触するように配置する。このとき、初期積層部位7の岸側法面と、鉛直方向1段目の沖側のふとんかご15の角部と、鉛直方向2段目のふとんかご15の角部とを結ぶ面が、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面に一致するようにする。
次に、捨石積層ステップを実施する。図12(c)に示すように、当該捨石積層ステップでは、鉛直方向1段目のふとんかご15の上端付近まで、鉛直方向1段目の岸側のふとんかご15の岸側の面に接触するように捨石を積層する。このとき、捨石積層部位12の岸側法面は、捨石構造物1の完成断面形状に係る岸側法面と略平行に築造される。
次に、第2かご設置ステップを実施する。図12(d)に示すように、当該第2かご設置ステップでは、捨石積層ステップにて積層した捨石積層部位12上に、鉛直方向2段目のふとんかご15に接触するようにふとんかご15を鉛直方向に沿って2段積層する。
次に、捨石積層ステップと第2かご設置ステップとを繰り返し実施することで、図12(e)に示すように、最終的に捨石構造物1を築造する。なお、最後の第2かご設置ステップでは、ふとんかご15が、沖側及び岸側のふとんかご15上にそれらを跨るように配置される。また、捨石積層ステップを繰り返すことで、捨石構造物1の完成断面形状に係る、天端面及び岸側法面に徐々に近づくように、各ふとんかご15の岸側に捨石を積層して、最後の捨石積層ステップにおいて、捨石構造物1の完成断面形状に係る、天端面、沖側法面及び岸側法面に一致するように捨石を積層する。
次に、第7の実施形態に係る壁部2gを図13に基づいて説明する。第7の実施形態に係る壁部2gは、捨石構造物1内の岸側法面に沿って、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。第7の実施形態に係る壁部2gは、第6の実施形態に係る壁部2fにおけるふとんかご15の積層構造と同等であり、ここでの説明を省略する。
なお、第7の実施形態に係る壁部2gを採用した捨石構造物1の築造方法は、図13に示されており、第6の実施形態に係る壁部2fを採用した際の築造方法と同等であるために、ここでの説明を省略する。
第7の実施形態に係る壁部2gが採用された捨石構造物1においては、通常、捨石構造物1の岸側法面には防砂シート(図示略)が展張され、その上に埋立材が投入される。したがって、当該捨石構造物1の沖側法面は捨石を積層するが、岸側法面は捨石を積層せずに各ふとんかご15が露出した状態で、各ふとんかご15を覆い被せるように防砂シートを展張させることも可能である。
以上説明した、第5〜第7の実施形態に係る壁部2e〜2gを採用した捨石構造物1についても、第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1と同様の作用効果を奏することができる。
また、第5〜第7の実施形態に係る壁部2e〜2gを採用した捨石構造物1における築造方法では、初期捨石積層ステップ及び捨石積層ステップにおいて、捨石構造物1の完成断面形状の沖側法面及び岸側法面に一致させることなく、これら沖側法面及び岸側法面に徐々に近づくようにして捨石を積層するので、施工途中に高波浪を受けて、積層した捨石による捨石構造物1の断面形状が変形したとしても、捨石構造物の完成断面形状より外方への捨石の流出を極力抑えることができ、復旧作業の軽減、材料の損失等、工事上の不利益を抑止することが可能となる。
さらに、第5〜第7の実施形態に係る壁部2e〜2gを採用した捨石構造物1における築造方法では、施工中、常に、第2かご設置ステップにより積層された最も上位のふとんかご15の上端面よりも低い位置に、捨石積層ステップにて積層された捨石積層部位12の上端面が位置するようになり、壁部2e〜2gによる捨石の沖側から岸側への流動抑制作用を確実に奏することができる。
次に、第8の実施形態に係る壁部2hを図14に基づいて説明する。第8の実施形態に係る壁部2hは、捨石構造物1内の岸沖方向略中央部位に鉛直方向に延び、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。第8の実施形態に係る壁部2hは、第2の実施形態に係る壁部2bで採用したふとんかご15を鉛直方向に沿って複数段積層すると共に、下端から奇数段のみに岸沖方向に沿って複数列配置して、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って複数配置して構成されている。
次に、上述した第8の実施形態に係る壁部2hを採用した捨石構造物1の築造方法を、図14に基づいて説明する。
まず、初期捨石積層ステップを実施する。図14(a)に示すように、当該初期捨石積層ステップは、第5の実施形態に係る壁部2eを採用した築造方法における初期捨石積層ステップと同等であるので、ここでの説明を省略する。
次に、かご設置ステップを実施する。当該かご設置ステップの前段階にて、複数のふとんかご15が用意される。そして、図14(b)に示すように、当該第1かご設置ステップでは、ふとんかご15を初期捨石積層部位7上に、岸沖方向に沿って互いに接触させながら2列配置すると共にこれらふとんかご15、15上にこれらを跨るようにふとんかご15を積層して、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って互いに接触するように配置する。
次に、捨石積層ステップを実施する。図14(c)に示すように、当該捨石積層ステップでは、最も上位のふとんかご15の上端付近まで全ふとんかご15の周りに捨石を積層する。このとき、捨石積層部位12の沖側法面及び岸側法面は、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面及び岸側法面に一致せず、初期積層部位7の沖側法面及び岸側法面と略平行に築造される。
次に、かご設置ステップと捨石積層ステップとを繰り返し実施することで、図14(d)及び(e)に示すように、最終的に捨石構造物1を築造する。なお、捨石積層ステップを繰り返すことで、捨石構造物1の完成断面形状に係る、天端面、沖側法面及び岸側法面に徐々に近づくように、各ふとんかご15の周りに捨石を積層して、最後の捨石積層ステップにおいて、捨石構造物1の完成断面形状に係る、天端面、沖側法面及び岸側法面に一致するように捨石を積層する。
次に、第9の実施形態に係る壁部2iを図15に基づいて説明する。第9の実施形態に係る壁部2iは、捨石構造物1内の沖側法面に沿って、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。第9の実施形態に係る壁部2iは、第8の実施形態に係る壁部2hにおけるふとんかご15の積層構造と同等であり、ここでの説明を省略する。
次に、上述した第9の実施形態に係る壁部2iを採用した捨石構造物1の築造方法を、図15に基づいて説明する。
まず、初期捨石積層ステップを実施する。図15(a)に示すように、当該初期捨石積層ステップは、第6の実施形態に係る壁部2fを採用した築造方法における初期捨石積層ステップと同等であるので、ここでの説明を省略する。
次に、かご設置ステップを実施する。当該かご設置ステップの前段階にて、複数のふとんかご15が用意される。そして、図15(b)に示すように、当該かご設置ステップでは、ふとんかご15を初期捨石積層部位7上で、岸沖方向に沿って2列互いに接触するように配置すると共にこれらふとんかご15、15上にこれらを跨るようにふとんかご15を積層して、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って互いに接触するように配置する。このとき、初期積層部位7の岸側法面と、最も上位のふとんかご15の角部とを結ぶ面が、捨石構造物1の完成断面形状に係る沖側法面に一致するようにする。
次に、捨石積層ステップを実施する。図15(c)に示すように、当該捨石積層ステップでは、最も上位のふとんかご15の上端付近まで、各ふとんかご15の岸側の面に接触するように捨石を積層する。このとき、捨石積層部位12の岸側法面は、捨石構造物1の完成断面形状に係る岸側法面と略平行に築造される。
次に、かご設置ステップと捨石積層ステップとを繰り返し実施することで、図15(d)及び(e)に示すように、最終的に捨石構造物1を築造する。また、捨石積層ステップを繰り返すことで、捨石構造物1の完成断面形状に係る、天端面及び岸側法面に徐々に近づくように、各ふとんかご15の岸側に捨石を積層して、最後の捨石積層ステップにおいて、捨石構造物1の完成断面形状に係る、天端面、沖側法面及び岸側法面に一致するように捨石を積層する。
次に、第10の実施形態に係る壁部2jを図16に基づいて説明する。第10の実施形態に係る壁部2jは、捨石構造物1内の岸側法面に沿って、且つ捨石構造物1の延設方向に沿って配置されている。第10の実施形態に係る壁部2jは、第9の実施形態に係る壁部2iにおけるふとんかご15の積層構造と同等であり、ここでの説明を省略する。
なお、第10の実施形態に係る壁部2jを採用した捨石構造物1の築造方法は、図16に示されており、第9の実施形態に係る壁部2iを採用した際の築造方法と同等であるために、ここでの説明を省略する。
第10の実施形態に係る壁部2jが採用された捨石構造物1においても、第7の実施形態に係る壁部2gが採用された捨石構造物1と同等に、捨石構造物1の沖側法面は捨石を積層するが、岸側法面は捨石を積層せずに、各ふとんかご15が露出した状態で、各ふとんかご15を覆い被せるように防砂シートを展張させることも可能である。
以上説明した、第8〜第10の実施形態に係る壁部2h〜2jを採用した捨石構造物1についても、第1の実施形態に係る壁部2aを採用した捨石構造物1と同様の作用効果を奏することができる。
また、第8〜第10の実施形態に係る壁部2h〜2jを採用した捨石構造物1における築造方法においても、初期捨石積層ステップ及び捨石積層ステップにおいて、捨石構造物1の完成断面形状の沖側法面及び岸側法面に一致させることなく、これら沖側法面及び岸側法面に徐々に近づくようにして捨石を積層するので、施工途中に高波浪を受けて、積層した捨石による捨石構造物1の断面形状が変形したとしても、捨石構造物の完成断面形状より外方への捨石の流出を極力抑えることができ、復旧作業の軽減、材料の損失等、工事上の不利益を抑止することが可能となる。
さらに、第8〜第10の実施形態に係る壁部2h〜2jを採用した捨石構造物1における築造方法では、施工中、常に、かご設置ステップにより積層された最も上位のふとんかご15の上端面と、捨石積層ステップにて積層された捨石積層部位12の上端面とが同一平面上に位置するようになり、壁部2h〜2jによる捨石の沖側から岸側への流動抑制作用を最低限奏することができる。
さらに、第8〜第10の実施形態に係る壁部2h〜2jは、第5〜第7の実施形態に係る壁部2e〜2gよりもふとんかご15の数量が少ないので施工性が向上する。
なお、一般に、図17に示すように、埋立地の外郭をなす捨石構造物1、1は、二辺が交差して隅角部30が形成される。そこで、この捨石構造物1、1の隅角部30においては、捨石構造物1内に設置される壁部2a〜2jも交差して連続するように配置される。
ところで、上述した第2、第3、第5〜第10実施形態に係る壁部2b、2c、2e〜2jには、捨石を中詰したふとんかご15を採用しているが、ふとんかご15に代わって、柔軟性を有する網状の袋体に捨石を中詰して構成された、いわゆるフィルタユニットを採用してもよい。
1 捨石構造物,2a〜2j 壁部,5 網体,8 アンカー,9 主フロート,15 ふとんかご,20 支持部,100 捨石護岸,200 捨石堤

Claims (7)

  1. 捨石護岸または捨石堤の延設方向に沿って備えられる、多数の捨石を積層してなる捨石構造物であって、
    該捨石構造物は、その内部の岸沖方向略中央部位に位置して、且つ鉛直方向に延びる壁部を該捨石構造物の延設方向に沿って配置すると共に、該壁部の沖側及び岸側に前記多数の捨石を積層して構成され
    前記壁部は、水の通過は許容しつつ捨石の通過は規制するように構成されていることを特徴とする捨石構造物。
  2. 前記壁部は、網体で構成されることを特徴とする請求項1に記載の捨石構造物。
  3. 前記壁部には、該壁部の傾倒を抑制する支持部が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の捨石構造物。
  4. 前記壁部は、捨石を中詰した網状の袋体を複数積層して構成されることを特徴とする請求項1に記載の捨石構造物。
  5. 捨石護岸または捨石堤の延設方向に沿って備えられる、多数の捨石を積層してなる捨石構造物の築造方法であって、
    水の通過は許容しつつ捨石の通過は規制する網体の上部にフロートを接続すると共に、前記網体の下部に重量物を接続する準備ステップと、
    次に、前記重量物を所定水域の底面に設置すると共に前記フロートを海面に浮かせることで、前記網体を鉛直方向に沿って延在させつつ、前記捨石構造物の延設方向に沿って延在させてその姿勢を保持する保持ステップと、
    次に、前記網体の沖側及び岸側に捨石を積層して前記捨石構造物を築造する築造ステップと、
    を含むことを特徴とする捨石構造物の築造方法。
  6. 捨石護岸または捨石堤の延設方向に沿って備えられる、多数の捨石を積層してなる捨石構造物の築造方法であって、
    捨石を中詰した網状の袋体を、前記捨石構造物の天端面に向かって積層すると共に前記捨石構造物の延設方向に沿って複数配置する袋体設置ステップと、
    次に、前記各袋体の沖側及び岸側に捨石を積層する捨石積層ステップと、
    を含み、
    前記袋体設置ステップと前記捨石積層ステップとを繰り返し実施して、前記捨石構造物を築造しており、
    前記捨石積層ステップでは、前記捨石構造物の完成断面形状の内側で、前記袋体の沖側及び岸側に捨石を積層するようにして、当該捨石積層ステップを繰り返すことで、前記捨石構造物の完成断面形状に徐々に近づくようにすることを特徴とする捨石構造物の築造方法。
  7. 捨石護岸または捨石堤の延設方向に沿って備えられる、多数の捨石を積層してなる捨石構造物の築造方法であって、
    水の通過は許容しつつ捨石の通過は規制する壁部と、該壁部に設けられ、該壁部の傾倒を抑制すべく支持部と、を用意する準備ステップと、
    前記支持部を所定水域の底面に設置することで前記壁部を自立させる設置ステップと、
    次に、前記壁部の沖側及び岸側に捨石を積層して前記捨石構造物を築造する築造ステップと、
    を含むことを特徴とする捨石構造物の築造方法。
JP2017202801A 2017-02-14 2017-10-19 捨石構造物及びその築造方法 Active JP6923282B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017025047 2017-02-14
JP2017025047 2017-02-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018131891A JP2018131891A (ja) 2018-08-23
JP6923282B2 true JP6923282B2 (ja) 2021-08-18

Family

ID=63248117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017202801A Active JP6923282B2 (ja) 2017-02-14 2017-10-19 捨石構造物及びその築造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6923282B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7368279B2 (ja) 2020-03-05 2023-10-24 東洋建設株式会社 捨石構造物及びその築造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018131891A (ja) 2018-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6171569B2 (ja) 堤防の補強構造
RU2432431C2 (ru) Длинномерное устройство для морских и речных гидротехнических сооружений и способ его изготовления
KR102097760B1 (ko) 해안침식 방지용 블록 조립체 및 이의 제작 방법
KR101221944B1 (ko) 적층식 채움재를 구비한 개비온
KR101666626B1 (ko) 프레임과 토목섬유를 이용한 호안 구조물 및 이의 시공 방법
JP6923282B2 (ja) 捨石構造物及びその築造方法
JP6049382B2 (ja) 耐震耐越流堤体構造
JP6004312B2 (ja) ケーソン式防波堤の補強構造
JP5322068B1 (ja) 潜堤の構築方法
JP2007314963A (ja) ドレーン構造およびドレーン構造の施工方法
KR20110046209A (ko) 교량 교각기초 보강 및 세굴방지 시공 방법 및 그 구조물
JP7368279B2 (ja) 捨石構造物及びその築造方法
JP4629559B2 (ja) ドレーン構造およびドレーン構造の施工方法
KR200409161Y1 (ko) 개비온 옹벽의 축조방법에 적합한 조립판넬 개비온 박스
KR101162842B1 (ko) 하천둑 및 그 축조방법
JP2006249690A (ja) 水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造
JP2014029100A (ja) 擁壁構造
JP5872797B2 (ja) 高安定型離岸堤
JP4927355B2 (ja) 傾斜堤の構築方法
JP2016003441A (ja) 擁壁構造
JP6467667B2 (ja) 岸壁構造物の構築方法
JP5923825B2 (ja) 重力式ケーソン防波堤の捨石層保護構造
JPH08239816A (ja) 堤体およびその構築法
KR100993144B1 (ko) 돌망태 시공방법
JP5370901B1 (ja) 潜堤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6923282

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150