JP2013053334A - チタン合金水素化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】チタン合金の水素化において、特に、組成が均一で、しかもニアネットシェイプに好適であり、更に、チタン合金および同チタン合金を安価に製造しうる水素化チタン合金粉を提供する。
【解決手段】 チタン合金水素化物であって、3.9%以上の水素を含有し、かつ、粉末X線回折測定における2θ=35°近傍の半値幅が0.85゜以下である。また、このチタン合金水素化物は、チタン合金と水素ガスを1気圧(100kPa)以上、3.5気圧(350kPa)以下で、更に、炉内温度を500℃〜770℃にてチタン合金で反応させることにより製造しうる。
【選択図】図1

Description

本発明は、チタン合金水素化物に係り、特に、チタン合金スクラップを出発原料としたチタン合金の水素化技術に関する。
金属チタンは、航空機に多く利用されてきているが、近年では、自動車や二輪車、建材やスポーツ用品等の民生用にも広く用いられている。民生用には、純チタン材が使用されているが、航空機に対してはチタン合金が主として使用されている。
航空機用のチタン合金においては、溶解法で製造されたチタン合金インゴットを鍛造圧延により仕上げられた板材を加工して使用される場合がある。また、同チタン合金インゴットに対して削り出しにより製品として仕上げて製品とされる場合もある。また、要求される製品が複雑な場合には、粉末を原料としてこれを焼結体にしてから航空機の部品として使用される場合もある。
粉末法によるチタン合金を製造する方法として、いわゆる素粉末混合法という方法が知られている。素粉末混合法は、目的とするチタン合金を構成する金属の粉末を個別に準備してこれを均一に混合してから、成形体を製造した後、これを高温に加熱することにより、焼結体を得る方法である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法においては、個別に準備した合金素粉を均一に混合することが難しく、よって均一な組成を有する焼結チタン合金を製造することが難しいという課題が残されている。また、たとえ均一に混合できたとしても、コストが嵩み、改善の余地が残されている。
このような点については、合金粉で構成した成形体をVAR溶解炉で溶解して均一な組成の合金を溶製する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、粉末法と溶解法の長所を併せて利用する形のものであるが、粉末冶金の特徴であるニアネットシェイプ(最終製品に近い形状を一度で付与できる加工法)の製品にはこの技術を適用できないのみならず、溶解工程が新たに含まれてくるため、コスト面での検討の余地が残されている。
なお、6Al−4V合金の水素化処理については、水素化処理により製造された水素化チタンの粒度分布について記載されているが(例えば、特許文献3参照)、具体的な水素化方法に関する記載は見当たらない。
更には、スポンジチタンの水素化物とアルミニウム粉からなる水素含有チタン−アルミニウム合金粉も知られている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この技術はいわゆる前記した素粉末混合法に分類される方法であり、均一な組成の合金粉を製造し、合金組成の均一なチタン−アルミニウム合金を得るには、更なる改善が求められている。また、コストの点においても検討の余地が残されている。なお、この文献に開示されている粉末は、チタン合金が水素化されたものではなく、水素化チタンと、水素化アルミニウム合金というようにチタンと合金は別々の水素化物を構成している。
以上述べたように、均一な組成を有したチタン合金の製造に適した水素化チタン合金粉を効率よく製造することができる技術が求められている。
WO2002−077305号公報 特開2005−298855号公報 特開平05−247503号公報 特開2000−192111号公報
本発明は、チタン合金の水素化において、特に、組成が均一で、しかもニアネットシェイプに好適であり、更に、チタン合金および同チタン合金を安価に製造しうる水素化チタン合金粉を提供することを目的としている。
上述した課題に鑑み、鋭意検討を重ねてきた結果、本発明者は、チタン合金またはチタン合金スクラップを出発原料とし、この原料をある特定の条件下で水素化させることにより、同チタン合金の製造に好適な水素化チタン合金粉を安価に製造できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本発明にかかるチタン合金水素化物は、3.9%以上の水素を含有し、かつ、粉末X線回折測定(以下、XRDと略称する場合がある)における2θ=35°近傍の半値幅が0.85゜以下であることを特徴とするものである。
本発明においては、前記チタン合金水素化物は、チタン合金に水素ガスを接触させ、1気圧(100kPa)以上、3.5気圧(350kPa)以下で、500℃〜770℃の温度域にて反応させて製造されたものであることを好ましい態様としている。
なお、本願においては、圧力の単位を「atm」と標記する場合もある。
本発明においては、チタン合金の水素化物を得るに際して、チタン合金に水素ガスを室温で接触後、600℃〜770℃まで昇温し、その後降温する工程を含むことにより得られることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記500〜770℃までの昇温は、500〜700℃まで加熱した後、加熱を停止し、チタン合金の水素化反応熱により昇温するものであることを好ましい態様としている。
本発明においては、チタン合金が、切削粉、板材、または線材であることを特徴とするチタン合金水素化物。
本発明においては、前記チタン合金水素化物中の合金成分が、アルミニウム、シリコン、銅、マンガン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、スズ、ルテニウム、レニウム、または鉄のうちから選択された少なくとも1種以上であることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記チタン合金中の合金成分が、アルミニウム、シリコン、銅、マンガン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、スズ、ルテニウム、レニウム、または鉄のうちから選択された少なくとも1種以上であることを好ましい態様としている。
本願発明によれば、安価なチタン合金スクラップを原料として使用することができ、これに水素ガスを接触させて水素化反応させることにより、良好な崩壊性を有する水素化チタン合金が安価に得られるという効果を奏するものである。さらに、本発明のチタン合金水素化物によれば、組成が均一で、しかもニアネットシェイプに好適であるチタン合金を製造することができる。
本発明の水素化チタン合金(Ti−6Al−4V合金)のX線回折分析結果を示すチャート図である。
本発明の好ましい態様につき、図面を用いながら以下に説明する。
本発明に係るチタン合金水素化物は、3.9%以上の水素を含有することを第一の特徴とするものであり、また、粉末X線回折測定における2θ=35°近傍のピークの半値幅が0.85゜以下であることを第二の特徴とするものである。
前記水素化物中の水素の含有率が3.9%未満である場合には、チタン合金製造用原料を水素化した後に行う粉砕工程においては、所定の大きさのチタン粉を製造するための粉砕時間が長時間に亘り、その結果、生産性の低下やコスト増、酸素含有量増を招き実用上、好ましくない。これに対して、チタン合金水素化物中の水素含有率を3.9%以上とした場合には、粉砕性が良好であり、目的とする水素化チタン粉の酸素含有量を増加させることなく、効率よく製造することができるという効果を奏するものである。
前記のような組成の水素化物が含有されることにより、チタン合金水素化物の破砕整粒操作を効率的に進めることができるという効果を奏するものである。
また、図1に「水素化64合金」のチャート図として示すように、本願発明に係るチタン合金水素化物のXRD解析における2θ=35°近傍におけるTiHの半値幅が0.85゜以下であることを好ましい態様とするものである。
前記TiHの半値幅が0.85°以下の場合には、粉砕して得られた粉のうち粗粉の生成比率が少なくなり、製品歩留まりを高いレベルに維持することができる。一方、前記TiHの半値幅が0.85°を超える場合には、粉砕して得られた粉のうち粗粉の生成比率が多くなり、製品歩留まりの低下を招き好ましくない。よって、本願発明においては、水素化64合金粉末に対するTiHの半値幅は、0.85°以下が好ましいとされる。
前記範囲にある水素化チタン粉とすることにより、粒度分布の狭いチタン合金水素化物を製造することができるという効果を奏するものである。また、原料のチタン合金に比べて脆化しているため、容易に所定の大きさまで粉砕することができるという効果を奏するものである。
適度な大きさに粉砕されたチタン合金水素化物は、今度は、篩別により所定の大きさに整粒しておくことが好ましい。よって、本願発明においては、10μm〜150μmの間に整粒しておくことが好ましい。このような粒度範囲に整粒しておくことにより、焼結時の緻密化が促進されるという効果を奏するものである。
前記水素化チタン合金粉の粒度が、10μm未満の範囲では、脱水素化後のチタン合金粉での発火の問題が顕在化してくる。即ち、細かすぎるチタン合金粉は、安全性の点で問題があり、この点において、水素化チタン合金粉の段階でその最小粒度を10μmに調整することが望ましい。
一方、前記水素化チタン合金粉の粒度が、150μm超の範囲では、今度は焼結の際に高密度の焼結材を得にくいという問題が生じ、品質上の新たな課題に遭遇する。
前記した方法で製造された水素化チタン合金粉は、次なる脱水素工程により、水素含有率の低いチタン合金粉を製造することができるという効果を奏するものである。
次に、本発明に係るチタン合金製造用原料の水素化方法について以下に説明する。
本発明に係るチタン合金製造用原料の水素化方法は、前記チタン合金製造用原料を、減圧下において高温に加熱後、水素ガスを炉内に導入し、炉内の水素分圧を1気圧(100kPa)以上であって、3.5気圧(350kPa)以下の範囲で制御することを特徴とするものである。
ここで、炉内の水素分圧が100kPa(1気圧)未満の場合には、炉内を冷却する際に外部より空気が侵入する恐れがあり、空気による品質汚染を生じる場合があるので、これを下限値としている。一方、炉内の水素分圧は、高い方が水素化反応速度を高めることができて好ましい。しかしながら、反応時の炉内の水素分圧が、350kPa超の場合には、水素化反応速度の改善効果は飽和する傾向を示す。
よって、水素化処理における圧力の範囲は、100kPa(1気圧)〜350kPa(3.5気圧)とされる。
次工程として、水素ガスを炉内に封じ込めつつ、反応炉の最大温度から室温まで炉内を冷却する。この場合には、炉内の圧力が1気圧(100kPa)以下になると、空気が侵入する恐れがあるために、炉内の最高温度時の水素分圧を3.5気圧(350kPa)以上まで高めておくことが好ましい。3.5気圧まで炉内圧力を高めれば、冷却時に1気圧以下になることはなく、製品である水素化チタン合金の製品中の酸素が含有率を低いレベルに維持することができるという効果を奏するものである。
よって、本願発明においては、炉内の水素分圧は、反応時に100kPa以上であって、350kPaまで、また、冷却前には、350kPa以上に高めておくことを好ましい態様とするものである。
また、チタン合金製造用原料の水素化の際の加熱温度は、500〜770℃の温度範囲を意味するが、本願発明においては、特に、500〜700℃の範囲に加熱することが好ましい。水素化反応は、770℃以上では、Ti+H⇔TiHの反応式において左辺が安定相となり、一旦生成したTiH相が乖離することになるため、炉内温度の上限を770℃とすることが重要である。実際の操業においては、水素化反応が発熱反応であることから、反応熱により炉内温度は高くなる傾向にあり、加熱を停止した後も温度の上昇がみられる。そのため、加熱によって炉内温度を上げる上限を700℃とすれば、反応熱による温度上昇を加味して炉内温度が上限の770℃にコントロールできるというものである。
以下により具体的な加熱方法を記載する。
まずは、内部にチタン材を挿入した後、減圧操作を開始後、ヒーターに通電して、炉内温度を500℃まで加熱後、減圧操作を停止してから炉への水素ガス分圧が1気圧以上であって3.5気圧以下の範囲になるように炉内に水素ガスを導入する。
炉内への水素ガスの導入開始に伴い、水素ガスとチタン合金との反応が開始する。前記水素ガスとチタン合金との反応は、発熱反応であるため、炉内温度は、次第に上昇する傾向を示すが、ヒーターの通電状態は維持したまま、500〜700℃付近まで加熱することが好ましいとされる。
前記温度に達した時点で、ヒーターの通電を断つ。この後も、反応熱で温度が上昇するので、炉内温度が770℃を超えないように測温を継続し、770℃を超えそうな状況の場合には、炉内に導入する水素ガスの供給量を調整することが好ましい。一方、水素化反応における反応温度が500℃以下では、水素化反応速度が遅く、生産性の観点から好ましくない。よって、本願発明に係るチタン合金水素化物を製造する際の反応温度は、500〜770℃が好ましい範囲とされる。
水素ガスとチタン合金原料との水素化反応が終了すると、次第に炉内温度も低下する傾向に転じ、また、炉内圧力も減少する傾向を示す。よって室温まで冷却しても1気圧以下とならないように、炉内圧力を3.5気圧まで高めてから炉内を封じ切るように構成することが好ましい。
以上述べた方法に従うことにより、本願発明に係るチタン合金水素化物中の水素ガスの濃度を3.9wt%以上に維持することができるという効果を奏するものである。
本願発明に係るチタン合金の水素化物原料としては、チタン合金切粉、板材、または線材をも用いることができるが、これ以外には、チタン合金の加工工程で発生した切断片や打ち抜き時の残材等、いわゆるチタン合金スクラップも本発明のチタン合金製造用原料として好適に使用することができる。
前記原料に使用するチタン合金には、アルミニウム、シリコン、銅、マンガン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、スズ、ルテニウム、レニウム、または鉄の中から少なくとも1種以上の元素が含まれていることを特徴とするものである。例えば、Ti−6Al−4V合金のみならず、Ti−10V−2Fe−3Al合金、Ti−5Al−5V−5Mo−3Cr合金等に対しても好適に適用することができる。
前記方法で製造されたチタン粉は、HIP、CIPあるいは粉末圧延、押出等の技術により、密度の高いチタン合金製品あるいは、チタン合金素材を製造することができるが、本願発明においては、特に、前記プロセスのうち、押出あるいは粉末圧延により、緻密なチタン合金を効率よく製造することができるという効果を奏するものである。
以下、実施例および比較例により、本発明をより具体的かつ詳細に説明する。
[実施例1]
Ti−6Al−4V合金(以下、64合金と称する場合がある)の切削切粉を原料として、水素化用の容器に充填して水素化炉に投入した。真空排気後、加熱を開始し、真空のまま500℃まで昇温した。ここで、真空排気を停止し、水素ガスを炉内が1.2気圧になるまで導入した。水素ガス導入後も加熱を継続し、炉内温度が650℃になった時点で、加熱ヒーターを停止した。この時、炉内の圧力が3.5気圧になるまで水素ガスを炉内に導入し続けた。炉内は水素化による反応熱で700℃まで上昇したが、その後冷却に転じた。650℃到達から700℃到達まで10分かかり、炉内温度が650℃以下になるまで1時間かかった。炉内温度が50℃以下まで冷却後、真空排気、ベント処理で炉を開放し、水素化物を取り出した。
取り出した水素化64合金の水素含有量は3.90%であった。ACM粉砕・分級装置を用い、水素化物の粉砕・分級を行ったところ、150μm以下粉の製品率は98%、45μm以下粉の製品率は70%であった。また、XRD測定し、2θ=35°近傍のTiHのピークの半値幅を測定したところ、0.78であった。 また、水素化物の粉砕処理に要した時間は、10分/Kgであった。
[実施例2]
実施例1と同じ64合金の切削切粉を実施例1と同様に水素化炉に投入した。真空のまま550℃まで昇温してから真空排気を停止し、水素ガスを炉内が1.2気圧になるまで導入した。水素ガス導入後も加熱を継続し、炉内温度が650℃になった時点で、加熱ヒーターを停止した。この時、炉内の圧力が3.5気圧になるまで水素ガスを炉内に導入し続けた。炉内は水素化による反応熱で730℃まで上昇したが、その後冷却に転じた。650℃到達から730℃到達まで10分かかり、炉内温度が650℃以下になるまで1.5時間かかった。実施例1と同様の手段で、炉内の水素化物を取り出した。
取り出した水素化64合金の水素含有量は4.08%であった。ACM粉砕・分級装置を用い、水素化物の粉砕・分級を行ったところ、150μm以下粉の製品率は99%、45μm以下の粉の製品率は80%であった。また、XRD測定し、2θ=35°近傍のTiHのピークの半値幅を測定したところ、0.45であった。また、水素化物の粉砕処理に要した時間は、15分/kgであった。
[水素化率と半値幅の検討]
実施例1〜2の方法により、64合金の水素化率と半値幅に関する本願発明の数値的臨界意義につき試験で確認し、その結果を表2に整理した。
水素化されたチタン合金粉末の水素含有率が、3.8wt%の場合には、水素化されたチタン合金の粉砕性が好ましくなく、目的とする粒度まで微粉砕する場合には、30〜50分/kgの時間を要した。しかしながら、チタン合金粉末の水素含有率が、4.0wt%以上である場合の粉砕時間は半値幅に関係なく10〜15分/kgの範囲にあった。なお、前記粉砕時間のばらつきは半値幅の違いによるものである。
また、チタン合金粉末の半値幅が、0.9°の場合には、粉砕された粉に占める粗粉の比率が増加し、45μm以下の粉末の製品歩留まりが40〜45%に留まった。しかしながら、チタン合金粉末の半値幅が0.8°および0.5°の場合には、45μm以下の粉末の製品歩留まりが、それぞれ60〜80%および70〜80%の範囲にあった。
以上の試験結果より、本願発明に係るチタン合金水素化物は、3.9重量%以上の水素を含有し、かつ、粉末X線回折測定における2θ=35°近傍のピークの半値幅が0.85°以下が好ましい特徴であることが確認された。
[温度と圧力の検討]
実施例1〜2の方法により、本願発明に係る64合金の水素化の温度と圧力に関する数値的臨界意義について調査し、その結果を表3に示した。
本願発明の範囲にある反応温度が、520℃、650℃、および750℃であって、圧力が3.3atm、2.0atmおよび1.2atmの場合には、水素化反応率は、94〜99%の範囲にあった。また、製品の酸素含有率は、1,020〜1,080ppmにあり、製品としての要求特性が満足された。しかしながら、水素化反応温度が、本願発明の範囲外にある780℃では水素化反応率が75〜80%に留まった。一方、水素化反応温度が480℃では、水素化反応率が70〜75%に留まった。なお、前記水素化反応率のバラツキは、圧力の違いによるものである。
また、水素化処理圧力が、0.8atmでは、水素化処理炉内に外気が侵入し、その結果、水素化チタン合金粉中の酸素含有率が、4,200〜4,600ppmとなった。これに対して、炉内圧力を1atm以上に保持した場合に得られた水素化チタンの酸素含有率は、1,000〜1,100ppmにあり品質の点で優れていることが確認された。なお、水素の圧力は、3.8atm以上であっても製品品質に悪影響を及ぼすことは無い。しかし、水素の圧力が水素化反応率に効果的に作用する現象は、3.3atm程度で飽和してしまい、これ以上高い水素圧力は、経済性の点で好ましくない。
以上の試験結果より、本願発明に係るチタン合金水素化物を得るための好ましい圧力範囲は、1気圧〜3.5気圧であり、かつ、温度範囲は、500〜770℃であることが確認された。
[比較例1]
実施例1と同じ64合金の切削切粉を実施例1と同様に水素化炉に投入した。真空のまま450℃まで昇温してから真空排気を停止し、水素ガスを炉内が1.2atmになるまで導入した。水素ガス導入後も加熱を継続し、炉内温度が600℃になった時点で、加熱ヒーターを停止した。この時、炉内の圧力が3.5atmになるまで水素ガスを炉内に導入し続けた。炉内は水素化による反応熱で680℃まで上昇したが、その後冷却に転じた。600℃到達から680℃到達まで15分かかり、炉内温度が650℃以下になるまで0.5時間かかった。実施例1と同様の手段で、炉内の水素化物を取り出した。
取り出した水素化64合金の水素含有量は3.70%であった。ACM粉砕・分級装置を用い、水素化物の粉砕・分級を行ったところ、150μm以下粉の製品率は85%、45μm以下粉の製品率は32%であった。また、XRD測定し、2θ=35°近傍のTiHのピークの半値幅を測定したところ、0.95であった。
[比較例2]
実施例1と同じ64合金の切削切粉を実施例1と同様に水素化炉に投入した。真空のまま650℃まで昇温してから真空排気を停止し、水素ガスを炉内が1.2気圧になるまで導入した。水素ガス導入後も加熱を継続し、炉内温度が750℃になった時点で、加熱ヒーターを停止した。この時、炉内の圧力が3.5気圧になるまで水素ガスを炉内に導入し続けた。炉内は水素化による反応熱で820℃まで上昇したが、その後冷却に転じた。650℃到達から820℃到達まで25分かかり、炉内温度が最高温度から650℃以下になるまで2.5時間かかった。実施例1と同様の手段で、炉内の水素化物を取り出した。
取り出した水素化64合金の水素含有量は3.55%であった。ACM粉砕・分級装置を用い、水素化物の粉砕・分級を行ったところ、150μm以下粉の製品率は70%、45μm以下分の製品率は20%であった。また、XRD測定し、2θ=35°近傍のTiHのピークの半値幅を測定したところ、1.02であった。
Figure 2013053334
Figure 2013053334
Figure 2013053334
本発明で製造されたチタン合金水素化物は、脱水素によりチタン合金粉を製造することができるのみならず、発泡金属製造用原料としても好適に用いることができ、有望である。



Claims (7)

  1. チタン合金水素化物であって3.9重量%以上の水素を含有し、かつ、粉末X線回折測定における2θ=35°近傍のピークの半値幅が0.85゜以下であることを特徴とするチタン合金水素化物。
  2. チタン合金に水素ガスを接触させ、1気圧(100kPa)以上、3.5気圧(350kPa)以下で、500℃〜770℃の温度域にて反応させて製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金水素化物。
  3. 前記チタン合金水素化物を得るに際して、チタン合金に水素ガスを室温で接触後、500℃〜770℃まで昇温し、その後降温する工程を含むことにより得られることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金水素化物。
  4. 前記チタン合金水素化物を得るに際して、チタン合金に水素ガスを室温で接触後、500〜770℃までの昇温は、500〜700℃まで加熱した後、加熱を停止し、前記チタン合金の水素化反応熱により昇温するものであることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金水素化物。
  5. 前記チタン合金水素化物を得るに際して使用するチタン合金が、切削切粉、板材、または線材であることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金水素化物。
  6. 前記チタン合金水素化物中の合金成分が、アルミニウム、シリコン、銅、マンガン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、スズ、ルテニウム、レニウム、または鉄のうちから選択された少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金水素化物。
  7. 前記チタン合金水素化物を得るに際して使用するチタン合金中の合金成分が、アルミニウム、シリコン、銅、マンガン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、スズ、ルテニウム、レニウム、または鉄のうちから選択された少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金水素化物。

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