JP2013053079A - IgM型抗体吸着用吸着材及びIgM型抗体除去システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水不溶性担体と、水不溶性担体に固定されたリガンドと、を含み、リガンドが、チオフェン又はその誘導体から複素環を構成する炭素原子に結合した水素原子1個を除いた残りの原子団からなる1価の基、及びカルボキシル基を有する、IgM型抗体吸着用吸着材、並びに、血液又は血漿を流入させる入口ポート、及び血液又は血漿を流出させる出口ポートを有する容器と、該容器に充填されたIgM型抗体吸着用吸着材と、を備える体外循環モジュールからなる、血液又は血漿中IgM型抗体除去システム。
【選択図】図1
Description
[1]
水不溶性担体と、
前記水不溶性担体に固定されたリガンドと、を含み、
前記リガンドが、チオフェン又はその誘導体から複素環を構成する炭素原子に結合した水素原子1個を除いた残りの原子団からなる1価の基、及びカルボキシル基を有する、
IgM型抗体吸着用吸着材。
[2]
前記1価の基と前記カルボキシル基とが、5個以下の原子を介して結合している、[1]に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
[3]
前記1価の基が、チエニル基である、[1]又は[2]に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
[4]
前記リガンドが、チエニル基及びカルボキシル基を有する化合物からなる、[1]〜[3]のいずれかに記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
[5]
前記リガンドの炭素原子数が5個〜13個である、[1]〜[4]のいずれかに記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
[6]
前記リガンドが、チエニルグリシン、チエニルアラニン及びチエニルセリンからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]〜[5]のいずれかに記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
[7]
血液型の抗A抗体及び抗B抗体から選ばれるIgM型抗体の吸着用である、[1]〜[6]のいずれかに記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
[8]
固定化された前記リガンドの量が、前記水不溶性担体1mLゲルあたり10μmol〜200μmolである、[1]〜[7]のいずれかに記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
[9]
前記水不溶性担体が粒子状の多孔質体であり、前記多孔質体の排除限界分子量が15万〜1000万である、[1]〜[8]のいずれかに記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
[10]
フィブリノーゲンの吸着率をPf、IgM型抗体の吸着率をPmとしたときに、Pm/Pf≧3である、[1]〜[9]のいずれかに記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
[11]
血液又は血漿を流入させる入口ポート、及び血液又は血漿を流出させる出口ポートを有する容器と、
該容器に充填された請求項1〜7のいずれか一項に記載のIgM型抗体吸着用吸着材と、を備える体外循環モジュールからなる、血液又は血漿中IgM型抗体除去システム。
[12]
血液又は血漿中IgM型抗体除去システムの製造における、
水不溶性担体と、前記水不溶性担体に固定化された、チエニル基及びカルボキシル基を有する化合物からなるリガンドとを含む吸着材の使用。
1.吸着材の作製方法
ポリ酢酸ビニル製の球状の多孔質体(旭硝子(株)、平均粒径100μm、排除限界分子量約100万以上、樹脂1mLに充填できる分子量4万のプルランの量が0.20mL/mL以上)100gを、ジメチルスルフォキシド(和光純薬株式会社製)1Lに投入し、水酸化ナトリウム(和光純薬株式会社製)120g、エピクロルヒドリン(和光純薬株式会社製)780mL、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬株式会社製)750mgを用いて30℃で5時間反応させてエポキシ基を導入した。反応後、メタノール(和光純薬株式会社製)で洗浄し、その後、純水で洗浄して活性化多孔質体(以下「活性化担体」ともいう。)を得た。得られた活性化多孔質体に導入されたエポキシ基の量を滴定法により確認した。具体的には、1.3mmol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)4mLと活性化担体2mLに1%フェノールフタレインエタノール溶液(和光純薬株式会社製)2滴を滴下した後、70℃で、赤色の呈色が確認されなくなるまで0.1N塩酸を加え、「活性化量(エポキシ基の量)=塩酸滴定量/樹脂量×100」の式により、エポキシ基の量を求めた。その結果、導入されたエポキシ基の量は、110μeq/mLゲル以上であった。
次にpH9.3の炭酸緩衝液(和光純薬株式会社、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム)を溶媒とし、実施例1〜3については、50μeq/mLゲルの固定化量が得られるようにリガンドを溶解した。このリガンド溶液と上述の活性化担体とを、50℃で16時間反応させて、アミノ基と活性化担体のエポキシ基とを共有結合させて吸着材を得た。リガンドとして、実施例1では、チエニルグリシン(L−α−(3−THIENYL)GLYCINE)を、実施例2では、チエニルセリン(β−(2−THIENYL−DL−SERINE))を、実施例3では、チエニルアラニン(β−(2−THIENYL)−D−ALANINE))を用いた(実施例1〜3のリガンドはいずれもSIGMA社製)。リガンドの固定量は、リガンド溶液の波長200nm〜280nmの吸光度スペクトルを測定し、最も高い吸光度を示す波長を用いて、固定化反応前後の差から1mLゲルあたりの固定化量(eq/mLゲル)として算出した。
2.5mLのLaboratory Column(MOLECULAR BIOTECHONOLOGY社製)に1.0mLの吸着材を充填した。そこに、CPDを血液に1:8(容積比)で添加した健常人血液から遠心分離して得られた血漿3.0mLをシリンジポンプにてカラムの入り口部から流速0.3mL/分で10分流通させ、カラム出口より流出した全ての血漿を回収した。
カラムに流す前の健常人血漿(元血漿)とカラムより流出させ回収した血漿について、それぞれ、IgM濃度及びフィブリノーゲン濃度を測定した。IgMの濃度は免疫比濁法によって測定し、フィブリノーゲン濃度は、トロンビン凝固時間法によって測定した。吸着量は、元血漿中のIgM及びフィブリノーゲンの濃度(元血漿中濃度)と、カラムより流出させ回収した血漿中のIgM及びフィブリノーゲンの濃度(吸着反応後血漿中濃度)との差として算出した。吸着性能は、吸着率(%)=(1−吸着反応後血漿中濃度/元血漿中濃度)×100で算出した。
比較例1〜6は、チエニル基とカルボキシル基を同時に含まない化合物をリガンドとして用いたこと以外は、実施例1〜3と同様の方法で行った。また、参考例は、リガンドを固定しない活性化担体を用いたこと以外は、実施例1〜3と同様の方法で行った。リガンドとして、比較例1では、グリシン(SIGMA社製)を、比較例2では、アラニン(SIGMA社製)を、比較例3では、セリン(SIGMA社製)を、比較例4では、2−チオフェンエチルアミン(2−THIOPHENEETHYLAMINE)(和光純薬株式会社製)を、比較例5では、フェニルアラニン(SIGMA社製)を、比較例6では、トリプトファン(SIGMA社製)を用いた。
実施例1〜4、比較例1〜6及び参考例(リガンドなし)の結果を合わせて表1に示した。実施例1〜3のチエニル基及びカルボキシル基の双方を有するリガンドを含む吸着材はいずれも比較例1〜6と比較して、フィブリノーゲンの吸着率が低く、かつ、IgM抗体の吸着率が高かった。すなわち、血漿の中から選択的にIgM抗体を吸着していることが判る。
Claims (12)
- 水不溶性担体と、
前記水不溶性担体に固定されたリガンドと、を含み、
前記リガンドが、チオフェン又はその誘導体から複素環を構成する炭素原子に結合した水素原子1個を除いた残りの原子団からなる1価の基、及びカルボキシル基を有する、
IgM型抗体吸着用吸着材。 - 前記1価の基と前記カルボキシル基とが、5個以下の原子を介して結合している、請求項1に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
- 前記1価の基が、チエニル基である、請求項1又は2に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
- 前記リガンドが、チエニル基及びカルボキシル基を有する化合物からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
- 前記リガンドの炭素原子数が5個〜13個である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
- 前記リガンドが、チエニルグリシン、チエニルアラニン及びチエニルセリンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
- 血液型の抗A抗体及び抗B抗体から選ばれるIgM型抗体の吸着用である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
- 固定化された前記リガンドの量が、前記水不溶性担体1mLゲルあたり10μmol〜200μmolである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
- 前記水不溶性担体が粒子状の多孔質体であり、前記多孔質体の排除限界分子量が15万〜1000万である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
- フィブリノーゲンの吸着率をPf、IgM型抗体の吸着率をPmとしたときに、Pm/Pf≧3である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のIgM型抗体吸着用吸着材。
- 血液又は血漿を流入させる入口ポート、及び血液又は血漿を流出させる出口ポートを有する容器と、
該容器に充填された請求項1〜7のいずれか一項に記載のIgM型抗体吸着用吸着材と、を備える体外循環モジュールからなる、血液又は血漿中IgM型抗体除去システム。 - 血液又は血漿中IgM型抗体除去システムの製造における、
水不溶性担体と、前記水不溶性担体に固定化された、チエニル基及びカルボキシル基を有する化合物からなるリガンドとを含む吸着材の使用。
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JP2001299904A (ja) * | 2000-03-09 | 2001-10-30 | Fresenius Hemocare Gmbh | フィブリノーゲンおよび/またはフィブリンの濃度を減少させるための吸着剤、吸着装置の製造のための吸着剤の使用、および吸着剤を有する吸着装置 |
JP2008194304A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-28 | Asahi Kasei Kuraray Medical Co Ltd | 自己抗体吸着材及び体外循環モジュール |
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- 2011-09-01 JP JP2011190730A patent/JP6126327B2/ja active Active
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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JPN6015024835; Ther. Apher. Dial., 2010, Vol.14, No.3, pp.292-297 * |
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