JP2013052837A - 電力変換装置 - Google Patents

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崎 公 一 磯
Yasuyuki Kitazawa
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Abstract

【課題】電気部品のメンテナンスやパワーユニットの交換作業を容易に行うことが可能な電力変換装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、鉄道車両に設置された電力変換装置は、前記電力変換装置に対し前記鉄道車両の車側から着脱可能なように構成され、直流電源を交流電源に変換するパワーユニットを有する。さらに、前記装置は、前記パワーユニットが前記電力変換装置に装着された場合に、前記鉄道車両の車体中央側に位置するように、前記パワーユニット内に配置された冷却器を有する。さらに、前記装置は、前記パワーユニット内に配置された電気部品を有する。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、電力変換装置に関する。
図1は、従来の鉄道車両1の床下部の構造を示す平面図である。図2は、床下部に設置された電力変換装置2の構造を示す断面図である。図2は、図1に示すA−A線に沿った断面図である。鉄道車両1の中心線L付近を車体中央側とし、中心線Lから離れた鉄道車両1の車体側面付近を車側とする。
電力変換装置2は、パンタグラフからの直流電源を、パワーユニット11により交流電源に変換する。パワーユニット11は、電力変換装置2から着脱可能な構成となっているが、従来の鉄道車両1では、電力変換装置2の車側に配置されている。
鉄道車両1の床下に電気機器や台車を設置可能な範囲は、地上設備との干渉を回避するため、艤装限界Sという境界線により決められている。艤装限界Sの水平線と垂直線との交点は、カーブでの車体傾斜を考慮して、斜めにカットされたラインとなっている。
電力変換装置2の形状は直方体であることから、電力変換装置2を車側の艤装限界Sのぎりぎりの地点に配置すると、電力変換装置2が、艤装限界Sの上記斜めのラインをオーバしてしまう。そのため、電力変換装置2は、その地点よりも車体中央寄りに配置されている。
特開2005−53330号公報
従来の電力変換装置2は、車側に空いたスペースに、パワーユニット11の冷却器23の放熱部を突出させた構成となっている。よって、鉄道車両1の車側の領域を進行方向に見た場合、放熱部が突出しているのみで、その他の領域はデッドスペースとなっているという問題がある。
また、パワーユニット11では、冷却器23が車側に配置されているため、半導体素子21、ゲートアンプ22、制御基板24、AVR25などの電気部品は、冷却器23よりも車体中央側寄りに配置されている。これらの電気部品は、破損の有無や、信号の入出力のチェックなど、日常のメンテナンスを必要とする。しかしながら、これらの電気部品にアクセスするためには、車体中央部に作業者が入り込める場所(ピット)に鉄道車両1を移動する必要があり、作業に多くの労力を費やさなければならないという問題があった。これは、パワーユニット11の交換作業の場合にも同様である。
上記課題を解決するため、本発明は、電気部品のメンテナンスやパワーユニットの交換作業を容易に行うことが可能な電力変換装置を提供する。
一の実施形態によれば、鉄道車両に設置された電力変換装置は、前記電力変換装置に対し前記鉄道車両の車側から着脱可能なように構成され、直流電源を交流電源に変換するパワーユニットを有する。さらに、前記装置は、前記パワーユニットが前記電力変換装置に装着された場合に、前記鉄道車両の車体中央側に位置するように、前記パワーユニット内に配置された冷却器を有する。さらに、前記装置は、前記パワーユニット内に配置された電気部品を有する。
従来の鉄道車両の床下部の構造を示す平面図である。 従来の電力変換装置の構造を示す断面図である。 第1実施形態の鉄道車両の床下部の構造を示す平面図である。 第1実施形態の電力変換装置の構造を示す断面図である。 第2実施形態の電力変換装置の構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態の鉄道車両1の床下部の構造を示す平面図である。図4は、床下部に設置された電力変換装置2の構造を示す断面図である。図4は、図3に示すA−A線に沿った断面図である。
電力変換装置2は、鉄道車両1の床下部に設置されており、パンタグラフからの直流電源を、パワーユニット11により交流電源に変換する。本実施形態の電力変換装置2は、直流電源を空調、蛍光灯、運転台周りなどへの交流電源に変換するタイプのものでもよいし、直流電源を走行用の交流電動機への交流電源に変換するタイプのものでもよい。
パワーユニット11は、電力変換用の半導体素子21と、半導体素子21にON/OFFの信号を発信するゲートアンプ22と、ON/OFFや導通により半導体素子21から発生した熱を冷却する冷却器23と、ゲートアンプ22にON/OFFの信号を発信する制御基板24と、ゲートアンプ22や制御基板24に電源を供給するAVR(Automatic Voltage Regulator)25とを有している。
曲線Sは、鉄道車両1の艤装限界を示す。艤装限界Sの水平線と垂直線との交点は、カーブでの車体傾斜を考慮して、斜めにカットされたラインとなっている。艤装限界Sの幅は、鉄道車両1の枕木方向の幅よりもやや小さく、艤装限界Sの高さは、例えば、線路面よりも約100mm上方に設定されている。
本実施形態では、パワーユニット11が、図4にて矢印で示すように、電力変換装置2に対し車側から着脱可能なように構成されており、電力変換装置2内で車体中央側に配置されている。
また、パワーユニット11は、電力変換装置2に装着された場合に、冷却器23が車体中央側となる位置に冷却器23を有している。さらに、パワーユニット11は、電力変換装置2に装着された場合に、半導体素子21、ゲートアンプ22、制御基板24、AVR25などの電気部品が、冷却器23よりも車側寄りとなる位置に、これらの電気部品を有している。
また、本実施形態では、電力変換装置2とパワーユニット11との構造的な接続点となる固定ボルト33は、車側から着脱可能となっている。固定ボルト33は、本開示におけるボルトの一例である。本実施形態では、電力変換装置2とパワーユニット11は、4本の固定ボルト33により固定されている。
また、パワーユニット11は、電力変換装置2とパワーユニット11とを電気的に接続するための制御回路接続部31と、パワーユニット11の外部端子が設けられた主回路端子台32とを有している。制御回路接続部31と主回路端子台32は、作業者が車側から操作可能な位置に配置されている。本実施形態では、パワーユニット11を電力変換装置2に対し着脱する際には、固定ボルト33と制御回路接続部31の着脱を行う。
(第1実施形態の作用効果)
続いて、第1実施形態の作用効果について説明する。
以上のように、本実施形態では、パワーユニット11が、電力変換装置2に対し車側から着脱可能なように構成されている。よって、半導体素子21などの電気部品が故障し、パワーユニット11を交換する場合に、パワーユニット11に車側からアクセスすることが可能となる。よって、引き込み線や車庫の範囲であれば、場所を選ぶことなく交換作業を行うことが可能となる。
また、本実施形態において、冷却器23は、パワーユニット11が電力変換装置2に装着された場合に車体中央側に位置するように、パワーユニット11内に配置されている。さらに、半導体素子21、ゲートアンプ22、制御基板24、AVR25などの電気部品は、パワーユニット11が電力変換装置2に装着された場合に、冷却器23よりも車側寄りに位置するように、パワーユニット11内に配置されている。よって、これらの電気部品は、車側から見て冷却器23の手前にあるため、これらの電気部品のメンテナンスを車側から行うことが可能となる。同様の理由から、制御回路接続部31や主回路端子台32に対するメンテナンスその他の操作も、車側から行うことが可能となる。
また、本実施形態では、パワーユニット11が、電力変換装置2に対し、車側から着脱可能な固定ボルト33により装着される。よって、パワーユニット11の着脱の際の固定ボルト33の取り付け作業や取り外し作業を、車側から行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、パワーユニット11の交換作業や電気部品のメンテナンス等を車側から行うことができるため、ピットなどの特別な場所に鉄道車両1を移動することなく、敏速でタイムリーな交換作業やメンテナンス等が可能となり、車両運用面でもメリットがある。
以上のように、本実施形態では、パワーユニット11が、電力変換装置2に対し車側から着脱可能なように構成されている。また、本実施形態において、冷却器23は、パワーユニット11が電力変換装置2に装着された場合に車体中央側に位置するように、パワーユニット11内に配置されている。よって、本実施形態によれば、電気部品のメンテナンスやパワーユニット11の交換作業を、車側から容易に行うことが可能となる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態の電力変換装置2の構造を示す断面図である。なお、図5の電力変換装置2の構造に関し、図4の電力変換装置2の構造との共通点については、説明を省略する。
本実施形態では、電力変換装置2の車側の下部コーナ部が、艤装限界Sに沿った形で斜めにカットされた形状となっている。図4では、この斜めカット部が、符号12で示されている。斜めカット部12は、艤装限界Sの斜めのラインと略平行となっている。また、図5に示す断面において、斜めカット部12の長さは、艤装限界Sの斜めのラインよりも短く設定されている。
また、本実施形態では、パワーユニット11と電力変換装置2とを電気的に接続するための主回路接続部が、主回路コネクタ34となっており、パワーユニット11の着脱と連動した主回路の自動的な接続、切り離しが可能となっている。主回路コネクタ34は、本開示におけるコネクタの一例である。図5に示すように、電力変換装置2には、主回路コネクタ34を挿入するための挿入口が設けられている。
(第2実施形態の作用効果)
続いて、第2実施形態の作用効果について説明する。
以上のように、本実施形態では、電力変換装置2の車側の下部コーナ部12を、斜めにカットしている。よって、電力変換装置2を車側の艤装限界Sの近い地点に配置することができ、艤装限界S内で車側のスペースを有効に活用することが可能となる。さらには、電力変換装置2の枕木方向のサイズを大きくすることが可能となる。
また、2つの電力変換装置2を枕木方向に隣接して設置する場合において、これらの電力変換装置2間の車体中央部の点検スペースの確保が困難な場合には、これらの電力変換装置2をそれぞれ車側に寄せて配置することで、広い点検スペースを確保することが可能となる。
また、本実施形態では、パワーユニット11と電力変換装置2とを電気的に接続するための主回路接続部として、固定ボルト33等の締結具による締結が不要な主回路コネクタ34を適用する。よって、本実施形態によれば、パワーユニット11の着脱時に、固定ボルト33等の締結具の締結点数が減少し、着脱作業時間を短縮することが可能となる。
以上のように、本実施形態では、電力変換装置2の車側の下部コーナ部12が、艤装限界Sに沿った形で斜めにカットされた形状となっている。よって、本実施形態によれば、鉄道車両1の限られた床下スペースを有効に活用することが可能となる。また、本実施形態によれば、従来収納が困難であった電力変換装置2の電気部品の収納が可能となり、従来よりも好適な艤装配置が可能となる。
また、本実施形態において、パワーユニット11は、パワーユニット11と電力変換装置2とを電気的に接続するための主回路コネクタ34を有している。よって、本実施形態によれば、パワーユニット11の着脱時に、締結具の締結点数が減少し、着脱作業時間を短縮することが可能となる。
以上、第1及び第2実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施することができる。また、これらの実施形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことにより、様々な変形例を得ることもできる。これらの形態や変形例は、発明の範囲や要旨に含まれており、特許請求の範囲及びこれに均等な範囲には、これらの形態や変形例が含まれる。
1:鉄道車両、2:電力変換装置、11:パワーユニット、12:斜めカット部、
21:半導体素子、22:ゲートアンプ、23:冷却器、
24:制御基板、25:AVR、
31:制御回路接続部、32:主回路端子台、
33:固定ボルト、34:主回路コネクタ、
L:軌道中心線、S:艤装限界

Claims (5)

  1. 鉄道車両に設置された電力変換装置であって、
    前記電力変換装置に対し前記鉄道車両の車側から着脱可能なように構成され、直流電源を交流電源に変換するパワーユニットと、
    前記パワーユニットが前記電力変換装置に装着された場合に、前記鉄道車両の車体中央側に位置するように、前記パワーユニット内に配置された冷却器と、
    前記パワーユニット内に配置された電気部品と、
    を有する電力変換装置。
  2. 前記電気部品は、前記パワーユニットが前記電力変換装置に装着された場合に、前記冷却器よりも前記車側寄りに位置するように、前記パワーユニット内に配置されている、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記パワーユニットは、前記電力変換装置に対し、前記鉄道車両の車側から着脱可能なボルトにより装着可能である、請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力変換装置の前記車側の下部コーナ部は、艤装限界に沿った形で斜めにカットされた形状を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記パワーユニットは、前記パワーユニットと前記電力変換装置とを電気的に接続するためのコネクタを有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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