JP2013050659A - アクセサリーおよびカメラボディ - Google Patents

Abstract

【課題】初期化処理にかかる時間を短縮できるアクセサリーおよびカメラボディを提供する。
【解決手段】駆動手段２１２に対する電力供給が遮断される際の処理の実行を命令する特定の遮断処理コマンドを通信手段２１７がカメラボディ１００から受信すると、被駆動部材２１０ｂの現在位置を記憶手段２１６に記憶させ、且つ、駆動手段２１２により、被駆動部材２１０ｂを、現在位置に応じた位置に駆動させる特定の遮断処理を行う遮断処理手段２０３と、所定の初期化処理の実行を命令する特定の初期化実行コマンドを通信手段２１７がカメラボディ１００から受信すると、駆動手段２１２により、被駆動部材２１０ｂを記憶手段２１６に記憶された位置に駆動させる特定の初期化処理を行う初期化手段２０３と、を備えることを特徴とするアクセサリー２００。
【選択図】図２

Description

本発明は、アクセサリーおよびカメラボディに関する。

カメラボディと、カメラボディに着脱可能なアクセサリーと、から成るカメラシステムが知られている。例えば特許文献１には、カメラ本体と、交換レンズと、から成るカメラシステムが記載されている。このカメラシステムにおいて、交換レンズは、カメラ本体の電源がオンされると、例えばフォーカシングレンズを所定の初期位置に駆動する初期化処理を行う。

特開２０１１−１０７６９８号公報

特許文献１に記載のカメラシステムでは、初期化処理前のフォーカシングレンズの位置と上記初期位置とが大きく離れていると、初期化処理に時間がかかるという問題があった。

請求項１に係る発明は、カメラボディが着脱可能に取り付けられる取付手段と、被駆動部材と、被駆動部材を駆動する駆動手段と、カメラボディと通信する通信手段と、記憶手段と、駆動手段に対する電力供給が遮断される際の処理の実行を命令する特定の遮断処理コマンドを通信手段がカメラボディから受信すると、被駆動部材の現在位置を記憶手段に記憶させ、且つ、駆動手段により、被駆動部材を、現在位置に応じた位置に駆動させる特定の遮断処理を行う遮断処理手段と、所定の初期化処理の実行を命令する特定の初期化実行コマンドを通信手段がカメラボディから受信すると、駆動手段により、被駆動部材を記憶手段に記憶された位置に駆動させる特定の初期化処理を行う初期化手段と、を備えることを特徴とするアクセサリーである。
請求項８に係る発明は、請求項１〜７のいずれか一項に記載のアクセサリーが着脱可能に取り付けられる取付手段と、アクセサリーと通信する通信手段と、を備えることを特徴とするカメラボディである。

本発明によれば、初期化処理にかかる時間を短縮できる。

本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。 本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した断面図である。 カメラボディの動作状態が遷移する際に、カメラボディから交換レンズに送信するコマンドを説明する図である。

図１は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。なお、図１では本発明に係わる機器および装置のみを示し、それ以外の機器および装置については図示と説明を省略する。カメラシステム１は、カメラボディ１００と、カメラボディ１００に着脱可能な交換レンズ２００とから構成される。

カメラボディ１００には交換レンズ２００が着脱可能に取り付けられるボディ側マウント部１０１が設けられている。ボディ側マウント部１０１の近傍（ボディ側マウント部１０１の内周側）の位置には、ボディ側マウント部１０１の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部（電気的な接続部）１０２が設けられている。この保持部１０２には複数の接点が設けられている。また交換レンズ２００には、ボディ側マウント部１０１に対応する、カメラボディ１００が着脱可能に取り付けられるレンズ側マウント部２０１が設けられている。レンズ側マウント部２０１の近傍（レンズ側マウント部２０１の内周側）の位置には、レンズ側マウント部２０１の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部（電気的な接続部）２０２が設けられている。この保持部２０２には複数の接点が設けられている。カメラボディ１００に交換レンズ２００が装着されると、複数の接点が設けられたカメラボディ１００側の保持部１０２が、複数の接点が設けられた交換レンズ２００側の保持部２０２に電気的に且つ物理的に接続される。両保持部１０２，２０２は、カメラボディ１００から交換レンズ２００への電力供給、および、カメラボディ１００と交換レンズ２００との信号の送受信に利用される。

カメラボディ１００内のボディ側マウント部１０１後方には、被写体像を撮像し撮像信号を出力する撮像素子１０４が設けられる。カメラボディ１００の上方には、入力装置である操作部材１０７が設けられている。操作部材１０７は、単一の部材として図示されているが、カメラボディ１００の電源のオンオフを指示するための電源ボタン、撮影を指示するためのレリーズボタンなどの複数の操作部材を含むものである。

図２は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した断面図である。なお、図２では、マウントの構造を簡略的に記載している。このため、カメラボディ１００のボディ側マウント部１０１と保持部１０２とが、同一面上に存在するような図面になっている。しかしながら、実際のマウント構造では、保持部１０２は、カメラボディ１００のボディ側マウント部１０１のマウント面よりも奥まった場所（図２においてボディ側マウント部１０１よりも右側の場所）に配置されている。図２では交換レンズ２００側のマウント構造も簡略的に記載したので、交換レンズ２００のレンズ側マウント部２０１と保持部２０２とが同一面上に存在するような図面になっている。しかしながら実際には、保持部２０２は、レンズ側マウント部２０１のマウント面よりも突出した場所（図２においてレンズ側マウント部２０１よりも右側の場所）に配置されている。実際にはこのように構成されているので、ボディ側マウント部１０１のマウント面とレンズ側マウント部２０１のマウント面とを接触させて、カメラボディ１００と交換レンズ２００とをマウント結合させると、保持部１０２と保持部２０２とが接続され、両保持部に設けられている電気接点同士が接続することになる。このようなマウント構造については周知であるのでこれ以上の説明、図示を省略する。

交換レンズ２００は、被写体像を結像させる結像光学系２１０を備える。結像光学系２１０は複数のレンズ２１０ａ〜２１０ｃおよび絞り２１１により構成されている。これら複数のレンズ２１０ａ〜２１０ｃには、被写体像のピント位置を制御するためのフォーカシングレンズ２１０ｂが含まれている。

交換レンズ２００の内部には、交換レンズ２００の各部の制御を司るレンズ制御部２０３が設けられている。レンズ制御部２０３は不図示のマイクロコンピュータおよびその周辺回路等から構成される。レンズ制御部２０３には、レンズ側通信部２１７、フォーカシングレンズ駆動部２１２、絞り駆動部２１４、ＲＯＭ２１５、およびＲＡＭ２１６が接続されている。

レンズ側通信部２１７は、保持部１０２、２０２の各通信接点を介してカメラボディ１００とのデータの授受を行う。このレンズ側通信部２１７は、交換レンズ２００側の通信インターフェースである。レンズ制御部２０３はこの通信インターフェースを使って、カメラボディ１００（後述するボディ制御部１０３）との間で通信を行う。

保持部２０２にはレンズ側通信部２１７の他に、フォーカシングレンズ駆動部２１２、絞り駆動部２１４および受電部２２０が接続されている。フォーカシングレンズ駆動部２１２、絞り駆動部２１４および受電部２２０は、保持部１０２、２０２を介して、カメラボディ１００から所定の電力の供給を受ける。受電部２２０はこうして供給された電力を、交換レンズ２００内のレンズ制御部２０３やＲＡＭ２１６などの消費電力の小さい回路へ供給する。

フォーカシングレンズ駆動部２１２は、ステッピングモータを有し、フォーカシングレンズ２１０ｂを光軸方向に駆動する。絞り駆動部２１４は、ステッピングモータを有し、絞り２１１の開口径を変化させる。

ＲＯＭ２１５は不揮発性の記憶媒体であり、レンズ制御部２０３が実行する所定の制御プログラムが予め記憶されている。ＲＡＭ２１６は揮発性の記憶媒体であり、レンズ制御部２０３により各種データの記憶領域として利用される。

撮像素子１０４の前面には、シャッター１１５およびフィルター１１６が設けられている。結像光学系２１０を透過した被写体光は、シャッター１１５およびフィルター１１６を介して撮像素子１０４に入射する。フィルター１１６は、光学的ローパスフィルターと赤外線カットフィルターを組み合わせた光学フィルターである。

カメラボディ１００内部には、カメラボディ１００の各部の制御を司るボディ制御部１０３が設けられている。ボディ制御部１０３は不図示のマイクロコンピュータ、ＲＡＭおよびその周辺回路等から構成される。ボディ制御部１０３にはボディ側通信部１１７が接続されている。

ボディ側通信部１１７は保持部１０２に接続されており、保持部１０２に設けられた複数の接点を介して、レンズ側通信部２１７とデータの授受を行うことができる。換言すれば、ボディ側通信部１１７はそれぞれ、ボディ側の通信インターフェースである。ボディ制御部１０３はこれら通信インターフェースを使って、交換レンズ２００（レンズ制御部２０３）との間で、通信を行う。

保持部１０２にはボディ側通信部１１７の他に、第１電源回路１２０および第２電源回路１２１が接続されている。第１電源回路１２０は、保持部１０２、２０２を介して、受電部２２０に電力を供給する。すなわち、第１電源回路１２０は、交換レンズ２００内の消費電力の小さい回路（レンズ制御部２０３、ＲＡＭ２１６、レンズ側通信部２１７など）を動作させるための電力を供給する。第２電源回路１２１は、保持部１０２、２０２を介して、交換レンズ２００内の消費電力の大きい回路（フォーカシングレンズ駆動部２１２および絞り駆動部２１４）に電力を供給する。

カメラボディ１００の背面には、ＬＣＤパネル等により構成される表示装置１１１が配置される。ボディ制御部１０３はこの表示装置１１１に対し、撮像素子１０４の出力に基づく被写体の画像（いわゆるスルー画）や、撮影条件等を設定するための各種のメニュー画面を表示する。

（カメラボディ１００の動作状態の説明）
本実施形態のカメラボディ１００は、電源オフ状態、電源オン状態、およびスリープ状態の３つの動作状態を有する。以下、これらの各動作状態について詳述する。

電源オン状態は、カメラシステム１を用いて撮影可能な状態である。電源オン状態のとき、カメラボディ１００および交換レンズ２００の各部に電力が供給される。

電源オフ状態は、撮影不可能な状態である。電源オフ状態では、カメラボディ１００に設けられた電源ボタンが操作されない限り、電源オン状態に遷移しない。電源オフ状態のとき、交換レンズ２００のレンズ制御部２０３とレンズ側通信部２１７にはカメラボディ１００の第１電源回路１２０から電力が供給されるが、フォーカシングレンズ駆動部２１２および絞り駆動部２１４に対してはカメラボディ１００の第２電源回路１２１から電力が供給されない。

スリープ状態も、撮影不可能な状態である。スリープ状態では、電源オフ状態と異なり、カメラボディ１００への所定の操作（例えばレリーズボタンやメニューボタンへの操作）が行われると、電源オン状態に遷移する。スリープ状態のときも、電源オフ状態のときと同様に、交換レンズ２００のレンズ制御部２０３とレンズ側通信部２１７にはカメラボディ１００の第１電源回路１２０から電力が供給されるが、フォーカシングレンズ駆動部２１２および絞り駆動部２１４に対してはカメラボディ１００の第２電源回路１２１から電力が供給されない。

なお、以上で述べた各電力は、カメラボディ１００が内蔵する不図示のバッテリーを供給源とする。

（初期化処理およびシャットダウン処理の説明）
本実施形態は、カメラボディ１００の動作状態が遷移する際に、交換レンズ２００側で行う初期化処理およびシャットダウン処理に特徴を有するので、以下の説明はこの点を中心に行う。

図３は、カメラボディ１００の動作状態が遷移する際に、カメラボディ１００から交換レンズ２００に送信するコマンドを説明する図である。カメラボディ１００が電源オン状態から電源オフ状態に遷移するときには、ボディ制御部１０３は、第１シャットダウン処理の実行を命令する第１シャットダウンコマンドを交換レンズ２００に送信する。

レンズ制御部２０３は、カメラボディ１００から第１シャットダウンコマンドを受信すると、第１シャットダウンコマンドに応じて第１シャットダウン処理を実行する。上述したように電源オフ状態では、フォーカシングレンズ駆動部２１２および絞り駆動部２１４に対して電力が供給されなくなる。したがって、第１シャットダウン処理は、フォーカシングレンズ駆動部２１２および絞り駆動部２１４への電力供給が停止される前の準備処理である。

具体的に、第１シャットダウン処理では、レンズ制御部２０３は、フォーカシングレンズ駆動部２１２を制御して、フォーカシングレンズ２１０ｂを予め定められた電源オフ用位置（所定位置）まで駆動する。この電源オフ用位置は一定の位置であり、原点検出センサーが原点検出する位置の近傍位置である。フォーカシングレンズ２１０ｂをこのような電源オフ用位置に移動させるのは、次の理由による。電源オフ状態から電源オン状態へ遷移する場合、フォーカシングレンズ２１０ｂを所定の初期化位置へ移動させるには、必ず原点検出を伴った初期化処理（後述する第１初期化処理）を行う必要がある。このため、電源オフ時に、フォーカシングレンズ２１０ｂを、原点検出センサーの原点検出位置の近傍に移動させておけば、初期化処理の所要時間を短くすることができる。なお、後述するように、第１シャットダウン処理後は、必ず第１初期化処理を行う（すなわち原点検出を行う）。この為、第１シャットダウン処理においては、必ずしもフォーカスレンズ２１０ｂをそのレンズ位置が保持される励磁位置へ停止させる必要はない（第１シャットダウン処理において、静止トルク位置は考慮する必要は無い）。

また、レンズ制御部２０３は、絞り駆動部２１４を制御して、絞り２１１を予め定められた電源オフ用位置（例えば絞り込み位置（絞り２１１が最も絞り込まれる位置））まで駆動する。

カメラボディ１００が電源オフ状態から電源オン状態に遷移するときには、ボディ制御部１０３は、第１初期化処理の実行を命令する第１初期化実行コマンドを交換レンズ２００に送信する。

レンズ制御部２０３は、カメラボディ１００から第１初期化実行コマンドを受信すると、第１初期化実行コマンドに応じて第１初期化処理を実行する。第１初期化処理は、フォーカシングレンズ２１０ｂおよび絞り２１１を電源オフ用位置から予め定められた一定の初期化位置まで駆動させる処理である。

具体的に、レンズ制御部２０３は、フォーカシングレンズ駆動部２１２を制御して、フォーカシングレンズ２１０ｂを駆動させ、原点検出センサーを横切った時点で０位置（原点）とし、この位置を基準にして、所定の初期化位置に駆動する。また、レンズ制御部２０３は、絞り駆動部２１４を制御して、絞り２１１を所定の初期化位置（例えば絞り開放位置）に駆動する。

なお、第１初期化処理では、交換レンズ２００で行うように定められている初期化処理の全てを実行する。したがって、前述のフォーカシングレンズ２１０ｂおよび絞り２１１の位置を初期化位置に駆動する処理のほか、フォーカシングレンズ駆動部２１２や絞り駆動部２１４が有するステッピングモータの駆動を制御するためのモータドライバＩＣのリセット処理なども行う。

カメラボディ１００が電源オン状態からスリープ状態に遷移するときには、ボディ制御部１０３は、第２シャットダウン処理（特定のシャットダウン処理）の実行を命令する第２シャットダウンコマンド（特定のシャットダウン処理）を交換レンズ２００に送信する。

レンズ制御部２０３は、カメラボディ１００から第２シャットダウンコマンドを受信すると、第２シャットダウンコマンドに応じて第２シャットダウン処理を実行する。上述したようにスリープ状態でも、フォーカシングレンズ駆動部２１２および絞り駆動部２１４に対して電力が供給されなくなる。したがって、外力が加わった場合などにフォーカシングレンズ２１０ｂおよび絞り２１１が大きく移動してしまう恐れがある。そこで、交換レンズ２００では、フォーカシングレンズ２１０ｂおよび絞り２１１の不用意な移動を防止するための第２シャットダウン処理を行う。すなわち、第２シャットダウン処理も、フォーカシングレンズ駆動部２１２および絞り駆動部２１４への電力供給が停止される前の準備処理である。しかし、以下に述べる通り、第２シャットダウン処理では、第１シャットダウン処理と異なる処理を行う。

具体的に、第２シャットダウン処理では、レンズ制御部２０３は、フォーカシングレンズ２１０ｂの現在位置をＲＡＭ２１６に記憶する。なお、スリープ状態において、ＲＡＭ２１６に対する電力供給は停止されない。

レンズ制御部２０３は、上記現在位置をＲＡＭ２１６に記憶すると、フォーカシングレンズ駆動部２１２のステッピングモータにおいて、非通電状態（非励磁状態）の静止トルクが最も大きな角度位置（すなわちディテントトルクの角度位置）に対応する位置まで、フォーカシングレンズ２１０ｂを駆動する。なお、このような、非通電状態の静止トルクが最も大きな角度位置に対応する位置（以下、スリープ用保持位置と呼ぶ）は、ステッピングモータにおいて、たとえば数パルスおきに存在する。したがってレンズ制御部２０３は、上記現在位置に最も近いスリープ用保持位置にフォーカシングレンズ２１０ｂを駆動する。こうすることにより、スリープ状態においてフォーカシングレンズ駆動部２１２へ電力が供給されなくても、フォーカシングレンズ２１０ｂは、スリープ状態に入る前の位置（上記現在位置）の近傍の位置で安定して保持される。

なお、本実施形態のカメラボディ１００において、カメラボディ１００への操作が無い状況でスリープ状態が維持される時間は、予めカメラボディ１００または使用者によって定められている一定時間（最大でも５分程度）である。該一定時間の経過後は、カメラボディ１００は、電源オフ状態へ遷移する。このようにスリープ状態が維持される期間は短時間であるため、環境温度変化等による鏡筒補正を考慮する必要がない。よって、スリープ状態から電源オン状態へ遷移する場合、レンズ位置がメカ的に保持され、その位置が記憶されていれば、原点検出を伴った初期化処理（上述した第１初期化処理）を行う必要はなく、第２初期化処理を行えばよい。この場合、原点検出が行われないので、初期化処理の所要時間を短縮し、撮影準備までを速くすることができる。

また、第２シャットダウン処理では、レンズ制御部２０３は、絞り２１１の現在位置をＲＡＭ２１６に記憶する。そして、レンズ制御部２０３は、絞り駆動部２１４を制御して、絞り２１１を所定の位置（例えば、絞り込み位置）まで駆動する。

カメラボディ１００がスリープ状態から電源オン状態に遷移するときには、ボディ制御部１０３は、第２初期化処理（特定の初期化処理）の実行を命令する第２初期化実行コマンド（特定の初期化実行コマンド）を交換レンズ２００に送信する。

レンズ制御部２０３は、カメラボディ１００から第２初期化実行コマンドを受信すると、第２初期化実行コマンドに応じて第２初期化処理を実行する。第２初期化処理は、第１初期化処理と異なり、フォーカシングレンズ２１０ｂおよび絞り２１１をＲＡＭ２１６に記憶された位置（すなわちスリープ状態に入る前の位置）まで駆動させる処理である。

具体的に、レンズ制御部２０３は、フォーカシングレンズ駆動部２１２を制御して、ＲＡＭ２１６に記憶された位置までフォーカシングレンズ２１０ｂを駆動する。

ここで、フォーカシングレンズ２１０ｂは、上記第２シャットダウン処理において、スリープ状態に入る前の位置（すなわちＲＡＭ２１６に記憶された位置）に最も近いスリープ用保持位置に駆動されているので、スリープ状態において、フォーカシングレンズ２１０ｂは、スリープ状態に入る前の位置の近傍の位置で安定して保持されている。したがって、第２初期化処理では、この保持された位置からスリープ状態に入る前の位置への駆動距離が短くてすむので、この駆動を短い時間で行うことができる。仮に、スリープ状態に遷移するときにも、フォーカシングレンズ２１０ｂを上記電源オフ用位置まで駆動する場合、電源オン状態に戻るときに上記電源オフ用位置からスリープ状態に入る前の位置まで駆動させなければならない。この場合、上記電源オフ用位置とスリープ状態に入る前の位置とが大きく離れていると時間がかかる可能性が高い。これに対して、本実施形態では、スリープ時に保持される位置をスリープ状態に入る前の位置の近傍とするため、第２初期化処理において短い時間でフォーカシングレンズ２１０ｂを駆動できる。

また、レンズ制御部２０３は、絞り駆動部２１４を制御して、スリープ状態で所定の位置（例えば絞り込み位置）にある絞り２１１を、ＲＡＭ２１６に記憶された位置（すなわちスリープ状態に入る前の位置）へ駆動する。

なお、第２初期化処理では、第１初期化処理と異なり、交換レンズ２００で行うように定められている初期化処理のうち、必要なもののみを実行するようにしてもよい。

上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
（１）交換レンズ２００は、カメラボディ１００が着脱可能に取り付けられるレンズ側マウント部２０１と、フォーカシングレンズ２１０ｂと、フォーカシングレンズ２１０ｂを駆動するフォーカシングレンズ駆動部２１２と、カメラボディ１００と通信するレンズ側通信部２１７と、ＲＡＭ２１６と、フォーカシングレンズ駆動部２１２に対する電力供給が遮断される際の処理の実行を命令する特定の遮断処理コマンド（上記第２シャットダウンコマンド）をカメラボディ１００から受信すると、フォーカシングレンズ２１０ｂの現在位置をＲＡＭ２１６に記憶させ、且つ、フォーカシングレンズ駆動部２１２により、フォーカシングレンズ２１０ｂを、現在位置に応じた位置（現在位置から最も近いスリープ用保持位置）に駆動させる特定の遮断処理（上記第２シャットダウン処理）を行うレンズ制御部２０３と、所定の初期化処理の実行を命令する特定の初期化実行コマンド（上記第２初期化実行コマンド）をカメラボディ１００から受信すると、フォーカシングレンズ駆動部２１２により、フォーカシングレンズ２１０ｂをＲＡＭ２１６に記憶された位置に駆動させる特定の初期化処理（上記第２初期化処理）を行うレンズ制御部２０３と、を備えるので、初期化処理においてフォーカシングレンズ２１０ｂを駆動する距離を短くできるので、初期化処理にかかる時間を短縮することができる。

（２）上記（１）の交換レンズ２００において、第２シャットダウンコマンドは、カメラボディ１００が電源オン状態からスリープ状態に遷移するときにカメラボディ１００から送信され、第２初期化実行コマンドは、カメラボディ１００がスリープ状態から電源オン状態に遷移するときにカメラボディ１００から送信されるので、カメラボディ１００がスリープ状態から電源オン状態に遷移するときに、初期化処理にかかる時間を短縮することができる。

（３）上記（１）または（２）の交換レンズ２００において、第２シャットダウン処理では、フォーカシングレンズ２１０ｂを、フォーカシングレンズ２１０ｂの現在位置近傍で、且つフォーカシングレンズ２１０ｂが安定して保持される位置（スリープ用保持位置）に駆動させるので、フォーカシングレンズ駆動部２１２に電力が供給されない状態でもフォーカシングレンズ２１０ｂを安定して保持できると共に、初期化処理においてフォーカシングレンズ２１０ｂを駆動する距離を短くできる。

（４）上記（１）〜（３）の交換レンズ２００において、レンズ制御部２０３は、特定のシャットダウンコマンド（上記第２シャットダウンコマンド）と異なる第１の遮断処理コマンド（上記第１シャットダウンコマンド）を受信すると、フォーカシングレンズ駆動部２１２により所定の位置にフォーカシングレンズ２１０ｂを駆動させる第１の遮断処理（上記第１シャットダウン処理）を行うので、カメラボディ１００からの異なるシャットダウンコマンドに応じて異なるシャットダウン処理を行うことができる。

（５）上記（４）の交換レンズ２００において、第１シャットダウンコマンドは、カメラボディ１００が電源オン状態から電源オフ状態に遷移するときにカメラボディ１００から送信されるので、カメラボディ１００が電源オン状態から電源オフ状態に遷移するときには、フォーカシングレンズ２１０ｂを電源オフ状態に適した位置に駆動することができる。

（６）上記（１）〜（５）の交換レンズ２００において、特定の初期化実行コマンド（第２の初期化実行コマンド）と異なる第１の初期化実行コマンド（上記第１初期化実行コマンド）を受信すると、フォーカシングレンズ駆動部２１２によりフォーカシングレンズ２１０ｂを所定の初期化位置に駆動させる第１の初期化処理（上記第１初期化処理）を行うので、カメラボディ１００からの異なる初期化実行コマンドに応じて異なる初期化処理を行うことができる。

（７）上記（６）の交換レンズ２００において、第１初期化実行コマンドは、カメラボディ１００が電源オフ状態から電源オン状態に移行するときにカメラボディ１００から送信されるので、カメラボディ１００が電源オフ状態から電源オン状態に遷移するときには、フォーカシングレンズ２１０ｂを所定の初期化位置に駆動することができる。

（変形例１）
上述した実施の形態では、カメラボディ１００が電源オフ状態から電源オン状態に遷移する場合に第１初期化実行コマンドを送信する場合について述べた。これに加え、カメラボディ１００が電源オン状態のときに、カメラボディ１００に対して交換レンズ２００が装着されたことを検出した場合にも、第１初期化実行コマンドを交換レンズ２００に送信するようにしてもよい。
（変形例２）
上述した実施の形態では、被駆動部材として、フォーカシングレンズ２１０ｂおよび絞り２１１を駆動させる場合について述べたが、これに限らず、この他の被駆動部材（例えば、ズームレンズなど）を駆動させる場合に本発明を適用するようにしてもよい。

（変形例３）
上述した実施の形態では、交換レンズ２００が２種類の初期化実行コマンド（第１および第２初期化実行コマンド）に応じて異なる初期化処理（第１および第２初期化処理）を行う場合について述べた。さらに、交換レンズ２００は、カメラボディ１００にバッテリーまたは交換レンズ２００が装着された場合に、以下に述べるように、上記第１および第２初期化実行コマンドと異なる第３初期化実行コマンドに応じて、上記第１および第２初期化処理と異なる第３初期化処理を行うようにしてもよい。

変形例３のボディ制御部１０３は、カメラボディ１００にバッテリーが装着されたことを検出した場合や、カメラボディ１００が電源オフ状態またはスリープ状態のときにカメラボディ１００に対して交換レンズ２００が装着されたことを検出した場合に、第３初期化実行コマンドを交換レンズ２００に送信する。

変形例３のレンズ制御部２０３は、カメラボディ１００から第３初期化実行コマンドを受信すると、第３初期化実行コマンドに応じて第３初期化処理を実行する。第３初期化処理では、ユーザから視認されにくい範囲での初期化処理を行う。

カメラボディ１００にバッテリーが装着された時点や、カメラボディ１００が電源オフ状態またはスリープ状態のときに交換レンズ２００が装着された時点では、ユーザは電源ボタンを押下しておらず、電源オフ状態またはスリープ状態である。しかしながら、ユーザが電源ボタンを押下する前に上記初期化処理を行っておくことにより、ユーザが電源ボタンを押下した際に上記初期化処理を省略することができ、撮影可能状態となるまでの時間を短縮することができる。また、初期化処理を行う範囲を、ユーザから視認されにくい範囲とすることにより、ユーザが電源ボタンを押下していないのにカメラシステム１が目に見える形で動いてユーザに違和感を与えることを防止することができる。

第３初期化処理では、例えば、ユーザから視認されにくい被駆動部材（インナーフォーカシングレンズ、絞りなど）の位置を初期化する処理を行う。この被駆動部材は、経時変化および温度変化が少ない機構のものであることや、電力供給がない状態でも静止トルクの高いモータ（例えば超音波モータ）で駆動されるものであることが好ましい。また、第３初期化処理では、モータドライバＩＣのリセット動作などを行うようにしてもよい。
（変形例４）
上述した実施の形態では、交換レンズ２００のシャットダウン処理および初期化処理を行う場合について述べたが、これに限らず、シャットダウン処理および初期化処理が必要なアクセサリーであれば本発明を適用するようにしてもよい。例えば、カメラボディ１００のマウント規格とは異なるマウント規格のマウントを備えた交換レンズをカメラボディ１００に装着するためのマウントアダプタや、あるいは交換レンズの焦点距離を変更するためのコンバージョンレンズ（テレコンバージョンレンズ、ワイドコンバージョンレンズなど）に本発明を適用するようにしてもよい。

本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。

１…カメラシステム、１００…カメラボディ、１０１…ボディ側マウント部、１０３…ボディ制御部、１０４…撮像素子、１１７…ボディ側通信部、２００…交換レンズ、２０１…レンズ側マウント部、２０３…レンズ制御部、２１０ｂ…フォーカシングレンズ、２１２…フォーカシングレンズ駆動部、２１６…ＲＡＭ、２１７…レンズ側通信部

Claims (8)

1. カメラボディが着脱可能に取り付けられる取付手段と、
   被駆動部材と、
   前記被駆動部材を駆動する駆動手段と、
   前記カメラボディと通信する通信手段と、
   記憶手段と、
   前記駆動手段に対する電力供給が遮断される際の処理の実行を命令する特定の遮断処理コマンドを前記通信手段が前記カメラボディから受信すると、前記被駆動部材の現在位置を前記記憶手段に記憶させ、且つ、前記駆動手段により、前記被駆動部材を、前記現在位置に応じた位置に駆動させる特定の遮断処理を行う遮断処理手段と、
   所定の初期化処理の実行を命令する特定の初期化実行コマンドを前記通信手段が前記カメラボディから受信すると、前記駆動手段により、前記被駆動部材を前記記憶手段に記憶された位置に駆動させる特定の初期化処理を行う初期化手段と、
   を備えることを特徴とするアクセサリー。
2. 請求項１に記載のアクセサリーにおいて、
   前記特定の遮断処理コマンドは、前記カメラボディが電源オン状態からスリープ状態に遷移するときに前記カメラボディから送信され、前記特定の初期化実行コマンドは、前記カメラボディがスリープ状態から電源オン状態に遷移するときに前記カメラボディから送信されることを特徴とするアクセサリー。
3. 請求項１または２に記載のアクセサリーにおいて、
   前記特定の遮断処理では、前記被駆動部材を、前記被駆動部材の現在位置近傍で、且つ前記被駆動部材が安定して保持される位置に駆動させることを特徴とするアクセサリー。
4. 請求項１〜３のいずれか一項に記載のアクセサリーにおいて、
   前記遮断処理手段は、前記通信手段が前記特定の遮断処理コマンドと異なる第１の遮断処理コマンドを受信すると、前記駆動手段により所定の位置に前記被駆動部材を駆動させる第１の遮断処理を行うことを特徴とするアクセサリー。
5. 請求項４に記載のアクセサリーにおいて、
   前記第１の遮断処理コマンドは、前記カメラボディが電源オン状態から電源オフ状態に遷移するときに前記カメラボディから送信されることを特徴とするアクセサリー。
6. 請求項１〜５のいずれか一項に記載のアクセサリーにおいて、
   前記初期化手段は、前記通信手段が前記特定の初期化実行コマンドと異なる第１の初期化実行コマンドを受信すると、前記駆動手段により前記被駆動部材を所定の初期化位置に駆動させる第１の初期化処理を行うことを特徴とするアクセサリー。
7. 請求項６に記載のアクセサリーにおいて、
   前記第１の初期化実行コマンドは、前記カメラボディが電源オフ状態から電源オン状態に移行するときに前記カメラボディから送信されることを特徴とするアクセサリー。
8. 請求項１〜７のいずれか一項に記載のアクセサリーが着脱可能に取り付けられる取付手段と、
   前記アクセサリーと通信する通信手段と、
   を備えることを特徴とするカメラボディ。

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