JP2013049107A - ステンレス鋼製部材の製造方法及び塗布フィルムの製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼製部材の製造方法及び塗布フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ステンレス鋼にシャープエッジを形成する際にバリが根元から折れてシャープエッジが欠けてしまうことを防止することができるステンレス鋼製部材の製造方法及びその方法で製造されたステンレス鋼製部材で塗布液を塗布する塗布フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】ステンレス鋼のシャープエッジを形成する面(A面)、及び、シャープエッジの長さ方向に接する両側面(B面、C面)を研削するステップaと、シャープエッジを形成する面(A面)を研磨するステップbと、を有し、ステップbでは、シャープエッジを形成する面と接する側から順に、1層目32が砥粒、2層目34が軟質部材、3層目36が2層目よりも剛性が高い支持体、から成る研磨手段30を用いて研磨する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ステンレス鋼でシャープエッジを有する部材を製造するステンレス鋼製部材の製造方法及びその方法で製造されたステンレス鋼製部材で塗布液を塗布する塗布フィルムの製造方法に関する。
スロットダイを用いて走行する支持体に各種塗布液を塗布する方法は従来から知られている。
スロットダイのダイブロックの素材としては、古来ステンレス鋼が多く使用されてきたが、シャープエッジ成形困難なことから、超硬材料へシフトしてきた。しかし、超硬材料は耐腐食性に難があり、また、超硬材料が高価なため、スロットダイのリップ先端にしか用いることができず、必然的に従来のステンレス鋼製のブロック先端に組み付けるしかなかった。
ところが、近年要求されている生産スピードアップに応えるべくスロットダイで重層塗布しようとすると、リップ先端の超硬固定部材が邪魔になって、ダイの中間ブロックに保温孔を空けるのが困難になり、保温できないがためにダイブロックが熱変形し、コーティングギャップが幅方向不均一になり、膜厚の幅方向不均一を阻止できない、という難しい課題に直面した。
この課題を解消するために、本願発明者らは、シャープエッジ加工ができる高硬度かつ耐腐食性の高い素材を探索し、例えば、引用文献1にあるような時効硬化型ステンレス鋼のような素材があることを知った。
そこで、本願発明者らは、この時効硬化型ステンレス鋼にシャープエッジの形成を試みた。ところが、ステンレスは超硬より靭性が高くてバリが発生し、それを除去しようとすると、バリが根元から折れてシャープエッジが欠けてしまうという問題が生じた。なお、バリの研磨方法は、例えば、引用文献2のようものがある。
特開2009−138265号公報 特表平11−506397号公報
しかしながら、引用文献2の方法や従来の研磨方法では、ステンレス鋼にシャープエッジを形成する際にバリが根元から折れてシャープエッジが欠けてしまうという問題を解決するには至らなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ステンレス鋼にシャープエッジを形成する際にバリが根元から折れてシャープエッジが欠けてしまうことを防止することができるステンレス鋼製部材の製造方法及びその方法で製造されたステンレス鋼製部材で塗布液を塗布する塗布フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、ステンレス鋼でシャープエッジを有する部材を製造するステンレス鋼製部材の製造方法であって、ステンレス鋼のシャープエッジを形成する面、及び、シャープエッジの長さ方向に接する両側面を研削するステップaと、前記シャープエッジを形成する面を研磨するステップbと、を有し、前記ステップbでは、前記シャープエッジを形成する面と接する側から順に、1層目が砥粒、2層目が軟質部材、3層目が2層目よりも剛性が高い支持体、から成る研磨手段を用いて研磨することを特徴とする。
本発明によれば、ステンレス鋼のシャープエッジを形成する面、及び、シャープエッジの長さ方向に接する両側面を研削し、研削後、シャープエッジを形成する面を研磨するとともに、研磨として、シャープエッジを形成する面と接する側から順に、1層目が砥粒、2層目が軟質部材、3層目が2層目よりも剛性が高い支持体、から成る研磨手段を用いることで、バリをきれいに除去でき、シャープエッジの欠けが発生するのも防ぐことができる。即ち、シャープエッジを形成する面を、砥粒と支持体との間に、スポンジ、ゴム等のクッション性のある軟質材質を設けた研磨手段を用いることで、バリに負担をかけないようにバリを削ることができるので、シャープエッジの欠けが生じないようになる。なお、本発明でいうシャープエッジは、概ね幅150μm以下であるものである。
そして、本発明において、前記砥粒のサイズは、♯2500以上であることが好ましい。砥粒のサイズを♯2500以上という細かい番手にすることで、より好ましくバリに負担をかけないようにバリを削ることができるので、シャープエッジの欠けが生じないようになる。なお、砥粒の番手は、概ね(砥粒の大きさ)=15000/(砥粒の番手)で表すことができる。例えば、砥粒の番手が#10000の場合、砥粒の大きさ(径)は約1.5μmである。
そして、本発明において、前記軟質部材の硬度は、35以下であることが好ましい。軟質部材の硬度を35以下という柔らかい硬度とすることで、より好ましくバリに負担をかけないようにバリを削ることができるので、シャープエッジの欠けが生じないようになる。なお、軟質部材の硬度は、日本ゴム協会が規格したSRIS 0101により計測した値であり、具体的には、アスカー社製のゴム硬度計のFP型で計測した値である。
また、本発明において、前記ステップaは、ステンレス鋼のシャープエッジを形成する面を、シャープエッジの長さ方向に研削するステップと、シャープエッジの長さ方向に接する両側面を、シャープエッジの長さ方向に研削しつつ、シャープエッジの非先端面からシャープエッジ先端方向に向けて研削するステップと、からなり、前記ステップbは、前記シャープエッジを形成する面を、研磨手段をシャープエッジの長さ方向に動かすことで研磨するステップであることが好ましい。
本発明によれば、シャープエッジを形成する面、シャープエッジを形成するシャープエッジ長さ方向に接する一方の側面、シャープエッジを形成するシャープエッジ長さ方向に接する他方の側面、の順に、研削し、研削後、シャープエッジを形成する面を、研磨手段をシャープエッジの長さ方向に動かすことで研磨することで、バリをきれいに除去でき、シャープエッジの欠けが発生するのも防ぐことができる。なお、本発明では、側面を、シャープエッジの長さ方向に研削しつつシャープエッジの非先端面からシャープエッジ先端方向に向けて研削するので、バリがシャープエッジ先端方向に向かって形成される。したがって、そのシャープエッジ先端方向に向かって形成されたバリをシャープエッジの長さ方向に研磨することで、バリをきれいに除去でき、シャープエッジの欠けが発生するのも防ぐことができる。
本発明において、前記ステンレス鋼は、スロットダイ用の部材であって、前記シャープエッジは、該スロットダイのリップ面であることが好ましい。
本発明のステンレス鋼製部材の製造方法は、スロットダイのリップをシャープエッジにする場合に好適に用いられる。特に、薄膜でフィルム幅方向に均一膜厚が求められる塗布フィルム(光学フィルム)のスロットダイやその部材として好適に利用することができる。
また、本発明は、上記のステンレス鋼製部材の製造方法で製造されたスロットダイを用いて塗布液を支持体に塗布することを特徴とする塗布フィルムの製造方法を提供する。
以上説明したように、本発明のステンレス鋼製部材の製造方法によれば、ステンレス鋼にシャープエッジを形成する際にバリが根元から折れてシャープエッジが欠けてしまうことを防止することができる。
本発明に係るステンレス鋼製部材の製造方法により製造されたスロットダイが適用される光学フィルムの製造ラインの全体構成を説明する構成図 本発明に係るスロットダイを説明する概略図 本発明に係るステンレス鋼製部材の製造方法を説明する説明図 本発明に係るステンレス鋼製部材の製造方法に用いる研磨手段を示す概略図 本発明に係る実施例を示す表図 本発明に係る実施例を示す表図
以下、添付図面に従って本発明に係るステンレス鋼製部材の製造方法及び塗布フィルムの製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明に係るステンレス鋼製部材の製造方法により製造されたスロットダイが適用される光学フィルムの製造ライン100の全体構成を説明する構成図である。
光学フィルムの製造ライン100は、図1に示されるように、送り出し機66から予めポリマー層が形成された透明支持体であるウェブWが送り出されるようになっている。ウェブWはガイドローラ68によってガイドされて除塵機74に送りこまれるようになっている。除塵機74は、ウェブWの表面に付着した塵を取り除くことができるようになっている。
除塵機74の下流には、塗布手段であるエクストルージョン方式のスロットダイ塗布装置のスロットダイ12が設けられており、塗布液がバックアップロール11に巻き掛けられたウェブWに塗布できるようになっている。
スロットダイ12の下流には、乾燥ゾーン76が設けられており、ウェブW上の塗布層に含まれる溶媒を乾燥できるようになっている。更に、この下流には塗布層の硬化装置である紫外線照射装置80が設けられており、紫外線照射により、塗布層中の樹脂を硬化できるようになっている。そして、この下流に設けられた巻取り機82により、ポリマーが形成されたウェブWが巻き取られるようになっている。
なお、光学フィルムの製造ライン100の略全般に亘って、ウェブWを巻き掛けて支持し、ウェブWの搬送を可能ならしめるべくガイドローラ68、68…が設けられている。このガイドローラ68は、回動自在となっているローラ部材であり、ウェブWの幅と略同一の長さ(本例では、ウェブWの幅より若干長い)を有する。
上述したエクストルージョン方式のスロットダイ塗布装置(スロットダイ12)は、特に液粘度が3×10−3Pa・s以下の塗布液粘度で、且つ塗布膜の塗布量が10cc/m以下となるような低粘度薄膜塗布を行う光学フィルムの製造ラインに好適に適用できる。
本実施の形態において、スロットダイ12は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置するとよい。その際、清浄度はクラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
また、図1に示される光学フィルムの製造ラインにおいて、ウェブWのテンションとしては、100〜500N/mにすることが好ましい。
ウェブ16として用いられる基材は、その用途により好ましいものが選択され、具体的には透明支持体が用いられる。透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。
プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィンなどが挙げられる。
図2は本発明を実施したスロットダイを用いることができるコーターの概略図である。コーター10は、バックアップロール11に支持されて連続走行するウェブWに対して、スロットダイ12から塗布液14をビード14aにして塗布することにより、ウェブWに塗布膜を形成する。
スロットダイ13は、その内部にポケット15、スロット20が形成されている。ポケット15は、その形状の断面が曲線や直線で構成される。例えば図1、2に示すような略円形でもよいし、半円形でもよいし、台形でもよい。ポケット15は、スロットダイ12の幅方向にその断面形状をもって延長された塗布液の液溜め空間で、その有効延長の長さは、塗布幅と同等か若干長めにするのが一般的である。ポケット15への塗布液14の供給は、スロットダイ12の側面から、あるいはスロットとは反対側の面中央から行い、ポケット15には塗布液14が漏れ出ないようにするための栓を設けている。
スロット20は、ポケット15からウェブWへの塗布液14の流路であり、ポケット15と同様にスロットダイ12の幅方向にその断面形状をもち、ウェブ側に位置する開口部は、一般に、図示しない幅規制板のようなものを用いて、概ね塗布幅と同じ長さの幅になるように調整する。このスロット20の、スロット先端におけるバックアップロール11のウェブ走行方向の接線とのなす角は、一般に30°以上90°以下であり、更に本発明の効果は上記形状のスロットダイに限定されるものではない。
スロット20の開口部が位置するスロットダイ12のリップ先端17は先細り状に形成されており、その先端はリップ面と呼ばれる平坦部とされている。この平坦部であって、スロット20に対してウェブWの進行方向の上流側を以下、上流側リップランドと称し、下流側を下流側リップランドと称する。
ここで、スロットダイ12は、素材としては、古来ステンレス鋼が多く使用されてきたが、上流側リップランド及び下流側リップランドのウェブ走行方向における長さ(幅ともいう)が150μm以下であるシャープエッジのスロットダイ12は、成形困難なことから、超硬材料へシフトしてきている。しかし、超硬材料は耐腐食性に難があり、また、超硬材料が高価なため、スロットダイのリップ先端にしか用いることができず、必然的に従来のステンレス鋼製のブロック先端に組み付けるしかなかった。
ところが、近年要求されている生産スピードアップに応えるべくスロットダイで塗布しようとすると、リップ先端の超硬固定部材が邪魔になり、特に重層塗布のスロットダイではスロットダイの中間ブロックに保温孔を空けるのが困難になり、保温できないがためにダイブロックが熱変形し、コーティングギャップが幅方向不均一になり、膜厚の幅方向不均一を阻止できない、という難しい課題に直面した。
この課題を解消するために、本願発明者らは、ステンレス鋼にシャープエッジ加工ができるステンレス鋼製部材の製造方法を見出した。
以下、本発明に係るステンレス鋼製部材の製造方法について説明する。なお、スロットダイを製造する場合について説明するが、スロットダイに限定されるものではない。
本発明のステンレス鋼製部材の製造方法は、ステンレス鋼のシャープエッジを形成する面、及び、シャープエッジの長さ方向に接する両側面を研削するステップaと、シャープエッジを形成する面を研磨するステップbと、を有し、ステップbの研磨では、前記シャープエッジを形成する面と接する側から順に、1層目が砥粒、2層目が軟質部材、3層目が2層目よりも剛性が高い支持体、から成る研磨手段を用いて研磨する。
図3に示すように、スロットダイ12のリップ先端17をシャープエッジに形成する場合、先ず、リップ先端17となるA面と側面となるB面及びC面を研削する。B面とC面の研削する順番は、B面が先、C面が後であっても良いし、C面が先、B面が後であっても良い。そして、最後に、リップ先端17となるA面を以下に説明する研磨手段によってシャープエッジの長さ方向に動かすことで研磨するようにする。
本発明において、研磨手段30としては、図4に示すように、1層目32が砥粒、2層目34が軟質部材、3層目36が2層目よりも剛性が高い支持体、から成る研磨手段である。ここで、砥粒のサイズは、♯2500以上のものが好ましく、軟質部材の硬度は、35以下であることが好ましい。支持体としては金属プレートであることが好ましい。
このような研磨手段30を用いてステンレス鋼を研削・研磨することで、バリ40をきれいに除去でき、シャープエッジの欠けが発生するのも防ぐことができる。
また、本発明において、ステンレス鋼のシャープエッジを形成する面を、シャープエッジの長さ方向に研削するステップと、 シャープエッジの長さ方向に接する両側面を、シャープエッジの長さ方向に研削しつつ、シャープエッジの非先端面からシャープエッジ先端方向に向けて研削するステップと、シャープエッジを形成する面を、研磨手段をシャープエッジの長さ方向に動かすことで研磨するステップと、でステンレス鋼製部材を製造することが更に好ましい。
この場合、スロットダイ12のリップ先端17をシャープエッジに形成する場合、先ず、リップ先端17となるA面をステンレス鋼の長さ方向に研削する。そして、次に、側面となるB面及びC面をステンレス鋼の長さ方向に研削しつつ、シャープエッジの非先端面からシャープエッジ先端方向に向けて研削する。B面とC面の研削する順番は、B面が先、C面が後であっても良いし、C面が先、B面が後であっても良い。そして、最後に、リップ先端17となるA面を研磨手段によってシャープエッジの長さ方向に動かすことで研磨するようにする。
A面の研磨については、リップ先端17となるA面をステンレス鋼の長さ方向に研削し、次に、側面となるB面及びC面をステンレス鋼の長さ方向に研削しつつ、シャープエッジの非先端面からシャープエッジ先端方向に向けて研削することで、ステンレス鋼のバリ40は、図4に示すようにリップ先端17側に形成される。ここで、バリ40を研磨するのに、シャープエッジの長さ方向(図4では、手前から奥への方向、又は、奥から手間の方向)に研磨手段30を動かすことで研磨する。
このようにステンレス鋼を研削・研磨することで、更にバリ40をきれいに除去でき、シャープエッジの欠けが発生するのも防ぐことができる。
本発明によれば、研磨手段として、砥粒と支持体との間に、硬度が35以下であるスポンジ、ゴム等のクッション性のある軟質材質を設けたものを用いることで、バリに負担をかけないようにバリを削ることができるので、シャープエッジの欠けが生じないようになる。
研磨手段30は、図4に示すように昇降手段50に取り付けて、所望の圧力がバリ40に掛かるようにして研磨することが好ましい。
なお、スロットダイの材料が超硬材料の場合は、リップ先端の腐食によるスロットダイの交換が2年に1回の頻度で必要であったが、本発明の製造方法で製造されたステンレス鋼のスロットダイの場合には、腐食問題も解消し、連続かつ安定したフィルム製造が可能となり、製造得率を大幅に向上させることができる。
[実施例]
(実験1)
ブロック幅:1000mm、ブロック高さ:150mmのスロットダイ(エクストルージョン型塗布装置)を、図5の表1に記載の素材を用いて製作する上において、ブロック最終仕上げに使用する研削盤は、岡本製作所製平面研削盤(DSG 205)、硬度の計測は、アスカー社製 ゴム硬度計(FP型)を使用した。また、バリ取り後のリップ先端の観察は、キーエンス社製マイクロスコープVHX900を使用した。
図5の表1に記載の通り、実施例1−1、1−4及び比較例1−2、1−3、1−5、1−6においては、素材としてSUS630、実施例2及び比較例1においては、素材としてSUS329J1、実施例1−2及び比較例1−1においては、素材としてSUS329J1、実施例1−3及び比較例1−4においては、素材としてASL438を用いた。
また、研磨手段としては、図4の構造のものを用い、研磨手段の砥粒として、比較例1−1では、3M社の#2000サンドペーパー、実施例1−1及び比較例1−3では、#4000サンドペーパー、実施例1−2及び比較例1−4では、#6000サンドペーパー、実施例1−3及び比較例1−5では、#8000サンドペーパー、実施例1−4及び比較例1−6では、#10000サンドペーパー、を用いた。そして、研磨手段の軟質部材としては、図5の表1に記載の硬度の扶桑ゴム社製のシリコンスポンジSi001を用い、研磨手段の支持体としては、金属プレートを用いた。なお、バリ取りの研磨方向は幅(長さ)方向とし、5Nの一定の押し圧力で実施した。
このようにしてステンレス鋼でシャープエッジを形成した際のバリの状況とリップの欠けについて評価し、それらの評価から総合評価として◎〜××と表記した(表1)。
図5の表1から分かるように、1層目が砥粒、2層目が軟質部材、3層目が2層目よりも剛性が高い支持体、から成る研磨手段を用いて研磨するとともに、砥粒のサイズが♯2500以上、軟質部材の硬度が35以下であることで、良好な結果が得られた。
(実験2)
実験1と同様に、ブロック幅:1000mm、ブロック高さ:150mmのスロットダイ(エクストルージョン型塗布装置)を、図6の表2に記載の素材を用いて製作する上において、ブロック最終仕上げに使用する研削盤は、岡本製作所製平面研削盤(DSG 205)、硬度の計測は、アスカー社製 ゴム硬度計(FP型)を使用した。また、バリ取り後のリップ先端の観察は、キーエンス社製マイクロスコープVHX900を使用した。
図6の表2に記載の通り、実施例2−1及び比較例2−2、2−3、2−5、2−6においては、素材としてSUS630、実施例2−2及び比較例2−1においては、素材としてSUS329J1、実施例2−3及び比較例2−4においては素材としてASL438を用いた。
そして、実施例2−1〜3及び比較例2−1、2においては、ブロック幅方向(シャープエッジの長さ方向)であってシャープエッジの非先端面からシャープエッジ先端方向に、比較例2−3〜6においては、ブロック幅方向(シャープエッジの長さ方向)に対して垂直方向に研削を行った。
そして、実施例2−1、2及び比較例2−2、3、5、6においては、図3に示したA面、B面、C面の順に、実施例2−3及び比較例2−4においては、A面、C面、B面の順に、比較例2−1においては、B面、A面、C面の順に研削した。
また、研磨手段としては、図4の構造のものを用い、研磨手段の砥粒として、比較例2−4では、3M社の#2000サンドペーパー、実施例2−1、3及び比較例2−2、5、6では、#4000サンドペーパー、実施例2−2及び比較例2−1、3では、#8000サンドペーパーを用いた。そして、研磨手段の軟質部材としては、図6の表2に記載の硬度の扶桑ゴム社製のシリコンスポンジSi001を用い、研磨手段の支持体としては、金属プレートを用いた。なお、バリ取りの研磨方向は幅(長さ)方向とし、5Nの一定の押し圧力で実施した。
このようにしてステンレス鋼でシャープエッジを形成した際のバリの状況とリップの欠けについて評価し、それらの評価から総合評価として◎〜××と表記した(表2)。
図6の表2から分かるように、ステンレス鋼のシャープエッジを形成する面を、シャープエッジの長さ方向に研削するステップと、シャープエッジの長さ方向に接する両側面を、シャープエッジの長さ方向に研削しつつ、シャープエッジの非先端面からシャープエッジ先端方向に向けて研削するステップと、前記シャープエッジを形成する面を、研磨手段をシャープエッジの長さ方向に動かすことで研磨するステップと、を有するステンレス鋼製部材の製造方法で製造されたスロットダイであるものは、良好にバリを取り除くことができるとともにシャープエッジに欠けが生じない。
更に詳しく見ていくと、1層目が砥粒、2層目が軟質部材、3層目が2層目よりも剛性が高い支持体から成る研磨手段で研磨する際、砥粒としては#2500以上のものが好ましく、軟質部材としては硬度が35以下であることが好ましいことが分かる。
10…コーター、12…スロットダイ、14…塗布液、15…ポケット、17…リップ先端、20…スロット、30…研磨手段、32…1層目、34…2層目、36…3層目、40…バリ、50…昇降手段、66…送り出し機、68…ガイドローラ、76…乾燥ゾーン、80…紫外線照射装置、82…巻取り機、100…光学フィルムの製造ライン、W…ウェブ

Claims (6)

  1. ステンレス鋼でシャープエッジを有する部材を製造するステンレス鋼製部材の製造方法であって、
    ステンレス鋼のシャープエッジを形成する面、及び、シャープエッジの長さ方向に接する両側面を研削するステップaと、
    前記シャープエッジを形成する面を研磨するステップbと、を有し、
    前記ステップbでは、前記シャープエッジを形成する面と接する側から順に、1層目が砥粒、2層目が軟質部材、3層目が2層目よりも剛性が高い支持体、から成る研磨手段を用いて研磨することを特徴とするステンレス鋼製部材の製造方法。
  2. 前記砥粒のサイズは、♯2500以上であることを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼製部材の製造方法。
  3. 前記軟質部材の硬度は、35以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のステンレス鋼製部材の製造方法。
  4. 前記ステップaは、
    ステンレス鋼のシャープエッジを形成する面を、シャープエッジの長さ方向に研削するステップと、
    シャープエッジの長さ方向に接する両側面を、シャープエッジの長さ方向に研削しつつ、シャープエッジの非先端面からシャープエッジ先端方向に向けて研削するステップと、からなり、
    前記ステップbは、
    前記シャープエッジを形成する面を、研磨手段をシャープエッジの長さ方向に動かすことで研磨するステップであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載のステンレス鋼製部材の製造方法。
  5. 前記ステンレス鋼は、スロットダイ用の部材であって、前記シャープエッジは、該スロットダイのリップ面であることを特徴とする請求項ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1に記載のステンレス鋼製部材の製造方法。
  6. 請求項5に記載のステンレス鋼製部材の製造方法で製造されたスロットダイを用いて塗布液を支持体に塗布することを特徴とする塗布フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS63103957U (ja) * 1986-12-23 1988-07-06
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