JP2013047313A - 生分解性樹脂組成物、これを用いたサイレージフィルムおよびその製造方法および生分解性サイレージフィルム - Google Patents

生分解性樹脂組成物、これを用いたサイレージフィルムおよびその製造方法および生分解性サイレージフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 伸びに対する特性および引張り強度、突刺し強度に優れたサイレージフィルムを製造可能な生分解性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 米糠成分を除去した米の外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒が、合成生分解性樹脂により結合されてなる生分解性樹脂組成物は、前記合成分解樹脂が脂肪族ポリエステル系合成生分解性樹脂、芳香族ポリエステル系生分解生樹脂またはこれらの混合物から成る群から選択されたエステル系生分解性樹脂であり、前記米糠成分を除去した米の外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒と合成生分解性樹脂とが、その合計を100質量部とした場合、前記固形粒:合成生分解性樹脂の質量比が25:75から75:25になるように混合されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、生分解性樹脂組成物に関する。より、詳しく述べると、伸びに関する特性、引っ張り強度および突刺し強度に優れた生分解性シートを成型可能な生分解性樹脂組成物に関する。本発明は、更に、当該生分解性樹脂組成物を用いたサイレージフィルムおよびその製造方法に関する。本発明は、また、当該サイレージフィルムを用いたサイレージに関する。
サイレージ(silage)とは家畜用飼料の一種で、飼料作物等を発酵させたものを言い、サイロ等で発酵させる場合と、ロールベールと呼ばれる集草装置によりロール状に集められた青草や稲ワラ等の飼料(ロールベールという)をベールラッパと呼ばれる装置によりサイレージフィルムにより被覆する場合とがある。
ラップサイレージ調製システムは、牧草の刈り取りに始まり、予乾のための反転、集草列作り、拾上げ、梱包・密封・運搬・貯蔵作業にいたるまで、トラクタをベースにした各種作業機を使用することで、機械化一貫作業が可能になっているので、このシステムは急速に普及しつつある。ラップサイレージ調製システムの特徴は以下の通りである。
(1) ストレッチ(伸縮性)フィルムとベールラッパの利用により密封作業がほぼ完全に機械化され、バッグやスタックサイロ以上に、より容易に気密が確保でき、良質なサイレージに安定して調製できる。
(2) 機械化一貫作業体系により、収穫から調製・給飼まで一人でも作業でき、補助作業者としての婦人労力を大幅に削減できる。
(3) ベール直径が1m前後以上の大型ロールベーラを使用したシステムは、作業能率が大幅に向上し、省力化も図られると同時に、牧草の適期収穫が可能となり、草地の維持管理がし易く牧草の高品質化、収量の安定牲にも役立つ。
(4) 多量調製が可能で、貯蔵場所が確保できさえすれば手軽に貯蔵でき、収量の変動に対しても臨機応変に対応できるなど、利便性・簡便性がある。
(5) 貯蔵時に周到なラップサイロの配置をすれば、収穫時の草質から飼料価値が予備把握できることや、開封時の品質の良否によって育成牛、乾乳、泌乳牛に選択給与ができる。
(6) パドックの草架などで不断給飼させると、給与作業が大幅に省力化できる。
(7) 固定サイロによるサイレージ調製費用と比較して安くなることが期待される。
ラップサイロは厚さ約0.025mmのストレッチフィルムを4〜6層に巻き付けて気密性を保っており、サイレージの品質はフィルムの性能に左右される。サイレージフィルムのほとんどがポリエチレンを主原料とし、寸法(幅、フィルムロール径)、色など様々で性能も異なる。サイレージフィルムの性能はフィルムの伸びに関する特性、粘着性、耐候性が重要となる。
フィルムの伸びに関する特性は、長手方向に引っ張った時の伸びと幅がベールラッパに適合していることがポイントとなる。通常は、ラップ作業において、元のフィルムの長さを100として150〜180に延伸され、50cmの幅が40cm程度になり、部分的に色が薄くなったりシワが入らないのが目安とされ、重複率が安定して50%となっていることを確認しながら作業を進める必要がある。少ない力で急激に伸びる、幅が狭くなる、切れるようなフィルムの使用は避けることが必要である。また、伸張回復性(伸びた状態から元に戻る性質)が長期間持続し、開封時にカッターナイフで切った時にフィルムが縮むフィルムが最適とされている。さらに、サイレージの調製・貯蔵は夏季から冬季にわたるので、外気温によってこれらの性能が極端に変化しないことも重要である。
特許文献1には、最適な粘着性、耐突刺性、耐衝撃性、ラッピング性、機械的強度、ガスバリアー性、機械操作性の優れ、馬や牛の飼料として用いられるロールベール状にした牧草を牧草用ラッピングマシーン等を用いてストレッチ包装し、発酵により栄養価の高いサイレージを得るのに適し、廃棄物量を少なくできるサイレージ用に好適な牧草用フィルムを提供することを目的とし、A層、B層およびC層の順に、少なくとも3層に積層され、(1)A層は、特定範囲のエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリブテンおよび/または接着性樹脂の樹脂組成、または特定範囲のメタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体と、高圧法低密度ポリエチレン、ポリブテンおよび/または接着性樹脂の樹脂組成から選択され、(2)B層は、脂肪族ポリアミドであり、(3)C層は、特定範囲のメタロセン触媒より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体と、高圧法低密度ポリエチレン、ポリブテンおよび/または接着性樹脂である牧草用フィルムが提案されている。
このようなサイレージフィルムを廃棄物の軽減の観点から生分解性樹脂組成物から製造しようとする要望があるが、単に公知の生分解性樹脂組成物(例えば、特許文献2および特許文献3参照)を適用してフィルムを製造しても伸びに関する特性および機械的特性、特に引っ張り強度および突刺し強度に優れたフィルムを製造することは困難である。
特開2003−276123号公報 特許第4264468号公報 特許第4613365号
しかしながら、特許文献1に記載の牧草フィルムは、生分解性でなく、使用後のフィルムを廃棄する必要があるという課題があった。
また、特許文献2および特許文献3に記載のような生分解性樹脂組成物を単に適用しても所定の厚さでサイレージフィルムに適する引っ張り強度および突刺し強度を有するフィルムを製造することが困難であった。
したがって、本発明の課題は、伸びに関する特性および機械的強度(引張り強度、突刺し強度)に優れたサイレージフィルムを製造可能な生分解性樹脂組成物を提供することである。
本発明の別の課題は、伸びに関する特性および機械的強度(引張り強度、突刺し強度)に優れた生分解性サイレージフィルムおよびその製造方法を提供することである。
本発明の更に別の課題は、生分解性サイレージフィルムを適用したサイレージを提供することである。
本発明は、上記課題に鑑みて創作されたものであり、下記項目に関するものである。
(1) 米糠成分を除去した米の外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒が、合成生分解性樹脂により結合されてなる生分解性樹脂組成物であって、
前記合成分解樹脂が脂肪族ポリエステル系合成生分解性樹脂、芳香族ポリエステル系生分解生樹脂またはこれらの混合物から成る群から選択されたエステル系生分解性樹脂であり、前記米糠成分を除去した米の外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒と合成生分解性樹脂とが、その合計を100質量部とした場合、前記固形粒:合成生分解性樹脂の質量比が25:75から75:25になるように混合されていることを特徴とする生分解性樹脂組成物。
(2) 前記エステル系生分解性樹脂が、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート・コアジペート)、ポリ(ε・カプロラクトン・ブチレン・サクシネート)、ポリカプロラクトン、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネイト)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート・コ・テレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)、ポリ(エチレンテレフタレート)共重合体またはこれらの混合物から成る群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする(1)に記載の生分解性樹脂組成物。
(3) 前記エステル系生分解性樹脂が質量比で10:90から90:10の割合の脂肪族ポリエステル系合成生分解性樹脂と芳香族ポリエステル系生分解生樹脂との混合物からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の生分解性樹脂組成物。
(4) (1)から(3)のいずれか1項に記載の生分解性樹脂組成物を成型したフィルムと、前記フィルムに塗布された粘着層と、から構成されることを特徴とする生分解性サイレージフィルム。
(5) 前記粘着層が天然エラストマー由来の粘着層であることを特徴とする(4)に記載の生分解性サイレージフィルム。
(6) (1)から(3)のいずれか1項に記載の生分解性樹脂組成物をフィルム状に成型する工程と、前記成型されたフィルムをロール状に巻き取りながら粘着層を塗布する工程と、を含むことを特徴とする生分解性サイレージフィルムの製造方法。
(7) (6)に記載の生分解性サイレージフィルムを飼料用ロールベールに被覆して構成されたサイレージ。
本発明の生分解性樹脂組成物は、所定の比率で米糠成分を除去した米の外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒が、合成生分解性樹脂により結合されてなる生分解性樹脂組成物から構成され、前記合成生分解性樹脂成分を特定の割合のエステル系生分解性樹脂としたので、本発明の生分解性樹脂組成物は従来の装置により容易に生分解性フィルムを成型することができ、しかも本発明の生分解性樹脂組成物から得られたフィルムは良好な伸びに関する特性および非常に高い引張り強度と突刺し強度を有している。
本発明の生分解性サイレージフィルムは、従来の非生分解性サイレージフィルムと同等またはそれ以上の引張り強度および突刺し強度を有しており、しかも飼料を所定期間(例えば4から5ヶ月)発酵させた後に生分解性機能が発揮される。そのため、本発明の生分解性サイレージフィルムは、従来のサイレージフィルムと同等の取り扱いが可能であり、なおかつ使用後(例えば6ヶ月以降)に生分解するので、サイレージフィルムの廃棄問題に貢献する。更に、本発明の生分解性サイレージフィルムは、伸びに関する特性も良好であり、サイレージの調製の際にフィルム間で良好に密着し優れた発酵環境を提供することが可能である。
本発明の生分解性サイレージフィルムを用いたサイレージは、使用後にフィルム部分を土壌に埋めると短期間で分解するのでフィルムの廃棄に対する負担が軽減される。
本発明の生分解性サイレージフィルムの経時的分解率を示す図面である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明で使用する用語は下記の意義を有している。
伸びに関する特性: ベールラッパを用いてサイレージを調製する際に、サイレージフィルムを長手軸方向に引張った際(以下、サイレージ調製作業という)に伸びと幅がベールラッパに適合していることを言い、通常長手軸方向へ延伸時に長手軸方向に120から250%延伸でき、なおかつ長手軸方向に250%を超えて延伸されない程度の伸びが要求される。
引張り強度: サイレージ調整作業の際に破断しない程度の強度を言う。
突刺し強度: サイレージ調製作業および調整後のサイレージの保存の際に、フィルム面に対して垂直方向の力がかかった際にピンホール、避けが生じない程度の強度を言う。
(生分解樹脂組成物)
本発明の生分解性樹脂組成物は、本発明者等が先に出願した特許文献2および特許文献3に記載の通り、米糠成分を除去した米の外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒が、合成生分解性樹脂により結合されてなる生分解性樹脂組成物であって、前記米糠成分を除去した米の外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒と合成生分解性樹脂とが、その合計を100質量部とした場合、前記固形粒:合成生分解性樹脂の質量比が60〜95:40〜5になるように混合されている生分解性樹脂組成物(特許文献2)をベースにしており、この生分解性樹脂組成物からサイレージフィルムを成型した際に、得られたサイレージフィルムが要求される伸びに関する特性、引張り強度および突刺し強度を満足するように配合を鋭意検討したものである。
特許文献2と同様に本発明において、例えば無洗米製造工程の米研ぎ廃液残さを利用する。これは、産業残さであり、多くは無洗米工場において原料米から米糠が除かれた後、これを水洗した廃液が排水口に配置したフィルターに堆積したものであり、澱粉や糖質・脂質が比較的少なく、セルロースが豊富な物質である。尚、酒造工場の吟醸酒製造工程や煎餅工場から産出される残さも同様に使用することができる。尚、米の外層組織はその米の種類、表面からの深さによる層の違いによって成分が異なるが、本発明においてはこれらの残さは全て使用することができ、乾燥状態の米粉自体(白糠)も利用可能であることは言うまでもない。また、前記米糠は肥料や家畜の飼料として利用価値があるが、米研ぎ廃液およびその残さは、今まで殆ど利用価値がなく、川や海に廃棄すると水質汚濁等の環境破壊に繋がるものであるため、費用をかけて産業廃棄物として処理されていた。
係る洗米廃液残さを乾燥・固形化してから、粉砕して所定の均一な粒径に粉砕し、特定の合成生分解性樹脂に混合する。尚固形粒は80〜200メッシュの範囲が好ましい。
本実施形態においては、混合する合成生分解性樹脂として、脂肪族ポリエステル系合成生分解性樹脂、芳香族ポリエステル系生分解生樹脂またはこれらの混合物から成る群から選択されたエステル系生分解性樹脂を選択し、所定の割合で配合することが特徴である。
本実施形態において使用可能なエステル系生分解性樹脂として、限定されるものではないが、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート・コアジペート)、ポリ(ε・カプロラクトン・ブチレン・サクシネート)、ポリカプロラクトン、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネイト)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート・コ・テレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)、ポリ(エチレンテレフタレート)共重合体を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
本発明の特に好ましい実施形態において、エステル系成分として、生分解性脂肪族ポリエステル系合成生分解性樹脂と芳香族ポリエステル系生分解生樹脂との混合物を使用することが好ましい。この際の混合比は、特に限定されるものではないが質量比で10:90から90:10であり、好ましくは70:30から30:70、より好ましくは60:40から40:60である。この範囲で生分解性脂肪族ポリエステル系合成生分解性樹脂を混合したエステル系成分を使用することにより、
引張り強度、突刺し強度を従来の非生分解性サイレージフィルムに匹敵する範囲に調整できることを見出した。
また、本発明においては、米研ぎ廃液残さからなる物質(A)と上記合成生分解性樹脂(B)とを、その合計を100質量部とした場合、両者の質量比がA:B=25:75から75:25、好ましくは30:70から70:30、より好ましくは35:65から65:35になるように混合するとよい。これは、物質(A)が25%質量未満では、得られる生分解性樹脂組成物の製造コストが十分に下げられず、優れた生分解性が得られにくかったためである。また、物質(A)が25質量%未満であると(物質(B)が75質量%を超えると)、サイレージ調製作業時に延伸されすぎ幅方向の長さが短くなってしまうので好ましくない。一方、物質(B)25質量%未満では、得られたサイレージフィルムに十分な引張り強度、突刺し強度が付与されない。また、驚くべきことに本発明の範囲内の質量費の生分解性樹脂組成物を用いてフィルムを成型すると、同一厚さの従来のサイレージフィルムと比較して、最適な伸びに関する特性と、引張り強度および突刺し強度が同時に得られることが判った。
上記生分解性樹脂組成物を、ペレット状樹脂組成物として製造する方法の一例を示す。合成生分解性樹脂(B)を、その融点以上で混練機中において溶融混練し、この混練物中に、物質(A)を、(B)と所定の比率で混入させて均質に混練後、ペレット状に造粒することで得られる。樹脂(B)の好ましい溶融温度は約130〜180°Cである。溶融している樹脂(B)に物質(A)を添加する際の温度は、物質(A)の添加によって混合物の温度が幾分低下するが、好ましい温度は約90°〜120°Cである。樹脂(B)に対する物質(A)の混合は一度に行ってもよいし、さらに分割混合してもよい。特に好ましい混練機は2軸スクリュータイプの押し出し機である。
そして、押し出し機により紐状に押し出された生分解性樹脂組成物を、ホットカッターまたはストラントカッターを用いてペレット状に造粒する。これをサイクロンに送って、粉末を除去し、粉末を含まないペレットをタンクに送り、計量および袋詰めする。
係るペレットを用いて、サイレージフィルムを製造すれば、従来の生分解性樹脂から製造した製品に比べて、低コストでなおかつ満足いく範囲の伸びに対する特性、引張り強度および突刺し強度を有する生分解性サイレージフィルムを得ることができる。
また、混練する物質(A)が、主として結合性の高い高分子であるため、生分解性樹脂との結合性もよく、成形が容易であるとともに、物質(A)自体は樹脂(B)に溶けにくいため、生分解性樹脂の物性の低下を少なくすることができ、しかも廃棄後は優れた生分解性を発揮することができる。さらに、係るペレットを溶融して成形するときの温度は、一般的な合成樹脂素材に比べて約135℃前後低いため(130℃前後)、消費エネルギーの低減、さらには地球温暖化防止にも繋がる。
(その他成分)
本発明の生分解性樹脂組成物は、本発明の目的・効果を損なわない範囲で目的に応じて種々の添加剤を添加することができる。
例えば、全光線透過率を制御するための着色材、例えば酸化チタン、カーボンブラック、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、無機・有機充填剤、帯電防止剤などの各種添加剤を本発明の生分解性樹脂組成物に添加することができる。
また、本発明の特定の実施形態において、増量材としてまた生分解遅延成分として、オレフィン系樹脂等の既存の非生分解性プラスチック樹脂成分をフィラーとして添加することもできる。これらのフィラーのうち、引張り強度、突刺し強度を補強できる点でメタロセン触媒により合成されたオレフィン系樹脂、特にポリエチレン樹脂、メタロセンポリエチレンを使用することが好ましい。
これらの添加剤の量は、本発明の範囲を損なわない限り適宜設定できるが、本発明の場合には、サイレージフィルムとして用い、使用後は土壌に埋設して分解するという観点から土壌中に悪影響を及ぼさない添加剤から選択すべきであることは言うまでもない。
また、フィラーとして用いる非生分解性樹脂の量は、成型品が生分解性プラスチックであることを考慮すると全質量の5%未満であることが好ましい。なお、本発明者等の実験によると、合成生分解性樹脂の全量の40質量%まで、一般的には30から40%のフィラー、特にメタロセンポリエチレンで置換しても、生分解性機能が発揮されることが判った。
(シート成型)
本発明において、このようにして得られた本発明の生分解性樹脂組成物からシート状に成型してサイレージフィルムを製造するが、この際に本発明の生分解性樹脂組成物は、既存のフィルム成型装置、例えばインフレーション成型機を用いて成型することができるが、混練機(例えば2軸スクリュータイプの押し出し機が好ましい)中において溶融混練した後に直接フィルム成型することも可能である。この際のシートの形状は、サイレージフィルムの形状に成型される。この際のフィルムの厚さは、15から30ミクロン程度である。
本発明においては、連続して成型されていくシートをロールにより巻き取り生分解性サイレージフィルムとするが、その際に成型されたフィルムの片面に粘着層を付与しつつ巻き取る。この際に使用する粘着層は、当該技術分野に周知の粘着材から適宜選択されるが、一般的にはエラストマー系の粘着材、例えばポリブデンを噴霧または塗布しながら巻き取って粘着層を生分解性サイレージフィルムとする。この際に、インフレーション装置で吹き上げたフィルムをスリッタでカットして複数本(例えば、2本または4本)同時に巻き取るとサイレージフィルムの生産効率が上がるので好ましい。
(生分解性サイレージフィルム)
このようにして製造された本発明の生分解性サイレージフィルムは、既存のベールラッパによりサイレージを調整可能なロール状に成型された生分解性樹脂シートと粘着層とからなる生分解性のサイレージフィルムである。
この際に、ロール状に集草したロールベールのラッピング中、移動時や保管時に破損しない引張り強度、突刺し強度および伸びに対する特性を有することと、ラッピング後に生分解せずなおかつ使用後所定期間で生分解する生分解性の両方の機能(伸びに対する特性と機械的強度および生分解性)が求められる。
本発明者の予備実験によると、4から6ヶ月の発酵期間中に上記した組成で調製された生分解性樹脂組成物を出発原料として使用して成型したサイレージフィルムは、図1に示す通り発酵期間約4から6ヶ月、フィルムは実質的に生分解せず、しかも使用後に土中に埋設すると短期間で生分解することを見出した。
しかも、本発明のサイレージフィルムは、厚さ25ミクロン、幅50cmのサイレージフィルムにおいて通常のベールラッパで延伸した際に、長手軸方向へ延伸時に長手軸方向に120から250%の最適範囲の伸び率で延伸できる最適な伸びに関する特性を有しているので幅方向に長さも極度に短くならずなおかつ密着性よくサイレージ調製作業を行うことができ、そのため調製したサイレージを保存、発酵の進行の際に好気的腐敗が進行しにくく取り扱いが容易であることが判った。
なお、延伸率も厚さ、ポリエステル系樹脂の量(多くなるほど延伸率が高くなる)を上記最適範囲内で調整可能であるので、要求に応じた延伸率の生分解性フィルムを提供可能となり、また、上記の範囲内での機械的特性(引張り強度および突刺し強度)も良好であった。

Claims (7)

  1. 米糠成分を除去した米の外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒が、合成生分解性樹脂により結合されてなる生分解性樹脂組成物であって、
    前記合成分解樹脂が脂肪族ポリエステル系合成生分解性樹脂、芳香族ポリエステル系生分解生樹脂またはこれらの混合物から成る群から選択されたエステル系生分解性樹脂であり、前記米糠成分を除去した米の外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒と合成生分解性樹脂とが、その合計を100質量部とした場合、前記固形粒:合成生分解性樹脂の質量比が25:75から75:25になるように混合されていることを特徴とする生分解性樹脂組成物。
  2. 前記エステル系生分解性樹脂が、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート・コアジペート)、ポリ(ε・カプロラクトン・ブチレン・サクシネート)、ポリカプロラクトン、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネイト)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート・コ・テレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)、ポリ(エチレンテレフタレート)共重合体またはこれらの混合物から成る群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
  3. 前記エステル系生分解性樹脂が質量比で10:90から90:10の割合の脂肪族ポリエステル系合成生分解性樹脂と芳香族ポリエステル系生分解生樹脂との混合物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の生分解性樹脂組成物。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の生分解性樹脂組成物を成型したフィルムと、
    前記フィルムに塗布された粘着層と、
    から構成されることを特徴とする生分解性サイレージフィルム。
  5. 前記粘着層が天然エラストマー由来の粘着層であることを特徴とする請求項4に記載の生分解性サイレージフィルム。
  6. 請求項1請求項3のいずれか1項に記載の生分解性樹脂組成物をフィルム状に成型する工程と、
    前記成型されたフィルムをロール状に巻き取りながら粘着層を塗布する工程と、
    を含むことを特徴とする生分解性サイレージフィルムの製造方法。
  7. 請求項6に記載の生分解性サイレージフィルムを飼料用ロールベールに被覆して構成されたサイレージ。
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