JP2013047290A - 液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物及びその成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物において、特定の環状ポリオルガノシロキサンシラザンで表面処理した補強性シリカ充填剤を使用する。
【選択図】なし
Description
なお、本発明に関連する従来技術として、下記文献が挙げられる。
〔請求項1〕
(A)下記一般式(I)
で示される25℃の粘度が100〜500,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり0.5〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量、
(D)下記一般式(II)
で示される環状ポリオルガノシロキサンシラザンで表面処理した補強性シリカ充填剤:10〜60質量部
を含有することを特徴とする液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物。
〔請求項2〕
射出成形用である請求項1記載の液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物。
〔請求項3〕
請求項1又は2記載の液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物を加熱硬化してなるフロロシリコーンゴム成形品。
(A)下記一般式(I)
で示される25℃の粘度が100〜500,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり0.5〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量、
(D)下記一般式(II)
で示される環状ポリオルガノシロキサンシラザンで表面処理した補強性シリカ充填剤:10〜60質量部
を含有してなるものである。
このオルガノポリシロキサンの重合度は、25℃における粘度が100〜500,000mPa・sとなる範囲である。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用する。(B)成分の分子構造に特に制限はなく、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造(樹脂状)等の、従来製造されている各種のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(C)成分の付加反応触媒は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子との付加反応を促進するものであればいかなる触媒であってもよい。その具体例としては、白金、パラジウム、ロジウム等や塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の、白金族金属又はそれらの化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金系化合物である。
(C)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の(D)成分であるシリカ充填剤は、下記一般式(II)で示される環状ポリオルガノシロキサンシラザンで表面処理した補強性シリカ充填剤であり、得られるシリコーンゴムに十分な強度を与えるために必須なものである。本発明組成物の粘度及びゴム成形品のタック感を低くするためには、該環状ポリオルガノシロキサンシラザンでシリカを表面処理することが必須である。
上記環状ポリオルガノシロキサンシラザンによりシリカを表面処理する際の処理量は、表面未処理のシリカ40質量部に対して上記環状ポリオルガノシロキサンシラザンを1〜30質量部、特に2〜20質量部程度で表面処理することが好ましい。
本発明の液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物において、その他の成分として、必要に応じて、前記(D)成分以外の、沈降シリカ、石英粉、珪藻土、炭酸カルシウムのような充填剤、カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤、チクソ性付与剤等を配合することは、ゴム成形品の外観を損なわない範囲で任意とされる。
本発明の組成物は、圧縮成形、押出成形、射出成形等各種の成形方法に適用することができ、低粘度で、かつ硬化物(成形物)の表面タック性が低いことから、ハイサイクルでの射出成形に好適に使用できる。
液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物は、射出成形材料として、A液とB液の2液タイプに分割される。2液に分割された材料は材料供給ポンプから定量器に供給される。定量器からA液とB液が等量の割合で材料供給ラインを通じて合流する。材料は成形機本体のスクリュー部とシリンダー部で混合される。その後、金型に射出され、金型内で加熱されて硬化し、シリコーンゴムが成形される。
下記式(1)
実施例1において、シリコーンゴムベースを作製する工程において、上記式(2)で示される環状ポリオルガノシロキサンシラザン12質量部及び水6質量部を、下記式(4)
このシリコーンゴム組成物2を150℃/10分のプレスキュアを行った1次加硫したものと、150℃/10分のプレスキュアを行ったものに更に200℃/4時間恒温槽で2次加硫したものについて、JIS−K6249に基づき、硬さ、引張り強度、切断時伸び、引裂き強度(クレセント)を測定し、更に2次加硫したものについて、指触によるゴム表面のタックの有無を判定すると共に、ゴム硬化物表面の抵抗力を測定し、これらの結果を表1に示した。また、このシリコーンゴム組成物2を精密回転式粘度計(Haake(株)製)のコーン&プレートの測定治具を使用し、23℃におけるせん断速度0.9s-1での粘度を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、シリコーンゴムベースを作製する工程において、上記式(2)で示される環状ポリオルガノシロキサンシラザン12質量部及び水6質量部を、下記式(5)
このシリコーンゴム組成物3を150℃/10分のプレスキュアを行った1次加硫したものと、150℃/10分のプレスキュアを行ったものに更に200℃/4時間恒温槽で2次加硫したものについて、JIS−K6249に基づき、硬さ、引張り強度、切断時伸び、引裂き強度(クレセント)を測定し、更に2次加硫したものについて、指触によるゴム表面のタックの有無を判定すると共に、ゴム硬化物表面の抵抗力を測定し、これらの結果を表1に示した。また、このシリコーンゴム組成物3を精密回転式粘度計(Haake(株)製)のコーン&プレートの測定治具を使用し、23℃におけるせん断速度0.9s-1での粘度を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、シリコーンゴムベースを作製する工程において、上記式(2)で示される環状ポリオルガノシロキサンシラザン12質量部及び水6質量部を、下記式(6)
このシリコーンゴム組成物4を150℃/10分のプレスキュアを行った1次加硫したものと、150℃/10分のプレスキュアを行ったものに更に200℃/4時間恒温槽で2次加硫したものについて、JIS−K6249に基づき、硬さ、引張り強度、切断時伸び、引裂き強度(クレセント)を測定し、更に2次加硫したものについて、指触によるゴム表面のタックの有無を判定すると共に、ゴム硬化物表面の抵抗力を測定し、これらの結果を表1に示した。また、このシリコーンゴム組成物4を精密回転式粘度計(Haake(株)製)のコーン&プレートの測定治具を使用し、23℃におけるせん断速度0.9s-1での粘度を測定した。得られた結果を表1に示す。
5人のテスターにより、下記4段階レベルでの評価を行い、各サンプルについて最多の評価レベルを採用した。
○ :ゴム表面にほとんどタック感(べたつき感)がない。
△ :ゴム表面に軽いタック感(べたつき感)がある。
× :ゴム表面にタック感(べたつき感)がある。
××:ゴム表面に強いタック感(べたつき感)がある。
テクスチャアナライザーTA−XT2(Texture Technologies Corp.製)を用いて、シリコーンゴム硬化物シート(厚さ2mm)をガラス板に載せ、テクスチャアナライザーのステージにセットし、0.2mm/秒の速度でプローブを300gfの力で硬化物に押しつけ、硬化物を0.1mm圧縮させた後、同速度でプローブの引き上げを開始し、プローブを引き上げる力(gf)が最大値を超えた時点で終了する。この時の最大引き上げ力(gf)を10分以内に7点測定し、その平均値を表面抵抗力とする。
Claims (3)
- (A)下記一般式(I)
で示される25℃の粘度が100〜500,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり0.5〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量、
(D)下記一般式(II)
で示される環状ポリオルガノシロキサンシラザンで表面処理した補強性シリカ充填剤:10〜60質量部
を含有することを特徴とする液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物。 - 射出成形用である請求項1記載の液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物。
- 請求項1又は2記載の液状付加硬化型フロロシリコーンゴム組成物を加熱硬化してなるフロロシリコーンゴム成形品。
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