JP2013044417A - すべり軸受構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持する軸の外径に拘わらず共通の摺動部材を使用して汎用性を高め得るとともに、使用中に偏荷重等が発生しても破損し難くいすべり軸受構造体を提供する。
【解決手段】本構造体は、リング状のバックメタル2の内周面側にRBセラミックス製の複数の摺動部材3を設けてなるすべり軸受構造体1であって、バックメタルの内周面側には、軸方向に延びる複数の溝部4が円周方向に所定間隔で形成され、複数の溝部のそれぞれには1又は2以上の摺動部材がバックメタルの軸方向から嵌挿されており、複数の摺動部材のそれぞれは、表面研磨により形成され且つバックメタルの球心方向を向き且つ所定の曲率半径を有する内周側表面3aと、バックメタルの遠心方向を向き且つ所定の曲率半径を有する外周側表面3bと、を備える湾曲板状に形成されており、内周側表面の円周方向の両側縁には内周側円弧部6が形成され、外周側表面の円周方向の両側縁には外周側円弧部7が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、すべり軸受構造体及びその製造方法に関し、更に詳しくは、支持する軸の外径に拘わらず共通の摺動部材を使用して汎用性を高め得るとともに、使用中に偏荷重等が発生しても破損し難くいすべり軸受構造体及びその製造方法に関する。
従来のすべり軸受構造体として、リング状のバックメタルの内周面側にRBセラミックス製の複数の摺動部材を設けてなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、複数のリング状の摺動部材を軸方向に連結することが開示されている。これによれば、発電機等の大型のすべり軸受として好適に用いられる。
特開2008−163955号公報
ここで、上記RBセラミックス製の摺動部材は、通常、RBセラミックス粉末とフェノール樹脂とを混合して射出成形により形成される。しかし、従来のすべり軸受構造体では、摺動部材がリング状に形成されているので、支持する軸の外径に応じて射出成形金型を作製して摺動部材を射出成形する必要がある。また、比較的大型の射出成形型を用いる必要があり、大容量成形物における歩留まり低下が生じる。また、すべり軸受構造体の使用中において、軸の芯ブレぶれや偏荷重等が発生すると摺動部材が破損してしまう恐れがある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、支持する軸の外径に拘わらず共通の摺動部材を使用して汎用性を高め得るとともに、使用中に偏荷重等が発生しても破損し難くいすべり軸受構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、リング状のバックメタルの内周面側にRBセラミックス製の複数の摺動部材を設けてなるすべり軸受構造体であって、前記バックメタルの内周面側には、軸方向に延びる複数の溝部が円周方向に所定間隔で形成され、該複数の溝部のそれぞれには1又は2以上の前記摺動部材が該バックメタルの軸方向から嵌挿されており、前記複数の摺動部材のそれぞれは、表面研磨により形成され且つ前記バックメタルの球心方向を向き且つ所定の曲率半径を有する内周側表面と、前記バックメタルの遠心方向を向き且つ所定の曲率半径を有する外周側表面と、を備える湾曲板状に形成されており、前記内周側表面の円周方向の両側縁には内周側円弧部が形成され、前記外周側表面の円周方向の両側縁には外周側円弧部が形成されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記外周側円弧部は、前記バックメタルの前記溝部の底隅側部に対して隙間を介して対向していることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記溝部を構成する底面と前記摺動部材の前記外周側表面との間には、樹脂系接着剤からなる接着層が形成されていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか記載のすべり軸受構造体の製造方法であって、支持する軸に応じた内径を有する前記バックメタルを用意する工程と、前記バックメタルの前記複数の溝部のそれぞれに1又は2以上の前記摺動部材を該バックメタルの軸方向から嵌挿する工程と、嵌挿された前記摺動部材の内周面側に予め設けられた削り代を表面研磨して前記内周側表面を形成する工程と、を備えることを要旨とする。
本発明のすべり軸受構造体及びその製造方法によると、バックメタルの内周面側には、軸方向に延びる複数の溝部が円周方向に所定間隔で形成され、複数の溝部のそれぞれには1又は2以上の摺動部材がバックメタルの軸方向から嵌挿されているので、摺動部材はバックメタルの円周方向及び軸方向のうちの少なくとも円周方向に分割された分割体となり、支持する軸の外径に拘わらず共通の摺動部材を使用することができる。その結果、従来のように支持する軸の外径に応じて射出成形金型を作製する必要がない。また、比較的小型の射出成形金型を採用でき、従来のように比較的大型の射出成形金型を用いる必要がなく、大容量成形物における歩留まり低下が生じない。また、すべり軸受構造体の使用中において、軸の芯ぶれや偏荷重発生時にその偏荷重近傍の摺動部材のみが破損するだけで軸受全体にわたって多数の摺動部材が破損してしまうことを防止できる。
また、複数の摺動部材のそれぞれは、内周側表面と、外周側表面と、を備える湾曲板状に形成されているので、曲面である内周側表面及び外周側表面により応力集中及び衝撃集中を拡散して逃がすことができ、摺動部材の破損が更に効果的に抑制される。さらに、表面研磨でフェノール樹脂被膜層が除去された内周側表面により低摩擦化を図ることができる。
また、内周側表面の円周方向の両側縁には内周側円弧部が形成され、外周側表面の円周方向の両側縁には外周側円弧部が形成されているので、内周側円弧部及び外周側円弧部により応力集中及び衝撃集中を拡散して逃がすことができ、摺動部材の破損が更に効果的に抑制される。
さらに、前記外周側円弧部が、前記バックメタルの前記溝部の底隅側部に対して隙間を介して対向している場合は、圧縮荷重による応力集中及び衝撃集中が抑制され、摺動部材の破損が更に効果的に抑制される。
さらに、前記溝部を構成する底面と前記摺動部材の前記外周側表面との間に、樹脂系接着剤からなる接着層が形成されている場合は、可撓性を有する接着層により、冷やしバメ等における大きな温度変化時に各材料の線膨張を吸収できる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係るすべり軸受構造体の平面図である。 図1のII−II線断面図である。 図2のIII−III線断面拡大図である。 実施例に係る摺動部材の斜視図である。 上記すべり軸受構造体の製法を説明するための説明図である。 上記すべり軸受構造体の製法を説明するための説明図である。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.すべり軸受構造体
本実施形態1.に係るすべり軸受構造体は、リング状のバックメタル(2)の内周面側にRBセラミックス製の複数の摺動部材(3)を設けてなるすべり軸受構造体(1)であって、バックメタルの内周面側には、軸方向に延びる複数の溝部(4)が円周方向に所定間隔で形成され、複数の溝部のそれぞれには1又は2以上の摺動部材がバックメタルの軸方向から嵌挿されており、複数の摺動部材のそれぞれは、表面研磨により形成され且つバックメタルの球心方向を向き且つ所定の曲率半径(R1)を有する内周側表面(3a)と、バックメタルの遠心方向を向き且つ所定の曲率半径(R2)を有する外周側表面(3b)と、を備える湾曲板状に形成されており、内周側表面の円周方向の両側縁には内周側円弧部(6)が形成され、外周側表面の円周方向の両側縁には外周側円弧部(7)が形成されていることを特徴とする(例えば、図1〜図3等参照)。
上記内周側表面(3a)の曲率半径(R1)としては、例えば、75〜300mm(好ましくは97〜150mm)を挙げることができる。また、上記外周側表面(3b)の曲率半径(R2)としては、例えば、80〜305mm(好ましくは105〜163mm)を挙げることができる。また、上記内周側円弧部(6)の曲率半径としては、例えば、1〜5mm(好ましくは1〜3mm)を挙げることができる。また、上記外周側円弧部(7)の曲率半径としては、例えば、1〜5mm(好ましくは1〜3mm)を挙げることができる。
本実施形態1.に係るすべり軸受構造体としては、例えば、上記外周側円弧部(7)は、バックメタル(2)の溝部(4)の底隅側部(8)に対して隙間を介して対向している形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。この底隅側部としては、例えば、外周側円弧部(7)より小さな曲率半径を有する底隅側円弧部(8)である形態を挙げることができる。この底隅側円弧部(8)の曲率半径は、例えば、0を超えて4.5mm以下(好ましくは0.5〜2.5mm)であることができる。
なお、上記摺動部材は、通常、RBセラミックス粉末とフェノール樹脂とを混合し射出成形により得られる。このRBセラミックス粉末とは、米糠や麩などの麩糠類を脱脂したものとフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂とを混合して不活性ガス中で1次焼成した後、その焼成物を粉砕して得られる粉末である。また、上記「RBセラミックス製」とは、RBセラミックス製の他に、RBセラミックス製に比べて成形収縮比率が小さなCRBセラミックス製も含むものとする。
本実施形態1.に係るすべり軸受構造体としては、例えば、上記溝部(4)を構成する底面(4a)と摺動部材(3)の外周側表面(3b)との間には、樹脂系接着剤からなる接着層(10)が形成されている形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。この場合、例えば、上記バックメタル(2)の溝部(4)を構成する両側面(4b)と摺動部材(3)との間には接着層が形成されていないことができる。これにより、温度変化時の各材料の線膨張(特に、バックメタルの径方向の膨張及び収縮等)をより円滑に吸収できる。
なお、上記樹脂系接着剤としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、エチレン・酢酸ビニル系、エポキシ系等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態に係る樹脂系接着層は、上記のうち、エポキシ系の接着剤からなるものが好ましい。
2.すべり軸受構造体の製造方法
本実施形態2.に係るすべり軸受構造体の製造方法は、上記実施形態1.のすべり軸受構造体の製造方法であって、支持する軸に応じた内径を有するバックメタル(2)を用意する工程〔A〕と、バックメタルの複数の溝部(4)のそれぞれに1又は2以上の摺動部材(3)をバックメタルの軸方向から嵌挿する工程〔B〕と、嵌挿された摺動部材の内周面側に予め設けられた削り代を表面研磨して内周側表面(3a)を形成する工程〔C〕と、を備えることを特徴とする(例えば、図5等参照)。
本実施形態2.に係るすべり軸受構造体の製造方法としては、例えば、上記工程〔A〕では、内径の異なる複数のバックメタル(2a、2b)を用意することができる(例えば、図6等参照)。これにより、内径の異なる複数のバックメタルに対して共通の摺動部材を使用できる。
本実施形態2.に係るすべり軸受構造体の製造方法としては、例えば、上記工程〔B〕では、バックメタル(2)の溝部(4)を構成する底面(4a)と摺動部材(3)の外周側表面(3b)とを樹脂系接着剤で接着することができる。これにより、可撓性を有する接着層により、冷やしバメ等の大きな温度変化時に各材料の線膨張を吸収できる。この場合、例えば、上記バックメタル(2)の溝部(4)を構成する両側面(4b)と摺動部材(3)とを接着しないことができる。これにより、温度変化時の各材料の線膨張(特に、バックメタルの径方向の膨張及び収縮等)をより円滑に吸収できる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)すべり軸受構造体の構成
本実施例に係るすべり軸受構造体1は、図1及び図2に示すように、金属製(例えば、銅合金製)でリング状のバックメタル2の内周面側にRBセラミックス製の複数の摺動部材3を設けてなる構造体である。このバックメタル2の内周面側には、軸方向に延びる複数(図1中で10個)の溝部4が円周方向に所定間隔で形成されている。これら各溝部4には、複数(図2中で4個)の摺動部材3がバックメタルの軸方向から嵌挿されている。また、各溝4は、図3に示すように、底面4aと、底面4aのバックメタル2の円周方向の両側方に連なる側面4bと、を有している。この側面4bとバックメタル2の内周面とのなす角度Aは90度未満の値とされている。よって、各溝4はあり溝を構成している。
上記各摺動部材3は、図3及び図4に示すように、軸5(図1参照)を支持し且つバックメタル2の球心方向を向き且つ所定の曲率半径R1(例えば、約97mm)を有する内周側表面3aと、バックメタル2の遠心方向を向き且つ所定の曲率半径R2(例えば、約105mm)を有する外周側表面3bと、を備える湾曲板状に形成されている。この内周側表面3aは、摺動部材3の内周面側に予め設けられた削り代(例えば、約3μm)を表面研磨して形成されている。この削り代はフェノール樹脂被膜層からなっている。また、各摺動部材3は、内周側表面3a及び外周側表面3bに連なる平面状の左右の側面3cと平面状の上下の端面3dとを有している。
上記内周側表面3aの円周方向の両側縁には、所定の曲率半径(例えば、約1mm)を有する内周側円弧部6が形成されている。また、上記外周側表面3bの円周方向の両側縁には、所定の曲率半径(例えば、約1mm)を有する外周側円弧部7が形成されている。さらに、上記溝部4の底隅側には、所定の曲率半径(例えば、約0.5mm)を有する底隅側円弧部8(本発明に係る「底隅側部」として例示する。)が形成されている。よって、外周側円弧部7は、底隅側円弧部8より大きな曲率半径を有し、これら外周側円弧部7と底隅側円弧部8との間には隙間が形成されている。
上記溝部4の底面4aと摺動部材3の外周側表面3bとの間には、樹脂系接着剤からなる接着層10が形成されている。また、上記溝部4の両側面4bと摺動部材3との間には接着層が形成されていない。なお、上記樹脂系接着剤としては、二液硬化型のエポキシ樹脂系接着剤を採用する。
(2)すべり軸受構造体の製造方法
次に、上記構成のすべり軸受構造体1の製造方法について説明する。先ず、支持する軸5の外径(例えば、100〜300mm)に応じた内径を有する複数のバックメタル2a、2b(図6参照)を用意する。次に、これら各バックメタル2a、2bの各溝部4に複数の摺動部材3をバックメタル2a、2bの軸方向から嵌挿する。このとき、溝部4の底面4aと摺動部材3の外周側表面3bとを樹脂系接着剤で接着するとともに、溝部4の両側面4bと摺動部材3とを接着しない。次いで、嵌挿された摺動部材3の内周面側に予め設けられた削り代を研磨機(図示せず)で表面研磨して内周側表面3aを形成すると、上記すべり軸受構造体1が得られる。
(3)実施例の効果
以上より、本実施例のすべり軸受構造体1及びその製造方法によると、バックメタル2の内周面側には、軸方向に延びる複数の溝部4が円周方向に所定間隔で形成され、複数の溝部4のそれぞれには複数の摺動部材3がバックメタル2の軸方向から嵌挿されているので、摺動部材3はバックメタル2の円周方向及び軸方向に分割された分割体となり、支持する軸5の外径に拘わらず共通の摺動部材3を使用することができる。その結果、従来のように支持する軸の外径に応じて射出成形金型を作製する必要がない。また、比較的小型の射出成形金型を採用でき、従来のように比較的大型の射出成形金型を用いる必要がなく、大容量成形物における歩留まり低下が生じない。また、すべり軸受構造体1の使用中において、軸5の芯ぶれや偏荷重発生時にその偏荷重近傍の摺動部材3のみが破損するだけで軸受全体にわたって多数の摺動部材3が破損してしまうことを防止できる。
また、本実施例では、複数の摺動部材3のそれぞれは、内周側表面3aと、外周側表面3bと、を備える湾曲板状に形成されているので、曲面である内周側表面3a及び外周側表面3bにより応力集中及び衝撃集中を拡散して逃がすことができ、摺動部材3の破損が更に効果的に抑制される。さらに、表面研磨でフェノール樹脂被膜層が除去された内周側表面3aにより低摩擦化を図ることができる。
また、本実施例では、内周側表面3aの円周方向の両側縁には内周側円弧部6が形成され、外周側表面3bの円周方向の両側縁には外周側円弧部7が形成されているので、内周側円弧部6及び外周側円弧部7により応力集中及び衝撃集中を拡散して逃がすことができ、摺動部材3の破損が更に効果的に抑制される。
また、本実施例では、外周側円弧部7が、バックメタル2の溝部4の底隅側円弧部8に対して隙間を介して対向しているので、圧縮荷重による応力集中及び衝撃集中が抑制され、摺動部材3の破損が更に効果的に抑制される。特に、本実施例では、外周側円弧部7は、溝部4の底隅側に形成された底隅側円弧部8より大きな曲率半径を有し、外周側円弧部7と底隅側円弧部8との間には隙間が形成されているので、圧縮荷重による応力集中及び衝撃集中が更に効果的に抑制される。
さらに、本実施例では、溝部4を構成する底面4aと摺動部材3の外周側表面3bとの間に、樹脂系接着剤からなる接着層10が形成されているので、可撓性を有する接着層10により、冷やしバメ等における大きな温度変化時に各材料の線膨張を吸収できる。特に、本実施例では、溝部4を構成する両側面4bと摺動部材3との間には接着層が形成されていないので、温度変化時の各材料の線膨張(特に、バックメタル2の径方向の膨張及び収縮等)をより円滑に吸収できる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更することができる。即ち、上記実施例では、バックメタル2の各溝部4に複数の摺動部材3を嵌挿する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、バックメタル2の各溝部4に単数の摺動部材3を嵌挿するようにしてもよい。さらに、上記実施例では、平面略正方形の摺動部材3を例示したが、これに限定されず、例えば、バックメタル2の軸方向に長尺状となる摺動部材3を採用してもよい。
また、上記実施例では、バックメタル2の溝部4の底隅側に底隅側円弧部8を形成してなる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、バックメタル2の溝部4の底隅側に2つの平面が交差してなる底隅側角部を形成するようにしてもよい。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
発電機等の大型のすべり軸受として好適に用いられるすべり軸受構造体に関する技術として広く利用される。
1;すべり軸受構造体、2;バックメタル、3;摺動部材、3a;内周側表面、3b;外周側表面、4;溝部、4a;底面、6;内周側円弧部、7;外周側円弧部、8;底隅側円弧部、10;接着層。

Claims (4)

  1. リング状のバックメタルの内周面側にRBセラミックス製の複数の摺動部材を設けてなるすべり軸受構造体であって、
    前記バックメタルの内周面側には、軸方向に延びる複数の溝部が円周方向に所定間隔で形成され、該複数の溝部のそれぞれには1又は2以上の前記摺動部材が該バックメタルの軸方向から嵌挿されており、
    前記複数の摺動部材のそれぞれは、表面研磨により形成され且つ前記バックメタルの球心方向を向き且つ所定の曲率半径を有する内周側表面と、前記バックメタルの遠心方向を向き且つ所定の曲率半径を有する外周側表面と、を備える湾曲板状に形成されており、
    前記内周側表面の円周方向の両側縁には内周側円弧部が形成され、前記外周側表面の円周方向の両側縁には外周側円弧部が形成されていることを特徴とするすべり軸受構造体。
  2. 前記外周側円弧部は、前記バックメタルの前記溝部の底隅側部に対して隙間を介して対向している請求項1記載のすべり軸受構造体。
  3. 前記溝部を構成する底面と前記摺動部材の前記外周側表面との間には、樹脂系接着剤からなる接着層が形成されている請求項1又は2に記載のすべり軸受構造体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のすべり軸受構造体の製造方法であって、
    支持する軸に応じた内径を有する前記バックメタルを用意する工程と、
    前記バックメタルの前記複数の溝部のそれぞれに1又は2以上の前記摺動部材を該バックメタルの軸方向から嵌挿する工程と、
    嵌挿された前記摺動部材の内周面側に予め設けられた削り代を表面研磨して前記内周側表面を形成する工程と、を備えることを特徴とするすべり軸受構造体の製造方法。
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