JP2013044104A - 複層仮蓋及びそれを用いた道路舗装工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 仮蓋を用いた道路舗装工法において、人孔基壁上に設置された仮蓋上に施工される舗装部分の重量及び体積を縮小する。
【解決手段】 道路舗装工法に使用される仮蓋であって、人孔基壁1上に装着され、中央に第一中心孔211を有する基板部21と、前記基板部21上に所要の厚さとなるように結合手段22、221、222により着脱可能に積層固定され、中央に、前記基板部21上への積層固定時に前記第一中心孔211と連通する第二中心孔231を有する一枚又は複数枚の調整板部23とから構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば切削オーバーレイ舗装工事、打換え舗装工事、新設舗装工事等の道路舗装に際して、路面上に人孔蓋受枠上端が段差として突出していない状態で復旧用の舗装を作業性良く施工し、その後に人孔基壁上に高さ調整材を介して人孔蓋受枠を設置し得るように、前記復旧用の舗装の施工前に前記人孔基壁上にその開口部を閉塞するように設置する複層仮蓋及びそれを用いた道路舗装工法に関する。
仮蓋を用いた切削オーバーレイ舗装工事、打換え舗装工事、新設舗装工事等の道路舗装工法は既に周知であり、それらは何れも、人孔基壁上にその開口部を閉塞するように複層仮蓋を設置する工程と、前記仮蓋を覆うように舗装を施工する工程と、前記仮蓋を包含する舗装を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される仮蓋を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁上に高さ調整材を介して人孔蓋受枠を設置すると共にその周囲に舗装材を充填する工程とを少なくとも含んでいる(特許文献1〜5)。
前記仮蓋が中心孔を有する場合、前記人孔基壁上への該仮蓋の設置の後、該仮蓋を覆う舗装の施工に先立って、前記中心孔は、それへの舗装材の侵入を防ぐために、事後的に開封可能な閉塞部材で予め封止され、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される仮蓋を撤去するに際しては、前記舗装に前記仮蓋の中心孔と連通するように案内孔が穿設されると共に前記閉塞部材による前記中心孔の閉塞が解除され、その後、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される仮蓋が、前記案内孔を介して該仮蓋の中心孔に係合された引上げ装置により、前記人孔基壁から一体的に剥離され、引き上げられると共に撤去される(特許文献3〜5)。
特許第2623491号明細書(切削オーバーレイ工法) 特許第2623492号明細書(舗装工法) 特許第3263355号明細書(マンホールを含む路面の舗装方法) 特許第4121069号明細書(舗装工事における円形切断方法) 特開2007-016510号明細書(マンホール用仮蓋)
しかしながら、前記仮蓋を用いた切削オーバーレイ舗装工事、打換え舗装工事、新設舗装工事等の道路舗装工法には、人孔基壁から表層まで舗装厚さが特に大きい場合に、人孔基壁上に設置された仮蓋上に施工されると共に事後的に切断舗装版として切断撤去される舗装部分の重量及び体積が増大し、さらに前記仮蓋の撤去のための該仮蓋を包含する舗装の環状切断の切断深さも増大し、それらによって前記舗装施工の工数、舗装材使用量及び切断廃棄物量の増大を招くこと、前記環状切断施工の工数、切断ビット長さ、切断ビットの損耗、切断溝幅及び切削屑量の増大を招くこと、さらに前記環状切断された切断舗装版及びそれに含まれる仮蓋の人孔基壁からの剥離及び撤去施工の工数及び剥離、引上げ装置の規模の増大を招くこと等の問題点があった。
従って、本発明の課題は、前記問題点を解決し、前記仮蓋を用いた切削オーバーレイ舗装工事、打換え舗装工事、新設舗装工事等の道路舗装工法において、人孔基壁から表層まで舗装厚さが特に大きい場合でも、人孔基壁上に設置された仮蓋上に施工されると共に事後的に切断舗装版として切断撤去される舗装部分の重量及び体積を縮小し、さらに前記仮蓋の撤去のための該積蓋を包含する舗装の環状切断の切断深さを縮小し、それらによって前記舗装施工の工数、舗装材使用量及び切断廃棄物量の減少を可能にし、前記環状切断施工の工数、切断ビット長さ、切断ビットの損耗、切断溝幅及び切削屑量の減少を可能にし、さらに前記環状切断された切断舗装版及びそれに含まれる仮蓋の人孔基壁からの剥離及び撤去施工の工数及び剥離、引上げ装置の規模の減少等を可能にする複層仮蓋及びそれを用いた道路舗装工法を提供することにある。
なお、本発明の更なる課題と特徴は、以下の詳細な説明とそれを裏付ける添付図面により明らかとなる。
前記課題を解決する、本発明に係る複層仮蓋は、請求項1に記載のように、地下に設置された人孔基壁上にその開口部を閉塞するように仮蓋を設置する工程と、前記仮蓋を覆うように舗装を施工する工程と、前記仮蓋を包含する舗装を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される仮蓋を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁上に高さ調整材を介して人孔蓋受枠を設置すると共にその周囲に舗装材を充填する工程とを少なくとも含む道路舗装工法に使用される仮蓋であって、
前記人孔基壁上に装着され、中央に第一中心孔を有する基板部と、前記基板部上に所要の厚さとなるように結合手段により着脱可能に積層固定され、中央に、前記基板部上への積層固定時に前記第一中心孔と連通する第二中心孔を有する一枚又は複数枚の調整板部とからなるものである。
前記複層仮蓋では、請求項2に記載のように、前記基板部の下面に、前記人孔基壁上への該基板部の装着時に、それら両者間の位置決め及びブレ止めのために、前記人孔基壁の開口部と嵌合し得る凸部が設けられることが好ましい。前記凸部は、前記両者間の位置決め及びブレ止めを可能にするものである限り、形状、構造、配置等に格別の限定はなく、それらは、例えば、前記人孔基壁の開口部内周に面や点で接するように嵌合し得る環状体、扇形状体、球状体、柱状体、板状体等であってもよい。
前記複層仮蓋では、請求項3に記載のように、前記基板部上に一枚又は複数枚の調整板部を積層固定するための前記結合手段が雄ネジ部材及びそれと螺合可能な雌ネジ部材からなり、前記基板部に、前記第一中心孔を除く複数の位置において前記雄ネジ部材を貫通させる第一ネジ貫通孔が穿設される一方、前記調整板部に、前記基板部上への積層固定時に前記の各第一ネジ貫通孔と連通すると共に前記雄ネジ部材を貫通させる第二ネジ貫通孔が穿設されていてもよい。前記雄ネジ部材及び雌ネジ部材は、例えば、頭部付きボルトとそれに螺合可能なナットの組合せであってもよく、或いは頭部無しボルトとそれに螺合可能な複数のナットの組合せであってもよく、また前記雌ネジ部材が、前記基板部の下面にその第一ネジ貫通孔と連通するように固着されていてもよい。
なお、前記複層仮蓋における、前記基板部上に一枚又は複数枚の調整板部を積層固定するための前記結合手段として、前記ネジ機構以外に、例えば、前記基板部及び調整板部における、それらの積層時に互に当接する各対向面に、互いに嵌合し得る結合凸部及び結合凹部からなる凹凸嵌合機構が設けられてもよく、また前記凹凸嵌合機構は、前記ネジ機構と併用されてもよい。凹凸嵌合される前記結合凸部及び結合凹部は、形状、構造、配置等に格別の限定はない。
また、請求項4に記載の前記複層仮蓋では、請求項4に記載のように、前記調整板部の内、最上位に積層される調整板部の第二ネジ貫通孔上端が、締結完了後に雄ネジ部材頭部又は雌ネジ部材の没入可能な広さと深さに座繰りされていることが好ましい。前記最上位に積層される調整板部上には舗装が施工されるが、前記締結完了後に前記雄ネジ部材頭部又は雌ネジ部材が該調整板部表面から突出せずに内部に没入した状態にあれば、前記雄ネジ部材頭部又は雌ネジ部材が円滑な舗装の施工の障害になることがない。
さらに、前記複層仮蓋では、請求項5に記載のように、前記基板部が鉄鋼材からなり、前記調整板部が鉄筋入りコンクリート材からなるものであってもよく、或いは請求項6に記載のように、前記基板部及び調整板部が何れも鉄筋入りコンクリート材からなるものであってもよい。前記鉄鋼材としては、例えば鋼や鋳鉄等が挙げられ、また前記コンクリート材としては、例えばセメントコンクリートやレジンコンクリート等が挙げられる。
前記調整板部として、一枚又は複数枚の組合せで所要の複層仮蓋厚さが得られるように、種々の厚さのものが予め用意されることが好ましい。また、前記のように、前記基板部及び調整板部が何れも鉄筋入りコンクリート材からなるものでは、必要に応じて、前記基板部が調整板部として使用されてもよく、また前記調整板部が基板部として使用されてもよい。
本発明に係る、前記複層仮蓋を用いた道路舗装工法は、請求項7に記載のように、地下に設置された人孔基壁上にその開口部を閉塞するように仮蓋を設置する工程と、前記仮蓋を覆うように舗装を施工する工程と、前記仮蓋を包含する舗装を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される仮蓋を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁上に高さ調整材を介して人孔蓋受枠を設置すると共にその周囲に舗装材を充填する工程とを少なくとも含む道路舗装工法であって、
前記仮蓋として請求項1〜6の何れかに記載の複層仮蓋が所要の厚さに調整されて使用され、前記複層仮蓋を覆うように舗装を施工する工程において、前記複層仮蓋側面とそれを囲む舗装とを分離又は剥離可能に対向させると共に、前記複層仮蓋を包含する舗装を環状に切断する工程において、前記舗装が前記複層仮蓋における最上位の調整板部近辺の深さに切断することを特徴としている。
前記複層仮蓋を人孔基壁上に設置するに際しては、人孔基壁から表層までの距離、人孔基壁上への設置後の該複層仮蓋を覆うように施工される舗装の構成及び厚さ等を考慮して、前記複層仮蓋の厚さ、即ち前記基板部及びその上に積層固定される一枚又は複数枚の調整板部の合計厚さが調整される。前記複層仮蓋の厚さを増加することにより、該複層仮蓋を覆うように施工される舗装の厚さを相対的に減少させることができる。なお、前記複層仮蓋を人孔基壁上に設置するに際しては、該人孔基壁上面をモルタル等の塗布等の手段で平坦にし、前記人孔基壁上面に前記複層仮蓋の基板部ががた付きなく安定に当接されるようにすることが好ましい。
前記複層仮蓋上への舗装の施工に先立って、前記複層仮蓋における最上位の調整板部の第二中心孔は、該第二中心孔から下位の調整板部の第二中心孔、基板部の第一中心孔へと舗装材が侵入するのを防ぐために、後の工程で事後的に開封可能な閉塞部材、例えば防水紙、布テープ、プラスチック製蓋材等で予め封止される。
前記人孔基壁上への複層仮蓋の設置、該複層仮蓋上への舗装の施工に続いて、前記複層仮蓋を包含する舗装を環状に切断するに際して、前記舗装は、その施工深さ、即ち前記複層仮蓋における最上位の調整板部近辺の深さに切断される。この点、従来の仮蓋の場合、舗装は、前記仮蓋が設置された人孔基壁近辺まで施工されているので、前記人孔基壁近辺の深さにまで切断されることになる。
なお、通常、前記複層仮蓋を包含する舗装を環状に切断するに先立って、円形切断装置における切断ビットの回転中心となる中心シャフトの間の位置決め及び支持のために、前記複層仮蓋上の前記舗装に、案内孔が、人孔基壁の開口部中心並びに複層仮蓋の前記第一中心孔及び第二中心孔を通る切断中心線に沿って前記第一中心孔及び第二中心孔と連通するように切断中心位置において穿孔装置により穿設される。なお、前記複層仮蓋を包含する舗装の施工後は、そのままでは前記人孔基壁の開口部や複層仮蓋の第二中心孔を検知することができず、従って前記切断中心線を舗装面上に正確に特定することが困難であるが、この点については、従来技術により、例えば舗装の施工前に予め測定しておいた、人孔基壁の開口部中心及び/又は複層仮蓋の第二中心孔通る切断中心線から3個所の基準点までの各距離のデータに基づくオフセット測量法等により、該切断中心線を舗装の施工後の舗装面上に切断中心位置として再現させることができる。
また、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される複層仮蓋を撤去するに先立って、前記閉塞部材による前記最上位の調整板部の第二中心孔の閉塞が、前記舗装の案内孔を介した前記閉塞部材の破壊、穿孔、開放、取外し等により解除され、その後、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される複層仮蓋が、前記案内孔及び各層の調整板部の第二中心孔を介して前記基板部の第一中心孔に係合された引上げ装置により、前記人孔基壁から一体的に剥離され、引き上げられると共に撤去される。撤去後の前記複層仮蓋は、好ましくは、基板部及び各調整板部に分解され、各々再使用に供される。
前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される複層仮蓋の前記引き上げ及び撤去に際しては、該複層仮蓋上の舗装は既述のように環状に切断され、さらに該複層仮蓋側面とそれを囲む舗装とは分離又は剥離可能に対向させられているので、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される複層仮蓋は、前記引上げ装置により比較的容易に引き上げられることになる。
前記人孔基壁上に設置された前記複層仮蓋の側面とそれに隣接する舗装とは、例えば、互いに接触した状態で、又は僅かの空隙を介して分離又は剥離可能に対向させられてもよく、若しくは請求項8に記載のように、前記複層仮蓋上への舗装施工に際して舗装材の侵入を防ぎ得る介在物、好ましくは耐熱性の弾性材やシート材その他の介在物を挟んで分離又は剥離可能に対向させられてもよい。
前記複層仮蓋を用いた道路舗装工法は、具体的には、例えば、人孔基壁が設置された道路にわだち掘れ、ひび割れ等の損傷や平坦性の悪化等が生じた場合に、該道路の舗装表面を所要厚さだけ切削し、その上に所要高さまで新たに舗装(オーバーレイ)を施工する切削オーバーレイ舗装工事であってもよく、その場合、前記切削及び舗装(オーバーレイ)の各施工に際して道路上に障害物がない状態で作業を行い得るように、予め人孔基壁上から人孔蓋受枠が取り外されると共に該人孔基壁上には複層仮蓋が設置される。即ち、前記切削オーバーレイ舗装工事としての道路舗装工法は、請求項9に記載のように、人孔基壁上に高さ調整材を介して設置された既設人孔蓋受枠を包含する舗装を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される既設人孔蓋受枠並びにその高さ調整材を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁上にその開口部を閉塞するように複層仮蓋を設置する工程と、前記複層仮蓋を覆うように仮復旧用の舗装を施工する工程、前記仮復旧用の舗装部分を含む舗装の表層、基層に切削を施工した後に復旧用の舗装を施工する工程と、前記複層仮蓋を包含する舗装を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される複層仮蓋を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁上に高さ調整材を介して人孔蓋受枠を設置すると共にその周囲に舗装材を充填する工程とから構成される。
人孔基壁上への前記複層仮蓋の設置に際して、例えば、人孔基壁から表層までの距離をL、人孔基壁上への設置後の該複層仮蓋を覆うように施工される基層、表層等の舗装の厚さをNとした場合、前記複層仮蓋の厚さMは、M=(L−N)で表される。即ち、前記人孔基壁から表層までの距離Lが当該舗装施工現場で予め設定されているとすれば、前記複層仮蓋の厚さMを大きくすることにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さNを減少させることができる。また、例えば、舗装施工現場によって前記人孔基壁から表層までの距離Lに差異があっても、該距離Lに応じて前記複層仮蓋の厚さMを調整することにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さNを略一定に保持するような施工方法を実施することも可能である。
また、前記複層仮蓋を使用する別の道路舗装工法は、例えば、人孔基壁が設置された道路の損傷が激しい場合に、該道路の既設舗装を撤去すると共に新たに舗装を施工する打換え舗装工事であってもよく、その場合、前記新たな舗装の施工に際して道路上に障害物がない状態で作業を行い得るように、予め人孔基壁上から人孔蓋受枠が取り外されると共に該人孔基壁上には複層仮蓋が設置される。即ち、前記打換え舗装工事としての道路舗装工法は、請求項10に記載のように、舗装の表層、基層を掘削すると共に人孔基壁上に高さ調整材を介して設置された既設人孔蓋受枠及びその高さ調整材を撤去する工程と、前記人孔基壁上にその開口部を閉塞するように複層仮蓋を設置する工程と、上層路盤又は上層路盤及び下層路盤を整正すると共に前記複層仮蓋を覆うように復旧用の舗装を施工する工程と、前記複層仮蓋を包含する舗装を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される複層仮蓋を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁上に高さ調整材を介して人孔蓋受枠を設置すると共にその周囲に舗装材を充填する工程とから構成される。
前記打換え舗装工事の場合も、既述の切削オーバーレイ舗装工事の場合と同様に、前記人孔基壁から表層までの距離Lが予め設定されているとすれば、前記複層仮蓋の厚さMを大きくすることにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さNを減少させることができ、また、例えば、舗装施工現場によって前記人孔基壁から表層までの距離Lに差異があっても、該距離Lに応じて前記複層仮蓋の厚さMを調整することにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さNを略一定に保持するような施工方法を実施することも可能である。
また、前記複層仮蓋を使用するさらに別の道路舗装工法は、例えば、人孔基壁が設置された未舗装の道路に新たに舗装を施工する新設舗装工事であってもよく、その場合、前記新たな舗装の施工に際して道路上に障害物がない状態で作業を行い得るように、予め人孔基壁上に複層仮蓋が設置される。即ち、前記新設舗装工事としての道路舗装工法は、請求項11に記載のように、露出した人孔基壁上にその開口部を閉塞するように複層仮蓋を設置する工程と、路床、下層路盤から表層に至る全舗装を、前記複層仮蓋を覆う舗装部分も含めて施工する工程と、前記複層仮蓋を包含する舗装を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版及びそれに包含される複層仮蓋を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁上に高さ調整材を介して人孔蓋受枠を設置すると共にその周囲に舗装材を充填する工程とから構成される。
前記新設舗装工事の場合も、既述の切削オーバーレイ舗装工事及び打換え舗装工事の場合と同様に、前記人孔基壁から表層までの距離Lが予め設定されているとすれば、前記複層仮蓋の厚さMを大きくすることにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さNを減少させることができ、また、例えば、舗装施工現場によって前記人孔基壁から表層までの距離Lに差異があっても、該距離Lに応じて前記複層仮蓋の厚さMを調整することにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さNを略一定に保持するような施工方法を実施することも可能である。
以上のように、請求項1〜7に係る発明によれば、道路舗装工法に使用する複層仮蓋の厚さの調整が可能であり、該複層仮蓋の厚さを調整することにより、該複層仮蓋上に施工される舗装の厚さを調整することができる。従って、前記複層仮蓋を用いた道路舗装工法において、前記人孔基壁から表層までの距離が予め設定されているとすれば、前記複層仮蓋の厚さを大きくすることにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さを減少させることができ、また、例えば、舗装施工現場によって前記人孔基壁から表層までの距離に差異があっても、該距離に応じて前記複層仮蓋の厚さを調整することにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さを略一定に保持するような施工方法を実施することも可能である。
請求項2に係る発明によれば、前記人孔基壁上への前記基板部の装着時に、該基板部下面の凸部を前記人孔基壁の開口部に嵌合させることにより、前記人孔基壁と前記基板部との間の位置決め及びブレ止めを容易且つ確実に行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、前記基板部上への調整板部の積層固定を雄ネジ部材及びそれと螺合可能な雌ネジ部材からなる結合手段により、容易且つ確実に行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、前記基板部上への調整板部の積層固定を前記のように雄ネジ部材及び雌ネジ部材からなる結合手段により行うにあたって、前記締結完了後に前記雄ネジ部材頭部又は雌ネジ部材が、円滑な舗装の施工の障害にならないように、最上位に積層される調整板部表面から突出せずに内部に没入した状態にされる。
請求項5に係る発明によれば、鉄鋼材製の基板部と、鉄筋入りコンクリート材製の調整板部とからなる複層仮蓋を得ることができ、また請求項6係る発明によれば、何れも鉄筋入りコンクリート材製の基板部及び調整板部からなる複層仮蓋を得ることができる。
また、請求項7〜11に係る発明によれば、前記複層仮蓋を道路舗装工法に使用することにより、複層仮蓋の厚さの調整が可能になると共に該複層仮蓋上に施工される舗装の厚さを調整することができる。そこで、前記複層仮蓋を用いた道路舗装工法において、前記人孔基壁から表層までの距離が予め設定されているとすれば、前記複層仮蓋の厚さを大きくすることにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さを減少させることができ、また、例えば、舗装施工現場によって前記人孔基壁から表層までの距離に差異があっても、該距離に応じて前記複層仮蓋の厚さを調整することにより、前記複層仮蓋上に施工されると共に後の工程で環状に切断撤去される基層、表層等の舗装の厚さを略一定に保持するような施工方法を実施することも可能である。
請求項8に係る発明によれば、前記複層仮蓋上への舗装施工に際して、前記人孔基壁上に設置された前記複層仮蓋の側面とそれに隣接する舗装との間に介在物を挟むことにより、それらの間への舗装材の侵入を防ぐことができる。
請求項9、10及び11に係る各発明によれば、前記複層仮蓋及び該複層仮蓋を用いた道路舗装工法における既述の作用効果を、各々切削オーバーレイ舗装工事、打換え舗装工事及び新設舗装工事において奏することが可能である。
図1(A)及び(B)は、本発明に係る複層仮蓋の各々断面図及び組立て断面図である。 図2(A)及び(B)は、図1に示す複層仮蓋における基板部の各々平面図及び底面図である。 図3(A)及び(B)は、図1に示す複層仮蓋における調整板部の各々平面図及び底面図である。 図4(A)及び(B)は、図1に示す複層仮蓋における基板部とは第一ネジ貫通孔の配列態様を異にする基板部の各々平面図及び底面図である。 図5(A)及び(B)は、図1に示す複層仮蓋における調整板部とは第二ネジ貫通孔の配列態様を異にする調整板部の各々平面図及び底面図である。 図6は、図1〜5に示す複層仮蓋とは結合手段を異にする複層仮蓋の断面図である。 図7(A)〜(H)は、本発明に係る、複層仮蓋を用いた道路舗装工法の各工程を順次示す説明図である。 図8(A)〜(H)は、本発明に係る、複層仮蓋を用いた道路舗装工法における切削オーバーレイ工事の前段の各工程を順次示す説明図である。 図9(A)〜(E)は、本発明に係る、複層仮蓋を用いた道路舗装工法における打換え工事の前段の各工程を順次示す説明図である。 図10(A)〜(E)は、本発明に係る、複層仮蓋を用いた道路舗装工法における新設工事の前段の各工程を順次示す説明図である。
[第一態様の複層仮蓋]
図1〜3には本発明に係る複層仮蓋2が例示される。同図において、複層仮蓋2は、人孔基壁1上に装着される基板部21と、該基板部21上に所要の厚さとなるように、結合手段22を構成する、ボルト式の雄ネジ部材221及びナット式の雌ネジ部材222で着脱可能に積層固定された複数枚(図面では厚さの異なる2枚の場合が図示される)の調整板部23とから構成される。
前記基板部21の中央に、下方に突出するように筒状の第一中心孔211が穿設されると共に、各調整板部23中央に、前記第一中心孔211と連通するように第二中心孔231が穿設されている。前記基板部21の下面には、前記人孔基壁1上への該基板部21の装着時に人孔基壁1の開口部11と嵌合し得る円弧状凸部212が前記第一中心孔211と同心に設けられ、それによって前記人孔基壁1に対する前記基板部21の位置決め及びぶれ止めが図られている。なお、前記基板部21及び調整板部23における、それらの積層時に互に当接する各対向面に、該対向面間の位置決め及びぶれ止めを図るために、互いに嵌合し得る凹部及び凸部(図示省略)が設けられてもよい。
前記基板部21に、前記第一中心孔211の周りにおいて、該第一中心孔211から等距離に且つ互いに90度離隔した4個所の位置において、前記雄ネジ部材221を貫通させる第一ネジ貫通孔213が穿設される一方、前記調整板部23には、前記基板部21上への積層固定時に前記の各第一ネジ貫通孔213と連通すると共に前記雄ネジ部材221を貫通させる第二ネジ貫通孔232が穿設され、さらに前記の各調整板部23における第二ネジ貫通孔232の上端には、締結完了後に雄ネジ部材221頭部又は雌ネジ部材222の没入可能な広さと深さの拡大孔部232aが形成されている。
基板部21への調整板部23の積層固定に際して、雄ネジ部材221が、図示されるように最上位の調整板部23表面側から第二ネジ貫通孔232に通されると共に、基板部21裏面の第一ネジ貫通孔213を出たところで雌ネジ部材222により螺合され、締め付けられてもよく、その場合に前記雌ネジ部材222が、基板部21裏面に、第一ネジ貫通孔213と連通するように予め溶接等で固着されていてもよい。一方、図示される態様と異なり、前記雄ネジ部材221が、基板部21裏面側から第一ネジ貫通孔213に通されると共に、第二ネジ貫通孔232上端の拡大孔部232a内で雌ネジ部材222により螺合され、締め付けられてもよい。
なお、図4〜5には、前記の変形態様として、第一ネジ貫通孔213が互いに120度離隔した3個所の位置に穿設された基板部21及び第二ネジ貫通孔232が互いに120度離隔した3個所の位置に穿設された調整板部23が示される。
[第二態様の複層仮蓋]
図6には、結合手段として凹凸嵌合機構を採用した、本発明に係る複層仮蓋2が示される。同図において、複層仮蓋2は、人孔基壁1上に装着される基板部24と、該基板部24上に所要の厚さとなるように、結合手段25を構成する凹凸嵌合機構の結合凸部251及び結合凹部252で着脱可能に積層固定された複数枚(図面では厚さの異なる2枚の場合が図示される)の調整板部26とから構成される。前記結合凸部251及び結合凹部252は、必要に応じて、それらの嵌合及び離反を容易にするために、テーパー状の接触面で当接されるようにされる。前記凹凸嵌合機構を構成する結合凸部251及び結合凹部252の形状、構造、個数等に特別の限定はなく、例えば円柱状、円錐状、角柱上、角錐状、円弧状、環状等を呈する凸部と、それらに嵌合可能な凹部が採用される。
前記基板部24の中央に、下方に突出するように筒状の第一中心孔241が穿設されると共に、各調整板部26中央に、前記第一中心孔241と連通するように第二中心孔261が穿設されている。前記基板部24の下面には、前記人孔基壁1上への該基板部24の装着時に人孔基壁1の開口部11と嵌合し得る円弧状凸部242が前記第一中心孔241と同心に設けられ、それによって前記人孔基壁1に対する前記基板部24の位置決め及びぶれ止めが図られている。
[複層仮蓋を用いた道路舗装工法]
図7(A)〜(H)には、本発明に係る、複層仮蓋を用いた道路舗装工法が例示される。同図において、地下に設置された人孔基壁1上に、その開口部11を閉塞するように既述のような第一態様の複層仮蓋2が設置される(図7(A))。前記複層仮蓋2は、前記人孔基壁1上への設置に際して、該人孔基壁1から表層までの設定された距離Lを考慮して、所要厚さの調整板部23の選択やそれらの組合せにより予め所要の厚さMに調整され、また基板部21が当接される人孔基壁1上面は、予めモルタルの塗布等により平坦化されている。
設置された前記複層仮蓋2における最上位の調整板部23の第二中心孔231には、後の工程で事後的に開封可能な閉塞部材3が被覆され、それに続いて、前記複層仮蓋2を覆うように舗装4が厚さNで施工される(図7(B))。なお、前記舗装4の厚さNは、人孔基壁1から表層までの設定された距離をL、複層仮蓋2の厚さをMとして、N=(L−M)となる。前記複層仮蓋2上への舗装の施工に先立って、舗装用の舗装材が前記最上位の調整板部23表面に剥離困難に密着したり、該調整板部23の第二ネジ貫通孔232内に容易に侵入したりしないように、必要に応じて、前記最上位の調整板部23表面全体又は一部に例えば耐熱性の路盤紙その他のシート、フィルム等が敷設されてもよい。
前記舗装4は、後述するように、道路舗装工法の態様に応じて、仮復旧用の舗装41、復旧用の舗装42、新設の舗装43等の場合が含まれる。また、前記人孔基壁1上に設置された前記複層仮蓋2の側面とそれに隣接する舗装4とは、前記複層仮蓋2上への舗装4の施工に際して舗装材44の侵入を防ぎ得る耐熱性の弾性材等その他の介在物5を挟んで分離又は剥離可能に対向させられている。
次に、前記複層仮蓋2を包含する舗装4が、円形切断装置Cにより、前記複層仮蓋2における最上位の調整板部23近辺の深さに環状に切断されるが、前記環状切断に先立って、前記舗装4には、前記円形切断装置Cにおける切断ビットC1の回転中心となる中心シャフトC2の位置決め及び支持のために、案内孔45が、人孔基壁1の開口部11中心並びに複層仮蓋2の前記第一中心孔211及び第二中心孔231を通る切断中心線に沿って前記第一中心孔211及び第二中心孔231と連通するように、切断中心位置において穿孔装置Hにより穿設される(図7(C))。前記舗装面における前記切断中心線と交差する切断中心位置は、例えば公知のオフセット測量法により得られる。さらに、前記閉塞部材3による前記最上位の調整板部23の第二中心孔231の閉塞が、前記案内孔45を介した前記閉塞部材3の破壊、穿孔、開放、取外し等により解除される。
次に、舗装4の案内孔45入口部に保持器6が設置され(図7(D))、前記円形切断装置Cの中心シャフトC2下端を前記保持器6で位置決めし、且つ支持した状態で、下縁に切断用チップを有する円筒状の切断ビットC1が回転駆動されつつ下方に推進駆動され、それにより複層仮蓋2周囲の舗装が、最上位の調整板部23近辺の深さに環状に切断される(図7(E))。
続いて、前記環状切断された切断舗装版46及びそれに包含される複層仮蓋2が、吊上げ装置Rにより引き上げられ、撤去される(図7(F))。前記撤去に際しては、吊上げ装置Rの引上げ機R1が、前記環状切断された切断舗装版46及びそれに包含される複層仮蓋2における該複層仮蓋2の基板部21の第一中心孔211に、前記舗装4の案内孔45及び各層の調整板部23の第二中心孔231を介して係合され、その状態で引上げ駆動されることにより、前記環状切断された切断舗装版46及びそれに包含される複層仮蓋2が前記人孔基壁1から一体的に剥離され、引き上げられると共に撤去される。
最後に、人孔蓋受枠8が、前記露出した人孔基壁1上に、前記舗装4の路面高さに整合するように高さ調整材7を介して設置され(図7(G))、その周囲に舗装材44が充填されると共に前記人孔蓋受枠8に人孔蓋81が装着される(図7(H))。なお、前記道路舗装工法において、前記第一態様の複層仮蓋2の代わりに、第二態様の複層仮蓋2が使用されてもよい。
[複層仮蓋を使用する切削オーバーレイ工事]
図8(A)〜(H)には、本発明に係る、複層仮蓋を用いた道路舗装工法における切削オーバーレイ工事の前段の各工程が例示される。同図において、人孔基壁1上に高さ調整材7を介して設置された既設人孔蓋受枠8を包含する舗装4に表層、基層等において損傷があり(図8(A))、切削オーバーレイ工事のために、前記人孔蓋受枠8周囲の舗装4が、円形切断装置Cにより、人孔基壁近辺の深さに環状に切断される(図8(B))。前記環状切断に際しては、人孔蓋81の中心に保持器6が設置され、前記円形切断装置Cの中心シャフトC2下端を前記保持器6で位置決めし、且つ支持した状態で、円筒状の切断ビットC1が回転駆動されつつ下方に推進駆動され、それにより複層仮蓋2周囲の舗装が環状に切断される。なお、前記保持器6を介して前記円形切断装置Cの中心シャフトC2下端を位置決めし、且つ支持するものとして、前記人孔蓋81の代わりに別の治具が、既設人孔蓋受枠8に設置されてもよい。
前記環状切断された切断舗装版47及びそれに包含される既設人孔蓋受枠8並びにその高さ調整材7が、吊上げ装置Rにより撤去される(図8(C))。前記撤去に際しては、吊上げ装置Rにおけるシリンダ式撤去機R2両端の楔体が前記人孔基壁1と高さ調整材7の境界に装入され、その状態で引上げ駆動されることにより、前記環状切断された切断舗装版47及びそれに包含される既設人孔蓋受枠8並びにその高さ調整材7が前記人孔基壁1から一体的に剥離され、引き上げられると共に撤去される。
前記露出した人孔基壁1上にその開口部11を閉塞するように第一態様の複層仮蓋2が設置されると共に、前記複層仮蓋2における最上位の調整板部23の第二中心孔231に、後の工程で事後的に開封可能な閉塞部材3が被覆され(図8(D))、前記複層仮蓋2を覆うように仮復旧用の舗装41が施工される(図8(E))。前記複層仮蓋2の設置から仮復旧用の舗装41の施工に至る工程は、既述の道路舗装工法における複層仮蓋2の設置(図7(A))から舗装4の施工(図7(B))に至る工程に準じて行われる。
前記仮復旧用の舗装41部分を含む舗装4の表層、基層に切削が施工され(図8(F))、その上に復旧用の舗装42が施工され(図8(G))、前記舗装42に案内孔45が穿設される(図8(H))。前記案内孔45の穿設の工程(図8(H))は、既述の道路舗装工法における案内孔45の穿設の工程(図7(C))に準じて行われる。
なお、前記前記案内孔45の穿設の工程(図8(H))以降の後段の工程は、既述の道路舗装工法における保持器6の設置(図7(D))から舗装材44の充填(図7(H))に至る工程に準じて行われる。また、前記切削オーバーレイ工事において、前記第一態様の複層仮蓋2の代わりに、第二態様の複層仮蓋2が使用されてもよい。
[複層仮蓋を使用する打換え工事]
図9(A)〜(H)には、本発明に係る、複層仮蓋を用いた道路舗装工法における打換え工事の前段の各工程が例示される。同図において、人孔基壁1上に高さ調整材7を介して設置された既設人孔蓋受枠8を包含する舗装4に表層、基層、上層路盤等において大きな損傷があり(図9(A))、打換え工事のために、舗装4の表層、基層が掘削されると共に既設人孔蓋受枠8及びその高さ調整材7が撤去される(図9(B))。
前記人孔基壁1上にその開口部11を閉塞するように第一態様の複層仮蓋2が設置され(図9(C))、上層路盤又は上層路盤及び下層路盤が整正されると共に、前記複層仮蓋2における最上位の調整板部23の第二中心孔231に、後の工程で事後的に開封可能な閉塞部材3が被覆された後、前記複層仮蓋2を覆うように復旧用の舗装42が施工され(図9(D))、前記舗装42に案内孔45が穿設される(図9(E))。前記複層仮蓋2の設置から案内孔45の穿設に至る工程は、既述の道路舗装工法における複層仮蓋2の設置(図7(A))から案内孔45の穿設の工程(図7(C))に至る工程に準じて行われる。
なお、前記前記案内孔45の穿設の工程(図9(E))以降の後段の工程は、既述の道路舗装工法における保持器6の設置(図7(D))から舗装材44の充填(図7(H))に至る工程に準じて行われる。また、前記打換え工事において、前記第一態様の複層仮蓋2の代わりに、第二態様の複層仮蓋2が使用されてもよい。
[複層仮蓋を使用する新設工事]
図10(A)〜(E)には、本発明に係る、複層仮蓋を用いた道路舗装工法における新設工事の前段の各工程が例示される。同図において、地中に人孔基壁1が設置され(図10(A))、前記人孔基壁1上にその開口部11を閉塞するように第一態様の複層仮蓋2が設置され(図10(B))、路床、下層路盤から表層に至る全舗装43が、前記複層仮蓋2を覆う舗装部分も含めて施工され(図10(C)〜(D))、前記舗装43に案内孔45が穿設される(図10(E))。前記複層仮蓋2の設置から案内孔45の穿設に至る工程は、既述の道路舗装工法における複層仮蓋2の設置(図7(A))から案内孔45の穿設の工程(図7(C))に至る工程に準じて行われる。
なお、前記前記案内孔45の穿設の工程(図10(E))以降の後段の工程は、既述の道路舗装工法における保持器6の設置(図7(D))から舗装材44の充填(図7(H))に至る工程に準じて行われる。また、前記新設工事において、前記第一態様の複層仮蓋2の代わりに、第二態様の複層仮蓋2が使用されてもよい。
C 円形切断装置
C1 切断ビット
C2 中心シャフト
H 穿孔装置
L 人孔基壁から表層までの設定距離
M 複層仮蓋の厚さ
N 複層仮蓋上の舗装の厚さ
R 吊上げ装置
R1 引上げ機
R2 撤去機
1 人孔基壁
11 開口部
2 複層仮蓋
21 基板部
211 第一中心孔
212 円弧状凸部
213 第一ネジ貫通孔
22 結合手段
221 雄ネジ部材
222 雌ネジ部材
23 調整板部
231 第二中心孔
232 第二ネジ貫通孔
232a 拡大孔部
24 基板部
241 第一中心孔
242 円弧状凸部
25 結合手段
251 結合凸部
252 結合凹部
26 調整板部
261 第二中心孔
3 閉塞部材
4、41、42、43 舗装
44 舗装材
45 案内孔
46、47 切断舗装版
5 介在物
6 保持器
7 高さ調整材
8 人孔蓋受枠
81 人孔蓋

Claims (11)

  1. 地下に設置された人孔基壁(1)上にその開口部(11)を閉塞するように仮蓋を設置する工程と、前記仮蓋を覆うように舗装(4)を施工する工程と、前記仮蓋を包含する舗装(4)を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版(46)及びそれに包含される仮蓋を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁(1)上に高さ調整材(7)を介して人孔蓋受枠(8)を設置すると共にその周囲に舗装材(44)を充填する工程とを少なくとも含む道路舗装工法に使用される仮蓋であって、
    前記人孔基壁(1)上に装着され、中央に第一中心孔(211、241)を有する基板部(21、24)と、前記基板部(21、24)上に所要の厚さとなるように結合手段(22、25)により着脱可能に積層固定され、中央に、前記基板部(21、24)上への積層固定時に前記第一中心孔(211、241)と連通する第二中心孔(231、261)を有する一枚又は複数枚の調整板部(23、26)とからなる複層仮蓋。
  2. 前記基板部(21、24)の下面に、前記人孔基壁(1)上への該基板部(21、24)の装着時に、それら両者間の位置決めのために、前記人孔基壁(1)の開口部(11)と嵌合し得る凸部(212、242)が設けられた、請求項1に記載の複層仮蓋。
  3. 前記結合手段(22)が雄ネジ部材(221)及びそれと螺合可能な雌ネジ部材(222)からなり、前記基板部(21)に、前記第一中心孔(211)を除く複数の位置において前記雄ネジ部材(221)を貫通させる第一ネジ貫通孔(213)が穿設される一方、前記調整板部(23)に、前記基板部(21)上への積層固定時に前記の各第一ネジ貫通孔(213)と連通すると共に前記雄ネジ部材(221)を貫通させる第二ネジ貫通孔(232)が穿設された、請求項1〜2の何れかに記載の複層仮蓋。
  4. 前記調整板部(23)の内、最上位に積層される調整板部(23)の第二ネジ貫通孔(232)上端が、締結完了後に雄ネジ部材(221)頭部又は雌ネジ部材(222)の没入可能な広さと深さに座繰りされた、請求項3に記載の複層仮蓋。
  5. 前記基板部(21、24)が鉄鋼材からなり、前記調整板部(23、26)が鉄筋入りコンクリート材からなる、請求項1〜4の何れかに記載の複層仮蓋。
  6. 前記基板部(21、24)及び調整板部(23、26)が何れも鉄筋入りコンクリート材からなる、請求項1〜4の何れかに記載の複層仮蓋。
  7. 地下に設置された人孔基壁(1)上にその開口部(11)を閉塞するように仮蓋を設置する工程と、前記仮蓋を覆うように舗装(4)を施工する工程と、前記仮蓋を包含する舗装(4)を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版(46)及びそれに包含される仮蓋を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁(1)上に高さ調整材(7)を介して人孔蓋受枠(8)を設置すると共にその周囲に舗装材(44)を充填する工程とを少なくとも含む道路舗装工法であって、
    前記仮蓋として請求項1〜6の何れかに記載の複層仮蓋(2)が所要の厚さに調整されて使用され、前記複層仮蓋(2)を覆うように舗装(4)を施工する工程において、前記複層仮蓋(2)側面とそれを囲む舗装(4)とを分離又は剥離可能に対向させると共に、前記複層仮蓋(2)を包含する舗装(4)を環状に切断する工程において、前記舗装(4)が前記複層仮蓋(2)における最上位の調整板部(23、26)近辺の深さに切断することを特徴とする道路舗装工法。
  8. 前記複層仮蓋(2)を覆うように舗装(4)を施工する工程において、前記複層仮蓋(2)側面とそれを囲む舗装(4)とが介在物(5)を挟んで対向させられた、請求項7に記載の道路舗装工法。
  9. 前記道路舗装工法が、人孔基壁(1)上に高さ調整材(7)を介して設置された既設人孔蓋受枠(8)を包含する舗装(4)を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版(46)及びそれに包含される既設人孔蓋受枠(8)並びにその高さ調整材(7)を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁(1)上にその開口部(11)を閉塞するように複層仮蓋(2)を設置する工程と、前記複層仮蓋(2)を覆うように仮復旧用の舗装(41)を施工する工程、前記仮復旧用の舗装部分を含む舗装(4)の表層、基層に切削を施工した後に復旧用の舗装(42)を施工する工程と、前記複層仮蓋(2)を包含する舗装(4)を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版(46)及びそれに包含される複層仮蓋(2)を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁(1)上に高さ調整材(7)を介して人孔蓋受枠(8)を設置すると共にその周囲に舗装材(44)を充填する工程とからなる切削オーバーレイ舗装工事である、請求項7又は8の何れかに記載の道路舗装工法。
  10. 前記道路舗装工法が、舗装(4)の表層、基層を掘削すると共に人孔基壁(1)上に高さ調整材(7)を介して設置された既設人孔蓋受枠(8)及びその高さ調整材(7)を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁(1)上にその開口部(11)を閉塞するように複層仮蓋(2)を設置する工程と、上層路盤又は上層路盤及び下層路盤を整正すると共に前記複層仮蓋(2)を覆うように復旧用の舗装(42)を施工する工程と、前記複層仮蓋(2)を包含する舗装(4)を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版(46)及びそれに包含される複層仮蓋(2)を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁(1)上に高さ調整材(7)を介して人孔蓋受枠(8)を設置すると共にその周囲に舗装材(44)を充填する工程とからなる打換え舗装工事である、請求項7又は8の何れかに記載の道路舗装工法。
  11. 前記道路舗装工法が、露出した人孔基壁(1)上にその開口部(11)を閉塞するように複層仮蓋(2)を設置する工程と、路床、下層路盤から表層に至る全舗装(43)を、前記複層仮蓋(2)を覆う舗装部分も含めて施工する工程と、前記複層仮蓋(2)を包含する舗装(4)を環状に切断する工程と、前記環状切断された切断舗装版(46)及びそれに包含される複層仮蓋(2)を撤去する工程と、前記露出した人孔基壁(1)上に高さ調整材(7)を介して人孔蓋受枠(8)を設置すると共にその周囲に舗装材(44)を充填する工程とからなる新設舗装工事である、請求項7又は8の何れかに記載の道路舗装工法。
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