JP2013044010A - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高効率モータ鉄心に使用することが好適な、磁気特性と生産性が優れた無方向性電磁鋼板を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、質量%で、Si:4.0%以下、sol.Al:4.0%以下、Mn:4.0%以下、P:0.1%以下、Sn:0.1%以下、Sb:0.1%以下、S:0.0005%以上0.0050%以下、C:0.0050%以下、As:0.0050%以下、Nb:0.0030%以下、Ti:0.0030%以下、V:0.0030%以下、Zr:0.0030%以下およびN:0.0050%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、Si+sol.Al+0.5×Mn≧2.0、P+Sn+Sb≧0.025、S+As+Nb+Ti+V+Zr+N≦0.018を満足する化学組成を有し、板厚が0.10mm以上0.35mm以下、平均結晶粒径が60μm以上180μm以下である鋼組織を有し、周波数800Hz、磁束密度1.0Tで磁化した際の鉄損W10/800[W/kg]と板厚t[mm]とがW10/800≦100×t+15を満足することを特徴とする無方向性電磁鋼板を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、エアコンや冷蔵庫などのコンプレッサーモータ、電気自動車やハイブリッド自動車などの駆動モータおよび発電機など、主に高速回転域で使用される高効率モータの鉄心に使用することが好適な無方向性電磁鋼板に関する。
地球温暖化ガスを削減する必要性から、自動車、家電製品等の分野では消費エネルギーの少ない製品の普及が急速に進んでいる。例えば、自動車分野においては、ガソリンエンジンとモータとを組み合わせた駆動系を持つハイブリッド自動車、モータ駆動の電気自動車等の低燃費自動車がある。また、家電製品分野においては、年間電気消費量の少ない高効率エアコン、冷蔵庫等がある。これらに共通する技術はモータであり、モータの高効率化が重要な技術となっており、モータの高効率化のために、鉄心材料である無方向性電磁鋼板の鉄損低減と磁束密度向上が要求されている。上記のような自動車の駆動モータや家電製品のコンプレッサーモータなどは高速回転域で使用される頻度が高いため、鉄心材料としては高周波条件下での鉄損が低い無方向性電磁鋼板が好適である。
鉄損低減の手段としては、SiやAlなどの比抵抗を増加させる作用を有する合金元素の含有量を増加させる手段が一般的である。しかしながら、合金含有量の増加によって磁束密度が劣化するという問題や、鋼板が硬化されて冷間圧延での破断率が高まるという問題が生じる。
上記のような冷間圧延での破断を抑制する手段としては、温間圧延が一般的である。例えば特許文献1には、熱延板焼鈍板の衝撃試験における遷移温度、すなわち冷間圧延前の鋼板の遷移温度を60℃以下とすることが開示されている。
また、鉄損低減の手段としては、Snを添加する手段も提案されている(特許文献2参照)。
一方、磁束密度を向上させる手段としては、PまたはSbを添加する手段が提案されている(特許文献3〜4参照)。
特開2007−247047号公報 特開昭55−158252号公報 特開2005−200756号公報 特開昭59−100217号公報
特許文献3に開示された発明は、磁束密度を向上させることにより、さらなる合金元素量の増加による高周波鉄損低減を可能にするので、主に高速回転域で使用される頻度の高いモータの高効率化に寄与にする非常に優れた発明である。また、特許文献2および特許文献4に開示された発明によれば、磁気特性が向上するとされている。
しかしながら、近年のさらなるモータの高効率化の要求により、より一層の高周波鉄損低減を可能にする磁束密度の向上手段が求められている。
また、冷間圧延での破断を抑制する手段としては、上述したように温間圧延が一般的ではあるが、温間圧延には特殊な設備が必要であるため、コスト面で劣る。また、特許文献1において評価されている熱延板焼鈍板の衝撃試験はシャルピー衝撃試験であり、このシャルピー衝撃試験の歪速度は500〜1000/s程度であり、圧延での歪速度である10〜100/sとは大きく乖離しており、冷間圧延性の評価方法として適切とはいえない。さらに、特許文献1において遷移温度の上限値を60℃としているのは、破断が生じる可能性のある酸洗、冷間圧延、仕上焼鈍の製造工程において、70℃の鋼板温度を確保できるためと記載されているが、鋼板温度を70℃以上にするには、ヒーターなどの加熱設備が必要となるため製造コストも増加する。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題はエアコンや冷蔵庫などのコンプレッサーモータ、電気自動車やハイブリッド自動車などの駆動モータおよび発電機などの高効率モータの鉄心に使用することが好適な、磁気特性と生産性が優れた無方向性電磁鋼板を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく、磁気特性に及ぼすP、Sn、Sbの影響のみならず、磁気特性に及ぼす他の元素との相互作用の影響について新たに着目し、これらの相互作用を利用することにより、さらなる磁気特性の向上を図ることを新たに着想し、鋭意検討を行った。その結果、以下の新たな知見を得た。
(a)Sを微量に含有させたうえで、S、As、Nb、Ti、V、ZrおよびNの合計含有量の上限を規制することにより、P、Sn、Sb添加による磁束密度の向上作用が効果的に高められる。
(b)Si、Al、Mn、Pなどの合金元素量が多くなるほど、冷間圧延での破断率が高まるが、冷間圧延における破断について詳細に調査した結果、冷間圧延の1〜3パス目の前段パスで生じる破断と、冷間圧延の4パス目以降の後段パスで生じる破断の2種類に大別される。
(c)前段パスで生じる破断は、歪速度が10〜30/s程度となる圧延の開始時に起こりやすい。
(d)このような冷間圧延性を適切に評価するには、実際の圧延における歪速度に近い条件で試験することが必要であるところ、JIS Z 2248:2006で規定するVブロック法において、「試験片の中央部に押金具を当て、徐々に試験力を加えて規定の形に曲げる」ことに代えて、「試験片の中央部に、試験片に対して所定の高さから押金具を落錘させて規定の形に曲げる」とした試験を行うことにより、実際の圧延における歪速度を付与する試験を簡便に行うことが可能となり、冷間圧延性を適切に評価することができる。
(e)上記(d)の試験において、落錘時の試験片に対する押金具の高さを1.2mとし、曲げ角度:90°かつ内側半径:5mmとすれば、歪速度を10〜30/sとすることができ、前段パスで生じる破断の危険性を的確に評価することができ、斯かる試験条件下における破断率を40%以下とすることにより、前段パスで生じる破断を効果的に防止することができる。
(f)冷間圧延に供する熱延鋼板に所定の熱延板焼鈍を施すことにより、上記破断率を確実に40%以下とすることができる。
(g)P、SnおよびSbを合計で0.025%以上含有する鋼板は、約32〜33%圧下された鋼板を冷間圧延する際に最も破断が生じやすい。このため、斯かる条件を回避するように冷間圧延の圧下率を設定することにより、冷間圧延時の破断を効果的に防止することができる。
(h)後段パスで生じる破断は、冷間圧延に供する鋼板のエッジや表面に存在する微細な損傷が主な原因であり、これらの損傷を抑制するには、仕上温度、巻取温度および板厚を所定の条件として熱間圧延を施すことが有効である。
本発明はこれらの新たな知見に基づくものであり、その要旨は以下のとおりである。
すなわち、本発明は、質量%で、Si:4.0%以下、sol.Al:4.0%以下、Mn:4.0%以下、P:0.1%以下、Sn:0.1%以下、Sb:0.1%以下、S:0.0005%以上0.0050%以下、C:0.0050%以下、As:0.0050%以下、Nb:0.0030%以下、Ti:0.0030%以下、V:0.0030%以下、Zr:0.0030%以下およびN:0.0050%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、下記式(1)〜(3)を満足する化学組成を有し、板厚が0.10mm以上0.35mm以下、平均結晶粒径が60μm以上180μm以下である鋼組織を有し、周波数800Hz、磁束密度1.0Tで磁化した際の鉄損W10/800[W/kg]と板厚t[mm]とが下記式(4)を満足することを特徴とする無方向性電磁鋼板を提供する。
Si+sol.Al+0.5×Mn≧2.0 (1)
P+Sn+Sb≧0.025 (2)
S+As+Nb+Ti+V+Zr+N≦0.018 (3)
10/800≦100×t+15 (4)
(ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号は鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。)
上記発明においては、上記化学組成が、上記Feの一部に代えて、質量%で、Cr:0.2%以下、Cu:0.2%以下およびNi:0.2%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有していてもよい。
また上記発明においては、上記化学組成が、上記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有していてもよい。
さらに上記発明においては、上記化学組成が、上記Feの一部に代えて、質量%で、B:0.01%以下を含有していてもよい。
また本発明は、下記工程(A)、(B1)、(C)および(D)を有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。
(A)上述の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B1)上記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、750℃以上の温度域に1時間以上50時間以下保持する熱延板焼鈍を施して、下記落錘曲げ試験における破断率が40%以下である熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
(C)上記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(D)上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程
[落錘曲げ試験]
JIS Z 2248:2006で規定するVブロック法において、「試験片の中央部に押金具を当て、徐々に試験力を加えて規定の形に曲げる」ことに代えて、「試験片の中央部に、試験片に対して1.2m高さから押金具を落錘させて規定の形に曲げる」とした試験であり、曲げ角度:90°かつ内側半径:5mmとした試験である。
さらに本発明は、下記工程(A)、(B2)、(C)および(D)を有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。
(A)上述の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B2)上記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、850℃以上の温度域に1秒間以上600秒間以下保持する熱延板焼鈍を施して、下記落錘曲げ試験における破断率が40%以下である熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
(C)上記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(D)上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程
[落錘曲げ試験]
JIS Z 2248:2006で規定するVブロック法において、「試験片の中央部に押金具を当て、徐々に試験力を加えて規定の形に曲げる」ことに代えて、「試験片の中央部に、試験片に対して1.2m高さから押金具を落錘させて規定の形に曲げる」とした試験であり、曲げ角度:90°かつ内側半径:5mmとした試験である。
ここで「破断率」とは、落錘曲げ試験に供した試験片の個数に対する、破断が生じた試験片の個数の個数割合である。
また本発明は、下記工程(A)、(B3)、(C)および(D)を有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。
(A)上述の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B3)上記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、750℃以上850℃以下の温度域に1時間以上50時間以下保持する熱延板焼鈍を施して熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
(C)上記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(D)上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程
さらに本発明は、下記工程(A)、(B4)、(C)および(D)を有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。
(A)上述の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B4)上記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、850℃以上1150℃以下の温度域に1秒間以上600秒間以下保持する熱延板焼鈍を施して熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
(C)上記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(D)上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程
本発明に係る無方向性電磁鋼板により、モータ効率の向上が期待できる。また、本発明に係る無方向性電磁鋼板の製造方法は特殊な設備を要しないため、製造コスト面でも優れている。
以下、本発明の無方向性電磁鋼板およびその製造方法について詳細に説明する。
A.無方向性電磁鋼板
まず、本発明の無方向性電磁鋼板における各構成について説明する。
1.化学組成
はじめに、鋼板の化学組成の限定理由について説明する。なお、各元素の含有量を示す「%」は、特に断りのない限り「質量%」を意味するものである。
Si、sol.Al、Mnは、鋼板の比抵抗を高めて鉄損を低減させるのに有効な元素である。したがって、下記式(1)を満足するものとする。中でも、下記式(1−1)を満足することが好ましく、下記式(1−2)を満足することがさらに好ましい。
Si+sol.Al+0.5×Mn≧2.0 (1)
Si+sol.Al+0.5×Mn≧2.5 (1−1)
Si+sol.Al+0.5×Mn≧3.0 (1−2)
(ここで、式中の各元素記号は鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。)
一方、これらの元素を過剰に含有させると鋼板が硬化し、冷間圧延での破断率が増加する。したがって、Si含有量は4.0%以下、sol.Al含有量は4.0%以下、Mn含有量は4.0%以下とする。好ましくは、Si含有量は3.5%以下、sol.Al含有量は3.0%以下、Mn含有量は3.0%以下である。さらに好ましくは、Si含有量は3.0%以下、sol.Al含有量は2.0%以下、Mn含有量は2.0%以下である。
焼鈍時の粒成長性の観点から、sol.Al含有量は0.03%以下または0.1%以上とすることが好ましく、Mn含有量は0.10%以上とすることが好ましい。sol.Al含有量は0.01%以下または0.2%以上とすることがさらに好ましく、Mn含有量は0.15%以上とすることがさらに好ましい。
P、Sn、Sbは、集合組織を改善して磁気特性を向上させる作用を有する。したがって、下記式(2)を満足するものとする。中でも、下記式(2−1)を満足することが好ましく、下記式(2−2)を満足することがさらに好ましい。
P+Sn+Sb≧0.025 (2)
P+Sn+Sb≧0.030 (2−1)
P+Sn+Sb≧0.035 (2−2)
(ここで、式中の各元素記号は鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。)
一方、これらの元素を過剰に含有させると冷間圧延での破断率が高まる。したがって、P含有量は0.1%以下、Sn含有量は0.1%以下、Sb含有量は0.1%以下とする。好ましくは、P含有量は0.05%以下、Sn含有量は0.05%以下、Sb含有量は0.05%以下である。
Sは、一般に不純物として鋼中に含有される元素であり、鋼中のMnと結合して微細なMnSを形成し、焼鈍時の結晶粒の成長を阻害して磁気特性を劣化させることから、従来はその含有量を低減することが求められてきた元素である。しかしながら、上述した本発明者らの検討によって、Sを微量に含有させたうえで、S、As、Nb、Ti、V、ZrおよびNの合計含有量の上限を規制することにより、P、Sn、Sb添加による磁束密度の向上作用が効果的に高められることが初めて明らかとなった。したがって、S含有量は0.0005%以上とする。好ましくは0.0010%以上、さらに好ましくは0.0015%以上である。一方、S含有量が過剰になると、焼鈍時の結晶粒の成長の阻害により磁気特性の劣化が顕著となる。したがって、S含有量は0.0050%以下とする。好ましくは0.0040%以下、さらに好ましくは0.0035%以下である。
Cは、不純物として含有され、磁気特性を劣化させる元素である。このため、C含有量は0.0050%以下とする。好ましくは、0.0040%以下である。
As、Nb、Ti、VおよびZrは不純物として含有され、磁気特性を劣化させる元素である。したがって、As含有量は0.0050%以下、Nb含有量は0.0030%以下、Ti含有量は0.0030%以下、V含有量は0.0030%以下、Zr含有量は0.0030%以下とする。好ましくは、As含有量は0.0040%以下、Nb含有量は0.0020%以下、Ti含有量は0.0020%以下、V含有量は0.0020%以下、Zr含有量は0.0020%以下である。
Nは、不純物として含有され、Alなどと結合して微細な介在物を形成し、焼鈍時の結晶粒の成長を阻害して磁気特性を劣化させる元素である。したがって、N含有量は0.0050%以下とする。好ましくは0.0040%以下、さらに好ましくは0.0030%以下である。
不純物元素であるS、As、Nb、Ti、V、ZrおよびNの含有量を低減することで、鉄損が低減されることは従来知られていた。しかしながら、上述した本発明者らの検討によって、Sを微量に含有させたうえで、S、As、Nb、Ti、V、ZrおよびNの合計含有量の上限を規制することにより、P、Sn、Sb添加による磁束密度の向上作用が効果的に高められることが初めて明らかとなった。したがって、S、As、Nb、Ti、V、ZrおよびNの合計含有量は下記式(3)を満足するものとする。中でも、下記式(3−1)を満足することが好ましく、下記式(3−2)を満足することがさらに好ましい。
S+As+Nb+Ti+V+Zr+N≦0.018 (3)
S+As+Nb+Ti+V+Zr+N≦0.016 (3−1)
S+As+Nb+Ti+V+Zr+N≦0.014 (3−2)
(ここで、式中の各元素記号は鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。)
Cr、Cu、Niは、鋼板の比抵抗を高めて鉄損を低減させる作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、いずれの元素もその含有量を0.2%超としても、上記作用による効果は飽和してコスト的に不利になる。したがって、Cr含有量は0.2%以下、Cu含有量は0.2%以下、Ni含有量は0.2%以下とする。好ましくは、Cr含有量は0.15%以下、Cu含有量は0.15%以下、Ni含有量は0.15%以下である。上記作用による効果をより確実に得るには、いずれかの元素の含有量を0.02%以上とすることが好ましい。
Ca、Mg、REMは、介在物の形態制御に有効な元素であり、結晶粒の成長を促進する作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、いずれの元素もその含有量を0.01%超としても、上記作用による効果は飽和してコスト的に不利になる。したがって、Ca含有量は0.01%以下、Mg含有量は0.01%以下、REM含有量は0.01%以下とする。好ましくは、Ca含有量は0.005%以下、Mg含有量は0.005%以下、REM含有量は0.005%以下である。上記作用による効果をより確実に得るには、いずれかの元素の含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは、いずれかの元素の含有量を0.0003%以上とすることである。
Bは、上述したNの悪影響を排除して無害化する作用を有する。したがって、Bを含有させてもよい。しかしながら、B含有量を0.01%超としても、上記作用による効果は飽和してコスト的に不利になる。したがって、B含有量は0.01%以下とする。好ましくは、0.005%以下である。上記作用による効果をより確実に得るにはB含有量を0.0001%以上とすることが好ましく、0.0003%以上とすることがさらに好ましい。
2.平均結晶粒径
結晶粒径は、大き過ぎても小さ過ぎても鉄損が劣化する。したがって、平均結晶粒径は60μm以上180μm以下とする。
なお、平均結晶粒径は、縦断面組織写真において、板厚方向および圧延方向について切断法により測定した結晶粒径の平均値を用いればよい。この縦断面組織写真としては光学顕微鏡写真を用いることができ、例えば、50倍や100倍の倍率で撮影した写真を用いればよい。
3.板厚
エアコンや冷蔵庫などのコンプレッサーモータ、電気自動車やハイブリッド自動車などの駆動モータおよび発電機の高効率化のためには、鉄心材料である無方向性電磁鋼板は、高周波域における鉄損が低いものが望ましい。鉄損は、板厚が薄いほど低減されるため、板厚は0.35mm以下とする。好ましくは0.33mm以下、さらに好ましくは0.30mm以下である。一方、過度の薄肉化は鋼板やモータの生産性を著しく低下させる。したがって、板厚は0.10mm以上とする。好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.20mm以上である。
4.磁気特性
高速回転域で使用されるモータの鉄心材料としては、高周波域における鉄損が低い無方向性電磁鋼板が好適である。一方、上述したように鉄損は板厚と相関を有する。したがって、周波数800Hz、磁束密度1.0Tで磁化した際の鉄損W10/800[W/kg]と板厚t[mm]とが下記式(4)を満足するものとする。中でも、下記式(4−1)を満足することが好ましい。
10/800≦100×t+15 (4)
10/800≦100×t+13 (4−1)
B.無方向性電磁鋼板の製造方法
次に、本発明の無方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
本発明の無方向性電磁鋼板の製造方法は、4つの実施態様を有する。以下、各実施態様に分けて説明する。
1.第1実施態様
本実施態様の無方向性電磁鋼板の製造方法は、下記工程(A)、(B1)、(C)および(D)を有することを特徴とする。
(A)上述の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B1)上記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、750℃以上の温度域に1時間以上50時間以下保持する熱延板焼鈍を施して、下記落錘曲げ試験における破断率が40%以下である熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
(C)上記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(D)上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程
[落錘曲げ試験]
JIS Z 2248:2006で規定するVブロック法において、「試験片の中央部に押金具を当て、徐々に試験力を加えて規定の形に曲げる」ことに代えて、「試験片の中央部に、試験片に対して1.2m高さから押金具を落錘させて規定の形に曲げる」とした試験であり、曲げ角度:90°かつ内側半径:5mmとした試験である。
以下、本発明に係る無方向性電磁鋼板の製造方法における各工程について説明する。
(1)熱間圧延工程
熱間圧延工程における仕上温度は700℃以上、巻取温度は300℃以上とする。仕上温度が上記範囲未満であったり、巻取温度が上記範囲未満であったりすると、熱間圧延時や巻取り時に鋼板表面に微小な損傷が導入されて、冷間圧延の後段パスで破断する場合がある。好ましくは、仕上温度は750℃以上、巻取温度は350℃以上である。仕上温度および巻取温度の上限は、冷間圧延性の観点からは特に規定する必要はないが、スケールロスによる歩留り低下を抑制する観点から、仕上温度は1000℃以下とすることが好ましく、巻取温度は800℃以下とすることが好ましい。
熱延鋼板の板厚は1.4mm以上3.5mm以下とする。熱延鋼板の板厚が上記範囲未満では、熱間圧延工程の製造コストが増加する。好ましくは1.6mm以上である。一方、熱延鋼板の板厚が上記範囲超では、冷間圧延工程に長時間要するようになり、製造コストが増加する。好ましくは3.0mm以下であり、さらに好ましくは2.5mm以下である。
(2)熱延板焼鈍工程
熱延板焼鈍温度は750℃以上とする。熱延板焼鈍温度が上記範囲未満では、再結晶の促進が不十分となり、優れた磁気特性を得ることが困難である。
一方、熱延板焼鈍温度が過度に高いと、上記落錘曲げ試験による破断率が高くなり、冷間圧延の前段パスにおいて破断が生じる場合がある。したがって、熱延板焼鈍温度を850℃以下とすることが好ましい。
なお、熱延板焼鈍時間が高くとも、上記落錘曲げ試験による破断率が40%以下であれば、冷間圧延の前段パスにおける破断を効果的に防止することができる。
熱延板焼鈍時間は1時間以上50時間以下とする。熱延板焼鈍時間が上記範囲未満では、再結晶の促進が不十分となり、優れた磁気特性を得ることができない場合がある。また、熱延板焼鈍時間を上記範囲とした場合には、箱焼鈍により熱延板焼鈍を施すことになるが、熱延板焼鈍時間が上記範囲超では生産性の低下を招き製造コストが嵩む。
熱延焼鈍板の上記落錘曲げ試験による破断率は40%以下とする。上記破断率が上記範囲超では、冷間圧延の前段パスにおいて破断が生じる場合がある。上記破断率が上記範囲内であれば、上述したように熱延板焼鈍温度が高くとも冷間圧延の前段パスにおける破断を効果的に防止することができる。上記破断率は、好ましくは30%以下である。
熱延板焼鈍工程における他の条件は特に規定されるものではない。
また、熱延板焼鈍の前または後に酸洗を施してもよい。
(3)冷間圧延工程
P、SnおよびSbを合計で0.025%以上含有し、P、SnおよびSbの含有量がいずれも0.1%以下である鋼板を冷間圧延する際に生じる破断について詳細に調査した結果、32〜33%圧下された鋼板を冷間圧延する際に最も破断が生じやすいことが判明した。具体的には、1パス目の圧下率を32〜33%とすると、2パス目で破断し、2パス後の合計圧下率を32〜33%とすると、3パス目で破断した。この理由は明らかではないが、次の通りであると推察される。
すなわち、圧延後の鋼板の組織を詳細に調査したところ、32〜33%圧下された鋼板に導入された加工組織が最も不均一であるという結果が得られた。このことより、圧下率32〜33%程度の鋼板を冷間圧延する際に最も破断しやくなったのは、不均一な加工組織が存在することにより、冷間圧延時に応力が集中したためであると推察される。
したがって、斯かる条件を回避するように冷間圧延の圧下率を設定することにより、冷間圧延時の破断を効果的に防止することができる。具体的には、1パス目の圧下率を10%以上30%以上、2パス後の合計圧下率を35%以上60%以下とするパススケジュールを採用することで、前段パスでの破断を回避できる。ここで、1パス目の圧下率の下限は生産性の観点から、上限は1パス目の圧延における破断を抑制する観点から、2パス後の合計圧下率の下限は上述した条件を回避する観点から、上限は設備負荷の観点から、それぞれ規定される。好ましくは、1パス目の圧下率は15%以上28%以下、2パス後の合計圧下率は38%以上55%以下である。さらに好ましくは、1パス目の圧下率は15%以上25%以下、2パス後の合計圧下率は40%以上55%以下である。
冷間圧延工程では、1回の冷間圧延によって仕上板厚としてもよく、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によって仕上板厚としてもよい。
後者の場合、2回の冷間圧延が上記条件を満たせばよく、中間焼鈍条件は熱延板焼鈍条件と同じ条件を満たせばよい。
冷延鋼板の板厚は薄いほど鉄損が低減されるため、0.35mm以下とする。好ましくは0.33mm以下、さらに好ましくは0.30mm以下である。一方、過度の薄肉化は鋼板やモータの生産性を著しく低下させるため、板厚は0.10mm以上とする。好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.20mm以上である。
冷間圧延工程における他の条件は特に規定されるものではない。
(4)仕上焼鈍工程
仕上焼鈍工程における諸条件は特に規定されるものではないが、十分な粒成長を促して優れた磁気特性を確保する観点から、焼鈍温度は900℃以上とすることが好ましく、焼鈍時間は1秒間以上とすることが好ましい。一方、設備への負荷や製造コストの観点から、焼鈍温度は1180℃以下とすることが好ましく、焼鈍時間は300秒間以下とすることが好ましい。
2.第2実施態様
本実施態様の無方向性電磁鋼板の製造方法は、下記工程(A)、(B2)、(C)および(D)を有することを特徴とする。
(A)上述の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B2)上記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、850℃以上の温度域に1秒間以上600秒間以下保持する熱延板焼鈍を施して、上記落錘曲げ試験における破断率が40%以下である熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
(C)上記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(D)上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程
なお、熱間圧延工程、冷間圧延工程および仕上焼鈍工程については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本実施態様の無方向性電磁鋼板の製造方法における他の工程について説明する。
(熱延板焼鈍工程)
熱延板焼鈍温度は850℃以上とする。熱延板焼鈍温度が上記範囲未満では、再結晶の促進が不十分となり、優れた磁気特性を得ることが困難である。
一方、熱延板焼鈍温度が過度に高いと、上記落錘曲げ試験による破断率が高くなり、冷間圧延の前段パスにおいて破断が生じる場合がある。したがって、熱延板焼鈍温度を1150℃以下とすることが好ましい。
なお、熱延板焼鈍時間が高くとも、上記落錘曲げ試験による破断率が40%以下であれば、冷間圧延の前段パスにおける破断を効果的に防止することができる。
熱延板焼鈍時間は1秒間以上600秒間以下とする。熱延板焼鈍時間が上記範囲未満では、再結晶の促進が不十分となり、優れた磁気特性を得ることができない場合がある。また、熱延板焼鈍時間を上記範囲とした場合には、連続焼鈍により熱延板焼鈍を施すのが通常であるから、熱延板焼鈍時間が上記範囲超では、設備の長大化や生産性の低下を招く。
熱延焼鈍板の上記落錘曲げ試験による破断率は40%以下とする。上記破断率が上記範囲超では、冷間圧延の前段パスにおいて破断が生じる場合がある。上記破断率が上記範囲内であれば、上述したように熱延板焼鈍温度が高くとも冷間圧延の前段パスにおける破断を効果的に防止することができる。上記破断率は、好ましくは30%以下である。
熱延板焼鈍工程における他の条件は特に規定されるものではない。
また、熱延板焼鈍の前または後に酸洗を施してもよい。
3.第3実施態様
本実施態様の無方向性電磁鋼板の製造方法は、下記工程(A)、(B3)、(C)および(D)を有することを特徴とする。
(A)上述の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B3)上記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、750℃以上850℃以下の温度域に1時間以上50時間以下保持する熱延板焼鈍を施して熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
(C)上記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(D)上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程
なお、熱間圧延工程、冷間圧延工程および仕上焼鈍工程については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本実施態様の無方向性電磁鋼板の製造方法における他の工程について説明する。
(熱延板焼鈍工程)
熱延板焼鈍温度は750℃以上850℃以下とする。熱延板焼鈍温度が上記範囲未満では、再結晶の促進が不十分となり、優れた磁気特性を得ることが困難である。一方、熱延板焼鈍温度が上記範囲超では、上記落錘曲げ試験による破断率が高くなり、冷間圧延の前段パスにおいて破断が生じる場合がある。
なお、熱延板焼鈍時間および他の条件等については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
4.第4実施態様
本実施態様の無方向性電磁鋼板の製造方法は、下記工程(A)、(B4)、(C)および(D)を有することを特徴とする。
(A)上述の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B4)上記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、850℃以上1150℃以下の温度域に1秒間以上600秒間以下保持する熱延板焼鈍を施して熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
(C)上記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(D)上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程
なお、熱間圧延工程、冷間圧延工程および仕上焼鈍工程については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本実施態様の無方向性電磁鋼板の製造方法における他の工程について説明する。
(熱延板焼鈍工程)
熱延板焼鈍温度は850℃以上1150℃以下とする。熱延板焼鈍温度が上記範囲未満では、再結晶の促進が不十分となり、優れた磁気特性を得ることが困難である。一方、熱延板焼鈍温度が上記範囲超では、上記落錘曲げ試験による破断率が高くなり、冷間圧延の前段パスにおいて破断が生じる場合がある。
なお、熱延板焼鈍時間および他の条件等については、上記第2実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を例示して、本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
下記表1に示す化学組成を有するスラブに、仕上温度:850℃、巻取温度:600℃の熱間圧延を施して板厚2.0mmの熱延鋼板とし、酸洗を施した。これらの酸洗鋼板に950℃で60〜120秒間保持する熱延板焼鈍を施して、平均結晶粒径を100μmに揃えた。これらの焼鈍板に、1パス目の圧下率を25%、2パス後の合計圧下率を45%とした冷間圧延を施して仕上板厚0.30mmの冷延鋼板とした。これらの冷延鋼板に1030℃の温度で30秒間保持する仕上焼鈍を施して、平均結晶粒径89〜129μmの無方向性電磁鋼板とした。
これらの無方向性電磁鋼板について、周波数800Hz、磁束密度1.0Tで磁化した際の鉄損W10/800および磁化力5000A/mで磁化した際の磁束密度B50を測定した。
鋼板No.1〜20は、上述の式(4)において、100×t+15=45である。
ここで、鋼板No.1はP、Sn、Sbがほとんど添加されていない基準材であり、このB50と鋼板No.2〜20のB50の差ΔB50を算出して、P、Sn、Sbの添加によるB50の向上効果の大きさを評価した。ΔB50が大きくなるほどP、Sn、Sbの添加によるB50の向上効果が大きいことを意味している。また、P、Sn、Sb含有量が多いほどΔB50は大きくなるため、その点を考慮して、下記式(5)よりXを算出し、Xが0以上であることを目標特性とした。
X=ΔB50−0.4×(P+Sn+Sb−0.01) (5)
また、熱延板焼鈍後の鋼板に、上記落錘曲げ試験を行って破断率を測定した(n=20)。
落錘曲げ試験での破断率と磁気特性を併せて表2に示す。
Figure 2013044010
Figure 2013044010
鋼板No.13はS含有量が低かったため、鋼板No.14はP+Sn+Sb含有量が低かったため、鋼板No.15はNb、Zr含有量が高かったため、鋼板No.16はAs含有量が高かったために、所望のP、Sn、Sbの添加によるB50の向上効果を得ることができなかった。また、鋼板No.17はTi、V、N含有量およびS+As+Nb+Ti+V+Zr+N含有量が高かったため、鋼板No.18はS+As+Nb+Ti+V+Zr+N含有量が高かったため、鋼板No.19はS含有量が高かったため、鋼板No.10はNb、Ti含有量が高かったために、所望のP、Sn、Sbの添加によるB50の向上効果を得ることができなかった上、一部は所望の鉄損も得ることができなかった。
また、鋼板No.5〜12に示すように、Ca、REM、Mg、Cu、Ni、Cr、Bが含有されていても、所定の範囲内であれば、磁気特性に悪影響を及ぼさなかった。
[実施例2]
下記表3に示す化学組成を有するスラブに、仕上温度:650〜850℃、巻取温度:280〜600℃とした熱間圧延によって板厚1.7mmの熱延鋼板とした。これらの熱延鋼板に、950〜1200℃の温度域で30〜300秒間保持する連続焼鈍型の熱延板焼鈍を施した後に酸洗、または、酸洗後に800℃の温度で20時間保持する箱型の熱延板焼鈍を施した。これらの焼鈍板に、1パス目の圧下率が20〜32%、2パス目開始時の鋼板の温度が30〜60℃、2パス後の合計圧下率が33〜45%の冷間圧延を施して仕上板厚0.25mmの冷延鋼板とした。このとき、一部は破断した。破断しなかった冷延鋼板に980℃で60秒間保持する仕上焼鈍を施して、平均結晶粒径が85〜92μmの無方向性電磁鋼板とした。
これらの無方向性電磁鋼板の鉄損W10/800および磁束密度B50を測定した。
鋼板No.21〜26は、上述の式(4)において、100×t+15=40である。
ここで、組成Bは、P、Sn、Sbがほとんど添加されておらず、組成AとはP、Sn、Sb含有量のみが異なり、P、Sn、SbによるB50の向上効果を算出するための基準材に相当する。組成Bを用いて、組成Aを用いた鋼板No.21〜26とそれぞれ同じ製造条件で製造し、基準材とした。各基準材のB50と鋼板No.21〜26のB50との差ΔB50を算出した。また、上記式(5)よりXを算出し、Xが0以上であることを目標特性とした。
また、熱延板焼鈍後の鋼板に室温で上記落錘曲げ試験を行って破断率を測定した(n=20)。
製造条件および測定結果を併せて表4に示す。
Figure 2013044010
Figure 2013044010
鋼板No.21は熱間圧延条件が所定の範囲外であったので、冷間圧延の後段パスにて破断した。鋼板No.22は熱延板焼鈍温度が高かったために、落錘曲げ試験での破断率が高くなり、冷間圧延の1パス目で破断した。鋼板No.23、24は冷間圧延条件が所定の範囲外であったため、破断した。

Claims (8)

  1. 質量%で、Si:4.0%以下、sol.Al:4.0%以下、Mn:4.0%以下、P:0.1%以下、Sn:0.1%以下、Sb:0.1%以下、S:0.0005%以上0.0050%以下、C:0.0050%以下、As:0.0050%以下、Nb:0.0030%以下、Ti:0.0030%以下、V:0.0030%以下、Zr:0.0030%以下およびN:0.0050%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、下記式(1)〜(3)を満足する化学組成を有し、板厚が0.10mm以上0.35mm以下、平均結晶粒径が60μm以上180μm以下である鋼組織を有し、周波数800Hz、磁束密度1.0Tで磁化した際の鉄損W10/800[W/kg]と板厚t[mm]とが下記式(4)を満足することを特徴とする無方向性電磁鋼板。
    Si+sol.Al+0.5×Mn≧2.0 (1)
    P+Sn+Sb≧0.025 (2)
    S+As+Nb+Ti+V+Zr+N≦0.018 (3)
    10/800≦100×t+15 (4)
    (ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号は鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。)
  2. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cr:0.2%以下、Cu:0.2%以下およびNi:0.2%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の無方向性電磁鋼板。
  3. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無方向性電磁鋼板。
  4. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、B:0.01%以下を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の無方向性電磁鋼板。
  5. 下記工程(A)、(B1)、(C)および(D)を有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法:
    (A)請求項1から請求項4までのいずれかに記載の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (B1)前記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、750℃以上の温度域に1時間以上50時間以下保持する熱延板焼鈍を施して、下記落錘曲げ試験における破断率が40%以下である熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
    (C)前記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
    (D)前記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程。
    [落錘曲げ試験]
    JIS Z 2248:2006で規定するVブロック法において、「試験片の中央部に押金具を当て、徐々に試験力を加えて規定の形に曲げる」ことに代えて、「試験片の中央部に、試験片に対して1.2m高さから押金具を落錘させて規定の形に曲げる」とした試験であり、曲げ角度:90°かつ内側半径:5mmとした試験である。
  6. 下記工程(A)、(B2)、(C)および(D)を有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法:
    (A)請求項1から請求項4までのいずれかに記載の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (B2)前記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、850℃以上の温度域に1秒間以上600秒間以下保持する熱延板焼鈍を施して、下記落錘曲げ試験における破断率が40%以下である熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
    (C)前記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
    (D)前記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程。
    [落錘曲げ試験]
    JIS Z 2248:2006で規定するVブロック法において、「試験片の中央部に押金具を当て、徐々に試験力を加えて規定の形に曲げる」ことに代えて、「試験片の中央部に、試験片に対して1.2m高さから押金具を落錘させて規定の形に曲げる」とした試験であり、曲げ角度:90°かつ内側半径:5mmとした試験である。
  7. 下記工程(A)、(B3)、(C)および(D)を有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法:
    (A)請求項1から請求項4までのいずれかに記載の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (B3)前記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、750℃以上850℃以下の温度域に1時間以上50時間以下保持する熱延板焼鈍を施して熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
    (C)前記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
    (D)前記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程。
  8. 下記工程(A)、(B4)、(C)および(D)を有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法:
    (A)請求項1から請求項4までのいずれかに記載の化学組成を有するスラブに、仕上温度:700℃以上および巻取温度:300℃以上の熱間圧延を施して板厚が1.4mm以上3.5mm以下の熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (B4)前記熱延圧延工程により得られた熱延鋼板に、850℃以上1150℃以下の温度域に1秒間以上600秒間以下保持する熱延板焼鈍を施して熱延焼鈍板とする熱延板焼鈍工程;
    (C)前記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板に、1パス目の圧下率を10%以上30%以下、1パス目および2パス目の合計圧下率を35%以上60%以下とする、多パス冷間圧延を施して板厚0.10mm以上0.35mm以下の冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
    (D)前記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に仕上焼鈍を施す仕上焼鈍工程。
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