JP2013043235A - 工具用伸縮延長具 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要に応じて全長を簡単に変更することができる工具用伸縮延長具を実現する。
【解決手段】先端に、ドライバービット16などの工具を装着するための係止手段を備えた筒状本体1と、基端部を電動工具で保持し、筒状本体に遊嵌して筒状本体からの突出寸法を可変とする伸縮軸2とで構成する。筒状本体の基端部には、基準位置から先方及び基方のいずれの方向にも移動可能であって、バネによって基準位置に復帰する操作筒4を設ける。操作筒4は、基準位置から移動させると伸縮軸2を軸方向に移動可能とし、基準位置において伸縮軸2の軸方向の移動を係止する。電動工具に伸縮軸の基端部を装着した状態で、操作筒を先方に押し出せば全長が伸び、基方に引き寄せると全長を縮めることができる。
【選択図】 図1

Description

電動工具を差し込むことが困難な狭い場所にあるビスを締め付ける、あるいは緩める場合は、電動ドライバなどの電動工具に延長具を装着して作業を行う必要がある。また、狭い奥まった位置に孔を開ける場合、電動ドリルに延長具を装着して作業を行う。
本発明は、上記場合のように電動ドリル、電動ドライバなどの電動工具に装着する工具用延長具に関する発明である。
電動工具の延長手段として、特許文献1には、長軸の先端にビット連結用のソケットを取り付け、後端をドライバのチャックとの接続部とする発明が開示されている。特許文献2には、円筒状の鞘管の一端に電動ドライバの取り付け軸を設け、他端部に鞘管内を遊嵌する伸縮軸を係止する伸縮軸ストッパを配置し、伸縮軸の先端部にビットストッパを設けた延長バーの発明が開示されている。特許文献3には、パイプ状の長尺中空材の一端部にシャンク部を備え、他端部にボルトやねじを締付けるためのソケットやチャック機構部を備えた延長連結具の発明が開示されている。
特開平9−141559号公報 実用新案登録第3073402号公報 特開2006−297508号公報
特許文献1に記載された発明は、一定寸法の長軸を延長部材として装着するものであるため、使用場所に応じて長さを変更することができない欠点があった。特許文献2に記載された発明も、延長部材としてパイプ状の長尺中空材を使用するものであって、使用状態に応じて長さを調節することができない。
特許文献3に記載された発明は、鞘管内を遊嵌する伸縮軸を使用するため、その長さを変更することができる。しかしながら、特許文献3に記載された発明では、伸縮軸ストッパの構造上、一方の手でストッパを操作し、もう一方の手で伸縮軸の長さを変更するといった、両手を使って操作をする必要があるため、作業中に延長手段の長さを簡単に変更することができない欠点があった。
上記従来技術の欠点に鑑み、本発明は、必要に応じて全長を簡単に変更することができる工具用伸縮延長具を実現することを目的とするものである。特に電動工具に装着したままの状態で、例えば片手で電動工具を持ち、もう一方の手の操作によって自由に長さ変更を行うことができる工具用伸縮延長具を提供することを目的とする発明である。
請求項1記載の本発明は、先端にドライバービットなどの工具を装着する係止手段を備えた筒状本体1と、基端部が電動工具Aに保持される構造であり、前記筒状本体1に遊嵌し、軸方向に摺動して筒状本体1からの突出寸法が可変であって、外周面に周方向の係止溝3を形成した多角形軸である伸縮軸2とで構成する。
前記筒状本体1の少なくとも一部は多角形軸である伸縮軸2と嵌合する断面形状であって、伸縮軸2に対して遊回動しないものとする。
また、筒状本体1の基端部外周面には、基準位置から先方及び基方のいずれの方向にも移動可能な操作筒4を装着し、基準位置から移動させた操作筒4には基準位置に復帰させるバネを設ける。そして、操作筒4が装着される筒状本体1には、筒状本体1の肉厚よりも直径が大きな鋼球5が配置されるボール孔6を穿設する。
操作筒4には基準位置において筒状本体1の外周面に摺接し、鋼球5を押圧して鋼球5の一部を筒状本体1の内周面から突出させ、伸縮軸2の係止溝3に係合させて伸縮軸2の軸方向移動を阻止する押圧摺動面7を形成する。押圧摺動面7の軸方向前後位置には、筒状本体1の外周面から突出する鋼球5の一部が入り込んで筒状本体1内を伸縮軸2が軸方向に移動することを許容する前方溝8と後方溝9を形成する。
請求項2記載の発明は、操作筒4を基準位置に復帰させるバネ構造に関するものである。すなわち、操作筒4の内周に軸方向に一定寸法の凹所10を形成するとともに、筒状本体1の外周面に前記操作筒4の凹所10に突出するバネ止め11を形成する。そして、凹所10の先端面とバネ止め11の間に第一コイルバネ12を、凹所10の基端とバネ止め11の間に第二コイルバネ13を配置し、操作筒4の基準位置において、第一コイルバネ12と第二コイルバネ13の弾発力を均衡させる。これにより、基準位置から移動させた操作筒4は常に基準位置に復帰するものである。
請求項1記載の本発明工具用伸縮延長具によれば、操作筒4を筒状本体1の先方、基方のいずれの方向に移動させても、伸縮軸2の突出寸法を変化させることができる。これにより、例えば伸縮軸2の基端に形成した取付軸14を電動工具Aに装着し、先端のチャック機構15にドライバービット16やドリルビット17といった工具を装着した状態で、操作筒4を基方(手元)に引き寄せると図3(a)に示すように伸縮軸2の、筒状本体1からの突出寸法を短くし、本発明工具用伸縮延長具の全長が短い状態で作業を行うことができる。これに対して、操作筒4を持って先方に押し出すと図3(b)に示すように伸縮軸2の筒状本体1からの突出寸法を大きくし、工具用伸縮延長具を長く伸ばした状態で作業を行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、基準位置から移動させた操作筒4を基準位置に復帰させるバネ構造を、簡単な構造で実施することができる。そして、この構造は微妙な調整を必用とせず、バネの選択によって確実に作動する構造として実施することができる。
図1は、本発明に係る工具用伸縮延長具の実施例であって、一部を拡大断面で示す正面図、 図2は、工具用伸縮延長具全体の斜視図、 図3は、電動工具に装着した工具用伸縮延長具を伸縮させる状態を示す正面図、 図4は、工具用伸縮延長具を伸縮させる場合の、操作筒部分の断面図である。
以下、本発明に係る工具用伸縮延長具の実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図1は、本発明工具用伸縮延長具の実施形態を示す正面図であって、一部を拡大断面で示している。
本発明に係る工具用伸縮延長具は、先端にドライバービット16やドリルビット17などの工具を装着する係止手段を備えた筒状本体1と、基端部を電動工具に保持され筒状本体1に遊嵌して軸方向に摺動し筒状本体1から突出寸法が変化する伸縮軸2とで構成する。
筒状本体1を遊嵌し、筒状本体1の基端部から出没する伸縮軸2は角軸、具体的には例えば六角軸とするとともに、筒状本体1の筒孔は少なくとも一部を伸縮軸2が嵌合する六角形断面とし、筒状本体1と伸縮軸2が遊回動することなく一体的に回転するようにしてある。すなわち、伸縮軸1の基端部に形成した、やや細い六角軸であって係止溝18を形成した取付軸14を電動工具に装着し、回転駆動させた場合に筒状本体1が空転することなく回転する。伸縮軸2の外周面には一定間隔で複数の周方向の係止溝3が形成してある。
また、筒状本体1に遊嵌する伸縮軸の先端には、図示していないが適宜抜け止め手段を設け、伸縮軸2が抜け出さないようにしている。筒状本体1内を軸方向に摺動する伸縮軸2の抜け止め手段は、特に限定されるものではないが、例えば伸縮軸2の先端に筒内の一部に係合する係止部を形成しておくことができる。
筒状本体1の先端部に形成するドライバービット16やドリルビット17などの工具の係止手段は、具体的にはチャック機構15であって、任意構造とすることができる。図1に示す実施形態のチャック機構15として、先方への抜け出しを防止する状態で筒状本体1の先端部にチャック筒19を装着している。チャック筒19は、軸方向に遊動可能であってバネ20によって先方へ付勢している。バネ20の先端部分は、筒状本体1に形成した切り込み21に入り込んで筒内に突出し、筒状本体の先端から挿入したドライバービット16の係止溝21に係合することによってドライバービット16を保持させる構造としている。チャック筒19をバネ20の弾発力に抗して矢印で示すように基方に押圧して移動させる。チャック筒19が移動すると、バネ20の先端部分が後方に押されて切り込み21から押し上げられ、工具の係合溝22との係合が外れてドライバービット16を取外すことができる。
筒状本体1の先端部内奥には、ビットなどの工具が筒内に入り込んでしまわないように、ストッパ23を配置している。
筒状本体1の基端部には、伸縮延長具の全長を変化させるための操作筒4を配置している。操作筒4は筒状本体1の基端部外周面に基準位置から先方及び基方のいずれの方向にも移動可能な状態に装着するとともに、基準位置(図1に断面図で示す位置)から先方もしくは基方のいずれの方向に移動させた場合であっても、操作筒4を基準位置に復帰させるためのバネを設けている。
操作筒4が装着される筒状本体1の基端部には、筒状本体1の肉厚よりも直径が大きな鋼球5が配置されるボール孔6を穿設している。そして、操作筒4には基準位置において筒状本体1の外周面に摺接し鋼球5を押圧して鋼球5の一部を筒状本体1の内周面から突出させ、鋼球5を伸縮軸2の係止溝3に係合させて伸縮軸の軸方向移動を阻止する押圧摺動面7を形成している。このことは、操作筒4が基準位置に停止している限り伸縮軸2の伸縮が阻止され、ドライバービット16やドリルビット17といった工具を使った作業を安心して行うことができることを意味する。
操作筒4には、押圧摺動面7の軸方向前方位置と、後方位置にボール孔6に収蔵した鋼球5の一部分が筒状本体1の外周面から突出する際、突出した鋼球5の一部が入り込む前方溝8と後方溝9を形成している。
操作筒4を先方もしくは基方に移動させて、鋼球5の一部が前方溝8もしくは後方溝9に入り込んで、鋼球5を筒状本体1の内周面から突出しないようにすると、伸縮軸2は筒状本体1内を自由に移動させることができる。これにより、筒状本体1からの突出寸法を変化させて工具用延長伸縮具に全長を所望の長さに調節することができる。
操作筒4を、基準位置に復帰させるためのバネ構造は、種々変更可能であるが、図示実施形態においては、第一コイルバネ12と第二コイルバネ13の二つのコイルバネを用いることによって確実に作動する構造を実現している。すなわち、操作筒4の内周に軸方向に伸びる一定寸法の凹所10を形成するとともに、筒状本体1の外周面に前記操作筒4の凹所10に突出するバネ止め11を形成し、凹所10の先端面とバネ止め11の間に第一コイルバネ12を、凹所10の基端とバネ止め11の間に第二コイルバネ13を配置し、操作筒4の基準位置において、第一コイルバネ12と第二コイルバネ13の力が均衡するようにしている。これにより、操作筒4が常に基準位置に復帰し、延長具は一定の長さが維持される。
操作筒4の内周面に凹所10を形成し、凹所10内に筒状本体1の外周面に固定したバネ止め11を位置させるために、操作筒4は、前方操作筒4aと後方操作筒4bとで構成し、両者を嵌合固定するようにしている。すなわち、筒状本体1の先方から第一コイルバネ12と凹所10の前半部分を形成した前方操作筒4aを挿入し、バネ止め11と前方操作筒4aの凹所10前壁の間に第一コイルバネ12を支受させるとともに、筒状本体1の基端から第二コイルバネ13と凹所10の後半部分を形成した後方操作筒4bを挿入し、バネ止め11と後方操作筒4bの凹所10後壁との間に第二コイルバネ13を支受させ、前方操作筒4aと後方操作筒4bを嵌合固定している。
図4は、操作筒4を移動させて伸縮軸2を伸縮(筒状本体からの突出寸法を変化)させる状態を示している。図4(a)は、二点鎖線で示す伸縮軸2が筒状本体1に入り込んだ状態から操作筒4を先方に押し出す状態を示している。電動工具Aに装着されて伸縮軸2の基端が固定されている状態で、操作筒4を先方に押し出すと第二コイルバネ13が圧縮されて筒状本体1との相対位置が、基準位置よりも前方に移動し、後方溝9に鋼球5の一部が入り込んで筒状本体1が伸縮軸2の先方に移動する。すなわち、筒状本体1の基端から伸縮軸2の突出寸法が大きくなり、伸縮延長具の全長が伸びる。
操作筒4から手を離すと、圧縮されている第二コイルバネの弾性によって操作筒4が基準位置方向に移動し、鋼球5が伸縮軸2の係止溝3に係合する位置において基準位置に復帰し、その状態を維持する。
図4(b)は、実線で示す伸縮軸2が筒状本体1から突出した状態から操作筒4を基方に引き寄せる状態を示している。電動工具Aに装着されて伸縮軸2の基端が支えられている状態で操作筒4を基方に引き寄せると、第一コイルバネ12が圧縮されて筒状本体1との相対位置が、基準位置よりも基方に移動して前方溝8に鋼球5の一部が入り込んで、筒状本体1が二点鎖線で示すように伸縮軸2の基方に移動する。すなわち、突出している伸縮軸2の一部が筒状本体1の中に入り込み、工具用伸縮延長具の全長が短くなる。
操作筒4から手を離すと、圧縮されている第一コイルバネ12の弾性によって操作筒4が基準位置方向に移動し、鋼球5が伸縮軸2の係止溝3に係合する位置において基準位置に復帰し、その状態を維持する。
以上述べたように、本発明に係る工具用伸縮延長具では、操作筒4を持って前方に押し出せば伸縮軸2の係止状態が解除され、同時に筒状本体1を先方に押し出し工具用伸縮延長具の全長を伸ばすことができる。また、操作筒4を持って手前に引き寄せると、操作筒4と伸縮軸2の係止状態が解除されると同時に筒状本体1を基方に引き寄せ、工具用伸縮延長具の全長を縮めることができる。
このように、操作筒を持って押し出す、引き寄せる動作は、単に操作筒と伸縮軸2の係合状態を係脱させるだけでなく、伸縮軸を伸ばす及び縮める方向の力としても作用するため、特許文献2に開示されている従来技術のように、作業者は両手を使って、ロックを外す動作と伸縮軸を出没させる動作を行なう必要がなく、一方の手で電動工具を持った状態で、もう一方の手で操作筒を操作することによって工具用伸縮延長具を伸縮させることができる。これにより、作業中に必用に応じて工具用伸縮延長具の全長を簡単に変更することができ、作業能率を向上させることができるものである。
1…筒状本体、 2…伸縮軸、 3…係止溝、 4…操作筒、 4a…前方操作筒、 4b…後方操作筒、 5…鋼球、 6…ボール孔、 7…押圧摺動面、 8…前方溝、 9…後方溝、 10…凹所、 11…バネ止め、 12…第一コイルバネ、 13…第二コイルバネ、 14…取付軸、 15…チャック機構、 16…ドライバービット、 17…ドリルビット、 18…係止溝、 19…チャック筒、 20…ばね、 21…切り込み、 22…係止溝、 23…ストッパ、 A…電動工具。

Claims (2)

  1. 先端に、ドライバービットなどの工具を装着するための係止手段を備えた筒状本体と、基端部が電動工具に保持される構造であり、前記筒状本体に遊嵌し、軸方向に摺動して筒状本体からの突出寸法が可変であって、外周面に周方向の係止溝を形成した多角形軸である伸縮軸とで構成し、
    前記筒状本体の少なくとも一部は多角形軸である伸縮軸と嵌合する断面形状であって伸縮軸に対して遊回動しないものとし、
    筒状本体の基端部外周面には、基準位置から先方及び基方のいずれの方向にも移動可能な操作筒を装着するとともに、基準位置から移動させた操作筒を基準位置に復帰させるバネを設け、
    操作筒が装着される筒状本体に、筒状本体の肉厚よりも直径が大きな鋼球が配置されるボール孔を穿設し、操作筒には基準位置において筒状本体の外周面に摺接し鋼球を押圧して鋼球の一部を筒状本体の内周面から突出させ、伸縮軸の係止溝に係合させて伸縮軸の軸方向移動を阻止する押圧摺動面と、押圧摺動面の軸方向前後位置に、筒状本体の外周面から突出する鋼球の一部が入り込んで筒状本体内を伸縮軸が移動することを許容する前方溝と後方溝を形成したことを特徴とする工具用伸縮延長具。
  2. 操作筒の内周に軸方向に一定寸法の凹所10を形成するとともに、筒状本体の外周面に前記操作筒の凹所に突出するバネ止めを形成し、凹所の先端面とバネ止めの間に第一コイルバネを、凹所の基端とバネ止めの間に第二コイルバネを配置し、操作筒の基準位置において、第一コイルバネと第二コイルバネの弾発力を均衡させることによって操作筒を基準位置に復帰させることを特徴とする請求項1記載の工具用伸縮延長具。
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