JP2013043201A - ノズルアダプタの取り付け方法及びノズルアダプタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノズル10に管形状のノズルアダプタ20を完全溶け込み溶接によって取り付けるノズルアダプタ20の取り付け方法であって、上記完全溶け込み溶接の際に内周面側の裏当てとなり、且つ、ノズル10の端部10aの内径d2よりも大きい外径d1を有する裏当て部23が、上記管形状の端部20aに一体で形成されているノズルアダプタ20を冷却し、裏当て部23をノズル10の端部10aに挿入して冷やしばめする冷やしばめ工程と、上記冷やしばめ工程の後、ノズル10の端部10aとノズルアダプタ20の端部20aとを外周面側から上記完全溶け込み溶接する溶接工程と、を有するという手法を採用する。
【選択図】図3
Description
この手法を採用することによって、本発明では、ノズルアダプタの溶接側の端部に一体で形成されている裏当て部を、冷やしばめによりノズルの端部に挿入する。ノズルアダプタの温度が常温に戻れば、もとの裏当て部の外径はノズルの端部の内径よりも大きいために、外側に突っ張る形となり、ノズルアダプタはノズルに対し強固に固定される。後の溶接工程において外周面側から片側溶接する際には、裏当て部によって内周面側に良好な裏ビードを形成させることができ、また、ノズルアダプタはノズルに対し強固に固定されているので、溶接による変形を防止して高い位置精度での取り付けが可能となる。
この手法を採用することによって、本発明では、溶接工程の後、不要となった裏当て部を機械加工により除去する。
この手法を採用することによって、本発明では、冷却したノズルアダプタを冷媒と共にノズルの端部に向けて移送することにより、移送に時間がかかる場合であっても、外気等の影響による温度の上昇を抑制することができるため、裏当て部のノズルの端部への挿入を、時間的に余裕を持って落ち着いて行うことが可能となる。
この手法を採用することによって、本発明では、冷媒を裏当て部に支持させて、ノズルアダプタを冷媒と共にノズルの端部に向けて移送することができる。裏当て部は、溶接工程の後不要となり最終的には除去される部位であるので、支持部を追加して設けてもノズルアダプタに要求される公差への影響は少ない。
この手法を採用することによって、本発明では、原子炉圧力容器の蓋部に突出して設けられたノズルに対し、作業性が良く、溶接による変形を防止して高い位置精度でノズルアダプタを取り付けることが可能となる。
この構成を採用することによって、本発明では、ノズルに対し、作業性が良く、溶接による変形を防止して高い位置精度での取り付けが可能となる。
図1は、本発明の実施形態における原子炉圧力容器の蓋部100の構成を示す図である。図2は、本発明の実施形態における原子炉圧力容器の蓋部100に設けられたノズル10の継手構造の構成を示す断面図である。
図3は、本発明の実施形態における完全溶け込み溶接する前のノズルアダプタ20の端部20a及びノズル10の端部10aの構成を示す断面図である。
図4は、本発明の実施形態におけるノズルアダプタ20の取り付け方法を説明する図である。
当該工程では、先ず、ノズルアダプタ20を、例えば液体窒素等の冷媒を貯溜する冷却槽内に浸漬させ、冷媒の沸点(−196℃)以下の温度まで冷却する。この冷却により、裏当て部23の外径d1をノズル10の端部10aの内径d2よりも小さく熱収縮させる。
当該工程において外周面側から片側溶接する際には、裏当て部23が内周面側に沿って配置されているため、内周面側に良好な裏ビードを有する完全溶け込み溶接継手30が形成される。また、裏当て部23によってノズルアダプタ20はノズル10に対し強固に固定されているので、開先形状に沿って周方向に溶接していっても、当該溶接の際にノズルアダプタ20の姿勢がノズル10に対して不安定になることはない。
すなわち、溶接工程の後においては、裏当て部23は不要となるので、当該裏当て部23を機械加工により除去する。裏当て部23の除去は、管内に機械工具を挿入して行うが、ノズルアダプタ20の非溶接側の端部20bには公差が要求されるネジ部22があるため、原子炉圧力容器の蓋部100の内側から貫通孔103を介してノズル10側から挿入して行うことが好ましい(図2参照)。
したがって、本実施形態によれば、作業性が良く、溶接による変形を防止して高い位置精度で取り付け可能なノズルアダプタ20の取り付け方法及びノズルアダプタ20が得られる。
この構成によれば、厚みの小さい裏当て部23の先端部は、熱容量が小さく、時間的に速やかに所定の温度まで冷却することができ、厚みの大きい裏当て部23の基端部は、熱容量が大きく、溶接の際の熱に耐え得ることができる。
この手法によれば、通常、原子炉圧力容器の蓋部100に設けられたノズル10は地上数m上方に位置しているため、移送に時間がかかる場合であっても、冷却したノズルアダプタ20を冷媒と共にノズル10の端部10aに向けて移送することにより、外気等の影響による温度の上昇を抑制することができ、裏当て部23のノズル10の端部10aへの挿入を、時間的に余裕を持って落ち着いて行うことが可能となる。
これらの手法によれば、冷媒Cを裏当て部23に支持させて、ノズルアダプタ20を冷媒Cと共にノズル10の端部10aに向けて移送することができる。裏当て部23は、溶接工程の後不要となり最終的には除去される部位であるので、支持部24を追加して設けてもノズルアダプタ20に要求される公差への影響は少ないという利点がある。なお、当然に、冷やしばめする前までには、当該冷媒Cをノズルアダプタ20から除去する。
Claims (6)
- ノズルに管形状のノズルアダプタを完全溶け込み溶接によって取り付けるノズルアダプタの取り付け方法であって、
前記完全溶け込み溶接の際に内周面側の裏当てとなり、且つ、前記ノズルの端部の内径よりも大きい外径を有する裏当て部が、前記管形状の端部に一体で形成されている前記ノズルアダプタを冷却し、前記裏当て部を前記ノズルの端部に挿入して冷やしばめする冷やしばめ工程と、
前記冷やしばめ工程の後、前記ノズルの端部と前記ノズルアダプタの端部とを外周面側から前記完全溶け込み溶接する溶接工程と、を有することを特徴とするノズルアダプタの取り付け方法。 - 前記溶接工程の後、前記裏当て部を機械加工により除去する裏当て部除去工程を有することを特徴とする請求項1に記載のノズルアダプタの取り付け方法。
- 前記冷やしばめ工程は、前記冷却した前記ノズルアダプタを、前記ノズルの端部に向けて移送する移送工程を含み、
前記移送工程では、前記冷却した前記ノズルアダプタを、冷媒と共に移送することを特徴とする請求項1または2に記載のノズルアダプタの取り付け方法。 - 前記ノズルアダプタは、前記冷媒を前記裏当て部に支持させる支持部を有することを特徴とする請求項3に記載のノズルアダプタの取り付け方法。
- 前記ノズルは、原子炉圧力容器の蓋部に突出して設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のノズルアダプタの取り付け方法。
- ノズルに完全溶け込み溶接によって取り付けられる管形状のノズルアダプタであって、
その管形状の端部に、前記完全溶け込み溶接の際に内周面側の裏当てとなり、且つ、前記ノズルの端部の内径よりも大きい外径を有する裏当て部が、一体で形成されていることを特徴とするノズルアダプタ。
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