JP2013041758A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正孔輸送材料に導電性高分子を使用し、高い光電変換効率が得られるとともに、当該光電変換効率を高レベルで安定維持させることが可能な色素増感型光電変換素子を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に、色素増感された半導体電極、電荷輸送層および対向電極を有する太陽電池において、該電荷輸送層に金属酸化物粒子を含有することを特徴とする太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型の太陽電池およびその製造方法に関する。
近年、環境問題などから、エネルギー源として、太陽光エネルギーが注目されている。
そして、太陽光エネルギーの光、熱を活用して、利用し易いエネルギー形態である電気エネルギーに変換する方法が実用化されている。
これらの方法の中で、例えば太陽光を電気エネルギーに変換する方法は、代表的な例であり、この方法には、光電変換素子が用いられる。
光電変換素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウムおよびセレン化インジウム銅等の無機系の材料を用いた光電変換素子が広く用いられ、所謂太陽電池に広く利用されている。
これらの無機系の材料を用いた光電変換素子を用いた太陽電池は、材料として用いるシリコンなどが高度な精製過程が必要な高純度品が求められる、多層pn接合による構造の為に製造工程が複雑でプロセス数が多く、製造コストが高いなどの問題点があった。
一方、より簡素な素子として有機材料を用いた光電変換素子の研究も進められている。
例えば、C.W.Tang:Applied Physics Letters,48,183(1986)に記載のような、n型の有機色素であるペリレンテトラカルボン酸誘導体とp型の有機色素である銅フタロシアニンを接合させた、pn接合型の有機光電変換素子が報告されている。
有機光電変換素子において、弱点であると考えられている励起子拡散長の短さと空間電荷層の薄さを改良する為に、単に有機薄膜を積層するpn接合部の面積を大きく増大させ、電荷分離に関与する有機色素数を充分に確保しようという試みがその結果を出しつつある。
また、例えば、G.Yu,J.Gao,J.C.Humelen,F.Wudl and A.J.Heeger:Science,270,1789(1996)に記載のような、n型の電子伝導性の有機材料とp型の正孔伝導性ポリマーを膜中で複合させることによりpn接合部分を飛躍的に増大させて、膜中全体で電荷分離を行う手法である。
また、Heegerらは1995年に共役高分子をp型の導電性ポリマーとし、電子伝導材料としてフラーレンを混合させた光電変換素子を提案した。
これらの光電変換素子は次第にその特性を向上させてはいるが、高い変換効率のまま安定して挙動するところまでには至っていない。
一方、1991年にGratzelは、酸化チタン上に吸着した色素の増感光電流の膨大で詳細な実験の集大成として、酸化チタンを多孔質化し、その電荷分離の面積(電荷分離に寄与する分子数)を充分に確保することによって、安定動作し高い変換効率を有する光電変換素子の作製に成功(例えば、非特許文献1参照)した。
この光電変換素子では、多孔質酸化チタン表面に吸着した色素が光励起され、色素から酸化チタンに電子注入され、色素はカチオンとなり、対極から電荷輸送層を通じて色素が電子を受け取るというサイクルを繰り返す。電荷輸送層としてはヨウ素を含む電解質を有機溶媒に溶解させた電解液が用いられている。
この光電変換素子は酸化チタンの安定性と相まって、優れた再現性を有しており、研究開発の裾野も大きく広がりつつあり、この光電変換素子も色素増感型太陽電池の一つとして、大きな期待と注目を浴びている。
この方式は、酸化チタン等の安価な金属化合物半導体を高純度まで精製する必要がなく、半導体としては安価なものを使用することができ、さらに利用できる光は広い可視光領域にまでわたっており、可視光成分の多い太陽光を有効に電気へ変換できるという利点を有する。
しかしながら、光電変換層にルテニウム錯体を用いるため、資源的制約がある高価なルテニウムを用いる必要がある、経時での安定性が充分でないなどの問題がある。
また、更なる問題点として、色素増感型太陽電池は先述のとおり電解液を用いて動作するために、電解液やヨウ素の保持や流出・散逸を防ぐ別の機構が必要となるなどの問題点を有していた。
電解液を有する他の電気化学素子の代表例としては、鉛蓄電池やリチウム電池などが代表的ではあるが、コンパクトにモジュール化されたこれらの電気化学素子でさえ100%回収され、リサイクルされている訳ではなく、散逸した化学種が新たに環境に蓄積された場合に、二次的な問題を誘起するのは自明である。
このような電解液の問題を回避し、さらに色素増感型太陽電池の良さを引き継いだ、全固体色素増感型太陽電池の開発も進んでいる。
この分野では、U.Bach,D.Lupo,P.Comte,J.E.Moser,F.Weissortel,J.Salbeck,H.Spreitzer and M.Gratzel,Nature,395,583(1998)に記載の、アモルファス性有機正孔移動剤を用いたものや、G.R.A.Kumara,S.Kaneko,M.kuya,A.Konno and K.Tennakone:Key Engineering Matterals,119,228(2002)に記載の正孔移動剤にヨウ化銅を用いたものなどが知られているが、正孔移動剤の伝導度が低いため未だ充分な光電変換効率を与えるには至っていない。
さらに、伝導度の比較的高い正孔移動剤としてはポリチオフェン系材料が代表例としてあげられ、PEDOTを正孔移動剤として用いた全固体色素増感型太陽電池が報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献2参照)。
しかしながら、光電変換効率はまだ充分なものではなく、また耐久性も十分なものではなかった。
特開2003−317814号公報
B.O’Regan and M.Gratzel: Nature, 353, 737(1991) J.Xia, N.Masaki, M.Lira−Cantu,Y.Kim,K.Jiang and S. Yanagida: Journal of the American Chemical Society, 130, 1258(2008)
しかしながら、上記の様に導電性高分子を正孔輸送材料に用いた太陽電池の開発検討がなされていたが、検討を進めていくと、導電性高分子を用いても期待していた高いレベルの光電変換効率が必ずしも得られるものではないことが判明してきた。すなわち、導電性高分子を正孔輸送物質に用いると、色素増感された半導体多孔質電極内部にまで十分に正孔輸送物質が入り込めない為に電荷輸送層が形成されない箇所がバルク内に多々生じ、光電変換効率の向上を阻害させる要因になっていたのである。また、初期段階では高い光電変換効率が得られていたものの経時で低下するものもあり、光電変換効率を長期にわたり安定維持することにも課題があることも分かってきた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、正孔輸送材料に導電性高分子を使用し、高い光電変換効率が得られるとともに、当該光電変換効率を高レベルで安定維持させることが可能な色素増感型太陽電池を提供することを目的とするものである。
本願発明者等は上記課題を改善するためには、色素増感された半導体電極と電荷輸送層中の正孔輸送物質が近接して効率良く存在すること、これにより界面抵抗を低下させ、変換効率を向上し、且つ耐久性を向上させることが出来るものと考えた。
本発明の上記目的は、以下の構造を有する太陽電池により達成される。
1.導電性支持体上に、色素増感された半導体電極、電荷輸送層および対向電極を有する太陽電池において、該電荷輸送層に金属酸化物粒子を含有することを特徴とする太陽電池。
2.前記金属酸化物粒子が少なくとも表面処理されていることを特徴とする前記1に記載の太陽電池。
3.前記表面処理がシランカップリング剤による処理であることを特徴とする前記2に記載の太陽電池。
4.前記金属酸化物粒子が酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、または酸化亜鉛であることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の太陽電池。
5.前記電荷輸送層がポリチオフェン誘導体からなる導電性高分子を含有することを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の太陽電池。
6.前記導電性高分子がポリチオフェン誘導体を電界重合して得られものであることを特徴とする前記5に記載の太陽電池。
7.前記電解重合が光電解重合であることを特徴とする前記6に記載の太陽電池。
8.前記1〜7の何れか1項に記載の太陽電池を製造する太陽電池製造方法において、導電性支持体上に色素増感された半導体層を形成する工程、電荷輸送層を形成する工程、対向電極を形成する工程を有し、前記電荷輸送層を形成する工程に、金属酸化物と電荷輸送層を形成するモノマーを含有する塗布液を塗布した後、重合反応により固体電荷輸送層を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池製造方法。
9.前記重合反応が電解重合であることを特徴とする前記8に記載の太陽電池製造方法。
10.前記電解重合が光電解重合であることを特徴とする前記9に記載の太陽電池製造方法。
本発明の上記手段により、光電変換効率が高く、耐久性に優れる光電変換素子および太陽電池を提供することができた。
本発明の太陽電池の一例を示す模式断面図である。 色増感された半導体粒子の細孔内部における、色素分子、金属酸化物粒子および電荷輸送物質の模式断面図である。
本願発明の太陽電池は、導電性基板、色増感された半導体電極、電荷輸送層および対向電極を有する太陽電池において、該電荷輸送層に、金属酸化物粒子を含有することを特徴とする。
本発明においては、特に電荷輸送層に導電性高分子を用い、固体電荷輸送層とすることにより、光電変換効率が高く、耐久性に優れる太陽電池を提供することができる。
(太陽電池)
本発明の太陽電池について、図1により説明する。
図1は、本発明の太陽電池の一例を示す模式断面図である。
図1に示すように、太陽電池10は、基板1上に電極2を有する導電性基板3、光電変換層6、電荷輸送層7および対向電極8、隔壁9等より構成されている。
光電変換層6は、増感色素4が吸着した半導体5を含有する。
太陽光は、図下方の矢印の方向から入射される。
本発明の太陽電池の製造例を以下に示す。
基板1上に第一電極2を付けた、導電性基板3上に、半導体5からなる多孔質の半導体層を形成し、その半導体表面に増感色素4を吸着させて光電変換層6を形成する。その後、多孔質の光電変換層6の上に、電荷輸送層7を形成する。
電荷輸送層7の形成は、電荷輸送層を形成する塗布液を塗布した後、乾燥して固体電荷輸送層を形成する方法であっても、電荷輸送層を形成するモノマー溶液を塗布し、重合反応を施すことにより固体電荷輸送層を形成する方法であってよい。
電荷輸送層7の形成は、電荷輸送層を形成する塗布液を塗布した後、乾燥して固体電荷輸送層を形成する方法であっても、電荷輸送層を形成するモノマー溶液を塗布し、重合反応を施すことにより固体電荷輸送層を形成する方法であってよい。電荷輸送材料は、増感色素を担持した半導体からなる光電変換層に侵入し、且つ、光電変換層上にも存在し、該電荷輸送層の上に対向電極8が形成される。電極2および対向電極8に端子を付けて電流を取り出すことができる。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、光吸収して電子を半導体に注入した後の増感色素のカチオン体に迅速に電子を注入し、色素と半導体との界面で注入された正孔を第二電極に輸送する機能を担う層である。
本発明においては、電荷輸送層中に金属酸化物粒子および導電性高分子材料を含有する。
以下に、電荷輸送層に用いられる材料を説明する。
〈金属酸化物粒子〉
本発明に好ましく用いられる金属酸化物粒子としては、特に制限はされないが、好ましくは酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の、中でも、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫等の粒子が好ましい。さらに本発明に用いられる金属酸化物粒子は、公知の方法、例えば気相法、塩素法、硫酸法、プラズマ法、電解法等の一般的な製造法で作製されたものが好ましい。本発明に用いられる金属酸化物の数平均一次粒径は1〜300nmの範囲が好ましい。特に好ましくは3〜100nmである。上記金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置LUZEX AP((株)ニレコ)ソフトウエアバージョン Ver.1.32を使用して数平均一次粒径を算出した。
〈表面処理〉
本発明で用いられる反応性有機基を有する化合物で表面処理した金属酸化物粒子は、以下のようなシラン化合物と表面に水酸基を有する金属酸化物粒子(一般に、表面処理を行っていない金属酸化物粒子は表面に水酸基を有している)とを反応させることにより製造することができる。
金属酸化物粒子と反応させるシラン化合物としては、シリル基、特に加水分解性を有するシリル基を有し、ラジカル重合が可能な化合物であれば特に制限されないが、信越シリコーン社製のKBM303,KBM402,KBM403,KBE402、KBE403、KBM5103,KBM502,KBM503、KBE502,KBE503等で処理した場合は特に優れた効果を発揮する。これらのシラン化合物は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
以下、反応性有機基を有する化合物で表面処理した金属酸化物粒子の製造方法を酸化チタン粒子を例にして説明する。
〈反応性有機基を有する化合物で表面処理した酸化チタン粒子の製法〉
本発明に係わる反応性有機基を有する酸化チタン粒子は、酸化チタン粒子を前記したシラン化合物を用いて表面処理することにより、得ることが出来る。該表面処理するに際し、酸化チタン粒子100質量部に対し、シラン化合物を表面処理剤として0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。更に好ましくは、酸化チタン粒子100質量部に対し、シラン化合物を1〜10質量部、溶媒100〜1000質量部が好ましい。
以下に、均一でしかもより微細にシラン化合物で表面被覆処理された酸化チタン粒子を製造する表面処理方法を述べる。
即ち、酸化チタン粒子とシラン化合物の表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、酸化チタン粒子を微細化すると同時に酸化チタン粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化するので、均一でしかもより微細なシラン化合物により表面処理された酸化チタン粒子を得ることができる。本発明において用いられる表面処理装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた攪拌ディスクを高速回転させることにより、金属酸化物粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、金属酸化物粒子に表面処理を行う際に金属酸化物粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば問題なく、たとえば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。上記サンドグラインダーミルで用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.3〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。以上のようなシラン化合物による湿式表面処理により、反応性有機基を有する化合物で表面処理した金属酸化物粒子を得ることができる。
以上、酸化チタン粒子で説明したが、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物粒子も、酸化チタンと同様に表面に水酸基を有しているので、酸化チタンと同様にシラン化合物による表面処理により、反応性有機基を有する金属酸化物粒子を得ることができる。ここで、反応性有機基を有するとは、金属酸化物粒子の表面の水酸基とシリル基を有する化合物が加水分解反応により、化学的な結合を形成していることである。これにより、シラン化合物中の反応性有機基が、粒子表面へのシラン化合物のカップリングにより存在する金属酸化物粒子となる。
〈導電性高分子材料〉
本発明に好ましく用いられる導電性高分子材料としては、特に制限はされないが、好ましくはPEDOTと呼ばれる下記一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位を有する高分子材料である。
Figure 2013041758
(一般式(1)中、R〜Rのうち、少なくとも一つは、直鎖あるいは分岐状の炭素鎖長1〜24のアルキル基、炭素鎖長3〜9のシクロアルキル基、炭素鎖長1〜18のアルコキシ基、炭素鎖長1〜18のポリエチレンオシキド基或いはアリール基のいずれかである。残りの置換基は水素原子である。)
Figure 2013041758
(一般式(2)中、nは1〜3の整数であり、mは0〜2n+4の整数である。Rは水素原子、ハロゲン原子或いはアルキル基のいずれかであり、Rが複数の場合、それぞれが異なっていてもよい。)
前記一般式(1)または一般式(2)で表される導電性高分子材料は下記一般式(1′)あるいは一般式(2′)で表される単量体又はその多量体を用いて電解重合により形成されることが好ましい。
Figure 2013041758
(一般式(1′)中、R〜Rのうち、少なくとも一つは、直鎖あるいは分岐状の炭素鎖長1〜24のアルキル基、炭素鎖長3〜9のシクロアルキル基、炭素鎖長1〜18のアルコキシ基、炭素鎖長1〜18のポリエチレンオシキド基或いはアリール基のいずれかである。残りの置換基は水素原子である。)
Figure 2013041758
(一般式(2′)中、nは1〜3の整数であり、mは0〜2n+4の整数である。Rは水素原子、ハロゲン原子或いはアルキル基のいずれかであり、Rが複数の場合、それぞれが異なっていてもよい。)
これらの電解重合は、モノマーを含有する溶液を予め重合して高分子材料を得た後、溶媒に溶解して塗布乾燥することにより電荷輸送層を得る方法であっても、モノマーを含有する溶液を塗布し、電解重合することにより電荷輸送層を形成する方法であっても良い。本発明においては、色素増感された半導体と電荷輸送層との親和性を得るためには、モノマー溶液を塗布後重合反応を行う方法が好ましい。
前記一般式(1)あるいは一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体について説明する。
前記一般式(1)中、R〜Rのうち、少なくとも一つは、直鎖あるいは分岐状の炭素鎖長1〜24のアルキル基、炭素鎖長3〜9のシクロアルキル基、炭素鎖長1〜18のアルコキシ基、炭素鎖長1〜18のポリエチレンオシキド基あるいはアリール基のいずれかである。残りの置換基は水素原子である。
のみが直鎖あるいは分岐状の炭素鎖長1〜24のアルキル基、炭素鎖長3〜9のシクロアルキル基、炭素鎖長1〜18のアルコキシ基、炭素鎖長1〜18のポリエチレンオシキド基あるいはアリール基のいずれかであり、R〜Rが水素原子であることが好ましい。
置換もしくは未置換のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、アンスリル基、ピレニル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、ターフェニル基、フェナンスリル基等を挙げることができる。
置換基R〜Rが結合している炭素原子は不斉原子となることがあるが、キラル体、ラセミ体のどちらであってもよい。
一般式(2)中、nは1〜3の整数であり、mは0〜2n+4の整数である。Rは水素原子、ハロゲン原子或いはアルキル基のいずれかであり、Rが複数の場合、それぞれが異なっていてもよい。
該一般式(1)あるいは一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体は、これら繰り返し単位に対応する一種又は二種以上の単量体(以後、モノマーとも云う)を、必要に応じて、その他のモノマーと共に、重合触媒の金属錯体の存在下で重合又は共重合させる方法により、得ることができる。
以下に、前記一般式(1)あるいは一般式(2)で表される繰り返し単位に対応するモノマーを例示するが、該モノマーはこれらモノマーに限定されるものではない。
尚、上記一般式(1)あるいは一般式(2)で表される繰り返し単位に対応するモノマーとは、前記一般式(1′)あるいは一般式(2′)で表される単量体(モノマー)であり、該一般式(1′)あるいは一般式(2′)で表される単量体構造のR〜R、R等は一般式(1)あるいは一般式(2)で表される繰り返し単位の構造のそれらと同じである。
一般式(1)の繰り返し単位に対応するモノマー
Figure 2013041758
一般式(2)の繰り返し単位に対応するモノマー
Figure 2013041758
尚、上記一般式(1)あるいは一般式(2)で表される繰り返し単位に対応するモノマーは重合又は共重合の前に、二量体或いは三量体等の多量体化したもの(オリゴマー化した化合物)を用いることが好ましい。
これらのモノマーは、例えば、J.R.Reynolds他, Adv.Mater., 11, 1379 (1999)に記載の方法で合成することができる。又、上記モノマーの二量体は、T.M.Swager他, Journal of the American Chemical Society, 119, 12568 (1997)に記載の方法により合成することができる。
尚、二量体等の多量体を用いることにより、モノマーを用いる場合に比し、重合体形成時の酸化電位が小さくなり、重合体の合成速度が短縮されて好ましい。
(重合体の重合法)
重合方法としては、重合触媒を用いる化学重合法、少なくとも作用極と対極とを備えて両電極間に電圧を印加することにより反応させる電解重合法、光照射単独あるいは重合触媒、加熱、電解等を組み合わせた光重合法等があるが、光電解重合法を用いた重合法が好ましい。
電解重合法により重合体を得る場合は、重合体の合成がそのまま前記電荷輸送層の形成につながる。即ち、以下のような電解重合法が行われる。
前記一般式(1)あるいは一般式(2)の繰り返し単位に対応するモノマー或いは該モノマーの二量体を、をアセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネイト、ジクロロメタン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒に溶解し、これに支持電解質として過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、Li[(CFSON]などの塩類を添加して、電解重合用液を作製する。
溶媒としては、支持電解質および前記モノマー或いはその二量体を溶解できるものであれば特に限定されない。支持電解質としては、イオン電離可能なものが用いられ、特定のものに限定されない。
特に、溶媒に対する溶解性が高く、酸化、還元を受けにくいものが好適に用いられる。
ついで、透明導電膜2、バリヤ層3および光電変換層6を形成した基板1をこの電解重合用液に浸し、光電変換層6を作用電極として、白金板などを対極として用い、また、参照極としてAg/AgClなどを用いて、直流電解する方法で行われる。電解重合用液中の前記モノマー或いはその二量体の濃度は、0.1〜1000mmol/L程度が好適であり、支持電解質濃度は、0.1〜2mol/L程度が好適である。また、印加電流密度としては、0.01mA/cm〜1000mA/cmの範囲であることが望ましく、特に1mA/cm〜500mA/cmの範囲であることがより望ましい。電解重合溶液の温度範囲は、その溶媒が固化・突沸しない範囲が適当であって一般に−30℃〜80℃である。電解電圧、電解電流、電解時間、温度等の条件は、使用する材料によって左右されるため、また、要求する膜厚に応じて適宜選択することができる。
重合体の重合度把握は、電解重合で得られた重合体では困難であるが、重合後形成された電荷輸送層の溶媒溶解性は大きく低下するため、重合体かどうかの確認方法としては、一般式(1)あるいは一般式(2)の繰り返し単位に対応するモノマーの溶解が可能な溶媒である、テトラヒドロフラン(THF)に電荷輸送層を浸漬させ、その溶解度で判断する。
具体的には、25mlのサンプル瓶に化合物(重合体のこと)を10mgとり、THF10mlに添加して、超音波を(25kHz、150W 超音波工業(株)COLLECTOR CURRENT1.5A超音波工業製150)5分間照射したときに、溶解している化合物が5mg以下の場合は重合していると規定する。
一方、重合触媒を用いて化学重合を行う場合には、前記一般式(1)あるいは一般式(2)の繰り返し単位に対応するモノマー或いはその二量体等を以下のような重合触媒を用いて重合する。即ち、塩化鉄(III)(iron(III) chloride)、トリス−p−トルエンスルホン酸鉄(III)(iron(III)tris−p−toluenesulfonate)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)(iron(III)p−dodecylbenzenesulfonate)、メタンスルホン酸鉄(III)(iron(III)methanesulfonate)、p−エチルベンゼンスルホン酸鉄(III)(iron(III) p−ethylbenzenesulfonate)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)(iron(III)naphthalenesulfonate)およびその水和物等が挙げられる。
化学重合において用いられる重合速度調整剤としては、前記重合触媒における三価鉄イオンに対する弱い錯化剤であり、膜が形成できるように重合速度を低減するものであれば特に制限はないが、重合触媒が塩化鉄(III)およびその水和物である場合には、5−スルホサリチル酸(5−sulphosalicylic acid)の様な芳香族オキシスルホン酸などが挙げられ、また、重合触媒がトリス−p−トルエンスルホン酸鉄(III)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)、メタンスルホン酸鉄(III)、p−エチルベンゼンスルホン酸鉄(III)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)およびその水和物である場合には、イミダゾールなどが挙げられる。
重合体は、合成された後、重合体を含有する塗布液などに含有されて光電変換層上に供給されてもよいが、光電変換層上で重合し、電荷輸送層を形成することが好ましい態様である。
その場合、重合体を重合して合成するために、前記一般式(1)あるいは一般式(2)の繰り返し単位に対応するモノマー或いは二量体等を、前記重合触媒、前記重合速度調整剤およびその他の添加剤を含有する電荷輸送層形成用溶液が用いられる。電荷輸送層形成用溶液における、上記各成分の合計の濃度は、用いる前記一般式(1)あるいは一般式(2)の繰り返し単位に対応するモノマー或いはその二量体等、前記重合触媒、前記重合速度調整剤およびその他の添加剤のそれぞれの種類、その量比、塗布法に対する条件および望まれる重合後の膜厚により異なるが、概ねその質量濃度は、1〜50%の範囲である。
前記電荷輸送層形成用溶液を光電変換層上に塗布法により塗布した後、あるいは、光電反感層を前記電荷輸送層形成用溶液に浸漬させたまま重合反応を行う。
重合反応の条件は、用いる前記一般式(1)あるいは一般式(2)の繰り返し単位に対応するモノマー或いはその二量体等、前記重合触媒、および前記重合速度調整剤のそれぞれの種類、その量比、濃度、塗布した段階での液膜の厚み、望まれる重合速度により異なるが、好適な重合条件としては、空気中加熱の場合の加熱温度が25〜120℃の範囲、加熱時間が1分〜24時間の範囲が好ましい。
本願発明に係わる重合体は、一般式(1)或いは一般式(2)で表される繰り返し単位を有するが、当該繰り返し単位以外の繰り返し単位を本発明の効果を損なわない範囲で併併有させてもよい。これらの併有の例としては、例えばチオフェン誘導体、ピロール誘導体あるいはフラン誘導体等のモノマーから導入された繰り返し単位が挙げられる。
又、併有する繰り返し単位としては、下記一般式(4)のようなπ共役構造を有する2価の有機基が好ましい。
Figure 2013041758
上記一般式(4)中、Arは、π共役構造を有する2価の有機基を表わす。ここで「π共役構造」とは、多重結合が単結合と交互に連なった構造を表わす。高分子中にこのようなπ共役構造を有する有機基が存在することによって、高分子のπ共役平面が広がり、一般式(1)或いは一般式(2)で表される繰り返し単位骨格の電子供与性がより高くなり、p型半導体としての特性がより向上する。
電荷輸送層を、塗布により形成する場合は、前記電荷輸送層形成用溶液を用いるが、この塗布液の溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ブチレンオキシド、クロロホルム、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、アセトン、各種アルコールのような極性溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルスホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのような非プロトン性溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電荷輸送層には、必要に応じて、例えば、N(PhBr)SbCl、Li[(CFSON]等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
塗布する方法としては、ディッピング、滴下、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター等の各種塗布法を用いることができる。
また、このような塗布の操作を繰り返し行って積層するようにしてもよい。
電荷輸送層中の一般式(1)あるいは一般式(2)の繰り返し単位を有する重合体の含有量は、50〜100質量%であることが好ましく、さらに90から100質量%であることが好ましい。
本願発明の電荷輸送層の伝導度を高めるために、正孔ドープされている必要があり、一般式(1)あるいは一般式(2)で表される繰り返し単位あたりの正孔ドープ量が0.15〜0.66(個)であることが好ましい。
電解重合では、一般式(1)あるいは一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体に電場をかけて酸化することにより、正孔ドープされる。
電界重合の場合には光を照射して重合することが好ましい。酸化チタン表面に緻密に重合体を形成できるためである。
また、光電変換層の増感色素の酸化体を還元するためには、本願発明に係わる重合体が色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要であり、そのため使用する増感色素によって本願発明に係わる重合体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、該重合体がドープされた状態で、4.5eV以上5.5eV以下が好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下が好ましい。
本発明の、金属酸化物粒子の存在下に電荷輸送層を形成することにより、電荷移動効率を向上し、光電変換効率の高い、光電変換機能の安定性に優れる太陽電池が得られるが、その理由は、明確ではないが以下のように推定される。
即ち、重合液、もしくは正孔輸送物質溶液中に分散状態で存在する小径の金属酸化物粒子が、正孔輸送剤を吸着した状態で、色素が化学結合した酸化チタンの細孔内部に細孔充填剤のような形で入り込む。
電荷輸送層は、金属酸化物粒子が充填された狭い空間内で形成され、酸化チタン・色素/電荷輸送層の物理的距離は小さくなる。この効果により界面抵抗が下がり、導電性が向上し、高変換効率と高耐久を達成できる。また、金属酸化物粒子に表面処理を施すことで、より正孔輸送剤を吸着した状態で、細孔内部に入り込みやすくなる。
なお、図2は、色増感された半導体粒子の細孔内部における、色素分子、金属酸化物粒子および電荷輸送物質の存在を模式的に示した断面図である。図2(a)は、本発明の金属酸化物粒子の存在下に電荷輸送層を形性した時の模式断面図であり、図2(b)は、金属酸化物粒子のない状態で電荷輸送層を形性した時の模式断面図であり、金属酸化物粒子が存在することにより、細孔内部に効果的に電荷輸送層が形性されていると予測している。
(基板)
基板は、光入射方向の側に設けられ、太陽電池の光電変換効率の観点から、光透過率が10%以上であることが好ましく、更に好ましくは50%以上であり、特に80%〜100%であることが好ましい。
光透過率とは、JIS K 7361−1(ISO 13468−1に対応)の「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率をいう。
基板としては、その材料、形状、構造、厚み、硬度等については公知のものの中から適宜選択することができるが、上記のように高い光透過性を有していることが好ましい。
基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができる。これらの樹脂フィルムの他に無機ガラスフィルムを基板として用いてもよい。
可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に特に好ましく適用することができる。
中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度およびコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
これらの基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。
表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
基板の厚さとしては、1〜1000μmが好ましく、さらに10〜100μmであることが好ましい。
(第一電極)
第一電極は、基板と光電変換層との間に配置される。
第一電極としては、その光透過率が80%以上、さらに90%以上のものが好まし用いられる。光透過率は、上記基板の説明の記載と同様のものである。
第一電極は、基板の光入射方向に対して反対側となる一方の面上に設けられる。
第一電極を形成する材料の例としては、金属(例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム)あるいは金属酸化物を用いることが好ましく、例えば、SnO、CdO、ZnO、CTO系(CdSnO、CdSnO、CdSnO)、In、CdIn等が挙げられる。
金属として好ましくは、銀が挙げられ、光透過性を持たせるために、開口部を持つグリッドパターニングされた膜、あるいは微粒子やナノワイヤーを分散し塗布した膜が好ましく用いられる。
金属酸化物として好ましくは、上記の金属酸化物に、Sn、Sb、FおよびAlから選ばれる1種または2種以上を添加した複合(ドープ)材料が挙げられる。
中でも好ましいのは、SnをドープしたIn(ITO)、SbをドープしたSnO、FをドープしたSnO(FTO)等の導電性金属酸化物が好ましく用いられ、耐熱性の点からFTOが最も好ましい。
第一電極を基板上に有するものを、ここでは導電性支持体と呼ぶ。
導電性支持体の膜厚としては、0.1mm〜5mmの範囲が好ましい。
また、導電性支持体の表面抵抗は、50Ω/cm以下であることが好ましく、更に好ましくは、10Ω/cm以下である。
導電性支持体の光透過率の好ましい範囲は、上記基板の光透過率の好ましい範囲と同様である。
(バリヤ層)
本発明の太陽電池は、短絡防止手段として、膜状(層状)をなし、第一電極と半導体層との間に位置するバリヤ層を有することが好ましい。
バリヤ層、光電変換層は、下述するように多孔質であることが好ましい態様であるが、この場合、バリヤ層の空孔率をC[%]とし、半導体層の空孔率をD[%]としたとき、D/Cが、例えば、1.1以上程度であるのが好ましく、5以上程度であるのがより好ましく、10以上程度であるのがさらに好ましい。
これにより、バリヤ層と半導体層とは、それぞれ、それらの機能をより好適に発揮することができる。
より具体的には、バリヤ層の空孔率Cとしては、例えば、20%以下程度であるのが好ましく、5%以下程度であるのがより好ましく、2%以下程度であるのがさらに好ましい。すなわち、バリヤ層は、緻密層であるのが好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
バリヤ層の平均厚さ(膜厚)としては、例えば、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.03〜0.5μm程度であるのがより好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
このバリヤ層の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、亜鉛、ニオブ、スズ、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガン、鉄、銅、ニッケル、イリジウム、ロジウム、クロム、ルテニウムまたはその酸化物、また、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、ニオブ酸ストロンチウムのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物または酸化物混合物、CdS、CdSe、TiC、Si、SiC、BNのような各種金属化合物等の1種または2種以上の組み合わせなども使用することができる。
特に電荷輸送層がp型半導体の場合、バリヤ層に金属を使用する場合には電荷輸送層よりも仕事関数の値が小さく、ショットキー型の接触をするものが用いられる。またバリヤ層に金属酸化物を用いる場合には、透明導電層とオーミックに接触し、かつ伝導帯のエネルギー準位が多孔質半導体層4よりも低いところにあるものが好ましい。
このとき、酸化物を選択することで多孔質半導体層(光電変換層)からバリヤ層への電子移動効率を向上させることもできる。
この中でも、半導体層(光電変換層)と同等の電気伝導性を有するものであるのが好ましく、特に、酸化チタンを主とするものがより好ましい。
(光電変換層)
光電変換層は、半導体および増感色素を含有し、当該増感色素を担持した当該半導体を含有する半導体層からなる。
(半導体)
半導体層に用いられる半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体、周期表(元素周期表ともいう)の第3族〜第5族、第13族〜第15族系の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
具体例としては、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS、CuInSe、Ti等が挙げられるが、好ましく用いられるのは、TiO、ZnO、SnO、Fe、WO、Nb、CdS、PbSであり、好ましく用いられるのは、TiOまたはNbであるが、中でも特に好ましく用いられるのはTiO(酸化チタン)である。
半導体層に用いる半導体は、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。
例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもできるし、また酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti)を混合して使用してもよい。
また、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,15(1999)に記載の酸化亜鉛/酸化錫複合としてもよい。このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
また、本発明に係る半導体は、有機塩基を用いて表面処理してもよい。前記有機塩基としては、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、キノリン、ピペリジン、アミジン等が挙げられるが、中でもピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンが好ましい。
上記の有機塩基が液体の場合はそのまま、固体の場合は有機溶媒に溶解した溶液を準備し、本発明に係る半導体を液体有機塩基または有機塩基溶液に浸漬することで、表面処理を実施できる。
《半導体層の作製》
半導体層の作製方法について説明する。
半導体層の半導体が粒子状の場合には、半導体を導電性支持体に塗布あるいは吹き付けて、半導体層を作製するのがよい。また、本発明に係る半導体が膜状であって、導電性支持体上に保持されていない場合には、半導体を導電性支持体上に貼合して半導体層を作製することが好ましい。
半導体層の好ましい態様としては、上記導電性支持体上に半導体の微粒子を用いて焼成により形成する方法が挙げられる。
本発明に係る半導体が焼成により作製される場合には、色素を用いての該半導体の増感(吸着、多孔質層への充填等)処理は、焼成後に実施することが好ましい。焼成後、半導体に水が吸着する前に素早く化合物の吸着処理を実施することが特に好ましい。
以下、本発明に好ましく用いられる半導体層を、半導体微粉末を用いて焼成により形成する方法について詳細に説明する。
(半導体微粉末含有塗布液の調製)
まず、半導体の微粉末を含む塗布液を調製する。この半導体微粉末はその1次粒子径が微細な程好ましく、その1次粒子径は1〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは2〜100nmである。半導体微粉末を含む塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができる。
溶媒中に分散された半導体微粉末は、その1次粒子状で分散する。溶媒としては半導体微粉末を分散し得るものであればよく、特に制約されない。
前記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。塗布液中には、必要に応じ、界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)を加えることができる。溶媒中の半導体微粉末濃度の範囲は0.1〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。
(半導体微粉末含有塗布液の塗布と形成された半導体層の焼成処理)
上記のようにして得られた半導体微粉末含有塗布液を、導電性支持体上に塗布または吹き付け、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性支持体上に半導体層(半導体膜とも言う)が形成される。
導電性支持体上に半導体微粉末含有塗布液を塗布、乾燥して得られる皮膜は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応するものである。
このようにして導電性支持体等の導電層上に形成された半導体微粒子層は、導電性支持体との結合力や微粒子相互の結合力が弱く、機械的強度の弱いものであることから、機械的強度を高め、基板に強く固着した半導体層とするため前記半導体微粒子層の焼成処理が行われる。
半導体層はどのような構造を有していてもよいが、多孔質構造膜(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
半導体層が、多孔質構造膜である場合には、電荷輸送層の正孔輸送物質などの成分は、この空隙にも存在することが好ましい態様である。
ここで、半導体層の空隙率は1〜90体積%が好ましく、さらに好ましくは10〜80体積%であり、特に好ましくは20〜70体積%である。なお、半導体層の空隙率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアサイザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することができる。
多孔質構造を有する焼成物膜になった半導体層の膜厚は、少なくとも10nm以上が好ましく、さらに好ましくは500〜30000nmである。
焼成処理時、焼成膜の実表面積を適切に調製し、上記の空隙率を有する焼成膜を得る観点から、焼成温度は1000℃より低いことが好ましく、さらに好ましくは200〜800℃の範囲であり、特に好ましくは300〜800℃の範囲である。
また、基板がプラスチック等で耐熱性に劣る場合には、200℃以上の焼成処理を行わずに、加圧により微粒子どうしおよび微粒子−基板間を固着させることもでき、あるいはマイクロ波により、基板は加熱せずに、半導体層のみを加熱処理することもできる。
また、見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体微粒子の粒径および比表面積や焼成温度等によりコントロールすることができる。
また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高めたりして、色素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
(増感色素)
本発明に係る増感色素は、下述するような半導体の増感処理により、半導体に担持されており、光照射時、光励起され起電力を生じ得るものである。増感色素としては、太陽電池に用いられる公知の増感色素を用いることができる。
電荷の半導体への効率的な注入の観点から、増感色素はカルボキシル基を有することが好ましく、更に前記一般式(1)或いは一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体を含有した場合特に好ましい態様である。
(半導体の増感処理)
半導体層1m当たりの色素の総担持量は0.01〜100ミリモルの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜50ミリモルであり、特に好ましくは0.5〜20ミリモルである。
増感処理を行う場合、増感色素(以下、単に色素とも云う)を単独で用いてもよいし、複数を併用してもよく、また他の化合物(例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の化合物)と混合して用いることもできる。
増感色素を溶解するのに用いる溶媒は、増感色素を溶解することができ、かつ半導体を溶解したり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はない。
しかしながら、溶媒に溶解している水分および気体が半導体膜に進入して、増感色素の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、予め脱気および蒸留精製しておくことが好ましい。
増感色素の溶解において、好ましく用いられる溶媒はアセトニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒であり、複数の溶媒を混合してもよい。特に好ましくはアセトニトリル、アセトニトリル/メタノール混合溶媒、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンである。
(対向電極)
対向電極は導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられる。絶縁性の物質でも、電荷輸送層に面している側に導電性物質層が設置されていれば、これも使用可能である。
電荷輸送層との接触性が良いことが好ましい。また電荷輸送層との仕事関数の差が小さく、化学的に安定であることが好ましい。このような材料として金、銀、銅、アルミ、白金等の金属薄膜やカーボンブラック、導電性高分子等の有機導電体を用いることも出来る。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
<多孔質層>
二酸化チタンペースト(アナターゼ型、1次平均粒径(顕微鏡観察平均)18nm、ポリエチレングリコール分散)を、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板へスクリーン印刷法(塗布面積5×5mm)により塗布した。塗布後、200℃で10分間及び500℃で15分間焼成を行い、厚さ5μmの二酸化チタン薄膜を得た。
<色素吸着>
色素1をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解し、5×10−4mol/lの溶液を調製した。上記二酸化チタンを塗布焼結したFTOガラス基板を、この溶液に室温で3時間浸漬して色素の吸着処理を行い、半導体電極とした。
<電荷輸送層>
KBM503(信越シリコーン社製)のシランカップリング剤で湿式処理した酸化スズ粒子(平均粒径21nm、CIKナノテック株式会社製)をアセトニトリル溶液にて0.5質量/vol%濃度で超音波分散した後、3,4−ethylenedioxythiophene(EDOT)の二量体であるBis−EDOTと、Li[(CFSON]をそれぞれ1×10−2M、0.1Mになるよう溶解した。その後、前記の色素を担持させた二酸化チタンを有する半導体電極を前記Bis−EDOTと、Li[(CFSON]を溶解したアセトニトリル溶液に浸漬した。作用極を前記の半導体電極、対極を白金線、参照電極をAg/Ag(AgNO 0.01M)、保持電圧を−0.16Vとした。二酸化チタン層方向から光を照射(キセノンランプ使用、光強度22mW/cm、430nm以下の波長をカット)しながら10分間電圧を保持して、bis−EDOTモノマーユニットを含有する導電性高分子のホール輸送層を前記二酸化チタン表面に形成した。得られた二酸化チタン層/EDOTモノマーユニットを含有する導電性高分子の電荷輸送層をアセトニトリルで洗浄、乾燥した。なお、ここで得られたbis−EDOTモノマーユニットを含有する導電性高分子(PEDOT)の電荷輸送層は、溶媒には不溶の重合膜になっている。その後、15mMのLi[(CFSON]、50mMのt−ブチルピリジンを溶解したクロロベンゼン溶液に30分間浸漬した。その後、二酸化チタン層/EDOTモノマーユニットを含有する導電性高分子の電荷輸送層を自然乾燥後、さらに真空蒸着法により金を60nm蒸着し、本発明の太陽電池T−1を得た。
実施例2
電荷輸送層の形成において、同様の表面処理を施した酸化チタン粒子(平均粒形21nm、デグサ社製)を使用した以外は実施例1と同様の方法でセルを形成し、本発明の太陽電池T−2を得た。
実施例3
電荷輸送層の形成において、同様の表面処理をした酸化亜鉛粒子(平均粒形34nm、CIKナノテック株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様の方法でセルを形成し、本発明の太陽電池T−3を得た。
実施例4
電荷輸送層の形成において、同様の表面処理を施したアルミナ粒子(平均粒形31nm、CIKナノテック株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様の方法でセルを形成し、本発明の太陽電池T−4を得た。
実施例5
電荷輸送層の形成において、KBM503(信越シリコーン製)のシランカップリング剤で湿式処理した酸化スズ粒子(平均粒径21nm、CIKナノテック株式会社製)をアセトニトリル溶液にて0.5質量/vol%濃度で超音波分散した後、Bis−EDOTの代わりに化合物1と、Li[(CFSON]をそれぞれ0.2M、0.1Mになるようアセトニトリルに溶解し、スピンコータにて塗布し、20分自然乾燥後、デシケータ中で10分真空乾燥した。その後、真空蒸着法により金を60nm蒸着し、本発明の太陽電池T−5を得た。
実施例6
電荷輸送層の形成において、同様の表面処理を施した二酸化ケイ素粒子(平均粒形25nm、CIKナノテック株式会社製)を使用し、化合物1の代わりに化合物2を使用した以外は実施例5と同様の方法でセルを形成し、本発明の太陽電池T−6を得た。
実施例7〜12
実施例1〜6の各電荷輸送層の形成において、表面処理のない各金属酸化物粒子を用いた以外は同様にして形成し、本発明の太陽電池T−7〜12を得た。
比較例1
電荷輸送層形成において、金属酸化物粒子を使用しない以外は実施例1と同様の方法でセルを作製し、比較例の太陽電池C−1を得た。
比較例2
電荷輸送層形成において、金属酸化物粒子を使用しない以外は実施例5と同様の方法でセルを作製し、比較例の太陽電池C−2を得た。
比較例3
電荷輸送層形成において、金属酸化物粒子を使用しない以外は実施例6と同様の方法でセルを作製し、比較例の太陽電池C−3を得た。
各試料作製に用いた材料を以下に示す。
Figure 2013041758
〔評価方法〕
I−V特性
作製した各太陽電池を、ソーラーシュミレータ(英弘精機製)を用い、AMフィルター(AM−1.5)を通したキセノンランプから100mW/cmの擬似太陽光を照射することにより行った。
即ち、各太陽電池について、I−Vテスターを用いて室温にて電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、および形状因子(F.F.)を求め、これらから光電変換効率(η(%))を求めた。なお、各太陽電池の変換効率(η(%))は下記式(A)に基づいて算出した。
η=100×(Voc×Jsc×F.F.)/P ・・・・(A)
ここで、Pは入射光強度(mW/cm)、Vocは開放電圧(V)、Jscは短絡電流密度(mA/cm)、F.F.は形状因子を表す。
耐久性試験
上記I−V特性を測定した後、セルの陽極側と陰極側をワニ口クリップを用いて短絡し、ソーラーボックス(CO.FO.ME.GRA社製)内にて、100mW/cmのキセノン光を照射し、温度50度下で6時間の劣化処理を行った。
その後、上記、I−V特性測定項と同様に測定を行い、光電変換効率(η(%))を求め、初期光電変換効率に対する比(変換効率低下率)(%)を算出した。
変換効率低下率(%)=100×(初期光電変換効率(%)−劣化処理後の光電変換効率(%))/初期光電変換効率(%)
Figure 2013041758
表1の結果から解るように、本発明の電荷輸送層に金属酸化物粒子を含有する試料は光電変換効率が高く、耐久性に優れることが分かる。また、金属酸化物粒子は表面処理が施されていることが好ましく、電荷輸送層のバインダーとしてPEDOTが好ましい特性を示すことが解る。
1 基板
2 第一電極
3 バリヤ層
4 増感色素
5 半導体
6 光電変換層
7、17 電荷輸送層
8 第二電極
10 太陽電池
15 金属酸化物粒子
16 電荷輸送物質または該モノマー

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に、色素増感された半導体電極、電荷輸送層および対向電極を有する太陽電池において、該電荷輸送層に金属酸化物粒子を含有することを特徴とする太陽電池。
  2. 前記金属酸化物粒子が少なくとも表面処理されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記表面処理がシランカップリング剤による処理であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池。
  4. 前記金属酸化物粒子が酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、または酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の太陽電池。
  5. 前記電荷輸送層がポリチオフェン誘導体からなる導電性高分子を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の太陽電池。
  6. 前記導電性高分子がポリチオフェン誘導体を電界重合して得られものであることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池。
  7. 前記電解重合が光電解重合であることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の太陽電池を製造する太陽電池製造方法において、導電性支持体上に色素増感された半導体層を形成する工程、電荷輸送層を形成する工程、対向電極を形成する工程を有し、前記電荷輸送層を形成する工程に、金属酸化物と電荷輸送層を形成するモノマーを含有する塗布液を塗布した後、重合反応により固体電荷輸送層を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池製造方法。
  9. 前記重合反応が電解重合であることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池製造方法。
  10. 前記電解重合が光電解重合であることを特徴とする請求項9に記載の太陽電池製造方法。
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