JP2013039077A - 食中毒原因大腸菌検出用プライマー及び検出用キット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、食中毒原因大腸菌をLAMP法で検出する方法及び当該方法に使用されるプライマーセット並びにキット等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌をLAMP法で検出するためのプライマーセットであって、配列番号:14、50、65及び89で表される塩基配列からなる4つのオリゴヌクレオチドのセットを含むプライマーセット等を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インチミンをコードするeae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌を、環状型等温増幅反応(Loop-Mediated Isothermal Amplication:以下「LAMP」という。)法で検出する方法や、当該方法に用いるためのプライマーセット等に関する。
食中毒の原因となる病原大腸菌はいくつかのカテゴリーに分類されているが、そのうち出血性大腸炎の患者から分離される腸管出血性大腸菌(enterohaemorrhagic Escherichia coli、以下「EHEC」という)は、食中毒の主要な原因菌であることから病原性の面で非常に重要な菌種である。EHECは、一部の赤痢菌が産生するシガ毒素と呼ばれる毒素に加えて、ヒトや宿主動物の腸管に接着するためのインチミンと呼ばれるタンパク質を主要な病原因子として保有する(非特許文献1)。
インチミン分子は、eaeと呼ばれる遺伝子にコードされている。EHECは、宿主動物の腸管において、eae遺伝子近傍にある別の遺伝子から発現されるTir(translocated intimin receptor)と呼ばれる別なタンパク質を、III型分泌装置と呼ばれる菌の分泌機構によって宿主細胞中に注入する。Tirは、宿主細胞の細胞内側から細胞表層に移動し、インチミン受容体として機能する。
インチミンは、その938アミノ酸中、N末端領域がβ−バレルと呼ばれる樽状構造を呈し、この領域がインチミンの2量体を構成するとともに菌の外膜に突き刺さった状態で、C末端側280アミノ酸領域を菌体外に突出する状態をとる。このC末端側280アミノ酸領域がTir分子に結合する機能を有する。こうして、EHECは、宿主細胞表面の受容体に加えてこのTirとの結合によって細胞に強く接着し、固定された状態で上述のシガ毒素を産生する(非特許文献1)。
シガ毒素は、1分子のAサブユニットと5分子のBサブユニットからなるいわゆるAB型毒素である。AサブユニットはRNA-N-グリコシダーゼ活性を持つ触媒サブユニットであり、この活性によって60Sリボゾームを失活させ、細胞のタンパク質合成阻害をもたらす。Bサブユニットは細胞表面の糖脂質であるGb3を受容体とした細胞結合ユニットである。これらにより、腸管上皮細胞や血管内皮細胞のタンパク質合成阻害が起こり、結果として、その細胞を死滅させる細胞毒活性および腸管上皮細胞の死滅による腸管内への液体貯留を呈する腸管毒活性を示す(非特許文献2)。
一方、インチミンは、菌と腸管上皮細胞との接着を密および強固にし、さらに菌の増殖も加わって、そこで毒素が持続的に産生される状態を作り出しており、その結果、腸管上皮細胞の微絨毛が消失した病変が観察される。
EHECは血清型によりさらにいくつかに分類され、食中毒の原因として最も多いのがO157で、この他にO26, O111, O103, O145などが多く確認されている。
EHECの主な生息場所は、哺乳動物や鳥類の腸管内とされており、牛、羊、山羊、豚、鶏、猫、犬などから分離された他、井戸水、河川泥、昆虫(ハエ)などからも分離された。食品の汚染源としては、と畜場における家畜の解体と食肉加工工程において、腸管内容物からの食肉ならびに内臓肉への汚染が主要なものとされているが、調理過程に至るまでの衛生管理や食肉ならびに内臓肉の保存状態も汚染を拡大させる要因となる(非特許文献1)。
EHECは、グラム陰性の通性嫌気性菌で芽胞をもたない中桿菌である。従来、EHECを同定するためには、マッコンキー培地、デゾキシコーレート培地、DHL寒天培地などの選択分離培地に発育する菌に対して、ブドウ糖発酵による酸とガスの産生、インドール産生試験、メチルレッド試験、Voges-Proskauer試験、クエン酸塩利用試験、硫化水素産生試験、運動性リジン脱炭酸酵素試験、乳糖ならびにマンニット発酵試験などの生化学性状試験を行いEscherichia属であることを判定したのちに、O、K、ならびにH血清型を決定している。さらに、イミュノクロマト法あるいは逆受け身ラテックス凝集反応によるシガ毒素産生試験を行い判定している。これらの原理に基づいて、分離培養用の培地とイミュノクロマト法を組み合わせたO157検出キット、O157およびO26検出キットなども市販されている(非特許文献1)。
しかしながら、このように増菌や分離培養などを経て各種生化学試験などを行う手法は、結果を得るまでに時間を要する。そのため、遺伝子を用いた試験法が注目されており、例えば、EHECに特異的な遺伝子領域(例えばO157などについてはVT、VT1、又はVT2)を増幅し、確認するPCR(Polymerase Chain Reaction)法が広く用いられている(非特許文献3)。
一方、EHECとは別なカテゴリーに属する腸管病原性大腸菌(enterophathogenic Eshcherichia coli、以下「EPEC」という。)と呼ばれる一群も、シガ毒素を保有しないが、同様なインチミンを保有し、特徴的な腸管接着性微絨毛消失性の病変を呈する(非特許文献1)。
また、eae遺伝子の存在に関係なく、シガ毒素を産生する一群の菌をシガ毒素産生性大腸菌(Shiga-toxin-producing Escherichia coli、以下「STEC」という。)と呼ぶが、現在ではEHECとSTECの区別は明確ではない。
EHECや、STECのうちeae遺伝子を有するものも、EHECと同様にインチミンを介して宿主細胞に強く結合して毒性を発揮するので、インチミン又はeae遺伝子を検出すれば、同様の作用機序で食中毒を引き起こす大腸菌をまとめて検出することが可能である。
しかしながら、インチミンは、アミノ酸残基数938からなる分子量約94,000の外膜タンパク質であり、C末端側280アミノ酸領域には、顕著なアミノ酸配列の多様性がある。現在までに少なくとも10種類のタイプ(α、β、γ、など)に型別されているが、それぞれの型の中にもさらに配列の多様性が見られ、それぞれ亜型(α1,α2,など)に分類される(非特許文献4および非特許文献5)。したがって、抗体を使ったイミュノクロマト法など免疫学的検出法で検出するのは困難である。
そこで、eae遺伝子をPCR法で検出することが考えられるが、PCR法を用いた細菌の検出法は反応を行うために特別な機器と熟練した手技を必要とされる。また、最終判定方法のひとつであるアガロースゲル電気泳動法、タンパク質蛍光標識、検出などに多大な時間と労力を要する。さらに、eae遺伝子の存在を確認するPCR法は、研究用に報告されているものの、市販キットがないことから、一般の試験では行われていない。
ところで、近年、新しい遺伝子増幅法の一つとしてLAMP反応を利用する方法が開発された(特許文献1、非特許文献6、非特許文献7)。この方法は、等温核酸増幅法であり、高い特異性および増幅効率を有し、反応から検出まで1時間程度で行うことができる。
LAMP法は、標的核酸の6つの領域の配列に基づいて4つのプライマー(一般にForward Inner Primer(FIP)、Backward Inner Primer(BIP)、F3およびB3と称する)を用意し、鎖置換反応を利用して等温で核酸を増幅する手法である。
まず、標的DNAについて、3'末端側からF3c、F2c、F1cという3つの領域を、標的DNAの5'末端側に向かってB1、B2、B3という領域をそれぞれ規定し、この6領域に対し、4種類のプライマー、すなわちFIP、F3、BIPおよびB3を設計する。ここで、F3c、F2c、F1cの各領域に相補的な領域はそれぞれF3、F2、F1と呼び、またB1、B2、B3の各領域に相補的な領域はそれぞれB1c、B2c、B3cと呼ぶ。
FIPは、標的DNAのF2c領域と相補的なF2領域を3’末端側にもち、5’末端側に標的DNAのF1c領域と同じ配列をもつように設計されたプライマーである。
F3は、標的DNAのF3c領域と相補的なF3領域をもつように設計されたプライマーである。
BIPは、標的DNAのB2c領域と相補的なB2領域を3’末端側にもち、5’末端側に標的遺伝子のB1c領域と同じ配列をもつように設計されたプライマーである。
B3は、標的DNAのB3c領域と相補的なB3領域をもつように設計されたプライマーである。
FIPおよびBIPに制限酵素部位を導入すると、反応後に増幅産物を制限酵素で処理することによって、電気泳動後に1つのバンドとして観察することができる。なお、標的DNAに制限酵素部位があれば、プライマーに人為的に制限酵素部位を導入しなくても同様の効果が得られる。
標的DNAを、4つのプライマー、鎖置換型DNAポリメラーゼ、及び基質(dNTPs)と反応バッファー中で反応させることにより、等温(約60〜65℃)で、極めて高い増幅効率及び極めて高い特異性をもって増幅される。鎖置換型DNAポリメラーゼは、PCR法で用いられる耐熱性DNAポリメラーゼに比較して安価である。また、鎖置換型DNAポリメラーゼは、鋳型DNAの二本鎖をほどきながらDNA合成を行うので、LAMP法ではPCR法のように熱変性によって二本鎖DNAを一本鎖DNAにする必要がない。
増幅反応の副産物としてピロリン酸マグネシウムが生成されるので、反応バッファーの白濁を目視で確認することにより、標的遺伝子の有無を判定することもできる。
さらに、B1領域とB2領域の間、又はF1領域とF2領域の間に相補的な配列をもつループプライマー(それぞれLBプライマー、LFプライマーと称する。)を用いることにより、DNA合成の起点を増やして増幅効率を上昇させることができる。
以上は、標的がDNAである場合について記載したが、標的がRNAである場合は、反応バッファーに逆転写酵素を加えることでDNAと同様に増幅反応を行うことができる(以上、非特許文献7)。
LAMP法が成功するか否かは、プライマーの設計による。プライマー設計においては、プライマー間距離、各プライマー領域のTm値、各プライマー領域の末端安定性、GC含量、二次構造等が重要であり、これを設計するための設計支援ソフトも存在するものの、ソフトで設計したプライマーが高効率且つ高特異的に標的核酸を増幅するとは限らない。特に、LAMP法を微生物の検出等に用いる場合には、まず最適な標的配列を特定し、その配列を特異的に増幅できるプライマーを作製しなければならない。
これまで、食中毒原因大腸菌のeae遺伝子を特異的にLAMP法で検出するための標的配列及びプライマーは見出されていなかった。
特開2002−330796号公報
食品安全の辞典 2009. 日本食品衛生学会編 II-1.2.5-6. p. 114-122、朝倉書店 日本細菌学雑誌 2010. Vol. 65, No. 2, 3, 4. 297-308. Journal of Clinical Microbiology 2004. Vol. 42. No. 2, 645-651. Infection and Immunity 2000. Vol.68 No.1 64-71. Infection and Immunity 2005. Vol.73 No.1 18-29. Notomi, T. et al., Nucleic Acids research, 2000, 28(12), e63 牛久保宏「LAMP法の原理−遺伝子の簡易・迅速な増幅法−」ウイルス第54巻第1号, p. 107-112, 2004
本発明は、食中毒原因大腸菌をLAMP法で検出する方法及び当該方法に使用されるプライマーセット並びにキット等を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌を特異的に検出するのに必要なeae遺伝子上の領域を特定し、当該領域をLAMP法により増幅できるプライマーを設計し、これを合成して実際に当該領域を特異的に増幅できることを確認して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌をLAMP法で検出するためのプライマーセットであって、以下の(a)〜(d)のいずれかのオリゴヌクレオチドのセットを含む、プライマーセット:
(a)それぞれ配列番号:14、50、65及び89で表される塩基配列からなる4つのオリゴヌクレオチドのセット;
(b)(a)の4つのオリゴヌクレオチドのそれぞれの相補鎖である4つのオリゴヌクレオチドのセット;
(c)(a)又は(b)に記載の4つオリゴヌクレオチドとそれぞれストリンジェントな条件でハイブリダイズする4つのオリゴヌクレオチドのセット;及び
(d)(a)〜(c)のいずれかのオリゴヌクレオチドのセットに含まれるオリゴヌクレオチドの少なくとも1つにおいて1から数個の塩基が欠失、付加又は置換され、且つLAMP法用プライマーセットとして機能するオリゴヌクレオチドのセット;
〔2〕さらに、(e)〜(h)のいずれかのオリゴヌクレオチドを含む、上記〔1〕に記載のプライマーセット:
(e)配列番号:99で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;
(f)(e)のオリゴヌクレオチドの相補鎖であるオリゴヌクレオチド;及び
(g)(e)又は(f)に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするオリゴヌクレオチド;及び
(h)(e)〜(g)のいずれかのオリゴヌクレオチドにおいて1から数個の塩基が欠失、付加又は置換され、且つLAMP法用プライマーとして機能するオリゴヌクレオチド;
〔3〕前記食中毒原因大腸菌が、腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)、及び視が毒素産生性大腸菌(STEC)からなる群より選択されるいずれかの大腸菌である、上記〔1〕または〔2〕に記載のプライマーセット;
〔4〕上記〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載のプライマーセットを含む、eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌の検出用キット;
〔5〕eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌を検出する方法であって、
試料中の核酸を抽出する工程と、
LAMP法により、GenBankのAccession No.AF530557の642位から877位に含まれる領域を検出する工程と、
を含む方法;及び
〔6〕前記LAMP法において上記〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載のプライマーセットを使用する、上記〔5〕に記載の方法
に関する。
本発明によれば、LAMP法を利用して、インチミンをコードするeae遺伝子を有する大腸菌を特異的に、即ち他の大腸菌や他の属の腸内細菌と区別して、簡便且つ迅速に検出することができる。本発明は、各種食品検体、環境検体、臨床検体などにおける食中毒原因大腸菌による汚染の検出に有用である。
図1は、本発明のプライマーセット(プライマーセット32、LBプライマーなし)を使用して、高濃度の検体液を用いてLAMP法によりeae遺伝子を検出した結果を示す。 図2は、比較例のプライマーセット(プライマーセット25、LBプライマーなし)を使用して、高濃度の検体液を用いてLAMP法によりeae遺伝子を検出した結果を示す。 図3は、本発明のプライマーセット(プライマーセット32、LBプライマーあり)を使用して、高濃度の検体液を用いてLAMP法によりeae遺伝子を検出した結果(上段)、及び、比較例のプライマーセット(プライマーセット25、LBプライマーあり)を使用して、高濃度の検体液を用いてLAMP法によりeae遺伝子を検出した結果(下段)を示す。 図4は、本発明のプライマーセット(プライマーセット32、LBプライマーあり)を使用して、高濃度の検体液を用いてLAMP法によりeae遺伝子を検出した結果を示す。 図5は、本発明のプライマーセット(プライマーセット32、LBプライマーあり)を使用して、低濃度の検体液を用いてLAMP法によりeae遺伝子を検出した結果を示す。
本発明に係るプライマーセットは、eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌をLAMP法で検出するためのセットである。
本発明者は、国際的な遺伝子データベース(GenBank、EMBL及びDDBJ)を使用して、eae遺伝子の塩基配列をすべて収集し、1塩基でも異なるものは別の配列として整理したところ、全部で83通りの配列を得た。このeae遺伝子の塩基配列は、例えばGenBankのデータベースなどから入手可能であり、AF530555、AF530557、AJ579305などの登録番号を有している。これらを比較して、配列が互いに100%保存されている領域と95%以上保存されている領域を特定した。これらの領域のうち、約250塩基長の領域で、且つその5分の4以上が100%保存されており、残りの5分の1が95%以上保存されている領域を特定した。このような領域は複数箇所特定できたが、それらから特異的な配列を特定し、LAMPプライマーを設計した。
本発明者は、eae遺伝子の塩基配列に基づいて、インチミンをコードする領域(例えば登録番号AF530557の642〜877番目等)を標的としてプライマーの設計を行った。
プライマーの設計にあたっては上記塩基配列を標的に、各領域のTm値が約58〜65℃になる部分を選択し、またF2〜B2領域間が120bp程度になるようにした。LAMPプライマーの設計の上でポイントとなるこれら幾つかの条件を満たす領域を絞り込みeae遺伝子検出用プライマーを設定した。
設計したプライマー33種類を合成し、実際に種々の大腸菌株を用いてLAMP法による増幅を行ったところ、配列番号:14、50、65及び89で表される塩基配列からなるプライマーのセットを用いると、インチミンを有する大腸菌からは必ず増幅酸物が得られ、インチミンを有しない大腸菌及び他の腸内細菌は増幅酸物が得られないことを確認した。
本発明のプライマーセットの第一の態様は、下表に示されるプライマーを含む。
このプライマーセットは、GenBank登録番号AF530557において642位〜877位の領域を標的として設計されたものである。このプライマーセットが増幅する領域は、GenBankなどで入手可能な他の細菌種の塩基配列と比較し相同性を示さない部分であることが確認された。
本発明のプライマーセットは、上述した第一の態様における各オリゴヌクレオチドの相補鎖を含むものであってもよい。
例えば、配列番号:14、50、65及び89で表される塩基配列と相補的な配列からなる4つのオリゴヌクレオチドを含むセットも、GenBank登録番号AF530557において642位〜877位の領域を特異的に検出することができる。
また、本発明のプライマーセットは、上述した第一の態様における各オリゴヌクレオチドと、それぞれストリンジェントな条件でハイブリダイズする4つのオリゴヌクレオチドを含むものであってもよい。
ここで、ストリンジェントな条件とは、例えば、5%Denhardt's Solution(0.1%Ficoll(Pharmacia社)、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%ウシ血清アルブミンを含む)と、0.5%SDSと、100μg/mlサケ精子DNAを含む6×SSC溶液(1×SSCは0.15M NaCl、15mM クエン酸ナトリウム)中において65℃で洗浄する条件をいう。ストリンジェンシーは塩濃度(イオン強度)、温度等によって制御することができ、ストリンジェンシーがより高い条件、即ち塩濃度がより低く、温度がより高い条件では、相同性が十分に高いDNAのみがハイブリダイズする。従って、かかる条件下で、上記第一の態様における各オリゴヌクレオチドと、それぞれストリンジェントな条件でハイブリダイズする4つのオリゴヌクレオチドは、第一の態様におけるプライマーセットと同様に、LAMP法のプライマーとして機能する。当業者であれば、温度や塩濃度を調整することによって、ストリンジェントな条件を適宜選択することができる。
また、本発明のプライマーセットは、上述した第一の態様における各オリゴヌクレオチドの少なくとも1つにおいて、1から数個の塩基が欠失、付加又は置換され、LAMP法用プライマーセットとして機能するオリゴヌクレオチドのセットであってもよい。
1から数個とは、例えば、1個、2個、3個、4個、又は5個から選択することができ、欠失、付加又は置換される部位は、オリゴヌクレオチドの5'末端又は3'末端でもよいし、末端以外の部分であってもよい。
各プライマーに、例えば、制限酵素部位を導入してもよい。制限酵素部位を導入すると、LAMP法の反応後に増幅産物を制限酵素で処理することによって、電気泳動後に1つのバンドとして検出することができる。
本明細書においてeae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌は、その程度を問わず食中毒を引き起こす大腸菌であってeae遺伝子を有するものであれば特に限定されないが、例えば、O157、O26、O111、O103、O145、MN157(Journal of Veterinary Medical Sciences 62(11):1151-1155, 2000.)、A29、B31などが挙げられる。
上記第一の態様のプライマーセットは、さらに、以下の(i)〜(iv)のいずれかを含んでいてもよい。
(i)配列番号:99で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;
(ii)(i)のオリゴヌクレオチドの相補鎖であるオリゴヌクレオチド;
(iii)(i)又は(ii)に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするオリゴヌクレオチド;及び
(iv)(i)〜(iii)のいずれかのオリゴヌクレオチドにおいて1から数個の塩基が欠失、付加又は置換され、且つLAMP法用プライマーとして機能するオリゴヌクレオチド。
配列番号:99で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは、LAMP法において、ループプライマーであるLBプライマーとして機能する。ループプライマーとは、LAMP法において、ダンベル構造の5'末端側のループの1本鎖部分(B1領域とB2領域の間、またはF1領域とF2領域の間)に相補的な配列を有するプライマーである。
LAMP法は、FIP、BIP、F3、B3の4つのプライマーで実施することができるが、ループプライマーを用いることにより、DNA合成の起点を増やして増幅効率を上昇させることが可能である。
かかるLBプライマーの相補鎖であるオリゴヌクレオチド(ii)、オリゴヌクレオチド(i)又は(ii)とストリンジェントな条件でハイブリダイズするオリゴヌクレオチド(iii)、(i)〜(iii)のオリゴヌクレオチドにおいて1から数個の塩基が欠失、付加又は置換され、且つLAMP法用プライマーとして機能するオリゴヌクレオチド(iv)も、LBプライマーとして機能する。
本発明のプライマーセットは、さらに、ループプライマーであるLFプライマーを含んでいてもよい。
(キット)
本明細書において、食中毒原因大腸菌の検出用キットは、本発明に係るプライマーセットを含み、eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌の検出に適している。かかるキットは、例えば、プライマーセットのほか、反応溶液、鎖置換型DNAポリメラーゼ、蒸留水、陽性コントロール、陰性コンロトール、取扱説明書等を含んでいてもよい。さらに、試料から核酸を抽出するための試薬や器具、各種反応用チューブ、チップ等を備えていてもよい。
また、食品中の腸管出血性大腸菌を培養して測定する場合には、増菌用培地を備えていてもよい。
かかるキットを用いれば、例えば、反応チューブに試料を添加して、LAMP用のリアルタイム濁度測定装置にセットすることにより、増幅及び増幅産物の検出を効率よく行うことができる。
(検出方法)
本明細書において、eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌を検出する方法は、試料中の核酸を抽出する工程と、LAMP法により、eae遺伝子のうち、GenBank登録番号AF530557における642位〜877位に含まれる領域を検出する工程と、を含む。
試料は、例えば、食肉、野菜、果物、乳製品、魚介類等の各種食品検体、土壌、河川・湖沼の水等の環境検体、ヒト、ウシ、ウマ等の動物由来の組織、糞便等の検体とすることができる。
これらの試料から核酸を抽出する工程は、公知の方法又はそれに準ずる方法で行うことができるが、例えば、DNAをアルカリ熱抽出する方法で行うことができる。この場合、例えば、試料をアルカリ溶液中で加熱し、遠心処理を行った後、上清をLAMP法に使用する。LAMP法に供する前に核酸の濃縮を行ってもよい。
核酸の抽出は、LysozymeやProteinase Kなどによって菌体を処理してから加熱する方法で行ってもよい。さらに、フェノール/クロロホルム処理、エタノール沈殿や遠心処理によりさらなる精製を行ってもよい。
また、核酸抽出に先立って、増菌培養、菌の濃縮、分離等を行ってもよい。具体的には寒天培地上で増菌培養し、形成されたコロニーからDNAを抽出する。菌の濃縮、分離は、ろ過、遠心分離などを用いた公知の方法に従って行うことができる。
LAMP法により、GenBank登録番号AF530557における642位〜877位に含まれる領域で示される領域を検出する工程は、上記上清と、プライマーセット、鎖置換型DNAポリメラーゼ、基質(dNTPs)、反応バッファーを混合し、反応させることによって行うことができる。核酸がRNAの場合は、さらに逆転写酵素を加えることにより、反応をone potで行うことができる。
GenBank登録番号AF530557における642位〜877位に含まれる領域とは、642位〜877位の領域のみならず、この間に含まれる任意の領域を意味するが、例えば、642位〜877位のうち連続した180塩基以上の領域や、連続した200塩基以上の領域等を選択することができる。
反応は、例えば、65℃で60分とすることができ、その後、温度を上げるなどの方法により酵素を失活させる。65℃、60分の反応を行うことにより、109〜1010倍に核酸を増幅することが可能である。
LAMP反応試薬は、例えば、栄研化学社から市販されているLoopamp DNA増幅試薬キット(但し、プライマーセットを除く)を使用してもよい。この場合、反応液の例は次のとおりである。
2倍濃度反応用緩衝液:40mM Tris-HCl(pH8.8)、20mM KCl、20mM(NH4)2SO4、16mM MgSO4、0.2% Tween20、1.6M Betaine;
各終濃度2.8mMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP;
DNAポリメラーゼ:Bst DNA Polymerase 8 units/μl;
本発明の各プライマー(終濃度):FIPおよびBIP各40μM、F3およびB3各5μM、LB 20μM。
LAMP反応液としては、例えば、滅菌蒸留水を4.5μl、2倍濃度反応用緩衝液を12.5μl、FIP、BIP、F3、 B3、LBの各プライマーを1μl加え、DNAポリメラーゼ1μl、検体液(鋳型DNA)2μlを加え、全量25μlとする。
あるいは、市販のDNAポリメラーゼ(例えば、New England BioLab社のBst DNA polymerase Large fragment)を使用し、これに添付されている反応用緩衝液(10倍濃度)を用いてもよい。この場合、反応液の例は次のとおりである。
10倍濃度反応用緩衝液:200mM Tris-HCl(pH8.8)、100mM KCl、100mM (NH4)2SO4、2mM MgSO4、1% Triton X-100;50mM MgSO4;
各終濃度25mMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP(例えばニッポンジーン社製 dNTPs Mixture (25mM each));
5M Betaine (例えばSigma社製);
DNAポリメラーゼ:Bst DNA polymerase Large fragment 8units/μl;
本発明の各プライマー(終濃度):FIPおよびBIP各40μM、F3およびB3各5μM、LB 20μM。
この場合、LAMP反応液としては、例えば、滅菌蒸留水を2.1μl、10倍濃度反応用緩衝液を2.5μl、MgSO4 を3.0μl、Betaineを8.0μl、dNTPs Mixtureを1.4μl、FIP、BIP、F3、B3、LBの各プライマーを1μl加え、DNAポリメラーゼ1μl、検体液(鋳型DNA)2μlを加え、全量25μlとする。
試料中に標的配列があれば、即ち、eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌が含まれていれば、増幅反応の副産物として、ピロリン酸マグネシウムにより白濁を生じる。従って、反応液の濁度の上昇を確認することにより、試料中にeae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌が含まれていたかどうかを確認することができる。濁度の上昇は、目視により確認してもよいし、専用の濁度測定装置を使用して測定してもよい。必要に応じて、アガロースゲル電気泳動法などを利用してDNA断片の有無を検出してもよい。
陽性コントロール及び/又は陰性コントロールを使用し、コントロールの濁度の変化と、試料の濁度の変化とを比較することにより、反応が適切に進行したかどうかを確認し、検査の精度を上げることができる。
上記検出方法には、本発明のプライマーセットを用いてもよい。本発明のプライマーセットによれば、eae遺伝子を特異的に検出し、食中毒原因大腸菌の有無を精度よく確認することができる。
本明細書において引用されるすべての特許文献及び非特許文献の開示は、全体として本明細書に参照により組み込まれる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。当業者は、本発明の意義を逸脱することなく様々な態様に本発明を変更することができ、かかる変更も本発明の範囲に含まれる。
1)プライマーの設計
EHEC、STEC、及びEPECのeae遺伝子と他の大腸菌の塩基配列とを比較し、eae遺伝子に特異的なLAMPプライマーを設計した。設計したプライマーセットにおけるプライマーの配列は以下のとおりである。プライマーは、HPLCで精製したものを用いた。
各プライマーセットについてのF2、F1c、B1c、B2、F3、B3の各部位(position)を下表に示す。positionはGenBankのAccession No. 530557に対応する塩基の位置で表されている。バリエーションのある他の配列ともマッチさせるため、AF530557とは完全にマッチしていない部分を含むプライマーも含まれている。
2)LAMP反応
LAMP反応に用いる各試薬の濃度の内容は次のとおりであるが、LAMP反応試薬は栄研化学社製のLoopamp DNA増幅試薬キットを用い、栄研化学社のDNA増幅試薬キットLMP204の添付説明書に従って実験を行った。
2倍濃度反応用緩衝液:40mM Tris-HCl(pH8.8)、20mM KCl、20mM (NH42SO4、16mM MgSO4、0.2% Tween20、1.6M Betaine。
各終濃度2.8mMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP。
DNAポリメラーゼ:Bst DNA Polymerase 8 units/μl。
プライマー(終濃度):FIP、BIP 各40μM、F3、B3 各5μM、LB 各20μM。
LAMP反応液は、滅菌蒸留水を4.5μl、2倍濃度反応用緩衝液を12.5μl、FIP、BIP、F3、B3、LBの各プライマーを1μl加え、DNAポリメラーゼ1μl、検体液(鋳型DNA)2μlを加え、全量25μlの反応液を調製した。
検体液(鋳型DNA)の調整は以下のとおりに行った。まず、Luria-Bertani (LB) 寒天培地(Trypton 10g, Yeast extract 5g, NaCl 5g, Agar 15gを蒸留水1リットルに溶解し滅菌したものをシャーレに流し込んで作製した平板培地)で37℃1夜培養した大腸菌を白金耳で掻き取り、500μlのsaline-EDTA溶液(0.15M NaCl, 0.1M Sodium EDTA, pH8.0)に懸濁し、25μlの20% SDS溶液を加えて、60℃で10分加温し溶菌させた。これに500μlのフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)(PCI)を加えて激しく攪拌し、タンパク質を変性させた。これを8,000rpm, 10分遠心し、上清を回収した。このPCI添加・攪拌・遠心を少なくとも3回繰り返し、得られた上清に99%エタノールを2.5倍量加えて、混和した。エタノールによって沈殿したDNAの沈渣を残して、上清を捨てた。この沈渣を70%エタノールで少なくとも3回濯ぎ、最後に99%エタノールの濯ぎを行って、上清をできる限り除いた。得られた沈渣を、100μlの蒸留水に溶解して、検体原液とした。これを蒸留水で希釈したものを検体液(鋳型DNA)とした。
大腸菌としては、eae遺伝子を保有するEHEC11株(O157A、O157B、87-1、MN157、4-2、1-1、17-2、54-1、A29、B31及び14-5)を用い、コントロールとして、eae遺伝子を保有しないSTECを7株(9-1、13-4、sample E、18-1、FU-1、MC-1、KR-1、IW-1、34-105)を用いた。
これらの菌株は、いずれも本発明者の研究室で保存されている株であり、O157A、O157B(いずれも本発明者の研究室で使用している名前)、A29及びB31は、実際に食中毒の原因となった株である。87-1、4-2、1-1、17-2、54-1、14-5は、健康な牛の糞便から単離し、stx遺伝子とeae遺伝子を保有することを確認している。
また、コントロールで用いた株のうち、9-1、13-4、18-1は、健康な牛の糞便から単離し、stx遺伝子を保有するが、eae遺伝子を保有しないことを確認している。sample E及び34-105は、食肉の検査で牛肉表面から分離された株であり、stx遺伝子を保有するが、eae遺伝子を保有しないことを確認している。FU-1、MC-1、KR-1、IW-1は、浮腫病と呼ばれる豚の大腸菌症を発症した豚から分離された株であり、浮腫病の株に特異的なシガ毒素遺伝子stx-eを保有するが、eae遺伝子を保有しないことを確認している。
LAMP反応は、株式会社富士通システムソリューションズが販売するリアルタイム濁度測定装置Realoop-30を用いて行った。65℃の等温反応を60分間行い、その後80℃、2分間の酵素失活処理を行った。
濁度測定装置は、LAMP反応の副産物であるピロリン酸マグネシウムによる白濁を経時的に観察することが可能で、濁度が上昇するものをeae遺伝子について陽性(+)、濁度の上昇が認められないものを陰性(−)とした。
3)結果
プライマーセット32及び25を用いた結果を図1−5、及び以下の表に示した。
図1〜3及び5の各レーンは以下のとおりである。
図4の各レーンは以下のとおりである。
図1〜4は、ネガティブコントロールで非特異的反応が生じないことを確認するために上述の検体原液を100倍に希釈した高濃度の検体液を用いた結果である。
プライマーセット32は、LBを加えない場合(図1)も加えた場合も(図3上段及び図4)、eae遺伝子を保有するEHECのみに、増幅反応の副産物であるピロリン酸マグネシウムの白濁が観察され、eae遺伝子を保有しないSTECでは白濁を生じなかった。
プライマーセット25は、eae遺伝子を保有しないSTECでは白濁を生じなかったが、eae遺伝子を保有するSTECについて白濁が明瞭でないものが存在した(図2)。特にLBを加えた場合に白濁が十分に生じない傾向が見られた(図3下段)。
なお、他のプライマーセットは、偽陽性、偽陰性が多く見られ、eae遺伝子を特異的に検出するのに適していなかった。
図5は、プライマーセット32について、上述の検体原液を10,000倍に希釈した検体液を用いた結果である。プライマーセット32を用いれば、濃度の薄いDNAサンプルを用いた場合でも、eae遺伝子を保有する株について明瞭に白濁を生じることが確認できた。
確認のため、EHEC、STEC及びEPECのeae遺伝子検出法の一つであるPCR法(Journal of Clinical Microbiology 2004. Vol. 42. No. 2 645-651.)による検出を行った。結果を下表に示す。PCR法による検出の結果は、LAMP法による結果と完全に一致した。このことは、本発明による検査が正しい結果を与えることを示している。
上表に示されるように、本発明に係るプライマーセットを使用してLAMP法を実施することにより、eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌を特異的に、1時間以内に確認することができた。
配列番号1〜26及び101は、FIPプライマーのDNA配列を示す。
配列番号27〜50は、BIPプライマーのDNA配列を示す。
配列番号51〜69、100及び102〜104は、F3プライマーのDNA配列を示す。
配列番号70〜89及び105は、B3プライマーのDNA配列を示す。
配列番号90〜93は、LFプライマーのDNA配列を示す。
配列番号94〜99は、LBプライマーのDNA配列を示す。

Claims (6)

  1. eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌をLAMP法で検出するためのプライマーセットであって、以下の(a)〜(d)のいずれかのオリゴヌクレオチドのセットを含む、プライマーセット:
    (a)それぞれ配列番号:14、50、65及び89で表される塩基配列からなる4つのオリゴヌクレオチドのセット;
    (b)(a)の4つのオリゴヌクレオチドのそれぞれの相補鎖である4つのオリゴヌクレオチドのセット;
    (c)(a)又は(b)に記載の4つオリゴヌクレオチドとそれぞれストリンジェントな条件でハイブリダイズする4つのオリゴヌクレオチドのセット;及び
    (d)(a)〜(c)のいずれかのオリゴヌクレオチドのセットに含まれるオリゴヌクレオチドの少なくとも1つにおいて1から数個の塩基が欠失、付加又は置換され、且つLAMP法用プライマーセットとして機能するオリゴヌクレオチドのセット。
  2. さらに、(e)〜(h)のいずれかのオリゴヌクレオチドを含む、請求項1に記載のプライマーセット:
    (e)配列番号:99で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;
    (f)(e)のオリゴヌクレオチドの相補鎖であるオリゴヌクレオチド;及び
    (g)(e)又は(f)に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするオリゴヌクレオチド;及び
    (h)(e)〜(g)のいずれかのオリゴヌクレオチドにおいて1から数個の塩基が欠失、付加又は置換され、且つLAMP法用プライマーとして機能するオリゴヌクレオチド。
  3. 前記食中毒原因大腸菌が、腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)、及び視が毒素産生性大腸菌(STEC)からなる群より選択されるいずれかの大腸菌である、請求項1または2に記載のプライマーセット。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のプライマーセットを含む、eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌の検出用キット。
  5. eae遺伝子を有する食中毒原因大腸菌を検出する方法であって、
    試料中の核酸を抽出する工程と、
    LAMP法により、GenBankのAccession No.AF530557の642位から877位に含まれる領域を検出する工程と、
    を含む方法。
  6. 前記LAMP法において請求項1から3のいずれか1項に記載のプライマーセットを使用する、請求項5に記載の方法。
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