図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置100の構成を示す分解斜視図である。液晶表示装置100は、液晶パネル2と、拡散板3と、発光装置11、プリント基板12、およびフレーム部材13を含み、本発明に係る照明装置であるバックライトユニット1とを備える。図2は、液晶パネル2側から発光装置11を平面視したときの図である。図3−1および図3−2は、液晶表示装置100の断面の一部を示す図であり、図2に示す切断面線A−Aが図3−1に対応し、図2に示す切断面線B−Bが図3−2に対応する。
本発明に係る表示装置である液晶表示装置100は、テレビジョンまたはパーソナルコンピュータなどにおいて、画像情報を出力することによって画像を表示画面に表示する装置である。表示画面は、液晶素子を有する透過型の表示パネルである液晶パネル2によって形成され、液晶パネル2は、矩形平板状に形成される。図3−1および図3−2に示すように、液晶パネル2において、厚み方向の2つの面を、前面21および背面22とする。液晶表示装置100は、画像を、前面21から背面22に向かう方向に見て視認可能に表示する。
液晶パネル2は、バックライトユニット1が備えるフレーム部材13の底部13aの底面13aaと平行に、側壁部13bにより支持される。液晶パネル2は、2枚の基板を含み、厚み方向から見て長方形の板状に形成される。液晶パネル2は、TFT(thin film transistor)等のスイッチング素子を含み、2枚の基板の隙間には液晶が注入されている。液晶パネル2は、背面22側に配置されるバックライトユニット1からの光がバックライトとして照射されることによって、表示機能を発揮する。前記2枚の基板には、液晶パネル2における画素の駆動制御用のドライバ(ソースドライバ)、種々の素子および配線が設けられている。
拡散板3は、液晶パネル2とバックライトユニット1との間において、その両面が液晶パネル2の拡散板3に臨む面に平行になるように、配置される。なお、液晶パネル2と拡散板3との間に、プリズムシートを配置してもよい。
拡散板3は、バックライトユニット1から照射される光を、面方向に拡散することによって、輝度が局所的に偏ることを防止する。プリズムシートは、拡散板3を介して背面22側から到達した光の進行の向きを、前面21側に向ける。拡散板3では、輝度が面方向に偏ることを防ぐために、光の進行方向は、ベクトル成分として、面方向の成分を多く含む。これに対しプリズムシートは、面方向のベクトル成分を多く含む光の進行方向を、厚み方向の成分を多く含む光の進行方向に変換する。具体的には、プリズムシートは、レンズまたはプリズム状に形成される部分が面方向に多数並んで形成され、これによって、厚み方向に進行する光の拡散度を小さくする。したがって、液晶表示装置100による表示において、輝度を上昇させることができる。
バックライトユニット1は、液晶パネル2に背面22側から光を照射する直下型のバックライト装置である。バックライトユニット1は、液晶パネル2に光を照射する複数の発光装置11と、複数のプリント基板12と、フレーム部材13とを含む。
フレーム部材13は、バックライトユニット1の基本構造体であり、液晶パネル2と予め定められた間隔をあけて対向する平板状の底部13aと、底部13aに連なり底部13aから立ち上がる側壁部13bとからなる。底部13aは、厚み方向から見て長方形に形成され、その大きさは液晶パネル2よりも少し大き目である。側壁部13bは、底部13aのうち短辺を成す2つの端部と、長辺を成す2つの端部とから液晶パネル2の前面21側に立ち上がって形成される。これによって、平板状の側壁部13bが底部13aの周囲に4つ、形成される。
プリント基板12は、フレーム部材13の底部13aの底面13aaに固定される。このプリント基板12の実装面12aには、後述する複数の発光部111が設けられる。プリント基板12は、長手形状の部材であり、長手方向に直交する、幅方向の長さがたとえば10mm、厚み方向の長さがたとえば0.8mmに設定される。ここで、長手形状の部材とは、ある1方向における部材の長さが、それ以外の他の方向における部材の長さ以上となり、かつ、その一方向に直交する他の方向における部材の長さよりも長くなるような形状の部材のである。複数のプリント基板12は、幅方向に並列して、たとえば30mm離間して設けられる。プリント基板12は、たとえば、導電層が両面に形成されたガラスエポキシからなる基板である。
プリント基板12は、その長手方向において、フレーム部材13の側壁部13bまで延びて設けられる。この側壁部13bには、プリント基板12に電力を供給するためのコネクタが設けられており、プリント基板12はこのコネクタに接続され、プリント基板12上の導電層を介して各発光装置11に電力が供給される。
プリント基板12は、高反射グレードであり、実装面12aの、後述する発光部111から出射される可視光に対する全反射率(以下では、単に「全反射率」と称する)は、80%〜85%である。ここで、全反射率は、JIS H 0201:1998で規定されているように、鏡面反射率と拡散反射率との和であり、JIS K 7375に準拠して測定することができる。
プリント基板12の全反射率は、後述する反射部材の全反射率である第1の全反射率よりも小さく、かつ、後述する低反射部114の全反射率である第2の全反射率よりも大きい、第3の全反射率である。このような第3の全反射率を有するプリント基板12は、ガラスエポキシからなるベース部材の表面に、銅箔によって導電層パターンを形成し、導電層パターンのうち接続端子となる部分だけが露出するように、白色のレジストパターンを形成し、さらに、その上に、白のシルク印刷を行うことによって、製造することができる。
複数の発光装置11は、液晶パネル2に光を照射するための装置である。本実施形態では、複数の発光装置11を1つの群として、拡散板3を介して液晶パネル2の背面22の全体に対向するように複数の発光装置11が設けられたプリント基板12が複数並列して設けられることで、図2に示すように、発光装置11がマトリクス状に設けられる。図2では、2つのプリント基板12と、6つの発光装置11とが表されている。各発光装置11は、プリント基板12の実装面12aに垂直な方向、かつ、プリント基板12からフレーム部材13の底部13aの底面13aaに向かう方向(以下では、「X方向」と称する)に平面視したときに、外形がなす図形が正方形状となるように設けられ、かつ、各発光装置11によって画される被照射体上の被照射領域における輝度が6000cd/m2となるように設けられる。この正方形状の一辺の長さは、たとえば40mmである。
複数の発光装置11は、それぞれ、光を出射する発光部111と、発光部111から出射された光を第1の全反射率で反射する反射部材113と、第1の全反射率よりも小さな第2の全反射率を有する低反射部114と、反射シート115とを備える。
反射部材113は、フレーム部材13の底部13aの底面13aa上に設けられる基部1131と、基部1131を取り囲み、基部1131に接続される傾斜部1132とを有する。基部1131は、X方向に垂直な平面であって、拡散板3に臨む平面である第1反射面113aを有する。第1反射面113aは、X方向において、プリント基板12の実装面12aと同じ位置か、または、プリント基板12の実装面12aよりも、0.3mm〜0.7mm程度、フレーム部材13の底部13aに近い位置に形成される。傾斜部1132は、発光部111を取り囲む枠状部材であり、第2反射面113bおよび第3反射面113cを有する。第2反射面113aおよび第3反射面113cは、それぞれ、発光部111に臨む平面であり、この平面は、X方向とは逆方向にプリント基板12から遠ざかるようにつれて、X方向に垂直な方向において発光部111から遠ざかるように傾斜する。
図2に示すように、反射部材113は、X方向に平面視したときの外形がなす図形が、多角形状、たとえば正方形状である。そして、発光部111は、X方向に平面視したときに、反射部材113の中央に配置される。また、プリント基板12は、X方向に平面視したときに、反射部材113の外形状である正方形状の1辺部の中央部から、この1辺部に対向する他辺部まで、直線状に延びるように配置される。より詳細には、1つの発光装置11において、プリント基板12は、X方向に平面視したときの外形がなす図形が長方形状となり、この長方形状の長辺は、上記正方形状の2辺に平行となり、この長方形状の短辺は、上記正方形状の他の2辺に平行となる。
さらに、X方向に平面視したとき、上記長方形状の短辺方向においてプリント基板12を挟むように、低反射部114は設けられる。より詳細には、低反射部114は、X方向に平面視したとき、上記正方形状の4つの辺部のうちの上記長方形状の短辺方向に位置する2つの辺部と、発光部111との間の部分に設けられる。なお、この部分に低反射部114を設ける代わりに、または、この部分に低反射部114を設けるとともに、上記2つの辺部に、低反射部114を設けてもよい。反射部材113および低反射部114については後に詳述する。
発光部111は、発光素子である発光ダイオード(LED)チップ111aと、LEDチップ111aを支持する基台111bと、光学部材であるレンズ112とを含む。図4−1に、基台111bに支持されたLEDチップ111aとレンズ112とを示す。また、図4−2は、基台111bとLEDチップ111aとを示す図である。図4−2(a)は平面図であり、図4−2(b)は正面図であり、図4−2(c)は底面図である。基台111bは、LEDチップ111aを支持するための部材であり、樹脂からなる。この基台111bは、LEDチップ111aを支持する支持面が、X方向に平面視したときに正方形状に形成され、この正方形状の一辺の長さL1は、たとえば3mmである。また、基台111bのX方向における高さは、たとえば1mmである。
図4−2に示すように、基台111bは、セラミックスからなる基台本体111gと、基台本体111gに設けられる2つの電極111cとを含んでおり、LEDチップ111aは、基台111bの支持面となる基台本体111gの上面中央部に、接着部材111fで固定されている。2つの電極111cは、互いに離間しており、それぞれ、基台本体111gの上面、側面、および底面にわたって設けられる。LEDチップ111aの図示しない2つの端子と、2つの電極111cとは、2つのボンディングワイヤ111dによってそれぞれ接続されている。そして、LEDチップ111aおよびボンディングワイヤ111dは、シリコン樹脂などの透明樹脂111eによって封止されている。
図4−3は、プリント基板12に実装されたLEDチップ111aおよび基台111bを示す図である。LEDチップ111aは、基台111bを介してプリント基板12に実装され、プリント基板12から離れる方向に光を出射する。LEDチップ111aの光軸Sの延びる方向は、X方向およびX方向とは反対の方向である。LEDチップ111aは、発光装置11をX方向に平面視したときに、基台111bの中央部に位置する。複数の発光装置11において、それぞれのLEDチップ111aによる光の出射の制御は、互いに独立して制御可能である。これによって、バックライトユニット1は、部分的な調光制御(ローカルディミング)が可能である。
プリント基板12にLEDチップ111aおよび基台111bを実装するときには、まず、プリント基板12が備える導電層パターンの2つの接続端子部121の上に、それぞれ、半田を付け、その半田に、基台本体111gの底面に設けられる2つの電極111cがそれぞれ合致するように、たとえば図示しない自動機によって、プリント基板12に、基台111bおよび基台111bに固定されているLEDチップ111aを載置する。基台111bおよび基台111bに固定されているLEDチップ111aを載置したプリント基板12は、赤外線を照射するリフロー槽に送られ、半田は約260℃に熱せられ、基台111bとプリント基板12とが半田付けされる。
図4−1に示すように、レンズ112は、LEDチップ111aおよびLEDチップ111aを支持する基台111bを覆うように、基台111bに、インサート成形により、または、アウトサートにより、当接して設けられ、LEDチップ111aから出射した光を、LEDチップ111aの光軸Sに交差する複数の方向に反射または屈折させる。レンズ112は、透明なレンズであり、たとえばシリコン樹脂やアクリル樹脂などからなる。
レンズ112において、液晶パネル2に対向する面である上面112aは、中央部に凹みを有して湾曲して形成される。また、側面112bは、LEDチップ111aの光軸Sの方向を軸線方向とする円柱の側面状に形成される。
レンズ112は、光軸S回りに回転対称に形成される。レンズ112において、光軸Sに直交する断面の直径L2は、プリント基板12の幅よりも大きく、たとえば15mmである。レンズ112は、基台111bに対して外方に延出して設けられている。すなわち、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに直交する方向に関して基台111bよりも大きい(レンズ112の直径L2は、基台111bの支持面の一辺の長さL1よりも大きい)。このように、レンズ112が基台111bに対して外方に延出して設けられることによって、LEDチップ111aから出射した光をレンズ112により広範囲に拡散させることができる。また、レンズ112の高さH1は、たとえば4.5mmであり、直径L2よりも小さい。すなわち、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに直交する方向の最大長さが、高さH1よりも大きい。
レンズ112の上面112aは、LEDチップ111aに対向し、かつ、拡散板3の両面に平行な中央部分1121と、中央部分1121を取り囲む第1湾曲部分1122と、第1湾曲部分1122を取り囲む第2湾曲部分1123とを含む。レンズ112の表面において、上面112aの中央部分1121および第2湾曲部分1123ならびに側面112bは、LEDチップ111aから出射され、レンズ112の内部を通って到達した光を透過する透過領域となる。また、上面112aの第1湾曲部分1122は、LEDチップ111aから出射され、レンズ112の内部を通って到達した光を側面112bに向けて全反射する反射領域となる。なお、後述するように、レンズ112は、その底面112cが、反射シート115に当接しており、底面112cから光が出射しないように構成されている。
上面112aの中央部分1121は、液晶パネル2に対向する上面112aの中央に形成され、中央部分1121の中心(すなわち、レンズ112の光軸)は、LEDチップ111aの光軸S上に位置する。上面112aの中央部分1121は、LEDチップ111aの発光面に平行であり、円形状に形成され、その円形状の直径L3は、たとえば1mmである。
なお、本発明の他の実施形態としては、中央部分1121の形状を、上記円形状の代わりに、上記円形状を仮想的な底面とし、この底面からLEDチップ111aに向かって突出する円錐の側面形状にしてもよい。
中央部分1121は、被照射体である拡散板3において、中央部分1121に対向する領域に光を照射するために形成されている。ただし、中央部分1121はLEDチップ111aに対向する部分であるので、LEDチップ111aから出射される光の大半が中央部分1121に到達し、その大半の光がそのまま透過した場合、中央部分1121に対向する領域の照度が際立って大きくなる。そこで、中央部分1121の形状を、上記円錐の側面形状とすることが好ましい。上記円錐の側面形状とした場合、大半の光が中央部分1121で反射され、中央部分1121を透過する光は少なくなるので、中央部分1121に対向する領域の照度を抑えることができる。
上面112aの第1湾曲部分1122は、中央部分1121の外周縁端部に連なり、外方に向かうにつれてLEDチップ111aの光軸S方向の一方(液晶パネル2に向かう方向)に延び、内方および光軸S方向の一方に凸となるように湾曲した環状の曲面である。ここで、中央部分1121の外周縁端部とは、中央部分1121の外周縁部における、周方向全周の領域のことをいう。上面112aの第1湾曲部分1122は、反射領域とするために、曲面の形状が、LEDチップ111aから出射された光が全反射するように設計される。
より詳細には、LEDチップ111aから出射された光のうち、第1湾曲部分1122に到達した光は、第1湾曲部分1122で全反射した後、レンズ112の側面112bを透過し、反射部材113へ向かう。反射部材113に到達した光は、反射部材113で拡散され、被照射体である拡散板3において、LEDチップ111aに対向していない領域に照射される。これにより、LEDチップ111aに対向していない領域への照射光量を増加させることができる。
第1湾曲部分1122は、LEDチップ111aから出射された光を全反射するために、LEDチップ111aから出射された光の入射角度が、臨界角φ以上となるように形成される。たとえば、レンズ112の材質をアクリル樹脂とするとき、アクリル樹脂の屈折率は「1.49」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.49となる。この式から、臨界角φは42.1°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が42.1°以上となる形状に形成される。また、たとえば、レンズ112の材質をシリコン樹脂とするとき、シリコン樹脂の屈折率は「1.43」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.43となる。この式から、臨界角φは44.4°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が44.4°以上となる形状に形成される。
上面112aの第2湾曲部分1123は、第1湾曲部分1122の外周縁端部に連なり、外方に向かうにつれてLEDチップ111aの光軸S方向の他方(液晶パネル2から離反する方向)に延び、外方および光軸S方向の一方に凸となるように湾曲した環状の曲面である。
LEDチップ111aから出射された光のうち、第2湾曲部分1123に到達した光は、第2湾曲部分1123を透過するときに、屈折して、拡散板3および反射部材113に向かう。反射部材113に到達した光は、拡散して拡散板3に向かう。このように第2湾曲部分1123により拡散板3へ向かう光は、拡散板3において、中央部分1121および第1湾曲部分1122により光が照射される領域とは異なる領域に主に照射され、これによって光量の補完が行われる。なお、第2湾曲部分1123は、光を透過する必要があるので、LEDチップ111aから出射された光を全反射しないように、入射角度が42.1°未満となる形状に形成される。
このように、レンズ112は、中央部分1121の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光をレンズ112の側面112bへ向けて全反射させる第1湾曲部分1122が形成され、その第1湾曲部分1122の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光を屈折させる第2湾曲部分1123が形成されている。
LEDチップ111aは一般的に指向性が強く、光軸S付近の光量が極めて大きく、光軸Sに対する光の出射角度が大きくなればなるほど光量が小さくなる。したがって、LEDチップ111aの光軸S(すなわち、レンズ112の光軸)から比較的遠い領域への照射光量を大きくするためには、光軸Sに対する出射角度が大きな光を、この領域へ向けるのではなく、出射角度が小さな光を、この領域へ向ける必要がある。
本実施形態では、上記のように、光軸Sが通る中央部分1121の周囲に、上記領域へ向けて光を全反射させる第1湾曲部分1122が隣接して形成されるので、この領域への照射光量を大きくすることができる。
これに対して、仮に、中央部分1121の周囲に、第2湾曲部分1123を隣接させて形成し、その第2湾曲部分1123の周囲に、第1湾曲部分1122を隣接して形成した場合、第1湾曲部分1122へ向かう光の光軸Sに対する出射角度が大きくなり、その結果、第1湾曲部分1122で全反射されて上記領域に照射される光の量は少なくなってしまう。この結果、拡散板3における輝度は不均一になる。
本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、レンズ112の中心(すなわち、レンズ112の光軸)がLEDチップ111aの光軸S上に位置し、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、予め高精度に位置合わせされて形成されている。このように、LEDチップ111aとレンズ112とを、予め位置合わせして形成する方法としては、インサート成形、所定の形状に成形されたレンズ112に、基台111bに支持されたLEDチップ111aを嵌合させる方法などを挙げることができる。本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、インサート成形により、予め位置合わせされて形成されている。
インサート成形する際には、大きく分けて、上面金型と下面金型とを使用する。上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、LEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂流入口から注入することにより成形する。なお、上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、基台111bに支持されたLEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂注入口から注入することにより成形するようにしてもよい。このように、LEDチップ111aとレンズ112とをインサート成形により形成することによって、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、高精度に位置合わせすることができる。これによって、バックライトユニット1は、LEDチップ111aから出射した光を、LEDチップ111aに当接したレンズ112により、精度よく反射および屈折させることができるので、拡散板3からプリント基板12までの距離が小さい薄型化された液晶表示装置100においても、輝度がその面方向において均一となるように、光を液晶パネル2に照射することができる。
図5は、LEDチップ111aから出射された光の光路を説明するための図である。LEDチップ111aから出射された光は、レンズ112に入射し、このレンズ112で拡散される。具体的には、レンズ112に入射した光のうち、被照射体である拡散板3に対向する上面112aにおいて中央部分1121に到達した光は、拡散板3に向けて矢符A1方向などに出射される。中央部分1121を透過した光は、拡散板3に直接照射されることになる。
また、図5に示すように、第1湾曲部分1122に到達した光は、第1湾曲部分1122で全反射して側面112bに向かい、側面112bから矢符A2方向などに出射される。矢符A2方向などに出射された光は、レンズ112の周囲に設けられる反射部材113に到達し、反射部材113によって反射されて、被照射体である拡散板3に照射される。第2湾曲部分1123に到達した光は、屈折して拡散板3に向けて矢符A3方向などに出射される。
反射シート115は、図3−1および図3−2に示すように、レンズ112とプリント基板12との間に設けられる。反射シート115は、直径L2の円盤の中央に正方形状の開口部が設けられた形状であり、この円盤の一方の主面にレンズ112の底面112cが当接し、この開口部に基台111bが嵌合する。ここで、ある部材について、主面とは、その部材において最も広い面を意味し、上記の円盤形状のように最も広い面が表面と裏面とで2つある形状の場合は、一方の主面および他方の主面と称して区別する場合がある。
反射シート115は、たとえば、PET(PolyEthylene Terephthalate)などから形成され、その全反射率は、たとえば、90%〜95%である。反射シート115の厚みは、たとえば、0.05mm〜0.1mmである。
反射シート115が設けられることで、レンズ112の内部で反射されて底面112cに到達した光を、底面112cと反射シート115との境界面で鏡面反射させることができる。底面112cと反射シート115との境界面で鏡面反射された光は、レンズ112の内部を進行する。このようにしてレンズ112の内部を進行する光は、反射シート115で鏡面反射されたものであるので、たとえば、拡散反射されてレンズ112の内部を進行する光と比較して、光路が精度よく制御されたものとなる。光が拡散部材へ入射すると光は拡散するが、必ずしも設計どおりの出射はしない。一方、反射シート115へ入射した光は鏡面反射するので、ほぼ設計どおりの出射となる。これによって、光学設計する上でほぼ設計どおりに光を進行させることができ、光路が精度よく制御されたものとなる。
次に、図2、図3−1、図3−2、図6、および図7を用いて反射部材113について説明する。図6は、反射部材113を、基部1131と、傾斜部1132とに分解して示す図である。図7は、反射部材113をX方向に平面視したときの図である。上述したように、反射部材113は、X方向に平面視したときの外形状が正方形状である。図2に示すように、この正方形状の各辺は、マトリクス状に配置される複数のLEDチップ111aの行方向または列方向と平行となる。本実施形態では、反射部材113は、この正方形状の対向する2辺の垂直2等分線、および、他の2辺の垂直2等分線それぞれについて、線対称に構成される。また、正方形状の中央点について180°回転対称に構成される。
上述したように、反射部材113は、図6の上側に示す基部1131と、図6の下側に示す傾斜部1132とから構成される。基部1131は、第1反射面113aを有し、傾斜部1132は、第2,3反射面113b,113cを有する。
基部1131は、2つの同一形状の板状部材1131aから構成され、各板状部材1131aは、長方形の平板の長手方向中央部に、切欠き部1131aaが形成されたものである。この切欠き部1131aaの切欠き形状は、板状部材1131aの厚み方向に見たときに弓形状であり、この弓形状の弦が上記長方形の長辺にすべて重なるように、切欠き部1131aaが形成される。この弓形状は、直径L2の円形状の一部となる弓形状であって、弓形状の面積がこの直径L2の円形状の面積の半分よりも小さい弓形状である。2つの板状部材1131aにおいて、この弓形状の弦同士は、間隔を空けて対向しており、この間隔は、プリント基板12の幅方向の長さ10mmよりも若干大きく、たとえば10.2mm程度である。
板状部材1131aの長手方向の長さは、たとえば38.8mmであり、この長手方向に直交する幅方向の長さは、たとえば14.3mmである。板状部材1131aの長手方向および幅方向は、X方向に平面視したときの反射部材113の外形状である正方形状の各辺に対して、垂直または平行となる。
このような板状部材1131aの、フレーム部材13の底部13aに臨む側の主面は、この底部13aの底面13aaに当接する。また、板状部材1131aの、発光部111に臨む側の主面は、第1反射面113aであり、第1反射面113aは、第1の全反射率を有する。
上述したように、2つの板状部材1131aは離間して設けられる。反射部材113は、この2つの板状部材1131aを取り囲むように傾斜部1132が設けられており、図7に示すように、X方向に平面視したとき、反射部材113の外形状がなす正方形の1辺部の中央部から、この1辺部に対向する他辺部の中央部まで、他の2辺部に沿って延びる長手形状の孔113dが形成されたものとなる。この孔113dに、プリント基板12および発光部111が嵌合する。より詳細には、この孔113dの長手方向中央部分であり、切欠き部1131aaによって囲まれる部分に、発光部111が嵌合し、それ以外の部分に、プリント基板12が嵌合する。
傾斜部1132は、2つの同一形状の第1壁部材1132aと、この第1壁部材1132aとは異なる形状の、2つの同一形状の第2壁部材1132bとから構成される。第1壁部材1132aと第2壁部材1132bとが、交互に接続されることで、枠状の傾斜部1132となる。
2つの第1壁部材1132aは、それぞれ、2つの板状部材1131aの、切欠き部1131aaが形成されない側の幅方向端部に接続される。第1壁部材1132aの、発光部111に臨む側の主面が第2反射面113bであり、第2反射面113bは、第1の全反射率を有する。
第2反射面113bは、等脚台形状であり、この等脚台形状の互いに平行な2辺のうちの短辺が、板状部材1131aに接続され、他の2辺が、それぞれ、2つの第2壁部材1132bに接続される。上記の短辺の長さは、板状部材1131aの長手方向の長さに等しく、たとえば38.8mmであり、この短辺に平行な長辺の長さは、たとえば40mmである。
図3−1に示す、第1反射面113aに対する第2反射面113bの傾斜角度θ1は、たとえば100°である。また、図3−1に示す、第1反射面113aを基準とする第2反射面113bの高さH2は、たとえば5mmである。この高さH2は、より詳細には、第2反射面113b上の点において、第1反射面113aからのX方向における距離が最大となる点と、第1反射面113aとの間のX方向における距離である。
図6に示す第2壁部材1132bは、第1壁部材1132aに切欠き部が形成されたような形状である。第2壁部材1132bの切欠き部1132baは、第1壁部材1132aの等脚台形状の主面における平行な2辺のうちの短辺の中央部に対応する位置に形成される。この切欠き部1132baの切欠き形状は、第2壁部材1132bの厚み方向に見たときに長方形状である。この長方形状の長辺は、上記短辺に平行に延びる。
切欠き部1132baは、この長方形状の長辺に沿う第1部分1132bbと、短辺に沿う2つの第2部分1132bcとを有する。第1部分1132bbは、プリント基板12の実装面12aに当接し、第1部分1132bbの長さは、プリント基板12の幅10mmよりも若干大きく、たとえば10.2mm程度である。第2部分1132bcの長さは、第1部分1132bbがプリント基板12の実装面12aに当接するように、プリント基板12の厚みに合わせて設定され、たとえば0.81mmである。第2壁部材1132bにおいて、切欠き部1132baは、2つの第3部分1132bdによって、上記長方形状の長辺方向に挟まれる。この2つの第3部分1132bdは、2つの板状部材1131aにそれぞれ接続される。
このような第2壁部材1132bの、発光部111に臨む主面が、第3反射面113cであり、第3反射面113cは、第1の全反射率を有する。図3−2に示す、第1反射面113aに対する第3反射面113cの傾斜角度θ2は、第2反射面113bの傾斜角度θ1に等しく、たとえば100°である。
基部1131および傾斜部1132は、高輝性PET、アルミニウムなどからなる。高輝性PETとは、蛍光剤を含有した発泡性PETであり、たとえば、東レ株式会社製のE60V(商品名)などを挙げることができる。基部1131および傾斜部1132の厚みは、たとえば0.1〜0.8mmである。
本実施形態では、基部1131の第1反射面113a、ならびに、傾斜部1132の第2反射面113bおよび第3反射面113cの全反射率は、すべて同一の第1の全反射率であり、第1の全反射率は、たとえば94%である。第1の全反射率は、90%以上である。
反射部材113を構成する基部1131および傾斜部1132は一体的に成形されることが好ましく、さらに、複数の発光装置11にそれぞれ備えられる各反射部材113は、互いに一体的に成形されることが好ましい。複数の反射部材113を一体成形する方法としては、反射部材113が発泡性PETにより構成されている場合には押出し成型加工を挙げることができ、反射部材113がアルミニウムにより構成されている場合にはプレス加工を挙げることができる。このように、複数の発光装置11にそれぞれ備えられる反射部材113を一体成形することによって、複数の発光装置11のプリント基板12に対する配置位置の精度を向上させることができるとともに、バックライトユニット1の組立作業時に、反射部材113を取り付ける作業数を低減することができるので、組立作業の効率を向上させることができる。
このように構成される反射部材113の特定の領域に、低反射部114が設けられる。図7に示すように、反射部材113は、X方向に平面視すると、長手形状の孔113dが形成された正方形状部材であり、この正方形状の4つの頂点の周囲の領域である4つの角部X1と、この正方形状の1辺を含み、角部X1と他の角部X1との間において、孔113dの長手方向に沿って延びる領域である第1の辺部X2と、この正方形状の1辺を含み、角部X1と他の角部X1との間において、孔113dの幅方向に沿って延びる領域である第2の辺部X3と、孔113dにおける発光部111が嵌合する中央部分と角部X1との間の領域である第1領域部X4と、孔113dにおける発光部111が嵌合する中央部分と第1の辺部X2との間において、第1の辺部X2、孔113d、および2つの第1領域部X4によって囲まれる領域である第2領域部X5と、第2の辺部X3、孔113d、および第1領域部X4によって囲まれる領域である第3領域部X6とに、区分することができる。低反射部114は、このように区分される領域のうち、2つの第1の辺部X2に、それぞれ設けられる。
なお、孔113dの中央の点であり、かつ、上記正方形状の中央の点である点Pを中心として拡がる、角部X1および第1領域部X4の拡がり具合を示す角度αは、45°〜60°であり、第1の辺部X2および第2領域部X5の拡がり具合を示す角度βは、15°〜22.5°である。また、第1,第2の辺部X2,X3の幅L4は、たとえば、3.5mm〜4.0mmであり、角部X1の長さL5は、たとえば、10.8mm〜12.3mmである。
低反射部114は、第2の全反射率で、発光部111から出射された光を反射する。第2の全反射率は、反射部材113の全反射率である第1の全反射率、および、プリント基板12の全反射率である第3の全反射率よりも小さな全反射率であり、たとえば、40%〜60%である。
本実施形態では、低反射部114は、孔113dの幅方向に延びる長方形状のシートであり、各第2領域部X5の、孔113dの長手方向における中央部分に2つずつ、その幅方向に離間して設けられる。低反射部114は、公知の透光性バインダー樹脂からなるシート中に、可視光を吸収する黒色粒子または灰色粒子が分散されたものである。このシートの長手方向の長さは、たとえば5mm〜10mmであり、幅方向の長さは、たとえば1mm〜5mmであり、厚み方向の長さは、たとえば0.05mm〜0.1mmである。また、離間する間隔は、たとえば1mm〜5mmである。
なお、本実施形態では、低反射部114は反射部材113の上に設けられているけれども、本発明の他の実施形態としては、反射部材113の表面の一部分を黒色や灰色に着色することなどによって、低反射部114を反射部材113と一体的に成形することができ、反射部材113の表面と低反射部114の表面とが同一平面となるように構成することができる。また、本実施形態では、低反射部114は長方形状であり、各第2領域部X5に2つずつ設けられるけれども、低反射部114の形状や個数はこれに限られない。たとえば、低反射部114を、直径0.5mm〜5mm程度の円形状とすることができ、また、第2領域部X5において、孔113dの長手方向における両端部分よりも中央部分の方が単位面積あたりの低反射部114の個数が多くなるように、数個〜数十個の低反射部114を設けることができる。
本実施形態では、低反射部114の表面は、サンドブラストなどによって荒されており、低反射部114の表面の拡散率は、反射部材113の第1〜3反射面113a〜113cの拡散率よりも大きく設定される。ここで、拡散率とは、ある面において拡散反射が生じるときの光の拡がり具合を示す数値である。より詳細には、ある面に対して、所定の照度となるように、所定のスポット径の光を所定の入射角度で入射させた場合に、その面の図心位置からこのスポット径よりも充分大きな一定距離離間して設けられる検出器であって、この一定距離を半径とする仮想的な球面の面積よりも充分に小さな面積の検出面を有する検出器によって、所定の照度閾値以上の照度が検出される位置すべてに、その検出器を移動させたときの検出面の軌跡がなす、上記仮想的な球面の一部の曲面の面積を、この仮想的な球面の面積で割った値として定義される。この値が大きいとき、拡散反射による光の拡がり具合が大きいことを示し、この値が小さいとき、拡散反射による光の拡がり具合が小さいことを示す。
以上のように構成されるバックライトユニット1では、上述したように、反射部材113の基部1131の第1反射面113aが、X方向において、プリント基板12の実装面12aよりも、0.3mm〜0.7mm程度、フレーム部材13の底部13aに近い位置に形成される。すなわち、基部1131の第1反射面113aは、X方向において、プリント基板12の実装面12aよりも発光部111から遠い位置に設けられる。したがって、実装面12a上に基部1131が設けられる場合と比較して、基部1131と被照射体である拡散板3との間の距離は大きくなる。これによって、発光部111から出射され、基部1131の第1反射面113aで拡散反射された光は、拡散板3上において、より広い範囲で照射されることになり、その結果、拡散板3上における照射光量を均一化することができる。
さらに、本実施形態では、反射部材113の第1の辺部X2に臨む第2領域部X5に、低反射部114が設けられている。低反射部114は、第1の全反射率よりも小さな第2の全反射率で光を反射するので、被照射体である拡散板3において、第1の辺部X2に臨む領域に照射される光の量を減らすことができる。これにより、拡散板3において第1の辺部X2に臨む領域と、角部X1に臨む領域との間での、照射光量の差を小さくすることができ、照射光量をより均一化することができる。
この低反射部114の拡散率は、反射部材113の拡散率よりも大きく設定されている。したがって、低反射部114で拡散反射した光の拡がり具合は、反射部材113で拡散反射した光の拡がり具合よりも大きくなる。よって、被照射体である拡散板3において第1の辺部X2に臨む領域に照射される光の量をより減らすことができ、拡散板3において第1の辺部X2に臨む領域と、角部X1に臨む領域との間での、照射光量の差を小さくし、照射光量をより均一化することができる。
また、本実施形態では、プリント基板12は、上述したように、長手形状であり、実装面12a上に複数の発光部111を有し、フレーム部材13の側壁部13bに設けられるコネクタから電力が供給される。したがって、プリント基板12の背面においてコネクタが接続される場合と比較して、バックライトユニット1を薄型化することができる。そして、本実施形態では、プリント基板12は、実装面12aの一部分が露出しており、露出している部分は、反射部材113の第2の辺部X3から他の第2の辺部X3まで延びている。この露出している実装面12aの全反射率は、第1の全反射率よりも小さく、かつ、第2の全反射率よりも大きな第3の全反射率であるので、被照射体である拡散板3において第2の辺部X3に臨む領域に照射される光の量を、適度に抑えることができる。これによって、拡散板3において第2の辺部X3に臨む領域と、角部X1に臨む領域との間での、照射光量の差を小さくし、照射光量をより均一化することができる。
また、本実施形態では、発光部111のレンズ112の直径L2は、プリント基板12の実装面12aの幅よりも大きい。したがって、レンズ112の側面112bから出射された光は、プリント基板12の実装面12aに遮られることなく、反射部材113の第1領域部X4および角部X1に到達する。したがって、被照射体である拡散板3において角部X1に臨む部分に照射される光の量を増やすことができ、拡散板3において第1,2の辺部X2,X3に臨む領域と、角部X1に臨む領域との間での、照射光量の差を小さくし、照射光量をより均一化することができる。
そして、本実施形態では、発光部111のレンズ112の底面112cと、プリント基板12の実装面12aとの間に、反射シート115が設けられており、レンズ112の底面112cから光が漏れないように構成されている。よって、上記のようにレンズ112の直径L2がプリント基板12の幅よりも大きく設定されていても、レンズ112の底面112cから漏れた光がフレーム部材13の底部13aなどに入射して光エネルギーを無駄に消費されてしまうということを抑えることができ、バックライトユニット1のエネルギー効率を高めることができる。
なお、本実施形態では、反射部材113をX方向に平面視したときの外形状を、1辺40mmの正方形状としているけれども、この正方形状の1辺の長さは、20mm〜60mmの範囲内で適宜設定できる。また、第2,3反射面113b,113cの傾斜角度θ1,θ2は、同一の100°であるけれども、90°よりも大きく135°以下の範囲内で適宜設定できる。また、第2反射面113bの高さH2は5mmであるけれども、1mm〜8mmの範囲内で適宜設定できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、発光装置11の代わりに発光装置20を設けたこと以外は、第1実施形態と同様であるので、発光装置20以外の説明は省略する。図8は、液晶パネル2側から発光装置20を平面視したときの図である。発光装置20の発光装置11と異なる点は、低反射部114の代わりに第4の全反射率を有する高反射部116を備える点と、第5の全反射率を有する被覆部材117をさらに備える点とである。
図9−1および図9−2は、発光装置20を備える液晶表示装置100の断面の一部を示す図であり、図8に示す切断面線C−Cが図9−1に対応し、図8に示す切断面線D−Dが図9−2に対応する。被覆部材117は、プリント基板12の実装面12aにおいて、反射シート115によって被覆されていない部分を被覆する。被覆部材117は、PETなどから形成されるシート状の部材であり、一方の主面がプリント基板12の実装面12aに当接し、他方の主面の全反射率が、反射部材113の第1の全反射率以下の全反射率である第5の全反射率に設定される。第5の全反射率は、たとえば90%〜95%である。被覆部材117の厚みは、たとえば0.05mm〜0.1mmであり、プリント基板12の実装面12aの幅方向における長さが、実装面12aの幅よりも1mm大きく設定される。
本実施形態では、反射シート115と被覆部材117とが一体的に成形される。図10は、一体的に成形される反射シート115および被覆部材117の平面図である。図8および図10に示すように、1つの発光装置20における2つの被覆部材117と、この2つの被覆部材117の間の1つの反射シート115とが一体的に成形され、さらに、この1つの発光装置20の被覆部材117と、他の発光装置20の被覆部材117とが一体的に成形される。反射シート115と被覆部材117とが一体的に成形される場合、被覆部材117は、反射シート115と同じ材料からなり、被覆部材117の第5の全反射率と反射シート115の全反射率とが等しくされ、被覆部材117の厚みと反射シート115の厚みとが等しくされる。
第2実施形態における反射部材113の寸法は、基本的には、第1実施形態における反射部材113の寸法と同一である。ただし、被覆部材117を考慮して寸法が変更される部分もある。図11は、第2実施形態における反射部材113を、基部1131と、傾斜部1132とに分解して示す図であり、図12は、第2実施形態における反射部材113をX方向に平面視したときの図である。
第2実施形態における反射部材113は、基部1131を構成する板状部材1131aの切欠き部1131aaの切欠き形状である弓形状の弦同士が離間する間隔が、プリント基板12の幅よりも若干大きい10.2mmではなく、被覆部材117の幅の11mmよりも若干大きい11.2mmに設定される。このように設定されるのは、上述したように、被覆部材117の幅が、プリント基板12の幅よりも1mm大きいからである。また、第2実施形態における反射部材113では、傾斜部1132を構成する第2壁部材1132bの切欠き部1132baの第1部分1132bbは、プリント基板12に当接する代わりに、プリント基板12上の被覆部材117に当接することになる。したがって、第2実施形態における反射部材113では、切欠き部1132baの第2部分1132bcの長さは、第1実施形態と比較して、被覆部材117の厚み程度大きく設定される。
高反射部116は、図12に示すように、反射部材113の4つの角部X1に臨む4つの第1領域部X4にそれぞれ設けられる。なお、本発明の他の実施形態としては、この4つの第1領域部X4に高反射部116を設ける代わりに、4つの角部X1に高反射部116をそれぞれ設けてもよいし、この4つの第1領域部X4に高反射部116を設けるとともに、4つの角部X1に高反射部116をそれぞれ設けてもよい。
高反射部116は、第4の全反射率で、発光部111から出射された光を反射する。第4の全反射率は、反射部材113の全反射率である第1の全反射率、および、被覆部材117の全反射率である第5の全反射率よりも大きな全反射率であり、たとえば96%〜100%であり、本実施形態では97%である。
本実施形態では、高反射部116は、正方形状の反射部材113の対角線の方向に延びる長方形状のシートであり、各第1領域部X4の中央部分に3つずつ、その幅方向に離間して設けられる。高反射部116は、銀またはアルミニウムなどのシートである。このシートの長手方向の長さは、たとえば8mmであり、幅方向の長さは、たとえば1mmであり、厚み方向の長さは、たとえば0.05mm〜0.1mmである。また、離間する間隔(ピッチ)は、たとえば4mmである。なお、高反射部116の数や、幅・長さ・ピッチは、これらの値に限られるものではない。
なお、本実施形態では、高反射部116は反射部材113の上に設けられているけれども、本発明の他の実施形態としては、反射部材113の表面の一部分を鏡面仕上げすることなどによって、高反射部116を反射部材113と一体的に成形することができ、反射部材113の表面と高反射部116の表面とが同一平面となるように構成することができる。また、本実施形態では、高反射部116は長方形状であり、各第1領域部X4に3つずつ設けられるけれども、高反射部116の形状や個数はこれに限られない。たとえば、高反射部116を、直径0.8mm〜1.0mm程度の円形状とすることができ、また、第1領域部X4において、周縁部分よりも中央部分の方が単位面積あたりの高反射部116の個数が多くなるように、10個〜20個の高反射部116を設けることができる。
本実施形態では、高反射部116の拡散率は、反射部材113の第1〜3反射面113a〜113cの拡散率よりも小さく設定される。すなわち、高反射部116における拡散反射による光の拡がり具合は、反射部材113における拡散反射による光の拡がり具合よりも小さい。
以上のように構成される発光装置20を備えるバックライトユニット1では、第1実施形態と同様に、反射部材113の基部1131の第1反射面113aが、X方向において、プリント基板12の実装面12aよりも発光部111から遠い位置に設けられる。したがって、基部1131と被照射体である拡散板3との間の距離が大きくなり、発光部111から出射され、基部1131の第1反射面113aで拡散反射された光が、拡散板3上において、より広い範囲で照射され、その結果、拡散板3上における照射光量を均一化することができる。
さらに、本実施形態では、反射部材113の角部X1に臨む第1領域部X4に、高反射部116が設けられている。高反射部116は、第1の全反射率よりも大きな第4の全反射率で光を反射するので、被照射体である拡散板3において、角部X1に臨む領域に照射される光の量を増やすことができる。これにより、拡散板3において第1,2の辺部X2,X3に臨む領域と、角部X1に臨む領域との間での、照射光量の差を小さくすることができ、照射光量をより均一化することができる。
この高反射部116の拡散率は、反射部材113の拡散率よりも小さく設定されている。したがって、高反射部116で拡散反射した光の拡がり具合は、反射部材113で拡散反射した光の拡がり具合よりも小さくなる。よって、被照射体である拡散板3において角部X1に臨む領域に照射される光の量をより増やすことができ、拡散板3において第1,2の辺部X2,X3に臨む領域と、角部X1に臨む領域との間での、照射光量の差を小さくし、照射光量をより均一化することができる。
また、本実施形態では、プリント基板12は、第1実施形態と同様に、長手形状であり、実装面12a上に複数の発光部111を有し、フレーム部材13の側壁部13bに設けられるコネクタから電力が供給される。したがって、プリント基板12の背面においてコネクタが接続される場合と比較して、バックライトユニット1を薄型化することができる。そして、本実施形態では、プリント基板12は、実装面12aの、反射シート115によって被覆されない部分が、被覆部材117によって被覆されており、被覆されている部分は、反射部材113の第2の辺部X3から他の第2の辺部X3まで延びている。被覆部材117の表面は、反射部材113の基部1131の第1反射面113aよりも、X方向において、被照射体である拡散板3に近い位置に設けられており、その表面で拡散反射された光が拡散板3上に拡がり難くなっているけれども、被覆部材117の全反射率は、反射部材113の第1の全反射率以下となる第5の全反射率に設定されているので、プリント基板12の実装面12aが露出している場合と比較して、拡散板3において第2の辺部X3に臨む領域に照射される光の量を、適度に増やすことができる。よって、拡散板3において第2の辺部X3に臨む領域と、第1の辺部X2に臨む領域との間での、照射光量の差を小さくし、照射光量をより均一化することができる。
この被覆部材117は、複数の反射シート115および複数の他の被覆部材117と一体成形されるので、プリント基板12の実装面12aに被覆部材117を配置する際の位置合わせの精度を向上させることができる。また、被覆部材117は、傾斜部1132が接続される反射部材113の基部1131と比較して、強度が小さくても構わないので、基部1131よりも薄くすることができ、その結果、基部1131と同じ厚みにする場合と比較して、被覆部材117と被照射体である拡散板3との間の距離を大きくすることができ、照射光量をより均一化することができる。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、発光部111のレンズ112の直径L2は、プリント基板12の実装面12aの幅よりも大きい。したがって、レンズ112の側面112bから出射された光は、プリント基板12の実装面12aに遮られることなく、反射部材113の第1領域部X4および角部X1に到達する。したがって、被照射体である拡散板3において角部X1に臨む部分に照射される光の量を増やすことができ、拡散板3において第1,2の辺部X2,X3に臨む領域と、角部X1に臨む領域との間での、照射光量の差を小さくし、照射光量をより均一化することができる。
そして、本実施形態では、第1実施形態と同様に、発光部111のレンズ112の底面112cと、プリント基板12の実装面12aとの間に、反射シート115が設けられており、レンズ112の底面112cから光が漏れないように構成されている。よって、上記のようにレンズ112の直径L2がプリント基板12の幅よりも大きく設定されていても、レンズ112の底面112cから漏れた光がフレーム部材13の底部13aなどに入射して光エネルギーを無駄に消費されてしまうということを抑えることができ、バックライトユニット1のエネルギー効率を高めることができる。
以上の第1,2実施形態のようなバックライトユニット1を備える液晶表示装置100によれば、バックライトユニット1によって、被照射体である拡散板3に対して、その面方向において強度が均一化された光を照射することができるので、拡散板3に平行に設けられる液晶パネル2に対して、その面方向において強度が均一化された光を照射することができる。これにより、液晶表示装置100は、高画質の画像を表示することができる。