以下に、本発明の実施形態であるバックライトユニット1を備える液晶表示装置100について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置100を分解して示す図である。液晶表示装置100は、バックライトユニット1と、液晶パネル2と、拡散板3とを備える。
液晶パネル2は、2枚の基板を含み、矩形平板状に構成される。液晶パネル2は、バックライトユニット1が備える筐体であるフレーム部材13の底部131の底面131aと液晶パネル2の主面とが略平行になるように、フレーム部材13の側壁部132によって支持される。液晶パネル2は、TFT(thin film transistor)などのスイッチング素子を含み、2枚の基板の隙間には液晶が注入されている。また、この2枚の基板には、画素の駆動制御用のドライバ(ソースドライバ)、種々の素子および配線が設けられている。このように構成される液晶パネル2は、バックライトユニット1から光が照射されることによって、主面の1つである表示画面2aに画像を表示する。
拡散板3は、矩形平板状の部材である。拡散板3は、液晶パネル2とバックライトユニット1との間において、液晶パネル2の主面と拡散板3の主面とが平行になるように、フレーム部材13の側壁部132によって支持される。拡散板3は、バックライトユニット1から照射される光を、拡散板3の面方向に拡散することによって、表示画面2aの輝度が局所的に偏ることを防止する。
本発明の他の実施形態としては、液晶パネル2と拡散板3との間に、プリズムシートを配置してもよい。プリズムシートは、拡散板3を介して到達した光の進行方向を、液晶パネル2の厚み方向に変換し、表示画面2aの輝度を向上させる。
図2に、液晶パネル2側から拡散板3およびバックライトユニット1を平面視したときの様子を示す。バックライトユニット1は、液晶パネル2に対して、表示画面2aとは反対側の主面である背面側から光を照射する直下型の照明装置である。バックライトユニット1は、発光部111および反射部材118をそれぞれ有する複数の発光装置11と、複数のプリント基板12と、フレーム部材13とを含む。
なお、図2では、バックライトユニット1において複数の発光装置11はマトリクス状に配置され、そのマトリクス状の配列における行方向に発光装置11が7個配置され、列方向に12個配置された状態を図示しているが、発光装置11の配置個数はこれに限定されるものではない。図2では、発光装置11は、マトリクス状の配列における行方向に7個、列方向に12個配置されているけれども、本実施形態では、発光装置11は、行方向に14個、列方向に24個配置されている。
フレーム部材13は、液晶パネル2と予め定められた間隔をあけて対向する平板状の底部131と、底部131に連なり底部131から立ち上がる4つの側壁部132とからなる。底部131は、厚み方向に見たときの形状が矩形状であり、その大きさは液晶パネル2よりも少し大き目である。側壁部132は、底部131のうち、厚み方向に見たときに矩形の短辺をなす2つの端部と、長辺をなす2つの端部とから、液晶パネル2に向かって、それぞれ立ち上がって形成される。フレーム部材13の厚みは、たとえば0.8mm〜1.0mmである。
図3に、プリント基板12が、フレーム部材13の底部131に固定されている様子を示す。また、図4に、プリント基板12とフレーム部材13の底部131とを分解して示す。さらに、図5に、プリント基板12の平面図を示す。
プリント基板12は、フレーム部材13の底部131の底面131aに固定される。プリント基板12の実装面12aには、複数の発光部111が設けられる。プリント基板12は、略長方形板状の部材であり、幅がたとえば10mmであり、厚みがたとえば0.8mmである。複数のプリント基板12は、幅方向に並列し、たとえば30mm離間してそれぞれ設けられる。
プリント基板12は、たとえば、導電パターンが両面に印刷されたガラスエポキシからなる基板である。プリント基板12は、フレーム部材13の側壁部132まで延びて設けられ、側壁部132に設けられる、プリント基板12に電力を供給するためのコネクタ132aと、プリント基板12の導電パターンとが接続される。プリント基板12上の各発光部111は、コネクタ132aおよび導電パターンを介して電力が供給される。
プリント基板12は、位置決め用丸孔12bと、位置決め用長孔12cと、複数の固定用長孔12dとが形成されている。位置決め用丸孔12bおよび位置決め用長孔12cには、フレーム部材13の底部131の底面131aに形成される、位置決め用突起部131b,131cがそれぞれ挿通される。固定用長孔12dには、固定用ピン12eが挿通され、この固定用ピン12eは、ピン受け部材12fを介して、フレーム部材13の底部131に形成される固定用孔131d内に固定される。
図2に示すように、複数の発光装置11は、マトリクス状に整列配置される。各発光装置11は、フレーム部材13の底部131の底面131aに垂直な方向(X方向)に平面視したときに正方形に形成され、この正方形の一辺の長さは、たとえば55mmである。各発光装置11は、液晶パネル2における、この正方形に対向する領域の光量が、たとえば6000cd/m2となるように設計される。
発光装置11は、被照射体である液晶パネル2に向けて光を出射する発光部111と、発光部111の周囲に設けられ、発光部111から出射された光を液晶パネル2に向けて反射する反射部材118とを含む。反射部材118は、発光部111を囲繞し、その発光部111の光軸Sに対して所定の角度で傾斜して延在する第1反射部である副反射部1182を含んで構成されていればよい。本実施形態では、反射部材118は、X方向に垂直な方向に延在し、X方向に見たときの外形状が多角形状の平板である第2反射部となる主反射部1181と、主反射部1181に連なり、主反射部1181の主面に対して傾斜して延在する主面を有する平板である副反射部1182とを含む。反射部材118の詳細については、後述する。
発光部111は、発光ダイオード(LED)チップ111aと、LEDチップ111aを支持する基台111bと、レンズ112とを含む。図6は、基台111bに支持されたLEDチップ111aとレンズ112との位置関係を示す図である。基台111bは、LEDチップ111aを支持するための部材である。基台111bは、LEDチップ111aを支持する支持面が、X方向に平面視したときに正方形に形成され、正方形の一辺の長さL1は、たとえば3mmである。また、基台111bのX方向長さは、たとえば1mmである。
図7は、基台111bとLEDチップ111aとを示す図であり、図7(a)が平面図であり、図7(b)が正面図であり、図7(c)が底面図である。基台111bは、セラミックス、樹脂などからなる基台本体111gと、基台本体111gに設けられる2つの電極111cとを含んでおり、LEDチップ111aは、基台111bの支持面となる基台本体111gの上面の中央部に、接着部材111fで固定されている。2つの電極111cは、互いに離間しており、それぞれ、基台本体111gの上面、側面、および底面にわたって設けられる。
2つの電極111cと、LEDチップ111aの図示しない2つの端子とが、2つのボンディングワイヤ111dによってそれぞれ接続される。そして、LEDチップ111aおよびボンディングワイヤ111dは、シリコン樹脂などの透明樹脂111eによって封止される。
図8に、プリント基板12に実装されるLEDチップ111aおよび基台111bを示す。LEDチップ111aは、基台111bを介してプリント基板12に実装され、プリント基板12から液晶パネル2へ向かう方向に光を出射する。LEDチップ111aの光軸Sの方向は、X方向である。LEDチップ111aは、発光装置11をX方向に平面視したときに、基台111bの中央部に位置する。複数の発光装置11において、それぞれのLEDチップ111aによる光の出射の制御は、互いに独立して制御可能である。これによって、バックライトユニット1は、部分的な調光制御(ローカルディミング)が可能である。
プリント基板12へLEDチップ111aおよび基台111bを実装するときは、まず、プリント基板12が備える導電パターンの2つの接続端子部121の上に、それぞれ、はんだを付け、そのはんだに、基台本体111gの底面に設けられる2つの電極111cがそれぞれ合致するように、たとえば図示しない自動機によって、プリント基板12に、基台111bおよび基台111bに固定されているLEDチップ111aを載せる。基台111bおよび基台111bに固定されているLEDチップ111aを載せたプリント基板12は、赤外線を照射するリフロー槽に送られ、はんだは約260℃に熱せられ、基台111bとプリント基板12とがはんだ付けされる。
図6に示すレンズ112は、LEDチップ111aおよびLEDチップ111aを支持する基台111bを覆うように、基台111bに当接して設けられ、LEDチップ111aから出射された光を、LEDチップ111aの光軸Sに交差する複数の方向に反射または屈折させる。レンズ112は、透明なレンズであり、たとえばシリコン樹脂やアクリル樹脂などからなる。
レンズ112において、液晶パネル2に対向する面である上面112aは、中央部に凹みを有して湾曲して形成される。また、側面112bは、LEDチップ111aの光軸Sの方向を軸線方向とする円柱の側面状に形成される。
レンズ112は、光軸S回りに回転対称に形成される。レンズ112において、光軸Sに直交する断面の直径L2は、たとえば10mmである。レンズ112は、基台111bに対して外方に延出して設けられている。すなわち、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに垂直な方向に関して基台111bよりも大きい(レンズ112の直径L2は、基台111bの支持面の一辺の長さL1よりも大きい)。このように、レンズ112が基台111bに対して外方に延出して設けられることによって、LEDチップ111aから出射された光をレンズ112により広範囲に拡散させることができる。また、レンズ112の高さH1は、たとえば1.5mmであり、直径L2よりも小さい。すなわち、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに垂直な方向の最大長さが、高さH1よりも大きい。
上記のように、直径L2を高さH1よりも大きくするのは、バックライトユニット1の薄型化と液晶パネル2への光の均一照射のためである。バックライトユニット1を薄型化するためには、レンズ112の高さH1を小さく、すなわち、レンズ112を極力薄くする必要がある。しかしながら、レンズ112を薄くすると、液晶パネル2の背面に照度むらが発生し易くなり、その結果、液晶パネル2の表示画面2aに輝度むらが発生し易くなる。特に、隣接するLEDチップ111aの間の距離が長い場合、液晶パネル2の背面の、隣接するLEDチップ111aの間となる部分は、2つのLEDチップ111aから遠く離れており、照射光量が少なくなるので、その部分とLEDチップ111aに対向する部分との間で、照度むら(輝度むら)が生じ易くなる。LEDチップ111aから照射された光を、レンズ112を介して、LEDチップ111aから遠く離れた領域に照射させるには、レンズ112の直径L2をある程度大きくする必要があり、本実施形態では、レンズ112の直径L2を、高さH1よりも大きくすることで、バックライトユニット1の薄型化と液晶パネル2への光の均一照射とを可能にしている。
なお、仮に、レンズ112の高さH1よりも、レンズ112の直径L2を小さくした場合、バックライトユニット1の薄型化および均一照射が困難となるばかりでなく、LEDチップ111aに合わせてレンズ112を成形するインサート成形において、バランスが悪くなり易いという課題が生じる。また、LEDチップ111aおよび基台111bと、インサート成形されたレンズ112とからなる発光部111をプリント基板12にはんだ付けする際に、バランスを崩し易く、組立上にも課題が生じる。
レンズ112の上面112aは、LEDチップ111aに対向し、かつ、拡散板3の主面に平行な中央部分1121と、中央部分1121を取り囲む第1湾曲部分1122と、第1湾曲部分を取り囲む第2湾曲部分1123とを含む。レンズ112の表面において、上面112aの中央部分1121および第2湾曲部分1123ならびに側面112bは、LEDチップ111aから出射され、レンズ112の内部を通って到達した光を透過する透過領域となる。また、上面112aの第1湾曲部分1122は、LEDチップ111aから出射され、レンズ112の内部を通って到達した光を側面112bに向けて反射する反射領域となる。
上面112aの中央部分1121は、上面112aの中央において、中央部分1121の中心(すなわち、レンズ112の光軸)が、LEDチップ111aの光軸S上に位置するように形成される。上面112aの中央部分1121は、LEDチップ111aの発光面に平行であり、円形状に形成され、その円形状の直径L3は、たとえば1mmである。なお、本発明の他の実施形態としては、中央部分1121の形状を、上記円形状の代わりに、上記円形状の底面を有し、LEDチップ111aに向かって突出する仮想的な円錐の側面形状にしてもよい。
中央部分1121は、拡散板3の、中央部分1121に対向する領域に光を照射するために形成されている。ただし、中央部分1121はLEDチップ111aに対向する部分であるので、LEDチップ111aから出射される光の大半が中央部分1121に到達し、その大半の光がそのまま透過した場合、中央部分1121に対向する領域の照度が際立って大きくなる。そこで、中央部分1121の形状を、上記円錐の側面形状とすることが好ましい。上記円錐の側面形状とした場合、大半の光が中央部分1121で反射され、中央部分1121を透過する光は少なくなるので、中央部分1121に対向する領域の照度を抑えることができる。
上面112aの第1湾曲部分1122は、中央部分1121の外周縁端部を取り巻き、その外周縁端部に連なる環状の曲面であり、この曲面は、LEDチップ111aの光軸Sを中心として外方に向かうにつれて光軸S方向の一方(液晶パネル2に向かう方向)に延び、内方および光軸S方向の一方に凸となるように湾曲している。ここで、外周縁端部とは、光軸S方向に平面視したときに、光軸Sを中心として最外方となる部分であり、光軸Sのまわりを1周する部分である。第1湾曲部分1122は、反射領域とするために、曲面の形状が、LEDチップ111aから出射された光が全反射するように設計される。
より詳細には、LEDチップ111aから出射された光のうち、第1湾曲部分1122に到達した光は、第1湾曲部分1122で全反射した後、レンズの側面112bを透過し、反射部材118の主反射部1181へ向かう。主反射部1181に到達した光は、主反射部1181で拡散され、拡散光の一部は、拡散板3において、主反射部1181に対向する領域に照射される。また、拡散光の他の一部は、反射部材118の副反射部1182に向かい、副反射部1182で拡散され、拡散光は、拡散板3において、副反射部1182に対向する領域に照射される。このようにして、LEDチップ111aに対向していない領域への照射光量を増加させることができる。
第1湾曲部分1122は、LEDチップ111aから出射された光を全反射するために、LEDチップ111aから出射された光の入射角度が、臨界角φ以上となるように形成される。たとえば、レンズ112の材質をアクリル樹脂とするとき、アクリル樹脂の屈折率は「1.49」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.49となる。この式から、臨界角φは42.1°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が42.1°以上となる形状に形成される。また、たとえば、レンズ112の材質をシリコン樹脂とするとき、シリコン樹脂の屈折率は「1.43」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.43となる。この式から、臨界角φは44.4°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が44.4°以上となる形状に形成される。
上面112aの第2湾曲部分1123は、第1湾曲部分1122の外周縁端部に連なり、LEDチップ111aの光軸Sを中心として外方に向かうにつれて光軸S方向の他方(液晶パネル2から離反する方向)に延び、外方および光軸S方向の一方に凸となるように湾曲した環状の曲面である。
LEDチップ111aから出射された光のうち、第2湾曲部分1123に到達した光は、第2湾曲部分1123を透過するときに、発光部111に向かう方向に屈折して、拡散板3および反射部材118に向かう。反射部材118に到達した光は、拡散して拡散板3に向かう。このように第2湾曲部分1123により拡散板3へ向かう光は、拡散板3において、中央部分1121および第1湾曲部分1122により光が照射される領域とは異なる領域に主に照射され、これによって光量の補完が行われる。なお、第2湾曲部分1123は、光を透過する必要があるので、LEDチップ111aから出射された光を全反射しないように、入射角度が42.1°未満となる形状に形成される。
このように、レンズ112は、中央部分1121の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光をレンズ112の側面112bへ向けて全反射させる第1湾曲部分1122が形成され、その第1湾曲部分1122の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光を屈折させる第2湾曲部分1123が形成されている。LEDチップ111aは一般的に指向性が強く、光軸S付近の光量が極めて大きく、光軸Sに対する光の出射角度が大きくなればなるほど光量が小さくなる。したがって、LEDチップ111aの光軸S(すなわち、レンズ112の光軸)から比較的遠い領域への照射光量を大きくするためには、光軸Sに対する出射角度が大きな光を、この領域へ向けるのではなく、出射角度が小さな光を、この領域へ向ける必要がある。
本実施形態では、上記のように、光軸Sが通る中央部分1121の周囲に、上記の領域へ向けて光を全反射させる第1湾曲部分1122が隣接して形成されるので、上記の領域への照射光量を大きくすることができる。これに対して、仮に、中央部分1121の周囲に、第2湾曲部分1123を隣接させて形成し、その第2湾曲部分1123の周囲に、第1湾曲部分1122を隣接して形成した場合、第1湾曲部分1122へ向かう光の光軸Sに対する出射角度が大きくなり、その結果、第1湾曲部分1122で全反射されて上記の領域に照射される光の量は、少なくなってしまう。
図9は、LEDチップ111aから出射された光の光路を模式的に示す図である。LEDチップ111aから出射された光は、レンズ112に入射し、レンズ112で反射および屈折される。具体的には、レンズ112に入射した光のうち、中央部分1121に到達した光は、液晶パネル2に向けて矢符A1方向などに出射され、第1湾曲部分1122に到達した光は、全反射して側面112bから矢符A2方向などに出射され、第2湾曲部分1123に到達した光は、屈折して液晶パネル2に向けて矢符A3方向などに出射される。
本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、レンズ112の中心(すなわち、レンズ112の光軸)がLEDチップ111aの光軸S上に位置し、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、予め高精度に位置合わせされて形成されている。このように、LEDチップ111aとレンズ112とを、予め位置合わせして形成する方法としては、インサート成形や、所定の形状に成形されたレンズ112に基台111bに支持されたLEDチップ111aを嵌合させる方法などを挙げることができる。本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、インサート成形により、予め位置合わせされて形成されている。
インサート成形する際には、大きく分けて、上面金型と下面金型とを使用する。上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、LEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂流入口から注入することにより成形する。なお、上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、基台111bに支持されたLEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂注入口から注入することにより成形するようにしてもよい。このように、LEDチップ111aとレンズ112とをインサート成形により形成することによって、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、高精度に位置合わせすることができる。これによって、バックライトユニット1は、LEDチップ111aから出射された光を、LEDチップ111aに当接したレンズ112により、精度よく反射および屈折させることができるので、後述する図11に示す、拡散板3からプリント基板12までの距離H3(H3は、たとえば6mm)が小さい薄型化された液晶表示装置100においても、面方向において強度が均一化された光を液晶パネル2に照射することができる。
次に、反射部材118について説明する。図10は、液晶パネル2側から発光装置11を平面視したときの一部を拡大して示す図である。図11は、図2および図10に示す線A−Aで切断したときの液晶表示装置100の断面図である。図12は、反射部材118の構成を示す断面図である。図12(a)は、図2に示す線B−Bで切断したときの反射部材118の断面図を示し、図12(b)は、図2に示す線C−Cで切断したときの反射部材118の断面図を示す。
フレーム部材13における底部131の縁端部に配置されている各発光部111の周囲に設けられる反射部材118の、底部131の縁端部に対応する部分(後述の副反射部1182の一部分)は、図12に示すように、フレーム部材13の側壁部132によって支持されている。側壁部132は、底部131に接続された端部とは反対側の端部が、外方に屈曲して形成されており(折り曲げられており)、この屈曲した部分に、反射部材118の一部分が載置されることによって、反射部材118が側壁部132に支持されている。
なお、側壁部132の屈曲した部分に反射部材118の一部分が載置された状態で、さらにその反射部材118の一部分の上に重なるように拡散板3の縁端部が載置され、これによって拡散板3が側壁部132によって支持される。なお、図12では、フレーム部材13の底部131と反射部材118との間に隙間が形成されているが、この隙間は、プリント基板12の厚みに相当するものである。
反射部材118は、LEDチップ111aから出射される光に対して高い反射率、理想的には100%の反射率を有する部材である。本実施形態では、反射部材118は白色であり、LEDチップ111aから出射される光に対して95%〜98%の全反射率を有する。反射部材118を構成する材料自身の反射率は、JIS K 7375に準拠して測定することができる。
反射部材118は、高輝性PET(Polyethylene Terephthalate)、アルミニウムなどからなる。高輝性PETとは、蛍光剤を含有した発泡性PETであり、たとえば、東レ株式会社製のE60V(商品名)などを挙げることができる。反射部材118は、X方向に平面視したときの外形状が多角形状、たとえば略正方形状であり、この正方形状の1辺の長さを55mmとするとき、隣接する反射部材118の中心間の間隔は、たとえば55mm〜58mmである。
反射部材118の主反射部1181は、厚みが0.1mm〜0.5mmの平板状部材であり、X方向に平面視したときの外形状は多角形状、たとえば正方形状である。主反射部1181は、プリント基板12上において、LEDチップ111aの光軸Sに垂直な方向に延在して設けられ、X方向に平面視したときの正方形状の各辺が、複数のLEDチップ111aの配列方向(マトリクス状の配列における行方向または列方向)と平行になるように形成される。
主反射部1181は、X方向に平面視したときに、中央部に円形状の開口部が設けられる。この円形状の開口部の直径の長さは、LEDチップ111aを被覆するレンズ112の直径の長さL2と同程度の10mm〜13mmであり、プリント基板12にレンズ112を含む発光部111が実装された後、反射部材118をプリント基板12上に設置する際、この開口部に発光部111が挿通される。
反射部材118の副反射部1182は、厚みが0.1mm〜0.5mmの矩形平板状部材であり、主反射部1181の4つの辺部分にそれぞれ連なって設けられる。ここで、主反射部1181の辺部分とは、主反射部1181をX方向に平面視したときに正方形状の主反射部1181の外周縁端部となる部分である。正方形状の主反射部1181の外周縁端部とは、光軸S方向(X方向)に平面視したときに、光軸Sのまわりを1周する部分であり、光軸Sを中心として光軸Sに垂直な各方向において最外方となる所定の幅の部分である。所定の幅とは、たとえば、正方形状の主反射部1181の1辺の長さの1%〜10%の幅である。
各副反射部1182の主面は、LEDチップ111aの光軸S方向に垂直な方向において主反射部1181から離れるにつれて光軸S方向においてプリント基板12から遠ざかり、拡散板3へ向かうように、傾斜して延びて形成される。各副反射部1182は、主反射部1181のそれぞれ異なる辺部分に設けられるので、各副反射部1182は、それぞれ異なる方向に傾斜することになる。光軸Sに対する各副反射部1182の傾斜角度θ1および傾斜角度θ2は、0°以上90°未満の範囲内で適宜設定することができる。
図11および図12に示すように、隣接する発光装置11同士において、隣接する副反射部1182は、接しており、逆V字状を形成している。前記逆V字状とは、副反射部1182が接続される主反射部1181の辺部分に垂直で、光軸Sに平行に切断したときの断面が逆V字状であることを示す。
反射部材118の高さH2は、たとえば1mm〜5mmであり、本実施形態では、1.5mmである。ここで、高さH2は、副反射部1182の、X方向において主反射部1181の表面から最も離間した部分と、主反射部1181の表面との、X方向における距離である。
上記のように構成され、複数の発光装置11にそれぞれ備えられる反射部材118は、互いに一体的に成形されるのが好ましい。複数の反射部材118を一体成形する方法としては、反射部材118が発泡性PETにより構成されている場合には押出し成型加工を挙げることができ、反射部材118がアルミニウムにより構成されている場合にはプレス加工を挙げることができる。このように、複数の発光装置11にそれぞれ備えられる反射部材118を一体成形することによって、各発光部111の、各反射部材118に対する配置位置の精度を向上することができ、その結果、反射部材118によって、被照射体の輝度が面方向においてより均一となるように光を反射することができる。また、反射部材118を一体成形することにより、バックライトユニット1の組立作業時に、反射部材118を取り付ける作業数を低減することができるので、組立作業の効率を向上することができる。
複数の反射部材118が一体成形される場合、上記の逆V字状を形成する副反射部1182同士が連なって設けられる。また、本実施形態では、副反射部1182以外の部分においても反射部材118同士は接続される。
本実施形態では、隣接する発光装置11同士(隣接する反射部材118同士)において、上記の逆V字状を形成する副反射部1182同士(副反射部1182の互いに対向する領域部分同士)は、フレーム部材13における底部131の中央部に対して近い側の副反射部1182(中央部近接側副反射部)よりも、底部131の中央部に対して遠い側の副反射部1182(中央部離反側副反射部)が、光軸S方向に投影したときの投影面積(被照射体に投影したときの投影面積)が大きくなるように設定されている。
ここで、フレーム部材13における底部131の中央部とは、底部131の中心近傍に位置する発光装置11(図10において斜線が付与された発光装置11)に対応する、底部131の領域部分である。底部131の中心近傍に位置する発光装置11とは、マトリクス状の配列における行方向(底部131の短辺方向に平行な方向)に14個、列方向(底部131の長辺方向に平行な方向)に24個配置される発光装置11のうち、底部131の短辺方向の一方の縁端部から7個目であり、かつ底部131の長辺方向の一方の縁端部から12個目の発光装置11と、底部131の短辺方向の一方の縁端部から7個目であり、かつ底部131の長辺方向の他方の縁端部から12個目の発光装置11と、底部131の短辺方向の他方の縁端部から7個目であり、かつ底部131の長辺方向の一方の縁端部から12個目の発光装置11と、底部131の短辺方向の他方の縁端部から7個目であり、かつ底部131の長辺方向の他方の縁端部から12個目の発光装置11との、合計4個の発光装置11である。
また、たとえば、マトリクス状の配列における行方向に14個、列方向に25個の発光装置11が配置されている場合には、底部131の短辺方向の両縁端部から7個目であり、かつ底部131の長辺方向の両縁端部から13個目の、合計2個の発光装置11が、底部131の中心近傍に位置する発光装置11となる。また、たとえば、マトリクス状の配列における行方向に15個、列方向に25個の発光装置11が配置されている場合には、底部131の短辺方向の両縁端部から8個目であり、かつ底部131の長辺方向の両縁端部から13個目の、1個の発光装置11が、底部131の中心近傍に位置する発光装置11となる。
本実施形態では、隣接する発光装置11同士において、上記の逆V字状を形成する副反射部1182同士の、光軸S方向に投影したときの投影面積は、副反射部1182の光軸Sに対する傾斜角度θ1および傾斜角度θ2の大きさによって調整することができる。
具体的には、隣接する発光装置11同士における、上記の逆V字状を形成する副反射部1182同士において、底部131の中央部に対して近い側の副反射部1182(中央部近接側副反射部)の、光軸Sに対する傾斜角度θ2よりも、底部131の中央部に対して遠い側の副反射部1182(中央部離反側副反射部)の、光軸Sに対する傾斜角度θ1の方が、大きくなるように設定されている。
この場合には、たとえば、全ての副反射部1182の高さH2が3mmの同じ値に設定され、中央部近接側副反射部の傾斜角度θ2が10°〜20°の範囲内において同じ値(たとえば10°)に設定され、中央部離反側副反射部の傾斜角度θ1が45°〜60°の範囲内において同じ値(たとえば45°)に設定される。なお、底部131の中心近傍に位置する発光装置11に備えられる反射部材118の副反射部1182の、光軸Sに対する傾斜角度は、中央部近接側副反射部の傾斜角度θ2と同じ値に設定される。
本実施形態のバックライトユニット1では、隣接する発光装置11同士において、上記の逆V字状を形成する副反射部1182同士の、光軸S方向に投影したときの投影面積が、中央部近接側副反射部よりも、中央部離反側副反射部の方が大きいので、各発光部111に対応する反射部材118によって反射される光の量は、中央部近接側副反射部に対応する反射部材118よりも、中央部離反側副反射部に対応する反射部材118の方が多くなる。
したがって、各発光部111に対応する各反射部材118によって反射されて拡散板3を介して液晶パネル2に到達する光の量が、液晶パネル2の面方向において、1つの発光部111に対して隣接する発光部111の数の少ない端部が中央部よりも少なくなることを抑制することができる。すなわち、各発光部111に対応する各反射部材118によって反射されて液晶パネル2に到達する光の量を、液晶パネル2の面方向において均一にすることができ、その結果、液晶パネル2の面方向における輝度を均一にすることができる。
図13は、反射部材の他の例である反射部材118Aの構成を示す断面図である。反射部材118Aにおける副反射部1182Aの光軸Sに対する傾斜角度θ1および傾斜角度θ2は、フレーム部材13における底部131の中央部から外周縁端部に向かうにつれて、段階的に大きくなるように設定されている。換言すれば、反射部材118Aにおける副反射部1182Aの前記投影面積は、底部131の中央部から外周縁端部に向かうにつれて、段階的に大きくなるように設定されている。なお、本実施形態では、フレーム部材13における底部131にマトリクス状に配置される複数の発光装置11において、それぞれの発光部111は、プリント基板12を介して底部131に等間隔に整列配置されている。そのため、反射部材118Aにおける副反射部1182の前記投影面積が上記のように設定されていることに対応して、反射部材118Aにおける主反射部1181Aの、光軸S方向に投影したときの投影面積は、底部131の中央部から外周縁端部に向かうにつれて、段階的に小さくなるように設定されている。
具体的には、隣接する発光装置11同士における、上記の逆V字状を形成する副反射部1182A同士において、フレーム部材13における底部131の中央部に対して近い側の副反射部1182A(中央部近接側副反射部)の、光軸Sに対する傾斜角度θ2は、底部131の中央部から外周縁端部に向かうにつれて、段階的に大きくなるように設定され、底部131の中央部に対して遠い側の副反射部1182A(中央部離反側副反射部)の、光軸Sに対する傾斜角度θ1も、底部131の中央部から外周縁端部に向かうにつれて、段階的に大きくなるように設定されている。
この場合には、全ての副反射部1182Aの高さH2が3mmの同じ値に設定され、底部131の中心近傍に位置する発光装置11に備えられる反射部材118Aの副反射部1182Aの、光軸Sに対する傾斜角度が、10°〜20°の範囲内の値(たとえば10°)に設定される。そして、図13(a)に示すように、底部131の長辺方向において、中央部近接側副反射部の光軸Sに対する傾斜角度θ2は、底部131の中央部から外周縁端部に向かって順番に、10°〜20°の範囲内で段階的に大きくなるように設定される。このとき、底部131の中心近傍に位置する発光装置11に隣接する発光装置11に備えられる反射部材118Aに対応する中央部近接側副反射部の傾斜角度θ2が、10°に設定され、底部131の最外周縁端部に位置する発光装置11に備えられる反射部材118Aに対応する中央部近接側副反射部の傾斜角度θ2が、20°に設定される。
底部131の長辺方向において、中央部離反側副反射部の光軸Sに対する傾斜角度θ1は、底部131の中央部から外周縁端部に向かって順番に、45°〜55°の範囲内で段階的に大きくなるように設定される。このとき、底部131の中心近傍に位置する発光装置11に備えられる反射部材118Aの副反射部1182Aに隣接する中央部離反側副反射部の傾斜角度θ1が、45°に設定され、底部131の最外周縁端部に位置する発光装置11に備えられる反射部材118Aに対応する中央部離反側副反射部の傾斜角度θ1が、55°に設定される。
また、図13(b)に示すように、底部131の短辺方向において、中央部近接側副反射部の光軸Sに対する傾斜角度θ2は、底部131の中央部から外周縁端部に向かって順番に、10°〜16°の範囲内で段階的に大きくなるように設定される。このとき、底部131の中心近傍に位置する発光装置11に隣接する発光装置11に備えられる反射部材118Aに対応する中央部近接側副反射部の傾斜角度θ2が、10°に設定され、底部131の最外周縁端部に位置する発光装置11に備えられる反射部材118Aに対応する中央部近接側副反射部の傾斜角度θ2が、16°に設定される。
底部131の短辺方向において、中央部離反側副反射部の光軸Sに対する傾斜角度θ1は、底部131の中央部から外周縁端部に向かって順番に、45°〜51°の範囲内で段階的に大きくなるように設定される。このとき、底部131の中心近傍に位置する発光装置11に備えられる反射部材118Aの副反射部1182Aに隣接する中央部離反側副反射部の傾斜角度θ1が、45°に設定され、底部131の最外周縁端部に位置する発光装置11に備えられる反射部材118Aに対応する中央部離反側副反射部の傾斜角度θ1が、51°に設定される。
このように、隣接する発光装置11同士における、上記の逆V字状を形成する副反射部1182A同士において、中央部近接側副反射部の光軸Sに対する傾斜角度θ2、および、中央部離反側副反射部の光軸Sに対する傾斜角度θ1を、底部131の中央部から外周縁端部に向かうにつれて段階的に大きくなるように設定することによって、各発光部111に対応する各反射部材118Aによって反射されて拡散板3を介して液晶パネル2に到達する光の量を、液晶パネル2の面方向においてより効果的に均一にすることができ、その結果、液晶パネル2の面方向における輝度を均一にすることができる。