図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置100の構成を示す分解斜視図である。図2−1は、図1における切断面線A−Aで切断したときの液晶表示装置100の断面の一部を模式的に示す図である。図2−2は、図1における切断面線B−Bで切断したときの液晶表示装置100の断面の一部を模式的に示す図である。図2−3は、図1における切断面線C−Cで切断したときの液晶表示装置100の断面の一部を模式的に示す図である。本発明に係る表示装置である液晶表示装置100は、テレビジョンまたはパーソナルコンピュータなどにおいて、画像情報を出力することによって画像を表示画面に表示する装置である。表示画面は、液晶素子を有する透過型の表示パネルである液晶パネル2によって形成され、液晶パネル2は、矩形平板状に形成される。液晶パネル2において、厚み方向の2つの面を、前面21および背面22とする。液晶表示装置100は、画像を、前面21から背面22に向かう方向に見て視認可能に表示する。
液晶表示装置100は、液晶パネル2と、本発明に係る照明装置であるバックライトユニット1とを備える。液晶パネル2は、バックライトユニット1が備えるフレーム部材13の底部131の底面131aと平行に、側壁部132により支持される。液晶パネル2は、2枚の基板を含み、厚み方向から見て長方形の板状に形成される。液晶パネル2は、TFT(thin film transistor)等のスイッチング素子を含み、2枚の基板の隙間には液晶が注入されている。液晶パネル2は、背面22側に配置されるバックライトユニット1からの光がバックライトとして照射されることによって、表示機能を発揮する。前記2枚の基板には、液晶パネル2における画素の駆動制御用のドライバ(ソースドライバ)、種々の素子および配線が設けられている。
また、液晶表示装置100において、液晶パネル2とバックライトユニット1との間には、拡散板3が、液晶パネル2に平行に配置される。なお、液晶パネル2と拡散板3との間に、プリズムシートを配置してもよい。
拡散板3は、バックライトユニット1から照射される光を、面方向に拡散することによって、輝度が局所的に偏ることを防止する。プリズムシートは、拡散板3を介して背面22側から到達した光の進行の向きを、前面21側に向ける。拡散板3では、輝度が面方向に偏ることを防ぐために、光の進行方向は、ベクトル成分として、面方向の成分を多く含む。これに対しプリズムシートは、面方向のベクトル成分を多く含む光の進行方向を、厚み方向の成分を多く含む光の進行方向に変換する。具体的には、プリズムシートは、レンズまたはプリズム状に形成される部分が面方向に多数並んで形成され、これによって、厚み方向に進行する光の拡散度を小さくする。したがって、液晶表示装置100による表示において、輝度を上昇させることができる。
バックライトユニット1は、液晶パネル2に背面22側から光を照射する直下型のバックライト装置である。バックライトユニット1は、液晶パネル2に光を照射する複数の発光装置11と、複数のプリント基板12と、フレーム部材13とを含む。
フレーム部材13は、バックライトユニット1の基本構造体であり、液晶パネル2と予め定められた間隔をあけて対向する平板状の底部131と、底部131に連なり底部131から立ち上がる側壁部132とからなる。底部131は、厚み方向から見て長方形に形成され、その大きさは液晶パネル2よりも少し大き目である。側壁部132は、底部131のうち短辺を成す2つの端部と、長辺を成す2つの端部とから液晶パネル2の前面21側に立ち上がって形成される。これによって、平板状の側壁部132が底部131の周囲に4つ、形成される。
プリント基板12は、フレーム部材13の底部131の底面131aに固定される。このプリント基板12の実装面12aには、後述する複数の発光部111が設けられる。プリント基板12は、長手形状の部材であり、長手方向に直交する、幅方向の長さがたとえば10mm、厚み方向の長さがたとえば0.8mmに設定される。複数のプリント基板12は、幅方向に並列して、たとえば30mm離間して設けられる。プリント基板12は、たとえば、導電層が両面に形成されたガラスエポキシからなる基板である。
プリント基板12は、その長手方向において、フレーム部材13の側壁部132まで延びて設けられる。この側壁部132には、プリント基板12に電力を供給するためのコネクタが設けられており、プリント基板12はこのコネクタに接続され、プリント基板12上の導電層を介して各発光装置11に電力が供給される。
複数の発光装置11は、液晶パネル2に光を照射するための装置である。本実施形態では、複数の発光装置11を1つの群として、拡散板3を介して液晶パネル2の背面22の全体にわたって対向するように、複数の発光装置11が設けられたプリント基板12が複数並列して設けられることで、発光装置11がマトリクス状に設けられる。各発光装置11は、フレーム部材13の底部131に垂直なX方向に平面視したときに正方形状に形成され、拡散板3の液晶パネル2側の面の輝度が6000cd/m2となるように規定され、正方形状の一辺の長さは、たとえば40mmである。
複数の発光装置11は、それぞれ、発光部111と、発光部111の周囲に設けられる反射部材113とを備える。図2−4は、3つの発光装置11をX方向に平面視したときの図である。図2−4における切断面線D−Dは、図1における切断面線A−Aに対応し、図2−4における切断面線E−Eは、図1における切断面線B−Bに対応し、図2−4における切断面線F−Fは、図1における切断面線C−Cに対応する。発光部111は、発光素子である発光ダイオード(LED)チップ111aと、LEDチップ111aを支持する基台111bと、光学部材であるレンズ112とを含む。
反射部材113は、被覆部114と、基部115と、傾斜部116とを有する。被覆部114は、プリント基板12の実装面12aにおいて発光部111が設けられる一領域とは異なる他領域に当接する頂部1141と、この頂部1141に連なり、発光部111から離れる方向に向かって延びる側壁部1142とを有し、プリント基板12を実装面12a側から被覆する。基部115は、側壁部1142に連なり、その裏面115aが、発光部111からプリント基板12の実装面12aに垂直に向かう方向、すなわちX方向において、プリント基板12の実装面12aよりも発光部111から遠い位置に設けられる。本実施形態では、基部115の裏面115aは、フレーム部材13の底部131の底面131aに当接する。傾斜部116は、基部115を取り囲み、発光部111から遠ざかるにつれてプリント基板12から遠ざかるように傾斜して設けられる。
プリント基板12の厚みは0.8mmであり、X方向において、基部115の裏面115aからプリント基板12の実装面12aまでの高さも、0.8mmである。すなわち、X方向において、基部115の裏面115aから頂部1141の裏面までの距離は、プリント基板12の厚みに実質的に一致する。ここで、「実質的に一致する」とは、基部115の裏面115aから頂部1141の裏面までの距離と、プリント基板12の厚みとが一致するか、または、この距離がこの厚みよりも大きく、この距離とこの厚みとの差分値が、この距離の10分の1未満となることをいう。このように、基部115の裏面115aから頂部1141の裏面までの距離とプリント基板12の厚みとを実質的に一致させることで、バックライトユニット1の薄型化を図りつつ、頂部1141と、被照射体である拡散板3との距離をできるだけ大きくすることができ、その結果、頂部1141によって拡散反射される光の拡がる範囲を大きくすることができる。よって、バックライトユニット1の薄型化を図りつつ、被照射体の輝度をその面方向においてより均一化することができる。
図3−1は、基台111bに支持されたLEDチップ111aとレンズ112との位置関係を示す図である。
基台111bは、LEDチップ111aを支持するための部材である。この基台111bは、LEDチップ111aを支持する支持面が、X方向に平面視したときに正方形に形成され、正方形の一辺の長さL1は、たとえば3mmである。また、基台111bの高さは、たとえば1mmである。
図3−2は、基台111bとLEDチップ111aとを示す図であり、図3−2(a)が平面図であり、図3−2(b)が正面図であり、図3−3(c)が底面図である。図3−2に示すように、基台111bは、セラミックスからなる基台本体111gと、基台本体111cに設けられる2つの電極111cとを含んでおり、LEDチップ111aは、基台111bの支持面となる基台本体111gの上面中央部に、接着部材111fで固定されている。2つの電極111cは、互いに離間しており、それぞれ、基台本体111gの上面、側面、および底面に亘って設けられる。
LEDチップ111aの図示しない2つの端子と、2つの電極111cとは、2つのボンディングワイヤ111dによってそれぞれ接続されている。そして、LEDチップ111aおよびボンディングワイヤ111dは、シリコン樹脂などの透明樹脂111eによって封止されている。
図3−3に、プリント基板12に実装されるLEDチップ111aおよび基台111bを示す。LEDチップ111aは、基台111bを介してプリント基板12に実装され、プリント基板12から離れる方向に光を出射する。LEDチップ111aは、発光装置11をX方向に平面視したときに、基台111bの中央部に位置する。複数の発光装置11において、それぞれのLEDチップ111aによる光の出射の制御は、互いに独立して制御可能である。これによって、バックライトユニット1は、部分的な調光制御(ローカルディミング)が可能である。
プリント基板12へLEDチップ111aおよび基台111bを実装するときは、まず、プリント基板12が備える導電層パターンの2つの接続端子部121の上に、それぞれ、はんだを付け、そのはんだに、基台本体111gの底面に設けられる2つの電極111cがそれぞれ合致するように、たとえば図示しない自動機によって、プリント基板12に、基台111bおよび基台111bに固定されているLEDチップ111aを載せる。基台111bおよび基台111bに固定されているLEDチップ111aを載せたプリント基板12は、赤外線を照射するリフロー槽に送られ、はんだは約260℃に熱せられ、基台111bとプリント基板12とがはんだ付けされる。
レンズ112は、LEDチップ111aを支持する基台111bを覆うように、基台111bに、インサート成形により、当接して設けられ、LEDチップ111aから出射した光を複数の方向に反射または屈折させる。すなわち、光を拡散させる。レンズ112は、透明なレンズであり、たとえばシリコン樹脂やアクリル樹脂などからなる。
レンズ112は、液晶パネル2に対向する面である上面112aが中央部に凹みを有して湾曲し、側面112bがLEDチップ111aの光軸Sと平行な略円柱状に形成される。レンズ112において、光軸Sに直交する断面における直径L2は、プリント基板12の幅より大きく、たとえば14mmであり、レンズ112は、基台111bに対して外方に延出して設けられている。すなわち、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに直交する方向に関して基台111bよりも大きい(レンズ112の直径L2は、基台111bの支持面の一辺の長さL1よりも大きい)。このように、レンズ112が基台111bに対して外方に延出して設けられることによって、LEDチップ111aから出射した光をレンズ112により広範囲に拡散させることができる。
また、レンズ112の高さH1は、たとえば4.5mmであり、直径L2よりも小さい。換言すれば、レンズ112は、LEDチップ111aの光軸Sに直交する方向の長さ(直径L2)が、高さH1よりも大きい。このレンズ112に入射した光は、レンズ112の内部において光軸Sに交差する方向に拡散される。
上記のように、直径L2を高さH1よりも大きく設定するのは、バックライトユニット1の薄型化と液晶パネル2への光の均一照射のためである。バックライトユニット1を薄型化するためには、レンズ112の高さH1を小さく、すなわち、レンズ112を極力薄くする必要がある。しかしながら、レンズ112を薄くすると、液晶パネル2の背面22に照度むらが発生し易くなり、その結果、液晶パネル2の前面21に輝度むらが発生し易くなる。特に、隣接するLED111aの間の距離が長い場合、液晶パネル2の背面22において隣接するLEDチップ111aの間の領域は、LEDチップ111aから遠く離れており、照射光量が少なくなるので、その領域とLEDチップ111aに近接する領域との間で、照度むら(輝度むら)が生じ易くなる。LEDチップ111aから照射された光を、レンズ112を介して、LEDチップ111aから遠く離れた領域に照射させるには、レンズ112の直径L2をある程度大きくする必要があり、本実施形態では、レンズ112の直径L2を、高さH1よりも大きくすることで、バックライトユニット1の薄型化と液晶パネル2への光の均一照射とを可能にしている。
なお、仮に、レンズ112の高さH1よりも、レンズ112の直径L2を小さくした場合、薄型化および均一照射が困難となるばかりでなく、LEDチップ111aに合わせてレンズ112を成形するインサート成形において、バランスが悪くなり易いという課題が生じる。また、LEDチップ111aおよび基台111bと、インサート成形されたレンズ112とからなる発光部111をプリント基板12にはんだ付けする際に、バランスを崩し易く、組立上にも課題が生じる。
レンズ112の上面112aは、中央部分1121と、第1湾曲部分1122と、第2湾曲部分1123とを含んで構成される。レンズ112において、中央部に凹みを有して湾曲した上面112aは、到達した光を反射させて側面112bから出射させる第1領域と、到達した光を外方に屈折させて上面112aから出射させる第2領域とを有する。第1領域は第1湾曲部分1122に形成され、第2領域は第2湾曲部分1123に形成される。
中央部分1121は、液晶パネル2に対向する上面112aの中央部に形成され、中央部分1121の中心(すなわち、レンズ112の光軸)は、LEDチップ111aの光軸S上に位置する。中央部分1121は、LEDチップ111aの発光面に平行な円形状に形成され、その直径L3は、たとえば1mmである。なお、本発明の他の実施形態としては、中央部分1121の形状を、上記円形状の代わりに、上記円形状を仮想的な底面とし、この底面からLEDチップ111aに向かって突出する円錐の側面形状にしてもよい。
中央部分1121は、被照射体である拡散板3において、中央部分1121に対向する領域に光を照射するために形成されている。ただし、中央部分1121はLEDチップ111aに対向する部分であるので、LEDチップ111aから出射される光の大半が中央部分1121に到達し、その大半の光がそのまま透過した場合、中央部分1121に対向する領域の照度が際立って大きくなる。そこで、中央部分1121の形状を、上記円錐の側面形状とすることが好ましい。上記円錐の側面形状とした場合、大半の光が中央部分1121で反射され、中央部分1121を透過する光は少なくなるので、中央部分1121に対向する領域の照度を抑えることができる。
第1湾曲部分1122は、中央部分1121の外周縁端部に連なり、外方に向かうにつれてLEDチップ111aの光軸S方向の一方(液晶パネル2に向かう方向)に延び、内方および光軸S方向の一方に凸となるように湾曲した環状の曲面である。ここで、外周縁端部とは、光軸S方向に平面視したときに、光軸Sを中心として最外方となる部分であり、光軸Sのまわりを1周する部分である。この曲面の形状は、LEDチップ111aから出射された光が全反射するように設計される。
より詳細には、LEDチップ111aから出射された光のうち、第1湾曲部分1122に到達した光は、第1湾曲部分1122で全反射した後、レンズの側面112bを透過し、反射部材113へ向かう。反射部材113に到達した光は、反射部材113で拡散され、被照射体である拡散板3において、LEDチップ111aに対向していない領域に照射される。これにより、LEDチップ111aに対向していない領域への照射光量を増加させることができる。
第1湾曲部分1122は、LEDチップ111aから出射された光を全反射するために、LEDチップ111aから出射された光の入射角度が、臨界角φ以上となるように形成される。たとえば、レンズ112の材質をアクリル樹脂とするとき、アクリル樹脂の屈折率は「1.49」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.49となる。この式から、臨界角φは42.1°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が42.1°以上となる形状に形成される。また、たとえば、レンズ112の材質をシリコン樹脂とするとき、シリコン樹脂の屈折率は「1.43」であり、空気の屈折率は「1」であるので、sinφ=1/1.43となる。この式から、臨界角φは44.4°となり、第1湾曲部分1122は、入射角度が44.4°以上となる形状に形成される。
第2湾曲部分1123は、第1湾曲部分1122の外周縁端部に連なり、外方に向かうにつれてLEDチップ111aの光軸S方向の他方(液晶パネル2から離反する方向)に延び、外方および光軸S方向の一方に凸となるように湾曲した環状の曲面である。
LEDチップ111aから出射された光のうち、第2湾曲部分1123に到達した光は、第2湾曲部分1123を透過するときに、発光部111に向かう方向に屈折して、拡散板3および反射部材113に向かう。反射部材113に到達した光は、拡散して拡散板3に向かう。このように第2湾曲部分1123により拡散板3へ向かう光は、拡散板3において、中央部分1121および第1湾曲部分1122により光が照射される領域とは異なる領域に主に照射され、これによって光量の補完が行われる。なお、第2湾曲部分1123は、光を透過する必要があるので、LEDチップ111aから出射された光を全反射しないように、入射角度が42.1°未満となる形状に形成される。
このように、レンズ112は、中央部分1121の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光をレンズ112の側面112bへ向けて全反射させる第1湾曲部分1122が形成され、その第1湾曲部分1122の外周縁端部に、LEDチップ111aから出射された光を屈折させる第2湾曲部分1123が形成されている。LEDチップ111aは一般的に指向性が強く、光軸S付近の光量が極めて大きく、光軸Sに対する光の出射角度が大きくなればなるほど光量が小さくなる。したがって、LEDチップ111aの光軸S(すなわち、レンズ112の光軸)から比較的遠い領域への照射光量を大きくするためには、光軸Sに対する出射角度が大きな光を、この領域へ向けるのではなく、出射角度が小さな光を、この領域へ向ける必要がある。本実施形態では、上記のように、光軸Sが通る中央部分1121の周囲に、上記領域へ向けて光を全反射させる第1湾曲部分1122が隣接して形成されるので、この領域への照射光量を大きくすることができる。これに対して、仮に、中央部分1121の周囲に、第2湾曲部分1123を隣接させて形成し、その第2湾曲部分1123の周囲に、第1湾曲部分1122を隣接して形成した場合、第1湾曲部分1122へ向かう光の光軸Sに対する出射角度が大きくなり、その結果、第1湾曲部分1122で全反射されて上記領域に照射される光の量は少なくなってしまう。
本実施形態では、レンズ112は、その底面全体に、光を反射する反射部112cが設けられる。反射部112cは、銀やアルミニウムのシートを張り付けたり、アルミ蒸着を行ったりすることで形成することができる。反射部112cの厚みは、たとえば、50μmであり、LEDチップ111aから出射される可視光に対する反射率(全反射率)が、98%以上である。なお、反射部112cは、レンズ112の底面全体に設けられなくてもよく、たとえば、レンズ112の底面のうちのプリント基板12に臨む部分のみに設けられてもよい。なお、アルミ蒸着は、真空にした容器の中でアルミニウムを加熱させて、蒸着対象物であるレンズ112の底面に付着させて行われる。
図4は、LEDチップ111aから出射された光の光路を説明するための図である。LEDチップ111aから出射した光は、レンズ112に入射し、このレンズ112で拡散される。具体的には、レンズ112に入射した光のうち、液晶パネル2に対向する上面112aにおいて中央部分1121に到達した光は、液晶パネル2に向けて矢符A1方向に出射され、第1湾曲部分1122に到達した光は、全反射して側面112bから矢符A2方向に出射され、第2湾曲部分1123に到達した光は、外方(LEDチップ111aから遠ざかる方向)に屈折して液晶パネル2に向けて矢符A3方向に出射される。
また、本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、レンズ112の中心(すなわち、レンズ112の光軸)がLEDチップ111aの光軸S上に位置し、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、予め高精度に位置合わせされて形成されている。このように、LEDチップ111aとレンズ112とを、予め位置合わせして形成する方法としては、インサート成形、所定の形状に成形されたレンズ112に、基台111bに支持されたLEDチップ111aを嵌合させる方法などを挙げることができる。本実施形態では、LEDチップ111aとレンズ112とは、インサート成形により、予め位置合わせされて形成されている。
インサート成形する際には、大きく分けて、上面金型と下面金型とを使用する。上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、LEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂流入口から注入することにより成形する。なお、上面金型と下面金型とを合わせた際に形成される空間に、基台111bに支持されたLEDチップ111aを保持した状態で、レンズ112の原料となる樹脂を樹脂注入口から注入することにより成形するようにしてもよい。このように、LEDチップ111aとレンズ112とをインサート成形により形成することによって、レンズ112がLEDチップ111aに当接するように、高精度に位置合わせすることができる。これによって、バックライトユニット1は、LEDチップ111aから出射した光を、LEDチップ111aに当接したレンズ112により、精度よく反射および屈折させることができるので、拡散板3からプリント基板12までの距離が小さい薄型化された液晶表示装置100においても、輝度がその面方向において均一となるように、光を液晶パネル2に照射することができる。
図2−1、図2−2、図2−3、図5、図6、および図7を用いて反射部材113について説明する。図5は、反射部材113の斜視図であり、図6は、反射部材113をX方向に平面視したときの図であり、図7は、反射部材113を、頂部1141と、側壁部1142および基部115と、傾斜部116とに分解して示す図である。
反射部材113は、入射する光を液晶パネル2へ向けて反射する部材であり、X方向に平面視したときの外形状が多角形状、たとえば正方形状である。本実施形態では、反射部材113は、正方形状の中心点について180°回転対称に構成される。反射部材113は、1組の頂部1141と、1組の側壁部1142と、1組の基部115と、1組の傾斜部116とからなる。
1組の頂部1141は、プリント基板12の実装面12aの幅と実質的に同じ幅、たとえば幅が10.2mmであり、長さが38.8mmの、矩形状の主面を有する平板状部材から、レンズ112と同じ直径の円盤を打ち抜いて分割したような形状の、2つの平板状部材11411からなる。より詳細には、各平板状部材11411は、プリント基板12に臨む側の主面の幅、すなわち、幅方向一端部11411aの縁から幅方向他端部11411bの縁までの距離が、10.2mmである。1組の頂部1141は、プリント基板12の実装面12a上でレンズ112を挟むように、実装面12aに沿って設置される。平板状部材11411は、それぞれ、幅方向一端部11411aおよび幅方向他端部11411bが側壁部1142に連なり、長手方向一端部11411cが傾斜部116に連なる。
1組の側壁部1142は、主面が、1対の隣り合う頂点の角度が直角となる不等脚台形状となる、4つの平板状部材11421からなる。不等脚台形平板状部材11421の互いに平行な2つの辺部のうちの長い方の辺部11421aは、1組の頂部1141を構成する2つの平板状部材11411のうちのいずれか1つの平板状部材11411の、幅方向一端部11411aまたは幅方向他端部11411bに連なる。不等脚台形平板状部材11421の互いに平行な2つの辺部のうちの短い方の辺部11421bは、基部115に連なる。不等脚台形平板状部材11421の互いに非平行な対向する2つの辺部のうちの長い方の辺部11421cは、傾斜部116に連なる。
1組の側壁部1142を構成する各不等脚台形平板状部材11421の表面11421dは、長手方向が、プリント基板12の長手方向に沿い、プリント基板12の面方向において発光部111から離れるにつれて、プリント基板12の実装面12aとは反対側の面に近づくように傾斜して設けられる。側壁部1142の表面11421dの、プリント基板12の実装面12aに対する傾斜角度、すなわち図2−3に示す傾斜角度δは、45°以上90°未満であることが好ましい。なお、本発明の他の実施形態としては、傾斜角度δが90°となるように側壁部1142を構成してもよい。
1組の基部115は、プリント基板12の長手方向に沿って延び、その裏面115aがフレーム部材13の底部131の底面131aに当接する、主面が略矩形状の、2つの平板状部材1151からなる。平板状部材1151は、矩形の平板の長手方向中央部に、弓形の切欠きが形成された形状であり、2つの平板状部材1151は、互いに、弓形の弦の部分が対向するように配置される。平板状部材1151の幅方向一端部1151aは、側壁部1142を構成する不等脚台形平板状部材11421の辺部11421bに連なり、幅方向他端部1151b、長手方向一端部1151c、および長手方向他端部1151dは、傾斜部116に連なる。連なって設けられる頂部1141、側壁部1142、および基部115をX方向に平面視したときの外形状は正方形状であり、正方形状の1辺の長さは38.8mmである。正方形状の各辺は、マトリクス状に配置される複数のLEDチップ111aの行方向または列方向と平行になる。
1組の傾斜部116は、主面が等脚台形状の1対の平板状部材1161と、主面が8角形状の1対の平板状部材1162とからなる。1対の等脚台形平板状部材1161は、互いに対向し、プリント基板12の長手方向に沿って延びる。等脚台形平板状部材1161の互いに平行な2つの辺部のうち、短い方の辺部1161aは、1組の基部115を構成する平板状部材1151の幅方向他端部1151bに連なる。各等脚台形平板状部材1161の互いに非平行な対向する2つの辺部のうち、一方の辺部1161bは、一方の8角形平板状部材1162に連なり、他方の辺部1161cは、他方の8角形平板状部材1162に連なる。
1対の8角形平板状部材1162は、互いに対向し、プリント基板12の幅方向に沿って延びる。各8角形平板状部材1162は、等脚台形平板状部材1161の短い方の辺部1161aの中央から、より小さな等脚台形状平板を切り欠いたような形状である。したがって、8角形平板状部材1162の切欠き部分1162aの形状は、仮想的な等脚台形状平板を囲むような形状であり、この仮想的な等脚台形状平板の互いに平行な2つの辺部のうちの短い方の辺部に臨む第1部分1162aaは、8角形平板状部材1162の最も長い辺部1162bに平行となり、この仮想的な等脚台形状平板の互いに非平行な対向する2つの辺部にそれぞれ臨む第2部分1162abは、第1部分1162aaから遠ざかるにつれて切欠き部分1162aの幅が広くなるように、傾斜して設けられる。
一方の8角形平板状部材1162の切欠き部分1162aを挟む2つの辺部1162cは、1組の基部115を構成する2つの平板状部材1151の長手方向一端部1151cにそれぞれ連なり、他方の8角形平板状部材1162の切欠き部分1162aを挟む2つの辺部1162cは、2つの平板状部材1151の長手方向他端部1151dにそれぞれ連なる。また、一方の8角形平板状部材1162の長手方向両端部1162dは、2つの等脚台形平板状部材1161の一方の辺部1161bにそれぞれ連なり、他方の8角形平板状部材1162の長手方向両端部1162dは、2つの等脚台形平板状部材1161の他方の辺部1162cにそれぞれ連なる。等脚台形平板状部材1161と8角形平板状部材1162とが連なることによって、傾斜部116は、枠状の部材となる。
一方の8角形平板状部材1162の切欠き部分1162aの2つの第2部分1162abには、1組の側壁部1142を構成する4つの不等脚台形平板状部材11421のうちの対向する1対の不等脚台形平板状部材11421の辺部11421cがそれぞれ連なる。そして、一方の8角形平板状部材1162の切欠き部分1162aの第1部分1162aaには、1組の頂部1141を構成する2つの平板状部材11411のうちの一方の平板状部材11411の長手方向一端部11411cが連なる。したがって、1対の不等脚台形平板状部材11421と一方の平板状部材11411とによって囲まれる内部空間は、その長手方向中央における長手方向に垂直な断面が、等脚台形状となる。
また、他方の8角形平板状部材1162の切欠き部分1162aの2つの第2部分1162abには、1組の側壁部1142を構成する4つの不等脚台形平板状部材11421のうちの対向する他の1対の不等脚台形平板状部材11421の辺部11421cがそれぞれ連なる。そして、他方の8角形平板状部材1162の切欠き部分1162aの第1部分1162aaには、1組の頂部1141を構成する2つの平板状部材11411のうちの他方の平板状部材11411の長手方向一端部11411cが連なる。したがって、他の1対の不等脚台形平板状部材11421と他方の平板状部材11411とによって囲まれる内部空間も、その長手方向中央における長手方向に垂直な断面が、等脚台形状となる。
このような、断面が等脚台形状となる2つの内部空間に、プリント基板12が配置されることで、1組の頂部1141と1組の側壁部1142とからなる被覆部114によって、プリント基板12が被覆されることになる。
傾斜部116とプリント基板12の実装面12aとの間の傾斜角度、すなわち、図2−1、図2−2、および図2−3に示す傾斜角度θは、たとえば80°である。また、図2−2に示す、プリント基板12の実装面12aを基準とする傾斜部116の高さH2は、たとえば3.5mmである。なお、図2−1、図2−2、および図2−3に示す、フレーム部材13の底部131の底面131aと、拡散板3との間のX方向における距離H3は、たとえば、6mmである。
被覆部114、基部115、および傾斜部116は、高輝性PET(PolyEthylene Terephthalate)、アルミニウムなどからなる。高輝性PETとは、蛍光剤を含有した発泡性PETであり、たとえば、東レ株式会社製のE60V(商品名)などを挙げることができる。被覆部114、基部115、および傾斜部116の厚みは、たとえば0.1〜0.5mmである。
本実施形態では、被覆部114、基部115、および傾斜部116の、発光部111に臨む面の全反射率は、94%である。全反射率は、90%以上であることが好ましく、より好ましくは100%である。全反射率は、JIS H 0201:1998で規定されているように、鏡面反射率と拡散反射率との和であり、JIS K 7375に準拠して測定することができる。
図7では、分解して示しているけれども、反射部材113を構成する被覆部114、基部115、および傾斜部116は一体的に成形されることが好ましく、さらに、複数の発光装置11にそれぞれ備えられる各反射部材113は、互いに一体的に成形されることが好ましい。複数の反射部材113を一体成形する方法としては、反射部材113が発泡性PETにより構成されている場合には押出し成型加工を挙げることができ、反射部材113がアルミニウムにより構成されている場合にはプレス加工を挙げることができる。このように、複数の発光装置11にそれぞれ備えられる反射部材113を一体成形することによって、複数の発光装置11のプリント基板12に対する配置位置の精度を向上することができるとともに、バックライトユニット1の組立作業時に、反射部材113を取り付ける作業数を低減することができるので、組立作業の効率を向上することができる。
以上のように構成されるバックライトユニット1の効果について、図4、図8、および図9を用いて説明する。図8は、図2−1に対応し、図9は、図2−2に対応する。
上述したように、バックライトユニット1において、LEDチップ111aから出射し、レンズ112に入射した光のうち、液晶パネル2に対向する上面112aにおいて中央部分1121に到達した光は、液晶パネル2に向けて、図4に示す矢符A1方向に出射され、第1湾曲部分1122に到達した光は、反射して側面112bから、図4に示す矢符A2方向に出射され、第2湾曲部分1123に到達した光は、外方に屈折して液晶パネル2に向けて、図4に示す矢符A3方向に出射される。
矢符A1,A3方向に出射された光は、そのまま液晶パネル2に向かって進む。これに対して、矢符A2方向に出射された光は、図8に示すように、反射部材113の基部115の表面に到達し、この表面において鏡面反射および拡散反射が生じた後、光は液晶パネル2に向かって進むことになる。ここで、拡散反射によって拡散する光は、拡散反射が生じた面から被照射体までの距離が遠いほど、被照射体において広い範囲に照射される。そして、本実施形態では、反射部材113の基部115の表面は、プリント基板12の実装面12aよりも液晶パネル2から遠い位置に設けられている。したがって、反射部材113の基部115がプリント基板12上に設けられる場合と比較して、反射部材113の基部115の表面で拡散反射された光は、液晶パネル2において広い範囲に照射され、その結果、液晶パネル2の面方向において、輝度を均一化することができる。
さらに本実施形態では、プリント基板12は、上述したように、長手形状であり、実装面12a上に複数の発光部111を有し、フレーム部材13の側壁部132に設けられるコネクタから電力を供給される。したがって、プリント基板12の背面においてコネクタが接続される場合と比較して、バックライトユニット1を薄型化することができる。そして、本実施形態では、図9に示すように、反射部材113は、長手形状に構成されるプリント基板12を被覆するように設けられる。したがって、反射部材113によって、レンズ112から出射された光がプリント基板12に入射して吸収されることを抑えることができる。その結果、液晶パネル2の輝度をその面方向においてより均一化することができるとともに、バックライトユニット1のエネルギー効率を高めることができる。
また本実施形態では、反射部材113は、被覆部114および基部115を有することで、凹凸のある形状となっている。これによって、反射部材113全体を平板状に構成した場合と比較して、反射部材113の強度を向上させることができる。
また本実施形態では、反射部材の側壁部1142の表面11421dは、プリント基板12の実装面12aに対して傾斜している。したがって、その表面11421dにおいて、レンズ112から出射された光を反射することができ、液晶パネル2の輝度をその面方向においてより均一化することができる。ただし、上述したように、拡散反射によって拡散する光は、拡散反射が生じた面から被照射体までの距離が遠いほど広い範囲に照射されるので、傾斜する表面11421dは、被照射体である拡散板3までの距離が遠くなるように、傾斜する方向における長さが長過ぎない方が良く、そのために、表面11421dの傾斜角度δは、45°以上90°未満であることが好ましい。なお、傾斜角度δを90°とすると、稜線が出易くなるため、好ましくない。
また本実施形態では、反射部材113の頂部1141の、プリント基板12の実装面12aに臨む面の幅は、プリント基板12の実装面12aの幅と実質的に一致するので、基部115よりも液晶パネル2に近い頂部1141の表面の面積をできるだけ小さくすることができ、より多くの光を、基部115によって反射させることができ、その結果、液晶パネル2の輝度をその面方向においてより均一化することができる。さらに、反射部材113の頂部1141の幅とプリント基板12の実装面12aの幅とが一致するので、バックライトユニット1の製造時において、プリント基板12に対する反射部材113の位置合わせ精度を高めることができる。ここで、「実質的に一致する」とは、頂部1141の幅と、プリント基板12の幅とが一致するか、または、頂部1141の幅がプリント基板12の幅よりも大きく、頂部1141の幅とプリント基板12の幅との差分値が、頂部1141の幅の10分の1未満となることをいう。
また本実施形態では、レンズ112の直径L2は、プリント基板12の実装面12aの幅よりも大きい。したがって、レンズ112の側面112bから出射された光がプリント基板12を被覆する被覆部114によって遮られることを抑えることができ、基部115に届く光の量を増やすことができる。これによって、液晶パネル2の輝度をその面方向においてより均一化することができる。
また本実施形態では、反射部材113の側壁部1142を構成する4つの不等脚台形平板状部材11421のうち、主面同士が対向する1対の不等脚台形平板状部材11421と、他の1対の不等脚台形平板状部材11421との間には、レンズ112の半径程度の間隔が設けられている。したがって、頂部1141および側壁部1142からなる被覆部114は、プリント基板12全体を被覆しているのではなく、1対の不等脚台形平板状部材11421と他の1対の不等脚台形平板状部材11421との間において、プリント基板12の側面は露出している。よって、プリント基板12は、露出している側面で空気中へ放熱することができ、プリント基板12の高温化を抑えることができる。さらに本実施形態では、プリント基板12の露出している側面に、レンズ112から出射された光が入射しないように、レンズ112の底面全体に反射部112cが設けられている。これにより、プリント基板12の高温化を抑えつつ、液晶パネル2の輝度をその面方向においてより均一化し、エネルギー効率を高めることができる。