JP2013036059A - 銀銅合金焼結体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Cuの含有量が少ない銀粘土を用いて銀銅合金焼結体を製造する場合に、成形体の厚みが厚い場合であってもバインダーが焼結体内部に残留せず、また、本発明に特有な方法で高CO雰囲気を作って本焼成し高密度で高強度の銀銅合金焼結体を製造する銀銅合金焼結体の製造方法を提供する。
【解決手段】Ag粉末とCuO粉末とを含有する粉末成分と、バインダーと、水とを含み、前記粉末成分中の酸素を除く全金属成分に対するCuの含有量が3〜10質量%であり、残部Ag及び不可避不純物である銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を所望の形に成形した成形体を大気雰囲気中で仮焼成を行った後、1000ppm以上の高CO雰囲気中で本焼成することにより前記の課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物から得られる銀銅合金焼結体の製造方法に関するものである。
従来から、例えば、指輪等に代表される銀製の宝飾品や美術工芸品等は、一般に、銀含有材料を鋳造又は鍛造することによって製造されている。しかしながら、近年、銀粉末を含んだ銀粘土(焼結体形成用の粘土状組成物)が市販されており、この銀粘土を任意の形状に成形した後に焼成することにより、任意の形状を有する銀の宝飾品や美術工芸品を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このような方法によれば、銀粘土を通常の粘土細工と同様に自由に造形を行うことができ、造形して得られた造形体を乾燥させた後、加熱炉を用いて焼成することにより、極めて簡単に銀製の宝飾品や美術工芸品等を製造することが可能となる。
ところで、特許文献1に記載されているような銀粘土は、一般に、純Agの粉末に、さらに、バインダーや水、必要に応じて界面活性剤等を加えて混練することによって得られる。しかしながら、純Agの銀粉末を用いた銀粘土を成形した後に加熱して銀焼結体を製造した場合には、純Ag自体の強度が弱いことから、得られた銀焼結体が強度特性に劣るものとなるという問題がある。
前述のような強度特性の問題を解決するため、Agの成分比を92.5%とし、さらに、Cu等を含む銀合金として銀粉末を構成し、このような銀粉末にバインダー等を加えて混練することで得られる銀粘土を造形した後に焼成することで、所謂スターリングシルバーと呼ばれる銀銅合金焼結体を製造することも提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特許第4265127号公報 特許第3274960号公報
しかしながら、特許文献2の実施例の欄に記載されたようなAg−Cu合金であるスターリングシルバーからなる銀粘土においては、別途、脱バインダー工程(仮焼成工程)が必要となるが、この脱バインダー工程においてCuの表面が酸化される。厚みのある成形体を焼成する場合、脱バインダー工程で発生した酸化銅が成形体内部に残存し焼結を阻害し、特にCuOが存在する場合、焼結性への影響が大きいという課題があった。
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、銀粘土を用いて銀銅合金焼結体を製造する場合に、成形体が厚い場合であってもバインダーが焼結体内部に残留せず、高密度で高強度の銀銅合金焼結体を製造する銀銅合金焼結体の製造方法を提供するものである。
本発明者らが前記問題を解決するために鋭意検討したところ、銀粘土(銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物)を構成する銀粘土用粉末(銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物用粉末)に関し、銅分としてCuO粉末を用い、銅の含有量が銀と銅の合量に対して3〜10質量%とした場合、仮焼成をした後、CO濃度が1000ppm以上という高CO雰囲気で本焼成を行った場合、成形体の厚みがあっても内部に酸化銅が残留することなく高密度で機械的強度にすぐれた銀銅合金焼結体が得られることを見出した。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであり、以下に示す構成を有するものである。
「(1) Ag粉末とCuO粉末とを含有する粉末成分と、バインダーと、水とを含み、前記粉末成分中の酸素を除く全金属成分に対するCuの含有量が3〜10質量%であり、残部Ag及び不可避不純物である銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を所望の形に成形した成形体を大気雰囲気中で仮焼成を行った後、1000ppm以上の高CO雰囲気中で本焼成することにより銀銅合金焼結体を得ることを特徴とする銀銅合金焼結体の製造方法。
(2) 前記CuO粉末の平均粒径が1μm以上25μm以下であることを特徴とする(1)に記載の銀銅合金焼結体の製造方法。
(3) 前記成形体の厚みが、3mm以上10mm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の銀銅合金焼結体の製造方法。
(4) 前記仮焼成が、焼成温度350〜550℃であり、焼成時間5分〜6時間であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の銀銅合金焼結体の製造方法。
(5) 前記成形体を活性炭中に埋め込んだ状態で焼成を行うことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の銀銅合金焼結体の製造方法。
(6) 前記本焼成時に、上部が開口した有底容器の開口部を下にして前記成形体を覆うことを特徴とする(5)に記載の銀銅合金焼結体の製造方法。」
本発明に用いられる銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物は、Ag粉末とCuO粉末とを含有する粉末成分と、バインダーと、水とを含み、前記粉末成分中の酸素を除く全金属成分に対するCuの含有量が3〜10質量%を含有していることを特徴としている。
この構成の銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物においては、Ag粉末と、CuO粉末と、バインダーと、水とを含むものとされている。ここで、CuOは、金属Cuに比べて化学的に安定していることから、大気雰囲気下において容易に変質(銅イオンの価数が変化)するおそれが少ない。このため、この銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物の変色を抑制することができる。
前述したようなCuO粉末を含有させた粘土状組成物は、本焼成時にCuO中の酸素を用いた脱バインダーが起こること、および、CuOが多いと脱バインダー工程がなくても本焼成時に発生するCuO由来の脱バインダーによって完全にバインダーを除去できるが、CuOが少ないとCuO由来の脱バインダーが少なくなり、バインダーが残留してしまうという特徴がある。
本発明の場合、前述のようにCuの含有量が3〜10質量%であり、CuO中の酸素の量が少ないため、脱バインダー工程(仮焼成工程)を別途設けて、バインダーを燃焼させて除去する必要がある。脱バインダー工程は、焼結温度350〜550℃、焼結時間5分〜6時間で行うことが好ましい。この脱バインダー工程を設けることにより、これまで困難であった、厚みが3〜10mmという比較的肉厚な成形体であっても、成形体の内部において仮焼成工程の大気雰囲気中の酸素を利用することで、成形体内部のバインダーを燃焼させることができ、高品質な銀銅合金焼結体を製造することが可能となる。
また、本焼成を1000ppm以上の高CO雰囲気中で700〜860℃の焼成温度で30分〜6時間程度の焼成時間で行うことにより、本焼結時に銀粘土中のCuOの酸素が消失し、CuO粉末の体積が40%程度収縮する。このとき、成形体を構成する粒子間に隙間が出来、この隙間を通ってCOが成形体内部に浸透する。そのため、成形体の中心部に存在するCuOもCOによって還元されてCuになる。したがって、成形体内部に酸素が残ることなく、高密度な銀銅合金焼結体を製造することが可能になる。
ここで、脱バインダー工程を、焼結温度350〜550℃で行う理由は、350℃未満では、バインダーが熱分解を起こしにくいため、脱バインダーが行われにくいからであり、一方、550℃を超えると、銀が焼結してしまい、バインダーが抜けないまま、内部に閉じ込められてしまうからである。
また、本焼成を、焼成温度700〜860℃で行う理由は、700℃以下ではCOガスの活性が十分でなく、一方、860℃を超えると銀銅合金の融点を超えるため焼結体が形成されなくなるためである。また、1000ppm以上の高CO雰囲気とする理由は、1000ppm未満であると、雰囲気中のCOの存在量が少ないため、成形体を構成する粒子間の隙間に十分にCOが浸透せず、成形体内部に存在するCuOを完全に還元することができないからである。
さらに、CuO粉の平均粒径は、1μm以上25μm以下であることが好ましい。CuO粉の平均粒径をこの範囲とすることにより、前述したような、銀銅合金焼結体の機械的強度および伸び等を向上させる効果が安定して得られる。
CuO粉の平均粒径が25μmを超えると、銀銅合金焼結体の機械的強度を向上させる効果が得られ難くなる。また、CuO粉の平均粒径が25μmを超えると、粉末の焼結性が低下することから、長時間にわたる焼成時間を要してしまうとともに、銀銅合金焼結体の加工性に悪影響を及ぼす可能性があり、好ましくない。また、CuO粉末のAg粉末に対する個数比が少なくなることで、前述したようなCOを成形体の内部まで導くという効果が損なわれる。なお、平均粒径の下限は、装置の限界や工業生産的なコストの観点から、1μmとすることが好ましい。
さらに、本発明に用いられる銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物は、必要に応じてさらに油脂および界面活性剤のうち少なくとも一方が添加されていても良い。
また、本発明に用いられる銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物は、前記バインダーを、セルロース系バインダー、ポリビニール系バインダー、アクリル系バインダー、ワックス系バインダー、樹脂系バインダー、澱粉、ゼラチン、小麦粉の内の、少なくとも1種又は2種以上の組み合わせで構成しても良い。また、前記の中でも、セルロース系バインダー、特に水溶性セルロースから構成することが最も好ましい。
前記界面活性剤の種類は特に限定されるものではなく、通常の界面活性剤を使用することができる。
前記油脂としては、例えば、有機酸(オレイン酸、ステアリン酸、フタル酸、パルミチン酸、セパシン酸、アセチルクエン酸、ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、カプロン酸、エナント酸、酪酸、カプリン酸)、有機酸エステル(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ヘキシル基、ジメチル基、ジエチル基、イソプロピル基、イソブチル基を有する有機酸エステル)、高級アルコール(オクタノール、ノナノール、デカノール)、多価アルコール(グリセリン、アラビット、ソルビタン)、エーテル(ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル)等を挙げることができる。
本発明に用いられる銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物の製造方法は、前述の銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物用粉末と、バインダー及び水を混合したバインダー剤と、とを混練することを特徴としている。
この構成の銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物の製造方法によれば、酸化銅粉末を有し、変色し難い銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を製造することが可能となる。
本発明の銀銅合金焼結体は、前述の銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を所望の形に成形した成形体を仮焼成した後、1000ppm以上の高CO雰囲気中で本焼成をすることで得られることを特徴とする。
この構成の銀銅合金焼結体によれば、前述した構成の銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を焼成したものであることから、純Ag粉末からなる銀粘土を焼成したものに比べて、機械的強度を向上させることができる。すなわち、前述の銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を加熱焼成して得られた銀銅合金焼結体は、すぐれた機械的強度や伸び等を備えることになる。
本発明の銀銅合金焼結体の製造方法は、前述の銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を任意の形状に成形することで成形体とし、この成形体を350〜550℃の焼結温度、5分〜6時間の焼結時間で仮焼成を行った後、1000ppm以上の高CO雰囲気中で700〜860℃の焼結温度、30分〜6時間の焼結時間で本焼成をすることによって銀銅合金焼成体を得ることを特徴とする。
前記構成の銀銅合金焼結体の製造方法によれば、前述の銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を成形した後、仮焼成および高CO雰囲気中での本焼成を行うことにより、密度が高く、機械的強度や伸び等にすぐれた銀銅合金焼結体を製造することができる。
通常、Ag粉末とCuO粉末とを含有する粉末成分を含む粘土状組成物を焼成して銀銅合金焼結体を製造する場合、厚さが3mm以上と比較的厚く成形された焼結体形成用の粘土状組成物の成形体においては、成形体の内部のCuOの酸素成分を還元させて除去することが非常に困難であり、焼成温度までの昇温速度を遅くする必要がある。これは、成形体の表層部分から酸素を還元させるためのCOが供給されるので、成形体の内部では、酸素の還元が不足することに起因するものである。
なお、厚さが3mm以上とは、成形体の内部に位置する少なくとも1つの内接球の直径が3mm以上であることを意味する。
ここで、本発明の銀銅合金焼結体の製造方法においては、前述のように本焼成を行う際に、1000ppm以上の高CO雰囲気とすることにより、本焼成時に表面の方からCuOの酸素が還元されて消失し、CuOがCuとなることにより、もとのCuOの体積が40%程度収縮する。そのため、粒子間に隙間が形成され、その隙間を通ってCOが成形体の奥まで浸入する。これによって、成形体の内部に存在するCuOの酸素が還元され、焼結体の密度が上昇する。
また、本発明の銀銅合金焼結体の製造方法は、前記成形体を活性炭中に埋め込んだ状態で焼成を行うことを特徴としている。
この構成の銀銅合金焼結体の製造方法によれば、活性炭による還元により、成形体の焼結を促進することができる。
本発明の銀銅合金焼結体の製造方法によれば、高CO雰囲気中で本焼成するという本発明に特有な構成により、銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物中に含まれるCuOの酸素を成形体の表面から内部まで還元することが出来、出来上がった銀銅合金焼結体にほとんど酸素が残留しないため、焼結体の密度が上昇し、機械的強度が向上した銀銅合金焼結体を製造することができるという格別顕著な効果を奏する。
しかも、高CO雰囲気は、上部が開口した有底容器の開口部を下にして成形体を覆うという本発明において新規に考案した簡便な方法で作ることができるので、家庭でも簡単に実施でき、利便性に富んでおり、その有用性はきわめて高い。
本発明に用いられる銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物の製造方法の一実施形態を示す概略図である。 本発明の銀銅合金焼結体の製造方法の一実施形態を示す概略図である。 高CO雰囲気を作るための有底容器の応用例を示す概略図である。
以下に、本発明の銀銅合金焼結体の製造方法の一実施形態について、図面を適宜参照しながら説明する。
なお、本実施形態では、銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を銀粘土と、銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物用粉末を銀粘土用粉末と称して説明する。
[銀粘土用粉末]
本発明に用いられる銀粘土用粉末は、Ag粉末と、CuO粉末を含むものである。
このような銀粘土用粉末を用いて、後述する添加物を加えて混練して銀粘土を構成することにより、加熱焼成して得られた銀銅合金焼結体において、機械的強度や伸び等が向上するとともに、銀粘土の変色を抑制できるといった効果が得られるものである。
本発明に用いられる銀粘土用粉末においては、銀銅合金の銅の原料として金属Cuに代えてCuO粉を使用することが好ましい。CuOを用いることにより、CuOはCuに比べて化学的に安定であるため、銀粘土と状態で保存した際に変色を抑制することが出来るという効果が得られる。
以下、本発明に用いられる銀粘土用粉末に含有される、Ag粉およびCuO粉の粒径について一実施形態に基づいて説明する。
本実施形態においては、Ag粉およびCuO粉の粒径については、特に限定されるものではないが、添加物としてのバインダー剤を加えて混練することで銀粘土とした場合の成形性等の諸特性を考慮し、以下に示す範囲の粒径とすることが好適である。
Ag粉の平均粒径は、25μm以下であることが好ましい。Ag粉の平均粒径をこの範囲とすることにより、銀粘土を焼成して得られる銀銅合金焼結体の色調が良好となり、また、前述したような、銀銅合金焼結体の機械的強度及び伸び等を向上させる効果が安定して得られる。
Ag粉の平均粒径が25μmを超えると、銀銅合金焼結体の色調が劣化したり、機械的強度を向上させる効果が小さくなったりするおそれがある。また、Ag粉の平均粒径が25μm超だと、粉末の焼結性が低下することから、長時間にわたる焼成時間を要してしまうとともに、銀銅合金焼結体の加工性に悪影響を及ぼす可能性があり、好ましくない。
なお、平均粒径の下限については特に定めないが、Ag粉の平均粒径を1μm以下とすることは工業生産的にコスト高となるおそれがあり、また、装置の限界等も考慮し、これを下限とすることが好ましい。
したがって、Ag粉の平均粒径は、1μm以上25μm以下の範囲であることが好ましく、3μm以上10μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
CuO粉の平均粒径は、25μm以下であることが好ましい。CuO粉の平均粒径をこの範囲とすることにより、前述したような、銀銅合金焼結体の機械的強度及び伸び等を向上させる効果が安定して得られる。
CuO粉の平均粒径が25μmを超えると、銀銅合金焼結体の機械的強度を向上させる効果が得られ難くなるおそれがある。また、CuO粉の平均粒径が25μmを超えると、前記Ag粉の場合と同様、粉末の焼結性が低下することから、長時間にわたる焼成時間を要してしまうとともに、銀銅合金焼結体の加工性に悪影響を及ぼす可能性があり、好ましくない。
なお、前記Ag粉と同様、平均粒径の下限は特に定めないが、装置の限界や工業生産的なコストの観点から、CuO粉の平均粒径は1μmを下限とすることが好ましい。
したがって、CuO粉の平均粒径は、1μm以上25μm以下の範囲であることが好ましく、3μm以上10μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
さらに、本実施形態においては、銀粘土用粉末を構成するAg粉およびCuO粉の平均粒径の範囲を、前記の如く制限することにより、銀粘土の成形体を焼成する際の焼結性が高められるので、後述の焼成における処理温度を低温にすることが可能となる。
なお、前述のような粉末の平均粒径を測定する方法としては、例えば、公知のマイクロトラック法を用いることができる。また、本実施形態では、d50(メジアン径)を平均粒径とした。
[銀粘土]
次に、本発明に用いられる銀粘土について一実施形態に基づいて説明する。
本実施形態に係る銀粘土は、前記構成の銀粘土用粉末と、バインダー(本実施形態では有機バインダー)と、水とを含む。
例えば、本実施形態に係る銀粘土は、前記構成の銀粘土用粉末を70質量%以上95質量%以下の範囲で含有し、さらに、有機バインダーと水とを含むバインダー剤を5質量%以上30質量%以下の範囲で含有するものである。ここで、バインダー剤には、有機バインダーおよび水の他に、必要に応じて界面活性剤や油脂が添加されていてもよい。
この銀粘土は、化学的に安定なCuO粉と、Ag粉とを含有した粉末成分を含む銀粘土であることから、大気雰囲気下において変色が抑制されることになる。
本実施形態に係る銀粘土に用いられる有機バインダーとしては、特に限定されず、銀粘土用粉末をつなぎとめて粘土状組成物とできる有機物が利用できる。例えば、セルロース系バインダー、ポリビニール系バインダー、アクリル系バインダー、ワックス系バインダー、樹脂系バインダー、澱粉、ゼラチン、小麦粉の内の、少なくとも1種又は2種以上の組み合わせで構成して用いることが好ましい。また、前記の中でも、セルロース系バインダー、特に水溶性セルロースを用いることが最も好ましい。
前記界面活性剤は、特に限定されるものではなく、通常の界面活性剤(例えば、ポリエチレングリコール等)を使用することができる。
また、油脂の種類としても、特に限定されないが、例えば、有機酸(オレイン酸、ステアリン酸、フタル酸、パルミチン酸、セパシン酸、アセチルクエン酸、ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、カプロン酸、エナント酸、酪酸、カプリン酸)、有機酸エステル(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ヘキシル基、ジメチル基、ジエチル基、イソプロピル基、イソブチル基を有する有機酸エステル)、高級アルコール(オクタノール、ノナノール、デカノール)、多価アルコール(グリセリン、アラビット、ソルビタン)、エーテル(ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル)等を挙げることができる。
以下に、前述した本実施形態に係る銀粘土を製造する方法の一例について、図1に示す模式図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る銀粘土5の製造方法は、前記の銀粘土用粉末1を70質量%以上95質量%以下、有機バインダーと水とを含むバインダー剤2を5質量%以上30質量%以下として混練する方法である。
図1に示すように、本実施形態で説明する銀粘土5の製造方法では、まず、Ag粉末1A、CuO粉末1Bの各々を、規定分量で混合装置50の中に導入する。この際、例えば、Ag粉末1A(平均粒径5μm:マイクロトラック法;アトマイズ粉)を87.8質量%、CuO粉末1B(平均粒径5μm:マイクロトラック法;キシダ化学株式会社製試薬・純度97%以上)を12.2質量%として導入する。
そして、混合装置50内で、前記各材料粉末を混合することにより、銀粘土用粉末1が得られる。
次いで、図1に示すように、混合装置50内の銀粘土用粉末1に対して、バインダー剤2を添加する。この際、例えば、バインダー剤2の添加量を、{銀粘土用粉末1の総重量:バインダー剤2=9:1}程度とすることができる。
ここで、バインダー剤2は、有機バインダーを11質量%以上17質量%以下、油脂を5質量%以下、界面活性剤を2質量%以下、残部を水とした配合で混合したものとされている。
そして、混合装置50内において、銀粘土用粉末1とバインダー剤2と混合して混練することにより、銀粘土5が得られる。
[銀銅合金焼結体]
本実施形態に係る銀銅合金焼結体は、前記構成の銀粘土5を任意の形状に造形、成形した後、後述の条件で焼成することによって得られるものである。
この銀銅合金焼結体は、すぐれた機械的強度を有しているので、例えば、大きな外力が加えられた場合であっても、変形や破断が生じたりするのを抑制することが可能となる。また、本実施形態に係る銀銅合金焼結体は、すぐれた機械的強度とともに高い伸びを有しているので、例えば、焼成後の銀銅合金焼結体に対して曲げを伴う追加加工を施した場合でも、亀裂や破断等が生じるのを抑制することが可能となる。
本実施形態に係る銀銅合金焼結体10の製造方法は、前記構成の銀粘土5を任意の形状に成形することで成形体51とし、次いで、この成形体51を、例えば、室温〜150℃の温度で、30分〜24時間で乾燥処理し、次いで、成形体51を、大気雰囲気中で350〜550℃、5分〜6時間、仮焼成を行った後、1000ppm以上の高CO雰囲気中において、700〜860℃の温度で、30分〜6時間程度、本焼成を行うことによって銀銅合金焼結体10とする方法である。ここで、前記本焼成を行う方法としては、例えば、乾燥処理した成形体51を活性炭中に埋め込んだ状態とした後、700〜860℃の温度で、30分〜6時間程度の時間で、1000ppm以上の高CO雰囲気中において焼成を行う方法を採用することができる。ここで、1000ppm以上の高CO雰囲気を作り出す方法としては、上部が開口した有底容器の開口部を下にして成形体を覆う方法を採用することが出来る。
以下に、前述したような本実施形態に係る銀銅合金焼結体を製造する方法の一例について、図2(a)〜(e)の模式図を参照しながら説明する。
まず、図2(a)に示すように、銀粘土5を、例えば、スタンパやプレス成形、押出成形等による機械加工、あるいは、作業者の手加工等により、任意の形状に造形、成形して成形体51とする。図2(a)では、1個の角柱状の成形体51を示している。
次いで、図2(b)に示すように、電気炉80に成形体51を投入して乾燥処理を行うことにより、水分等を除去する。
この際の乾燥温度としては、効果的に乾燥処理を行う観点から、例えば、室温あるいは80℃程度の温度から150℃までの範囲の温度とすることが好ましい。また、同様の観点から、乾燥処理を行う時間は、例えば、30〜720分、より好ましくは30〜90分の範囲の時間とし、一例として、乾燥温度:100℃程度で、乾燥時間:60分程度とした条件で乾燥処理を行うことができる。
次いで、前述したように、350〜550℃の範囲の温度で、5分〜6時間、大気雰囲気中で仮焼成を行う。
次いで、図2(c)に示すように、成形体51を、ステンレス製の焼成容器60中に充填された活性炭61中に埋め込む。この際、成形体51を完全に埋め込むことと、活性炭が燃焼した場合に成形体51が外部に露出するのを防止するため、焼成容器60中の活性炭61の表面から成形体51までの距離を10mm以上確保することが好ましい。
そして、内部において成形体51が活性炭61中に埋め込まれた状態の焼成容器60を電気炉80に投入し、図2(d)に示すように、上部が開口した有底容器70の開口部を下にして焼成容器60を覆うことによって、高CO雰囲気として、1000ppm以上の高CO雰囲気中で700〜860℃の焼結温度、30分〜6時間の焼結時間で本焼成をする。
そして、例えば、図2(e)に示すように、焼成によって得られた銀銅合金焼結体10に対し、必要に応じて、表面研磨や装飾処理等、後加工を施して製品とすることができる。
なお、図2(a)〜(e)に示す例においては、図示並びに説明の都合上、銀粘土5を成形して得られる成形体51及び銀銅合金焼結体10を略ブロック状に形成しているが、美術性を兼ね備えた種々の形状とすることができることは言うまでも無い。
また、本実施形態においては、乾燥処理や焼成の各工程において、電気炉を用いる例を説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、ガス加熱装置等、安定した加熱条件管理が可能なものであれば、何ら制限無く採用することができる。
さらに、高CO雰囲気を作るための有底容器としては、例えば、図3(a)に概略図を示したように、有底容器72の開口部の縁に側面と垂直につば部74を設けることが出来る。こうすることによって、開口部と底面の接触面積が増えて、有底容器の密閉度が上昇するため、より高CO雰囲気を作り出すことが出来る。
また、図3(b)に概略図を示したように、焼成容器62の底面近傍の側壁周縁に焼成容器62の側壁の高さよりも高い側壁を有する有底容器74の側壁が嵌る隙間をあけて柄部64を設け、有底容器74の開口部を下にして、焼成容器62の隙間に嵌合させることによって、有底容器の密閉度が上昇するため、より高CO雰囲気を作り出すことができる。
以上説明したように、本実施形態である銀粘土用粉末1によれば、前記構成及び作用により、この銀粘土用粉末1を用いた銀粘土5を構成することで、成形後に乾燥処理を行ってから、加熱焼成して得られる銀銅合金焼結体10の機械的強度や伸び等を向上させることが可能となる。さらに、銀粘土5が化学的に安定なCuOを含んでいるので、大気雰囲気下においてCuOが容易に変質することがなく、銀粘土5の変色を抑制することができる。
また、本実施形態である銀粘土5によれば、前記構成の銀粘土用粉末1を用いて混練して得られるものであることから、前記同様、成形後に加熱焼成して得られる銀銅合金焼結体10の機械的強度や伸び等を向上させることができる。さらに、Cuを化学的に安定なCuOとして含んでいるので、銀粘土5の変色を抑制することができる。
さらに、本実施形態である銀銅合金焼結体10の製造方法によれば、前記構成の銀粘土5を用いて成形した後、規定条件で乾燥処理、仮焼成および高CO雰囲気中で本焼成を行うことにより、機械的強度や伸び等にすぐれた銀銅合金焼結体10を製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明の粉末成分は、Ag粉末、CuO粉末を含有するものとして説明したが、これに、CuO粉を加えても良い。
以下、実施例を示して、本発明の銀銅合金焼結体の製造方法について更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは無い。
まず、以下の手順で銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物用粉末(以下、銀粘土用粉末と称す)を作製した。銀粘土用粉末の作製にあたっては、Ag粉末(平均粒径5μm:マイクロトラック法;アトマイズ粉)と、CuO粉末(平均粒径5μm:マイクロトラック法;キシダ化学株式会社製試薬・純度97%以上)とを用いて、図1に示すような混合装置50によって混合することによって、Ag−9.2質量%CuO(本発明例1)、Ag−6.0質量%CuO(本発明例2)、Ag−3.7質量%CuO(本発明例3)、Ag−1.2質量%CuO(本発明例4)とされた銀粘土用粉末を得た。
次に、有機バインダー、水、界面活性剤および油脂を混合してバインダー剤とする。そして、前記手順で得られた銀粘土用粉末を混合装置50内に残した状態で、バインダー剤を添加して混練することによって銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物(以下、銀粘土と称す)を作製した。
ここで、バインダー剤は、有機バインダーとしてメチルセルロースを15質量%、油脂として有機酸の一種であるオリーブ油を3質量%、界面活性剤としてポリエチレングリコールを1質量%、残部が水となる配合とした。
そして、銀粘土用粉末を85質量%、前述のバインダー剤を15質量%として混練し、銀粘土とした。
ここで、得られた銀粘土に含まれるCuとしての含有量について分析を実施した。まず、銀粘土を90℃以上の熱湯で洗浄することによって有機バインダー、界面活性剤および油脂を除去した後、定量分析に必要な量(約10g)の試料を採取した。次に、この分析用試料を、ICP分析によって、Cuの定量分析を行った。その結果、CuO粉末として混合したCuの理論上の含有量と、銀粘土中に含まれる実際のCuの量とが一致することを確認した。
次に、前記手順で得られた銀粘土を成形することにより、直径約1.2mmで長さ約50mmの寸法(焼成前)を有するワイヤー状成形体および長さ約30mm、幅約3mm、厚さ約3mmの寸法(焼成前)を有する角柱状成形体を作製した。
次いで、図2(b)に示すように、前記ワイヤー状成形体および角柱状成形体の各成形体51を発明例毎に同時に電気炉(Orton:evenheat kiln inc.)80に投入し、乾燥温度を100℃とし、乾燥時間を60分とした条件で乾燥処理を行うことにより、前記各成形体51に含まれる水分等を除去した。
なお、図2においては、前述のように、成形体51として1個の角柱状成形体のみを図示しており、ワイヤー状成形体の図示は省略している。
さらに、各発明例に対して、電気炉80を用いて、大気雰囲気中において500℃の温度で30分の仮焼工程を行うことにより、脱バインダー処理を行った。
次いで、各成形体51に対して発明例毎に同時に本焼成を施すことにより、銀銅合金焼結体を作製した。
具体的には、図2(c)に示すように、内部に活性炭61が充填されたステンレス製の焼成容器60を用意し、各成形体51を活性炭61中に埋め込んだ。この際、活性炭61の表面から各成形体51までの距離を約10mmとした。そして、図2(d)に示すように、上部が開口した有底容器70の開口部を下にして焼成容器60を覆う。
そして、各成形体51が活性炭61中に埋め込まれた状態の焼成容器60を電気炉80に投入し、全ての発明例共通で加熱温度:760℃、加熱時間:60分として本焼成を行うことにより、ワイヤー状および角柱状の銀銅合金焼結体10を作製した。ここで、前記本発明例1〜4の銀粘土粉末を用いて作製したワイヤー状の銀銅合金焼結体10を本発明品1〜4と呼び、同じく角柱状の銀銅合金焼結体10を本発明品5〜8と呼ぶ。
上述のように本焼成することによって、本焼成時の有底容器の中は、1000ppm以上の高CO雰囲気となる。なお、有底容器の中のCO濃度の測定については、北川式真空ガス検知器(光明理化学工業株式会社製)および気体検知管(株式会社ガステック製)を用いて、焼成容器上部のCO濃度を測定した。詳細には、有底容器70で覆ったまま焼成容器60を電気炉80から取り出して有底容器70の上面に設けた直径5mm程度の穴に検知管を挿入して測定した。なお、本焼成中は金属片を用いて上記の穴を塞いでいる。
[比較例]
比較のために、本発明例1〜8と同様の銀粘土粉末を用いて、前記と同様の方法で銀粘土を製出した。それを、前記同様、仮焼成をした後、1000ppmに満たない低CO濃度雰囲気中で本焼成を行った。こうして出来たワイヤー状の銀銅合金焼結体10を比較品1〜4と呼び、同じく角柱状の銀銅合金焼結体10を比較品5〜8と呼ぶ。
[評価方法]
作製した銀銅合金焼結体について、以下のような評価試験を行った。
銀銅合金焼結体の機械的特性として、以下の試験方法によって、密度、引張強度、曲げ強度、伸び、表面硬さを測定した。尚、引張強度と伸びの測定はワイヤー状焼結体を、曲げ強度、密度、表面硬さについては角柱状焼結体を用いた。
曲げ強度については、島津製作所製オートグラフ:AG−Xを用い、押し込み速度0.5mm/minで応力曲線を測定し、弾性領域の最大点応力を測定することで求めた。
また、引張強度については、上記同様、島津製作所製オートグラフAG−Xを用い、引張速度5mm/minで応力曲線を測定し、試験片が破断した瞬間の応力を測定することで求めた。
また、密度は、チョウバランス社製自動比重測定装置「アルキメデス(駆動部SA301、データ処理部SA601)」によって測定した。
また、表面硬さは、試験片の表面を研磨した後、アカシ微小硬度計を用い、荷重100g、荷重保持時間10秒という条件にてビッカース硬度を測定することによって求めた。
また、伸びは、島津製作所製オートグラフAG−Xを用い、引張速度5mm/minで応力曲線を測定し、試験片が破断した瞬間の試験片の伸びを測定することで求めた。
さらに、高周波炉加熱−赤外線吸収法を用いて、本発明例5〜8および比較品5〜8の中央部における酸素濃度を測定した。
表1に、本発明例1〜8、比較例1〜8の製造条件、評価結果の一覧を示す。
Figure 2013036059
[評価結果]
表1に示すように、本発明例1〜8の銀銅合金焼結体においては、機械的強度の指標となる曲げ強度、引張強度、表面の硬さ、密度の何れも、1000ppmに満たない低CO濃度雰囲気中で本焼成を行った比較例1〜8に比べて高い値を示し、また、伸びも同等以上であることが明らかとなった。
また、1000ppmに満たない低CO濃度雰囲気中で本焼成した比較例1〜8については、本発明例1〜8に比べて、機械的強度の指標となる曲げ強度、引張強度、表面の硬さ、密度等が低い傾向であり、変形・破断しやすいものであることが確認された。
さらに、本発明例5〜8のものは、いずれも中央部における酸素濃度が0.31ppm以下であったのに対して、比較例5〜8のものは、いずれも2.6ppm以上であった。このことから、本発明例は、CuOの還元が焼結体の内部まで十分に行われており、その結果、前述のような機械的特性の改善がもたらされたことを裏付けている。
1 ・・・ 銀粘土用粉末(銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物用粉末)
1A ・・・ Ag粉末
1B ・・・ CuO粉末
5 ・・・ 銀粘土(銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物)
10 ・・・ 銀銅合金焼結体
51 ・・・ 成形体
60、62 ・・・ 焼結容器
61 ・・・ 活性炭
64 ・・・ 柄部
70、72、76 ・・・ 有底容器
74 ・・・ つば部

Claims (6)

  1. Ag粉末とCuO粉末とを含有する粉末成分と、バインダーと、水とを含み、前記粉末成分中の酸素を除く全金属成分に対するCuの含有量が3〜10質量%であり、残部Ag及び不可避不純物である銀銅合金焼結体形成用の粘土状組成物を所望の形に成形した成形体を大気雰囲気中で仮焼成を行った後、1000ppm以上の高CO雰囲気中で本焼成することにより銀銅合金焼結体を得ることを特徴とする銀銅合金焼結体の製造方法。
  2. 前記CuO粉末の平均粒径が1μm以上25μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の銀銅合金焼結体の製造方法。
  3. 前記成形体の厚みが、3mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銀銅合金焼結体の製造方法。
  4. 前記仮焼成が、焼成温度350〜550℃であり、焼成時間5分〜6時間であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の銀銅合金焼結体の製造方法。
  5. 前記成形体を活性炭中に埋め込んだ状態で焼成を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の銀銅合金焼結体の製造方法。
  6. 前記本焼成時に、上部が開口した有底容器の開口部を下にして前記成形体を覆うことを特徴とする請求項5に記載の銀銅合金焼結体の製造方法。
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