JP2013035882A - グリース組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下でも軸受潤滑寿命が長く、且つ表面起点型の耐はく離性に優れた自動車電装・補機用転がり軸受用グリース組成物を提供すること。
【解決手段】下記式で示されるジウレア増ちょう剤又はその類縁体、
アルキルジフェニルエーテル油を、基油の全質量を基準として80質量%以上含む基油、
酸化亜鉛、亜硝酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、セバシン酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の耐はく離添加剤を含有する自動車電装・補機用転がり軸受用グリース組成物。

Figure 2013035882

(式中、{(メチルフェニル基の数)/(メチルフェニル基の数+オクチル基の数)}×100が80モル%以上である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受に使用されるグリース組成物に関する。
自動車の小型軽量化や居住空間拡大の要望により、エンジンルーム空間の減少が求められており、それに伴ってオルタネータやテンションプーリなどの電装・補機部品も小型軽量化が図られている。また静粛性のため、エンジンルームが密閉化され、使用環境が高温になることから、高温に耐え得るグリースが必要になっている。
さらには、その使用環境の高温化に伴い、グリース基油の動粘度は低くなり、潤滑部の油膜は薄くなる。その場合、軸受の転動体と軌道輪の金属表面の微小突起が接触し、表面起点はく離が生じ易くなり、潤滑寿命が短くなる可能性がある。油膜厚さは、転がり軸受などの機械部品の速度がゼロの際、限りなくゼロに近づく。この速度ゼロの状態は、実際の機械部品ではスタート、ストップの繰返しや往復揺動運動などで頻繁に見られる状態である。このように油膜が薄くなる場合の表面起点はく離を抑制するグリース組成物はほとんど知られていない。
このように、自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受には、高温下における長い軸受潤滑寿命と、耐はく離性の両性能を有したグリースが求められるようになった。
転がり軸受用グリースとしては、安価な鉱油としたリチウム石けんグリースやジウレアグリース、また合成油を基油としたリチウム石けんグリースやジウレアグリース等が使用されている。自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受に使用されるグリースでは、特に高温耐久性の観点から、合成油のジウレアグリースが使用されることが多い。
特許文献1では、50質量%を超える量のエーテル系合成油を含む基油に、必須成分として下記一般式:
2−NHCONH−R1−NHCONH−R3
(式中、R1は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基を示し、R2およびR3は同一若しくは異なる基であって、シクロヘキシル基、炭素数7〜12のシクロヘキシル誘導体基または炭素数8〜20のアルキル基を示す。)
で表わされるジウレア化合物の少なくとも1種からなり、かつシクロヘキシル基またはその誘導体基の含有率[{(シクロヘキシル基またはその誘導体基の数)/(シクロヘキシル基またはその誘導体基の数+アルキル基の数)}×100]が50〜100%であるゲル化剤を含有させたことを特徴とするグリースが提案されている。
また特許文献2では、次の一般式:
1 NHCONHR2 NHCONHR3
(式中のR1 およびR3 はオクタデシル基を必須成分とし、さらにオクチル基、ドデシル基のうちのいずれか1種類、又は両方をも含む基、R2 は炭素数6〜15の2価の炭化水素基を示し、かつ、R1 およびR3 の基に占めるオクタデシル基、オクチル基、ドデシル基のうち、オクタデシル基の割合がモル比率で20〜80モル%である)で表されるウレア化合物を増ちょう剤として、これを基油である潤滑油中に3〜15重量%配合したことを特徴とするウレアグリースが提案されている。
しかし、シクロヘキシルアミンやアルキルアミンをモノアミンの主成分としたウレアグリースは、芳香族アミンをモノアミンの主成分としたウレアグリースと比較して、高温耐久性の観点から好ましいものではない。
また、既述のとおり、高温環境下になると油膜が薄くなるため、軸受の転動体と軌道輪との微小突起が接触し、表面起点はく離が生じ易くなり、潤滑寿命が短くなる可能性がある。この金属接触を防止させる方法として、一般的には潤滑油すなわちグリースの基油の粘度を高くし、油膜を厚くすることが常套手段とされているが、背反としてトルクが増大するという懸念がある。
一方、特許文献3では、基油の粘度を高くすることなく、下記に示す一般式のジウレア系増ちょう剤を使用したグリース組成物が、潤滑する両面の直接接触を有効に防止し、耐はく離性を向上させることができることを提案している。
2−NHCONH−R1−NHCONH−R3
(式中、R1は炭素数6〜15の2価の炭化水素基を示し、R2およびR3はフェニル基および/またはシクロヘキシル基である)
2、R3のシクロヘキシル基/(シクロヘキシル基+フェニル基)は0.95〜0.10(モル比)であるグリースが提案されている。
しかし、上述したようにシクロヘキシルアミンのようなモノアミンを含むウレアグリースは、高温耐久性の観点から好ましいものではない。
特許第2979274号 特開平1−268793号公報 特開2008−222739号公報
本発明が解決しようとする課題は、高温環境下でも軸受潤滑寿命が長く、且つ表面起点型の耐はく離性に優れた自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受用グリース組成物を提供することである。
本発明の別の課題は、上記グリース組成物を封入した自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受を提供することである。
我々は、高温環境下での軸受潤滑寿命および表面起点型の耐はく離性の課題に対し、適切な増ちょう剤、基油及び耐はく離添加剤を選定することで、これを改善した。すなわち、本発明により、以下の自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受用グリース組成物及び自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受を提供する。
1.増ちょう剤、基油及び耐はく離添加剤を含有する自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受用グリース組成物であって、
増ちょう剤が、下記式(1)で示されるジウレア化合物であり、
基油が、アルキルジフェニルエーテル油を、基油の全質量を基準として80質量%以上含み、
耐はく離添加剤が、酸化亜鉛、亜硝酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、セバシン酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記グリース組成物。
Figure 2013035882
(式(1)中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基を示す。
1およびR3は、同一または異なる基であり、炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基または炭素数8〜22のアルキル基を示し、かつ炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基と炭素数8〜22のアルキル基との総モル数に対する炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基のモル数の割合[{(炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基の数)/(炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基の数+炭素数8〜22のアルキル基の数)}×100]が80モル%以上である。)
2.増ちょう剤が、式(1)中、R1およびR3が、同一または異なる基であり、炭素数6〜10の芳香族系炭化水素基であるか、又は炭素数8〜12の直鎖又は分岐アルキル基である化合物である、前記1項記載のグリース組成物。
3.さらに下記式(2)で示される有機スルホン酸塩系錆止め剤を含む、前記1又は2項記載のグリース組成物。
[R4−SO3]n11 ・・・式(2)
(式(2)中、R4はアルキル基、アルケニル基、アルキルナフチル基、ジアルキルナフチル基、アルキルフェニル基又は石油高沸点留分残基を表す。前記アルキルまたはアルケニルは、直鎖または分岐であり、炭素数は2〜22である。M1はアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、またはアンモニウムイオンを表す。n1はM1の価数を表す。)
4.有機スルホン酸塩系錆止め剤が、亜鉛塩及びカルシウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である、前記3項記載のグリース組成物。
5.有機スルホン酸塩系錆止め剤を0.5〜2質量%含有することを特徴とする、前記3又は4項記載のグリース組成物。
6.前記1〜5のいずれか1項記載のグリース組成物を封入した自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受。
本発明のグリース組成物は、高温でも長い軸受潤滑寿命を有し、且つ耐はく離性に優れる。本発明のグリース組成物によれば、トルクの増大も抑制できる。
〔増ちょう剤〕
グリースに使用可能な増ちょう剤としては、一般的に、LiやNa等を含む金属石けん類、ベントン、シリカゲル、ジウレア化合物、ポリテトラフルオロエチレンに代表されるフッ素系増ちょう剤等の非石けん類が挙げられる。しかし、金属石けん類、ベントン、シリカゲルは、耐熱性、すなわち高温下での軸受潤滑寿命を満足するものではない。フッ素系増ちょう剤は、耐熱性は満足するものの非常に高価であり、汎用性に欠ける。
本発明は、増ちょう剤として、ジウレア系増ちょう剤の中で芳香族ジウレアを選定した。本発明で用いる増ちょう剤は高温下でも耐熱性に優れ、従って本発明のグリース組成物は長い潤滑寿命を示す。本発明で用いる増ちょう剤は、下記式(1)で表される。
Figure 2013035882
式(1)中、R2は、炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基を示す。代表例として、以下の構造式で表されるものがあげられる。
Figure 2013035882
式(1)中、R1およびR3は、同一または異なる基であり、炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基または炭素数8〜22のアルキル基を示す。炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基としては、炭素数6〜10の1価の芳香族系炭化水素基が好ましい。メチルフェニル基が特に好ましい。炭素数8〜22のアルキル基としては、炭素数8〜12の直鎖又は分岐アルキル基が好ましい。オクチル基が特に好ましい。
炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基と炭素数8〜22のアルキル基との総モル数に対する炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基のモル数の割合[{(炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基の数)/(炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基の数+炭素数8〜22のアルキル基の数)}×100]は、80モル%以上である。炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基の割合は、式(1)の増ちょう剤を構成する原料の仕込み比を変更することにより調節することができる。
炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基のモル数の割合が80%を下回ると、流動性が増し、軸受からのグリースの漏洩が問題となる可能性がある。
増ちょう剤量は適宜調整が可能であるが、グリース組成物の全質量に対し、好ましくは10〜30%、より好ましくは15〜25%である。増ちょう剤量が多すぎると、グリースの漏洩が抑制されるが、軸受の発熱が大きくなり、潤滑寿命を満足することはできない。逆に増ちょう剤量が少なすぎると、軸受の発熱は抑えられるが、グリースの漏洩が多くなり、同様に潤滑寿命を満足することはできない。
〔基油〕
本発明の基油は、アルキルジフェニルエーテル油を、基油の全質量を基準として80質量%以上含有していればよい。本発明の基油は、高温下で耐熱性に優れる。
アルキルジフェニルエーテルを構成するアルキル基は、分岐でも直鎖でもよいが、直鎖が好ましい。アルキル基の炭素数は10〜20が好ましく、12〜14が好ましい。アルキルジフェニルエーテル油は、一種単独を用いることもできるし、二種以上を併用することもできる。
アルキルジフェニルエーテル油と併用できる基油は、特に制限されない。例えば、ジエステル、ポリオールエステルに代表されるエステル系合成油、ポリαオレフィン、ポリブデンに代表される合成炭化水素油、シリコーン系合成油、フッ素系合成油等が使用可能である。
本発明の基油は、40℃における動粘度が30〜300mm2/sになる基油であるのが好ましく、50〜200mm2/sであるのがより好ましい。40℃における動粘度が30mm2/s未満だと、蒸発してしまい、耐熱性が好ましくない場合がある。40℃における動粘度が300mm2/sを超えると、低温性が満足できなくなる場合がある。
〔添加剤〕
本発明で用いる耐はく離添加剤は、酸化亜鉛、亜硝酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、セバシン酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
耐はく離添加剤量は適宜調整が可能であるが、グリース組成物の全質量に対し、好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明のグリース組成物は更に、転がり軸受用グリース組成物に通常使用される添加剤を含むことができる。
特に、有機スルホン酸塩系錆止め剤を含むのが好ましい。有機スルホン酸塩系錆止め剤は分散剤としても機能するため、有機スルホン酸塩系錆止め剤を添加することにより耐はく離添加剤の分散効果が高まり、より耐はく離効果を発揮する。そのため油膜が薄くなった厳しい潤滑条件下でもはく離寿命の向上が可能である。その場合の含有量は、本発明のグリース組成物の質量に対して、0.5〜2質量%であるのが好ましい。
本発明で用いる有機スルホン酸塩系錆止め剤としては、下記式(2)で表されるものが好ましい。
[R4−SO3]n11 ・・・式(2)
式(2)中、R4はアルキル基、アルケニル基、アルキルナフチル基、ジアルキルナフチル基、アルキルフェニル基又は石油高沸点留分残基を表す。前記アルキルまたはアルケニルは、直鎖または分岐であり、炭素数は2〜22である。R4としては、アルキル基の炭素数が好ましくは6〜18、より好ましくは8〜12、特に好ましくは9であるジアルキルナフチル基が好ましい。
1はアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、またはアンモニウムイオンを表す。アルカリ土類金属及び亜鉛が好ましい。アルカリ土類金属としてはカルシウムが好ましい。
1はM1の価数を表す。
有機スルホン酸塩系錆止め剤が、亜鉛塩及びカルシウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であるのが好ましい。有機スルホン酸塩系錆止め剤が、ジノニルナフタレンスルホン酸亜鉛塩及び/又はジノニルナフタレンスルホン酸カルシウム塩であるのが特に好ましい。
アミン系、フェノール系に代表される酸化防止剤を含むのもまた好ましい。特に高温環境では、グリースが酸化劣化してしまうため、使用する酸化防止剤は、アミン系、フェノール系を単独で用いるよりも併用することが望ましい。これら酸化防止剤を含む場合、その総量は、本発明のグリース組成物の質量に対して、0.5〜6質量%であるのが好ましい。
その他の添加剤として、キノリン系などの酸化防止剤、アミン系、カルボン酸塩等の前記有機スルホン酸塩系錆止め剤以外の錆止め剤、無機不働態化剤、ベンゾトリアゾールに代表される金属腐食防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン酸エステルに代表される油性剤、リン系、硫黄系、有機金属系に代表される耐摩耗剤や極圧剤、酸化金属塩、二硫化モリブデンに代表される固体潤滑剤などが挙げられる。これら任意の添加剤の含有量は、本発明のグリース組成物の質量に対して、通常、0.5〜5質量%である。
〔混和ちょう度〕
本発明のグリース組成物の混和ちょう度は、好ましくは200〜300、より好ましくは220〜280である。混和ちょう度が300を上回ると、高速回転による漏洩が多くなり、潤滑寿命を満足することができないことがある。一方、混和ちょう度が200を下回ると、グリースの流動性が悪くなり、潤滑寿命を満足することができないことがある。
〔軸受〕
本発明のグリース組成物を封入する軸受は、自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受である。自動車電装・補機としては、詳しくはオルタネータ、カーエアコン用電磁クラッチ、中間プーリ、アイドラプーリ、テンションプーリ等が挙げられる。
試験グリースの調製
イソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート)、及びモノアミン(p-トルイジン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン)を、表1及び表2に示したモル比で仕込み、これらを基油中で反応させ、昇温、冷却後、ベースグリースを得た。
ベースグリースに、基油及び各種添加剤を加え、3本ロールミルで混練後、混和ちょう度が250になるように実施例1〜11及び比較例1〜8のグリース組成物を得た。酸化防止剤の含有量は、グリース組成物の全質量を基準として3質量%とした。表中、耐はく離添加剤及び錆止め剤の数値は、グリース全体を100とした時の質量%を意味する。なお、混和ちょう度は、JIS K2220 7.に従って測定した。
グリースを製造するのに用いた基油及び添加剤は以下のとおりである:
<基油>
○アルキルジフェニルエーテル油
・C12〜C14アルキルジフェニルエーテル油:40℃の動粘度=97mm2/s
○ポリオールエステル油
・ジペンタエリスリトールエステル油:40℃の動粘度=76.9mm2/s
○合成炭化水素油
・ポリα-オレフィン油:40℃の動粘度=68.0mm2/s
<耐はく離添加剤>
○酸化亜鉛
○亜硝酸ナトリウム
○モリブデン酸ナトリウム
○安息香酸ナトリウム
○セバシン酸ナトリウム
○炭酸カルシウム
<錆止め剤>
○亜鉛スルホネート
・ジノニルナフタレンスルホン酸Zn塩
○カルシウムスルホネート
・ジノニルナフタレンスルホン酸Ca塩
<酸化防止剤>
アミン系酸化防止剤(アルキルジフェニルアミン)
フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール)
<試験方法>
(1)軸受潤滑寿命試験(ASTM D3336準拠)
本試験は、高温下での軸受潤滑寿命を評価する内輪回転の試験である。下記の条件で転がり軸受を運転し、モータが過電流(4アンペア)を生じるまで、または軸受温度が+15℃上昇するまでの時間を潤滑寿命とした。
軸受形式:6204金属シール
試験温度:180℃
回転数 :10000rpm
試験荷重:アキシャル荷重66.7N ラジアル荷重66.7N
評価
400時間以上・・・○(合格)
400時間未満・・・×(不合格)
(2)転がり4球試験
試験方法の概略
φ15mmの軸受用鋼球を3個用意し、内径40mm、高さ14mmの円筒状容器内に配置し、試験グリースを約20g満たす。この3個の鋼球の上に、φ5/8インチの軸受用鋼球1個を接触させ、所定の回転数で回転させると、下側の3個の鋼球は自転しながら公転する。これを鋼球表面にはく離が生じるまで連続回転させる。
※ はく離は、最も面圧の高い球−球間に生じる。
※ 寿命は、はく離が生じた時点の上鋼球の下鋼球に対する接触回数とする。
試験条件
試験鋼球: φ5/8in軸受用鋼球(回転球)、φ15mm軸受用鋼球(従動球)
試験荷重: 400kgf(6.5GPa)
回転速度: 1500rpm
試験繰り返し数: 5 (平均寿命:n=5の平均)
評価
20×106回以上・・・○(合格)
20×106回未満・・・×(不合格)
総合評価
軸受潤滑寿命試験、転がり4球試験試験 いずれも合格・・・○(合格)
軸受潤滑寿命試験、転がり4球試験試験 どちらか1つが不合格・・・×(不合格)
Figure 2013035882
Figure 2013035882
増ちょう剤が芳香族ジウレア(ジフェニルメタンジイソシアネートとp−トルイジンからなる)であり、基油がアルキルジフェニルエーテル油を含み、所定の添加剤を含む実施例1〜11のグリース組成物は、軸受潤滑寿命および転がり4球試験のいずれも合格である。
一方、いずれかが含まれていない比較例1〜8のグリース組成物は、軸受潤滑寿命および転がり4球試験のいずれかが不合格である。

Claims (6)

  1. 増ちょう剤、基油及び耐はく離添加剤を含有する自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受用グリース組成物であって、
    増ちょう剤が、下記式(1)で示されるジウレア化合物であり、
    基油が、アルキルジフェニルエーテル油を、基油の全質量を基準として80質量%以上含み、
    耐はく離添加剤が、酸化亜鉛、亜硝酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、セバシン酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記グリース組成物。
    Figure 2013035882

    (式(1)中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基を示す。
    1およびR3は、同一または異なる基であり、炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基または炭素数8〜22のアルキル基を示し、かつ炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基と炭素数8〜22のアルキル基との総モル数に対する炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基のモル数の割合[{(炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基の数)/(炭素数6〜12の1価の芳香族系炭化水素基の数+炭素数8〜22のアルキル基の数)}×100]が80モル%以上である。)
  2. 増ちょう剤が、式(1)中、R1およびR3が、同一または異なる基であり、炭素数6〜10の芳香族系炭化水素基であるか、又は炭素数8〜12の直鎖又は分岐アルキル基である化合物である、請求項1記載のグリース組成物。
  3. さらに下記式(2)で示される有機スルホン酸塩系錆止め剤を含む、請求項1又は2記載のグリース組成物。
    [R4−SO3]n11 ・・・式(2)
    (式(2)中、R4はアルキル基、アルケニル基、アルキルナフチル基、ジアルキルナフチル基、アルキルフェニル基又は石油高沸点留分残基を表す。前記アルキルまたはアルケニルは、直鎖または分岐であり、炭素数は2〜22である。M1はアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、またはアンモニウムイオンを表す。n1はM1の価数を表す。)
  4. 有機スルホン酸塩系錆止め剤が、亜鉛塩及びカルシウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項3記載のグリース組成物。
  5. 有機スルホン酸塩系錆止め剤を0.5〜2質量%含有することを特徴とする、請求項3又は4記載のグリース組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のグリース組成物を封入した自動車電装用又は自動車補機用転がり軸受。
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