JP2013035879A - 粘着組成物及び熱活性粘着ラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】従来感熱記録体の感熱記録層に増感剤として使用されていた化合物のうち、特定の化合物を粘着層に含有させると、熱活性粘着ラベルは十分な粘着持続性と耐ブロッキング性を有する。
【選択図】なし
Description
そこで、本発明は、十分な粘着持続性を有する一方で、十分な耐ブロッキング性を有する熱活性粘着ラベル及びそのための粘着組成物を提供することを目的とする。
X1及びX2は、それぞれ独立して、−CH2−、−C2H4−、−OCH2−CH2O−、−OCH2−、−CH2O−又は−SO2−を表す。
R1及びR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を表す。このハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。このアルキル基としては、炭素数が1〜3のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。このアルケニル基としては、ビニル基又はアリル基が好ましい。このアルコキシ基としては、炭素数が1〜3のアルコキシ基が好ましい。
m及びnは、それぞれ独立して、0〜3の整数、好ましくは0又は1を表す。
oは0又は1を表す。
1)一般式(化1)で表される化合物であって、X2が−CH2−、−C2H4−又は−OCH2−CH2O−を表し、R1及びR2が、それぞれ独立して、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、m及びnが1を表し、oが0を表す化合物。
2)一般式(化1)で表される化合物であって、X1及びX2が−OCH2−又は−CH2Oを表し、m及びnが0を表し、oが1を表す化合物。
3)一般式(化1)で表される化合物であって、X2が−SO2−を表し、m、n及びoが0を表す化合物。
4)一般式(化2)で表される化合物であって、X2が−OCH2−を表し、m、n及びoが0を表す化合物。
この中で、上記1)の化合物がより好ましい。
この熱可塑性樹脂としては、メチルメタクリレート(Tg=105℃)、エチルアクリレート(Tg=−22℃)、ブチルアクリレート(Tg=−54℃)、2-エチルヘキシルアクリレート(Tg=−85℃)、カルボキシーポリカプロラクトンアクリレート(Tg=−41℃)、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート(Tg=−40℃)、スチレン(Tg=100℃)等のビニル芳香族化合物、塩化ビニル(Tg=80℃)、塩化ビニリデン(Tg=−20℃)等のハロゲン化ビニル、酢酸ビニル(Tg=30℃)、プロピオン酸ビニル(Tg=10℃)等のビニルエステル、エチレン(Tg=−125℃)、ブタジエン(Tg=−109℃)等のオレフィン系単量体及びその他アクリロニトリル(Tg=130℃)等のモノマーを単独あるいは2種類以上用いた共重合体が挙げられ、二種類以上の熱可塑性樹脂を混合して使用することも可能である。
安息香酸エステル化合物としては、安息香酸スクロース、安息香酸ジエチレングリコールエステル、安息香酸グリセリド、安息香酸ペンタエリトリットエステル、安息香酸トリメチロールエタンエステル、安息香酸トリメチロールプロパンエステル等が挙げられる。これらの中では、安息香酸トリメチロールプロパンエステルが特に好ましく用いられる。
これらの固体可塑剤は二種類以上の混合物としても使用することができる。なお、固体可塑剤の水性分散液は沈降を防止、及び塗工層の表面性(平滑性)の点から、ボールミル、ハンディミル等の分散・粉砕機により一定以下の分散粒径になるように調整することが好ましい。
なお、活性温度の測定には熱傾斜試験機(例えば、東洋精機製作所社製、設定可能温度範囲50〜250℃)を使用し、任意の温度に設定した熱板に5秒間粘着剤塗工面を接触させた後、指で触れて粘着性の発現が確認される最も低い温度を活性温度とした。
本発明で用いる熱活性粘着剤の具体例としては、ヒートマジックDW1040W(東洋インキ社製、活性温度:50℃)、エコブリッド5610(ダイセルファインケム社製、活性温度:70℃)、エコブリッドTM−1(ダイセルファインケム社製、活性温度:100℃)、エコブリッドS−1(ダイセルファインケム社製、活性温度:90℃)、エコブリッドTM−100(ダイセルファインケム社製、活性温度:70℃)、エコブリッド5635(ダイセルファインケム社製、活性温度:70℃)、エコブリッド5640(ダイセルファインケム社製、活性温度:70℃)、ディックシールDLA−820K(大日本インキ社製、活性温度:80℃)、ディックシールED−920K(大日本インキ社製、活性温度:90℃)等が挙げられる。
本発明で用いる支持体には特に制限は無く、用途によって適宜選択すればよい。このような支持体として、例えば、紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等、これらを組み合わせた複合シートなどが挙げられる。また、使用目的に応じて、少なくとも一部が水解性又は水溶性である紙支持体を使用してもよい(例えば、特開2006−299498、特開2007−237634、特開2008−291409等)。このような水解性又は水溶性の紙支持体を用いた熱活性粘着ラベルは、水に浸漬させることにより溶解または分散するため、剥離や廃棄の手数が軽減される。
本発明の熱活性粘着ラベルは、粘着層が活性温度以上になるよう適宜加熱器等で加熱して、被着体に貼付する。
インクジェット記録媒体へ応用する場合には、支持体上にインクジェット記録層を設ける。インクジェット記録層は、通常、顔料とバインダーを含有する。
顔料としては、無機顔料や有機顔料が用いられる。無機顔料の例としては、カオリン、合成非晶質シリカなどのシリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ−炭酸カルシウム複合粒子、タルク、上記カオリンを焼成した焼成カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等が挙げられ、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
バインダーとしては、インクジェット記録媒体に使用される公知のバインダーであればいかなるものも用いてもよい。バインダーの例としては、酸化澱粉やエーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;スチレン・ブタジエン共重合体(SB)ラテックスやアクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NB)ラテックス等のラテックス類、ポリビニルアルコール及びその変性物;カゼイン;ゼラチン;カルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等のセルロース類;ポリウレタン;酢酸ビニル;不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
インクジェット記録層には、その他必要に応じて、サイズ剤、定着剤、顔料分散剤、増粘剤、保水剤、滑剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、防腐剤、耐水化剤、界面活性剤、pH調整剤等の助剤を適宜添加することができる。
インクジェット記録層に含まれる全ての顔料の合計100重量部に対し、バインダーの割合が4重量部以上35重量部以下であることが好ましい。
インクジェット記録層の塗工量は、通常、片面あたり1〜40g/m2であり、片面あたり3g/m2以上30g/m2未満であることが好ましい。
支持体上にインクジェット記録層を設ける方法としては、特に限定されるものではなく、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレスなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。
感熱記録体へ応用する場合には、支持体上に感熱記録層を設け、更に任意に感熱記録層上に保護層、支持体と感熱記録層との間に下塗り層(アンダー層)、感熱記録層と保護層との間に中間層などを設けてもよい。
感熱記録層の塗工量は通常2〜12g/m2程度、保護層は通常1〜5g/m2程度、下塗り層は通常1〜20g/m2程度である。
ロイコ染料としては、従来の感熱記録紙の分野で公知のものを使用することができ、例えば、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系化合物、ジビニル系化合物等が好ましく用いられる。ロイコ染料の具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチルイソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオランなどが挙げられる。
顔料としては、例えば、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、各種有機顔料等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
このほかに、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン等の画像安定剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
本発明の感熱記録体において、ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗工液とする。この塗工液に用いる溶媒としては、水やアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。また、塗工手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗工することができ、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。
感圧記録媒体へ応用する場合には、通常、電子供与性ロイコ染料(ロイコ染料)等を溶解した油状物質を内包するカプセルを主成分とする発色剤組成物を基紙の片面に塗工した上用紙と、基紙の片面にこの発色剤と接触したときに呈色させる電子受容性顕色剤(顕色剤)を主成分とする顕色剤組成物を塗工し(感圧記録層)、他面に発色剤組成物を塗工した中用紙と、基紙の片面に顕色剤組成物を塗工し(感圧記録層)、他面に本発明の粘着層を設けた下用紙を用意する。これらは上用紙−中用紙−下用紙又は上用紙−下用紙の順に組み合わせて使用し、筆圧やプリンター等の圧力により上用紙中のカプセルを破壊することにより、発色剤が顕色剤と反応して発色する。
カプセルは、主に液体、固体等の芯物質をゼラチン、ポリ尿素ウレタン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等の膜物質で覆った微小容器で、1〜200μm程度の大きさである。カプセルの製造方法としては、コアセルベーション法、界面重合法、in−situ法等が用いられる。
熱転写記録媒体へ応用する場合には、支持体上に主に顔料と結着剤からなる熱転写記録層を設ける。色材を含有する熱溶融性インク層を塗工したフィルム(インクリボン)をサーマルヘッド等の発熱により加熱し、色材を溶融、蒸発、昇華させて熱転写記録層に転写し、記録画像を得ることができる。
熱転写記録層には、必要に応じて顔料と結着剤以外に、塗工適性改善を目的として分散剤、増粘剤、離型剤、界面活性剤、粘度調節剤、凝集剤、レベリング剤、耐水化剤などを、記録特性改善や記録媒体の搬送性改善を目的として滑剤や帯電防止剤などを含有させてもよい。
電子写真記録媒体へ応用する場合には、支持体上に主に顔料と結着剤からなる電子写真記録層を設ける。感光体を露光して感光体表面の電荷を変化させ、その電荷(残存電荷)に応じてトナー着色体を吸着し、電子写真記録層に転写、融着させることで記録画像を得ることができる。
電子写真記録層には、必要に応じて顔料と結着剤以外に、離型剤などを含有させてもよい。電子写真記録層の塗工量は、用途によって適宜選択されるが、通常2〜40g/m2程度である。
下記組成からなる配合物を混合攪拌して、粘着剤塗工液を調製した。
粘着剤塗工液
熱活性粘着剤(ダイセルファインケム社製:エコブリッドS−1、熱可塑性樹脂:
固体可塑剤:粘着付与剤=20:70:20、活性温度:90℃、以下「熱活性粘着
剤1」という。) 100.0部
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232、融点98℃)
10.0部
増粘剤(サンノプコ社製:SNシックナー929S) 0.2部
上質紙(坪量47g/m2の基紙)の片面に、粘着剤塗工液をマイヤーバーで乾燥塗工量13.0g/m2となるように塗工・乾燥(送風乾燥機50℃、5分間)し、熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の配合量を20.0部とした以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例3]
粘着剤塗工液の乾燥塗工量を20.0g/m2とした以外は実施例2と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例4]
粘着剤塗工液の乾燥塗工量を30.0g/m2とした以外は実施例2と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の配合量を35.0部とした以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例6]
粘着剤塗工液の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の配合量を45.0部とした以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例7]
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の代わりにジフェニルスルホン(UCB社製:DPS、融点126℃)を使用した以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例8]
粘着剤塗工液中のジフェニルスルホン(UCB社製:DPS)の配合量を20.0部とした以外は実施例7と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の代わりに2−ベンジルオキシナフタレン(上野製薬社製:BON、融点101℃、下式で表される)を使用した以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中の2−ベンジルオキシナフタレン(上野製薬社製:BON)の配合量を20.0部とした以外は実施例9と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の代わりに1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(日華化学社製:PMB2、融点92℃、下式で表される)を使用した以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中の1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(日華化学社製:PMB2)の配合量を20.0部とした以外は実施例11と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例13]
粘着剤塗工液中の熱活性粘着剤(エコブリッドS−1)の代わりに熱活性粘着剤(ダイセルファインケム社製:エコブリッド5610、活性温度:70℃、以下「熱活性粘着剤2」という。)を使用した以外は実施例2と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例14]
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の代わりに1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(日華化学社製:PMB2)を使用した以外は実施例13と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中の熱活性粘着剤(エコブリッドS−1)の代わりに熱活性粘着剤(東洋インキ製造株式会社製:ヒートマジックDW1040W、活性温度:50℃、以下「熱活性粘着剤3」という。)を使用した以外は実施例2と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例16]
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の代わりに1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(日華化学社製:PMB2)を使用した以外は実施例15と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例17]
粘着剤塗工液中の熱活性粘着剤(エコブリッドS−1)の代わりに熱活性粘着剤(ディックグラフィックス株式会社製:ディックシールDLA820K、活性温度:80℃、以下「熱活性粘着剤4」という。)を使用した以外は実施例2と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[実施例18]
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の代わりに1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(日華化学社製:PMB2)を使用した以外は実施例17と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中に1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)を配合しなかった以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[比較例2]
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の代わりにシュウ酸ジ−p−クロルベンジルエステル(大日本インキ社製:HS3519、融点80℃、下式で表される)を使用した以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中のシュウ酸ジ−p−クロルベンジルエステル(大日本インキ社製:HS3519)の配合量を20.0部とした以外は比較例2と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の代わりにパラベンジルオキシ安息香酸ベンジル(エーピーアイコーポレーション社製:BZB、融点117〜119℃、下式で表される)を使用した以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の代わりにステアリン酸アマイド(CH3(CH2)16CONHCH2OH、中京油脂社製:ハイドリンD−757、融点109〜113℃)を使用した以外は実施例1と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[比較例6]
粘着剤塗工液中に1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)を配合しなかった以外は実施例13と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[比較例7]
粘着剤塗工液中に1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)を配合しなかった以外は実施例15と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
[比較例8]
粘着剤塗工液中に1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)を配合しなかった以外は実施例17と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
<粘着性>
感熱プリンタ(ゼブラ社製:140XiIII、明度+20、印字速度51mm/秒)を使用し、作製した熱活性粘着ラベルの粘着剤面に熱エネルギーを与えて粘着性を発現させ、10秒後にポリオレフィンラップ(日本紙パック社製:ワンラップ)に接着した。
接着直後と23℃、50%RHの環境下で7日間処理した後にそれぞれ剥離試験を行い、粘着持続力を下記の基準で評価した。評価が△以上であれば実用上問題ない。
○:接着している
△:接着しているが、軽微な力で剥離することができる
×:接着していない
作製した熱活性粘着ラベルの粘着剤面と紙管表面が接触するようにして3インチ紙管に巻き付け、50℃の環境下、又は50℃、90%RHの環境下で24時間処理した。耐ブロッキング性を下記の基準で評価した。評価が△以上であれば実用上問題ない。
◎:熱活性粘着ラベルを紙管から剥がす時に、抵抗感なく剥がれる。
○:熱活性粘着ラベルを紙管から剥がす時に、やや抵抗感はあるが紙管表面に毛羽立ち は発生しない。
△:熱活性粘着ラベルを紙管から剥がす時に抵抗感があり、紙管表面に毛羽立ちが発生
するが、紙管表面が剥けたり熱活性粘着ラベルが破れたりすることはない。
×:熱活性粘着ラベルを紙管から剥がす時に抵抗感があり、無理に剥がすと紙管表面が
剥けたり熱活性粘着ラベルが破れたりする。
一方、本願発明の添加剤を用いない場合や本願発明の添加剤ではない化合物を添加した場合には、いずれも、粘着力(粘着持続力)(比較例1〜3、5〜8)あるいは耐ブロッキング性(比較例4、6、7)のいずれかが劣る。
(インクジェット記録層を設けた実施例)
下記組成からなる配合物を攪拌分散して、インクジェット記録層用塗工液を調製した。
インクジェット記録層用塗工液
合成非晶質シリカ(トクヤマ社製:X−60) 100.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 200.0部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製:LX438C、
固形分45%) 10.0部
スチレンアクリル系サイズ剤(荒川化学工業社製:ポリマロン360、
固形分20%) 6.0部
ポリアミン系染料定着剤(星光PMC社製:DK6872、
固形分50%) 5.0部
水 320.0部
得られたインクジェット記録体のインクジェット記録層とは反対の面に、粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の配合量を20.0部とした粘着剤塗工液を、マイヤーバーで乾燥塗工量13.0g/m2となるように塗工・乾燥(送風乾燥機50℃、5分間)し、熱活性粘着ラベルを作製した。
[比較例9]
粘着剤塗工液中に1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを配合しなかった以外は実施例19と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
<インクジェット印字濃度>
熱活性粘着ラベルのインクジェット記録面に、インクジェットプリンター(PM−970C、セイコーエプソン社製)を用いて染料インクで黒(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)のベタ画像を印字した。印字後の記録用紙を恒温恒湿室で一日間放置した後、マクベス濃度計(Macbeth社製RD915)を用いて各色の印字濃度を測定し、その平均値を平均濃度とした。
<退色防止性>
熱活性粘着ラベルのインクジェット記録面に、インクジェットプリンター(PM−970C、セイコーエプソン社製)を用いて染料インクでマゼンタ(M)のベタ画像を印字した。印字した熱活性粘着ラベル2枚を、粘着剤面とインクジェット記録面が接触するように重ねて石英ガラス板の間に挟み、50℃の環境下、又は50℃、90%RHの環境下で24時間処理した後、各色の印字部の記録濃度をマクベス濃度計(Macbeth社製RD915)を用いて測定し、処理前後の値から残存率を算出し、退色防止性を評価した。
残存率(%)=(処理後の記録濃度/処理前の記録濃度)×100
◎:95%以上
○:85〜95%未満
△:75〜85%未満
×:75%未満
(感熱記録層を設けた実施例)
下記組成からなる配合物を攪拌分散して、アンダー層用塗工液を調製した。
アンダー層用塗工液
焼成カオリン(エンゲルハード社製:アンシレックス90) 90.0部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製:ST5526、
固形分48%) 10.0部
水 50.0部
顕色剤分散液(A液)
4−ヒドロキシ−4'−アリルオキシジフェニルスルホン(日華化学社製:
BPS−MAE) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 18.8部
水 11.2部
ロイコ染料分散液(B液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社製:
ODB−2) 2.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 4.6部
水 2.6部
増感剤分散液(C液)
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)
6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 18.8部
水 11.2部
感熱記録層用塗工液
顕色剤分散液(A液) 32.0部
ロイコ染料分散液(B液) 9.2部
増感剤分散液(C液) 32.0部
シリカ分散液(水澤化学社製:P537、固形分25%) 17.5部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 25.0部
このアンダー層塗工紙のアンダー層上に、感熱記録層用塗工液をマイヤーバーで乾燥塗工量6.0g/m2となるように塗工・乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)した。このシートをスーパーカレンダーで平滑度が500〜1000秒になるように処理して、感熱記録体を得た。
得られた感熱記録体の感熱記録層とは反対の面に、粘着剤塗工液中の1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)の配合量を20.0部とした粘着剤塗工液を、マイヤーバーで乾燥塗工量13.0g/m2となるように塗工・乾燥(送風乾燥機50℃、5分間)し、熱活性粘着ラベルを作製した。
[比較例10]
粘着剤塗工液中に1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを配合しなかった以外は実施例20と同様にして熱活性粘着ラベルを作製した。
<感熱印字濃度>
熱活性粘着ラベルの感熱記録面に、大倉電機社製のTH−PMDを使用して階調パターンの印字を行ない、印加エネルギー0.195mJ/dotと0.345mJ/dotでの印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
<耐減感性>
熱活性粘着ラベル2枚を、粘着剤面と感熱記録面が接触するように重ねて石英ガラス板の間に挟み、50℃の環境下、又は50℃、90%RHの環境下で24時間処理した後、大倉電気社製のTH−PMDを使用して、印加エネルギー0.345mJ/dotで市松模様を印字した。処理前後の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、耐減感性を下記式で評価した。
耐減感性=(処理後の印字濃度/処理前の印字濃度)×100%
◎:95%以上
○:85〜95%未満
△:75〜85%未満
×:75%未満
Claims (11)
- 前記熱活性粘着剤の活性温度が50〜100℃である請求項1に記載の熱活性粘着ラベル。
- 前記熱活性粘着剤が熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤から成り、熱可塑性樹脂:固体可塑剤:粘着付与剤(重量比)=15〜45:45〜75:5〜25である請求項1に記載の熱活性粘着ラベル。
- 前記化合物が一般式(化1)で表され、X2が−CH2−、−C2H4−又は−OCH2−CH2O−を表し、R1及びR2がそれぞれ独立して、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、m及びnが1を表し、oが0を表す請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着組成物。
- 前記化合物が一般式(化1)で表され、X1及びX2が、それぞれ独立して、−OCH2−又は−CH2Oを表し、m及びnが0を表し、oが1を表す請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着組成物。
- 前記化合物が一般式(化1)で表され、X2が−SO2−を表し、m、n及びoが0を表す請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着組成物。
- 前記化合物が一般式(化2)で表され、X2が−OCH2−を表し、m、n及びoが0を表す請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着組成物。
- 前記活性粘着ラベル用粘着組成物中の前記化合物の含有量が、粘着剤100重量部に対して5〜40重量部である請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着組成物。
- 支持体の片面に請求項1〜8のいずれか一項に記載の粘着組成物から成る熱活性粘着層を設けた熱活性粘着ラベル。
- 支持体の熱活性粘着層を設けた面と反対側の面に少なくとも1層の記録層を設けた、請求項9に記載の熱活性粘着ラベル。
- 前記記録層が、インクジェット記録層、感熱記録層、感圧記録層、熱転写用インク受容層又は電子写真記録層である請求項10に記載の熱活性粘着ラベル。
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