JP2013035487A - 車体フレーム - Google Patents

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Abstract

【課題】車体フレーム全体の重量を増加させることなく、寸法精度を維持しながら車体フレームの剛性及び強度を確保すること。
【解決手段】ヘッドパイプ(21)の後部から各種フレームが後方に延出するように、ヘッドパイプに各種フレームが接合された自動二輪車(1)の車体フレーム(2)であり、ヘッドパイプには、ステアリングシャフトを軸支するパイプ本体(721)と、パイプ本体の下端部から後方に延出してダウンチューブ(24)を前方から支持する、前側舌片部(722)と、パイプ本体の下面から前側舌片部の基端側よりも下方に突出して、治具(9)によって外周面がクランプされる環状部(728)と、前側舌片部の下面において、環状部の後部から前側舌片部の延在方向に沿って延びる補強リブ(729)とが設けられ、補強リブの幅を環状部の外径よりも小さく形成した。
【選択図】図6

Description

本発明は、自動二輪車の車体フレームに関し、特にオフロード用の自動二輪車の車体フレームに関する。
一般に、自動二輪車の車体フレームでは、十分な操作性や走行安定性を確保するために、ステアリングシャフト用の軸受装着部を高い寸法精度でヘッドパイプに形成することが望まれている。従来、このような車体フレームとして、ヘッドパイプの上下端部を専用の治具によってクランプした状態で、ヘッドパイプの内径部分に軸受装着部が加工されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のヘッドパイプは、ステアリングシャフトが支持される円筒状のパイプ本体の下端部から舌片部がダウンチューブの前面に沿って延出するように鍛造成型される。
鍛造成型されたヘッドパイプには、旋盤加工等によって上下一対の環状部がパイプ本体の上下端部から突出するように形成される。一対の環状部の外周面は、上面視真円状であり、ヘッドパイプの内径部分に軸受装着部を加工する際に専用の治具によって全周に亘ってクランプされる。軸受装着部は、治具によって安定的に固定された一対の環状部を加工基準とすることで、十分な寸法精度で加工される。
特開2008−230416号公報
しかしながら、特許文献1に記載のヘッドパイプでは、パイプ本体の下端部から環状部が突出するように形成されるため、パイプ本体の下端部から延出する舌片部の基端側(根元部分)に段差が形成される。この舌片部の基端側は、路面からの突き上げ荷重によって強い応力が作用する部位であり、段差が形成されることで十分な剛性及び強度が得られないおそれがある。この問題を解消するために、各部を肉厚に形成して剛性等を確保することも考えられるが、車体フレーム全体の重量が増加するという不具合があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、車体フレーム全体の重量を増加させることなく、寸法精度を維持しながら剛性及び強度を確保することができる車体フレームを提供することを目的とする。
本発明の車体フレームは、ヘッドパイプの後部からフレームが後方に延出するように、前記ヘッドパイプに前記フレームが接合された自動二輪車の車体フレームであって、前記ヘッドパイプには、ステアリングシャフトを軸支するパイプ本体と、前記パイプ本体の下端部から後方に延出して前記フレームを前方から支持する支持片と、前記パイプ本体の下面から前記支持片の基端側よりも下方に突出して、治具によって外周面がクランプされる環状部と、前記支持片の下面において、前記環状部の後部から前記支持片の延在方向に沿って延びる補強部とが設けられ、前記補強部の幅が、前記環状部の外径よりも小さく形成されることを特徴とする。
この構成によれば、環状部の後部から支持片に沿うように補強部が設けられ、環状部の外周面が補強部を除く部分で治具によってクランプされる。このため、支持片の基端側に段差が形成されることがなく、補強部によって路面からの突き上げ荷重に対する剛性及び強度が確保される。また、補強部の幅が環状部の外径よりも小さく形成されることで、環状部の外周面が広い範囲でクランプされ、ヘッドパイプを安定的に固定した状態でヘッドパイプを精度よく加工することができる。また、支持片の下面に補強部を設けるだけで剛性及び強度が確保されるため、ヘッドパイプ全体を肉厚にする構成と比較して、重量が大幅に増加することがない。
また本発明の車体フレームにおいて、前記ヘッドパイプは、前記ステアリングシャフトの軸方向で隣接する上側ヘッドパイプと下側ヘッドパイプとを接合して形成され、前記支持片は、前記下側ヘッドパイプから延出し、前記フレームの両側壁部に沿うように一対の立壁部を有する。この構成によれば、一対の立壁部によって路面からの突き上げ荷重に対する支持片の剛性及び強度をさらに高めることができる。
また本発明の車体フレームにおいて、前記下側ヘッドパイプから前記支持片が延出される部分において、前記下側ヘッドパイプの外径と前記支持片の基端側の幅が略同一に形成される。この構成によれば、支持片の幅を広くとることができ、捻じれ方向に対する剛性及び強度を高めることができる。
また本発明の車体フレームにおいて、前記補強部の下面が前記環状部の下面と略面一になるように、前記補強部が前記支持片に設けられる。この構成によれば、支持片の基端側から先端部にかけてなだらかに厚みが変化するので、急激な形状変化を抑えて応力集中を緩和できる。
本発明によれば、車体フレーム全体の重量を増加させることなく、寸法精度を維持しながら剛性及び強度を確保することができる。
本実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 本実施の形態に係る車体フレームの斜視図である。 本実施の形態に係る車体フレームのヘッドパイプ周辺の拡大図である。 本実施の形態に係る車体フレームのヘッドパイプ周辺の分解斜視図である。 比較例に係るヘッドパイプの強度特性の説明図である。 本実施の形態に係るヘッドパイプの強度特性の説明図である。 本実施の形態に係るヘッドパイプのクランプ状態の説明図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明の車体フレームをオフロードタイプの自動二輪車に適用した例について説明するが、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、本発明の車体フレームを、他のタイプの自動二輪車にも適用可能である。
図1を参照して、本実施の形態に係る自動二輪車全体の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。なお、図1においては、車体前方を矢印FR、車体後方を矢印REでそれぞれ示す。
図1に示すように、自動二輪車1は、パワーユニット、電装系等の各部を搭載する鋼製又はアルミ合金製の車体フレーム2を備えている。車体フレーム2のメインフレーム22は、前端に位置するヘッドパイプ21から後方に向けて左右に分岐し、斜め下方に延在している。メインフレーム22の後端部からは、スイングアームブラケット23が下方に向って延在している。また、車体フレーム2のダウンチューブ(フレーム)24は、ヘッドパイプ21から略下方に向って延在している。ダウンチューブ24の下端部からは、左右に分岐したロアチューブ25が後方に向って略水平に延在し、スイングアームブラケット23の下端部に連結されている。
車体フレーム2の前端には、ヘッドパイプ21に設けられた不図示のステアリングシャフトを介してフロントフォーク31が回転可能に支持されている。ステアリングシャフトの上端にはハンドルバー(不図示)が設けられており、ハンドルバーの両端にはグリップ33が装着されている。ハンドルバーの左前方にはクラッチレバー34が配置されており、ハンドルバーの右前方には前輪3用のブレーキレバー(不図示)が配置されている。フロントフォーク31の下部には、前輪3が回転可能に支持されている。前輪3には、前輪3用のブレーキを構成するブレーキディスク35が設けられている。
車体フレーム2のスイングアームブラケット23には、スイングアーム41が上下方向に揺動可能に連結されており、車体フレーム2とスイングアーム41との間にはサスペンション42が取り付けられている。スイングアーム41の後部には、後輪4が回転可能に支持されている。後輪4の左側には、ドリブンスプロケット43が設けられており、ドライブチェーン44によってエンジン5の動力が後輪4に伝達されるよう構成されている。後輪4の右側には、後輪4用のブレーキを構成するブレーキディスク(不図示)が設けられている。
車体フレーム2により囲まれる空間には、駆動源となる水冷式のエンジン5が搭載されている。エンジン5の前方にはラジエータ51が配置されており、エンジン5の後方にはフィルタを備えたエアクリーナボックス52が配置されている。また、エンジン5の上方には燃料が格納される燃料タンク61が配置されており、燃料タンク61の後方にはシート6が配置されている。シート6の下方にはフットレスト62が設けられている。車体左側のフットレスト62の前方にはシフトペダル63が設けられており、車体右側のフットレスト62の前方には後輪4用のブレーキペダル(不図示)が設けられている。
エンジン5は、横置きクランク式の4サイクル単気筒エンジンとトランスミッションとからなる。エンジン5には、インテークパイプ(不図示)を通じて空気が取り込まれ、燃料噴射装置にて空気と燃料とが混合されて燃焼室に供給される。燃焼後の排気ガスは、エンジン5の右側面において後方に延出されたエキゾーストパイプ(不図示)を経てマフラ54から排出される。
図2から図4を参照して車体フレームについて説明する。図2は、本実施の形態に係る車体フレームの斜視図である。図3は、本実施の形態に係る車体フレームのヘッドパイプ周辺の拡大図である。図4は、本実施の形態に係る車体フレームのヘッドパイプ周辺の分解斜視図である。
図2に示すように、車体フレーム2は、ヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から車体後方に向って斜め下方に延びる左右一対のメインフレーム22と、各メインフレーム22の後端部から下方に延びる左右一対のスイングアームブラケット23とを有している。また、車体フレーム2は、ヘッドパイプ21から車体下方に延びるダウンチューブ24と、ダウンチューブ24の下側で左右二股に分岐した後、後方に向って略水平に延びて各スイングアームブラケット23に接合されるロアチューブ25を有する。
一対のメインフレーム22は、アルミ系展伸材等により中空状に形成されており、ヘッドパイプ21から後方に向って左右に広がり、エンジン5の上方を通るように延在する。一対のメインフレーム22の上部には、燃料タンク61が設置される。一対のスイングアームブラケット23は、アルミ系鋳造材又はアルミ系鍛造材により、開放された内面側に多数の補強リブを設けて形成されている。一対のスイングアームブラケット23は、一対のメインフレーム22に接合される上端部において、アッパブリッジ26を介して連結される。このアッパブリッジ26にはサスペンション42の上端部が支持される。
一対のスイングアームブラケット23は、一対のロアチューブ25に接合される下端部において、ロアブリッジ27を介して連結される。また、一対のスイングアームブラケット23は、その延在方向の中間部にスイングアーム41を揺動可能に支持するスイングアームピボット46が形成される。ダウンチューブ24は、アルミ系展伸材等により中空状に形成されており、エンジン5の前方を通るように延在する。ダウンチューブ24の延在方向における中間部は、U字状のブリッジパイプ28を介してメインフレーム22の中間部に連結される。一対のロアチューブ25は、アルミ系展伸材等により中空状に形成されており、エンジン5の下方を通るように延在する。
これら車体フレーム2の構成部材によってエンジン5等の収容空間が画成される。エンジン5は、スイングアームブラケット23、ダウンチューブ24、ロアチューブ25に設けたマウントを介して懸架されることで、車体フレーム2に対する補強部材としての役割を果たしている。
ところで、モトクロスタイプの自動二輪車1では、ジャンプ台から飛び出して着地するため、路面からの突き上げ荷重によって車体フレーム2のヘッドパイプ21に対して強い応力が作用する。このため、本実施の形態に係る車体フレーム2では、特に強い応力が作用するヘッドパイプ21の下端部の剛性及び強度を高めるように形成されている。以下、ヘッドパイプ21の詳細構成について説明する。
図3及び図4に示すように、ヘッドパイプ21は、アルミ系合金材料を鍛造成型した各種部材を溶接等によって接合して形成されている。ヘッドパイプ21は、上側ヘッドパイプ71と下側ヘッドパイプ72とを接合して略円筒形に形成されている。上側ヘッドパイプ71は、上側パイプ本体(パイプ本体)711から上下方向で対向する上下一対のフランジ714、715が後方に延出するように鍛造成型される。上側パイプ本体711の上部には、ステアリングシャフトの上部軸受が装着される上部軸受ハウジング712が形成されている。
上部軸受ハウジング712の上端部には、切削加工等によって高い寸法精度で環状部718が形成されている。また、上側ヘッドパイプ71の後側には、メインフレーム22の取付位置となる開口部713が形成されている。上側フランジ714及び下側フランジ715は、開口部713の上辺部及び下辺部から後方に突出して一対のメインフレーム22の上壁部221及び底壁部222に接合される。
下側ヘッドパイプ72は、下側パイプ本体(パイプ本体)721からダウンチューブ24の前壁部241に沿って板状の前側舌片部(支持片)722が下方に延出するように鍛造成型される。下側パイプ本体721の下部には、ステアリングシャフトの下部軸受が装着される下部軸受ハウジング723が形成されている。下部軸受ハウジング723には、その直径と略同幅の前側舌片部722が接続されている。
下部軸受ハウジング723の下部には、切削加工等によって高い寸法精度で環状部728が形成されている。前側舌片部722の下面には、環状部728の後部から前側舌片部722の延在方向に沿って延びる補強リブ(補強部)729が形成されている。前側舌片部722の基端側は、補強リブ729によって補強されることで、路面からの突き上げ荷重に対する剛性及び強度が高められている。
また、前側舌片部722の基端側には、幅方向の両側辺部から立ち上がる一対の立壁部725が設けられている。この一対の立壁部725によって前側舌片部722の剛性及び強度がさらに高められている。一対の立壁部725は、下側パイプ本体721と上側パイプ本体711との接合面Sよりも上方に延出しており、上方に向って幅狭となる側面視略三角形状に形成されている。
下側ヘッドパイプ72は、上側ヘッドパイプ71に接合され、前側舌片部722を介してダウンチューブ24の前壁部241に接合される。また、一対の立壁部725の前方の斜辺部726が上側パイプ711に接合され、一対の立壁部725の後方の斜辺部727がダウンチューブ24の両側壁部243に接合される。この場合、下側ヘッドパイプ72と上側ヘッドパイプ71は、一対の立壁部725によって接合面Sだけでなく接合面Sに交差する方向でも接合されることで接合強度が強化されている。また、下側ヘッドパイプ72とダウンチューブ24は、前側舌片部722及び一対の立壁部725によって囲うように接合されることで接合強度が強化されている。
上側ヘッドパイプ71には、一対のメインフレーム22の内側壁部223間を連結するメインフレームガセット73が接合されている。メインフレームガセット73は、一対のメインフレーム22の対向面に沿う一対の後方延出部731及びダウンチューブ24の後壁部242に沿う板状の後側舌片部732が、それぞれ縦壁部733から後方に延出するように鍛造成型される。縦壁部733は、側面視において後方に膨らむように湾曲しており、上部及び下部において上側フランジ714及び下側フランジ715の後端部に接合される。
一対の後方延出部731は、縦壁部733から両側方に延出して一対のメインフレーム22の内側壁部223に接合される。後側舌片部732は、縦壁部733から下方に延出してダウンチューブ24の後壁部242に接合される。この場合、一対の後方延出部731の外縁部は、略半円状に形成されているため、溶接ビードが緩やかな曲線で構成される。このため、ビード端部の割れが防止されるため、メインフレームガセット73とメインフレーム22との接合強度が強化されている。また、メインフレームガセット73の後側舌片部732には、ブリッジパイプガセット74が延設されており、ダウンチューブ24とメインフレームガセット73との接合強度が補強されている。
このように構成されたヘッドパイプ21では、上側ヘッドパイプ71、下側ヘッドパイプ72に設けられた環状部718、728の外周面を専用の治具9によってクランプした状態で、ステアリングシャフトの軸受装着部となる内径部分が加工される(図7参照)。このため、治具9によってクランプされる環状部718、728がヘッドパイプ21の内径部分の加工時の加工基準となっている。一般に、ヘッドパイプに対して環状部を形成する場合には、環状部の全周に亘って、治具によってクランプされるクランプ面が形成される。このため、環状部によって前側舌片部の基端側に段差が形成され、路面からの突き上げ荷重に対して十分な剛性及び強度が得られない。
これに対し、本実施の形態に係る下側ヘッドパイプ72では、環状部728の全周に亘ってクランプ面724を形成するのではなく、前後部を除く両側部にクランプ面724を形成する構成とした。また、クランプ面724が形成されない環状部728の後部から補強リブ729を延出し、前側舌片部722を補強するようにした。これらの構成により、ヘッドパイプ21の内径加工時の寸法精度を維持しながら、特に前側舌片部722の基端側における剛性及び強度を確保することが可能となっている。
以下、図5及び図6を参照して、ヘッドパイプの強度特性について説明する。図5は、比較例に係るヘッドパイプの強度特性の説明図である。図6は、本実施の形態に係るヘッドパイプの強度特性の説明図である。比較例に係るヘッドパイプは、本実施の形態に係るヘッドパイプと、環状部の全周に亘ってクランプ面が形成されている点と、上側ヘッドパイプとメインフレームガセットが一体成型されている点で異なるものである。
図5Aに示すように、比較例に係るヘッドパイプ81は、上側ヘッドパイプ82と下側ヘッドパイプ83を接合して構成されている。下側ヘッドパイプ83の環状部84は、外周面の全周に亘ってクランプ面87が形成されており、環状部84の後部と前側舌片部85との間には段差86が設けられている。前側舌片部85の基端側(根元部分)は、段差86による形状変化が大きく、段差86を設けた分だけ薄厚に形成されている。
ところで、ヘッドパイプ81は、キャスター角だけ傾いているため、路面からの突き上げ等によってピッチング方向に荷重が発生する。このとき、ヘッドパイプ81の内側には、上下の軸受を介してステアリングシャフトが支持されているため、上側ヘッドパイプ82には上部軸受を介して後方に荷重F1が作用し、下側ヘッドパイプ83には下部軸受を介して前方に荷重F2が作用する。前側舌片部85の基端側には段差86が形成されているため、特に段差86付近では強い引張応力が作用される。
上記したように、前側舌片部85の基端側は、段差86によって大きく形状変化し、さらに段差86を設けた分だけ薄厚に形成されている。また、図5Bに示すように、前側舌片部85には本実施の形態のような一対の立壁部が形成されていない。よって、比較例に係る前側舌片部85の基端側では、段差86付近に生じる引張応力に対して十分な剛性及び強度を確保することが困難となっている。
これに対し、図6Aに示すように、本実施の形態に係る下側ヘッドパイプ72の環状部728は、外周面の前後部分を除いてクランプ面724が形成されている。よって、環状部728の後部と前側舌片部722との間には段差が形成されない。前側舌片部722の下面には、環状部728の後部から前側舌片部722の幅方向における中間位置を通るように補強リブ729が設けられている。この補強リブ729によって環状部728と前側舌片部722とが滑らかに接続され、前側舌片部722の基端側に十分な厚みが確保される。
この場合、前側舌片部722の基端側において、環状部728の下面と補強リブ729の下面とが略面一に形成されている。このため、前側舌片部722の基端側における急激な形状変化が抑えられ応力集中が緩和される。また、図6Bに示すように、前側舌片部722にはダウンチューブ24の両側壁部243に沿うように一対の立壁部725が設けられている。一対の立壁部725は、前側舌片部722の基端側では上方に高く突出しており、前側舌片部722の基端側の剛性及び強度をさらに高めている。
また、補強リブ729は、前側舌片部722から先端側に向って徐々に断面積が小さくなるように形成され、一対の立壁部725は、前側舌片部722の先端側に向って低くなるように形成されている。このように、前側舌片部722を緩やかに形状変化させることで応力集中を緩和させている。このような構成により、本実施の形態に係るヘッドパイプ21では、前側舌片部722の基端側においても路面からの突き上げ荷重に対して十分な剛性及び強度が確保される。また、前側舌片部722の幅は、下部軸受ハウジング723の直径と略同一になっており、ねじれ方向に対する剛性も高められている(図3参照)。
また、図5Cに示すように、比較例に係るヘッドパイプ81では、下部軸受の取付位置P1が前側舌片部85の下面を基準に設定される。これはヘッドパイプ81の下端部側では、下部軸受を介して荷重が作用されるため、環状部84の下面を基準に下部軸受の取付位置P1が設定されると、段差86によって強度を確保することが困難だからである。よって、ヘッドパイプ81では、下部軸受の取付位置P1と上部軸受の取付位置P2との軸受間距離L1が短くなり、ヘッドパイプ81のねじれ剛性が低下して走行安定性が悪化するおそれがある。
一方、図6Cに示すように、本実施の形態に係るヘッドパイプ21の下端部では、補強リブ729によって剛性及び強度が確保されているため、下部軸受の取付位置P1が環状部728の下面を基準に設定できる。このため、ヘッドパイプ21では、下部軸受の取付位置P1と上部軸受の取付位置P2との軸受間距離L2が、比較例に係るヘッドパイプ81の軸受間距離L1よりも長くなる。軸受間距離L2が長くなることで、ヘッドパイプ21のねじれ剛性が高くなり走行安定性が向上される。
図7を参照して、ヘッドパイプのクランプについて説明する。図7は、本実施の形態に係るヘッドパイプのクランプ状態の説明図である。なお、図7は、説明の便宜上、ヘッドパイプの下端部のみを治具によってクランプする構成について説明するが、これに限定されない。ヘッドパイプの上下両端部を治具によってクランプする構成でもよい。
図7に示すように、ヘッドパイプ21は、一対の治具9によって左右方向からクランプされる。一対の治具9には、環状部728のクランプ面724に対応して、上面視円弧状の曲面を有するように形成されている。一対の治具9は、リブ幅W1よりも僅かに広幅の幅W2で環状部728をクランプすることで、補強リブ729との干渉を避けている。この場合、環状部728のクランプ面724が前後方向に円弧状に延在しているため、一対の治具9によって環状部728が前後左右に位置決め状態で固定される。
このように、一対の治具9によって環状部728が安定的に固定されることで、ヘッドパイプ21の内径部分にステアリングシャフトの軸受装着部が高い寸法精度で加工される。このため、ヘッドパイプ21に上下軸受が精度よく装着され、上下軸受によってステアリングシャフトが適切な傾きで支持される。また、ステアリングシャフトが適切な傾きで支持されるため、前輪3及び後輪4の接地点に車幅方向でズレが生じたり、キャスター角が許容角度から外れることが抑制され、十分な操作性や走行安定性が確保される。
以上のように、本実施の形態に係る車体フレーム2によれば、環状部728の後部から前側舌片部722に沿うように補強リブ729が設けられ、環状部728の外周面が補強リブ729を除く部分で治具によってクランプされる。このため、前側舌片部722の基端側に段差が形成されることがなく、補強リブ729によって路面からの突き上げ荷重に対する剛性及び強度が確保される。また、補強リブ729の幅が環状部728の外径よりも小さく形成されることで、環状部728の外周面が広い範囲でクランプされ、ヘッドパイプ21を安定的に固定した状態でヘッドパイプ21を精度よく加工できる。また、前側舌片部722の下面に補強リブ729を設けるだけで剛性及び強度が確保されるため、ヘッドパイプ21全体を肉厚にする構成と比較して、重量が大幅に増加することがない。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施の形態に係る車体フレームにおいては、環状部が円形状の外周面を有する構成としたが、この構成に限定されない。環状部は、一対の治具によって安定的にクランプされる構成であればよく、例えば、上面視多角形状の外周面を有する構成でもよい。
また、本実施の形態に係る車体フレームにおいては、上側ヘッドパイプ、下側ヘッドパイプ、メインフレームガセットを接合してヘッドパイプを形成したが、この構成に限定されない。ヘッドパイプは、複数のフレーム構造体を接合して形成される構成でもよいし、単一のフレーム構造体で形成されてもよい。
また、本実施の形態に係る車体フレームにおいては、前側舌片部の幅方向の両側辺部に一対の側壁部が立設する構成としたが、この構成に限定されない。一対の側壁部は、下側ヘッドパイプと上側ヘッドパイプ及びダウンチューブとの接合強度を高めるように設けられていればよい。
また、本実施の形態に係る車体フレームにおいては、補強リブの下面と環状部の下面とが略面一に形成される構成としたが、この構成に限定されない。補強リブによって前側舌片部の基端側で十分な剛性及び強度が得られるのであれば、補強リブの下面と環状部の下面とが略面一に形成されなくてもよい。
また、本実施の形態に係る車体フレームにおいては、前側舌片部によってダウンチューブを前方から支持する構成としたが、この構成に限定されない。ダウンチューブを有さない車体フレームでは、前側舌片部によってメインフレームを支持する構成としてもよい。
1 自動二輪車
2 車体フレーム
9 治具
21 ヘッドパイプ
22 メインフレーム
24 ダウンチューブ(フレーム)
31 フロントフォーク
71 上側ヘッドパイプ
72 下側ヘッドパイプ
73 メインフレームガセット
74 ブリッジパイプガセット
711 上側パイプ本体(パイプ本体)
712 上部軸受ハウジング
721 下側パイプ本体(パイプ本体)
722 前側舌片部(支持片)
723 下部軸受ハウジング
724 クランプ面
725 立壁部
728 環状部
729 補強リブ(補強部)

Claims (4)

  1. ヘッドパイプの後部からフレームが後方に延出するように、前記ヘッドパイプに前記フレームが接合された自動二輪車の車体フレームであって、
    前記ヘッドパイプには、
    ステアリングシャフトを軸支するパイプ本体と、
    前記パイプ本体の下端部から後方に延出して前記フレームを前方から支持する支持片と、
    前記パイプ本体の下面から前記支持片の基端側よりも下方に突出して、治具によって外周面がクランプされる環状部と、
    前記支持片の下面において、前記環状部の後部から前記支持片の延在方向に沿って延びる補強部とが設けられ、
    前記補強部の幅が、前記環状部の外径よりも小さく形成されることを特徴とする車体フレーム。
  2. 前記ヘッドパイプは、前記ステアリングシャフトの軸方向で隣接する上側ヘッドパイプと下側ヘッドパイプとを接合して形成され、
    前記支持片は、前記下側ヘッドパイプから延出し、前記フレームの両側壁部に沿うように一対の立壁部を有することを特徴とする請求項1に記載の車体フレーム。
  3. 前記下側ヘッドパイプから前記支持片が延出される部分において、前記下側ヘッドパイプの外径と前記支持片の基端側の幅が略同一に形成されることを特徴とする請求項2に記載の車体フレーム。
  4. 前記補強部の下面が前記環状部の下面と略面一になるように、前記補強部が前記支持片に設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車体フレーム。
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