JP2013033880A - 太陽電池裏面封止材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたる過酷な屋外環境下での使用においてもフッ素樹脂フィルムと耐加水分解性を持つフィルムとの接着性を維持する太陽電池裏面封止材の製造方法を提供する。
【解決手段】特定の含フッ素樹脂からなるフィルムの少なくとも片面に、大気圧プラズマ処理を施し表面自由エネルギーを42dyn/cm以上に高め、接着強度向上に寄与する官能基を生成させた後、その大気圧プラズマ表面処理面側に、接着剤層を介して好適には耐加水分解性を有する基材フィルムを積層して積層体とし、その積層体を40〜80℃の温度で20〜120時間熱処理する。
【選択図】なし

Description

本発明は、長期にわたる過酷な屋外環境下での使用においても含フッ素樹脂からなるフィルムと好適には耐加水分解性を持つフィルムとの接着性を維持することができる太陽電池裏面封止材の製造方法に関するものである。
近年、石油および石炭をはじめとする化石燃料の枯渇が危ぶまれ、これらの化石燃料により得られるエネルギーの代替エネルギーを確保するための開発が急務とされている。このため原子力発電、水力発電、風力発電および太陽光発電等の種々の方法が研究され、実際の利用に及んでいる。中でも、太陽光エネルギーを電気エネルギーに直接変換することが可能な太陽光発電は、半永久的で無公害の新たなエネルギー源として実用化されつつあり、実際に利用される上での価格性能比の向上が目覚しく、クリーンなエネルギー源として非常に期待が高い。
太陽光発電に使用される太陽電池は、太陽光のエネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、シリコンなどに代表される半導体からできている。その構造は、太陽電池素子を直列または/および並列に配線し、20年程度の長期間にわたって太陽電池素子を保護するために種々のパッケージングが施され、ユニット化されている。このパッケージに組み込まれたユニットは太陽電池モジュールと呼ばれ、一般に太陽光が当たる面をガラスで覆い、熱可塑性樹脂からなる充填材で間隙を埋め、裏面を裏面封止材で保護した構成となっている。熱可塑性樹脂からなる充填材としては、透明性が高く耐湿性にも優れているという理由で、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(以下、EVA樹脂と称することがある。)が用いられることが多い。
一方、裏面封止材には、機械強度、耐候性、耐熱性、耐加水分解性、耐化学薬品性、光反射性、水蒸気遮断性、EVA樹脂に代表される充填材との熱接着性、意匠性、および最外層の端子ボックス取り付け用シリコン系樹脂との接着性などの特性が要求されるだけではなく、紫外線光に暴露されることから耐候性に優れることが要求される。
従来から用いられている裏面封止材用フィルムとしては、耐候性と耐加水分解性に優れているポリフッ化ビニルやポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素樹脂からなるフィルムを用いたものが、当該用途で幅広く用いられている(特許文献1と2参照。)。
特開2008−227203号公報 特開2008−4691号公報
しかしながら、含フッ素樹脂からなるフィルムは、耐候性と耐加水分解性に優れたフィルムではあるが、一般的にフィルム表面の疎水性が高いため、他のフィルムと接着剤を介して積層した場合に、十分な接着強度が得られないという課題があった。
そこで本発明の目的は、含フッ素樹脂からなるフィルムの少なくとも片面に大気圧プラズマ処理で接着強度の向上に寄与する官能基を生成することによって、他フィルムとの十分な接着強度を有し、長期使用に耐えうる太陽電池裏面封止材の製造方法を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決せんとするものであり、本発明の太陽電池裏面封止材の製造方法は、繰り返し単位が下記一般式(1)
−(CF−(CHF)−(CH1−(n+m)−・・・(1)
(式中、n+mは0.5≦n+m≦1である。)で示される含フッ素樹脂からなるフィルムの少なくとも片面に、大気圧プラズマ処理を施し表面自由エネルギーを42dyn/cm以上高めた後、該含フッ素樹脂からなるフィルムの大気圧プラズマ表面処理面側に、接着剤層を介して基材フィルムを積層して積層体とし、該積層体を40〜80℃の温度で20〜120時間熱処理することを特徴とする太陽電池裏面封止材の製造方法である。
本発明の太陽電池裏面封止材の製造方法の好ましい態様によれば、前記の含フッ素樹脂からなるフィルムは、ポリフッ化ビニリデンフィルムである。
本発明の太陽電池裏面封止材の製造方法の好ましい態様によれば、前記の大気圧プラズマ処理はコロナ放電処理であり、下記式(2)
E値=W/(V×L)・・・(2)
(式中、Wは出力(単位W)、Vは速度(m/min)、Lは電極幅(m)である。)
で表されるE値が13以上であることである。
本発明の太陽電池裏面封止材の製造方法の好ましい態様によれば、前記の接着剤層を形成する材料は、水酸基を有する樹脂とジイソシアネート化合物との混合物である。
本発明の太陽電池裏面封止材の製造方法の好ましい態様によれば、前記の水酸基を有する樹脂は、水酸基を有するポリエステル樹脂である。
本発明の太陽電池裏面封止材の製造方法の好ましい態様によれば、前記の水酸基を有する樹脂とジイソシアネート化合物とを含む溶液を調製し、該溶液を前記の含フッ素樹脂からなるフィルムの大気圧プラズマ表面処理面側または耐加水分解性を有する基材フィルム上に塗布し、溶媒を除去した後、前記の積層体とすることである。
本発明の太陽電池裏面封止材の製造方法の好ましい態様によれば、前記の基材フィルムは、耐加水分解性を有するフィルムであり、その耐加水分解性を有するフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
本発明によれば、本来疎水性が高い含フッ素樹脂からなるフィルム表面に大気圧プラズマ処理を施すことによって、他の基材フィルムとの接着力向上に寄与する−OH(水酸基)や−COOH(カルボキシル基)等の官能基が生成され、接着剤とフィルム表面の接着力が向上することで十分なフィルム間の接着力を持つ太陽電池裏面封止材が得られる。
次に、本発明の太陽電池裏面封止材の製造方法について詳細に説明する。
[含フッ素樹脂からなるフィルム]
本発明で用いられる含フッ素樹脂からなるフィルムは、繰り返し単位が下記一般式(1)
−(CF−(CHF)−(CH1−(n+m)− ・・・(1)
(式中、n+mは0.5≦n+m≦1である。)で示される樹脂からなるフィルムである。
また、上記一般式(1)において、nとmは個々に、好ましくは0≦n≦0.5であり0≦m≦0.5である。
上記の含フッ素樹脂としては、具体的には、例えば、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられる。
含フッ素樹脂の分子量は、重量平均分子量で十万〜百万のものが挙げられる。
用いられる含フッ素樹脂の市販品としては、デュポン社製のポリフッ化ビニルフィルム“Tedlar”(登録商標)や、アルケマ社製のポリフッ化ビニリデンフィルム“Kynar”(登録商標)が挙げられる。
ポリフッ化ビニル並びにポリフッ化ビニリデンフィルムの重量平均分子量は、35万〜45万である。
本発明で用いられる上記の含フッ素樹脂からなるフィルムは、通常、原料チップを押出機に投入し、溶融押出し、冷却ロールで冷却固化することによって得られる。この含フッ素樹脂からなるフィルムは、湿熱と紫外線に対する耐性に極めて優れ、高い電気絶縁性を有するため、長期にわたって屋外で利用される太陽電池裏面封止材用途として有用であるが、フィルム表面の疎水性が高いため他の基材との十分な接着力を得るためには、フィルム表面に親水性を持たせるための処理が必要となる。
また、本発明で用いられる上記の含フッ素樹脂からなるフィルムの厚みは、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜40μmである。
[大気圧プラズマ処理]
含フッ素樹脂からなるフィルムの表面処理方法としては、大気圧プラズマ処理、火炎処理、紫外線・電子線処理、溶剤処理および易接着層の付与等が挙げられるが、本発明では、処理の容易さ、処理効果の大きさ、および処理面の均一性から、大気圧プラズマ(放電)処理が用いられる。大気圧プラズマ処理の方法としては、NやO等の反応性ガス雰囲気下でのコロナ放電処理と、HeやAr等の非反応性ガス雰囲気下でのコロナ放電処理が挙げられるが、接着に寄与する官能基の導入のため、反応性ガス雰囲気下でのコロナ放電処理が好ましく、また、簡便に処理が可能な空気下でのコロナ放電処理がより好ましく用いられる。
本発明で採用されるコロナ放電処理方法は、コロナ放電が発生している電極上を一定の速さで含フッ素樹脂からなるフィルムが通過することによって表面を処理する方法である。表面処理の強度は、含フッ素樹脂からなるフィルムが電極上を通過する速さ、電極への出力電力および電極の幅によって決まり、下記式(2)でE値として定量化されている。
E値=W/(V×L) ・・・(2)
(式中、Wは出力(単位W)、Vは速度(m/min)、Lは電極幅(m)である)。
本発明では、処理効率から、電極への出力は0.15〜0.7Wが好ましく、含フッ素樹脂からなるフィルムの速度は10〜30m/minが好ましく、電極の幅は0.5〜2.0mが好ましい。これらを調整して、含フッ素樹脂からなるフィルムの表面処理を変更することができる。
本発明では、上記のE値を好ましくは13以上、より好ましくは40以上、最も好ましくは70以上とすることにより、含フッ素樹脂からなるフィルムの表面自由エネルギーを42dyn/cm以上、より好ましくは45yn/cm以上、最も好ましくは50dyn/cm以上に高めることができ、それによって他フィルムとの優れた接着性を確保することができる。
上限値については、表面自由エネルギーは一定値以上では飽和するため、E値は80が、表面自由エネルギーは60dyn/cmがおおよその上限値である。
空気中でコロナ放電処理を施すことによって、含フッ素樹脂からなるフィルム表面に活性酸素原子(酸素ラジカル)が発生し、表面が酸化されることによって、高分子化合物(含フッ素樹脂)の主鎖や側鎖に、カルボニル基(>CO)やカルボキシル基(−COOH)などの酸素官能基が主として形成される。コロナ放電処理による表面処理後のフィルムの接着性向上の要因として、これらの官能基が寄与している。
[基材フィルム]
本発明で用いられる基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)およびポリシクロヘキサンジメタノール−テレフタレート(PCT)などのポリエステル系基材、ポリカーボネート系基材、ポリオレフィン基材、アクリル系基材、ポリアミド系基材、ポリアリレート系基材およびフッ素系基材などから選択される基材フィルムが挙げられる。
上記の基材フィルムの中でも、耐熱性、強度物性および電気絶縁性の観点からPETなどのポリエステル系樹脂からなる基材フィルムが好ましく用いられる。しかしながら、PETなどのポリエステル系樹脂からなる基材フィルムを用いる場合は、より耐加水分解性を向上させる目的で、末端カルボキシル基量を上昇させることなく平均分子量を増加させることが可能な固相重合法を用いた樹脂、あるいは末端カルボン酸基をカルボジイミド系化合物、エポキシ系化合物およびオキサゾリン系化合物により封止した樹脂を使用することが好ましい。本発明で好適に用いられる基材フィルムは、耐加水分解性を有するフィルムである。
上記の耐加水分解性については、屋外で長期にわたって使用する上で、水分に対する耐久性は非常に重要なため、太陽電池裏面封止材に利用される基材フィルムには、耐加水分解性が求められる。
基材フィルムの耐加水分解性を評価するため圧力0.2MPa(2atm)、温度120℃、湿度100%RHの条件における高温高湿試験が利用され、48時間後でも破断強伸度保持率90%以上を維持できれば耐加水分解性を有する基材フィルムと判断する。
また、耐加水分解性を有する基材フィルムの厚みは、太陽電池裏面封止材としての工程通過性(取り扱い易さ)と電気絶縁性の観点を考慮して10〜300μmであることが好ましく、より好ましくは100〜200μmである。
[接着剤層とラミネート方法]
本発明で用いられる接着剤層の形成に用いられる材料(接着剤)としては、公知のドライラミネート用接着剤を使用することができる。一般には、ドライラミネート用接着剤は、主剤樹脂および架橋剤の2つの樹脂を希釈剤で希釈して調合したものが用いられる。
架橋剤としては、水酸基との反応性に富み、その反応速度および初期接着力の発現が早いジイソシアネート化合物を用いる処方が好ましい。このジイソシアネート化合物と組合せて用いられる主剤樹脂としては、架橋剤との反応のための水酸基を含んだポリエステル系、ポリエーテル系、アクリル系およびポリカーボネート系などの樹脂を例示することができ、特に、PETなどのポリエステル系樹脂との接着性が比較的良好なポリエステル系主剤が好ましく用いられる。
また、希釈剤には、酢酸エチル、酢酸プロピル、メチルエチルケトンおよびトルエン等の有機溶媒、あるいはそれらの混合溶媒が用いられる。調製濃度は、塗布厚みと塗工時の安定性から10〜50質量%が好ましい。濃度がかかる範囲から外れる場合、所望の塗布厚みを得ることが難しく、塗布時に塗布ムラが生じやすい。
また、接着剤層の厚みは、好ましくは1〜5μmの範囲である。接着剤層の厚みが1μm未満であると、十分な接着強度が得られ難い場合がある。一方、接着剤層の厚みが5μmを超えると接着剤塗工のスピードが上がらないこと、接着力を発現させる(主剤および硬化剤間の架橋反応を促進する)目的で行う熱処理に長時間を要すること、さらには接着剤使用量が増加することなどを理由に、生産コストが上がることになる。
上記の主剤樹脂と架橋剤を混合し、所定の濃度に有機溶媒によって希釈された接着剤を用いて、含フッ素樹脂からなるフィルムの大気圧プラズマ処理により表面処理を施した側、もしくは好適には耐加水分解性を有する基材フィルムのどちらかに接着剤を塗布する。その後、含フッ素樹脂からなるフィルムの表面処理を施した側と、基材フィルムを貼り合わせることで積層体を作製する。
本発明では、上記の接着力を発現させるため、すなわち、主剤および架橋剤感の架橋反応を促進するため作製した積層体を、40〜80℃の熱処理温度で20〜120時間熱処理を施し、好ましくは40〜60℃の熱処理温度で60〜120時間熱処理を施し、より好ましくは40〜50℃の熱処理温度で80〜120時間熱処理を施し、太陽電池裏面封止材を作製する。
本発明において、太陽電池裏面封止材は、例えば、基材上にグラビアコート、ロールコート、バーコートおよびリバースコートなどの方法で塗工した後、その基材上に他の基材をドライラミネート法で貼り合わせることによって製造することができる。
太陽電池モジュールは、光が入射する側から、ガラス、充填材、シリコンセル、充填材、および太陽電池裏面封止材の順に積層されたものが一般的である。上記のようにして作製された太陽電池裏面封止材を太陽電池モジュールに使用するに際し、太陽電池裏面封止材の耐加水分解性を有する基材フィルムを充填材層面と接着させ、すなわち太陽電池裏面封止材の含フッ素樹脂からなるフィルムが積層された側を外側に向けて、太陽電池モジュールに組み込んでも良いし、逆に太陽電池裏面封止材の含フッ素樹脂からなるフィルムを充填材層面と接着させ、耐加水分解性を有する基材フィルムを外側に向けて太陽電池モジュールに組み込んでも良い。また、充填材との易接着性を有するフィルム、あるいはコート層を基材フィルムまたは含フッ素樹脂からなるフィルム上に設けてもよい。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明の太陽電池裏面封止材の製造方法について説明する。実施例中で「部」とは、特に注釈のない限り「質量部」であることを意味する。
<特性の評価方法>
本発明で用いた特性の評価方法は、下記のとおりである。
(1)含フッ素樹脂からなるフィルムの表面自由エネルギーの測定
純水、エチレングリコール、ホルムアミドおよびヨウ化メチレンの各溶液について、接触角を5回測定し、それぞれの溶液について接触角の平均値を求めた。接触角の平均値と下表1に記載の各溶液の表面自由エネルギーとFowkesの拡張式を用いて、含フッ素樹脂からなるフィルムの表面自由エネルギーを求めた。この値が大きいということは、濡れやすく、フィルム貼り合わせ層間の接着力も一般的に高いことを示している。
Figure 2013033880
(2)フィルム層間の接着強度の測定と耐湿熱性評価
接着剤を介して、含フッ素樹脂からなるフィルムと基材フィルムを貼り合わせた積層体から、15mm幅の短冊状に測定用試験片を切り出し、引っ張り試験機テンシロン(オリエンテック製)を用いて剥離角度90度、引っ張り速度200mm/minの条件で、フィルム層間の接着強度測定を行った。測定は、3本の短冊状試験片それぞれについて1回行い、得られた強度の平均値を接着強度の値とした。接着強度が5N/15mm以上であれば、実用上問題がないレベルである。
表3と表4における剥離界面の判定は、顕微鏡での剥離部分の観察によって判定した。含フッ素樹脂からなるフィルムのみに接着剤が付着し、基材フィルムに接着剤の付着が見られない場合をA、両フィルムに接着剤が付着している場合をB、基材フィルムのみに接着剤が付着し、含フッ素樹脂からなるフィルムに接着剤の付着が見られない場合をCとした。
また、接着強度の耐湿熱性を評価するため、エスペック社製プレッシャクッカーTPS−211を用いて、温度120℃、湿度100%RH、圧力0.2MPa(2atm)の環境下で0時間、24時間、48時間および72時間の熱処理を積層体に施し、上記の方法と同様に接着強度を測定した。0時間は前記条件での熱処理を実施していないことを表す。
(3)破断強伸度の測定と耐湿熱性評価
積層体の破断強伸度の測定は、JIS C 2151(2006年度版)に基づいて、積層体の機械方向(MD)に対して実施した。
また、破断強伸度の耐湿熱性を評価するため、エスペック社製プレッシャクッカーTPS−211を用いて、温度120℃、湿度100%RH、圧力0.2MPa(2atm)の環境下で24時間、48時間および72時間の熱処理を積層体に施し、上記の方法と同様に破断強伸度を測定した。0時間は前記条件での熱処理を実施していないことを表す。
<ドライラミネート用接着剤の調整>
本発明で使用した接着剤は、下記のとおりである。
主剤としてDIC(株)製ポリエステル系主剤を10質量部、架橋剤としてDIC(株)製ジイソシアネート架橋剤を1質量部、および酢酸エチルを12質量部量りとり、15分間攪拌することにより、固形分濃度30質量%のドライラミネート用接着剤1を得た。
(実施例1)
含フッ素樹脂からなるフィルムとして、アルケマ(株)製のポリフッ化ビニリデンフィルム“Kynar”(登録商標)30μmを準備した。このポリフッ化ビニリデンフィルムを、出力0.16kWでコロナ放電を発生させた0.6mの長さの電極上を20m/minの速さで通過させることによりコロナ放電表面処理(E値:13)を行い、フッ素樹脂からなるフィルム1を得た。
耐加水分解性能を有する基材フィルムとして、東レ(株)製のポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”X10S(登録商標)125μmを準備した。このポリエチレンテレフタレートフィルムX10Sは、圧力0.2MPa(2atm)、温度120℃、湿度100%RHの耐湿熱性評価48時間後でも、破断強伸度保持率90%以上を維持する基材フィルムである。このポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、ワイヤーバーを用いて上記で作成したドライラミネート用接着剤1を塗布し、80℃の温度で45秒間乾燥し、乾燥後、塗布量が5.4g/mとなるように準備した。
その後、耐加水分解性を有する基材フィルムの接着剤塗布面に、含フッ素樹脂からなるフィルム1の表面処理を施した面を向けて、ハンドローラーを用いて貼り合わせ積層シートを得た。このようにして作製した積層シートを、40℃の温度に加熱したオーブン内で120時間エージングして積層シート1を作製した。
(実施例2)
含フッ素樹脂からなるフィルム1の代わりに、出力0.32kWでコロナ放電表面処理(E値:26.7)を行った含フッ素樹脂からなるフィルム2を使用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート2を製造した。
(実施例3)
含フッ素樹脂からなるフィルム1の代わりに、出力0.48kWでコロナ放電表面処理(E値:40)を行った含フッ素樹脂からなるフィルム3を使用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート3を製造した。
(実施例4)
含フッ素樹脂からなるフィルム1の代わりに、出力0.64kWでコロナ放電表面処理(E値:53.3)を行った含フッ素樹脂からなるフィルム4を使用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート4を製造した。
(実施例5)
積層シートを50℃の温度に加熱したオーブン内で80時間エージングしたこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート5を製造した。
(実施例6)
積層シートを80℃の温度に加熱したオーブン内で20時間エージングしたこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート6を製造した。
(実施例7)
含フッ素樹脂からなるフィルムがデュポン製のポリフッ化ビニルフィルム“Tedlar”(登録商標)38μmであること以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート7を製造した。
(実施例8)
基材フィルムが耐加水分解性を有しない東レ(株)製のポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー” S10(登録商標)125μmを使用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート8を製造した。用いたポリエチレンテレフタレートフィルムS10は、圧力0.2MPa(2atm)、温度120℃、湿度100%RHの耐湿熱性評価48時間によって、破断強伸度保持率5%以下まで低下する基材フィルムである。
(比較例1)
含フッ素樹脂からなるフィルム1の代わりに、コロナ放電表面処理を施していない含フッ素樹脂からなるフィルム5を使用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート9を製造した。
(比較例2)
含フッ素樹脂からなるフィルム1の代わりに、出力0.07kW(E値:6)でコロナ放電表面処理を行った含フッ素樹脂からなるフィルム6を使用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート10を製造した。
(比較例3)
含フッ素樹脂からなるフィルム1の代わりに、出力0.12kW(E値:10)でコロナ放電表面処理を行った含フッ素樹脂からなるフィルム7を使用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート11を製造した。
(比較例4)
積層シートを25℃の温度に保持して240時間エージングしたこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート12を製造した。
(比較例5)
含フッ素樹脂フィルムがポリテトラフルオロエチレン(−CF−CF−)であること以外は、実施例1に記載の方法と同様にして積層シート13を製造した。
上記の実施例1〜8と比較例1〜5で得られた太陽電池裏面封止材を用いて、上記の評価方法により、フィルム間接着強度を評価した。実施例1〜8と比較例1〜5の製造条件と表面自由エネルギーを表2に、接着強度測定結果を表3と表4に、破断強伸度測定結果を表5に示す。
Figure 2013033880
Figure 2013033880
Figure 2013033880
Figure 2013033880
<実施例1〜8と比較例1〜5の比較>
実施例1〜8の結果から、E値13以上の大気圧プラズマ処理を施すことによって、耐湿熱性評価後も5N/15mm以上の接着強度を維持する太陽電池裏面封止材を製造することができる。
実施例1と実施例8より、耐加水分解性を有しない基材フィルムでは耐湿熱性評価によって加水分解によるフィルムの脆化が進むため、より高耐久な太陽電池裏面封止材を製造するためには耐加水分解性を有する基材フィルムの使用が好ましい。
一方、比較例1では、大気圧プラズマ処理が施されていないため表面自由エネルギーが低く、含フッ素樹脂からなるフィルムと接着剤の界面で容易に剥離する。比較例2と3では、大気圧プラズマ処理によって未処理に比して表面自由エネルギーの増加は見られるが、処理強度が不十分なため十分な接着強度を得ることが出来ない。比較例4では、熱処理温度が25℃と低く、主剤と架橋剤の架橋反応が不十分なため十分な接着強度を得ることができない。また、比較例5に示すポリテトラフルオロエチレンでは、大気圧プラズマ処理による表面自由エネルギーの増加はあまり見られず、ポリフッ化ビニリデンやポリフッ化ビニルでは分子鎖中のC−H結合が切れて新たな官能基が生成していることを示唆している。

Claims (8)

  1. 繰り返し単位が下記一般式(1)
    −(CF−(CHF)−(CH1−(n+m)−・・・(1)
    (式中、n+mは0.5≦n+m≦1である。)で示される含フッ素樹脂からなるフィルムの少なくとも片面に、大気圧プラズマ処理を施し表面自由エネルギーを42dyn/cm以上に高めた後、該含フッ素樹脂からなるフィルムの大気圧プラズマ表面処理面側に、接着剤層を介して基材フィルムを積層して積層体とし、該積層体を40〜80℃の温度で20〜120時間熱処理することを特徴とする太陽電池裏面封止材の製造方法。
  2. 含フッ素樹脂からなるフィルムが、ポリフッ化ビニリデンフィルムである請求項1記載の太陽電池裏面封止材の製造方法。
  3. 大気圧プラズマ処理がコロナ放電処理であり、下記式(2)
    E値=W/(V×L)・・・(2)
    (式中、Wは出力(単位W)、Vは速度(m/min)、Lは電極幅(m)である。)
    で表されるE値が13以上である請求項1または2記載の太陽電池裏面封止材の製造方法。
  4. 接着剤層を形成する材料が、水酸基を有する樹脂とジイソシアネート化合物との混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池裏面封止材の製造方法。
  5. 水酸基を有する樹脂が、水酸基を有するポリエステル樹脂である請求項4記載の太陽電池裏面封止材の製造方法。
  6. 水酸基を有する樹脂とジイソシアネート化合物とを含む溶液を調整し、該溶液を含フッ素樹脂からなるフィルムの大気圧プラズマ表面処理面側または耐加水分解性を有する基材フィルム上に塗布し、溶媒を除去した後、積層体とする請求項4または5記載の太陽電池裏面封止材の製造方法。
  7. 基材フィルムが、耐加水分解性を有するフィルムである請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池裏面封止材の製造方法。
  8. 耐加水分解性を有するフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項7記載の太陽電池裏面封止材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114211844A (zh) * 2021-11-26 2022-03-22 常州斯威克光伏新材料有限公司 一种光伏用透明背板及其制备方法
CN116273757A (zh) * 2023-03-14 2023-06-23 瑞浦兰钧能源股份有限公司 一种电池蓝膜的修复方法

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