本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は一実施形態による画像形成装置100の概略構成を示す図である。画像形成装置100において、スキャナ部150は原稿に走査光を照射しながら、原稿からの反射光を3ラインCCDセンサにより受光し、原稿の画像を読み取る。原稿を読み取って得られた画像データは、画像処理ユニットでスキャナγ補正、色変換、画像分離、階調補正処理等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、画像書き込みユニット160へ送られる。画像書き込みユニット160は、画像データに応じてLD(レーザーダイオード)のレーザビームを変調する。感光体ユニット130は、一様に帯電された回転する感光体ドラムに上述のLDからのレーザビームにより潜像を書き込む。現像ユニット140は、感光体ドラムにトナーを付着させて潜像を現像する。感光体ドラム上に形成されたトナー画像は、紙転写部120の一次転写ユニットの転写ベルト上に転写される。中間転写ベルト上にはフルカラーコピーの場合、4色のトナー画像が順次重ねられて形成される。(ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色)フルカラーコピーの場合には、Bk、C、M、Yの4色のトナー画像が作成される。4色のトナー画像の転写が終了した時点で、中間転写ベルトとタイミングを合わせて、給紙部110より転写紙が給紙される。そして、紙転写部120で中間転写ベルトから4色同時に転写紙にトナー画像が転写される。トナー画像が転写された転写紙は搬送部180を経て定着部170に送られ、定着ローラと加圧ローラによってトナー画像が熱定着され排紙される。ここで、上述の画像形成装置100は、間接転写方式の画像形成装置であるが、直接転写方式の画像形成装置であっても良い。
図2は紙転写部120の構成を示す図である。第1の回転体の一例としての中間転写ベルト220は第1の駆動源の一例としての中間転写モータ240によって駆動される。中間転写モータ240と中間転写ベルト駆動ローラ225の間には、ギヤによる減速機構230が設けられており、モータ軸速度をギヤ比の分だけ減速した速度で中間転写ベルト駆動ローラ225に伝達される。
第2の回転体の一例としての二次転写ローラ270は、第2の回転体の一例としての二次転写モータ260により駆動される。二次転写モータ260と二次転写ローラ270との間には減速機構265が設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ軸225aに設けられたエンコーダ250やベルトスケールセンサ(不図示)の検出値に基づいて、中間転写ベルト220のベルト表面が一定速度で移動するように制御が行なわれる。また、二次転写モータ260の回転軸に設けられたエンコーダ280からの検出値に基づいて、二次転写ローラ270の回転角速度が一定速度となるように制御が行なわれる。
転写紙210は二次転写ローラ270と中間転写ベルト220との間に形成された二次転写部300(図中点線で囲まれた部分)に搬送され、中間転写ベルト220上の4色のトナー画像が転写紙210に転写される。
二次転写ローラ270は、画像形成中は図2に示すように中間転写ベルト220に当接して二次転写部300を形成しているが、画像形成動作以外のときには、二次転写ローラ270の変形防止等の目的で、中間転写ベルト220から離間される。中間転写ベルト220に対する二次転写ローラ270の当接・離間は、カム駆動モータ290で駆動されるカム295により行なわれる。
本実施形態では、ベルトクリーニング機構400が二次転写部300の下流側に設けられる。ベルトクリーニング機構400は、二次転写部280を通過した後の中間転写ベルト220上に残ったトナー画像を除去するための機構である。ベルトクリーニング機構400は、ベルトクリーニング部材410と、取り除いたトナーを一時的に貯蔵する廃トナー回収容器420と、廃トナー回収容器420に収容された廃トナーを廃トナーボトル(図示せず)に移動する廃トナー回収機構430とを含む。
廃トナー回収機構430として、例えばスクリュ式粉体搬送機構が用いられる。この場合、スクリュを駆動するためのモータとして、二次転写モータ260が用いられる。廃トナー回収機構430はギヤ等で構成される減速機440を介して二次転写モータ260に連結されているので、二次転写モータ260が回転すると廃トナー回収機構430も同時に駆動される。すなわち、二次転写ローラ270を駆動する二次転写モータ260は、廃トナー回収機構430を駆動するための駆動源としても用いられる。
本実施形態では二次転写モータ260は2つの負荷、すなわち、二次転写ローラ270と廃トナー回収機構430とを同時に駆動する構成であるが、同時に駆動する負荷は廃トナー回収機構430に限られず、また、3つ以上の負荷を二次転写モータ260により同時に駆動することとしてもよい。例えば、後述するように画像形成装置の一部を冷却するためのファンの駆動源を二次転写モータ260とすることもできる。
以下に説明する第1実施形態では、二次転写モータ260の負荷異常を正確に判定する負荷異常検知装置が提供される。第1実施形態では、二次転写モータ260への駆動電流を制御要素(又は、パラメータ)として、二次転写モータ260の負荷異常を検知する。
まず、第1実施形態による画像形成装置のメイン制御部とモータ制御部の機能について説明する。図3は、メイン制御部500及びモータ制御部600の機能ブロック図である。
メイン制御部500は、スタート信号、回転方向信号指示等を、モータ制御部600のCPU610に送る。モータ制御部600のCPU610は、中間転写モータ240に駆動電流を供給することで中間転写モータ240を駆動させ、二次次転写モータ260に駆動電流を供給することで二次転写モータ260を駆動させる。
中間転写モータ240の速度は、中間転写モータ240のエンコーダ250からの速度信号に基づいてフィードバック制御される。二次転写モータ260の速度は、二次転写モータ260のエンコーダ280からの速度信号に基づいてフィードバック制御される。中間転写モータ240の駆動電流及び二次転写モータ260の駆動電流は、シャント抵抗RL1、RL2を設け、駆動回路用トランジスタ(FET)側の電圧を逐次CPU19のAD入力部に送ることで、それぞれ演算することで計測することができる。
制御演算部620、630は、中間転写モータ240と二次転写モータ260の各エンコーダからの速度情報と目標速度(不図示)とから各トルク指示値を算出して決定する。中間転写モータ240の駆動電流及び二次転写モータ260駆動電流は、PWM変換部640及び650にそれぞれ入力される。PWM変換部640及び650は、過電流発生時にPWM Dutyの制限を行う(トルク指示値による判定とは直接の関係はない)。
カム駆動モータ制御部660は、モータ用ドライバ700を介してカム駆動モータ290を制御する。カム駆動モータ290として、例えばステッピングモータを用いることができる。この場合、カム駆動モータ制御部660は、モータ用ドライバ700を制御して、パルス状の電流をカム駆動モータ290に供給する。
カム停止位置センサ710の検出信号がカム駆動モータ制御部660に供給される。カム駆動モータ制御部660は、カム停止位置センサ710の検出信号に基づいて、カム駆動モータ290を制御し、カム295の回転位置を制御する。これにより、二次転写ローラ270を、中間転写ベルト220に当接した位置に移動させ(図5(a)参照)、又は、中間転写ベルト220から離間した位置に移動させる(図5(b)参照)。
次に、本実施形態による負荷異常検知装置の負荷異常検出処理の前に行われる事前処理である初期値取得処理について説明する。図4は初期値取得処理のフローチャートである。図4に示す初期値取得処理により、二次転写モータ260の駆動電流の初期値C1が求められ、初期値C1に基づいて閾値T1が決定される。初期値C1は、負荷異常がない場合(つまり正常な場合)に、二次転写モータ260に供給される駆動電流の値である。初期値C1から求められる閾値T1は、後述する負荷異常検知処理で用いられる。
まず、ステップS11で画像形成装置100において初期値取得モードが選択されているか否かが判断される。初期値取得モードの選択は、ユーザが画像形成装置100の操作部105(図3参照)を操作して指令を入力することにより行なわれる。初期値取得モードが選択されてないと判断されると(ステップS11のNO)、処理は終了される。
一方、初期値取得モードが選択されていると判断されると(ステップS11のYES)、処理はステップS12に進む。ステップS12では、メイン制御部500(図3参照)はCPU610に中間転写モータスタート信号及び二次転写モータスタート信号を送り、中間転写モータ240及び二次転写モータ260の駆動を開始させる。続いて、ステップS13において、CPU610のカム駆動モータ制御部660は、カム駆動モータ290を駆動してカム295を回転させ、図5(a)に示すように二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接した状態にする。
二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接した状態となったら、ステップS14において、二次転写モータ260の駆動電流の値を取得し、初期値C1としてメモリ800に格納する。初期値C1は、二次転写モータ260の駆動電流の基準値となる。初期値C1は、設計時に求めた駆動電流値としてもよく、工場出荷時又はメンテナンス実施時に負荷異常が発生していない状態で計測した駆動電流値としてもよい。
続いて、ステップS15において、CPU610は、メモリ800に格納した初期値C1に基づいて二次転写モータ260の駆動電流の閾値T1を演算により求め、メモリ800に格納する。閾値T1は、初期値C1に所定の係数を乗算することで求められる。所定の係数は、実機での経験あるいは実験に基づいて決定することが好ましい。例えば所定の係数を2として、実際の駆動電流が初期値C1の2倍になったときに、後述のように異常判定を行なうこととしてもよい。
次に、ステップS16において、CPU610のカム駆動モータ制御部660は、カム駆動モータ290を駆動してカム295を回転させ、図5(b)に示すように二次転写ローラ270が中間転写ベルト220から離間した状態にする。そして、ステップS17において、CPU610は、中間転写モータ240及び二次転写モータ260の駆動を停止し、初期値取得処理を終了する。
次に、第1実施形態による負荷異常検知処理について説明する。
図6は通常稼働時の二次転写モータ260の駆動電流を監視する駆動電流監視処理のフローチャートである。画像形成装置100の稼働中に、ステップS21において、モータ制御部600のCPU610の負荷異常検知判定部670は、二次転写モータ260の駆動電流の値を監視して取得し、メモリ800に格納された駆動電流の値を更新する。そして、ステップ22において、負荷異常検知判定部670は、二次転写モータ260の駆動電流の現在値が閾値T1以上であるか否かを判定する。
二次転写モータ260の駆動電流の現在値が閾値T1以上ではない場合(ステップS22のNO)、今回の処理を終了する。一方、二次転写モータ260の駆動電流の現在値が閾値T1以上であると判定された場合(ステップS22のYES)、処理はステップS23に進む。ステップS23では、負荷異常検知判定部670は、異常判定指示要求をメイン制御部500に送る。具体的には、負荷異常検知判定部670は、異常判定指示要求フラグを1としてメイン制御部500に送り、処理を終了する。
上述の駆動電流監視処理は、画像形成装置100の稼働中は定期的に繰り返し行なわれる。画像形成装置100が稼働している間に、何らかの理由で二次転写モータ260への負荷が増大し、二次転写モータ260の駆動電流が上昇することがある。駆動電流監視処理を行なうことにより、この負荷の増大(負荷異常)を検知し、当該負荷異常が何の原因によるものかを検知するように要求するために行なわれる。
図7は異常判定指示要求が出されるまでの駆動電流の推移の一例を示す図である。画像形成装置100が工場出荷後に初めて使用されるときには、二次転写モータ260の駆動電流は初期値C1である。画像形成装置100が稼働してからしばらくの間は、二次転写モータ260の駆動電流は初期値C1を維持している(すなわち、正常に稼働している)。したがって、駆動電流は、初期値C1に係数を掛けて求めた閾値T1よりは低い値を維持している。ある時間が経って、何らかの理由で二次転写モータ260の負荷が増大し始めると、駆動電流も上昇し始める。二次転写モータ260の負荷は時間の経過とともに大きくなり、二次転写モータ260の駆動電流も増大して、ある時点で閾値T1を超えるようになる。この時点で、駆動電流監視処理が行なわれると、図6のステップS22でYESとなり、ステップS23において異常判定指示要求がメイン制御部500に送られる。すなわち、駆動電流が閾値T1を超えたら、二次転写モータ260の負荷に異常があるとして、その異常の原因を判定するように指示要求が出される。
駆動電流監視処理において、異常判定指示要求がメイン制御部500に送られると、メイン制御部500は、異常判定指示出力処理を行なう。
図8は異常判定指示出力処理のフローチャートである。まず、ステップS31において、メイン制御部500は、異常判定処理要求がなされているか否かを判定する。具体的には、メイン制御部50は、負荷異常検知判定部670から送られてきた異常判定指示要求フラグが1であるか否かを判定する。
異常判定指示要求フラグが1ではない場合(ステップS31のNO)、処理は終了する。一方、異常判定指示要求フラグが1に設定されている場合(ステップS31のYES)、処理はステップS32に進み、所定のタイミングであるか否かが判定される。所定のタイミングとは、異常判定処理を行なうことのできるタイミングのことを意味する。より具体的には、画像形成装置100が稼働中であるが、印刷動作を行なっていないか印刷要求がなされていないタイミングを意味する。すなわち、異常判定処理を行なうには後述のように二次転写ローラ270を中間転写ベルト220から離間させる必要があるので、印刷動作中には異常判定処理を行うことはできない。このため、ステップS32において、異常判定処理を行なってもよいタイミングであるか否かを判定する。異常判定処理を行なっても良いタイミングは、例えば、印刷ジョブ終了時、あるいは画像形成装置100が印刷待機状態である時などに、予め設定しておけばよい。
現在が所定のタイミングではない場合(ステップS32のNO)、異常判定処理を行なうべきタイミングではないので、処理は終了する。一方、現在が所定のタイミングである場合(ステップS32のYES)、処理はステップS33に進む。ステップS33では、メイン制御部500は、モータ制御部600に対して異常判定指示を出力し、処理を終了する。
次に、異常判定処理について説明する。図9は負荷異常検知判定部670が行なう異常判定処理のフローチャートである。メイン制御部500から異常判定指示を受け取ると、負荷異常検知判定部670は、異常の原因を判定するために異常判定処理を行なう。
まず、ステップS41において、現在が異常判定処理を行なうべき所定のタイミングであるか否かを判定する。所定のタイミングではない場合(ステップS41のNO)、異常判定処理は行なわず、処理を終了する。一方、所定のタイミングであると判定されると、処理はステップS42に進む。
ステップS42では、カム駆動モータ制御部660は、モータ用ドライバ700を介してカム駆動モータ290を駆動し、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220から離間した状態にする(図5(b)参照)。そして、負荷異常検知判定部670は、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220から離間した状態での二次転写モータ260の駆動電流I1を取得する。
続いて、ステップS43において、カム駆動モータ制御部660は、モータ用ドライバ700を介してカム駆動モータ290を駆動し、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接した状態にする(図5(a)参照)。そして、負荷異常検知判定部670は、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接した状態での二次転写モータ260の駆動電流I2を取得する。
次に、ステップS45において、負荷異常検知判定部670は、ステップS43で取得した駆動電流I1に対するステップS42で取得した駆動電流I2の比率(I2/I1)を算出する。続いて、ステップS46において、負荷異常検知判定部670は、駆動電流の比率(I2/I1)が規定の範囲外であるか否かを判定する。規定の範囲とは、1に近い範囲であり、検出誤差を考慮しても駆動電流I2と駆動電流I1が変化しないことがわかるような範囲に設定する。
ステップS45において、駆動電流の比率(I2/I1)が規定の範囲外であると判定された場合(ステップS45のYES)、駆動電流の変化の原因は二次転写ローラ270と中間転写ベルト220との間の連れ回りである判断し、処理はステップS48に進む。ステップS48では、負荷異常検知判定部670は、負荷異常の原因をメイン制御部500に通知する。
ここで、駆動電流の比率(I2/I1)が規定の範囲外となることは、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220に当接させると、二次転写モータ260の駆動電流が増大するか減少することを意味する。この場合は、中間転写ベルト220への当接によって二次転写モータ260への負荷が増減するのであるから、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を連れ回しているか(駆動電流が増大している場合)、あるいは、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220により連れ回されている(駆動電流が減少している場合)と考えられる。したがって、ステップS48で通知される負荷異常の原因は、二次転写ローラ270と中間転写ベルト270との間の連れ回りとなる。
図10は二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を連れ回している場合の駆動電流の変化を示す図である。この場合、異常判定処理が行なわれたのであるから、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接している状態では、二次転写モータ260の駆動電流は閾値T1に等しいかそれ以上である。そして、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220から離すと、中間転写ベルト220による負荷は無くなるので、二次転写モータ260の駆動電流はその分減少する。図10に示す例では、負荷の経時変化が無いものとして、駆動電流は初期値C1まで減少している。このように、駆動電流の比率(I2/I1)が1又は1近傍ではない場合には、二次転写モータ260の駆動電流の変化が示す負荷異常の原因は、中間転写ベルト220と二次転写ローラ270との間の連れ回りであると判定することができる。
一方、ステップS45において、駆動電流の比率(I2/I1)が規定の範囲内であると判定された場合(ステップS45のNO)、処理はステップS47に進む。ステップS47では、負荷異常検知判定部670は、駆動電流の変化の原因はベルトクリーニング機構400(廃トナー回収機構430)の異常であると判断し、処理はステップS48に進む。ステップS48では、負荷異常検知判定部670は、負荷異常の原因をメイン制御部500に通知する。
ここで、駆動電流の比率(I2/I1)が規定の範囲内となることは、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220に当接させても、二次転写モータ260の駆動電流は変化しないことを意味する。この場合は、中間転写ベルト220への当接によって二次転写モータ260への負荷が変化しないのであるから、二次転写ローラ270と中間転写ベルト220との間の連れ回りではないと考えられる。したがって、二次転写モータ260が駆動している他の負荷、すなわち、ベルトクリーニング機構400(廃トナー回収機構430)の異常であると判断できる。したがって、ステップS48で通知される負荷異常の原因は、ベルトクリーニング機構400(廃トナー回収機構430)の異常となる。
図11はベルトクリーニング機構400の負荷が異常となった場合の駆動電流の変化を示す図である。この場合、異常判定処理が行なわれたのであるから、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接している状態では、二次転写モータ260の駆動電流は閾値T1に等しいかそれ以上である。そして、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220から離すと、中間転写ベルト220による負荷は無くなるので、二次転写モータ260の駆動電流はその分減少するはずである。しかし、図11に示す例では、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220から離しても、駆動電流は変化せず、駆動電流の比率(I2/I1)は1あるいは1近傍である。この場合には、二次転写ローラ270と中間転写ベルト220との間の連れ回りではなく、他の負荷による原因であると考えられる。
本実施形態の場合、二次転写モータ260に加わる負荷は、中間転写ベルト220による負荷以外には、ベルトクリーニング機構400による負荷だけである。したがって、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220から離しても、駆動電流の比率(I2/I1)が1あるいは1近傍に維持されている(すなわち、駆動電流に変化が無い)場合には、駆動電流が閾値T1まで増大した理由は、ベルトクリーニング機構400の負荷異常であると判定することができる。
ステップS48で、負荷異常の原因を通知すると、続いて、ステップS49において、負荷異常検知判定部670は、異常判定指示要求の解除をメイン制御部500に送る。具体的には、負荷異常検知判定部670は、異常判定指示要求フラグの値を0にする。その後、ステップS50において、モータ制御部600のCPU610は、中間転写モータ240及び二次転写モータ260を停止し、処理は終了する。
なお、図9に示す異常判定処理が、異常判定指示要求が送られた後で印刷動作が終了した時点で開始される場合、異常判定指示要求が出された時点から長時間が経過していない。したがって、二次転写モータ260は閾値T1であるとみなすことができ、ステップS42における駆動電流の取得は省略することができる。
以上のように、本実施形態による負荷異常検知装置は、中間転写ベルト220に対して二次転写ローラ270を当接させた状態と離間させた状態での二次転写モータ260の駆動電流を測定することで、二次転写ローラ270の負荷異常の原因特定を適切且つ確実に行うことができる。
なお、上述の負荷異常検出装置が行なう負荷異常検出方法は、コンピュータ読み取り可能なプログラムとしてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納しておくことができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体として、例えば、画像形成装置100のメイン制御部500に設けられたメモリ510を用いることができる。また、画像形成装置100が読み取ることのできる記録媒体として、例えばCD−ROM、USBメモリ、メモリカードに負荷異常検出方法を実行するプログラムを格納してもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、制御要素又は制御パラメータとして、二次転写モータ260の駆動電流の代わりに、二次転写モータ260を駆動するためのトルク指示値の平均値(以下、「トルク指示値」と称する。)を用いる。
第2実施形態では、上述のように制御要素又は制御パラメータとして駆動電流の代わりにトルク指示値を用いている点が第1実施例と異なり、その他の構成は第1実施例と同等であるため、トルク指示値を用いることで変更される点について説明し、その他の構成及び動作の説明は省略する。
図12は第2実施形態によるメイン制御部500及びモータ制御部600の機能ブロック図である。図12において、図3に示す構成部品と同等な部品には同じ符号を付す。
第2実施形態では駆動電流の代わりにトルク指示値を用いるので、図3に示す構成のように二次転写モータ260の駆動電流は負荷異常検知判定部670には供給されない。その代わり、制御演算部630からPWM変換部650に供給されるトルク指示値が負荷異常検知判定部670にも供給される。すなわち、制御演算部630は、二次転写モータ260のエンコーダ280から供給される速度値と目標速度値とから、二次転写モータ260が出力すべきトルク値を演算し、これをトルク指示値としPWM変換部650に供給するとともに、負荷異常検知判定部670にも供給する。PWM変換部650はトルク指示値に基づいて二次転写モータ260に供給すべき電力(PWM変換した電流)を算出し、算出した電力を二次転写モータ260に供給する。
図13は第2実施形態における初期値取得処理のフローチャートである。図13に示す初期値取得処理により、二次転写モータ260のトルク指示値の初期値Q1が求められ、初期値Q1に基づいて閾値T2が決定される。初期値Q1は、負荷異常がない場合(つまり正常な場合)に、二次転写モータ260を駆動するPWM変換部650に供給されるトルク指示値である。初期値Q1から求められる閾値T2は、後述する負荷異常検知処理で用いられる。
図13において、ステップS11〜S13及びステップS16〜S17は、図4に示すステップと同等であり、その説明は省略する。図13において、ステップS13の処理の次にステップS18の処理が行なわれる。ステップS18では、二次転写モータ260のトルク指示値を取得し、初期値Q1としてメモリ800に格納する。初期値Q1は、二次転写モータ260のトルク指示値の基準値となる。初期値Q1は、設計時に決定したトルク指示値としてもよく、工場出荷時又はメンテナンス実施時に負荷異常が発生していない状態で決定されるトルク指示値としてもよい。
続いて、ステップS19において、CPU610は、メモリ800に格納した初期値Q1に基づいて二次転写モータ260のトルク指示値の閾値T2を演算により求め、メモリ800に格納する。閾値T2は、初期値Q1に所定の係数を乗算することで求められる。所定の係数は、実機での経験あるいは実験に基づいて決定することが好ましい。例えば所定の係数を2として、実際のトルク指示値が初期値Q1の2倍になったときに、後述のように異常判定を行なうこととしてもよい。ステップS19の処理が終了すると、ステップS16の処理に移行する。
次に、第2実施形態による負荷異常検知処理について説明する。
図14は通常稼働時の二次転写モータ260のトルク指示値を監視するトルク指示値監視処理のフローチャートである。画像形成装置100の稼働中に、ステップS21において、モータ制御部600のCPU610の負荷異常検知判定部670は、二次転写モータ260のトルク指示値を監視して取得し、メモリ800に格納されたトルク指示値を更新する。そして、ステップ24において、負荷異常検知判定部670は、二次転写モータ260のトルク指示値の現在値が閾値T2以上であるか否かを判定する。
二次転写モータ260のトルク指示値の現在値が閾値T2以上ではない場合(ステップS24のNO)、今回の処理を終了する。一方、二次転写モータ260のトルク指示値の現在値が閾値T2以上であると判定された場合(ステップS24のYES)、処理はステップS23に進む。ステップS23では、負荷異常検知判定部670は、異常判定指示要求をメイン制御部500に送る。具体的には、負荷異常検知判定部670は、異常判定指示要求フラグを1としてメイン制御部500に送り、処理を終了する。
上述のトルク指示値監視処理は、画像形成装置100の稼働中は定期的に繰り返し行なわれる。画像形成装置100が稼働している間に、何らかの理由で二次転写モータ260への負荷が増大し、二次転写モータ260のトルク指示値が上昇することがある。トルク指示値監視処理を行なうことにより、この負荷の増大(負荷異常)を検知し、当該負荷異常が何の原因によるものかを検知するように要求するために行なわれる。
図14は異常判定指示要求が出されるまでの駆動電流の推移の一例を示す図である。画像形成装置100が初めて使用されるときには、二次転写モータ260の駆動電流は初期値C1である。画像形成装置100が稼働してからしばらくの間は、二次転写モータ260のトルク指示値は初期値Q1を維持している(すなわち、正常に稼働している)。したがって、トルク指示値は、初期値Q1に係数を掛けて求めた閾値T2よりは低い値を維持している。ある時間が経って、何らかの理由で二次転写モータ260の負荷が増大し始めると、トルク指示値も上昇し始める。二次転写モータ260の負荷は時間の経過とともに大きくなり、二次転写モータ260のトルク指示値も増大して、ある時点で閾値T2を超えるようになる。この時点で、トルク指示値監視処理が行なわれると、図14のステップS24でYESとなり、ステップS23において異常判定指示要求がメイン制御部500に送られる。すなわち、トルク指示値が閾値T2を超えたら、二次転写モータ260の負荷に異常があるとして、その異常の原因を判定するように指示要求が出される。
トルク指示値監視処理において、異常判定指示要求がメイン制御部500に送られると、メイン制御部500は、異常判定指示出力処理を行なう。本実施形態における異常判定指示出力処理は、図8に示す異常判定指示出力処理と同等であり、その説明は省略する。
次に、異常判定処理について説明する。図16は負荷異常検知判定部670が行なう異常判定処理のフローチャートである。メイン制御部500から異常判定指示を受け取ると、負荷異常検知判定部670は、異常の原因を判定するために異常判定処理を行なう。
まず、ステップS51において、現在が異常判定処理を行なうべき所定のタイミングであるか否かを判定する。所定のタイミングではない場合(ステップS51のNO)、異常判定処理は行なわず、処理を終了する。一方、所定のタイミングであると判定されると(ステップS51のYES)、処理はステップS52に進む。
ステップS52では、カム駆動モータ制御部660は、モータ用ドライバ700を介してカム駆動モータ290を駆動し、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220から離間した状態にする(図5(b)参照)。そして、負荷異常検知判定部670は、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220から離間した状態での二次転写モータ260のトルク指示値R1を取得する。
続いて、ステップS53において、カム駆動モータ制御部660は、モータ用ドライバ700を介してカム駆動モータ290を駆動し、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接した状態にする(図5(a)参照)。そして、負荷異常検知判定部670は、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接した状態での二次転写モータ260のトルク指示値R2を取得する。
次に、ステップS55において、負荷異常検知判定部670は、ステップS53で取得したトルク指示値R1に対するステップS52で取得したトルク指示値R2の比率(R2/R1)を算出する。続いて、ステップS56において、負荷異常検知判定部670は、駆動電流の比率(R2/R1)が規定の範囲外であるか否かを判定する。規定の範囲とは、1に近い範囲であり、検出誤差を考慮してもトルク指示値R2とトルク指示値R1が変化しないことがわかるような範囲に設定する。
ステップS55において、トルク指示値の比率(I2/I1)が規定の範囲外であると判定された場合(ステップS55のYES)、トルク指示値の変化の原因は二次転写ローラ270と中間転写ベルト220との間の連れ回りである判断し、処理はステップS48に進む。ステップS48では、負荷異常検知判定部670は、負荷異常の原因をメイン制御部500に通知する。
ここで、トルク指示値の比率(R2/R1)が規定の範囲外となることは、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220に当接させると、二次転写モータ260のトルク指示値が増大するか減少することを意味する。この場合は、中間転写ベルト220への当接によって二次転写モータ260への負荷が増減するのであるから、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を連れ回しているか(トルク指示値が増大している場合)、あるいは、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220により連れ回されている(トルク指示値が減少している場合)と考えられる。したがって、ステップS58で通知される負荷異常の原因は、二次転写ローラ270と中間転写ベルト270との間の連れ回りとなる。
図17は二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を連れ回している場合のトルク指示値の変化を示す図である。この場合、異常判定処理が行なわれたのであるから、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接している状態では、二次転写モータ260のトルク指示値は閾値T2に等しいかそれ以上である。そして、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220から離すと、中間転写ベルト220による負荷は無くなるので、二次転写モータ260のトルク指示値はその分減少する。図17に示す例では、負荷の経時変化が無いものとして、トルク指示値は初期値Q1まで減少している。このように、トルク指示値の比率(R2/R1)が1又は1近傍ではない場合には、二次転写モータ260のトルク指示値の変化が示す負荷異常の原因は、中間転写ベルト220と二次転写ローラ270との間の連れ回りであると判定することができる。
一方、ステップS55において、トルク指示値の比率(R2/R1)が規定の範囲内であると判定された場合(ステップS55のNO)、処理はステップS57に進む。ステップS57では、負荷異常検知判定部670は、トルク指示値の変化の原因はベルトクリーニング機構400(廃トナー回収機構430)の異常であると判断し、処理はステップS58に進む。ステップS58では、負荷異常検知判定部670は、負荷異常の原因をメイン制御部500に通知する。
ここで、トルク指示値の比率(R2/R1)が規定の範囲内となることは、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220に当接させても、二次転写モータ260の駆動電流は変化しないことを意味する。この場合は、中間転写ベルト220への当接によって二次転写モータ260への負荷が変化しないのであるから、二次転写ローラ270と中間転写ベルト220との間の連れ回りではないと考えられる。したがって、二次転写モータ260が駆動している他の負荷、すなわち、ベルトクリーニング機構400(廃トナー回収機構430)の異常であると判断できる。したがって、ステップS48で通知される負荷異常の原因は、ベルトクリーニング機構400(廃トナー回収機構430)の異常となる。
図18はベルトクリーニング機構400の負荷が異常となった場合の駆動電流の変化を示す図である。この場合、異常判定処理が行なわれたのであるから、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接している状態では、二次転写モータ260のトルク指示値は閾値T2に等しいかそれ以上である。そして、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220から離すと、中間転写ベルト220による負荷は無くなるので、二次転写モータ260の駆動電流はその分減少するはずである。しかし、図11に示す例では、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220から離しても、トルク指示値は変化せず、トルク指示値の比率(R2/R1)は1あるいは1近傍である。この場合には、二次転写ローラ270と中間転写ベルト220との間の連れ回りではなく、他の負荷による原因であると考えられる。
本実施形態の場合、二次転写モータ260に加わる負荷は、中間転写ベルト220による負荷以外には、ベルトクリーニング機構400による負荷だけである。したがって、二次転写ローラ270を中間転写ベルト220から離しても、トルク指示値の比率(R2/R1)が1あるいは1近傍に維持されている(すなわち、トルク指示値に変化が無い)場合には、トルク指示値が閾値T2まで増大した理由は、ベルトクリーニング機構400の負荷異常であると判定することができる。
ステップS58で、負荷異常の原因を通知すると、続いて、ステップS59において、負荷異常検知判定部670は、異常判定指示要求の解除をメイン制御部500に送る。具体的には、負荷異常検知判定部670は、異常判定指示要求フラグの値を0にする。その後、ステップS60において、モータ制御部600のCPU610は、中間転写モータ240及び二次転写モータ260を停止し、処理は終了する。
なお、図16に示す異常判定処理が、異常判定指示要求が送られた後で印刷動作が終了した時点で開始される場合、異常判定指示要求が出された時点から長時間が経過していない。したがって、二次転写モータ260は閾値T2であるとみなすことができ、ステップS52における駆動電流の取得は省略することができる。
以上のように、本実施形態による負荷異常検知装置は、中間転写ベルト220に対して二次転写ローラ270を当接させた状態と離間させた状態での二次転写モータ260のトルク指示値を監視することで、二次転写ローラ270の負荷異常の原因特定を適切且つ確実に行うことができる。
なお、上述の負荷異常検出装置が行なう負荷異常検出方法は、コンピュータ読み取り可能なプログラムとしてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納しておくことができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体として、例えば、画像形成装置100のメイン制御部500に設けられたメモリ510を用いることができる。また、画像形成装置100が読み取ることのできる記録媒体として、例えばCD−ROM、USBメモリ、メモリカードに負荷異常検出方法を実行するプログラムを格納してもよい。
次に、上述の第1及び第2実施形態において、二次転写モータ260の回転速度の目標値を調整する処理について、図19を参照しながら説明する。
二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を連れ回している状態では、二次転写モータ260の駆動電流は、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220から離間しているときの駆動電流より大きくなる。すなわち、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を引っ張る分だけ負荷が増大し、二次転写モータ260の駆動電流は増大する。
二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を連れ回す状態となる大きな要因として、二次転写ローラ270の外径が熱膨張により大きくなり、外周の速度が大きくなって中間転写ベルト220の移動速度より大きくなることがある。したがって、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を連れ回す状態となったときに、二次転写モータ260の回転速度を遅くすることで、連れ回り状態を解消することができる。
そこで、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を連れ回す状態となったときに、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220に当接している状態で徐々に二次転写モータ260の回転速度を遅くしていく。すると、二次転写ローラ270の外周速度が中間転写ベルト220に移動速度に近づいていき、連れ回り状態が解消していく。これにより、図19の矢印で示すように、二次転写モータ260の駆動電流I1も徐々に減少し、離間状態での駆動電流I2に近づいていき、駆動電流の比率(I2/I1)は徐々に1に近づいていく。
予め駆動電流の比率(I2/I1)の許容範囲を決めておき、駆動電流の比率が許容範囲内になったところで、駆動電流の減少を停止する。そして、そのときの二次転写モータ260の回転速度を目標回転速度に設定することで、二次転写モータ260の回転速度をそのまま維持する。これにより、二次転写ローラ270が中間転写ベルト220を連れ回す状態を解消したまま、印刷動作を続けることができる。
印刷動作が終了し、画像形成装置100の電源がOFFとなると、動作時の発熱で上昇していた転写部分の温度が室温に戻ることにより、二次転写ローラ270の熱膨張もなくなり、二次転写ローラ270の外径は元にもどる。そこで、画像形成装置100の電源がOFFとなると、連れ回りを解消するために低減されていた二次転写モータ260の回転速度を元の回転速度にもどすために、目標回転速度を初期の目標回転速度に戻すことが好ましい。
なお、図19に示す例では駆動電流の比率を許容範囲に維持しているが、トルク指示値の比率を許容範囲に維持することでも同様に連れ回りを解消することができる。
上述の第1及び第2実施形態では、二次転写モータ260により駆動される負荷として二次転写ローラ270の他にベルトクリーニング機構400を例にとって説明したが、ベルトクリーニング機構400ではなく他の負荷としてもよい。あるいは、二次転写モータ260により駆動される負荷として、二次転写ローラ270及びベルトクリーニング機構400の他に異なる負荷をさらに加えた構成であってもよい。
図20は二次転写モータ260により冷却ファンを駆動する場合の紙転写部の構成を示す図である。
画像形成装置100において、紙転写部を含む画像形成部は筐体102に収容されている。紙転写部のトナー定着部等にはヒータ等の発熱部品があり、筐体102内の温度が上昇する。そこで、筐体102内の温度が過度に上昇しないように、筐体102内の暖められた空気を外部に排出するためにファン450が、筐体102内の特にトナー定着部の近傍などに設けられる。トナー定着部付近の暖められた空気は、ファン450によりダクト103に送られ、防塵フィルタ104を介して外部に排出される。防塵フィルタ104は、トナー定着部付近で飛散したトナーが筐体102の外部に排出されることを防止するために設けられる。
このファン450を、二次転写モータ260で駆動することができる。この場合、二次転写モータ260は、二次転写ローラ270を駆動するとともにファン450を駆動することとなる。ここで、ファン450からの空気はダクト103を流れ、防塵フィルタ104を通過して筐体外に排出される。例えば、防塵フィルタ104がトナーにより目詰まりしたような場合、防塵フィルタ104での圧力損失が大きくなり、ダクト103内の圧力が上昇する。これにより、ファン450の負荷が上昇し、その結果、ファン450を駆動する二次転写モータ260の駆動電流が増大することとなる。したがって、ベルトクリーニング機構400を二次転写モータ260で駆動しているときと同様に、上述の第1及び第2の実施形態により負荷異常の原因を判定することができる。
次に、上述の実施形態による負荷異常検知方法を実行するための負荷異常検知プログラムについて説明する。
図21は上述の実施形態による負荷異常検知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。負荷異常検知装置は、CPU1201、ROM(Read Only Memory)1202、RAM(Random Access Memory)1203、補助記憶装置1204、記憶媒体読取装置1205、入力装置1206、表示装置1207、及び通信装置1208を含む。
CPU1201は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、負荷異常検知装置全体を制御する。ROM1202は、CPU1202で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリである。RAM1203は、CPU1201がROM1202に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用される。
補助記憶装置1204は、汎用のOS(Operating System)、本発明によるプロジェクト管理プログラム、タスク情報などのプロジェクトに関する情報を含む各種情報を格納する装置である。補助記憶装置1204として、例えば、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。なお、上記各種情報は、補助記憶装置1204以外にも、CD−ROM(Compact Disk - ROM)やDVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体(記録媒体)、あるいはその他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてもよい。これらの記録媒体に格納された各種情報は、記憶媒体読取装置1205などのドライブ装置を介して読み取られる。よって、必要に応じて記録媒体を記憶媒体読取装置1205にセットすることで、各種情報を取得することができる。入力装置1206は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置1206は、マウス、キーボード、表示装置1207の表示画面上に表示されたタッチパネルキーなどを含む。
以上のような構成の負荷異常検知装置において、上述の負荷異常検知処理を行うために負荷異常検知プログラムがCPU1202により実行される。負荷異常検知プログラムは、予めROM1202に格納される。あるいは、負荷異常検知プログラムは、上述のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納される。コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された負荷異常検知プログラムは、記憶媒体読取装置1205により読み取られ、RAM1203に格納され、CPU1201により実行される。
なお、上述の実施形態では、第1の回転体の一例として中間転写ベルトを用いて説明したが、第1の回転体として図22に示すような中間転写ドラムを用いることとしてもよい。図22は中間転写ドラムが設けられた画像転写部を示す図である。
図22において、3つの中間転写ドラム901が、同期回転するように逆三角形状に配設されている。中間転写ドラム901は、トナー像を転写可能に構成された回転可能な円柱状部材である。上側に配設された左右一対の中間転写ドラム901は、夫々、反時計方向に回転し、下側に配設された中間転写ドラム901は時計方向に回転する。
感光体(感光体ドラム)902は、画像形成ステーションS1とS3で用いられものと、画像形成ステーションS2とS4で用いられるものを含んでいる。
画像形成ステーションS1〜S4の各々はトナー像形成手段903を含んでいる。トナー像形成手段903において、感光体902の廻りに、時計方向に向かって順に、帯電手段931、露光手段932、現像手段933が感光体902と非接触で配設されている。さらに、トナー回収手段909が中間転写ドラム901との最近接部より感光体902の回転方向下流側近傍に配設されている。以上の構成により、感光体902に潜像とトナー像を形成し、そのトナー像を上側の中間転写ドラム901へ転写する。その転写後に感光体902に残留したトナーは、現像手段933において非接触に回収される。トナー像形成手段903の各部の構成は既知の構成であり、その詳細な説明は省略する。
画像形成ステーションS1とS3において、トナー像形成手段903と感光体902の画像形成部921との間に空隙が形成され、上側の中間転写ドラム901と感光体902とが当接している。一方、画像形成ステーションS3とS4では、トナー像形成手段903と感光体902の画像形成部321との間、及び、中間転写ドラム901と感光体902の画像形成部921との間に空隙が形成されている。画像形成ステーションS1とS3は、夫々上側の中間転写ドラム901の回転方向上流側に配設され、画像形成ステーションS2とS4は、夫々上側の中間転写ドラム901の回転方向下流側に配設されている。
画像形成ステーションS1〜S4のトナー画像形成手段903で形成したトナー画像は、上側の2つの中間転写ドラム901に転写され、そして、下側の中間転写ドラム901に転写される。下側の中間転写ドラム901には、二次転写ローラ905が設けられている。下側の中間転写ドラム901に転写されたトナー画像は、二次転写ローラ906により記録紙に転写される。
以上の構成において、上側及び下側の3つの中間転写ドラム901が上述の図2における中間転写ベルト220(第1の回転体)に相当し、二次転写ローラ906が上述の図2における二次転写ローラ270(第2の回転体)に相当する。
また、上述の実施形態では、第2の回転体の一例として二次転写ローラを用いて説明したが、第2の回転体として図23に示すような二次転写ベルトを用いることとしてもよい。図23は二次転写ベルトが設けられた二次転写部の斜視図である。
図23において、中間転写ベルト950は、駆動ローラ952、第一の従動ローラ954、第二の従動ローラ956、転写対向部材としての従動転写ローラ958に張り渡される。中間転写ベルト950は、駆動手段960により回転する駆動ローラ952により図中矢印A方向に回転移動される。第二の従動ローラ956は図示されていない荷重付与手段により付勢されており、中間転写ベルト950に張力を与える。これにより、駆動ローラ952と中間転写ベルト950との間に摩擦力が発生し、中間転写ベルト950が駆動される。
駆動ローラ952と第二の従動ローラ956との間のベルト面に対して現像手段(図示せず)が配置される。中間転写ベルト950を介して対向する一次転写ローラ(図示せず)は第一の転写手段を構成する。
第二の転写手段(二次転写部)は転写パッド970を有し、図示されていないばね等の加圧手段により、従動転写ローラ958に対向して中間転写ベルト950に押し付けられる。第2の回転体に相当する無端状の二次転写ベルト972は、転写パッド970を内包するように配置されている。転写パッド970は、二次転写ベルト972を中間転写ベルト950に対して押し付けるための部材であり、第2の回転体に相当する二次転写ベルト972を移動するための第2の回転体移動部材として機能する。