JP2013032639A - 床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】床材を敷設した後、住居等として使用している間は床材に反りや目隙等が発生しないように充分に固定でき、リフォームなどで床材を剥がす際には、接着剤のケレン等での剥離作業を必要とせずに、接着剤と下地材の界面で剥離できる床材を提供する。
【解決手段】無機下地材と塗料被覆層と接着剤層と床表面材とをこの順で積層し一体化してなる床材である。塗料被覆層は、アクリル樹脂系塗料被覆層であることが好ましく、接着剤層は、ウレタン樹脂系接着剤層または変成シリコーン樹脂系接着剤層であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、施工した後、容易に床表面材を剥離でき、床表面材の貼り替え作業を合理化し得る床材に関する。
従来、マンション等の集合住宅や戸建て住宅等、店舗等での床の施工においては、床材等の床表面材をモルタルやコンクリートなどの無機材料表面を下地材として敷設する場合、接着剤が多く用いられている。
しかしながら、接着剤を用いる従来方法には次のような欠点がある。すなわち、接着剤は一旦固まると剥がす事が困難になるために、床材の張り替えや改修工事などで取り外す必要が生じた場合などには容易に剥離ができず、通常一度張った床材を取り外すときは、床材を破損し、下地材に残った接着剤と床材をスクレーパーなどで剥がす作業が必要となり、その後の再施工の際にも下地材の清掃や平滑化など、非常に多くの労力を必要とする。施工面、コスト面から一度張った床材を取り外すときに、下地材を再度調整する必要が無い施工方法の開発が望まれている。
このような問題を解決するために、接着剤の代わりに両面テープや面ファスナーテープによる施工方法等が提案されているが、作業が煩雑であったり、接着力が充分でない事等の問題がある(特許文献1)。
特開2004−307788号公報
本発明は、上述の従来の問題に鑑みて、床材を敷設した後、住居等として使用している間は床材に反りや目隙等が発生しないように充分に固定でき、リフォームなどで床材を剥がす際には、接着剤のケレン等での剥離作業を必要とせずに、接着剤と下地材の界面で容易に剥離できる床材を提供するものである。
本発明は、上述の課題を解決すべく研究した結果、無機下地材表面を塗料で被覆したのち更にその上に接着剤層を設けて床表面材を積層し一体化することにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に示すものである。
(1)無機下地材と塗料被覆層と接着剤層と床表面材とをこの順で積層し一体化してなること、を特徴とする床材。
(2)前記無機下地材が、セメント系下地または石材からなる、前記(1)の床材。
(3)前記塗料被覆層が、アクリル樹脂系塗料被覆層である、前記(1)または(2)の床材。
(4)前記接着剤層が、ウレタン樹脂系接着剤層または変成シリコーン樹脂系接着剤層である、前記(1)〜(3)のいずれかの床材。
本発明により、床材を敷設した後、住居等として使用している間は床材に反りや目隙等が発生しないように充分に固定でき、リフォームなどで床材を剥がす際には、接着剤のケレン等での剥離作業を必要とせずに、接着剤と無機下地材の界面で容易にで剥離できる為、無機下地材を特別な工程を経ることなく再利用する事ができる。
図1は実施例1における床材の側断面図である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明における接着剤層を形成するための接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂系接着剤、変成シリコーン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリアメラニン共縮合樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤を好適に挙げることができ、このうちウレタン樹脂系接着剤、変成シリコーン樹脂系接着剤が好ましく、特に一液湿気硬化性の接着剤が好ましい。
一液湿気硬化性のウレタン樹脂系接着剤は、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを、活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーからなるものである。
前記有機ポリイソシアネートとしては、具体的には例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)類、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート(TDI)類、ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、およびこれらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられ、これらは単独または2種以上を組合わせて用いることができる。
これらのうち、硬化後の引張り接着性などが優れている点で、芳香族ジイソシアネートが好ましく、さらにMDI類とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが好ましい。
前記活性水素含有化合物としては、高分子ポリオール、アミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオール等、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、へキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、または酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオールまたはポリエステルアミドポリオールが挙げられる。
また、例えば、低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε−カプロラクトン、γ一バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記低分子アルコール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を単独あるいは2種類以上を組み合わせて開環重合させたポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシブチレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、(ポリオキシエチレン)―(ポリオキシプロピレン)ランダムあるいはブロック共重合ポリオール、(ポリオキシプロピレン)―(ポリオキシブチレン)ランダムあるいはブロック共重合ポリオール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオールなどが挙げられる。また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのモノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキサイドなどのエポキシドを開環重合させたポリオキシアルキレンモノオールなども使用できる。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ジオールなどが挙げられる。
これらの高分子ポリオールの数平均分子量は500〜30,000、特に1,000〜20,000が好ましい。
活性水素含有化合物として、場合により鎖延長剤も使用でき、鎖延長剤としては、前記のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類等のうち分子量500未満のものが例示される。
前記の活性水素含有化合物として挙げた化合物は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうちイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度を低くできるため、得られる接着剤の作業性が良好なものとなり、硬化後のゴム弾性物性や接着性などが優れている点で、高分子ポリオールが好ましく、更にポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、ポリオキシプロピレンポリオールが特に好ましい。
また、ポリオキシアルキレンジオールとポリオキシアルキレントリオールを併用する事が好ましい。ポリオキシアルキレンジオールのみを用いたイソシアネート基末端プレポリマーを含有する接着剤は、常温硬化後の接着剤の伸びは得られるが、加熱により極端な物性の低下が発生し、タッキング音及び高速曲げによる発生音が生じる。また、ポリオキシアルキレントリオールのみを用いたイソシアネート基末端プレポリマーを含有する接着剤は、硬化後の接着強度はある程度発現されるが、伸びが不十分なため高速曲げによる発生音が生じる。このような点から、このポリオール混合物の配合割合は、ポリオキシアルキレンジオール/ポリオキシアルキレントリオール=90質量%/10質量%〜30質量%/70質量%であることが好ましい。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、プレポリマーの分子中にイソシアネート基を残す必要がある。有機ポリイソシアネートのイソシアネート基と高分子ポリオール、場合により更に鎖延長剤の活性水素(基)とのイソシアネート基/活性水素(基)の当量比は、1.1〜20.0/1.0が好ましく、更に1.5〜15/1.0が好ましい。このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は0.1〜20.0質量%が好ましく、さらに0.5〜15.0質量%が好ましい。イソシアネート基含有量が0.1質量%未満の場合は、分子量が大きくなりすぎて粘度が増大し作業性が低下する。また、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が20.0質量%を超える場合は、炭酸ガスによる発泡が激しくなるため好ましくない。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成には、オクチル酸第一錫、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、オクテン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)などの金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などの公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち金属有機酸塩や有機金属と有機酸との塩が好ましい。
一液湿気硬化性の変成シリコーン樹脂系接着剤は、一般に変成シリコーン樹脂と呼ばれるものからなるものである。
変成シリコーン樹脂としては、例えば、特開昭52−73998号公報、特開昭55−9669号公報、特開昭59−122541号公報、特開昭60−6747号公報、特開昭61−233043号公報、特開昭63−6003、特開昭63−112642号公報、特開平3−79627号公報、特開平4−283259号公報、特開平5−287186号公報、特開平11−80571号公報、特開平11−116763号公報、特開平11−130931号公報中に開示されているもの、具体的には、分子内に架橋性シリル基を含有する、主鎖がビニル系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタンジエンなどの脂肪族炭水化水素系重合体、ポリエステル系重合体、ポリサルファイド重合体、これらの共重合体、混合物などが挙げられる。
変成シリコーン樹脂の主鎖は、硬化後の引張接着性、モジュラスなどの物性の点から、アクリル及び/又はメタクリル変性されていてもよいポリオキシアルキレン系重合体、及び/又は、アクリル及び/又はメタクリル系共重合体が好ましい。ここにおいて、「アクリル及び/又はメタクリル変性されていてもよい」とは、ポリオキシプロピレン重合体にアクリル及び/又はメタクリル系(以下、「アクリル及び/又はメタクリル」を(メタ)アクリルという。)単量体をブロック或いはペンダント共重合したもの、ポリオキシアルキレン系重合体に(メタ)アクリル系共重合体を混合したもの、架橋性シリル基を導入したポリオキシアルキレン系重合体中で(メタ)アクリル系単量体を重合したものなどを指す。
架橋性シリル基は、接着剤の硬化性や硬化後の物性などの点から、分子内に1.0個以上、特に1.0〜5.0個含まれるのが好ましい。
更に、架橋性シリル基は、架橋しやすく製造しやすい次の一般式で示されるものが好ま
しい。
Figure 2013032639
(式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基及びアミノオキシ基より選ばれる加水分解性の基であり、Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が最も好ましい。aは0、1又は2の整数であり、0又は1が最も好ましい。)
架橋性シリル基の主鎖への導入は、例えば、以下の公知の方法で行うことができる。
(1)末端に水酸基などの官能基を有するポリオキシアルキレン系やビニル系などの重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物(例えばアリルイソシアネート)を反応させ、次いで、得られる反応生成物に加水分解性基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基などの官能基を有するポリオキシアルキレン系やビニル系などの重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基及び架橋性シリル基を有する化合物を反応させる。
この反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物としては、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有シラン類、ビニル型不飽和基含有シラン類、塩素原子含有シラン類、イソシアネート基含有シラン類、ハイドロシラン類などが挙げられる。
(3)重合性不飽和結合と架橋性シリル基を有する化合物(例えば、CH=CHSi(OCHやCH=CHCOO(CHSi(OCH)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを共重合させる。
(4)重合性不飽和結合と官能基を有する化合物(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートあるいは(メタ)アクリル酸アリルなど)を(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に添加して共重合させ、次いで生成する共重合体を前記の反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物(例えば、イソシアネート基と−Si(OCH基を有する化合物や、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの加水分解性基を有するヒドロシラン類)と反応させる。
本発明において、変成シリコーン樹脂の数平均分子量は1,000以上、特に6,000〜30,000で分子量分布の狭いものが、接着剤の粘度が低いので取り扱い易く、硬化後の強度、伸び、モジュラスなどの物性が優れているので好適である。
前記ウレタン樹脂系接着剤または変成シリコーン樹脂系接着剤にはいずれも、必要に応じて可塑剤を配合することができる。可塑剤としては、分子量の違いにより、低分子量可塑剤と高分子量可塑剤に分けられるが、接着剤の硬化後にブリードして被着体を汚染したり劣化させ難い点から、用いる場合は高分子量可塑剤が望ましい。
低分子量可塑剤としては、具体的には、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステルなどのアルコールエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、塩素化パラフィンなどの数平均分子量が500未満の低分子量のものが挙げられる。
高分子量可塑剤としては、前述のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成に使用されるのと同様のポリオキシアルキレンポリオールをエーテル化またはエステル化などしたポリエーテル系可塑剤、ポリウレタン系高分子量可塑剤、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレンあるいはこれらの水素添加物等の炭化水素系重合体などが挙げられるが、このうちポリウレタン系高分子量可塑剤がイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、変成シリコーン樹脂と相溶性が良好な点で好ましい。
ポリウレタン系高分子量可塑剤としては、活性水素を有するポリオキシアルキレン化合物とイソシアネート基含有化合物との反応物が好ましく、実質的に水酸基またはイソシアネート基を含有しないポリウレタン系高分子量可塑剤が好ましい。具体的には、ポリオキシアルキレンアルコールと有機イソシアネートをイソシアネート基/水酸基の当量比が0.9〜1.1/1.0となる範囲で、最も好ましくは1/1で反応させて好適に製造することができる。当量比が0.9/1.0を下回ると水酸基の含有量が多くなり、配合したとき接着剤の耐水性や貯蔵安定性が悪化し、また1.1/1.0を上回るとイソシアネート基の含有量が多くなり、硬化後のゴム物性に対する悪影響が無視できなくなる点で好ましくない。数平均分子量は1,000以上、好ましくは1,000〜60,000、さらに好ましくは2,000〜20,000である。この範囲以外では、配合したときの剥離効果とブリードが極めて少ないことの両立が難しくなる。
なお、前記「実質的に水酸基またはイソシアネート基を含有しない」とは、反応当量比の選択により、ポリウレタン系高分子量可塑剤に少量の水酸基またはイソシアネート基が残存する場合があるが、貯蔵安定性や硬化後の物性に影響がなく、含有しないとみなしても差し支えがないことを意味する。
前記可塑剤の配合量は、ウレタン樹脂系接着剤または変成シリコーン樹脂系接着剤中の硬化樹脂成分100質量部に対して10〜200質量部、更に20〜80質量部であるのが好ましい。
本発明における塗料被覆層を形成するための塗料としては、例えば、アクリル樹脂塗料、アクリル/スチレン樹脂塗料、アクリルシリコーン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、塩化ビニル/酢酸ビニルとアクリル樹脂塗料、塩素化PP変性アクリル樹脂塗料などのアクリル樹脂系塗料のほか、フッ素樹脂塗料、メラミン樹脂塗料、フタル酸樹脂塗料、アミノアルキッド樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料、ウレタン樹脂系塗料などの合成樹脂塗料を好適に挙げることができる。これらのうち、表面硬度の高い被覆層の形成が可能な点で、アクリル樹脂系塗料が好ましく、ポリイソブチルアクリレートを主成分とした塗料がさらに好ましい。
本発明における無機下地材としては、セメント系下地(モルタル、コンクリート、レベラー、ALC板など)、石材などの金属以外の無機下地材を使用することができるが、このうちセメント系下地が好ましい。
本発明における床表面材としては、天然銘木の突板、ムク板の単板、化粧合板、化粧集成材、裏面に各種緩衝材を貼った複合フローリング材などの木質床表面材の他、塩化ビニル製のシートやタイル、陶磁器製タイルなどを挙げることができる。
次に、本発明の床材の形成について説明する。
本発明の床材は、例えば、まず、床面を構成するコンクリートなどで形成された無機下地材表面を塗装、硬化させて塗料被覆層を形成した無機下地材の塗料被覆層表面に接着剤を均一に塗布して接着剤層を形成し、その上に床表面材を載せ接着して形成することができる。
以下、本発明について実施例等により更に詳細に説明する。
〔合成例1〕
攪拌棒、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き混練・反応容器に、ポリイソブチルアクリレート(藤倉化成社製、アクリルベースMM−2002−1、分子量52,000)210g、メチルエチルケトン490gを仕込み60℃で2時間攪拌・加熱して溶解した。その後、常温に冷却してアクリル樹脂塗料を調製した。
〔実施例1〕
無機下地材としてモルタル板の表面に合成例1で得たアクリル樹脂塗料を塗布量100g/mとなるように均一に塗布し、常温で24時間乾燥硬化させて塗料被覆層を形成したものを用いた。接着剤として、無溶剤型ウレタン樹脂系接着剤(オート化学工業社製、オートンアドハー8500)を塗布量500g/mとして用いた。床表面材として、JIS A5536:2007「床仕上げ材用接着剤」の表8に記載の炭酸カルシウム配合発泡オレフィンシートが裏打ちされた複合フローリング材を用いた。
前記無機下地材、接着剤、床表面材を用いて、後述する試験方法に従って、引張接着強さ試験の試験体を23℃、50%相対湿度で7日間養生硬化させて作成した。
〔実施例2〕
実施例1において、無溶剤型ウレタン樹脂系接着剤の代わりにウレタン樹脂系木質床材直貼り用接着剤(オート化学工業社製、オートンアドハー8800)を用いた以外は同様にして、試験体を作成した。
〔実施例3〕
実施例1において、無溶剤型ウレタン樹脂系接着剤の代わりに変成シリコーン樹脂系床根太・床仕上げ接着剤(積水フーラー社製、セキスイボンド♯55−S)を用いた以外は同様にして、試験体を作成した。
〔比較例1〕
実施例1において、モルタル板の表面にアクリル樹脂塗料を塗布しない(塗料被覆層無し)以外は同様にして、試験体を作成した。
〔比較例2〕
実施例2において、モルタル板の表面にアクリル樹脂塗料を塗布しない(塗料被覆層無し)以外は同様にして、試験体を作成した。
〔比較例3〕
実施例3において、モルタル板の表面にアクリル樹脂塗料を塗布しない(塗料被覆層無し)以外は同様にして、試験体を作成した。
〔実施例4〕
無機下地材としてモルタル板の表面に合成例1で得たアクリル樹脂塗料を塗布量100g/mとなるように均一に塗布し、常温で24時間乾燥硬化させて塗料被覆層を形成したものを用いた。接着剤として、ウレタン樹脂系長尺塩ビシート用接着剤(オート化学工業社製、オートンフロアーグリップS)を塗布量350g/mとして用いた。床表面材として、耐動荷重性ビニル床シートNC(JIS A 5705)(ロンシール工業社製、ロンリウムSRG)を用いた。
前記無機下地材、接着剤、床表面材を用いて、後述する試験方法に従って、90度はく離接着強さ試験の試験体を23℃、50%相対湿度で7日間養生硬化させて作成した。
〔比較例4〕
実施例4において、モルタル板の表面にアクリル樹脂塗料を塗布しない(塗料被覆層無し)以外は同様にして、試験体を作成した。
実施例1〜4及び比較例1〜4で作成した試験体を使用して、以下に示す試験方法により試験した結果などをまとめて表1に示す。
〔性能試験〕
<引張接着強さ>
JIS A5536:2007「床仕上げ材用接着剤」、5.3.2「引張り接着強さ」に準拠して、製造した試験体の接着強さの測定及び破壊状況の観察を行った。
<90度はく離接着強さ>
JIS A5536:2007「床仕上げ材用接着剤」、5.3.3「はく離接着強さ」に準拠して、製造した試験体の接着強さの測定及び破壊状況の観察を行った。
<2次はく離性>
上記「引張接着強さ」及び「90度はく離接着強さ」の試験後に試験体の破断の位置がF(床表面材)、A(接着剤)であったものについては無機下地材に残留した接着剤硬化物のはく離作業を行った。
接着剤硬化物が無機下地材との界面ではく離したものを○、無機下地材が破壊または剥がすことが出来なかったものを(それ以外を)×とした。
<はく離性能>
上記「引張接着強さ」及び「90度はく離接着強さ」の試験後に試験体の破断の位置がGA100(下地材と接着剤の界面が100%)であったものと、「2次はく離性」において○であったものを○、それ以外を×とした。
<再はく離性能>
上記「はく離性能」において○であった試験体について、更に2度繰り返して(計3回貼り付け)「引張接着強さ」または「90度はく離接着強さ」試験をおこない、はく離性能を評価した。
Figure 2013032639
表1の結果から、本願発明の構成を有する床材の場合、接着力は関連するJIS規格を満たしており、住居等として使用している間は問題なく使用でき、リフォーム等で床表面材を剥がす場合は無機下地材から接着剤硬化物が容易にはく離し、新たに下地処理等をする事無く新しい床表面材を貼り付けることができる。
これに対し、従来の塗料被覆層を有さない無機下地材を用いた床材の場合、床表面材を剥離した場合接着剤硬化物を剥がすにはスクレーパー等を用いなければならず、その際に無機下地材も削ってしまい、清掃、下地調整などの複雑な工程が必要となる。接着力を低下させた接着剤を用いた場合においても、その破壊の位置はFとなり無機下地材の表面に薄層で残り、新しい床表面材を貼り付けた際に接着不良の原因となる。
1 無機下地材
2 床表面材
3 塗料被覆層
4 接着剤層

Claims (4)

  1. 無機下地材と塗料被覆層と接着剤層と床表面材とをこの順で積層し一体化してなること、を特徴とする床材。
  2. 前記無機下地材が、セメント系下地または石材からなる、請求項1に記載の床材。
  3. 前記塗料被覆層が、アクリル樹脂系塗料被覆層である、請求項1または2に記載の床材。
  4. 前記接着剤層が、ウレタン樹脂系接着剤層または変成シリコーン樹脂系接着剤層である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の床材。
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