JP2013032231A - シリカ膜およびその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
シリカ膜の形成において、膜厚が厚くクラックの発生を抑えたシリカ膜の容易な形成方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、シリカ膜の形成において、プレカーサとして条件を制御したシリコンアルコキシドの加水分解・脱水縮重合物にシリカフィラーを0〜50vol%になるように混合した組成物を用い、プレカーサに紫外線を照射することによって、加熱することなくクラックの発生を抑えたシリカ膜を形成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クラックの発生を抑えたシリカ膜の形成方法に関する。
シリカ膜の形成方法としては、化学的気相成長法(CVD法)、スパッタリング法、真空蒸着法、ゾルゲル法または溶射法などが用いられている。
CVD法、スパッタリング法または真空蒸着法は、良質な膜を得ることができるが、チャンバ内のプロセスであり、成膜レートも遅いため、成膜コストが高いなどの問題があり、ゾルゲル法は、金属アルコキシドと水を反応させて加水分解と脱水縮重合を利用してゲルを形成し、酸化物の融点以下の処理温度で酸化物膜を形成できる方法であるが、1000℃前後と高温の熱処理が必要なため、熱処理炉などからの不純物汚染のリスクがある。
また、溶射法は、厚膜を形成することが可能であるが、大きな熱を印加しながら膜を形成するため汚染の問題やクラックの問題、形成される膜の密度は低く緻密性に問題がある。
これらを解決する方法として、シリコンプレカーサの光化学反応を利用したシリカ膜の形成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、基体にシリコンプレカーサとしてシリコーンオイルを塗布する工程と波長が300〜150nmの紫外線を照射する工程を繰り返すことによってシリカ膜の積層膜を形成することができるとされている。
また、ポリシラザンやシリコンアルコキシドへ真空紫外線を照射してシリカ膜を形成している例も報告されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
しかし、これらの方法では、膜厚が1μmを超えるとクラックが発生してしまうという問題が有った。
また、アルコキシシランとコロイダルシリカを含む組成物に真空紫外線を照射して熱処理することによりシリカ膜を形成する例も報告されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この方法では真空紫外線の照射時間が短く、有機残渣を多く含有したシリカ膜となっており、耐熱性が低く高温で用いることは出来ない。
特開2005−70243号公報 特開2008−69263号公報
C. Kato、「Journal of Photopolymer Science and Technology」、Volume16、Number2(2003)P.163−164 K. Awazu、「Applied Physics Letters」 69 P.482−484(1996) 「ゾル−ゲル法の応用」、作花澄夫、アグネ承風社、P.124−125
本発明の目的は、シリカ膜の形成において、膜厚が厚くクラックの発生を抑えたシリカ膜の形成方法を提供することである。
本発明者らは、シリカ膜の形成において、プレカーサとして条件を制御したシリコンアルコキシドの加水分解・脱水縮重合物にシリカフィラーを0〜50vol%になるように混合した組成物を用い、前記プレカーサに紫外線を照射することによって、加熱することなくクラックの発生を抑えたシリカ膜を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、プレカーサを製造する工程と、基体に前記プレカーサを塗布する工程と、前記基体に紫外線を照射する工程とを含んでなることを特徴とするシリカ膜形成方法である。
まず、プレカーサを製造する工程について説明する。プレカーサを製造する工程は、シリコンアルコキシドに対して1〜3倍モル量の水を用いて、溶媒中でシリコンアルコキシドを加水分解した後、同加水分解物を0.5時間以上脱水縮重合したものにシリカフィラーを0〜50vol%になるように混合することを特徴とする。
プレカーサを製造する工程について、更に具体的に説明するが、本発明は下記の方法に限定されるものではない。
シリコンアルコキシドの加水分解は、溶媒にシリコンアルコキシドを溶解した溶液Aと、溶媒と水の混合物に酸触媒または塩基触媒を加えた溶液Bとを用いると、後述する混合において均一に混合が行えることから好ましい。ここで水の量はシリコンアルコキシドに対して1〜3倍モル量とすることで、本発明に適したプレカーサを得ることができる。シリコンアルコキシドのアルコキシド基はシリコンアルコキシドの4倍モル量存在しており、水の量と等モル量のアルコキシド基が加水分解される。本発明に適したプレカーサはアルコキシド基が残存していることが好ましいため、水の量はシリコンアルコキシドの3倍モル量以下とする。また、水の量が少ないと加水分解されない未反応のシリコンアルコキシドが存在して重合速度が遅く好ましくないため、水の量はシリコンアルコキシドに対して1倍モル量以上とする。
なお、加水分解で用いる酸触媒または塩基触媒としては、塩酸、臭化水素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、硫酸、フルオロスルホン酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、クロム酸、ホウ酸などに代表される無機酸、スルホン酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸などに代表される有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、アンモニアなどの塩基などが挙げられる。
溶液Aと溶液Bを混合して、シリコンアルコキシドを加水分解する際、必要に応じて脱水縮重合の急激な反応の進行を抑制するため、凝固しない温度であれば低温であるほうが好ましい。実用的には氷水浴中で行うことが好ましい。また、アルコキシ基の加水分解を均一に進行させるため、混合は数分から数時間かけてよく攪拌しながら行なうことが好ましい。
本発明で用いるシリコンアルコキシドとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、イソプロポキシ基、1−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基又はt−ブトキシ基等のアルコキシ基を有するものが使用可能であるが、特にテトラエトキシシランは反応を制御しやすい点でより好ましい。
本発明で用いる溶媒としては、シリコンアルコキシドと水を溶解できるものであれば使用可能であるが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール又はt−ブチルアルコール等のアルコールが使用可能であるが、特に1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール又はt−ブチルアルコールが塗布時の揮発の制御がしやすい点でより好ましい。
シリコンアルコキシドの加水分解物の脱水縮重合は、80℃以上でよく攪拌しながら進行させることが好ましく、溶媒の揮発を防ぐために冷却管を装着して還流しながら行うことが好ましい。この脱水縮重合は、0.5時間以上行う必要がある。
シリカフィラーの混合は、上記加水分解で用いた溶媒と同種の溶媒に分散したシリカフィラースラリーを用いて混合することが好ましい。同種の溶媒に分散したシリカフィラースラリーを用いることにより容易かつ均一に分散させることが可能となる。
プレカーサ中のシリカフィラーの濃度は0〜50vol%であり、さらに10〜50vol%であるとプレカーサ中の水分が減り、長時間の紫外線照射を行ってもクラックが発生しにくくなるため、有機残渣が少ない膜厚の厚いシリカ膜を形成することが可能となる点でより好ましい。
なお、シリカ膜の有機残渣の測定は、特に限定されないが例えばフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて透過法、反射法などにより行なうことができる。得られる赤外線吸収スペクトルには、各種官能基固有の吸収が見られ、特に強い吸収を示すメチル基の非対称CH伸縮に相当する2960cm−1の吸光度を測定することで膜の有機残渣を評価することができる。
なお、シリカフィラーの平均粒径は1〜100nmであることが好ましく、10〜20nmであることがより好ましい。
次に、プレカーサを基体に塗布する工程について説明する。
プレカーサの塗布は、特に限定されないが、例えばスピンコーティング、ディップコーティング又はスプレーコーティングなどを用いることができる。プレカーサが膜状になると溶媒は揮発し、シリコンアルコキシドの加水分解・脱水縮重合物が基体上に残存する。基体上に塗布するプレカーサの量としては、膜厚が1〜10μmとなるように塗布することが好ましく、膜厚が2〜8μmとなるように塗布することがより好ましい。
また、用いる基体の形状には制限はなく、平板状、ドーム状、リング状又は管状などいかなる形状にも対応できる。
次に、プレカーサに紫外線を照射する工程について説明する。
照射する紫外線は波長が150〜200nmであることが好ましい。波長が150〜200nmの紫外線によりSi−O結合は保持したまま、紫外線のエネルギーよりも小さいエネルギーの結合が選択的に切断されるため、シリカ膜を形成することができる。例えば波長が172nmであるXeエキシマランプで照射して行うことができる。この際、紫外線照射時の温度は室温下で行なうことができるし、必要に応じて室温より高温や低温にしてもよい。また、紫外線照射時の圧力は大気雰囲気下で行うことができるし、必要に応じて大気圧より高圧や低圧にしてもよい。
紫外線の照射時間は特に限定されないが、シリカ膜中の有機残渣を少なくしたい場合は十分な時間照射を行うことが好ましい。使用する装置や照射条件により必要な照射時間は変わるが、FT−IRにより測定される非対称CH伸縮に相当する2960cm−1の吸光度が0.02以下にすることができる時間であることが好ましく、0.01以下にすることができる時間であることがより好ましい。
このような有機残渣が少ないシリカ膜は耐熱性が高く、高温で用いることが可能であり、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置、またはMicro Electro−Mechanical Systems(MEMS)製造装置用の部材や、光学部材などに利用することができる。具体的には、熱処理装置、CVD装置などの成膜装置、エッチング装置などに利用されるボート、石英管、または台座などの石英ガラス部材や、光学セル、光学レンズなどが挙げられる。上記のような部材は、基材の全面または一部にシリカ膜が形成されていてもよい。
本発明によるシリカ膜形成方法を用いることで、膜厚が厚くクラックの発生を抑えたシリカ膜を容易に形成することが可能となる。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
実施例1
攪拌可能な反応容器中に、溶液Aとしてテトラエトキシシラン(TEOS)85g(0.41mol)、イソプロピルアルコール24.5gを加えよく混合した。また、溶液Bとして、水14.5g(0.81mol)、イソプロピルアルコール24.5g、塩酸(36wt%)0.41gをよく混合した。溶液Aの入った反応容器を氷水浴中でよく攪拌しながら、ビュレットを用いて溶液Bを2時間かけて滴下、混合し加水分解した。本条件は、テトラエトキシシランに対して2倍モル量の水を混合している。さらに、反応容器の口に冷却管を装着し、溶媒が還流されるようにしてから、80℃の湯浴中でよく攪拌しながら、脱水縮重合を0.5時間行なったものをプレカーサとした。
石英ガラス板(20mm×20mm×2mm)を基体とし、上記プレカーサをスピンコータ(ミカサ(株)製、商品名「MS−A100」)により塗布膜厚が5μmになるように塗布した。塗布後、溶媒のイソプロピルアルコールが揮発したことを確認した。このサンプルをランプから18mmの位置に置き、45mW/cmのXeエキシマ光(波長172nm)を用い、大気雰囲気下、大気圧下で、60分間照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmのクラックの発生が抑えられたシリカ膜を得ることができた。
実施例2
実施例1と同様の加水分解をした後、実施例1と同様の脱水縮重合を2時間行なったものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例1と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)を照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmのクラックの発生が抑えられたシリカ膜を得ることができた。
実施例3
実施例1と同様の加水分解をした後、実施例1と同様の脱水縮重合を5時間行なったものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例1と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)を照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmのクラックの発生が抑えられたシリカ膜を得ることができた。
比較例1
実施例1と同様の加水分解をして、脱水縮重合を行わないものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例1と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)を照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmの膜が得られたが、クラックが発生した。
比較例2
攪拌可能な反応容器中に、溶液Aとしてテトラエトキシシラン(TEOS)75g(0.36mol)、イソプロピルアルコール21.6gを加えよく混合した。また、溶液Bとして、水25.7g(1.42mol)、イソプロピルアルコール21.6g、塩酸(36wt%)0.36gをよく混合した。溶液Aの入った反応容器を氷水浴中でよく攪拌しながら、ビュレットを用いて溶液Bを2時間かけて滴下、混合し加水分解した。本条件は、テトラエトキシシランに対して4倍モル量の水を混合している。これをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例1と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)を照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmの膜が得られたが、クラックが発生した。
比較例3
比較例2と同様の加水分解をした後、さらに、反応容器の口に冷却管を装着し、溶媒が還流されるようにしてから、80℃の湯浴中でよく攪拌しながら、3時間、脱水縮重合を行ったものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例1と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmの膜が得られたが、クラックが発生した。
比較例4
比較例2と同様の加水分解をした後、さらに、反応容器の口に冷却管を装着し、溶媒が還流されるようにしてから、80℃の湯浴中でよく攪拌しながら、5時間、脱水縮重合を行ったものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例1と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)を照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmの膜が得られたが、クラックが発生した。
比較例5
実施例1と同様のイソプロピルアルコールを含んだままの加水分解・脱水縮重合液0.30gに、イソプロピルアルコールに分散したシリカフィラースラリー(日産化学社製 商品名「オルガノシリカゾルIPA−ST」固形分濃度30wt% 粒径10〜20nm)1.98gをよく混合し、イソプロピルアルコール除去後、シリカフィラー濃度が60vol%となるものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布した時点で、プレカーサはクラックが発生してしまった。
比較例6
実施例1と同様のイソプロピルアルコールを含んだままの加水分解・脱水縮重合液0.15gに、比較例5と同様のイソプロピルアルコールに分散したシリカフィラースラリー2.64gをよく混合し、イソプロピルアルコール除去後、シリカフィラー濃度が80vol%となるものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布した時点で、プレカーサはクラックが発生してしまった。
比較例7
比較例2と同様のイソプロピルアルコールを含んだままの加水分解・脱水縮重合液0.70gに、比較例5と同様のイソプロピルアルコールに分散したシリカフィラースラリー1.20gをよく混合し、イソプロピルアルコール除去後、シリカフィラー濃度が30vol%となるものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布した時点で、プレカーサはクラックが発生してしまった。
実施例1〜3、比較例1〜7の結果を表1にまとめた。
Figure 2013032231
実施例4
実施例1と同様のイソプロピルアルコールを含んだままの加水分解・脱水縮重合液1.40gに、比較例5と同様のイソプロピルアルコールに分散したシリカフィラースラリー0.69gをよく混合し、イソプロピルアルコール除去後、シリカフィラー濃度が10vol%となるものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例1と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)を、320分間照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmのクラックの発生がないシリカ膜を得ることができた。またこのシリカ膜をフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(島津製作所社製 IRPrestige−21)を用い、メチル基の非対称CH伸縮に相当する2960cm−1の吸光度を測定したところ、0.013だった。
実施例5
実施例1と同様のイソプロピルアルコールを含んだままの加水分解・脱水縮重合液0.70gに、実施例4と同様のイソプロピルアルコールに分散したシリカフィラースラリー1.32gをよく混合し、イソプロピルアルコール除去後、シリカフィラー濃度が30vol%となるものをプレカーサとした。
実施例4と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例4と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)を320分間照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmのクラックの発生がないシリカ膜を得ることができた。またこのシリカ膜を実施例4と同様の方法で、メチル基の非対称CH伸縮に相当する2960cm−1の吸光度を測定したところ、0.004だった。
実施例6
実施例1と同様のイソプロピルアルコールを含んだままの加水分解・脱水縮重合液0.40gに、実施例4と同様のイソプロピルアルコールに分散したシリカフィラースラリー1.76gをよく混合しし、イソプロピルアルコール除去後、シリカフィラー濃度が50vol%となるものをプレカーサとした。
実施例4と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例1と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)を320分間照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmのクラックの発生がないシリカ膜を得ることができた。またこのシリカ膜を実施例4と同様の方法で、メチル基の非対称CH伸縮に相当する2960cm−1の吸光度を測定したところ、0.001以下だった。
参考例1
実施例1で得られたシリカ膜をFT−IRを用い、メチル基の非対称CH伸縮に相当する2960cm−1の吸光度を測定したところ、0.038だった。
参考例2
実施例1と同様のイソプロピルアルコールを含んだままの加水分解・脱水縮重合液0.70gに、実施例4と同様のイソプロピルアルコールに分散したシリカフィラースラリー1.32gをよく混合し、イソプロピルアルコール除去後、シリカフィラー濃度が30vol%となるものをプレカーサとした。
実施例1と同様の方法で上記プレカーサを塗布し、実施例1と同様の方法でXeエキシマ光(波長172nm)を5分間照射した。プレカーサは硬化し、膜厚2μmのクラックの発生がないシリカ膜を得ることができたが、このシリカ膜をFT−IRを用い、メチル基の非対称CH伸縮に相当する2960cm−1の吸光度を測定したところ、0.024だった。
実施例4〜6及び参考例1、2の結果を表2にまとめた。
Figure 2013032231
膜厚が厚くクラックの発生を抑えたシリカ膜を容易に形成することができ、さらに適量のフィラーを混合することによって有機残渣が少なくクラックの発生を抑えた膜厚の厚いシリカ膜を容易に形成することができ、半導体製造装置などに好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. シリコンアルコキシドに対して1〜3倍モル量の水を用いて、溶媒中でシリコンアルコキシドを加水分解した後、同加水分解物を0.5時間以上脱水縮重合したものにシリカフィラーを0〜50vol%になるように添加してプレカーサを製造する工程と、基体に前記プレカーサを塗布する工程と、前記基体に紫外線を照射する工程とを含んでなることを特徴とするシリカ膜の形成方法。
  2. 紫外線の照射が、Xeランプにより行われることを特徴とする請求項1記載のシリカ膜の形成方法。
  3. シリカ膜の膜厚が1μm以上となるようにプレカーサを塗布することを特徴とする請求項1または2記載のシリカ膜の形成方法。
  4. シリコンアルコキシドがテトラエトキシシランであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ膜の形成方法。
  5. シリカフィラーの平均粒径が1〜100nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ膜の形成方法。
  6. 溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール又はt−ブチルアルコールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシリカ膜の形成方法。
  7. 溶媒が、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール又はt−ブチルアルコールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシリカ膜の形成方法。
  8. シリカフィラーの濃度が全体の10〜50vol%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシリカ膜の形成方法。
  9. 請求項8に記載のシリカ膜の形成方法によって形成されるシリカ膜であってFT−IRを用いて測定されるメチル基の非対称CH伸縮に相当する2960cm−1の吸光度が0.02以下であることを特徴とするシリカ膜。
  10. 請求項9に記載のシリカ膜が表面の一部または全部に形成されていることを特徴とする半導体製造装置用部材。
  11. 請求項9に記載のシリカ膜が表面の一部または全部に形成されていることを特徴とするFPD製造装置用部材。
  12. 請求項9に記載のシリカ膜が表面の一部または全部に形成されていることを特徴とするMEMS製造装置用部材。
  13. 請求項9に記載のシリカ膜が表面の一部または全部に形成されていることを特徴とする光学部材。
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