JP2013032096A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】後進走行中のエンジンの始動によるショックの発生を抑制する。
【解決手段】ハイブリッド車両1は、エンジン10と、エンジン10を始動させるための第1MG20と、駆動軸16に連結される第2MG30と、駆動輪80に連結される駆動軸16、エンジン10の出力軸および第1MG20の回転軸の三要素の各々を機械的に連結し、三要素のうちのいずれか一つを反力要素とすることによって、他の2つの要素間での動力伝達が可能な動力分割装置40と、所定条件が成立したときにエンジン10の始動を禁止するためのECU200とを含む。所定条件は、シフトポジションが後進走行ポジションに切り換えられてからの経過時間が所定時間以内であるという条件と、制動装置151が操作されていないという条件と、車両1の後進方向の要求駆動力を発生させるための第2MG30の後進トルクの大きさがエンジン10の始動時に第2MG30を用いて後進トルクと逆方向に発生させる反力トルクの大きさよりも小さいという条件とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、後進時のハイブリッド車両の制御に関する。
駆動用回転電機と内燃機関とを搭載したハイブリッド車両において、車両の走行状態に基づいてエンジンの始動または停止を禁止する技術が公知である。たとえば、特開2000−320365号公報(特許文献1)には、後進走行時にエンジンの停止を禁止する技術が開示される。
特開2000−320365号公報
ところで、駆動用回転電機において、後進走行させるために発生させる後進トルクと、エンジンを始動させるための反力として発生させる反力トルクとが逆方向となる場合には、後進走行中にエンジンを始動させると、駆動用回転電機の出力トルクの符号が反転して車両にショックが発生する可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、後進走行中のエンジンの始動によるショックの発生を抑制するハイブリッド車両を提供することである。
この発明のある局面に係るハイブリッド車両は、内燃機関と、内燃機関を始動させるための第1回転電機と、駆動輪に連結される駆動軸と、駆動軸に連結される第2回転電機と、駆動軸、内燃機関の出力軸および第1回転電機の回転軸の三要素の各々を機械的に連結し、三要素のうちのいずれか一つを反力要素とすることによって、他の2つの要素間での動力伝達が可能な動力伝達装置と、所定条件が成立したときに内燃機関の始動を禁止するための制御部とを含む。所定条件は、シフトポジションが後進走行ポジションに切り換えられてからの経過時間が所定時間以内であるという条件と、制動装置が操作されていないという条件と、車両の後進方向の要求駆動力を発生させるための第2回転電機の後進トルクの大きさが内燃機関の始動時に第2回転電機を用いて後進トルクと逆方向に発生させる反力トルクの大きさよりも小さいという条件とを含む。
本発明によると、シフトポジションが後進走行ポジションである場合において、車両の後進方向の要求駆動力を発生させるための第2回転電機の後進トルクの大きさが内燃機関の始動時に第2回転電機を用いて後進トルクと逆方向に発生させる反力トルクの大きさよりも小さい場合に内燃機関の始動を禁止することによって、内燃機関の始動時に駆動用回転電機において発生させる反力トルクに起因した車両のショックの発生を抑制することができる。したがって、後進走行中のエンジンの始動によるショックの発生を抑制するハイブリッド車両を提供することができる。
本実施の形態に係るハイブリッド車両の全体構成図である。 第1MGの回転速度とエンジン回転速度と第2MGの回転速度との関係を示す共線図である。 後進走行時にエンジンが始動する場合の第2MGの出力トルクの変化を示すタイミングチャートである。 本実施の形態に係るハイブリッド車両に搭載されるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態は、説明される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
図1を参照して、本実施の形態に係るハイブリッド車両1(以下、単に車両1と記載する)の全体ブロック図が説明される。車両1は、エンジン10と、駆動軸16と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する)20と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する)30と、動力分割装置40と、減速機58と、PCU(Power Control Unit)60と、バッテリ70と、駆動輪80と、スタートスイッチ150と、制動装置151と、ECU(Electronic Control Unit)200とを含む。
この車両1は、エンジン10および第2MG30の少なくとも一方から出力される駆動力によって走行する。エンジン10が発生する動力は、動力分割装置40によって2経路に分割される。2経路のうちの一方の経路は減速機58を介して駆動輪80へ伝達される経路であり、他方の経路は第1MG20へ伝達される経路である。
第1MG20および第2MG30は、たとえば、三相交流回転電機である。第1MG20および第2MG30は、PCU60によって駆動される。
第1MG20は、動力分割装置40によって分割されたエンジン10の動力を用いて発電してPCU60を経由してバッテリ70を充電するジェネレータとしての機能を有する。また、第1MG20は、バッテリ70からの電力を受けてエンジン10の出力軸であるクランク軸を回転させる。これによって、第1MG20は、エンジン10を始動するスタータとしての機能を有する。
第2MG30は、バッテリ70に蓄えられた電力および第1MG20により発電された電力の少なくともいずれか一方を用いて駆動輪80に駆動力を与える駆動用モータとしての機能を有する。また、第2MG30は、回生制動によって発電された電力を用いてPCU60を経由してバッテリ70を充電するためのジェネレータとしての機能を有する。
エンジン10は、たとえば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。エンジン10は、複数の気筒102と、複数の気筒102の各々に燃料を供給する燃料噴射装置104とを含む。なお、気筒102は、一つ以上あればよい。
燃料噴射装置104は、ECU200からの制御信号S1に基づいて、各気筒に対して適切な時期に適切な量の燃料を噴射したり、各気筒に対する燃料の噴射を停止したりする。
さらに、エンジン10のクランク軸に対向した位置には、エンジン回転速度センサ11が設けられる。エンジン回転速度センサ11は、エンジン10のクランク軸の回転速度(以下、エンジン回転速度と記載する)Neを検出する。エンジン回転速度センサ11は、検出されたエンジン回転速度Neを示す信号をECU200に送信する。
動力分割装置40は、駆動輪80に連結される駆動軸16、エンジン10の出力軸および第1MG20の回転軸の三要素の各々を機械的に連結する動力伝達装置である。動力分割装置40は、上述の三要素のうちのいずれか一つを反力要素とすることによって、他の2つの要素間での動力の伝達を可能とする。第2MG30の回転軸は、駆動軸16に連結される。
動力分割装置40は、サンギヤ50と、ピニオンギヤ52と、キャリア54と、リングギヤ56とを含む遊星歯車機構である。ピニオンギヤ52は、サンギヤ50およびリングギヤ56の各々と噛み合う。キャリア54は、ピニオンギヤ52を自転可能に支持するとともに、エンジン10のクランク軸に連結される。サンギヤ50は、第1MG20の回転軸に連結される。リングギヤ56は、駆動軸16を介在して第2MG30の回転軸および減速機58に連結される。
減速機58は、動力分割装置40や第2MG30からの動力を駆動輪80に伝達する。また、減速機58は、駆動輪80が受けた路面からの反力を動力分割装置40や第2MG30に伝達する。
PCU60は、バッテリ70に蓄えられた直流電力を第1MG20および第2MG30を駆動するための交流電力に変換する。PCU60は、ECU200からの制御信号S2に基づいて制御されるコンバータおよびインバータ(いずれも図示せず)を含む。コンバータは、バッテリ70から受けた直流電力の電圧を昇圧してインバータに出力する。インバータは、コンバータが出力した直流電力を交流電力に変換して第1MG20および/または第2MG30に出力する。これにより、バッテリ70に蓄えられた電力を用いて第1MG20および/または第2MG30が駆動される。また、インバータは、第1MG20および/または第2MG30によって発電される交流電力を直流電力に変換してコンバータに出力する。コンバータは、インバータが出力した直流電力の電圧を降圧してバッテリ70へ出力する。これにより、第1MG20および/または第2MG30により発電された電力を用いてバッテリ70が充電される。なお、コンバータは、省略してもよい。
バッテリ70は、蓄電装置であり、再充電可能な直流電源である。バッテリ70としては、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池が用いられる。バッテリ70の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ70は、上述したように第1MG20および/または第2MG30により発電された電力を用いて充電される他、外部電源(図示せず)から供給される電力を用いて充電されてもよい。なお、バッテリ70は、二次電池に限らず、直流電圧を生成できるもの、たとえば、キャパシタ、太陽電池、燃料電池等であってもよい。
バッテリ70には、電池温度センサ156と、電流センサ158と、電圧センサ160とが設けられる。
電池温度センサ156は、バッテリ70の電池温度TBを検出する。電池温度センサ156は、電池温度TBを示す信号をECU200に送信する。
電流センサ158は、バッテリ70の電流IBを検出する。電流センサ158は、電流IBを示す信号をECU200に送信する。
電圧センサ160は、バッテリ70の電圧VBを検出する。電圧センサ160は、電圧VBを示す信号をECU200に送信する。
スタートスイッチ150は、たとえば、プッシュ式スイッチである。スタートスイッチ150は、キーをキーシリンダに差し込んで所定の位置まで回転させるものであってもよい。スタートスイッチ150は、ECU200に接続される。運転者がスタートスイッチ150を操作することに応じて、スタートスイッチ150は、信号STをECU200に送信する。
第1レゾルバ12は、第1MG20に設けられる。第1レゾルバ12は、第1MG20の回転速度Nm1を検出する。第1レゾルバ12は、検出された回転速度Nm1を示す信号をECU200に送信する。
第2レゾルバ13は、第2MG30に設けられる。第2レゾルバ13は、第2MG30の回転速度Nm2を検出する。第2レゾルバ13は、検出された回転速度Nm2を示す信号をECU200に送信する。
車輪速センサ14は、駆動輪80の回転速度Nwを検出する。車輪速センサ14は、検出された回転速度Nwを示す信号をECU200に送信する。ECU200は、受信した回転速度Nwに基づいて車両1の速度Vを算出する。なお、ECU200は、回転速度Nwに代えて第2MG30の回転速度Nm2に基づいて車両1の速度Vを算出するようにしてもよい。
ブレーキペダル166は、運転席に設けられる。ブレーキペダル166には、ブレーキペダル踏力センサ168が設けられる。ブレーキペダル踏力センサ168は、ブレーキペダル166に対する乗員の踏力Pbを検出する。ブレーキペダル踏力センサ168は、検出した踏力Pbを示す信号をECU200に送信する。ブレーキペダル踏力センサ168は、たとえば、ブレーキペダル166に連結されるマスターシリンダ内の油圧を踏力Pbとして検出してもよい。また、ブレーキペダル踏力センサ168に代えてブレーキペダル166の踏み込み量を検出するストロークセンサを用いてもよい。
アクセルペダル170は、運転席に設けられる。アクセルペダル170には、ペダルストロークセンサ172が設けられる。ペダルストロークセンサ172は、アクセルペダル170のストローク量APを検出する。ペダルストロークセンサ172は、ストローク量APを示す信号をECU200に送信する。
制動装置151は、ブレーキアクチュエータ152と、ディスクブレーキ154とを含む。ディスクブレーキ154は、車輪と一体的に回転するブレーキディスクと、油圧を用いてブレーキディスクの回転を制限するブレーキキャリパとを含む。ブレーキキャリパは、ブレーキディスクを回転軸と平行な方向で挟み込むように設けられるブレーキパッドと、油圧をブレーキパッドに伝達するためのホイールシリンダとを含む。ブレーキアクチュエータ152は、ECU200から受信する制御信号S3に基づいて、運転者がブレーキペダルを踏み込むことによって発生する油圧と、ポンプおよび電磁弁等を用いて発生する油圧とを調整してホイールシリンダに供給される油圧を調整する。図1において、ディスクブレーキ154は、後輪の右側にのみ図示されるが、ディスクブレーキ154は、各車輪毎に設けられるものとする。また、ディスクブレーキ154に代えてドラムブレーキを用いてもよい。
シフトレバー162は、運転者が複数のシフトポジションのうちのいずれか一つを選択するため操作部材である。複数のシフトポジションは、たとえば、パーキングポジションと、ニュートラルポジションと、前進走行ポジションと、後進走行ポジション(以下、Rポジションとも記載する)とを含む。シフトレバーは、たとえば、モーメンタリタイプのシフトレバーである。なお、パーキングポジションを選択するためのパーキングポジションスイッチがシフトレバーとは別に設けられていてもよい。
シフトレバー162には、シフトレバー162の位置を検出するためのシフトポジションセンサ164が設けられる。シフトポジションセンサ164は、シフトレバー162の位置を示す信号SHTをECU200に送信する。ECU200は、シフトポジションセンサ164から受信した信号SHTに基づいて複数のシフトポジションのうちのいずれのシフトポジションが選択されているかを判定する。
ECU200は、エンジン10を制御するための制御信号S1を生成し、その生成した制御信号S1をエンジン10へ出力する。また、ECU200は、PCU60を制御するための制御信号S2を生成し、その生成した制御信号S2をPCU60へ出力する。さらに、ECU200は、ブレーキアクチュエータ152を制御するための制御信号S3を生成し、その生成した制御信号S3をブレーキアクチュエータ152へ出力する。
ECU200は、エンジン10およびPCU60等を制御することによって車両1が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体、すなわち、バッテリ70の充放電状態、エンジン10、第1MG20および第2MG30の動作状態を制御する。
ECU200は、運転席に設けられたアクセルペダル170のストローク量APに対応する要求駆動力を算出する。ECU200は、算出された要求駆動力に応じて、第1MG20および第2MG30のトルクと、エンジン10の出力とを制御する。
上述したような構成を有する車両1においては、発進時や低速走行時等であってエンジン10の効率が悪い場合には、第2MG30のみによる走行が行なわれる。また、通常走行時には、たとえば動力分割装置40によりエンジン10の動力が2経路の動力に分けられる。一方の動力で駆動輪80が直接的に駆動される。他方の動力で第1MG20を駆動して発電が行なわれる。このとき、ECU200は、発電された電力を用いて第2MG30を駆動させる。このように第2MG30を駆動させることにより駆動輪80の駆動補助が行なわれる。
車両1の減速時には、駆動輪80の回転に従動する第2MG30がジェネレータとして機能して回生制動が行なわれる。回生制動によって回収した電力は、バッテリ70に蓄えられる。なお、ECU200は、バッテリ70の残容量(以下の説明においては、SOC(State of Charge)と記載する)が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン10の出力を増加させて第1MG20による発電量を増加させる。これにより、バッテリ70のSOCが増加させられる。また、ECU200は、低速走行時でも必要に応じてエンジン10からの駆動力を増加させる制御を行なう場合もある。たとえば、上述のようにバッテリ70の充電が必要な場合や、エアコン等の補機が駆動される場合や、エンジン10の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合等である。
また、ECU200は、アクセルペダル170が踏み込まれていない場合(アクセルペダルの踏み込み量が所定値よりも小さい場合)、車両1に所定の駆動力を第2MG30を用いて発生させる。所定の駆動力は、トルクコンバータを有する自動変速機が搭載された車両において生じるクリープ力と同様の駆動力である。以下の説明において、アクセルペダル170が踏み込まれていない場合に車両1に発生させられる駆動力をクリープ力と記載し、このときの第2MG30において発生させられるトルクをクリープトルクと記載する。
ECU200は、シフトポジションが前進走行ポジションである場合には、車両1の前進方向にクリープ力が発生するように第2MG30を制御する。また、ECU200は、シフトポジションがRポジションである場合には、車両1の後進方向にクリープ力が発生するように第2MG30を制御する。
上述した構成を有する車両1においては、車両1の走行中に停止状態のエンジン10を始動させる場合には、第2MG30に反力トルクを発生させるとともに第1MG20を用いてエンジン回転速度Neを引き上げてクランキングさせる必要がある。
しかしながら、車両1の後進走行中にエンジン10を始動させる場合には、車両1にショックが発生する場合がある。
たとえば、図2の実線に示すように、車両1がエンジン10を停止させた状態でクリープ力により後進走行している場合を想定する。
ECU200は、エンジン10の始動が要求される場合には、図2の破線に示すように、反力トルクが発生するように第2MG30を制御するとともに、エンジン回転速度Neが初爆可能な所定の回転速度Ne(0)になるまで第1MG20の回転速度Nm1が上昇するように第1MG20を制御する。
このとき、第2MG30における反力トルクは、後進側のクリープトルクの大きさよりも大きく、かつ、クリープトルクの逆方向のトルクである。
そのため、図3に示すように、たとえば、時間T(0)にて、エンジン10の始動が要求されて、第2MG30において反力トルクを発生させる場合には、第2MG30の出力トルクの符号が負側から正側に反転することとなる。
さらに、時間T(1)にて、エンジン10の始動が完了して、第2MGにおける反力トルクが解消する場合には、第2MG30の出力トルク符号は、正側から負側に再度反転することとなる。
その結果、トルク変動が生じるとともに、駆動輪80から第2MG30までの動力伝達経路上の駆動部品(以下、単に駆動系と記載する))のガタ(バックラッシュ)が後進方向に詰まった状態から前進方向に詰まった状態へと移行する過程および駆動系のガタが前進方向に詰まった状態から後進方向に詰まった状態へと移行する過程の各々において、上述の駆動系に含まれるギヤの歯部同士の衝突等に起因するショックが発生する。
そこで、本実施の形態においては、ECU200が、シフトポジションがRポジションに切り換えられてからの経過時間が所定時間以内であるという条件と、制動装置151が操作されていないという条件と、車両1の後進方向の要求駆動力を発生させる第2MG30回転電機の後進トルクの大きさがエンジン10の始動時に第2MG30を用いて発生させる反力トルクの大きさよりも小さいという条件とを含む所定条件が成立したときにエンジン10の始動を禁止する点に特徴を有する。
図4を参照して、本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU200は、シフトポジションがRポジションであるか否かを判定する。ECU200は、たとえば、シフトレバー162の位置に基づいてシフトポジションがRポジションであるか否かを判定してもよい。あるいは、たとえば、シフトレバー162がモーメンタリタイプである場合には、ECU200は、シフトポジションが切り換えられる毎に最新のシフトポジションに更新されるメモリの記憶領域を参照して、現在のシフトポジションがRポジションであるか否かを判定してもよい。
シフトポジションがRポジションである場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、処理はS110に移される。
S102にて、ECU200は、シフトポジションがRポジションに切り換えられてからの経過時間が所定時間Ta以内であるか否かを判定する。所定時間Taは、たとえば、一定の時間であってもよいし、変動する時間であってもよい。所定時間Taは、エンジン10の始動禁止状態を継続できる時間の上限値以下の時間である。所定時間Taは、たとえば、エンジン10を停止させた状態で第2MG30を用いて車両1を連続して後進走行させることが可能な時間の上限値であってもよい。
なお、ECU200は、バッテリ70のSOCに基づいて所定時間Taを決定してもよい。ECU200は、たとえば、バッテリ70のSOCが低くなるほど時間が短くなるように所定時間Taを決定してもよい。
ECU200は、バッテリ70の電流IBと、電圧VBと、電池温度TBとに基づいてバッテリ70のSOCを推定する。ECU200は、たとえば、電流IBと、電圧VBと、電池温度TBとに基づいてOCV(Open Circuit Voltage)を推定し、推定されたOCVと所定のマップとに基づいてバッテリ70のSOCを推定してもよい。あるいは、ECU200は、たとえば、バッテリ70の充電電流と放電電流とを積算することによってバッテリ70のSOCを推定してもよい。
シフトポジションがRポジションに切り換えられてからの経過時間が所定時間Ta以内である場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでない場合(S102にてNO)、処理はS110に移される。
S104にて、ECU200は、シフトポジションがRポジションに切り換えられてからの経過時間が所定時間Tb以内であって、かつ、制動装置151が操作されていない状態(ブレーキオフ)であるか否かを判定する。所定時間Tbは、所定時間Taよりも短い時間である。ECU200は、たとえば、ブレーキペダル166の踏力Pbがしきい値Pb(0)よりも小さい場合に、制動装置151が操作されていない状態であると判定する。
シフトポジションがRポジションに切り換えられてからの経過時間が所定時間Tb以内であって、かつ、制動装置151が操作されていない状態である場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでない場合(S104にてNO)、処理はS110に移される。
S106にて、ECU200は、車両1の後進方向の要求駆動力を発生させるための第2MG30の後進トルクTm2の大きさがしきい値Tm2(0)以内であるか否かを判定する。車両1の後進方向の要求駆動力は、アクセルペダル170のストローク量APと、車両1の速度Vとに基づいて決定される。たとえば、ECU200は、アクセルペダル170のストローク量APと、車両1の速度Vと、所定のマップとから要求駆動力を決定する。所定のマップは、アクセルペダル170のストローク量APと、車両1の速度Vと、要求駆動力との関係を示すマップである。
しきい値Tm2(0)は、エンジン10の始動時に第2MG30において反力トルクを作用させる場合に、第2MG30の出力トルクの符号が反転するか否かを判定するための値である。しきい値Tm2(0)は、少なくともエンジン10の始動時に第2MG30において発生させる反力トルクの大きさ以上の値である。
第2MG30の後進トルクの大きさがしきい値Tm2(0)以内である場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでない場合(S106にてNO)、処理はS110に移される。
S108にて、ECU200は、エンジン10の始動を禁止する。この場合、仮にシフトポジションが前進走行ポジションであったとした場合にエンジン10の始動が許可されるような状況下においても、ECU200は、エンジン10の始動を禁止する。
S110にて、ECU200は、エンジン10の始動を許可する。この場合、ECU200は、エンジン10を始動が許可された場合に、エンジン10が停止中である場合には、エンジン10を始動させるようにしてもよい。あるいは、ECU200は、仮にシフトポジションが前進走行ポジションであったとした場合にエンジン10の始動が許可されるような状況と同じ状況になった場合にエンジン10を始動させるようにしてもよい。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200の動作について説明する。
たとえば、シフトポジションとしてRポジションが選択されている場合を想定する(S100にてYES)。運転者がアクセルペダル170の踏み込みを解除した状態においては、車両1の後進方向にクリープ力が発生するように第2MG30においてクリープトルクが発生させられる。シフトポジションがRポジションに切り換えられてからの経過時間が所定時間Tb以内であって、かつ、制動装置151が操作されていない状態である場合(S102にてYES,かつ、S104にてYES)、後進トルクTm2の大きさがしきい値Tm2(0)以内であるため(S106にてYES)、エンジン10の始動が禁止される(S108)。
そのため、エンジン10の始動時の反力トルクに起因したショックが車両1に発生することが抑制される。
一方、たとえば、シフトポジションとしてRポジションが選択されている場合において、運転者がアクセルペダル170を踏み込んだ状態で、車両1を後進させている場合において、後進トルクTm2がしきい値Tm2(0)よりも大きいときには(S106にてNO)、エンジン10の始動は許可される。このとき、エンジン10の始動時に第2MG30に反力トルクを作用させても、後進トルクTm2の大きさが反力トルクの大きさよりも大きいため、第2MG30の出力トルクの符号が反転することが抑制される。
また、たとえば、シフトポジションとしてRポジションが選択されている場合において、ブレーキペダル166が踏み込まれた場合には(S104にてNO)、エンジン10の始動時に第2MG30の反力トルクを作用させても、ブレーキペダル166によって車両1の移動が制限されるため、ショックの発生が抑制される。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両1によると、シフトポジションがRポジションである場合において、車両1の後進方向の要求駆動力を発生させるための第2MG30の後進トルクの大きさがエンジン10の始動時に第2MG30を用いて後進トルクと逆方向に発生させる反力トルクの大きさよりも小さい場合にエンジン10の始動を禁止することによって、エンジン10の始動時に第2MG30において発生させる反力トルクに起因した車両のショックの発生を抑制することができる。したがって、後進走行中のエンジンの始動によるショックの発生を抑制するハイブリッド車両を提供することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ハイブリッド車両、10 エンジン、11 エンジン回転速度センサ、12,13 レゾルバ、14 車輪速センサ、16 駆動軸、20,30 MG、40 動力分割装置、50 サンギヤ、52 ピニオンギヤ、54 キャリア、56 リングギヤ、58 減速機、60 PCU、70 バッテリ、80 駆動輪、102 気筒、104 燃料噴射装置、150 スタートスイッチ、151 制動装置、152 ブレーキアクチュエータ、154 ディスクブレーキ、156 電池温度センサ、158 電流センサ、160 電圧センサ、162 シフトレバー、164 シフトポジションセンサ、166 ブレーキペダル、168 ブレーキペダル踏力センサ、170 アクセルペダル、172 ペダルストロークセンサ、200 ECU。

Claims (1)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関を始動させるための第1回転電機と、
    駆動輪に連結される駆動軸と、
    前記駆動軸に連結される第2回転電機と、
    前記駆動軸、前記内燃機関の出力軸および前記第1回転電機の回転軸の三要素の各々を機械的に連結し、前記三要素のうちのいずれか一つを反力要素とすることによって、他の2つの要素間での動力伝達が可能な動力伝達装置と、
    所定条件が成立したときに前記内燃機関の始動を禁止するための制御部とを含み、
    前記所定条件は、シフトポジションが後進走行ポジションに切り換えられてからの経過時間が所定時間以内であるという条件と、制動装置が操作されていないという条件と、車両の後進方向の要求駆動力を発生させるための前記第2回転電機の後進トルクの大きさが前記内燃機関の始動時に前記第2回転電機を用いて前記後進トルクと逆方向に発生させる反力トルクの大きさよりも小さいという条件とを含む、ハイブリッド車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016084067A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車

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