JP2013032091A - 車両の側部衝撃吸収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】側面衝突後半での腰部への入力を低減できる車両の側部衝撃吸収装置の提供。
【解決手段】車両の側部衝撃吸収装置10は、ドアトリム18と、インパクトバー20と、衝撃吸収部材30と、サイドエアバッグ50と、を備える。衝撃吸収部材30のうち展開したサイドエアバッグ50の下端部52と車両側面視でラップする部分を含む領域には上方に開放する切欠き32が形成されている。ドアトリム18は切欠き32と車両側面視でラップする部分に形成された脆弱部24を有する。衝突後半においては、インパクトバー20からの入力とサイドエアバッグ50からの反力との剪断力で脆弱部24を起点に破断し、サイドエアバッグ50から乗員の腰上腸骨部62aおよび腹下部64への入力が低減する。衝撃吸収部材30の車両側面視でインパクトバー20とラップする部分に突出部40を設けると、側面衝突前半に乗員腰部を早期に拘束できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の側部衝撃吸収装置に関し、車両側面衝突後半におけるサイドエアバッグから乗員腰部および腹下部への入力を低減できる側部衝撃吸収装置に関する。
特許文献1は、従来の側部衝撃吸収装置の一例を開示している。該装置では、サイドドアのアウタパネルとインナパネルとの間にインパクトバーが設けられ、インナパネルとドアトリム間に腰部衝撃吸収パッドが設けられ、車両側面視でインパクトバーとラップしない位置にサイドエアバッグユニットが配置されている。
上記の従来装置では、衝突してくる相手車両(以下、加害車両という)から側面衝突された際、加害車両のバンパがインパクトバーを車室内側に変形させ、インナパネル、腰部衝撃吸収パッド、ドアトリムを車室側に押し込み、腰部側方に展開したサイドエアバッグに入力を与え、乗員の腰部を拘束する。
特開2009−173139号公報
しかし、上記の従来装置には、つぎの問題がある。
側面衝突時に腰部衝撃吸収パッドを介してドアトリム全体を乗員腰部側に撓ませているので、衝突後半のサイドエアバッグからの腰上腸骨部および腹下部への入力を低減することができない。
本発明の目的は、車両側面衝突後半におけるサイドエアバッグから乗員の腰上腸骨部および腹下部への入力を低減できる側部衝撃吸収装置を提供することにある。
(1)本発明の車両の側部衝撃吸収装置は、アウタパネルとインナパネルと該インナパネルの室内側に位置するドアトリムとを有するサイドドアと、
サイドドアのアウタパネルに沿ってドア内に配置されたインパクトバーと、
サイドドアのドアトリムの裏面に配置され車両側面視でインパクトバーとラップする部分を有する乗員腰部保護用の衝撃吸収部材と、
側面衝突時にドアトリムと乗員側部との間に展開膨張し乗員腰上腸骨部と腹下部の側方に展開膨張する下端部をもつサイドエアバッグと、
を備えている。
衝撃吸収部材のうち展開したサイドエアバッグの下端部と車両側面視でラップする部分を含む領域には上方に開放する切欠きが形成されている。
ドアトリムは該ドアトリムのうち切欠きと車両側面視でラップする部分に形成された脆弱部を有する。
(2)上記(1)の車両の側部衝撃吸収装置において、衝撃吸収部材のうち切欠きの車両前後方向前方部分は乗員の大腿部と車両左右方向に対向し、衝撃吸収部材のうち切欠きの下方部分は乗員の腰部の下部と車両左右方向に対向する。
(3)上記(1)または(2)の車両の側部衝撃吸収装置において、ドアトリムの脆弱部は該ドアトリムの車両左右方向外側面に形成されたノッチによりノッチ以外の部分に比べて薄厚とされた薄厚部からなる。脆弱部は車両側面視で格子状に形成されている。
(4)上記(1)〜(3)の何れか1つの車両の側部衝撃吸収装置において、衝撃吸収部材は、該衝撃吸収部材における車両側面視でインパクトバーとラップする部分の少なくとも一部に、インナパネルに設けられた孔を挿通してインパクトバー側に突出する突出部を有する。
(5)上記(4)の車両の側部衝撃吸収装置において、突出部は衝撃吸収部材のうち切欠きの車両前後方向前方部分に設けられている。
上記(1)の車両の側部衝撃吸収装置は以下の作用と効果を有する。
衝突前半においては、側面から加害車両が衝突すると、衝突が検知されてサイドエアバッグが展開膨張しサイドエアバッグ下端部が乗員腰上腸骨部と腹下部の側方に展開する。
加害車両のバンパ部がサイドドア内のインパクトバーに衝突し進入する。
インパクトバーからの入力を、衝撃吸収部材を介して切欠きの前方、下方、後方に対応するドアトリム部分の表面に伝え、切欠きに対応するドアトリム部分の表面を切欠きの前方、下方、後方に対応するドアトリム部分により3方向からの面梁構造によって支えることにより、切欠きに対応するドアトリム部分の表面からサイドエアバッグ下端部に伝え、乗員の腰部を拘束する。
衝突後半においては、加害車両のバンパ部の進入量がさらに増加していくと、ドアトリムの乗員腰上腸骨部と腹下部に対応する部分が、インパクトバーからの入力と腰部からエアバッグを介して伝わる反力との剪断力で脆弱部を起点に破断する。ドアトリムの乗員腰上腸骨部と腹下部に対応する部分が破断することによりサイドエアバッグから乗員の腰上腸骨部および腹下部への入力が低減し、乗員がダメージを受けにくくなる。
上記(2)の車両の側部衝撃吸収装置によれば、とくに衝突後半において、ドアトリム破断時にサイドエアバッグがドアトリム内に侵入し、乗員の大腿部および腰下部に設定された衝撃吸収部材部分がインパクトバーからの入力をドアトリム表面を介して乗員の大腿部および腰下部に直接与えるようになる。その結果、乗員の腰上腸骨部および腹下部への入力を低減しつつ、乗員下部の拘束性能を維持することができる。
上記(3)の車両の側部衝撃吸収装置によれば、ノッチという簡単な構成から衝突後半にドアトリムをノッチ部位で破断させることができる。また、ノッチの深さや格子の幅寸法を選定することにより破断荷重を容易に調整できる。
上記(4)の車両の側部衝撃吸収装置によれば、衝撃吸収部材がインナパネルに設けられた孔を挿通してインパクトバー側に突出する突出部を有するので、突出部先端とインパクトバーとの隙間を突出部が無い場合よりも小さくすることができる。その結果、突出部が無い場合に比べて、側面衝突時にインパクトバーが衝撃吸収部材の突出部に早期に当接し、ドアドリムを室内側に早期に押し込み、展開したサイドエアバッグを介して乗員腰部を早期に拘束できる。
上記(5)の車両の側部衝撃吸収装置によれば、突出部が衝撃吸収部材のうち切欠きより車両前後方向前方部分に設けられているので、突出部の位置が側面衝突時におけるインパクトバーの変形の最大部であるインパクトバーの長手方向中央部に近づき、インパクトバーの変形の最大部または最大部近傍で突出部を押すことにより乗員腰部を早期に拘束することができる。
本発明の一実施例に係る車両の側部衝撃吸収装置の、加害車両のバンパがサイドドアに衝突する直前の透視側面図である。 図1の装置のA−A断面図である。 図1の装置のB−B断面図である。 図1の装置のドアトリム脆弱部とその近傍の拡大図である。 図4の装置のC−C断面図である。 図1の装置の衝突前半の、図2に対応する図である。 図1の装置の衝突前半の、図3に対応する図である。 図1の装置の衝突前半の、衝撃吸収部材の側面図である。 図1の装置の衝突後半の、図2に対応する図である。 図1の装置の衝突後半の、図3に対応する図である。 衝突後半の、ドアトリムが脆弱部で破断した時の図5に対応する図である。 比較衝撃吸収部材の車両左右方向外側から見た側面図である。 図12のD−D断面図である。 縦軸にサイドエアバッグから乗員腰部および腹下部への入力Wをとり横軸に加害車両のバンパの乗員腰部に対するストロークSをとった荷重W−ストロークS線図である。
本発明の実施例に係る車両の側部衝撃吸収装置を図1〜図11および図14を参照して説明する。図中、FRは車両前後方向前方を示し、OUTは車両左右方向外側、UPは上下方向上側を示す。
また、図示例は、左ハンドル車で示しているが、図2、図3、図5、図6、図7、図9、図10、図11で車両左右方向を反転させれば右ハンドル車にも適用可能である。本発明は、車両の側部衝撃吸収装置が左ハンドル車に適用された場合と右ハンドル車に適用された場合の両方を含む。
<<構成>>
図1〜図3に示すように、本発明の実施例に係る車両の側部衝撃吸収装置10は、アウタパネル14とインナパネル16とドアトリム18とを有するサイドドア12と、サイドドア12のアウタパネル14に沿ってドア内に配置されたインパクトバー20と、サイドドア12のドアトリム18の裏面に配置され車両側面視でインパクトバー20とラップする(重なる)部分を有する乗員腰部保護用の衝撃吸収部材30と、側面衝突時にシートバック側部から車両前後方向前方にドアトリム18と乗員側部との間に展開膨張しサイドエアバッグ下端部52が乗員60の腰上腸骨部62aと腹下部64の側方にまで展開膨張するサイドエアバッグ50と、を備える。
図2に示すように、サイドドア12は、金属製のアウタパネル14、アウタパネル14の室内側にある金属製のインナパネル16、インナパネル16の室内側にある樹脂製のドアトリム18を備える。インナパネル16はアウタパネル14に固定される。アウタパネル14とインナパネル16との間、およびインナパネル16とドアトリム18との間には、それぞれ空間が設けられている。
図1〜図3に示すように、インパクトバー20はサイドドア12のアウタパネル14とインナパネル16との間に配置されて車両前後方向に延び、インパクトバー20の長手方向両端部でサイドドア12のアウタパネル14に連結される。インパクトバー20は、車両側面視で車両前方側が後方側よりも高くなるように傾斜した状態で配置されている。側面衝突前にはインパクトバー20の長手方向中間部とアウタパネル14との間には車両左右方向に空間が存在する。インパクトバー20は上下方向には加害車両のバンパ70の高さ方向幅をカバーする範囲に配置される。乗員の腰部の中心を通り上下方向線上では、インパクトバー20は展開したサイドエアバッグ50より下方に位置し、車両前後方向に延びる。インパクトバー20は、インパクトバー20の長手方向と直交する横断面が車両左右方向に凹凸状に屈曲する板材であってもよいし、またはパイプ状のインパクトビームとインパクトビームに連結された板材とのアッセンブリであってもよい。図2は、インパクトバー20が長手方向と直交する横断面が車両左右方向に凹凸状に屈曲する板材からなる場合を示す。
衝撃吸収部材30は樹脂材またはゴム材からなり、たとえばウレタンからなる。ただし、衝撃を吸収できる樹脂材またはゴム材であればウレタンに限るものではない。
図1〜図4に示すように、衝撃吸収部材30は車両側面視でほぼ矩形状の部材に上方に開放されたほぼ矩形状の切欠き32が形成された部材からなる。衝撃吸収部材30は複数箇所でドアトリム18の裏面に熱溶着などによって固定される。衝撃吸収部材30の熱溶着部位は局所的に薄肉とされることが望ましい。
図1および図2に示すように、衝撃吸収部材30は、車両前後方向に着座乗員60の腰部62の側方に対応する部位と該部位の車両前後方向前後部位にわたって延び、上下方向には着座乗員60の腰上腸骨部62a(腰部上部)およびそれに上方に続く腹下部64の側方に対応する部位から着座乗員の腰下部62bの側方に対応する部位まで延びる。
衝撃吸収部材30のうち展開したサイドエアバッグ50の下端部52と車両側面視でラップする部分を含む領域には、上方に開放する切欠き32が形成されている。切欠き32は衝撃吸収部材30が欠如した空間であり、衝撃吸収部材30を構成しない。切欠き32は車両側面視でU字状の切欠きであり、ほぼ水平で車両前後方向に延びる第1の辺32aと第1の辺32aの両端からほぼ上下方向に延びる第2、第3の辺32b、32cとで形成される。第2の辺32bが前側の辺で第3の辺32cが後側の辺である。展開したサイドエアバッグ50の下端部52は車両側面視で切欠き32内に位置する。
望ましくは、切欠き32は着座した小柄な乗員の腰上腸骨部62aおよび腹下部64の側方に対応する衝撃吸収部材30の部分に設定される。ここで、小柄とは、たとえば、AF05(AFはアメリカ女性体格を意味し、最小柄を0、最大柄を100、平均を50とした時の05に対応する)の体格をいう。
衝撃吸収部材30は、切欠き32の下方に位置する部分30aと、切欠き32(および切欠き32の下方の部分30a)より車両前後方向前方に位置する部分30bと、切欠き32(および切欠き32の下方の部分30a)より車両前後方向後方に位置する部分30cと、からなる。衝撃吸収部材30のうち切欠き32の下方部分30aは乗員60の腰下部62bに車両左右方向に対向し、衝撃吸収部材30のうち部分30bは乗員の大腿部66と車両左右方向に対向する。
図2に示すように、サイドエアバッグ下端部52は切欠き32の車両左右方向内側にあり、インパクトバー20は衝撃吸収部材30の切欠き下方部分30aの車両左右方向外側にある。乗員腰部中心を通る上下線上で、インパクトバー20と衝撃吸収部材30の切欠き下方部分30aはサイドエアバッグ下端部52より下方にある。
また、図3に示すように、サイドエアバッグ下端部52は、切欠き32の車両左右方向内側側方でかつドアトリム18の車両左右方向内側に位置し、衝撃吸収部材30の切欠き前後部分30b、30cの車両左右方向内側側方には位置しない。
ドアトリム18は該ドアトリム18のうち切欠き32と車両側面視でラップする部分に形成された脆弱部24を有する。
図4および図5に示すように、ドアトリム18の脆弱部24はドアトリム18の車両左右方向外側面に形成されたノッチ24aによりノッチ24a以外の部分に比べて薄厚とされた薄厚部からなる。ノッチ24aは、たとえばVノッチ、Uノッチなどから構成されてもよい。図5はVノッチからなる脆弱部24を示している。脆弱部24は車両側面視でたとえば格子状、矩形状、楕円状などから構成されてもよい。図4は車両側面視で格子状に形成された脆弱部24を示している。
図2、図6に示すように、衝撃吸収部材30は、該衝撃吸収部材30における車両側面視でインパクトバー20とラップする部分の少なくとも一部に、インナパネル16に設けられた孔22、たとえばサービスホールを挿通してインパクトバー20側に突出する突出部40を有する。突出部40は衝撃吸収部材30の一部であり、衝撃吸収部材30に一体成形されている。孔22はサービスホールでない孔であってもよい。なお、図示されていないが、サービスホールはサービスホールカバーによって覆われてシールされている。上記突出部40に対応するサービスホールカバーの部分は、突出部40の外形形状に併せて車両左右方向外側に突出形成されている。
突出部40の先端はインパクトバー20に対向する。側面衝突前には突出部40の先端とインパクトバー20との間には隙間がある。突出部40の先端とインパクトバー20との間隔は、突出部40以外の衝撃吸収部材表面とインパクトバー20との間隔より狭い。突出部40の先端とインパクトバー20との間にインナパネル16は存在せず、側面衝突時にインパクトバー20が加害車両のバンパ70によって押されて変形した時、突出部40は突出部40以外の衝撃吸収部材表面よりも先にインパクトバー20に直接接触し車内側に押されて変形する。
図1に示すように、望ましくは、突出部40は切欠き32および衝撃吸収部材30の切欠き下方部分30aより車両前後方向前方部分30bに設けられている。突出部40が切欠き下方部分30aより前方部分30bに設けられた場合、突出部40はインパクトバー20の長手方向中央部に近づく。インパクトバー20に加害車両のバンパ70から側突荷重がかかった場合、両端で支持されたインパクトバー20の長手方向中央部の変形量が長手方向中央部以外の変形量に比べて大きくなるので、突出部40がインパクトバー20によって押されやすくなる。なお、突出部40がインパクトバー20に車両左右方向に対向すれば、突出部40は衝撃吸収部材30の切欠き下方部分30a、または切欠き32および衝撃吸収部材30の切欠き下方部分30aより車両前後方向後方部分30cに設けられてもよい。
<<作用と効果>>
つぎに、車両の側部衝撃吸収装置10の作用、効果を衝突前半と衝突後半にわけて説明する。
〔衝突前半での作用と効果〕
図6〜図8は衝突前半の状態を示す。衝突前半では、側面から加害車両が衝突したきた際に、衝突検知センサにより、サイドエアバッグ50が乗員60の側部とドアトリム18間に展開する。サイドエアバッグ50は乗員の肩部または胸部から乗員の腰部62側方まで展開する。サイドエアバッグ50の下端部52は乗員の腰上腸骨部62aおよび腹下部64の側方をカバーする。
サイドエアバッグ50はドアトリム18が室内側に変形する前に展開膨張を完了する。
ついで、加害車両のバンパ70がサイドドア12のアウタパネル14に当たってアウタパネル14を車室側に変形させ、バンパ70がアウタパネル14を介してインパクトバー20に衝突し、インパクトバー20を車室側に変形させる。
加害車両のバンパ70がさらに車室側に進入すると、ドアトリム18内の衝撃吸収部材30を介してドアトリム18の衝撃吸収部材30の部分30a、30b、30cと接触しているドアトリム部分を車室側に押し込む。
ドアトリム18のうち車両左右方向に切欠き32に対応する部分は、展開したサイドエアバッグ50の下端部52と接触してサイドエアバッグ下端部52からの反力を受ける。この時、衝撃吸収部材30の部分30a、30b、30cと接触しているドアトリム部分から図8に示す力Ta、Tb、Tcで示すように3方向から支えられて、インパクトバー20から衝撃吸収部材30の部分30a、30b、30cを介して伝わる加害車両バンパ70からの入力をサイドエアバッグ下端部52に伝える。これによって、乗員60の腰部62および腹下部64の早期拘束性能を確保できる。図6、図7はインパクトバー20からの入力F1が衝撃吸収部材30の部分30b、30cに分力F2、F3として伝わり、それがドアトリム18のうち車両左右方向に切欠き32に対応する部分に合力F4として伝わる様子を示している。
この状態では、図6および図7に示すように、衝撃吸収部材30の部分30a、30b、30cと接触しているドアトリム部分は乗員に当たっておらず、ドアトリム18のうち切欠き32に対応する部分がサイドエアバッグ下端部52を介して乗員60の腰部62および腹下部64を拘束し入力を与える。
〔衝突後半での作用と効果〕
図9〜図11は衝突後半の状態を示す。衝突後半では、加害車両のバンパ70がさらに車室側に進入し、バンパ70からインパクトバー20に入る入力F5とインパクトバー20から衝撃吸収部材30に入る入力F6が増大し、ドアトリム18のうち切欠き32に対応する部分からサイドエアバッグ下端部52を介して乗員60の腰部62および腹下部64に入る入力が増大する。そして、その反力F7としてサイドエアバッグ下端部52から切欠き32に対応するドアトリム部分に入る入力が増大していく。そして、ついには、ドアトリム18がインパクトバー20から押し込まれる入力F6と腰部からエアバッグ50を介してドアトリム18に伝わる反力F7との剪断力を利用して、図9〜図11に示すように、切欠き32に対応するドアトリム部分に形成された脆弱部24を起点にドアトリム18が破断する。
ドアトリム18の乗員腰上腸骨部62aおよび腹下部64の側方に対応する部分が破断することにより、サイドエアバッグ下端部52から乗員60の腰上腸骨部62aおよび腹下部64への入力が低減する。
図9、図10に示すように、腰上腸骨部62aおよび腹下部64の側方のドアトリム18内にサイドエアバッグ下端部52が侵入することで、ドアトリム18が乗員60に近づく。その結果、乗員60の大腿部66および腰下部62bに設定された衝撃吸収部材部分30b、30aが、インパクトバー20からの入力F6をドアトリム18を介して乗員60の大腿部66および腰下部62bに直接与える。これによって、乗員腰上腸骨部62aおよび腹下部64への入力(F7と逆向きの入力)を低減しながらも、乗員60の大腿部66および腰下部62bへの拘束性能を維持することができる。
〔切欠き32と脆弱部24を設けたことによる作用と効果における本発明と比較例との相違〕
図12、図13は、上記突出部40をもたず、切欠き32が形成されていない比較装置の比較衝撃吸収部材100を示す。比較衝撃吸収部材100をもつ比較装置は、本発明に含まれない。
また、図14は、縦軸に側面衝突時にサイドエアバッグ50から乗員腰部62の腰上腸骨部62aおよび腹下部64に入る荷重Wをとり横軸に加害車両バンパ70の乗員腰部62の中心に対するストロークSをとったグラフ上において、本発明の装置10と比較衝撃吸収部材100をもつ比較装置の荷重F対ストロークS特性を示す。
図14において、本発明の装置10がえがく特性線を第1の特性線Fpとし、比較衝撃吸収部材100をもつ比較装置がえがく特性線を第2の特性線Fcとする。
第1の特性線Fpは、荷重が上昇しない空走領域Fp0と、空走領域Fp0の終点から荷重が急激に増大し大きな第1の勾配で立ち上がる第1の領域Fp1と、第1の領域Fp1の終点から荷重が緩やかに増大し第1の勾配より小さな第2の勾配で第1の特性線の荷重ピーク値Wpmaxまで立ち上がる第2の領域Fp2と、第2の領域Fp2の終点から荷重が0まで減少する第3の領域Fp3を有する。
空走領域Fp0と第1の領域Fp1が衝突前半に対応し、第2の領域Fp2と第3の領域Fp3が衝突後半に対応する。
第2の領域Fp2の終末でドアトリム18が脆弱部24を起点に破断する。ドアトリム18が脆弱部24で破断することにより乗員腰部62の腰上腸骨部62aおよび腹下部64に入る荷重Wは低下する。Wの低減とほぼ同時に乗員大腿部66および腰下部62bに入る荷重Fn(図10のF6に対応する力)が生じる。乗員腰上腸骨部62aおよび腹下部64から離れた部位からの入力となるため、Fnの最大値はWpmaxより小さい。
同様に、比較衝撃吸収部材100のえがく第2の特性線Fcは、荷重が上昇しない空走領域Fc0と、空走領域Fc0の終点から荷重が急激に増大し大きな第1の勾配で立ち上がる第1の領域Fc1と、第1の領域Fc1の終点から荷重が緩やかに増大し第1の勾配より小さな第2の勾配で第2の特性線の荷重ピーク値Wcmaxまで増大する第2の領域Fc2と、第2の領域Fc2の終点から一定荷重を持続した後、荷重が0まで荷重が急激に減少する第3の領域Fc3を有する。
本発明装置10ではドアトリム18が脆弱部24で破断するので、本発明の第1の特性線Fpの荷重ピーク値Wpmaxは、比較衝撃吸収部材100の第2の特性線Fcの荷重ピーク値Wcmaxより小さい。Wpmaxは脆弱部24のノッチの深さ、ノッチ間幅寸法などを選定することにより、調整できる。WpmaxがWcmaxより小さいため、本発明では比較装置に比べて乗員腰部60および腹下部64の受ける入力が小さく、乗員はより保護される。
〔突出部40を設けたことによる作用と効果〕
衝撃吸収部材30が突出部40を有するので、突出部40の先端とインパクトバー20との隙間を突出部40が無い比較衝撃吸収部材100の場合よりも小さくすることができる。その結果、図14において、突出部40が無い比較装置に比べて、側面衝突時にインパクトバー20が突出部40に、突出部40の突出量Xに相当するストローク分早期に衝撃吸収部材30に当接し、ドアドリム18を室内側に早期に押し込み、サイドエアバッグ50を介して乗員腰部60を早期に拘束する。これによって、衝突初期のサイドエアバッグ50による腰部62の早期拘束性能が向上する。
また、突出部40が衝撃吸収部材30の切欠き下方部分30aより前方か切欠き32より前方部分30bに設けられている場合、突出部40の位置が側面衝突時における両端支持のインパクトバー20の変形の最大部であるインパクトバーの長手方向中央部に近づき、インパクトバー20と突出部40との当たりが早まり、乗員腰部62を早期に拘束することができる。
10 車両の側部衝撃吸収装置
12 サイドドア
14 アウタパネル
16 インナパネル
18 ドアトリム
20 インパクトバー
22 インナパネルに設けられた孔(サービスホール)
24 脆弱部
24a 薄肉部
30 衝撃吸収部材
30a 衝撃吸収部材の切欠き下方部分
30b 衝撃吸収部材の切欠きより前方部分
32 切欠き
40 突出部
50 サイドエアバッグ
52 サイドエアバッグの下端部
60 乗員
62 腰部
62a 腰上腸骨部
62b 腰下部
64 腹下部
66 大腿部

Claims (5)

  1. アウタパネルとインナパネルと該インナパネルの室内側に位置するドアトリムとを有するサイドドアと、
    サイドドアのアウタパネルに沿ってドア内に配置されたインパクトバーと、
    サイドドアのドアトリムの裏面に配置され車両側面視で前記インパクトバーとラップする部分を有する乗員腰部保護用の衝撃吸収部材と、
    側面衝突時にドアトリムと乗員側部との間に展開膨張し乗員腰上腸骨部と腹下部の側方に展開膨張する下部をもつサイドエアバッグと、
    を備えた車両の側部衝撃吸収装置であって、
    前記衝撃吸収部材のうち展開したサイドエアバッグの下部と車両側面視でラップする部分を含む領域には上方に開放する切欠きが形成されており、
    前記ドアトリムは該ドアトリムのうち前記切欠きと車両側面視でラップする部分に形成された脆弱部を有する車両の側部衝撃吸収装置。
  2. 前記衝撃吸収部材のうち前記切欠きの車両前後方向前方部分は乗員の大腿部と車両左右方向に対向し、前記衝撃吸収部材のうち前記切欠きの下方部分は乗員の腰部の下部に車両左右方向に対向する請求項1項記載の車両の側部衝撃吸収装置。
  3. 前記ドアトリムの脆弱部は該ドアトリムの車両左右方向外側面に形成されたノッチによりノッチ以外の部分に比べて薄肉とされた薄肉部からなり、車両側面視で格子状に形成されている請求項1または請求項2記載の車両の側部衝撃吸収装置。
  4. 前記衝撃吸収部材は、該衝撃吸収部材における車両側面視で前記インパクトバーとラップする部分の少なくとも一部に、前記インナパネルに設けられた孔を挿通して前記インパクトバー側に突出する突出部を有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両の側部衝撃吸収装置。
  5. 前記突出部は前記衝撃吸収部材のうち前記切欠きの車両前後方向前方部分に設けられている請求項4記載の車両の側部衝撃吸収装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016094127A (ja) * 2014-11-14 2016-05-26 三菱自動車工業株式会社 車両の乗員保護構造
JP2019085047A (ja) * 2017-11-09 2019-06-06 トヨタ自動車株式会社 後席サイドエアバッグ装置

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