JP5413412B2 - 車両の側部衝撃吸収装置 - Google Patents
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Description
側面衝突時に腰部衝撃吸収パッドを介してドアトリム全体を乗員腰部側に撓ませているので、衝突後半のサイドエアバッグからの腰上部および腹下部への入力を低減することができない。
上記(1)の車両の側部衝撃吸収装置は、後述する本発明の実施例1、2の両方に適用される。
上記(2)の車両の側部衝撃吸収装置は、本発明の実施例1、2の両方に適用される。
上記(3)の車両の側部衝撃吸収装置は、本発明の実施例1、2の両方に適用される。
上記(4)の車両の側部衝撃吸収装置は、本発明の実施例1、2の両方に適用される。
上記(5)の車両の側部衝撃吸収装置は、本発明の実施例1、2の両方に適用される。
第1の曲線は第2の領域に第2の曲線との交点を有し、該交点が第1の曲線における第2の領域の中間部分に位置し、該交点より荷重小の領域では第1の曲線は第2の曲線より同じ荷重でストロークが小であり、該交点より荷重大で第1の曲線の荷重のピーク値までの領域では第1の曲線は第2の曲線より同じストロークで荷重が小であるように、入力部の少なくとも連結部の肉厚、入力部の上下方向高さ、突出部の一般部からの車両左右方向突出量が設定されている。
上記(6)の車両の側部衝撃吸収装置は、本発明の実施例1、2の両方に適用される。
上記(7)の車両の側部衝撃吸収装置は、本発明の実施例2に適用される。
加害車両のバンパはさらに進入し、ドアトリムおよびサイドエアバッグを介しての腰部および腹下部への荷重がさらに増大していく。この時、サイドエアバッグは腰部および腹下部からの反力をドアトリムを介して衝撃吸収部材に入力する。入力部は少なくとも一般部との連結部において一般部の連結部下方部分よりも薄肉に設定されているので、サイドエアバッグからドアトリムを介して入力部に加わる入力がバンパーの進入につれて増加していくと、入力部が一般部に対して車両左右方向外側に倒れるように変形し、さらに増加すると連結部で破断する。入力部が車両左右方向外側に変形または破断すると、入力部内側のドアトリム部分も車両左右方向外側に撓み、乗員の腰上腸骨部および腹下部への入力を減少させ、乗員の傷害値を低減できる。
図中、FRは車両前後方向前方を示し、OUTは車両左右方向外側、UPは車両上下方向上側を示す。
また、図示例は、左ハンドル車で示しているが、図2〜図4、図6〜図8で車両左右方向を反転させれば右ハンドル車にも適用可能である。本発明は、車両の側部衝撃吸収装置が左ハンドル車に適用された場合と右ハンドル車に適用された場合の両方を含む。
図1、図5に示すように、衝撃吸収部材30は車両側面視でほぼ矩形状の部材である。衝撃吸収部材30は複数箇所でドアトリム18の裏面に熱溶着などによって固定される。衝撃吸収部材30の熱溶着部位は局所的に薄肉とされることが望ましい。また、側面衝突時に衝撃吸収部材30の一部が破断した時に落下しないように、衝撃吸収部材30の車両左右方向外側表面は、該外側表面に貼付された図示略の布または可撓性樹脂膜で覆われることが望ましい。
また、図14は、縦軸に側面衝突時にサイドエアバッグ50から乗員腰部62の腰上腸骨62aおよび腹下部64に入る荷重Wをとり横軸に加害車両バンパ70の乗員腰部62の中心に対するストロークSをとったグラフ上において、本発明の衝撃吸収部材30と比較衝撃吸収部材100の荷重F対ストロークS特性を示す。
第1の曲線Fpは、荷重が上昇しない空走領域Fp0と、空走領域Fp0の終点から荷重が急激に増大し大きな第1の勾配で立ち上がる第1の領域Fp1と、第1の領域Fp1の終点から荷重が緩やかに増大し第1の勾配より小さな第2の勾配で第1の曲線の荷重ピーク値Wpmaxまで立ち上がる第2の領域Fp2と、第2の領域Fp2の終点から荷重が0まで荷重が急激に減少する第3の領域Fp3を有する。
交点Pより荷重小の領域では第1の曲線Fpは第2の曲線Fcより同じ荷重でストロークが小であり、すなわち同じストロークで荷重が大であり、交点Pより荷重大で第1の曲線Fpの荷重のピーク値Wpmaxまでの領域では第1の曲線Fpは第2の曲線Fcより同じストロークで荷重が小である。
また、衝撃吸収部材30に一般部34より薄肉の連結部32aをもつ入力部32が設けられていることによって、第1の曲線Fpの荷重ピーク値Wpmaxは第2の曲線Fcの荷重ピーク値Wcmaxより低減する。
以上の構成は、本発明の実施例1と実施例2に共通に適用される。
図5〜図8に示すように、衝撃吸収部材30に形成される切り込み36、38が互いにほぼ同じ深さとほぼ同じ幅を有する。入力部32の上端部は、一般部34の上端部より上方に突出している。
突出部40は衝撃吸収部材30の一般部34の車両前後方向前側の部分に設けられており、入力部32と車両前後方向に離れている。入力部32の室内側面および一般部34の室内側面は、同じ面内にあり、一般部34の車両左右方向外側面は入力部32の車両左右方向外側面より車両左右方向外側にある。突出部40の車両左右方向外側面は一般部34の車両左右方向外側面より車両左右方向外側にある。
入力部32を設けたことによる作用、効果はつぎのとおりである。
図1、図2に示すように、側面から加害車両が衝突したきた際に、サイドエアバッグ50が乗員60の側部とドアトリム18間に展開する。サイドエアバッグ50は乗員の肩部または胸部からシートクッションの側部上面のすぐ上の位置まで展開する。サイドエアバッグ50はドアトリム18が室内側に変形する前に展開膨張を完了する。
この時、図14では、腰部62を拘束し終えた状態は第1の曲線Fpの第1の領域Fp1の上端にある。
これを図14で説明すると、乗員腰部に入る入力Wは第1の曲線Fpの第2の領域Fp2に沿って荷重のピーク値Wpmaxまで上昇していく。この時、サイドエアバッグ50は腰部62および腹下部64からの反力をドアトリム18を介して衝撃吸収部材30に入力する。入力部32は少なくとも連結部32aにおいて一般部34の連結部下方部分34aよりも薄肉に設定されているので、サイドエアバッグ50から入力部32に加わる反力がバンパ70の進入につれて増加していくと、入力部32が一般部34に対して車両左右方向外側に倒れるように変形し、さらに増加すると連結部32aで亀裂が発生し、それが進展して破断する。亀裂は図14の交点PよりストロークS小側で発生し、荷重ピーク値Wpmax点近傍で破断が完了すると考えられる。入力部32が車両左右方向外側に変形または破断すると、入力部32の室内側のドアトリム部分も車両左右方向外側に撓み、乗員の腰上腸骨部62aおよび腹下部64への入力を減少させる。図14において、WcmaxとWpmaxの差の荷重分、乗員への入力が減少されるので、乗員の傷害値が低減する。
また、入力部32の車両前後方向前後の位置に切り込み36、38を設けたので、入力部32のみを確実に破断することができる。
衝撃吸収部材30が突出部40を有するので、突出部40の先端とインパクトバー20との隙間を突出部40が無い比較衝撃吸収部材100の場合よりも小さくすることができる。その結果、図14において、突出部40が無い場合に比べて、側面衝突時にインパクトバー20が突出部40に突出部40の突出量Xに相当するストローク分早期に衝撃吸収部材30に当接し、ドアドリム18を室内側に早期に押し込み、サイドエアバッグ50を介して乗員腰部60を早期に拘束する。これによって、衝突初期のサイドエアバッグ50による腰部62の早期拘束性能が向上する。
図14のグラフにおいて、第1の曲線Fpの第2の曲線Fcとの交点Pを第1の曲線Fpにおける第2の領域Fp2の中間部分に設定したことにより、衝撃吸収部材30によるエネルギ吸収量の、比較衝撃吸収部材100によるエネルギ吸収量からの増加分Eincと減少分Edecとがほぼ同じとなり、衝撃吸収部材30のエネルギ吸収効果を比較衝撃吸収部材100のエネルギ吸収効果とほぼ同等に維持できる。したがって、衝撃吸収部材30のエネルギ吸収効果を比較衝撃吸収部材100のエネルギ吸収効果とほとんど変えることなく、突出部40を設けたことにより側面衝突時に乗員腰部62を早期に拘束でき、入力部32を設けたことにより側面衝突時に乗員腰部62および腹下部64にかかる荷重を低減できる。
以上の作用、効果は、本発明の実施例1と実施例2の共通の作用、効果である。
入力部32の前後に設けられた切り込み36、38が入力部32の下端部近傍までしか延びておらず、また切り込み36、38の幅がほぼ同じであって前方の切り込み36の幅が後述する実施例2の場合に比べて狭いので、一般部34のうち突出部40を設けることができる領域が広くなり、突出部40の位置の選定において自由度が上がる。
12 サイドドア
14 アウタパネル
16 インナパネル
18 ドアトリム
20 インパクトバー
22 インナパネルに設けられた孔(サービスホール)
30 衝撃吸収部材
32 入力部
32a 入力部の一般部との連結部
34 一般部
34a 衝撃吸収部材の入力部下方部分
36 前側の切り込み
38 後側の切り込み
40 突出部
50 サイドエアバッグ
52 サイドエアバッグの下端部
60 乗員
62 腰部
62a 腰上腸骨
64 腹下部
70 加害車両のバンパ
Claims (7)
- サイドドアのアウタパネルに沿ってドア内に配置されたインパクトバーと、
乗員の腰部および腹下部の側方でサイドドアのドアトリムの裏面に配置され車両側面視で前記インパクトバーとラップする部分を有する乗員腰部保護用の衝撃吸収部材と、
側面衝突時に前記ドアトリムと乗員側部との間に展開膨張するサイドエアバッグと、
を備えた車両の側部衝撃吸収装置であって、
前記衝撃吸収部材は、展開したサイドエアバッグの下部と車両側面視でラップし展開したサイドエアバッグからの荷重が入る入力部と、該入力部を除いた部分からなる一般部とを有し、前記入力部は前記一般部との連結部を有し前記入力部は少なくとも前記一般部との連結部において前記一般部のうち前記入力部に下方から接続する部分よりも薄肉に設定されている車両の側部衝撃吸収装置。 - 前記衝撃吸収部材は、該衝撃吸収部材における車両側面視で前記インパクトバーとラップする部分の少なくとも一部に、サイドドアのインナパネルに設けられた孔を挿通して前記インパクトバー側に突出する突出部を有する請求項1項記載の車両の側部衝撃吸収装置。
- 前記衝撃吸収部材の前記入力部は着座した小柄な乗員の腰上腸骨および腹下部の側方に対応する部位に設定される請求項1または請求項2記載の車両の側部衝撃吸収装置。
- 前記衝撃吸収部材は、車両側面視で前記入力部の車両前後方向前後の位置に前記衝撃吸収部材の上端から前記入力部の下端部かそれより下方の位置まで延びる切り込みを有し、前記入力部の少なくとも連結部は前記入力部前後の前記切り込み間の車両前後方向全長にわたって前記一般部のうち前記入力部に下方から接続する部分よりも薄肉に設定されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両の側部衝撃吸収装置。
- 前記突出部は前記衝撃吸収部材の前記入力部より車両前後方向前方に設けられている請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の車両の側部衝撃吸収装置。
- 縦軸にサイドエアバッグから入力部に入る荷重をとり横軸に加害車バンパの乗員腰部に対するストロークをとったグラフ上で、前記突出部と前記入力部をもつ前記衝撃吸収部材は第1の曲線をえがき前記突出部と前記入力部をもたない比較衝撃吸収部材は第2の曲線をえがき、第1の曲線は第1の勾配で立ち上がる第1の領域と第1の勾配より小さい第2の勾配で荷重のピーク値まで上昇する第2の領域を有し、
第1の曲線は第2の領域に第2の曲線との交点を有し、該交点が第1の曲線における第2の領域の中間部分に位置し、該交点より荷重小の領域では第1の曲線は第2の曲線より同じ荷重でストロークが小であり、該交点より荷重大で第1の曲線の荷重のピーク値までの領域では第1の曲線は第2の曲線より同じストロークで荷重が小であるように、前記入力部の少なくとも前記連結部の肉厚、前記入力部の上下方向高さ、前記突出部の一般部からの車両左右方向突出量が設定されている請求項2〜請求項5の何れか1項に記載の車両の側部衝撃吸収装置。 - 前記入力部の車両前後方向前後の前記切り込みのうち前側の切り込みは後側の切り込みより車両前後方向幅が大に設定されており、前記前側の切り込みはポール衝突時に荷重が乗員にかかることを防止するスペースを形成する請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車両の側部衝撃吸収装置。
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