JP2013031269A - クローポール型ブラシレスモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造であって製造コストが比較的低く、小型化及び薄型化が可能なクローポール型ブラシレスモータを提供する。
【解決手段】クローポール型ブラシレスモータ1は、互いに対面交差する極歯30a〜30c,40a〜40cをそれぞれ有する一対のステータヨーク30,40と、極歯30a〜30c,40a〜40cの外周に配置されたコイル50と、コイル50に対して回転可能に配置されたロータ10などを備えている。ヨーク40のコイル50に面する平板部41には、複数の突起部45が設けられている。各突起部45は、コイル50に向けて突出するように形成されている。コイル50と平板部41との間には隙間ができ、コイル50の巻回端部51bを、隙間を通して、容易にコイル50の内側に引き出すことができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、クローポール型ブラシレスモータに関し、特に、比較的に薄型化できるクローポール型ブラシレスモータに関する。
クローポール型のブラシレスモータは、モータの薄型化(へん平化)、小型化の要請に対応可能な構造を有するものであり、例えば振動モータなどに用いられている。
クローポール型ブラシレスモータで薄型のものには、2つの平板状のヨークを各ヨークから突出する極歯が対面交差するように対向させ、2つのヨーク間であって極歯の外周に空芯コイルを配置してなる構造を有するものがある。空芯コイルの2つの巻回端部(コイル端)すなわち巻き始め端と巻き終わり端とは、それぞれコイルの内周側、外周側に位置する。
このような構造を有するモータでは、空芯コイルの2つの巻回端部を共にコイルの内周側又は外周側で結線する場合がある。この場合、特に小型のモータにおいては、ヨークとコイルとの間に巻回端部を通し、巻回端部を横断させる必要がある。巻回端部がヨークの外側を通るようにすると、その巻回端部の太さ分だけモータが大型化してしまうからである。しかしながら、ヨークとコイルとの間に巻回端部を通すと、その箇所だけ、少なくともコイルの導線1本分だけ厚みが大きくなり、モータの厚みが不均一になる場合がある。モータの厚みを意図的に均一にした場合、コイルとヨークとの間に隙間が生じ、コイルのガタつきによる異音が発生する場合がある。また、コイルに歪みが生じるなど、コイルが変形することがある。
下記特許文献1には、フレーム上にコイルの巻回端部を導出するための導出溝を設け、コイルの内周側から外周側に巻回端部を引き出せるようにした、面対向型の小型モータが開示されている。
特開平9−322503号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載されている小型モータでは、巻回端部が引き出される位置が、導出溝が設けられている位置に限定される。また、フレームなどが薄板である場合や、高硬度の素材を用いて形成されている場合には、導出溝を設けるための加工を行うことが困難である。例えばこれらの理由から、特許文献1に記載されているような構造は、上記のような薄型化可能なクローポール型ブラシレスモータに必ずしも適用可能ではない。
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、簡素な構造であって製造コストが比較的低く、小型化及び薄型化が可能なクローポール型ブラシレスモータを提供することを目的としている。
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、クローポール型ブラシレスモータは、それぞれ平板状に形成され、互いに対面交差する複数の極歯がそれぞれ周状に並ぶように突設された一対のステータヨークと、複数の極歯の外周に、一対のステータヨークの間に挟まれるようにして配置されたコイルと、複数の極歯に対向するように配置された磁石を有するロータとを備え、一対のステータヨークのうち少なくとも一方には、コイルに面する位置の一部にコイルに向けて突出するように形成された複数の突起部が設けられている。
好ましくは突起部は、プレス加工によりステータヨーク上に設けられており、突起部が設けられたステータヨークは、1つの板状部材から一体に形成されている。
好ましくはクローポール型ブラシレスモータは、一対のステータヨークの一方に沿うように配置され、コイルの巻回端部のうち少なくとも1つが接続された配線用基板をさらに備え、突起部は、一対のステータヨークのうち配線用基板に近接する一方に設けられている。
これらの発明に従うと、ステータヨークのコイルに面する位置の一部に、コイルに向けて突出する複数の突起部が設けられているので、コイルとステータヨークとの間に隙間ができる。そのため、コイルの巻回端部をコイル内周又は外周に引き回す際にこの隙間を利用することで、コイルを歪ませることなく組立てが可能になり、且つ、コイルのがたつきも防止できる。したがって、簡素な構造であって製造コストが比較的低く、小型化及び薄型化が可能なクローポール型ブラシレスモータを提供することができる。
本発明の実施の形態の1つにおけるクローポール型ブラシレスモータを示す分解斜視図である。 モータの斜視断面図である。 下ステータヨークを示す斜視図である。 モータの側断面図である。
以下、本発明の実施の形態の1つにおけるクローポール型ブラシレスモータ(以下、単にモータということがある。)について説明する。
本実施の形態において、クローポール型ブラシレスモータは、2つのステータヨークの間にコイルが配置された構造を有する、薄型(へん平型)で、インナーロータ型のものである。モータには、それを駆動するための駆動回路を有する配線用基板が、2つのステータヨークの少なくとも一方に沿うように設けられており、小型化が図られている。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるクローポール型ブラシレスモータを示す分解斜視図である。
図1に示されるように、クローポール型ブラシレスモータ1は、大まかに、ケース2と、トッププレート8と、シャフト25を中心軸として回転可能なロータ10と、軸受(メタル)21と、上ステータヨーク30と、下ステータヨーク40と、コイル50と、配線用基板70とを備えている。ロータ10には、ロータ10の重心がその回転軸から偏心するように、ウエイト15が設けられている。モータ1は、ロータ10の回転に伴い振動する振動モータである。
ケース2、上ステータヨーク30、及び下ステータヨーク40は、例えば軟磁性材料を用いて形成されている。モータ1において、上ステータヨーク30と下ステータヨーク40とは一対のステータヨークを構成する。各ステータヨーク30,40には、絶縁皮膜が施されている。上ステータヨーク30と下ステータヨーク40との間には、コイル50が配置されている。なお、以下の説明において、上ステータヨーク30と下ステータヨーク40とのそれぞれを、ヨーク30、ヨーク40ということがある。
図1に示されるように、ヨーク30には、3つの極歯30a,30b,30cが設けられている。ヨーク40には、3つの極歯40a,40b,40cが設けられている。ヨーク30,40のそれぞれの極歯30a〜30c,40a〜40cは、互いに対面交差するように、ロータ10の回転中心に相当する位置を中心に、周状に並ぶように突設されている。
図2は、モータ1の斜視断面図である。
図2において示されている断面は、ロータ10の回転軸すなわちシャフト25の中心軸を通る平面である。
図1、図2を参照して、モータ1の各構成部材について説明する。
図2において、トッププレート8の図示は省略されている。トッププレート8はモータ1の上面を覆うように設けられており、ケース2の内部の各部材は露出していない。
図2に示されるように、モータ1において、ロータ10、ヨーク30,40、及びコイル50などは、ケース2の内部に配置される。配線用基板70は、ケース2の底面に沿うようにモータ1の底部に配置されている。すなわち、配線用基板70は、下ステータヨーク40に沿うようにして配置されている。モータ1は、全体として、比較的薄く、平面視で(モータ1の上面から見て)円形の、コイン型に形成されている。
コイル50は、銅線を巻回して円環形に構成された空芯コイルである。図2に示されるように、コイル50は、ヨーク30,40間に挟まれるようにして、複数の極歯30a〜30c,40a〜40cの外周に、環状に配置されている。
配線用基板70は、例えばプリント配線基板である。図1に示されるように、配線用基板70は、ケース2の底面すなわちモータ1の外周形状と略同じ円形の外周形状を有している。
配線用基板70の上面には、駆動用IC72、電子部品73、及び接続パターン75などが設けられている。駆動用IC72、電子部品73や接続パターン75などは、例えばコイル50に通電して、ロータ10をコイル50などに対して回転させる駆動回路を構成する。接続パターン75の一部は、ケース2に対向する配線用基板70の上面に露出している。接続パターン75には、コイル50の巻き始めの巻回端部(巻き始め線)51a、巻き終わりの巻回端部(巻き終わり線)51bのそれぞれ(図1に示す。)が、はんだ付けなどにより接続される。
図1に示されるように、ケース2は、下面が覆われた椀形状を有している。ケース2の中央部には、円筒状に形成された保持部2cが設けられている。保持部2cには、円柱形状の軸受(メタル)21が圧入され、固定されている。軸受21は、例えばすべり軸受であり、シャフト25が貫通するようにして配置されている。また、軸受21の底面には、スラスト板27が配置されている。スラスト板27は、ケース2の軸受21と、配線用基板70の上面との間に配置されている。これにより、ロータ10がシャフト25を中心に回転可能に軸支される。
ケース2の底面の一部には、穴部5が形成されている。穴部5は、配線用基板70上の駆動用IC72、電子部品73、及び接続パターン75などに対応する位置に配置されている。これにより、ケース2の底面に配線用基板70を重ねたとき、駆動用IC72や電子部品73などがケース2の底面に干渉せず、穴部5を介してケース2の内部側から見える。また、ケース2の底面に配線用基板70を重ねたとき、接続パターン75が穴部5を介してケース2の内部側に露出する。コイル50の2つの巻回端部51a,51bは、このようにケース2の内部側に露出する接続パターン75に接続される。
図1に示されるように、ロータ10は、環状磁石11と、ロータスペーサ12と、ウエイト15と、シャフト25とを有している。
環状磁石11は、例えば、環状に連続して一体に形成された永久磁石であり、ロータスペーサ12の側周部12aに保持されている。環状磁石11は、例えば、複数の極歯(極歯30a〜30c,40a〜40c)に対応する複数の磁極(例えば6つの磁極)を有している。図2に示されるように、環状磁石11は、周状に配置されている極歯30a〜30c,40a〜40cに近接して対向するように、ロータ10の外周部分に配置されている。
ロータスペーサ12は、大まかに、下方に開口する椀形状を有している。図2に示されるように、ロータスペーサ12は、円筒状の側周部12aと、側周部12aの上部からロータ10の中央部にかけて略水平に形成された板状部12bとを有している。ロータスペーサ12の中央部には、保持孔部12cが形成されている。板状部12bの一部には、開口部12hが形成されている。板状部12bは、保持孔部12c及び開口部12hを除き、側周部12aを塞ぐように形成されている。
側周部12aは、ロータスペーサ12の外周をなし、環状磁石11の内面に面するように形成されている。環状磁石11は、ロータスペーサ12の側周部12aすなわちロータスペーサ12の外周に、側周部12aにその内周面が面するようにしてはめ込まれ、その状態でロータスペーサ12に接着されて固定されている。
保持孔部12cには、シャフト25の上端部が貫入している。ロータスペーサ12は、その中央部に、シャフト25を保持している。シャフト25は、保持孔部12cに貫入した状態で、ロータスペーサ12の上面すなわち板状部12bから下方に突出するように、ロータスペーサ12に固定されている。ロータ10は、シャフト25を回転軸として回転可能に、ケース2内に配置されている。
シャフト25は、その下端部がスラスト板27に当接するようにして、軸受21に対して回転方向に摺動可能に、軸受21に貫装されている。これにより、ロータ10は、シャフト25とともに回転可能に保持されている。なお、シャフト25は、トッププレート8を貫通していない。
ロータスペーサ12は、例えば軟磁性材料を用いて形成されている。本実施の形態において、ロータスペーサ12は、例えば、プレス加工や板金加工などにより製造可能であるが、これに限られるものではない。また、硬磁性材料を用いて形成されていたり、これらと樹脂等を併せて用いて形成されていたりしてもよい。
ウエイト15は、例えば半円盤形状を有する重りである。図1に示されるように、ウエイト15は、側周部12a及び板状部12bで囲まれたロータスペーサ12の底面側に開口する空間のうち、ロータ10の中心部を除いて、底面視でその略半周部分を占めるような形状に形成されている。ウエイト15は、例えばタングステン合金など、比重が大きい金属を用いて形成されている。なお、ウエイト15の材質はこれに限られるものではない。
ウエイト15は、例えば、接着又は溶接などにより、ロータスペーサ12に固定されている。ウエイト15の体積、比重は比較的大きいので、ロータ10の重心の偏心量をより大きくすることができる。ウエイト15は、ロータ10の中心部に相当する部分はくり抜かれた形状を有しているので、モータ1の重量に比して、大きな振動を発生させることができる。
図2に示されるように、ロータ10は、シャフト25が軸受21を貫通し、シャフト25の下端部がワッシャ27に接触するようにして、ケース2に配置されている。ロータ10がシャフト25を回転軸として回転するとき、シャフト25が軸受21に対して摺動する。このとき、ロータ10は、ワッシャ27によりシャフト25の軸方向に支えられて、回転する。
図1に示されるように、ヨーク30とヨーク40とは、それぞれ、平板部(ヨークつば部)31,41を有している。平板部31,41は、それぞれ、平面視でケース2の内側壁面よりもわずかに小さい円板状の外周形状を有しており、ヨーク30とヨーク40とは、ケース2の内部に軽圧入で取り付けられている。これにより、ヨーク30と、ヨーク40と、ケース2とで、磁気回路が構成されている。
ヨーク30,40は、平板部31,41でコイル50を上下方向に挟むようにして重ねられている。ヨーク30,40は、極歯30a,30b,30cと極歯40a,40b,40cとが相対向するような向きで、重ねられている。このようにヨーク30,40が重ねられた状態で、極歯30a〜30c,40a〜40cは、上面視で、反時計回りに、極歯30a、極歯40a、極歯30b、極歯40b、極歯30c、極歯40cと周状に並ぶように配置されている。
各極歯30a〜30c,40a〜40cは、例えば、ヨーク30,40の平板部31,41から折り曲げられることで形成されている。すなわち、ヨーク30,40は、それぞれ、1つの板状部材から極歯30a〜30c,40a〜40cに相当する部位をプレス加工などにより折り曲げて形成することにより、他の部材を接合することなく、一体に成形されている。ヨーク30,40のうち極歯30a〜30c,40a〜40cが設けられた部位よりも内側の部位は空いており、ロータ10が配置されるスペースとなっている。これにより、上記の通り、ロータ10の環状磁石11は、極歯30a〜30c,40a〜40cに対向するように配置されている。
図2に示されるように、コイル50は、周状に並ぶ複数の極歯30a〜30c,40a〜40cの外周に配置されている。モータ1は、コイル50によりヨーク30,40が励磁され、極歯30a〜30cと極歯40a〜40cとが励磁されることで駆動される。すなわち、ロータ10は、コイル50及び極歯30a〜30c,40a〜40cに対して回転可能である。ここで、図2に示されるように、極歯30a〜30c,40a〜40cのそれぞれは、ロータ10との距離すなわち環状磁石11の側周面との距離が、反時計回り方向に徐々に小さくなるように形成されている。これにより、コイル50を用いてモータ1を容易に駆動可能に構成されている。
図1などに示されるように、モータ1は、例えば次のような手順で一体に組み立てられている。すなわち、ケース2の内部に、ケース2の底部内面側から、ヨーク40、コイル50、ヨーク30を順に配置する。ケース2の底面には配線用基板70を配置して、コイル50の2つの巻回端部51a,51bを、配線用基板70の接続パターン75に接続する。そして、ヨーク30,40の中央部にロータ10を配置し、モータ1の上面から、ケース2の内部をトッププレート8で覆う。なお、組立て手順は、これに限られるものではない。
図3は、下ステータヨーク40を示す斜視図である。
本実施の形態において、ヨーク40の平板部41には、複数の突起部45が形成されている。図3に示されるように、突起部45は、それぞれ、ヨーク40の平板部41のうち、コイル50の底面に面する位置の一部に形成されている。
突起部45は、平板部41のうち極歯40a〜40cのそれぞれが設けられている部位の近傍に1つずつ、合計3つが設けられている。3つの突起部45は、互いに、コイル50の巻回方向に沿って、略均等な間隔で配置されている。
各突起部45は、平面視で略円形であって、平板部41から上方に山形に隆起している。各突起部45は、例えばプレス加工により平板部41から上方に押し出されることで形成されている。すなわち、ヨーク40は、突起部45も含めて、1つの板状部材から一体に形成されている。なお、各突起部45の平板部41からの突出高さは、わずかであって、例えばコイル50の巻回端部50a,50bの太さより若干大きい程度に設定されている。
図4は、モータ1の側断面図である。
図4に示されるように、ヨーク40に3つの突起部45が形成されていることにより、コイル50は、3つの突起部45に接触し、略水平に、安定した姿勢で、ヨーク40上に配置されている。このようにコイル50が配置されていることにより、コイル50の底面は、ヨーク40の平板部41の上面に密着しない。すなわち、コイル50は、コイル50の底面とヨーク40の平板部41の上面との間に、図4に寸法Xで示すように隙間を設けた状態で、ヨーク30,40間に配置されている。この隙間は、突起部45の平板部41からの突出高さ、すなわちコイル50の巻回端部50a,50bの太さより若干大きい程度の高さになっている。
このようにコイル50とヨーク40の平板部41との間に隙間が設けられているので、コイル50の実装時において、コイル50の外側の巻回端部51bは、コイル50と平板部41との間の隙間を通され、コイル50を横断するようにしてコイル50の内側(ロータ10の回転中心側)に引き込まれる。これにより、コイル50の外側の巻回端部51bは、コイル50の内側の巻回端部51aと同様に、コイル50の内側において、接続パターン75に接続される。
[実施の形態における効果]
以上説明したように、本実施の形態において、ヨーク40の平板部41のうち、コイル50に面する位置の一部に、コイル50に向けて突出する突起部45が設けられているので、コイル50と平板部41との間に隙間ができる。これにより、コイル50の2つの巻回端部51a,51bを、容易に、コイル50の内側に引き出すことができる。突起部45は3つ設けられているので、コイル50は、ヨーク30,40の平板部31,41に対して傾かず、略水平に配置される。したがって、ヨーク30,40により、均一にコイルを保持することができるので、コイル50の変形を防止することができ、コイル50が傷つくことがなくなる。また、ガタツキによる異音も防止できる。また、モータ1を安定して動作させることができる。モータ1は、簡素な構成を有しているので、モータ1の製造コストが比較的低くなる。
巻回端部51bは、コイル50と平板部41との間の隙間を通されるので、ヨーク40とケース2との間には巻回端部51bを通す必要がなくなり、配線用基板70もケース2の底面に沿うように配置させることができる。したがって、モータ1を小型化及び薄型化でき、かつ、モータ1を比較的単純な製造手順で、容易に製造可能になる。ヨーク40とケース20とを近接させることができるので、漏れ磁束を少なくして、モータ1の効率を高くすることができる。
各突起部45は、平板部41のうち一部にのみ設けられているので、コイル50の巻回端部51bをコイル50の内側に引き出すことのできる隙間のある範囲は広くなる。そのため、コイル50の巻回端部51bの位置を、ヨーク40やケース2などに対して位置決めする必要がなくなる。また、ヨーク40に巻回端部51bを通すための溝部などを形成する必要がないため、ヨーク40が電磁鋼板のように比較的加工しにくい材料からなる場合であっても、モータ1の製造を容易に行うことができる。巻回端部51bが接続される配線用基板70に近い側のヨーク40に突起部45が設けられているので、巻回端部51bの取り回しを容易に行うことができ、モータ1の内部における配線の長さを短くすることができる。
本実施の形態において、極歯40a〜40c、平板部41、及び3つの突起部45が、1つの板状部材にプレス加工などを施すことなどにより、一体に形成されている。したがって、ヨーク40をより容易に形成することができ、ヨーク40の製造コストを低減できる。
[その他]
下ステータヨークや上ステータヨークは、それぞれ、複数の部材を溶接や接着などにより接合することにより形成されていてもよい。突起部は、例えば、別に形成された部材を平板部に配置したり、はんだなどの別の材料を平板部に盛ったりすることなどにより形成されていてもよい。
モータは、コイルの内側の巻回端部を、コイルとヨークの平板部との隙間を通してコイルの外側に引き出すようにして構成されていてもよい。また、配線用基板は、ケースの内部に、上ステータヨーク又は下ステータヨークに沿うようにして配置されていてもよい。配線用基板は、ケースとは別の位置に、モータ1の本体とは離れた位置に設けられていてもよい。配線用基板は、駆動用ICや回路基板を有していないものであってもよい。
上ステータヨーク側に突起部が設けられていることで、上ステータヨークの平板部とコイルとの間に隙間が設けられており、その隙間を介してコイルの巻回端部がコイルの内側又は外側に引き出されるように構成されていてもよい。
ロータの構成やロータスペーサの形状などは、上述に限られない。ウエイトは設けられていなくてもよく、モータは振動モータでなくてもよい。ケースにシャフトが保持されており、ロータはそのシャフトを貫通する軸受を保持していてもよい。モータは、すべり軸受やワッシャに代えて、他の形式の軸受などを用いたものであってもよい。
磁極の数や極歯の数は上述に限られず、さらに多くてもよいし、これより少なくてもよい。
上記実施の形態やその変型例のそれぞれの特徴点は、適宜組み合わせられてもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 クローポール型ブラシレスモータ
2 ケース
10 ロータ
11 環状磁石
15 ウエイト
30 上ステータヨーク
31 平板部
30a,30b,30c 上ステータヨークの極歯
40 下ステータヨーク
41 平板部
40a,40b,40c 下ステータヨークの極歯
45 突起部
50 コイル
51a,51b コイルの巻回端部
70 配線用基板

Claims (3)

  1. それぞれ平板状に形成され、互いに対面交差する複数の極歯がそれぞれ周状に並ぶように突設された一対のステータヨークと、
    前記複数の極歯の外周に、前記一対のステータヨークの間に挟まれるようにして配置されたコイルと、
    前記複数の極歯に対向するように配置された磁石を有するロータとを備え、
    前記一対のステータヨークのうち少なくとも一方には、前記コイルに面する位置の一部に前記コイルに向けて突出するように形成された複数の突起部が設けられている、クローポール型ブラシレスモータ。
  2. 前記突起部は、プレス加工により前記ステータヨーク上に設けられており、
    前記突起部が設けられたステータヨークは、1つの板状部材から一体に形成されている、請求項1に記載のクローポール型ブラシレスモータ。
  3. 前記一対のステータヨークの一方に沿うように配置され、前記コイルの巻回端部のうち少なくとも1つが接続された配線用基板をさらに備え、
    前記突起部は、前記一対のステータヨークのうち前記配線用基板に近接する一方に設けられている、請求項1に記載のクローポール型ブラシレスモータ。
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