JP2013029040A - 排気再循環システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気再循環の実施に際し、エンジンの燃焼に伴い粒子状物質(PM)が生成するのを抑制する。
【解決手段】エンジン10は、燃料を直接気筒内に噴射する燃料噴射弁19を備える。また、エンジン10の排気通路には、該排気通路を流通する排気の一部を、排気通路と吸気通路とを連通する連通通路を通じて吸気通路に再循環させる排気再循環装置が設けられている。ECU50は、1燃焼サイクルのうちの吸気行程において燃料噴射弁19による燃料噴射を実施する。また、ECU50は、エンジン10のピストン43の温度を検出する温度検出手段を備え、排気再循環装置による排気の再循環を実施する場合に、ピストン温度に基づいて、都度のエンジン運転状態に基づいて算出される基本噴射時期を吸気行程において遅角側に変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気再循環システムの制御装置に関し、特に、燃料を直接気筒内に噴射する筒内噴射式のエンジンに適用される排気再循環システムの制御装置に関する。
従来、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンにおいて、排気の一部を吸気系に再循環(還流)させることでエンジンの燃焼温度を低下させ、これにより燃焼によるNOxの生成を抑制することが行われている。また近年、ディーゼルエンジンにおいて、エンジンの燃焼室に導入される吸気に占めるEGRガスの比率(EGR率)を大きくすると、エンジンの燃焼により生成される粒子状物質(PM)の量がある一定のEGR率でピークとなり、その後はEGR率の増大に伴いPM生成量が少なくなることに着目した技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ディーゼルエンジンにおいて、EGR率を高い状態にすると、低温燃焼によりPM及びNOxの排出量を低減できるとともに、通常燃焼時よりも空燃比リッチになることを利用して、低温燃焼によるリッチスパイクを実行することが開示されている。
特開2009−191659号公報
上記のようなEGR率に対するPM排出特性は、ガソリン直噴エンジンでも同様の傾向を示し、EGR率がある一定のEGR率よりも大きい場合には、EGR率の増大により燃焼温度が低下するとともに、その燃焼温度の低下によりPM生成量を減少できると考えられる。その一方で、EGR率を大きくすると、燃焼温度の低下に伴いエンジン温度(ピストン温度)が低下することにより、ピストンに付着した燃料が液体のまま残りやすくなり、そのピストンウェットに起因してPM生成量が多くなることが懸念される。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、排気再循環の実施に際し、エンジンの燃焼に伴い粒子状物質(PM)が生成するのを抑制することができる排気再循環システムの制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、燃料を直接気筒内に噴射する燃料噴射弁を備えるエンジンと、該エンジンの排気通路を流通する排気の一部を前記排気通路と吸気通路とを連通する連通通路を通じて前記吸気通路に再循環させる排気再循環装置と、を備える排気再循環システムに適用される排気再循環システムの制御装置に関する。そして、請求項1に記載の発明は、1燃焼サイクルのうちの吸気行程において前記燃料噴射弁による燃料噴射を実施する噴射制御手段と、都度のエンジン運転状態に基づいて、前記噴射制御手段による燃料の噴射時期として基本噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、エンジンのピストンの温度を検出する温度検出手段と、前記排気再循環装置による前記排気の再循環を実施する場合に、前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記噴射時期算出手段により算出される基本噴射時期を遅角側に変更する噴射時期変更手段と、を備えることを特徴とする。
要するに、排気再循環装置による排気の再循環要求が生じ、その再循環要求に伴い排気の再循環を実施する場合、燃焼温度の低下により、エンジンから排出される粒子状物質(PM)やNOxの量を低減できる。その反面、燃焼温度の低下に伴いエンジン温度(ピストン温度)が低下することにより、ピストンウェットが生じやすくなり、これに起因して、エンジンから排出される粒子状物質の量が多くなることが懸念される。その点、本構成では、排気の再循環要求に伴い排気再循環装置による排気の再循環を実施する場合、都度のピストン温度に基づいて、燃料の噴射時期(基本噴射時期)を吸気行程において遅角側に変更する。この場合、ピストン温度が低くピストンウェットが生じやすい状況でも、燃料噴射時期を吸気行程において遅角側に変更することによって燃料がピストンに付着するのを抑制することができる。その結果、排気再循環の実施に際し、粒子状物質の排出抑制を好適に図ることができる。
ここで、ピストン温度を検出する温度検出手段としては、例えば、エンジン運転状態に関するパラメータ(例えばエンジン回転速度やエンジン負荷など)を取得し、その取得したパラメータに基づいてピストン温度を推定する構成、エンジンの冷却水温度や燃焼温度、排気の再循環率等に基づいてピストン温度を推定する構成、ピストン温度を検出するセンサを取り付け、同センサによりピストン温度を直接検出する構成等が挙げられる。また、燃料の噴射時期としては、噴射開始時期が吸気行程であればよい。
請求項2に記載の発明では、前記噴射時期変更手段は、前記温度検出手段により検出したピストン温度が所定温度よりも低い場合に、前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記噴射時期算出手段により算出される基本噴射時期を遅角側に変更する。
ピストンウェットに起因して生成される粒子状物質の量は、燃焼温度が比較的高い温度域ではさほど変化しないが、燃焼温度がある程度低くなると急激に増加する(図2参照)。一方、ピストン温度に応じて燃料噴射時期を遅角側に変更した場合には、燃料の噴射時期が最適噴射時期よりも遅角側になることにより燃焼効率が低下することが考えられる。したがって、燃料噴射時期の遅角化は必要な場合に実施するのが望ましい。これに鑑み、本構成のように、ピストン温度が所定温度よりも低いことを条件に、ピストン温度に基づいて基本噴射時期を吸気行程において遅角側に変更することにより、排気の再循環に伴い生じるピストンウェットに対して適正な補正を行うことができる。
具体的には、例えば、ピストン温度と基本噴射時期の変更量との関係を予め定めておき、その関係を用いて、現在のピストン温度に対応する基本噴射時期の変更量を算出する構成において、ピストン温度が所定温度よりも低い領域では該変更量を0以外の値とし、ピストン温度が所定温度よりも高い領域では該変更量を0にする。あるいは、再循環率とピストン温度には相関があり、再循環率が高いほどピストン温度が低くなることに鑑み、排気再循環装置による排気の再循環を実施する場合に、その再循環率が所定の再循環率、例えば燃焼による粒子状物質の生成量がピークとなる再循環率よりも大きいか否かを判定し、再循環率が所定の再循環率よりも大きいと判定された場合に、ピストン温度に基づいて基本噴射時期を遅角側に変更するようにする。
請求項3に記載の発明では、前記噴射制御手段は、前記吸気行程において前記燃料噴射弁により各々異なるタイミングで複数回の燃料噴射を実施し、都度のエンジン運転状態に基づいて、1燃焼サイクルで噴射すべき燃料量のうち初回の燃料噴射で噴射する燃料量の比率である基本分割率を算出する分割率算出手段と、前記排気再循環装置による前記排気の再循環を実施する場合に、前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記分割率算出手段により算出した基本分割率を小さくなる側に変更する分割率変更手段と、を更に備える。
1燃焼サイクルで燃料噴射を複数回行う場合、エンジン運転状態に基づいて1燃焼サイクルで噴射すべき燃料量を算出し、その算出した燃料量を、各噴射回の燃料噴射量として振り分ける。その振り分けに際し、本構成では、排気の再循環要求に伴い排気の再循環を実施する場合には、都度のピストン温度に応じて、1燃焼サイクル内で実施される複数回の燃料噴射のうちの初回噴射の燃料量を少なくする側に変更するため、ピストン温度が低くピストンウェットが生じやすい状況において、燃料がピストンに付着するのを抑制することができる。これにより、排気再循環を実施した場合に、粒子状物質の排出抑制を好適に図ることができる。
請求項4に記載の発明では、前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記排気再循環装置による排気の再循環の実施を制限する。
排気の再循環要求があったとしても、ピストン温度が低い場合には、排気の再循環に伴う燃焼温度の低下によってピストン温度が更に低下し、ピストンウェットに起因して粒子状物質が生成されやすくなる。これに鑑み、上記構成とすることにより、排気の再循環の実施により燃焼温度が低下しすぎるのを抑制でき、結果として、ピストンウェットに起因する粒子状物質の生成を抑制することができる。ここで、排気の再循環の実施を制限する構成としては、例えば、排気の再循環の実施を禁止又は中止する構成や、再循環率の上限値を設ける構成等が挙げられる。
本発明における第2の発明としては、請求項5に記載されるように、燃料を直接気筒内に噴射する燃料噴射弁を備えるエンジンと、該エンジンの排気通路を流通する排気の一部を前記排気通路と吸気通路とを連通する連通通路を通じて前記吸気通路に再循環させる排気再循環装置と、を備える排気再循環システムに適用され、1燃焼サイクルのうちの吸気行程において、前記燃料噴射弁により各々異なるタイミングで複数回の燃料噴射を実施する噴射制御手段と、都度のエンジン運転状態に基づいて、1燃焼サイクルで噴射すべき燃料量のうち初回の燃料噴射で噴射する燃料量の比率である基本分割率を算出する分割率算出手段と、エンジンのピストンの温度を検出する温度検出手段と、前記排気再循環装置による前記排気の再循環を実施する場合に、前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記分割率算出手段により算出した基本分割率を小さくなる側に変更する分割率変更手段と、を備えることを特徴とする。
上述したように、排気の再循環要求に伴い排気再循環装置による排気の再循環を実施する場合、燃焼温度の低下により、エンジンから排出される粒子状物質(PM)やNOxの量を低減できる。その反面、燃焼温度の低下に伴いエンジン温度(ピストン温度)が低下することにより、ピストンウェットが生じやすくなり、これに起因して、エンジンから排出される粒子状物質の量が多くなることが懸念される。その点、本構成では、排気の再循環要求に伴い排気再循環装置による排気の再循環を実施する場合、都度のピストン温度に基づいて、1燃焼サイクル内で実施される複数回の燃料噴射のうちの初回噴射の燃料量を少なくする側に変更するため、ピストン温度が低くピストンウェットが生じやすい状況において、燃料がピストンに付着するのを抑制することができる。その結果、排気再循環を実施した場合にも、粒子状物質の排出抑制を図ることができる。
エンジン制御システムの全体概略構成図。 EGR導入時におけるPM生成量を示す図。 EGRガス導入時における噴射補正処理を示すフローチャート。 ピストン温度と分割率補正量との関係を示すマップの一例を示す図。 ピストン温度と時期補正量との関係を示すマップの一例を示す図。 ピストン温度に基づいてEGR率の上限値を変更する場合の処理を示すフローチャート。
以下、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、内燃機関である車載多気筒4サイクルガソリンエンジンであって筒内噴射式かつ火花点火式のエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしている。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施する。このエンジン制御システムの全体概略構成図を図1に示す。
図1に示すエンジン10において、吸気管11の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、エアクリーナ12の下流側には吸入空気量を検出するためのエアフロメータ13が設けられている。また、エアフロメータ13の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ15によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ15に内蔵されたスロットル開度センサにより検出される。
スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、サージタンク16において、吸気管内圧力を検出するための吸気管内圧力センサ17が設けられている。サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されている。吸気マニホールド18は、更に各気筒の吸気ポートに接続されている。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートには、それぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられている。この吸気バルブ21の開動作によりサージタンク16内の空気が燃焼室23内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排ガスが排気管24に排出される。
エンジン10の各気筒の上部には、燃焼室23内に燃料を直接供給する燃料噴射弁19が取り付けられおり、本実施形態では、噴射燃料がシリンダ斜め上方から燃焼室23内に供給されるように燃料噴射弁19が取り付けられている。燃料噴射弁19には、燃料配管25を介して燃料タンク38が接続されており、燃料配管25において、その最上流部に電磁駆動式のフィードポンプ39が配置され、フィードポンプ39の下流側に機械駆動式の高圧ポンプ26が配置されている。燃料タンク38内の燃料は、フィードポンプ39により汲み上げられて所定のフィード圧(例えば0.3MPa)まで加圧された後、高圧ポンプ26に圧送される。また、高圧ポンプ26に圧送されたフィード圧の燃料は、高圧ポンプ26により更に高圧(例えば4〜20MPa)にされた後、デリバリパイプ27に圧送され、デリバリパイプ27から各気筒の燃料噴射弁19に供給される。その後、燃料噴射弁19により燃焼室23内に噴射される。
エンジン10のシリンダヘッドには点火プラグ29が取り付けられている。点火プラグ29には、点火コイル等よりなる点火装置(図示略)を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ29の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内の混合気が着火され燃焼に供される。また、混合気の燃焼によって、エンジン10のシリンダ内に収容されたピストン43が往復動してエンジン10の出力軸(クランク軸)が回転される。
排気管24には、排ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための触媒として三元触媒31が設けられている。また、排気管24には、排気を検出対象として混合気の空燃比(酸素濃度)を検出するセンサが設けられている。詳しくは、排気管24において、触媒31の上流側には、排気中の酸素濃度に比例した広域の空燃比信号を出力する広域検出タイプの空燃比センサ32が設けられ、触媒31の下流側には、大気中と排気中の酸素濃度の差により二値の起電力を発生する起電力出力タイプのO2センサ33が設けられている。また、本システムには、O2センサ33の下流側において更に触媒(三元触媒等)34が設けられている。
本システムには、排気の一部をEGRガスとして吸気系に導入するEGR装置(排気再循環装置)が設けられている。すなわち、吸気管11と排気管24との間には、一端が吸気管11のスロットルバルブ下流側(上流側でも可)に接続され、他端が排気管24の触媒下流側(上流側でも可)に接続されたEGR配管41が設けられている。また、EGR配管41の途中には電磁式のEGR弁42が設けられており、EGR弁42の開度を調整することで、吸気系に導入するEGRガス量を増減調整できるようになっている。
その他、エンジン10には、冷却水温を検出する冷却水温センサ35や、エンジン10の所定クランク角毎に(例えば10°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角センサ36、デリバリパイプ27内の燃料圧力を検出する燃圧センサ37などが取り付けられている。
ECU50は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)51を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU50のマイコン51は、前述した各種センサなどから各々検出信号を入力し、それら入力した各種検出信号に基づいて、燃料噴射量や点火時期等を演算して燃料噴射弁19や点火装置の駆動等を制御する。
燃料噴射制御について、マイコン51は、都度のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度やエンジン負荷)に基づいて、例えば予め定めた適合マップ等を用いることにより、燃料の噴射開始時期として基本噴射時期を算出する(噴射時期算出手段)。また、算出した噴射時期で燃料の噴射が開始されるよう燃料噴射弁19の駆動を制御する。噴射時期について具体的には、本実施形態では、基本的には1燃焼サイクル(吸気行程→圧縮行程→膨張行程→排気行程)のうちの吸気行程で燃料の噴射を開始し、例えばエンジン始動時や触媒暖機時など一部のエンジン運転状態において圧縮行程で燃料の噴射を開始する。
また本システムでは、都度のエンジン運転状態に応じて、1燃焼サイクルで燃料噴射を1回行う1回噴射モードと、1燃焼サイクル内の異なるタイミングで燃料噴射を複数回行う分割噴射モードとを切り替える。具体的には、本実施形態では、エンジン10が低負荷又は高回転の場合に1回噴射モードを選択し、中・高負荷かつ中・低回転の場合に分割噴射モードを選択する。分割噴射について本実施形態では、複数回の燃料噴射のいずれにおいても吸気行程で燃料噴射を開始するようにしている。このとき、エンジン運転状態に応じて、分割噴射モードの噴射回数を異なる回数としてもよく、例えばエンジン負荷が大きいほど噴射回数を増やしてもよい。
分割噴射モードにおける各噴射回の燃料噴射量を算出するには、まず、都度のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度やエンジン負荷)に基づいて、1燃焼サイクルで噴射すべき総燃料量を算出し、その総燃料量を基本分割率に応じて各噴射回に振り分けることにより行う。基本分割率について本実施形態では、総燃料量を1とした場合の初回噴射での燃料量の比率で表され、都度のエンジン運転状態に応じて可変に設定される。
また、マイコン51は、都度のエンジン運転状態に基づいて、EGR弁42の開度を制御することにより、吸気系に導入するEGRガス量を調整している。具体的には、マイコン51は、空燃比センサ32により検出される空燃比と、エアフロメータ13により検出される吸入空気量とから実際のEGR率である実EGR率を算出する。また、現在のエンジン運転状態(エンジン回転速度やエンジン負荷など)に基づいて、EGR率の制御目標値である目標EGR率を算出する。そして、実EGR率が目標EGR率になるようにEGR弁42の開度を調整する。この場合、EGR率(EGRガス量/(新気量+EGRガス量))が高いほど、燃焼温度の上昇が緩慢となりNOx排出量が抑制される。
ガソリン直噴エンジンでは、ディーゼルエンジンと同様に、EGR率の大小に応じて燃焼温度が変化するとともに、燃焼温度の変化に応じて、燃焼により生成されるPM生成量が異なると考えられる。具体的には、図2の線L1に示すように、EGR率が所定値e1よりも小さい領域では、EGR率の増大に伴い(燃焼温度の低下に伴い)PM生成量が多くなるが、EGR率が所定値e1を超えると、今度はEGR率の増大に伴い(燃焼温度の低下に伴い)PM生成量が少なくなる。この要因としては種々考えられるが、例えば、EGR率が所定値e1よりも小さい領域では、燃焼室23に導入される混合気中の酸素量が減少することによりPM生成量が増大し、EGR率が所定値e1よりも大きい領域では、燃焼温度の上昇を緩慢にすることで燃焼温度がPMの生成温度以下に抑制されることによりPM生成量が減少するものと考えられる。
このようなPM排出特性を考慮すると、EGR率が所定値e1よりも大きい領域では、EGR率の増大によってNOx排出量を低減できるとともに、PM排出量を低減できると言える。そこで、本システムでは、比較的大量のEGRガスを導入可能なエンジン運転領域(例えば、エンジン10の中・低負荷かつ中・高回転の運転領域)では、PM生成量がピークとなるEGR率(所定値e1)よりも高いEGR率で燃焼を行うことにより、NOx及びPMの排出を抑制している。なお、EGRガス導入が実施されるエンジン運転領域では、吸気行程において燃料噴射が1回又は複数回実施される。
ここで、吸気系にEGRガスを導入した場合、燃焼温度が低下することによりエンジン10の温度(ピストン温度)が低下することが考えられる。また、ピストン温度が低下した場合には、燃料噴射弁19から噴射されピストンに付着した燃料(ガソリン)が液体のまま残りやすくなる。つまり、ピストンウェットが発生しやすくなる。かかる場合、燃料と空気との混合が適切に行われず、その結果、EGRガスの導入によってNOxやPMの排出量を低減しようとしているにもかかわらず、PM低減を適正に実施できないおそれがある。具体的には、図2の線L2に示すように、EGR率を大きくするほど(燃焼温度が低くなるほど)ピストンウェットに起因するPM生成量が多くなり、燃焼温度の低下の影響を受けやすくなると考えられる。中でも特に、EGR率を、PM生成量がピークとなるEGR率(所定値e1)よりも大きくすると、ピストンウェットに起因するPM生成量が急激に多くなる傾向を示す。
そこで、本実施形態では、EGR装置による排気の再循環要求が生じ、その再循環要求に伴いEGR装置による排気の再循環を実施する場合、都度のピストン温度に基づいて、燃料の噴射時期(基本噴射時期)を吸気行程において遅角側に変更することとしている。つまり、ピストン温度が低くピストンウェットが生じやすい状況では、燃料噴射時期を吸気行程において遅角側に変更することにより、燃料がピストンに付着するのを抑制する。これにより、EGRガスを導入した場合にも、PM生成を抑制できるようにしている。
次に、EGRガス導入時における燃料噴射時期の補正処理(噴射補正処理)について、図3のフローチャートを用いて説明する。この処理は、ECU50のマイコン51により所定周期毎に実行される。
図3において、ステップS101では、EGR装置による排気の再循環要求があったか否かを判定する。ここでは、現在のエンジン運転状態が、EGRガスを導入可能な運転領域(例えば、エンジン10の中低負荷かつ中高回転の運転領域)内の動作点であるか否かを判定する。例えば、EGRガス導入を実施可能なエンジン運転領域に移行したのに伴いEGR弁42を全閉状態から開弁状態に切り替える場合や、EGRガス導入の実施中において実EGR率と目標EGR率とが一致するようにEGR弁42の開度を変更又は維持する場合に肯定判定される。
排気の再循環要求があった場合、図示しない別ルーチンにより、その再循環要求を満たすべくEGR弁42の開度制御が実行される。具体的には、現在のエンジン運転状態(エンジン回転速度やエンジン負荷など)に基づいて目標EGR率を算出し、実EGR率を目標EGR率に一致させるべくEGR弁42の開度を調整する。また、再循環要求があった場合には、図3においてステップS102へ進み、ピストン43の温度を検出する(温度検出手段)。ここでは、エンジン運転状態に関するパラメータ(例えばエンジン回転速度やエンジン負荷など)を取得し、その取得した値に基づいてピストン温度を推定することにより行う。
なお、ピストン43の温度を検出する構成は上記に限定せず、例えば、冷却水温センサ35により検出される冷却水温度や、燃焼温度、EGR率に基づいてピストン温度を推定する構成としてもよい。また、ピストン温度を検出するセンサを取り付け、同センサによりピストン温度を直接検出してもよい。
続くステップS103では、分割噴射モードが選択されているか否かを判定する。分割噴射モードが選択されている場合にはステップS104へ進み、図示しない別ルーチンにより算出される基本分割率を読み込み、ステップS105において、その読み込んだ基本分割率をピストン温度に応じて補正する(分割率変更手段)。本実施形態では、ピストン温度に応じた基本分割率の補正量(分割率補正量)を例えばマップとして予め定めて記憶しておき、そのマップを用いて、現在のピストン温度に対応する分割率補正量を算出するとともに、その算出した分割率補正量に応じて基本分割率を補正する。ここでは、エンジン運転状態に基づき算出した基本分割率から分割率補正量を減算することにより基本分割率を補正する。
図4は、ピストン温度と分割率補正量との対応関係を示すマップの一例である。図4によれば、ピストン温度が低いほど分割率補正量として大きい値が設定される。より具体的には、分割率補正量には上限値が設けられており、ピストン温度が値Te1までの低温度域では、分割率補正量として上限値α1が設定され、値Te1から値Te2までの中温度域では、温度が高くなるほど分割率補正量として小さい値が設定され、値Te2よりも高温度域では、分割率補正量として0が設定される。この図4の関係によれば、ピストン温度が低いほど、1燃焼サイクルで噴射すべき燃料量に対する初回噴射の燃料量の比率が小さく設定される。
なお、分割率補正量により基本分割率を補正する方法は上記に限定せず、例えば、基本分割率に分割率補正量を乗算することにより行ってもよい。この場合、分割率補正量の上限値を1とし、ピストン温度が低くなるにつれて分割率補正量が1よりも小さくなるようにするとよい。
さて、ステップS106では、図示しない別ルーチンにより算出される基本噴射時期を読み込む。このとき、分割噴射モードが選択されている場合には、初回噴射の基本噴射時期を読み込む。なお、読み込んだ基本噴射時期は、EGRガス導入の実施時における燃料噴射の開始時期であり、吸気行程を噴射開始時期としている。続くステップS107では、その読み込んだ基本噴射時期をピストン温度に応じて補正する(噴射時期変更手段)。本実施形態では、ピストン温度に応じた基本噴射時期の補正量(時期補正量)を例えばマップとして予め定めて記憶しておき、そのマップを用いて、現在のピストン温度に対応する時期補正量を算出するとともに、その算出した時期補正量に応じて基本噴射時期を補正する。ここでは、エンジン運転状態に基づき算出した基本噴射時期を、時期補正量に相当する分だけ吸気行程において遅角側に変更することにより、基本噴射時期の補正を行う。
図5は、ピストン温度と時期補正量との対応関係を示すマップの一例である。なお、図5では、吸気行程において基本噴射時期を遅角側に変更する際の変更量を時期補正量として示している。したがって、時期補正量が大きいほど、基本噴射時期に対する遅角側への変更量が大きいことを示している。本実施形態では、図5に示すように、ピストン温度が低いほど時期補正量として大きい値が設定される。より具体的には、時期補正量には上限値が設けられており、ピストン温度が値Te3までの低温度域では、時期補正量として上限値β1(例えば20〜40℃A)が設定され、値Te3から値Te4までの中温度域では、温度が高くなるほど時期補正量として小さい値が設定され、値Te4よりも高温度域では、時期補正量として0が設定される。この図5の関係によれば、ピストン温度が低いほど、吸気行程において燃料噴射時期が基本噴射時期に対して遅角側に変更される。
なお、ステップS105で求めた分割率の補正値及びステップS107で求めた燃料噴射時期の補正値は、図示しない別ルーチンによる燃料噴射制御で用いられることにより、それら補正値に基づく燃料噴射が実施される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
EGR装置により吸気系にEGRガスを導入する場合に、ピストン温度に基づいて、燃料の噴射時期(基本噴射時期)を吸気行程において遅角側に変更する構成とした。EGRガスを導入すると、燃焼温度の低下に伴いピストン温度が低下することが考えられるが、本構成によれば、ピストン温度が低くピストンウェットが生じやすい状況でも、燃料がピストン43に付着するのを抑制することができる。故に、EGRガスを導入した場合にも、PM排出抑制を図ることができる。
ピストン温度と基本噴射時期の変更量(時期補正量)との関係(図5参照)において、ピストン温度が所定値Te2よりも低い場合に時期補正量を0以外の値とし、ピストン温度が所定値Te2よりも高い場合に時期補正量を0とする構成とした。図2に示すように、ピストンウェットに起因して生成されるPM量は、燃焼温度が比較的高い温度域ではさほど変化しないが、燃焼温度がある程度低くなると急激に増加する。一方、ピストン温度に応じて燃料噴射時期を遅角側に変更した場合には、燃料の噴射時期が最適噴射時期よりも遅角側になることにより燃焼効率が低下することから、燃料噴射時期の遅角化は必要最小限にするのが望ましい。この点、本構成によれば、ピストン温度が所定温度よりも低いことを条件に、ピストン温度に基づいて基本噴射時期を吸気行程において遅角側に変更するため、EGRの実施に伴い生じるピストンウェットに対して適正な補正を行うことができる。
また、分割噴射を実施する場合には、EGR導入の実施に際し、ピストン温度に基づいて、1燃焼サイクル内で実施される複数回の燃料噴射のうちの初回噴射の燃料量を少なくする側に変更する構成とした。したがって、ピストン温度が低くピストンウェットが生じやすい状況において、燃料がピストン43に付着するのを抑制することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、ECU50が、ピストン温度に基づいて基本分割率を補正する機能と、ピストン温度に基づいて基本噴射時期を補正する機能とを有する構成としたが、いずれか一方の機能のみを有していてもよい。すなわち、ECU50が、ピストン温度に基づいて基本分割率を補正する機能のみを有していてもよいし、ピストン温度に基づいて基本噴射時期を補正する機能のみを有していてもよい。
・上記実施形態では、排気の再循環要求に伴う排気の再循環の実施時に分割噴射モードが選択されている場合、ピストン温度に基づいて基本分割率及び基本噴射時期を補正したが、エンジン温度に基づく補正対象はいずれか一方のみであってもよい。
・排気の再循環要求に伴う排気再循環の実施時における噴射モードに応じてピストン温度に基づく補正対象を変更してもよい。具体的には、1回噴射モードが選択されている場合に、ピストン温度に基づいて基本噴射時期を補正し、分割噴射モードが選択されている場合に、ピストン温度に基づいて基本分割率を補正する構成とする。
・上記実施形態では、図5に示すように、ピストン温度が値Te4よりも高い温度域では時期補正量が0になるようにピストン温度と基本噴射時期の変更量(時期補正量)との関係を予め定めた。図5の関係によれば、ピストン温度が所定温度(値Te4)よりも低いときには、ピストン温度に基づいて基本噴射時期が遅角側に変更され、ピストン温度が所定温度よりも高いときには、ピストン温度に基づく基本噴射時期の遅角側への変更が実施されない。これに対し、本実施形態では、ピストン温度に代えてEGR率をパラメータとして、ピストン温度が所定温度よりも低いか否かを判定する。つまり、EGR装置による排気の再循環要求に伴い排気の再循環を実施する場合に、EGR率が所定値よりも大きいか否かを判定し、EGR率が所定値よりも大きいことを条件に、ピストン温度に基づいて基本噴射時期を変更する。ここで、所定値としては、例えば、エンジン10のPM生成量がピークとなる再循環率であるPMピーク値(図2の所定値e1)とすることができる。EGR率をPMピーク値よりも大きくすると、図2の線L1に示すように、燃焼温度が低下することによりPM生成量を少なくできる反面、図2の線L2に示すように、ピストンウェットに起因するPM生成量が急激に多くなる。一方、ピストン温度に応じて燃料噴射時期を遅角側に変更した場合には、燃料の噴射時期が最適噴射時期からずれることにより燃焼効率が低下するため、燃料噴射時期の遅角化は最小限にするのが望ましい。そこで、本実施形態では、EGR率がPMピーク値よりも大きい場合に、ピストン温度に基づいて基本噴射時期を変更し、EGR率がPMピーク値以下の場合には、ピストン温度に基づく基本噴射時期の変更を実施しない構成とする。この場合にも、必要に応じて燃料噴射時期の遅角化を実施することができ、排気の再循環に伴い生じるピストンウェットに対して適正な補正を行うことができる。
・EGR装置による排気の再循環要求に伴い排気再循環を実施する場合に、ピストン温度に基づいて、EGR装置による排気の再循環の実施を制限する。再循環要求があったとしてもピストン温度が低い場合には、EGRガスを導入することによってエンジン温度(ピストン温度)が更に低下し、その結果、ピストンウェットに起因するPM生成が起こりやすくなる。したがって、上記構成とすることにより、EGRガスの導入に起因するPM生成を好適に抑制することができる。エンジン温度に基づいて排気再循環の実施を制限する構成としては、例えば、排気の再循環要求に伴いEGRガスの導入を開始する場合に、その開始時のピストン温度が、ピストンウェットに起因するPM生成量が所定量以上となる所定の低温域内にあるか否かを判定し、肯定判定される場合に排気の再循環の実施を禁止する。また、EGRガス導入の実施中であれば、ピストン温度が所定の低温域内になった場合に排気の再循環を中止する。あるいは、排気の再循環を実施する場合において、ピストン温度に基づいてEGR率の上限値を可変にする構成としてもよい。
図6は、ピストン温度に基づいてEGR率の上限値を可変に設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、ECU50のマイコン51により所定周期毎に実行される。なお、図6の説明では、上記図3と同じ処理については図3のステップ番号を付してその説明を省略する。
図6において、ステップS301及びS302では、ステップS101及びS102と同じ処理を実行し、ステップS303において、ピストン温度に応じてEGR率の上限値を設定する。本実施形態では、ピストン温度に応じたEGR率の上限値を例えばマップとして予め定めて記憶しておき、そのマップを用いて、現在のピストン温度に対応するEGR率の上限値を設定する。同マップについて、本実施形態では、ピストン温度が低いほどEGR率の上限値が小さくなるように定めてある。その後、ステップS304〜S308では、上記図3のステップS103〜S107と同じ処理を実行し本ルーチンを終了する。なお、ステップS303で設定したEGR率の上限値は、図示しない別ルーチンにより目標EGR率を設定する際に用いられる。
・ピストン温度に基づいて排気再循環の実施を制限する構成は、ECU50が、ピストン温度に基づいて基本分割率を補正する機能のみを有している構成、又はピストン温度に基づいて基本噴射時期を補正する機能のみを有している構成に適用してもよい。なお、この場合の排気再循環の実施を制限する構成としては上記に例示した構成が挙げられる。
・基本噴射時期や基本分割率の補正量には上限があり(図4及び図5参照)、補正量として上限値が設定されている状況では、ピストンウェットに起因するPM生成を好適に抑制できる程度までピストン温度を低下させることができないおそれがある。これに鑑み、本構成では、排気中のPM量を検出するPM量検出手段を設け、ピストン温度に応じて基本噴射時期を遅角側に変更しつつ排気再循環を実施している場合に、同PM検出手段によりPM量が判定値を超えることが検出された場合に、EGR装置による排気の再循環の実施を制限する(排気再循環を中止するか又はEGR率の上限を設定する)。PM量検出手段としては、排気中のPM量を検出するPMセンサを設け、PMセンサにより排気中のPM量を直接検出する構成としてもよい。あるいは、ピストン温度に基づいて排気中のPM量を推定する構成としてもよい。
・上記実施形態では、ピストン温度に基づいて基本噴射時期を遅角側に変更する構成として、ピストン温度と時期補正量との関係を予め定めておき、その関係(図5参照)を用いて、今現在のピストン温度に対応する時期補正量を算出する構成とした。これに対し、本実施形態では、EGR率と時期補正量との関係を予め定めておき、その関係を用いて、今現在のEGR率に対応する時期補正量を算出する構成とする。ピストン温度はEGR率に応じて異なり、EGR率が高いほど燃焼温度が低くなることでピストン温度が低くなる。したがって、EGR率と時期補正量とを対応付けておき、その対応関係を基に、現在のEGR率から時期補正量を求める場合にも、ピストン温度に応じて時期補正量を求めることができる。EGR率と時期補正量との関係としては、EGR率が高いほど時期補正量を大きくするのがよい。具体的には、例えば、EGR率が値E1未満では、時期補正量を0とし、E1〜E2(E2>E1)では、EGR率が高いほど大きくし、値E2よりも高い領域では、時期補正量を上限値(例えば20〜40℃A)にしておくとよい。
・上記実施形態では、燃料噴射弁19について、エンジン10の各気筒の上部において、シリンダ斜め上方から燃焼室23内に燃料を直接供給する構成としたが、シリンダの中央に燃料噴射弁19を配置し、ピストン43に向かって垂直に燃料を噴射するセンター噴射式の構成としてもよい。この場合、ピストン43への燃料の付着が生じやすく、ピストン温度に基づく燃料噴射時期及び分割率の補正による効果、すなわち、排気再循環の実施に際し、エンジン10の燃焼に伴いPMが生成するのを抑制するといった効果を好適に得ることができる。
10…エンジン、19…燃料噴射弁、29…点火プラグ、41…EGR配管、42…EGR弁、43…ピストン、50…ECU、51…マイコン(噴射時期算出手段、温度検出手段、噴射時期変更手段、分割率算出手段、分割率変更手段)。

Claims (5)

  1. 燃料を直接気筒内に噴射する燃料噴射弁を備えるエンジンと、該エンジンの排気通路を流通する排気の一部を前記排気通路と吸気通路とを連通する連通通路を通じて前記吸気通路に再循環させる排気再循環装置と、を備える排気再循環システムに適用され、
    1燃焼サイクルのうちの吸気行程において前記燃料噴射弁による燃料噴射を実施する噴射制御手段と、
    都度のエンジン運転状態に基づいて、前記噴射制御手段による燃料の噴射時期として基本噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、
    エンジンのピストンの温度を検出する温度検出手段と、
    前記排気再循環装置による前記排気の再循環を実施する場合に、前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記噴射時期算出手段により算出される基本噴射時期を遅角側に変更する噴射時期変更手段と、
    を備えることを特徴とする排気再循環システムの制御装置。
  2. 前記噴射時期変更手段は、前記温度検出手段により検出したピストン温度が所定温度よりも低い場合に、前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記噴射時期算出手段により算出される基本噴射時期を遅角側に変更する請求項1に記載の排気再循環システムの制御装置。
  3. 前記噴射制御手段は、前記吸気行程において前記燃料噴射弁により各々異なるタイミングで複数回の燃料噴射を実施し、
    都度のエンジン運転状態に基づいて、1燃焼サイクルで噴射すべき燃料量のうち初回の燃料噴射で噴射する燃料量の比率である基本分割率を算出する分割率算出手段と、
    前記排気再循環装置による前記排気の再循環を実施する場合に、前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記分割率算出手段により算出した基本分割率を小さくなる側に変更する分割率変更手段と、を備える請求項1又は2に記載の排気再循環システムの制御装置。
  4. 前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記排気再循環装置による排気の再循環の実施を制限する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の排気再循環システムの制御装置。
  5. 燃料を直接気筒内に噴射する燃料噴射弁を備えるエンジンと、該エンジンの排気通路を流通する排気の一部を前記排気通路と吸気通路とを連通する連通通路を通じて前記吸気通路に再循環させる排気再循環装置と、を備える排気再循環システムに適用され、
    1燃焼サイクルのうちの吸気行程において、前記燃料噴射弁により各々異なるタイミングで複数回の燃料噴射を実施する噴射制御手段と、
    都度のエンジン運転状態に基づいて、1燃焼サイクルで噴射すべき燃料量のうち初回の燃料噴射で噴射する燃料量の比率である基本分割率を算出する分割率算出手段と、
    エンジンのピストンの温度を検出する温度検出手段と、
    前記排気再循環装置による前記排気の再循環を実施する場合に、前記温度検出手段により検出したピストン温度に基づいて、前記分割率算出手段により算出した基本分割率を小さくなる側に変更する分割率変更手段と、
    を備えることを特徴とする排気再循環システムの制御装置。
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