JP2013028720A - タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱性能の悪化を抑えながら、ウェットグリップ性能を向上することができるタイヤトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】スチレンブタジエンゴムの単独又はスチレンブタジエンゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドからなるゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜100質量部配合するとともに、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂及びテルペンフェノール樹脂を両者の合計量で1〜30質量部を配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物である。また、該ゴム組成物を用いてなるトレッドを備えた空気入りタイヤである。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤのトレッドゴムに用いられるタイヤトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
近年、空気入りタイヤにおいては、グリップ性能と転がり抵抗性能が益々高いレベルで要求されている。しかしながら、一般的に、グリップ性能と転がり抵抗性能とは二律背反の関係にあるため、両立することは容易ではない。例えば、グリップ性能を向上させるための手法として、充填剤とオイルの配合量を増やす手法があるが、これによると、発熱性能(即ち、転がり抵抗性能)、耐摩耗性、加工性が低下するという問題がある。
また、グリップ性能を向上させるために樹脂を配合することが知られており、例えば、下記特許文献1には、スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分に、軟化点80〜120℃の粘着性樹脂と、レゾルシン縮合物を配合することが提案されており、粘着性樹脂として、芳香族系及び/又は脂肪族系石油樹脂、クマロン系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂が用いられること、またこれにより、工程性や耐摩耗性の悪化を抑えつつ硬度を維持しながら、乾燥路面でのグリップ性能を向上することが開示されている。しかしながら、この文献は、レゾルシン縮合物を併用することで、粘着性樹脂を配合したことによる硬度低下を補いつつ、高温でのtanδを向上することで、乾燥路面でのグリップ性能を向上するものであり、発熱性能の改善には至っていない。
また、下記特許文献2には、軟化点が120〜180℃の高温軟化樹脂と、軟化点が120℃未満の低温軟化樹脂とを、特定の配合比で組合せてゴム成分に配合することが提案されており、これら樹脂として、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性石油樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、脂肪族/脂環族/芳香族炭化水素樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、ブチルフェノールアセチレン樹脂が用いられること、またこれにより、優れたグリップ性能を発揮することが開示されている。しかしながら、この文献は、カーボンブラック配合において、低温領域と高温領域のいずれにおいても、また走行開始時とクルージング中のいずれにおいても、ヒステリシスロスを高めることでグリップ性能を向上することを狙ったものであり、発熱性能の改善には至っていない。
特開2010−242019号公報 特開2007−262292号公報
上記のように、従来、フェノール系樹脂を用いることによりグリップ性能を向上させることは知られているが、シリカ配合において、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂とテルペンフェノール樹脂との2種類の樹脂を組み合わせて配合することにより、発熱性能の悪化を抑えながら、湿潤路面でのグリップ性能を向上できることは知られていなかった。
本発明は、以上の点に鑑み、発熱性能の悪化を抑えながら、ウェットグリップ性能を向上することができるタイヤトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムの単独又はスチレンブタジエンゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドからなるゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜100質量部配合するとともに、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂及びテルペンフェノール樹脂を両者の合計量で1〜30質量部を配合してなるものである。また、本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いてなるトレッドを備えたものである。
本発明によれば、ゴム成分としてスチレンブタジエンゴムを用いたシリカ配合のゴム組成物において、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂とテルペンフェノール樹脂を組み合わせて配合したことにより、発熱性能の悪化を抑えながら、また耐摩耗性の悪化も抑えつつ、ウェットグリップ性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物において、ゴム成分は、スチレンブタジエンゴム(SBR)の単独、又は、スチレンブタジエンゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドからなる。ブレンドの場合、スチレンブタジエンゴムを主成分とすることが好ましく、特に限定するものではないが、ゴム成分中にスチレンブタジエンゴムを50質量%以上含有することが好ましい。
上記スチレンブタジエンゴムとしては、未変性SBRでも変性SBRでもよく、また溶液重合SBR(S−SBR)でも乳化重合SBR(E−SBR)でもよく、またこれらを適宜に組み合わせて用いることもでき、特に限定されない。好ましくは、シリカのシラノール基(Si−OH)と相互作用がある官能基が導入された変性S−SBRを用いることであり、シリカとの親和性を高くして分散性を向上することができる。ここで、相互作用とは、シリカのシラノール基との間で化学反応による化学結合又は水素結合することを意味し、上記官能基としては、例えば、アミノ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、及びカルボキシル基等が挙げられ、これらはそれぞれ1種のみ導入されてもよく、あるいはまた2種以上組み合わせて導入されてもよい。上記アミノ基としては、1級アミノ基だけでなく、2級もしくは3級アミノ基でもよい。アルコキシル基(−OR、但しRはアルキル基)としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。なお、官能基は、ポリマー鎖の末端に導入されてもよく、あるいはまたポリマー鎖中に導入されてもよいが、好ましくは末端に導入されることである。上記スチレンブタジエンゴムとしては、該変性S−SBRを単独で用いてもよいが、変性S−SBRと未変性SBRを組み合わせてもよい。変性S−SBRは、ゴム成分中に20質量%以上含まれていることが好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。
上記他のジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。好ましくは、天然ゴム及び/又はブタジエンゴムを用いることである。
本実施形態に係るゴム組成物には、充填剤としてシリカが配合される。シリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも湿式シリカが好ましい。シリカのコロイダル特性は特に限定しないが、BET法による窒素吸着比表面積(BET)150〜250m/gであるものが好ましく用いられ、より好ましくは180〜230m/gである。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。
シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して10〜100質量部であり、配合量が10質量部未満では、補強性が損なわれるおそれがあり、逆に配合量が100質量部を超えると、加工性が損なわれるおそれがある。シリカの配合量は、より好ましくは20〜80質量部であり、更に好ましくは30〜70質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記シリカとともにシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤としては、公知の種々のシランカップリング剤を用いることができ、好ましくは、下記一般式(1)で表されるスルフィドシランや、下記一般式(2)で表される保護化メルカプトシランを用いることである。
(CO)Si−C2y−S−C2y−Si(OC…(1)
(C2n+1O)Si−C2m−S−CO−C2k+1…(2)
上記式(1)中、yは1〜9の整数、好ましくは2〜5であり、xは1〜4、好ましくは2〜4である。詳細には、xは通常分布を有しており、即ち、硫黄連鎖結合の数が異なるものの混合物として一般に市販されており、xはその平均値を表す。式(1)で表される好ましいスルフィドシランの具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィドなどが挙げられる。
上記式(2)中、nは1〜3の整数、好ましくは1又は2であり、mは1〜5の整数、好ましくは2〜4であり、kは2〜9の整数である。式(2)で表される保護化メルカプトシランの具体例としては、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカ配合量に対して2〜25質量%(即ち、シリカ100質量部に対して2〜25質量部)であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。
本実施形態に係るゴム組成物において、充填剤としては、上記シリカとともにカーボンブラックを併用してもよい。カーボンブラックとしては、特に限定するものではないが、SAFクラス(N100番台)、ISAFクラス(N200番台)、HAFクラス(N300番台)(ともにASTMグレード)のものが好ましく用いられる。カーボンブラックの配合量は、特に限定されないが、上記ゴム成分100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜50質量部、更に好ましくは10〜40質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、樹脂成分として、(A)オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂と、(B)テルペンフェノール樹脂と、が組み合わせて用いられる。オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂は、ウェットグリップ性能の向上効果に優れる反面、ヒステリシスロスが大きく発熱性能の悪化が大きいことから転がり抵抗性能に劣り、また耐摩耗性が悪化するという問題がある。これに対し、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂にテルペンフェノール樹脂を組み合わせることにより、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂本来の優れたウェットグリップ性能を損なうことなく、発熱性能の悪化を抑えることができ、同時に耐摩耗性の悪化も抑えることができる。また、これらのフェノール系樹脂であると、シリカとの相互作用により、シリカの分散性を向上することができ、この点からも摩耗性能の向上に寄与する。
上記(A)成分のオイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂は、例えば、フェノールとホルムアルデヒドとを反応させる際、あるいは反応後に、オイルを反応あるいは添加混合することにより製造することができる。上記オイルとしては、トール油、カシューナッツシェルオイル、大豆油、ツバキ油、オリーブ油、ヒマシ油などが挙げられる。なお、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂としては、各種オイル変性品及び軟化点違いのものを、いずれか1種単独で用いてもよく、あるいはまた2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記(B)成分のテルペンフェノール樹脂は、テルペンとフェノールの共重合体樹脂であり、テルペンモノマーとしては、特に限定されるものではなく、好ましくはα−ピネンやリモネン等のモノテルペン炭化水素である。テルペンフェノール樹脂の軟化点としては、特に限定するものではないが、70〜115℃程度のものが好ましく用いられる。なお、テルペンフェノール樹脂としては、軟化点違いのものをいずれ1種単独で用いてもよくも、あるいはまた2種以上組み合わせて用いてもよい。ここで、軟化点は、JIS K6220に準拠した環球落下法にて測定される値である。
オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂とテルペンフェノール樹脂の配合量は、両者の合計で、上記ゴム成分100質量部に対して、1〜30質量部である。この配合量が1質量部未満では、グリップ性能の改善効果が得られない。逆に30質量部を超えると、発熱性能の悪化が大きくなってしまう。該配合量は、より好ましくは2〜20質量部であり、更に好ましくは2〜10質量部である。
また、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂(A)とテルペンフェノール樹脂(B)は、質量比で(A)/(B)=30/70〜70/30にて配合されることが好ましい。すなわち、両者の合計量を100質量%としたとき、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂(A)が30〜70質量%であり、テルペンフェノール樹脂(B)が70〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは、ウェットグリップ性能の向上効果をより高めるため、(A)/(B)=40/60〜70/30であり、更に好ましくは、(A)/(B)=45/55〜60/40である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の各成分の他に、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、軟化剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤのトレッド用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
該ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ゴム成分に対し、上記シリカ及び樹脂成分とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られるゴム組成物は、空気入りタイヤの接地面を構成するトレッドゴムに好適に用いられ、常法に従い、例えば140〜200℃で加硫成形することにより、トレッド部を形成することができる。空気入りタイヤのトレッド部には、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、好ましい態様として接地面を構成するゴムに用いる場合、単層構造のものであれば、トレッド部の全体が上記ゴム組成物からなることが好ましく、また2層構造のものであれば、キャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、常法に従いタイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。詳細には、まず、第一混合段階で、ジエン系ゴム成分に対し、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して、ゴム組成物を調製した。表中の各成分は以下の通りである。
・SBR:E−SBR、JSR株式会社製「SBR1502」
・変性S−SBR:アルコキシル基及びアミノ基末端変性S−SBR、JSR株式会社製「HPR355」
・NR:RSS#3
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「シースト6」(ISAF)
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」(BET=205m/g)
・オイル:株式会社ジャパンエナジー製「プロセスNC140」、
・シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、デグサ社製「Si75」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:住友化学株式会社製「アンチゲン6C」
・ワックス:大内新興化学工業株式会社製「サンノックN」
・オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂1:オイル変性、住友ベークライト株式会社製「スミライトレジン PR−13349」
・オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂2:カシュー変性、住友ベークライト株式会社製「スミライトレジン PR−12686」
・アルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物:株式会社日本触媒製「SP1068」(軟化点82〜100℃)
・テルペンフェノール樹脂:アリゾナケミカル社製「TP115」(軟化点115℃)
・加硫促進剤DM:三新化学工業株式会社製「サンセラーDM−G」
・加硫促進剤CZ:住友化学株式会社製「ソクシノールCZ」
・硫黄:鶴見化学株式会社製「粉末硫黄」
各ゴム組成物について、160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、硬度、反発弾性率、損失正接tanδと耐摩耗性を測定した。各測定・評価方法は以下の通りである。
・硬度:JIS K6253に準拠して23℃でのゴム硬度(デュロメータAタイプ)を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、硬度が高いことを示す。
・反発弾性率:JIS K6255に従い、23℃におけるリュプケ式反発弾性試験を実施して、反発弾性率を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。値が小さいほど、ウェットグリップ性能に優れることを意味する。
・tanδ:東洋精機製粘弾性試験機を用いて、静歪み10%、動歪み±1%、周波数10Hz、温度35℃の条件下でtanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、発熱性能に優れ、従って転がり抵抗性能に優れることを意味する。
・耐摩耗性:JIS K6264に準拠したランボーン摩耗試験(スリップ率30%、負荷荷重40N、落砂量20g/分)により摩耗減量を測定し、摩耗減量の逆数について比較例1の値を100とした指数で表示した。値が大きいほど、耐摩耗性に優れる。
Figure 2013028720
結果は表1に示す通りであり、コントロールである比較例1に対し、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂を単独で添加した比較例2では、ウェットグリップ性能は改善されたものの、発熱性能が悪化しており、また耐摩耗性も損なわれていた。テルペンフェノール樹脂を単独で添加した比較例3では、比較例1に対して発熱性能の悪化はほとんど認められなかったものの、ウェットグリップ性能の改善効果は比較例2に比べて小さいものであった。アルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物を単独で添加した比較例4では、比較例2と比較例3のほぼ中間の特性が得られ、ウェットグリップ性能と発熱性能の両立効果という点では、依然として不十分であった。比較例5では、カーボンブラックの配合量を増量することにより、ウェットグリップ性能の改善効果が得られたが、発熱性能が大きく悪化した。比較例6では、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂を増量することにより、ウェットグリップ性能が顕著に改善されていたが、その分、発熱性能が大きく損なわれていた。
一方、比較例7では、2種類の樹脂をブレンドした用いたものの、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂とアルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物とのブレンドであったため、ウェットグリップ性能と発熱性能のバランスを向上することはできなかった。すなわち、比較例7は、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂単独使用の比較例2に対して、ウェットグリップ性能は同等であったものの、発熱性能が更に悪化しており、樹脂ブレンドによる両性能のバランス向上効果は得られないどころか、むしろバランスは悪化していた。これに対し、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂とテルペンフェノール樹脂をブレンドした実施例1であると、比較例2に対し、優れたウェットグリップ性能はそのまま維持しながら、発熱性能の悪化が大幅に改善されており、耐摩耗性についても改善されていた。
樹脂を増量した場合についても、比較例8では、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂とアルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物とをブレンドしたため、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂単独使用である比較例6に対して発熱性能を十分に改善することはできず、発熱性能に大きく劣っていた。これに対し、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂とテルペンフェノール樹脂をブレンドした実施例2では、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂単独使用である比較例6に対し、優れたウェットグリップ性能をそのまま維持しながら、発熱性能が顕著に改善されており、耐摩耗性も改善されていた。オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂の種類を変更した実施例3及び4についても同様の傾向が見られた。
このようにオイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂と組み合わせる樹脂として、テルペンフェノール樹脂を用いた場合、他の樹脂との組合せとは異なり、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂による優れた特性を損なうことなく、発熱性能及び耐摩耗性の悪化を抑えることができ、予想外の優れた効果が得られた。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、乗用車、ライトトラック、トラック・バス等の各種空気入りタイヤに用いることができる。

Claims (3)

  1. スチレンブタジエンゴムの単独又はスチレンブタジエンゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドからなるゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜100質量部配合するとともに、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂及びテルペンフェノール樹脂を両者の合計量で1〜30質量部を配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂(A)とテルペンフェノール樹脂(B)を質量比で(A)/(B)=30/70〜70/30にて配合してなる請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いてなるトレッドを備えた空気入りタイヤ。
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