JP2013024299A - ベルト張力調整装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトの張力を正確に調整することができるベルト張力調整装置及び電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】モータから伝達される駆動力に基づいて回転する駆動プーリ36及び駆動プーリ36の回動軸線S1と平行に延びる回動軸線S2を中心として回動可能な従動プーリ46の間に掛装されるベルト20の張力を調整するベルト張力調整装置であって、駆動プーリ36の回動軸線S1の軸線方向と交差する方向に駆動プーリ36を付勢する板ばね38と、板ばね38の付勢力に抗して駆動プーリ36を変位させる調整ボルト39とを備えた。
【選択図】図2
【解決手段】モータから伝達される駆動力に基づいて回転する駆動プーリ36及び駆動プーリ36の回動軸線S1と平行に延びる回動軸線S2を中心として回動可能な従動プーリ46の間に掛装されるベルト20の張力を調整するベルト張力調整装置であって、駆動プーリ36の回動軸線S1の軸線方向と交差する方向に駆動プーリ36を付勢する板ばね38と、板ばね38の付勢力に抗して駆動プーリ36を変位させる調整ボルト39とを備えた。
【選択図】図2
Description
本発明は、回動軸が平行となるように配置された両プーリ間に掛装されるベルトの張力を調整するベルト張力調整装置、及び該ベルト張力調整装置を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、電動モータの回転をラック軸の往復動に変換して伝達することにより、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置が広く知られている。また、こうした電動パワーステアリング装置の一種として、モータの軸線がラック軸と平行となるように配置された所謂ラックパラレル型の電動パワーステアリング装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置では、ラック軸を収容したギヤハウジングに対して電動モータがカラーを介して固定されている。すなわち、電動モータを取り付けたカラーが、電動モータの軸線方向に沿う固定ボルトにより、ギヤハウジングに締め付け固定されている。また、電動モータとラック軸との間にはベルト式伝達機構が介設されている。ベルト式伝達機構は、電動モータの回転軸に対して同軸配置となるように連結される入力プーリと、ラック軸に対してボールねじ機構を介して連結される出力プーリと、両プーリ間に掛装されるベルトとを備えている。そして、ベルト式伝達機構は、電動モータの駆動時に、電動モータの回転軸と一体回転する入力プーリの回転力をベルトを通じて出力プーリに伝達することにより、出力プーリを入力プーリに連れ回るように回転させる。その結果、出力プーリの回転力がボールねじ機構を通じてラック軸の往復動に変換されて伝達される。
また、上記の電動パワーステアリング装置には、ベルトの張力を調整するための調整部が設けられている。調整部は、カラーに対して電動モータの軸線方向と直交する方向における重力方向下側からねじ込まれた状態で頭部が重力方向上側からギヤハウジングに当接する調整ボルトを備えている。そして、ベルトの張力を調整する際には、まず、カラーに形成されたボルト挿通孔を通じて固定ボルトがギヤハウジングに対して電動モータの軸線方向に部分的に螺入される。すると、カラーは、固定ボルトを揺動支点として電動モータの軸線方向と直交する方向への揺動可能に支持される。なお、この段階では未だ固定ボルトはカラーをギヤハウジングに対して締め付け固定していない。
続いて、今度は調整ボルトの回動操作が行われる。すると、カラーに対する調整ボルトのねじ込み量が変化することにより、調整ボルトの軸線方向においてカラーとギヤハウジングとが相対移動し、カラーが固定ボルトを揺動支点として揺動する。そして、カラーの揺動動作に伴って、入力プーリの回転中心線と出力プーリの回転中心線との距離が調整される。その後、両プーリの位置の調整がなされた上で、固定ボルトがギヤハウジングに更に螺入されてカラーをギヤハウジングに相対移動不能に締め付け固定することにより、ベルトの張力調整が完了する。
ところで、上記の電動パワーステアリング装置では、調整ボルトのねじ込み量の調整を通じて両プーリの位置を調整した後においてカラーをギヤハウジングに締め付け固定する際に、固定ボルトの螺入動作に伴ってカラーが固定ボルトに連れ回るように回動することがあり得る。そのため、この連れ回りに伴いカラーがギヤハウジングに対して位置ずれを生じることもあり得る。そして、この場合には、カラーによって回転可能に支持されている入力プーリが出力プーリに対して相対変位する。その結果、両プーリ間に掛装されているベルトの張力の大きさが、予め調整した値からずれてしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベルトの張力を正確に調整することができるベルト張力調整装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のベルト張力調整装置は、駆動源から伝達される駆動力に基づいて回転する第1のプーリ及び前記第1のプーリの回動軸線と平行に延びる回動軸線を中心として回動可能な第2のプーリの間に掛装されるベルトの張力を調整するベルト張力調整装置であって、前記第1のプーリ及び前記第2のプーリの少なくとも一方を被付勢プーリとして当該被付勢プーリを前記回動軸線の軸線方向と交差する方向に付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記被付勢プーリを変位させる変位部材とを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、第1のプーリ及び第2のプーリの少なくとも一方からなる被付勢プーリが付勢部材によって付勢されると、被付勢プーリは、その回動軸線の軸線方向と交差する方向において相手側プーリに対して離接する方向に変位する。そして、この状態で、変位部材が被付勢プーリを付勢部材の付勢力に抗して変位させると、被付勢プーリは、その回動軸線の軸線方向と交差する方向における相手側プーリに対する離間距離を変化させる。その結果、両プーリに掛装されているベルトの張力が調整される。この場合、被付勢プーリは、付勢部材及び変位部材によって回動軸線の軸線方向と交差する方向において該回動軸線の両側から安定に支持された状態で、両プーリの離間距離が調整される。したがって、これらのプーリ間に掛装されているベルトの張力の大きさが安定して調整されるため、ベルトの張力を正確に調整することができる。
また、本発明のベルト張力調整装置において、前記付勢部材は、前記被付勢プーリを当該被付勢プーリの相手側プーリから離間させる方向に付勢することを要旨とする。
上記構成によれば、被付勢プーリが付勢部材によって付勢されると、被付勢プーリは、その回動軸線の軸線方向と交差する方向において相手側プーリから離間する方向に変位する。すると、ベルトは、互いに離間しつつある両プーリに対して密着するため、両プーリに対して安定して掛装される。そして、この状態で、変位部材は、回動軸線の軸線方向と交差する方向において相手側プーリに接近する方向に被付勢プーリを変位させる。そのため、両プーリに対してベルトを安定して掛装した状態で、両プーリ間に掛装されたベルトの張力を正確に調整することができる。
上記構成によれば、被付勢プーリが付勢部材によって付勢されると、被付勢プーリは、その回動軸線の軸線方向と交差する方向において相手側プーリから離間する方向に変位する。すると、ベルトは、互いに離間しつつある両プーリに対して密着するため、両プーリに対して安定して掛装される。そして、この状態で、変位部材は、回動軸線の軸線方向と交差する方向において相手側プーリに接近する方向に被付勢プーリを変位させる。そのため、両プーリに対してベルトを安定して掛装した状態で、両プーリ間に掛装されたベルトの張力を正確に調整することができる。
また、本発明のベルト張力調整装置において、前記変位部材が前記被付勢プーリに対して変位力を作用させる方向は、前記被付勢プーリの回動軸線の軸線方向と交差する方向において、前記付勢部材による前記被付勢プーリの付勢方向とは正反対の方向であることを要旨とする。
上記構成によれば、付勢部材及び変位部材は、被付勢プーリに対して互いに正反対の方向から力を作用させる。そのため、被付勢プーリが回動軸線を挟んだ両側からより安定に支持されるため、ベルトの張力の大きさをより安定して調整することができる。
また、本発明のベルト張力調整装置において、前記変位部材は、前記被付勢プーリの回動軸線の軸線方向と交差する方向へ螺合動作により進退移動する調整ボルトであることを要旨とする。
上記構成によれば、調整ボルトの螺合量を回動操作により調整して被付勢プーリの変位量を変更することにより、ベルトの張力を容易に調整することができる。
また、本発明のベルト張力調整装置は、前記変位部材による前記被付勢プーリの変位量を固定するロック部材を更に備えることを要旨とする。
また、本発明のベルト張力調整装置は、前記変位部材による前記被付勢プーリの変位量を固定するロック部材を更に備えることを要旨とする。
上記構成によれば、ベルトの張力の調整が完了した後に、その時点における変位部材による被付勢プーリの変位量がロック部材によって固定される。そのため、調整が完了したベルトの張力を容易に維持することができる。
また、本発明の電動パワーステアリング装置は、電動モータからラック軸に動力を伝達するベルトの張力を調整するためのベルト張力調整装置として、上記構成のベルト張力調整装置を備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、上記ベルト張力調整装置の発明と同様の効果が得られる。
本発明によれば、ベルトの張力を正確に調整することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。なお、図1及び図2における「上下方向」の下方向が「重力方向」と一致すると共に、「左右方向」が「車両の幅方向」と一致する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置11は、図示しないステアリングの回転を車輪12に伝達する操舵角伝達機構13と、ステアリングの操作を補助するアシスト力をラック軸14に付与するアシスト装置15とを備えている。また、電動パワーステアリング装置11は、アルミニウム製のラックハウジング16を有しており、このラックハウジング16の内側にラック軸14の中間部分及びアシスト装置15の一部が収容されている。
操舵角伝達機構13は、ステアリングと共に回転するステアリングシャフト17と、該ステアリングシャフト17の回転を直線運動に変換するラックアンドピニオン機構18とを備えている。また、アシスト装置15は、ラックハウジング16の外側に配置された駆動源としてのモータ19と、モータ19からベルト20を通じて駆動力が伝達されるボール螺子機構21とを備えている。そして、ラック軸14は、ラックアンドピニオン機構18から出力された駆動力と、ボール螺子機構21を介して伝達されたモータ19からの駆動力に基づくアシスト力とを得て、車両の幅方向となる軸方向に移動する。
図2に示すように、ラックハウジング16は、車両の幅方向における右側に配置され、ラック軸14のほぼ全体が収容される第1ハウジング22と、車両の幅方向における左側に配置され、ラック軸14の左端側の一部が収容される第2ハウジング23とを備えている。
図2及び図3に示すように、第1ハウジング22は、ラック軸14の軸径よりも大きな内径のラック軸挿通孔24を有する円筒形状の第1本体部25を備え、その第1本体部25における第2ハウジング23側となる左端部にはフランジ部26が形成されている。また、フランジ部26におけるラック軸挿通孔24の上側となる部分からはモータ19を取り付け可能な板状の膨出部27が上方へ膨出するように一体形成されている。
そして、この膨出部27には、ラック軸挿通孔24よりも内径が小さな円形の貫通孔28がラック軸挿通孔24の上方となる位置で同軸方向に形成されている。なお、膨出部27は、その略上半分が貫通孔28の軸線を中心とする半円弧状の周壁部29により構成されている。そのため、こうしたフランジ部26及び膨出部27が第1本体部25の左端部に一体形成された第1ハウジング22における左端側の端面形状は、図3に示すように、輪郭が相対的に大きな円形のフランジ部26と輪郭が相対的に小さな円形の膨出部27とが上下方向において部分的に連結された下膨れ形状をしている。
一方、第2ハウジング23は、第1ハウジング22の第1本体部25と同様の円筒形状をなす第2本体部30を備え、その第2本体部30における第1ハウジング22側となる右端部には、開口縁形状が第1ハウジング22における左端部の輪郭形状と対応した下膨れ形状をなす収容部31が形成されている。そして、両ハウジング22,23は、第1ハウジング22のフランジ部26及び膨出部27が形成された左端と第2ハウジング23の収容部31が形成された右端とを接合させた状態で図示しないボルトによって連結されている。
図2及び図3に示すように、第1ハウジング22における膨出部27の貫通孔28には、モータ19の回転軸19a及び図示しないロータ等からなるモータ本体を内側に収容するモータハウジング32の一部が挿入されている。具体的には、モータハウジング32の先端側(図2における左端側であって、モータ19の回転軸19aのフロント側)には略円筒状の小径部33が形成されており、この小径部33が貫通孔28を通じて収容部31の内側に挿入されている。小径部33における先端側部位33a(図2では左端側の部位)及び基端側部位33b(図2では右端側の部位)は、小径部33における他の部分(すなわち、軸方向の中間部位)よりも内径及び外径が大きい。
モータハウジング32における小径部33の先端側部位33a及び基端側部位33bの内側には、ボールベアリングからなる軸受34,35がそれぞれ収容されている。そして、これらの軸受34,35には、モータ19の回転軸19aに対して一体回転可能に連結された略円柱状をなす第1のプーリとしての駆動プーリ36が回転可能に支持されている。なお、小径部33の中心線は、駆動プーリ36の回動軸線S1とほぼ一致し、駆動プーリ36の回動軸線S1は、ラック軸14の中心線とほぼ平行に延びている。また、小径部33の先端側部位33aの先端面は収容部31の内底面31aに対して接触している。
また、図2及び図3に示すように、モータハウジング32における小径部33の基端側部位33bの外径は、貫通孔28の内径よりも小さい。そのため、小径部33の基端側部位33bの外周面と貫通孔28の内周面28aとの間には隙間Cが介在している。そして、小径部33の基端側部位33bは、膨出部27における貫通孔28の周壁部29に設けられた固定機構37によってラックハウジング16に対して固定されている。
具体的には、図3に示すように、固定機構37は、小径部33の基端側部位33bを鉛直上方に付勢する付勢部材としての板ばね38と、小径部33の基端側部位33bを板ばね38の付勢力に抗して鉛直下方に押圧する変位部材としての調整ボルト39とを備えている。
板ばね38は、小径部33の外周面の約半周分と対応した長さを有する略U字状の弾性部38aと、弾性部38aの両端部から内側に向けて互いに対向するように延出される凸部38bとを有している。弾性部38aは、貫通孔28の内周面28aによって鉛直下方から支持されている。また、凸部38bは、小径部33の基端側部位33bの外周面に凹設された一対の凹部40に対して外側から係合している。なお、一対の凹部40は、小径部33の中心線を挟んで正反対の位置に設けられている。
調整ボルト39の軸部39aは、膨出部27における貫通孔28の周壁部29を上下に貫通する雌ねじ孔41を通じて貫通孔28の内側に螺入されており、貫通孔28の周壁部29の内周面28aから鉛直下方に突出している。そして、調整ボルト39の軸部39aは、その先端(図2及び図3では下端)が小径部33の基端側部位33bの外周面に当接し、その当接状態で板ばね38の付勢力に抗して螺進した場合に、小径部33の基端側部位33bを鉛直下方に押圧する。
すなわち、調整ボルト39は、小径部33の基端側部位33bを挟んで板ばね38とは反対の位置に設けられている。そして、調整ボルト39及び板ばね38は、小径部33の基端側部位33bを上下両側から挟持して位置決め固定している。また、調整ボルト39の軸部39aには、ロック部材としての固定ナット42が設けられている。固定ナット42は、雌ねじ孔41に対する調整ボルト39の螺進及び螺退を規制して貫通孔28の内周面28aからの調整ボルト39の軸部39aの突出量を固定することにより、調整ボルト39の軸部39aによる小径部33の基端側部位33bの位置決め固定状態を信頼性良く維持している。
図2に示すように、ボール螺子機構21は、ラック軸14の軸径よりも大きな内径を有する略円筒状のボール螺子ナット43と、ラック軸14を中心とする径方向においてボール螺子ナット43の内周面とラック軸14の外周面との間に配置される複数のボール44とを備えている。ボール螺子ナット43の右端部は、ボールベアリングからなる軸受45を介して第1ハウジング22の第1本体部25に対して回転可能に支持されている。なお、図2では図示を省略しているが、ラック軸14の軸方向における一部には雌ねじ加工が施されており、この雌ねじ加工が施された部位に対してボール44を介してボール螺子ナット43が螺合している。
また、ボール螺子ナット43の左端部には、略円環状をなす従動プーリ46がボール螺子ナット43に対して一体回転可能に支持されている。従動プーリ46の外径は、駆動プーリ36の外径よりも大きい。また、従動プーリ46の回動軸線S2は、ラック軸14の中心線とほぼ一致している。そのため、従動プーリ46の回動軸線S2は、駆動プーリ36の回動軸線S1とほぼ平行に延びている。また、駆動プーリ36と従動プーリ46との間には、無端状のベルト20が掛装されている。なお、ベルト20は、小径部33における先端側部位33aと基端側部位33bとの間の部分の下面に形成された挿通孔47を上下に挿通している。
そして、モータ19の駆動に伴って駆動プーリ36が回転すると、駆動プーリ36の回転力がベルト20を介して従動プーリ46に伝達される。すると、こうした従動プーリ46の回転がボール螺子ナット43に伝達され、ボール螺子ナット43を備えるボール螺子機構21は、従動プーリ46の回転力をラック軸14を軸方向に移動させるアシスト力に変換する。その結果、運転手によるステアリング操作に基づいたラック軸14の軸方向への移動がアシスト装置15によって補助されることにより、車輪12の舵角が変更される。
次に、上記のように構成された電動パワーステアリング装置11の作用について、特に、両プーリ36,46の間に掛装されるベルト20の張力を調整する際の作用に着目して以下説明する。なお、前提として、第1ハウジング22に対して第2ハウジング23は接合固定されていないものとする。
まず、第1ハウジング22における膨出部27の貫通孔28内にモータハウジング32の小径部33を挿入する。そして、その小径部33に対して板ばね38を取り付ける。具体的には、板ばね38の凸部38bを小径部33の凹部40に係合させる。なお、モータハウジング32の小径部33に対して板ばね38を取り付けた後、その小径部33を第1ハウジング22の貫通孔28内に挿入してもよい。
そして次に、駆動プーリ36と従動プーリ46との間にベルト20を掛装させる。続いて、第2ハウジング23をモータハウジング32の小径部33を左側から覆いつつ第1ハウジング22に接合させ、その状態で図示しないボルトによって第1ハウジング22に対して連結させる。
この場合、図4(a)に示すように、小径部33は、板ばね38の弾性力に基づいて鉛直上方に付勢される。そして、小径部33の内側に収容された駆動プーリ36が被付勢プーリとして小径部33と一体となって鉛直上方に付勢されることにより、駆動プーリ36が従動プーリ46に対して上方に遠ざかる。その結果、両プーリ36,46の間に掛装されているベルト20の張力は、板ばね38の付勢力によって増大する。
そして次に、調整ボルト39を回動操作することにより、調整ボルト39の軸部39aを周壁部29の雌ねじ孔41において螺進させる。すると、図4(b)に示すように、調整ボルト39の軸部39aは、雌ねじ孔41内での螺進動作に伴って貫通孔28の周壁部29の内周面28aから鉛直下方に突出する。すなわち、調整ボルト39の軸部39aは、雌ねじ孔41内における螺進動作に伴って駆動プーリ36の回動軸線S1と交差する上下方向に進退移動する。
そのため、調整ボルト39の軸部39aが板ばね38の付勢力に抗して小径部33を鉛直下方に押圧することにより、駆動プーリ36が小径部33と一体となって鉛直下方に変位する。この場合、調整ボルト39の軸部39aは、板ばね38による小径部33の付勢方向とは正反対の方向となる鉛直下方に向けて小径部33に対して変位力を作用させる。その結果、駆動プーリ36が従動プーリ46に対して徐々に近づくため、両プーリ36,46の間に掛装されているベルト20の張力が少しずつ低下する。
なお、小径部33は、板ばね38及び調整ボルト39によって上下両側から挟持されて安定に支持されつつ、調整ボルト39の回動操作に伴って少しずつ鉛直下方に変位する。そのため、小径部33の上下位置の微調整が安定して行われる。したがって、調整ボルト39の回動操作を通じて、両プーリ36,46の間に掛装されているベルト20の張力の大きさを安定して微調整することが可能となる。すなわち、本実施形態では、調整ボルト39及び板ばね38によって、駆動プーリ36と従動プーリ46との間に掛装されるベルト20の張力を調整するベルト張力調整装置が構成されている。
また、本実施形態では、調整ボルト39によるベルト20の張力の調整が完了すると、小径部33が調整ボルト39及び板ばね38によって上下両側から支持される。すなわち、ベルト20の張力の調整動作に併せて、ラックハウジング16に対するモータハウジング32の組み付け動作が完了する。そのため、ベルト20の張力の調整動作が完了した後に続けてラックハウジング16に対するモータハウジング32の組み付け動作を行う場合とは異なり、ラックハウジング16に対するモータハウジング32の組み付け動作時に、既に調整が完了しているベルト20の張力の大きさがずれることが抑制される。したがって、ベルト20の張力の大きさの調整を正確に行うことが可能となる。
さらに、図4(c)に示すように、ベルト20の張力の調整が完了した時点で、固定ナット42は調整ボルト39を回動規制し、その時点における貫通孔28の内周面28aからの調整ボルト39の軸部39aの突出量を固定する。その結果、調整ボルト39の軸部39aによる小径部33の上下方向への変位量が固定ナット42によって固定される。そして、小径部33の位置が固定されることにより、駆動プーリ36と従動プーリ46との間の距離が固定される。したがって、調整が完了したベルト20の張力の大きさを信頼性良く維持することが可能となる。
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)駆動プーリ36は、板ばね38及び調整ボルト39によって回動軸線S1の軸線方向と交差する方向において回動軸線S1の両側から安定に支持された状態で、両プーリ36,46の距離が調整される。したがって、これらのプーリ36,46の間に掛装されているベルト20の張力の大きさが安定して調整されるため、ベルト20の張力を正確に調整することができる。
(1)駆動プーリ36は、板ばね38及び調整ボルト39によって回動軸線S1の軸線方向と交差する方向において回動軸線S1の両側から安定に支持された状態で、両プーリ36,46の距離が調整される。したがって、これらのプーリ36,46の間に掛装されているベルト20の張力の大きさが安定して調整されるため、ベルト20の張力を正確に調整することができる。
(2)板ばね38は、従動プーリ46から離間させる方向に駆動プーリ36を付勢する。そのため、両プーリ36,46に対してベルト20を安定して掛装した状態で、両プーリ36,46間に掛装されたベルト20の張力を正確に調整することができる。
(3)板ばね38及び調整ボルト39は、駆動プーリ36に対して互いに正反対の方向から力を作用させる。そのため、駆動プーリ36が回動軸線S1を挟んだ両側からより安定に支持されるため、ベルト20の張力の大きさをより安定して調整することができる。
(4)調整ボルト39の螺合量を回動操作により調整して駆動プーリ36の変位量を変更することにより、ベルト20の張力を容易に調整することができる。
(5)ベルト20の張力の調整が完了した後に、その時点における調整ボルト39による駆動プーリ36の変位量が固定ナット42によって固定される。そのため、調整が完了したベルト20の張力を容易に維持することができる。
(5)ベルト20の張力の調整が完了した後に、その時点における調整ボルト39による駆動プーリ36の変位量が固定ナット42によって固定される。そのため、調整が完了したベルト20の張力を容易に維持することができる。
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、調整ボルト39による駆動プーリ36の変位量を固定するロック部材は、調整ボルト39が雌ねじ孔41に対して緩み方向に変位することを抑制できる構成であれば任意のロック構成を採用することができる。また、ロック部材を省略してもよい。
・上記実施形態において、調整ボルト39による駆動プーリ36の変位量を固定するロック部材は、調整ボルト39が雌ねじ孔41に対して緩み方向に変位することを抑制できる構成であれば任意のロック構成を採用することができる。また、ロック部材を省略してもよい。
・上記実施形態において、調整ボルト39が駆動プーリ36に対して変位力を作用させる方向は、必ずしも、板ばね38による駆動プーリ36の付勢方向に対して正反対の方向である必要はない。例えば、調整ボルト39は、鉛直方向に対して傾斜した方向から駆動プーリ36に変位力を作用させる構成としてもよい。
・上記実施形態において、板ばね38は、従動プーリ46に対して接近させる方向に駆動プーリ36を付勢する構成としてもよい。すなわち、板ばね38は駆動プーリ36に対して上側から付勢力を作用させてもよい。この場合、調整ボルト39は、駆動プーリ36に対して下側から押圧力を作用させることが望ましい。
・上記実施形態において、調整ボルト39及び板ばね38は、必ずしも、駆動プーリ36を挟んで上下両側に配置される必要はなく、駆動プーリ36を挟んで水平方向両側に配置してもよい。
・上記実施形態において、調整ボルト39及び板ばね38は、従動プーリ46に対して力を作用させることにより、両プーリ36,46の間に掛装されるベルト20の張力を調整してもよい。また、調整ボルト39及び板ばね38は、駆動プーリ36及び従動プーリ46の各々に対応するように設け、各プーリ36,46に対して別々に力を作用させることにより、両プーリ36,46の間に掛装されるベルト20の張力を調整してもよい。
・上記実施形態において、駆動プーリ36を付勢する付勢部材として、コイルばねや皿ばねを用いてもよい。
・上記実施形態において、駆動プーリ36を変位させる変位部材として、収容部31の周壁部29に対して上下に挿通されて小径部33に当接する当接部材と、操作者からの操作に基づいて当接部材に対して上下方向への変位力を付与するレバー部材とからなるレバー機構を採用してもよい。
・上記実施形態において、駆動プーリ36を変位させる変位部材として、収容部31の周壁部29に対して上下に挿通されて小径部33に当接する当接部材と、操作者からの操作に基づいて当接部材に対して上下方向への変位力を付与するレバー部材とからなるレバー機構を採用してもよい。
・上記実施形態において、張力が調整される対象となるベルトとして、モータ19からラック軸14に対して動力を伝達するベルト20に具体化したが、2つのプーリの間で掛装されて、駆動源からの駆動力を駆動源側となる一方側のプーリから他方側のプーリに伝達するベルトであれば、任意のベルトを対象としてもよい。
11…電動パワーステアリング装置、14…ラック軸、19…駆動源としてのモータ、20…ベルト、36…第1のプーリとしての駆動プーリ、38…付勢部材としての板ばね、39…変位部材としての調整ボルト、42…ロック部材としての固定ナット、46…第2のプーリとしての従動プーリ、S1…回動軸線、S2…回動軸線。
Claims (6)
- 駆動源から伝達される駆動力に基づいて回転する第1のプーリ及び前記第1のプーリの回動軸線と平行に延びる回動軸線を中心として回動可能な第2のプーリの間に掛装されるベルトの張力を調整するベルト張力調整装置であって、
前記第1のプーリ及び前記第2のプーリの少なくとも一方を被付勢プーリとして当該被付勢プーリを前記回動軸線の軸線方向と交差する方向に付勢する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力に抗して前記被付勢プーリを変位させる変位部材と
を備えたことを特徴とするベルト張力調整装置。 - 請求項1に記載のベルト張力調整装置において、
前記付勢部材は、前記被付勢プーリを当該被付勢プーリの相手側プーリから離間させる方向に付勢することを特徴とするベルト張力調整装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のベルト張力調整装置において、
前記変位部材が前記被付勢プーリに対して変位力を作用させる方向は、前記被付勢プーリの回動軸線の軸線方向と交差する方向において、前記付勢部材による前記被付勢プーリの付勢方向とは正反対の方向であることを特徴とするベルト張力調整装置。 - 請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のベルト張力調整装置において、
前記変位部材は、前記被付勢プーリの回動軸線の軸線方向と交差する方向へ螺合動作により進退移動する調整ボルトであることを特徴とするベルト張力調整装置。 - 請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のベルト張力調整装置において、
前記変位部材による前記被付勢プーリの変位量を固定するロック部材を更に備えることを特徴とするベルト張力調整装置。 - 電動モータからラック軸に動力を伝達するベルトの張力を調整するためのベルト張力調整装置として、
請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のベルト張力調整装置を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011158151A JP2013024299A (ja) | 2011-07-19 | 2011-07-19 | ベルト張力調整装置及び電動パワーステアリング装置 |
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ID=47782898
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JP2011158151A Withdrawn JP2013024299A (ja) | 2011-07-19 | 2011-07-19 | ベルト張力調整装置及び電動パワーステアリング装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014162348A (ja) * | 2013-02-25 | 2014-09-08 | Jtekt Corp | 転舵装置および転舵装置のベルト張力調整方法 |
JP2020026185A (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-20 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
CN113775716A (zh) * | 2021-09-17 | 2021-12-10 | 中国第一汽车股份有限公司 | 一种皮带张紧调节机构及电动助力转向器 |
-
2011
- 2011-07-19 JP JP2011158151A patent/JP2013024299A/ja not_active Withdrawn
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