JP2013022806A - 透明樹脂シート - Google Patents

透明樹脂シート Download PDF

Info

Publication number
JP2013022806A
JP2013022806A JP2011158762A JP2011158762A JP2013022806A JP 2013022806 A JP2013022806 A JP 2013022806A JP 2011158762 A JP2011158762 A JP 2011158762A JP 2011158762 A JP2011158762 A JP 2011158762A JP 2013022806 A JP2013022806 A JP 2013022806A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent resin
resin sheet
resin layer
resin
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011158762A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5857495B2 (ja
Inventor
Koichi Sagawa
浩一 佐川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Cosmo Inc
Original Assignee
Toppan Cosmo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Cosmo Inc filed Critical Toppan Cosmo Inc
Priority to JP2011158762A priority Critical patent/JP5857495B2/ja
Publication of JP2013022806A publication Critical patent/JP2013022806A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5857495B2 publication Critical patent/JP5857495B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】無垢材や突き板材の表層に貼り合わせて使用し、耐薬品性、意匠性を有しつつ、必要十分な透明性、耐候性、ラッピング適性をも兼ね備え、尚且つ無垢材や突き板材の質感を大きく損なわないような透明樹脂シートを提供すること。
【解決手段】樹脂層がポリプロピレン樹脂を主成分とし、プロピレンをベースにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分を含有し、樹脂層の少なくとも1層以上に紫外線吸収剤と光安定剤を含有し、樹脂層の厚みが50〜300μmであり、透明樹脂シートの示差走査熱量測定における融解潜熱が10〜100J/gの範囲内にあることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は自然木・合板・集成材・アルミ材・鋼板材などを単独あるいは併用使用した基材などの部材表面に貼り合わせる透明樹脂シートに関し、特には窓枠などの建具および家具等の表面に貼り合わせて耐候性などを向上させる透明樹脂シートに関する。
木目等の柄を印刷した紙やシートを木質部材表層に貼り合わせたものを組み立てた建具や家具類は、高耐久かつ意匠が安定し、かつ安価であるということで、市場に好適に受け入れられてきた。もちろん、従来の無垢材や突き板材を使ったものも、その意匠性の良さから、市場では根強い人気がある。しかし、無垢材や突き板材は、耐久性の点で問題があり、経時の使用で色が褪せてきたり、腐ってきたりといったことが生じることがあった。それゆえ、外装材としてはもちろん、内装材においても、太陽光の射すような場所への使用は、奨励されてこなかった。
このような状況を改善する為に、アクリルにエラストマー成分を導入して柔軟性を付与し、更には各種耐候剤を含有してシート状に成膜したものを、天然木や突き板材の表層に貼り合わせることで、耐候性能を付与したものが提案され、一部商品化もなされている。
しかしながら、アクリル樹脂は各種有機溶剤に対する耐性が高くなく、また一部の汚染物質に対する耐汚染性も高くないため、取り扱いには注意が必要になってくる。また、エラストマー成分を多く含有してコシを低くすると、アクリル樹脂本来の特徴である耐候性の高さが十分に発揮されなくなってしまう。逆にエラストマー成分を少なくすると、柔軟性が失われてしまい、基材に貼り合わせる(ラッピングする)際に割れや浮きが発生しやすくなってしまう恐れがある。何よりも、アクリルシートは高価であるが故、経済性の観点からも、これにかわるシート材料が望まれている。
特開2001−058371
本発明はこのような背景から、上記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、無垢材や突き板材の表層に貼り合わせて使用し、耐薬品性、意匠性を有しつつ、必要十分な透明性、耐候性、ラッピング適性をも兼ね備え、尚且つ無垢材や突き板材の質感を大きく損なわないような透明樹脂シートを提供することである。
本発明は前記課題を解決したものであり、すなわちその請求項1記載の発明は、部材表面に貼り合わせて用いる少なくとも1層以上の樹脂層からなる透明樹脂シートにおいて、前記樹脂層がポリプロピレン樹脂を主成分とし、プロピレンをベースにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分を含有し、前記樹脂層の少なくとも1層以上に紫外線吸収剤と光安定剤を含有し、前記樹脂層の厚みが50〜300μmであり、前記透明樹脂シートの示差走査熱量測定における融解潜熱が10〜100J/gの範囲内にあることを特徴とする透明樹脂シートである。
その請求項2記載の発明は、前記樹脂層の表面上に、紫外線吸収剤と光安定剤を含有した非熱可塑性樹脂層を積層してなることを特徴とする請求項1に記載の透明樹脂シートである。
その請求項3記載の発明は、前記非熱可塑性樹脂層に真球状フィラーを含有し、前記真球状フィラーの一部が最表面に露出または浮き出ていることを特徴とする請求項2に記載の透明樹脂シートである。
その請求項4記載の発明は、前記真球状フィラーが、無機ガラスからなることを特徴とする請求項3に記載の透明樹脂シートである。
その請求項5記載の発明は、前記樹脂層の裏面に絵柄模様層を設けてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の透明樹脂シートである。
本発明はその請求項1記載の発明により、耐薬品性や耐汚染性、意匠性を有しつつ、必要十分な透明性、耐候性、ラッピング適性をも兼ね備えた透明樹脂シートを提供することが可能となる。これは、ポリプロピレン樹脂を主成分とすることで、アクリル樹脂の欠点であった、耐溶剤性や耐汚染性を大幅に改善できる為である。しかしながら、ただのポリプロピレン樹脂では、透明性、柔軟性、耐候性、などの点で充分な性能が得られないが、プロピレンをベースにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分を含有することで、ポリプロピレン樹脂の結晶化を抑制することができ、その結果、透明性と柔軟性を同時に得ることができる。また、紫外線吸収剤と光安定剤が少なくとも1層以上に含有することで、紫外線透明樹脂シートとしての性能を付与することができ、なおかつ厚みを50〜300μmの範囲内にすることで、充分な耐候性能を有しつつもラッピング適性を損なわないレベルの柔軟性を有することが可能になる。
プロピレンにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分については、様々なメーカーから、いろいろな種類の材料が上梓されているが、本発明の透明樹脂シートが長期間にわたり使用されるものであることから、透明性その他の性能が長期間にわたり保持されていることが望ましい。その点からは、重合時にメタロセン触媒を使用したものが、低分子量成分を少なくできるなどの利点があり、望ましい。また、共重合させる成分は1種類に限定されず、複数種のモノマーを併用使用してもよい。尚、エチレンをベースにαオレフィンを共重合させた樹脂を含有することでも、柔軟性を付与することは可能であるが、ポリプロピレン樹脂との相容性に難がある為、透明性の確保ができない為、適さない。
プロピレンにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分の好適な含有量は、DSC(示差走査熱量)測定における融解潜熱△Hが10〜100J/gの範囲内になるように適宜設定される。プロピレンにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分は、その含有量が増えるほど、融解潜熱の値は低下する傾向にあるが、融解潜熱が100J/gを超える場合では、充分な透明性と柔軟性が得られず、逆に融解潜熱が10J/g未満では、表面の硬度を維持することができず、傷がつきやすくなると共に、ラッピング時のテンションでシートが伸ばされてしまう為、意匠性良くラッピングすることが非常に難しくなる。ここで、融解潜熱とは、結晶を完全に融解させる為に余分に必要となった総熱量のことであり、示差走査熱量測定装置により求めることができる。
本発明はその請求項2記載の発明により、更に高レベルの耐候性を得ることができる。熱可塑性樹脂においては、その重合が2次元的になされているのに対して、非熱可塑性の樹脂層においては、その架橋が3次元的になされる為、添加剤の経時でのブリードアウト等の抑制に効果がある為である。架橋の方法は特に制限されないが、イソシアネート架橋、紫外線架橋、電子線架橋などの方式が好適に用いられる。またこれらの方式で架橋を行う前に、重合釜で予めオリゴマー化させておいてもよい。
本発明はその請求項3記載の発明により、最表層に露出したフィラーの一部が適度な凹凸感を与える為、良好な手触り感を付与することが可能となり、より本物の木に近い風合いを得ることができる為、本発明の透明樹脂シートを無垢材や突き板材の表層にオーバーラミネートにより貼り合わせたとしても、無垢材や突き板材の質感を保持することが可能になる。また真球状である為、光の偏向などの影響も少なく、透明性を担保できる。
本発明はその請求項4記載の発明により、フィラーとして無機ガラスを選定することで、有機系材料を選定した場合と比べて経時劣化を抑制することができる。
本発明はその請求項5記載の発明により、絵柄模様層を樹脂層を通して視認可能とするような構成とすることで建築部材の質感をより高めることが可能になると共に、無垢材や突き板材などの自然由来材料で起きがちな、意匠のばらつきを抑制できる効果もある。
本発明の透明樹脂シートの一実施例の断面の構造を示す説明図である。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の透明樹脂シートの一実施例の断面の構造を示す。本発明の透明樹脂シートを構成する少なくとも1層以上の樹脂層1、表面側に適宜設けられる非熱可塑性樹脂2、裏面側に適宜設けられる絵柄模様層3とからなる。
本発明における樹脂層1には、ポリプロピレンを主成分にして、プロピレンをベースにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分を含有したものを用いる。更に紫外線吸収剤と光安定剤を含有してなる混合物を、2軸押出機などを用いて溶融混練したものを用いる。ポリプロピレンとしては、プロピレンを単独で重合させたホモポリプロピレン、エチレンやブテンなどをコモノマーとして0.01〜10モル%程度でランダムに共重合させたランダムポリプロピレン、同じく0.1〜50モル%程度で、コモノマーがブロックになるように重合させたブロックポリプロピレンなどに大別されるが、透明性確保の観点から、本発明の透明樹脂シート用の樹脂にブロックポリプロピレンを使用するのは好適ではない。ホモポリプロピレンとランダムポリプロピレンはいずれも本発明の透明樹脂シートに使用可能であるが、柔軟性や透明性により重きを置きたい場合にはランダムポリプロピレンを使用し、傷つきにくさや耐熱性により重きを置きたい場合にはホモポリプロピレンを使用するという風に使い分けをするとよい。
前記プロピレンをベースにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分としては、例えば三井化学株式会社製「ノティオ」、エクソンモービル社製「ビスタマックス」、株式会社プライムポリマー製「プライムTPOランダムタイプ」、三菱化学株式会社製「ゼラス」、サンアロマー株式会社製「キャタロイ」などがあるが、低分子量成分の影響を極力排除するという視点に立てば、「ノティオ」や「ビスタマックス」など、メタロセン触媒により重合された樹脂を使用するのが、より好適である。これらの添加量についての制約は特に無いが、主成分であるポリプロピレンの種類と剛性、プロピレンをベースにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分の種類と剛性、などを鑑みて、融解潜熱△Hが10〜100J/gとなるように適宜含有していけばよい。
少なくとも1層以上の樹脂層1に含有する紫外線吸収剤及び光安定剤も、本発明において所望の性能を得るためには必要不可欠な材料である。紫外線吸収剤は、大別すると有機系のものと無機系のものがあり、有機系紫外線吸収剤の特徴は、紫外線の光エネルギーを、プラスチック材料にとって無害な熱エネルギーに変換する機能を持つということである。一方の無機系は、紫外線をそのまま反射させることで性能を発揮させていることが多いので、紫外線カット材という呼び名の方が適当である。有機系紫外線吸収剤には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、トリアジン系、などがあり、その中でも細かい分子構造の違いにより、各種の紫外線吸収剤が各社から上梓されている。紫外線吸収剤の選定に際しては、吸収波長域、吸収強度、材料の安定性、含有する材料との親和性、などの観点から好適なものを選定すればよいが、本発明のように、ポリプロピレン樹脂を主材料とする場合には、ベンゾトリアゾール系のものが好適に選定される。
光安定剤は、紫外線あるいは熱によって励起されたフリーラジカルを捕捉して無害化する性能を有しているもので、ラジカル捕捉剤とも呼ばれる。種類としては、主にヒンダードアミン系のものが好適に用いられる。
尚、上記紫外線吸収剤及び光安定剤は、透明樹脂シート中のどこか1層以上に含有していれば良いが、最表層に含有しているともっとも高い効果が得られる。無論、2層以上の複数層に対して含有している方が、尚望ましい。
絵柄模様層3は、隠蔽性を持たせるのではなく、下地の基材の風合いを活かしつつ、更なる意匠性を向上させる為に適宜設けられる。材質は特に制限されないが、ポリエステル系あるいはアクリル系の樹脂をベースに染料または顔料などの着色剤や体質顔料、パールなどを添加し、さらに必要に応じて可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、乾燥剤、硬化剤、増粘剤、分散剤、充填剤などを任意に添加して溶剤、希釈剤などで充分混練してなるものが好適に用いられる。絵柄模様層3の積層は、各種印刷法またはコーティング法により積層すればよいが、グラビア印刷法による積層が好適である。また、絵柄模様層3の密着力を高める為に、必要に応じて、樹脂層1と絵柄模様層3の間に、プライマーコート層(図示しない)の積層も好適に用いられる。
樹脂層1の製造方法としては、Tダイ押出法、インフレーション法、カレンダー法、などが挙げられるが、機能性を持たせるために、樹脂層1を複数層の積層体とすることも可能であり、その場合には、Tダイ押出法あるいはインフレーション法が好適に用いられる。また、厚み精度を重要視する場合には、Tダイ押出法或いはカレンダー法が好適であり、その両方を同時に満足したい場合には、Tダイ押出法を用いるのが好適である。
本発明で、適宜設ける非熱可塑性樹脂層2には、材質として、具体的には、アクリル樹脂やエステル樹脂などに水酸基を導入したプレポリマーと、別途用意したイソシアネート基を有する硬化剤とを反応させることで、樹脂中にウレタン反応物を生成させることで硬化させるとよい。イソシアネート成分としては、即硬性を重視するのであれば芳香族系のもの、耐紫外線性を重視するのであれば脂肪族系のものを利用すればよい。また非熱可塑性樹脂層2に柔軟性を付与したい場合には、プレポリマー状態からウレタン変性しておく方法も好適に用いられる。
非熱可塑性樹脂層2を硬化させる方法としては、イソシアネートと反応させる方法(イソシアネート硬化法)以外に、光重合開始剤を添加した後に、紫外線を照射する方法(紫外線硬化法)、電子線を照射する方法(電子線硬化法)などを用いても良い。またこれらの硬化方法を複数組み合わせても良い。
非熱可塑性樹脂層2の積層方法は、公知の技術を用いればよく、何ら限定されるものではないが、グラビアコーティング法が一般的に用いられる。またその厚みは3〜50μm程度が好適である。但しグラビアコーティング法の場合には、一度にコーティングできる膜厚としては、数μm程度である。それ以上の厚みにすると、コーティング面にムラが出来てしまうなどの不具合が生じる場合があるので、その際には、複数回に分けて、所望の厚みまで繰り返しコーティングする方法が好適に用いられる。
非熱可塑性樹脂層2の厚さは、多く設けるほどに耐傷性が増し、鉛筆硬度試験の結果が良くなる傾向があるが、しかし一方でラッピング加工などをした際に、ハードコート表面保護層5のクラックや割れを起こしやすいという問題も併せ持つ。これらのバランスから、適正厚みとしては3〜50μmの範囲内が望ましい。
尚、非熱可塑性樹脂層2の密着力アップを目的として、コロナ処理などの公知の技術によって、積層界面に極性基を導入することも必要であり、特に、基本的には無極性樹脂である透明オレフィン樹脂を用いる場合は、コロナ処理などによる極性基導入は好適に行われる。
非熱可塑性樹脂層2は真球状フィラーを含有したものが好適に用いられる。真球状フィラーの性能としては、表面の触感を向上させる効果が期待できる。特に真球状フィラーの一部分が表面に露出しているか、あるいはその真球状の形状が表面に浮き出ている場合には、よりよい触感を得ることができる。真球状フィラーの材質としては、有機系・無機系のいずれでもよいが、耐久性の点からは、紫外線や酸化などに対する耐性を考慮した場合には、無機系が好適であり、尚且つ、耐傷付き性や経済性などを考慮した場合には、無機ガラスが好適に用いられる。
本発明の透明樹脂シートには、部材方面との密着性を向上させる為に、必要に応じてプライマーコートが設けてあっても良い(図示しない)。プライマーの材質は、非熱可塑性樹脂層2や絵柄模様層3と同じく、アクリルあるいはポリエステル系のものが好適に用いられる。またプライマー層の積層方法も公知の方法を使えばよい。
このようにして作成した透明樹脂シートは、無垢材や突き板材の表層に貼り合わせることで、耐薬品性や耐汚染性、意匠性を有しつつ、必要十分な透明性、耐候性、ラッピング適性をも兼ね備え、尚且つ無垢材や突き板材の質感を大きく損なわないものとなる。
JIS K7210にて規定される方法で測定した、230℃温度環境下でのMFRが24、示差走査熱量測定の融点が134℃、エチレンコンテントがモノマー単位で4.3%のランダムポリプロピレン樹脂として、「プライムポリプロ Y−2045GP」(株式会社プライムポリマー製)を80重量%用意し、更に、230℃温度環境下でのMFRが6、示差走査熱量測定の融点が140℃のプロピレン系エラストマーとして、「ノティオPN−3560」(三井化学株式会社製)を19重量%、フェノール系酸化防止剤として「イルガノックス1010」(BASFジャパン株式会社製)を0.1重量%、リン系加工安定剤として「イルフガフォス168」(BASFジャパン株式会社製)を0.15重量%、ヒンダードアミン系光安定剤として「キマソーブ944」(BASFジャパン株式会社製)を0.3重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、「チヌビン326」(BASFジャパン株式会社製)を0.45重量%それぞれ添加し、単軸押出機を用いて押出温度230℃で溶融混練したのち、T型ダイから押出厚み200μmで溶融押出して樹脂層1を作成した。このシートを、示差走査熱量計DSC6220(セイコーインスツルメント社製)を使って、0℃〜300℃まで毎分10℃ずつ昇温し、融解潜熱を測定したところ、55J/gであった。
得られた樹脂層1の両表面にコロナ処理を施し、表面側に、ポリエステル系のプライマーコート剤「V324」(東洋インキ製造株式会社製)を100重量部に対して、ヘキサメチレンジイソシアネートを5重量部添加し、尚且つ酢酸エチルを希釈溶剤として適量添加して撹拌したものを、グラビアコーティング法を用いて、溶剤揮発乾燥後の平均厚み1.5μmで塗工し、非熱可塑性樹脂層2を設けて、透明樹脂シートを作製した。
ポリエステル系材料を主原料とする絵柄用インキ「ラミスター」(東洋インキ製造株式会社製)100重量部に対してヘキサメチレンジイソシアネートを5重量部と酢酸エチル溶液を添加してよく撹拌し、実施例1と同様にして得た樹脂層1の裏面側に、グラビア印刷法により積層塗工して木目模様を施し、絵柄模様層3を設けた。
前記裏面側に絵柄模様層3を設けた樹脂層1の表面側に、アクリル系材料を主原料に、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の光安定剤を含有したコーティング剤「UCクリヤー」(DICグラフィックス株式会社製)と、ヘキサメチレンジイソシアネートを5重量部と、酢酸エチル溶液とを添加してよく撹拌し、グラビアコーティング法を用いて、溶剤揮発乾燥後の塗工厚みが6μmとなるように塗工し、非熱可塑性樹脂層2を設けて、透明樹脂シートを作製した。
真球状フィラーとして平均粒系12μmの架橋ポリメタクリル酸ブチル粒子「セキスイテクポリマー BM30X−12」(積水化成品工業株式会社製)を用い、前記「UCクリヤー」(DICグラフィックス株式会社製)の固形分に対して12重量%の割合で配合・撹拌した他は、実施例2と同様の製造方法を用いて、透明樹脂シートを作製した。
真球状フィラーとして平均粒径30μmのガラスビーズ「ユニビーズ SPL−30」(ユニチカ株式会社製)を、UCクリヤーの固形分に対して12重量%の割合で配合・撹拌した他は、実施例2と同様の製造方法を用いて、透明樹脂シートを作製した。
<比較例1>
樹脂層1として、ポリメタクリル酸メチル樹脂を主成分に、ヒンダードアミン系光安定剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有した厚み50μmフィルム「アクリプレンHBS027」(三菱レーヨン株式会社製)を用いた他は、実施例1と同じ方法を用いて、透明樹脂シートを作製した。
<比較例2>
樹脂層1の厚みを40μmとした他は、実施例1と同じ方法を用いて透明樹脂シートを作製した。
<比較例3>
樹脂層1の厚みを350μmとした他は、実施例1と同じ方法を用いて透明樹脂シートを作製した。
<比較例4>
ヒンダードアミン系光安定剤を未添加とした他は、実施例1と同じ方法を用いて透明樹脂シートを作製した。
<比較例5>
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を未添加とした他は、実施例1と同じ方法を用いて透明樹脂シートを作製した。
<比較例6>
「ノティオ PN−3560」(三井化学株式会社製)を5重量%に減らし、「Y−2045GP」の替わりに、JIS K7210にて規定される方法で測定した、230℃温度環境下でのMFRが18、示差走査熱量測定の融点が166℃、にアイソタクティックペンタッド分率が96%の高結晶ホモポリプロピレン樹脂、「プライムポリプロ Y−2000GP」(株式会社プライムポリマー製)を95重量%とした他は実施例1と同じ方法を用いて透明樹脂シートを作製した。その際に、示差走査熱量計DSC6220(セイコーインスツルメント社製)を使って、0℃〜300℃まで毎分10℃ずつ昇温し、融解潜熱を測定したところ、107J/gであった。
<比較例7>
「ノティオ PN−3560」(三井化学株式会社製)を96重量%まで増量し、「Y−2045GP」を4重量%まで減量した他は、実施例1と同じ方法を用いて透明樹脂シートを作製した。 示差走査熱量計DSC6220(セイコーインスツルメント社製)を使って、0℃〜300℃まで毎分10℃ずつ昇温し、融解潜熱を測定したところ、6.6J/gであった。
<耐溶剤性>
実施例1〜4、及び比較例1〜7の透明樹脂シートの、プライマーコートの塗工面とは反対面側に、メチルエチルケトン溶剤を含侵させた脱脂綿を置き、更に揮発防止のために時計皿で被覆して、25℃環境下で24時間放置した。その後透明樹脂シートの表面を水道流水で洗い流して更に72時間の自然乾燥をさせ、表面状態を確認した。
<耐候性>
実施例1〜4、及び比較例1〜7の透明樹脂シート作製について、サンシャインウェザーメーター S−80BBR(スガ試験機株式会社製 試験条件:ブラックパネル温度63℃、槽内湿度50%、連続照射モード(但し連続照射中の60分毎の最初の12分には、純水をサンプル表層に噴霧))による耐候試験を行い、500時間毎にサンプルの劣化を目視観察した。その際、光の照射面はプライマーコートの塗工面とは反対側面になるようにサンプルをセットした。透明樹脂シート表面に明らかな形状変化(劣化・変色など)が起き始めた時間から、500時間をマイナスした時間を、そのサンプルの耐候性保持時間と定義し、記録を行なった。
<ラッピング適性>
実施例1〜4、及び比較例1〜7の透明樹脂シートのプライマー塗工面側に、溶剤系の接着剤を塗布した後に60℃3分間の加熱を行なって溶剤分を揮発させ、複雑な形状をした木質部材に対しラッピング加工を行った。ラッピング直後の部材の状態を確認し、木質部材からのシートのハネや浮きの有無を目視観察し、無いものを「○」、あるものを「×」とした。各物性の評価結果を表1に示す。
表1の結果からわかるように、実施例1〜4の透明樹脂シートは耐溶剤性、耐候性、ラッピング適性のバランスが取れている。しかしながら、比較例1〜7の透明樹脂シートは、耐溶剤性、耐候性、ラッピング適性のいずれかが、実施例1〜4の透明樹脂シートよりも劣る結果となっている。更に、表1に示していないが、真球状フィラーを含有することにより、手触り感もより本物に近い質感が得られている。
本発明の透明樹脂シートは、塩化ビニルを一切使用しないため環境問題の心配もない。更には、従来まで使用されていたアクリル樹脂系透明樹脂シートの弱点であった耐溶剤性にも優れた性能を持つものになっている。
1…樹脂層
2…非熱可塑性樹脂層
3…絵柄模様層

Claims (5)

  1. 部材表面に貼り合わせて用いる少なくとも1層以上の樹脂層からなる透明樹脂シートにおいて、
    前記樹脂層がポリプロピレン樹脂を主成分とし、プロピレンをベースにエチレンあるいはαオレフィン成分が共重合されてなる樹脂成分を含有し、
    前記樹脂層の少なくとも1層以上に紫外線吸収剤と光安定剤を含有し、
    前記樹脂層の厚みが50〜300μmであり、
    前記透明樹脂シートの示差走査熱量測定における融解潜熱が10〜100J/gの範囲内にあることを特徴とする透明樹脂シート。
  2. 前記樹脂層の表面上に、紫外線吸収剤と光安定剤を含有した非熱可塑性樹脂層を積層してなることを特徴とする請求項1に記載の透明樹脂シート。
  3. 前記非熱可塑性樹脂層に真球状フィラーを含有し、前記真球状フィラーの一部が最表面に露出または浮き出ていることを特徴とする請求項2に記載の透明樹脂シート。
  4. 前記真球状フィラーが、無機ガラスからなることを特徴とする請求項3に記載の透明樹脂シート。
  5. 前記樹脂層の裏面に絵柄模様層を設けてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の透明樹脂シート。
JP2011158762A 2011-07-20 2011-07-20 透明樹脂シート Active JP5857495B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011158762A JP5857495B2 (ja) 2011-07-20 2011-07-20 透明樹脂シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011158762A JP5857495B2 (ja) 2011-07-20 2011-07-20 透明樹脂シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013022806A true JP2013022806A (ja) 2013-02-04
JP5857495B2 JP5857495B2 (ja) 2016-02-10

Family

ID=47781703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011158762A Active JP5857495B2 (ja) 2011-07-20 2011-07-20 透明樹脂シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5857495B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017122713A1 (ja) * 2016-01-13 2017-07-20 三井化学株式会社 積層シートおよびこれを用いてなる太陽電池バックシート

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58140249A (ja) * 1982-02-15 1983-08-19 三井化学株式会社 多層フイルム
JPH11216834A (ja) * 1998-02-04 1999-08-10 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
US20010024714A1 (en) * 1997-12-15 2001-09-27 Kazuya Hori Film for decorative sheet and decorative sheet using the same
JP2004066525A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Toppan Printing Co Ltd 化粧シートおよび化粧板
JP2007331136A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Toppan Cosmo Inc 化粧シート
WO2008041649A1 (fr) * 2006-09-28 2008-04-10 Toppan Printing Co., Ltd. Feuille décorative et procédé pour sa fabrication
JP2009051167A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58140249A (ja) * 1982-02-15 1983-08-19 三井化学株式会社 多層フイルム
US20010024714A1 (en) * 1997-12-15 2001-09-27 Kazuya Hori Film for decorative sheet and decorative sheet using the same
JPH11216834A (ja) * 1998-02-04 1999-08-10 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2004066525A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Toppan Printing Co Ltd 化粧シートおよび化粧板
JP2007331136A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Toppan Cosmo Inc 化粧シート
WO2008041649A1 (fr) * 2006-09-28 2008-04-10 Toppan Printing Co., Ltd. Feuille décorative et procédé pour sa fabrication
JP2009051167A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017122713A1 (ja) * 2016-01-13 2017-07-20 三井化学株式会社 積層シートおよびこれを用いてなる太陽電池バックシート
JPWO2017122713A1 (ja) * 2016-01-13 2018-11-01 三井化学株式会社 積層シートおよびこれを用いてなる太陽電池バックシート
US10896988B2 (en) 2016-01-13 2021-01-19 Mitsui Chemicals, Inc. Laminated sheet and solar cell backsheet using same

Also Published As

Publication number Publication date
JP5857495B2 (ja) 2016-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103079818B (zh) 阻挡组件
ES2483994T3 (es) Procedimiento para la laminación de láminas de plástico sobre sustratos de material derivado de la madera, en particular para la generación de superficies de alto brillo
JP6015837B2 (ja) コーティング剤組成物及びこれを用いたシート
CA2950336C (en) Three-layer uv protective film for decorative laminated sheets (hpl)
KR20120111728A (ko) 코팅제 조성물 및 이것을 사용한 시트
JP5439714B2 (ja) 化粧シート
JP2008073888A (ja) 化粧シート
CN103003062A (zh) 具有改进的阻隔作用和耐刮擦性能的透明的耐候性阻隔膜
JP2003340973A (ja) 化粧シート
JP5845579B2 (ja) フローリング材
JP5287420B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
JP2018203989A5 (ja)
JP5857495B2 (ja) 透明樹脂シート
KR101456731B1 (ko) 화장 시트 및 그것을 사용한 화장판
KR102479623B1 (ko) 점착제 및 이를 포함하는 물품
JP6992930B2 (ja) 粘着シート
JP5521886B2 (ja) 鏡面化粧シート
JP2014012366A (ja) 高弾性透明樹脂積層体の製造方法
JP2017132196A (ja) 化粧シート用複合基材、化粧シート及び建材
JPH08183144A (ja) 表面硬度改質板とその製造方法
JP5935585B2 (ja) 床用化粧材
JP2010214917A (ja) 化粧シートおよびその製造方法
JP2014051045A (ja) 床用化粧材
JP6965753B2 (ja) 化粧シート及び化粧部材
WO2019244986A1 (ja) 保護フィルムおよびシート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150324

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150828

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5857495

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250