JP2017132196A - 化粧シート用複合基材、化粧シート及び建材 - Google Patents

化粧シート用複合基材、化粧シート及び建材 Download PDF

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Abstract

【課題】化粧シートと基材との間にバッカーを設けなくても、化粧シートに凹みが生じることを抑制することができる、化粧シート用複合基材、化粧シート及び建材を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂を含み、1軸延伸されたn枚(nは2以上の整数)の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nを有する。n枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nは積層されている。n枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nのうち積層方向で隣り合う一対の延伸シート基材は、互いの延伸方向が交差している。【選択図】図2

Description

本発明は、化粧シート用複合基材、化粧シート及び建材に関する。
従来から、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂からなる化粧シートが優れた加工適性や不燃性から用いられてきたが、廃棄後の焼却処理時に有毒ガス等が発生することなどが問題視されており、ポリ塩化ビニル系樹脂に替わり、ポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートが提案されている。
建築内装材のうち床材の用途に用いられる化粧シートには、その使用用途から、化粧シートの上からキャスターやイスの足もしくは家具の足などによって、局所的に圧力が加えられる。このため、化粧シートの圧力が加えられた部分には凹みが生じ易く、また、この化粧シートにおいて圧力の緩衝が不十分な場合には、化粧シートの下に位置する木質基材などの表面にも凹みが生じ、リペアーが困難な圧痕が形成されてしまう場合もある。
特許文献1には、化粧シートの凹みを抑制するために、化粧シートと基材との間に、厚さ200〜350μmの2軸延伸ポリエステルフィルムからなるバッカーを設けることが開示されている。
特開2005−290736号公報
化粧シートと基材との間に、厚さ200〜350μmの2軸延伸ポリエステルフィルムからなるバッカーを設けなくても、化粧シートの凹みを抑制する技術が望まれていた。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、化粧シートと基材との間にバッカーを設けなくても、化粧シートに凹みが生じることを抑制することができる、化粧シート用複合基材、化粧シート及び建材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る化粧シート用複合基材は、熱可塑性樹脂を含み、1軸延伸された延伸シート基材を複数枚有し、前記複数枚の延伸シート基材は積層されており、前記複数枚の延伸シート基材のうち積層方向で隣り合う一対の延伸シート基材は、互いの延伸方向が交差していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る化粧シートは、前記化粧シート用複合基材と、前記化粧シート用複合基材の一方の面側に積層された印刷層と、前記印刷層上に接着層を介して積層された透明樹脂層と、前記透明樹脂層上に積層された表面保護層と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る建材は、前記化粧シートと、前記化粧シートが備える前記化粧シート用複合基材の他方の面側に貼り付けられた木質基材と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、化粧シートと基材との間にバッカーを設けなくても、化粧シートに凹みが生じることを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る床材100の構成例を模式的に示す断面図である。 化粧シート用複合基材11の構成例を模式的に示す断面図及び平面図である。
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態)を図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、同一符号を付した部分について繰り返しの説明を適宜省略する。また、本実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本実施形態に係る床材(すなわち、床用の建材)100の構成例を示す断面図である。
図1に示すように、床材100は、化粧シート10と、化粧シート10の裏面側に貼り付けられた木質基材1と、を備える。また、化粧シート10は、化粧シート用複合基材11と、化粧シート用複合基材11の一方の面11a側に積層された印刷層13と、印刷層13上に接着層15を介して積層された透明樹脂層17と、透明樹脂層17上に積層された表面保護層19と、を備える。表面保護層19の上面が化粧シート10の表面であり、化粧シート用複合基材11の他方の面(すなわち、一方の面の反対側の面)11bが化粧シート10の裏面である。
図2(a)及び(b)は、化粧シート用複合基材11の構成例を示す断面図及び平面図である。図2(a)及び(b)に示すように、化粧シート用複合基材11は、n枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nを有する。nは2以上の整数である。これらn枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nの各々は、熱可塑性樹脂を含み、1軸延伸された、厚さ15μm以上100μm以下の延伸シート基材である。本実施形態では、これらn枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nのうちの少なくとも1枚以上の延伸シート基材は、色顔料によって着色されていてもよい。
n枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nは、化粧シート用複合基材11の厚さ方向に積層されている。そして、これらn枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nのうち積層方向で隣り合う一対の延伸シート基材は、互いの延伸方向が直交している。すなわち、一の延伸シート基材の延伸方向と、一の延伸シート基材と厚さ方向で隣接する他の延伸シート基材の延伸方向は、互いに直交している。
例えば、図2(a)に示すように、第1の延伸シート基材11−1の下面に、第2の延伸シート基材11−2の上面が接触した状態で配置されている。第1の延伸シート基材11−1の延伸方向と第2の延伸シート基材11−2の延伸方向は互いに直交している。また、第2の延伸シート基材11−2の下面に、第3の延伸シート基材11−3の上面が接触した状態で配置されている。第2の延伸シート基材11−2の延伸方向と第3の延伸シート基材11−3の延伸方向も互いに直交している。
本実施形態では、n枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nのうち、全ての延伸シート基材の延伸方向が、厚さ方向で隣接する他の延伸シート基材の延伸方向と直交していてもよい。また、本実施形態では、n枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nのうち、一部の延伸シート基材の延伸方向が、厚さ方向で隣接する他の延伸シート基材の延伸方向と直交していてもよい。
なお、n枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nの各々について、一軸延伸の延伸倍率は、延伸シート基材が破断しない倍率であれば特に制限はないが、一例を挙げると2〜4倍である。
次に、床材100を構成する各構成部について、より具体的に説明する。
<木質基材>
木質基材の種類は特に限定されず、例えば杉、檜、栗、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中質繊維板(MDF)等が挙げられる。なお、木質基材には、一方の面に、防湿効果を付与する観点から、例えば防湿層を形成していてもよい。
<化粧シート用複合基材>
化粧シート用複合基材は、キャスターやイスの足といった局所的な圧力による凹みへの耐性を付与するために設けられている。化粧シート用複合基材を使用することにより、床材は耐キャスター性に優れたものとなる。化粧シート用複合基材には、より好ましくは引張り弾性率が2000MPa以上を有するものを使用する。なお、引張り弾性率は、JIS−K7127により測定した値である。
化粧シート用複合基材を構成している延伸シート基材は、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン系樹脂)製である。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなど)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。
また、化粧シートの表面強度の向上を図る場合には、延伸シート基材に高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
<印刷層>
印刷層は、化粧シート用複合基材に対してインキを用いて絵柄等が印刷された層である。インキのバインダとしては、硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選定して用いることができる。これらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでもよく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでもよい。さらに、紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させる方法を用いてもよい。
中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキを用いるもので、イソシアネートによって硬化させる方法である。これらのバインダ以外には、通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤などが添加されている。汎用性の高い顔料としては、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等が挙げられる。また、インキの塗布とは別に各種金属の蒸着やスパッタリングで意匠を施すことも可能である。また、上記インキに対して光安定化剤が添加されていてもよい。これにより、インキの光劣化から生じる化粧シート自体の劣化を抑制し、化粧シートの寿命を長くすることができる。
<透明樹脂層>
透明樹脂層としてはオレフィン系樹脂が好適に用いられる。オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなど)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。また、化粧シートの表面強度の向上を図る場合には、透明樹脂層に高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
なお、透明樹脂層には、必要に応じて熱安定剤、光安定化剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤等の各種添加剤を添加することもできる。熱安定剤としては、フェノール系、硫黄系、リン系、ヒドラジン系等、光安定化剤としては、ヒンダードアミン系等を、任意の組み合わせで添加してもよい。
透明樹脂層の「透明」とは、可視光のうちほぼ全ての波長範囲の光、又は可視光のうち一部の波長範囲の光が透明樹脂層を透過して、透明樹脂層の一方側から他方の側が見通せる状態のことをいう。透明樹脂層の「透明」は、無色透明でもよいし、有色透明でもよい。
<表面保護層>
表面保護層は、化粧シートの表面の保護や艶の調整としての役割を果たす。表面保護層の材料としては、ポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッド系、尿素系などから適宜選択して用いることができる。材料の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定されるものではない。硬化法についても一液タイプ、二液タイプ、紫外線硬化法など適宜選択して行うことができる。
特に、表面保護層の主成分としては、イソシアネートを用いたウレタン系のものが作業性、価格、樹脂自体の凝集力などの観点から好適である。イソシアネートには、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などから適宜選択することができるが、耐候性を考慮すると、直鎖状の分子構造を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が好適である。
この他にも、表面硬度の向上を図る場合には、表面保護層に、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する樹脂を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂は相互に組み合わせて用いることが可能であり、例えば、熱硬化型と光硬化型とのハイブリッド型とすることにより、表面硬度の向上、硬化収縮の抑制および密着性の向上を図ることができる。
<実施形態の効果>
本実施形態は、以下の効果を奏する。
(1)1軸延伸の延伸方向(MD方向)、延伸方向に垂直な方向(TD方向)の弾性率の中間的な弾性率を有する化粧シート用複合基材を得ることができる。例えば、化粧シート用複合基材のMD方向は図2(b)に示す延伸シート基材11−1のY軸方向であり、TD方向は図2(b)に示す延伸シート基材11−1のX軸方向である。また、1軸延伸の基材の弾性率はTD方向がMD方向に比べて弱いという特徴があるが、本実施形態のように基材を複層とすることで、MD方向とTD方向とに対して等方的な強度を有する化粧シート用複合基材とすることができる。以上から、化粧シートと基材との間にバッカーを設けなくても、化粧シートに凹みが生じることを抑制することができる。
(2)n枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nの各々は、熱可塑性樹脂で構成されている。この熱可塑性樹脂をポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)とすることで、延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nを押出製膜や延伸加工で好適に製造することができる。
(3)化粧シート用複合基材11上に、印刷層13、接着層15、透明樹脂層17、表面保護層19を積層することで、圧力に対する凹みへの耐性を付与した化粧シート10を実現することができる。
(4)木質基材1上に化粧シートを貼り合せることで、圧力に対する凹みへの耐性を付与した床材を実現することができる。
<変形例>
上記の実施形態では、複数枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nのうち積層方向で隣り合う一対の延伸シート基材は、互いの延伸方向が直交している場合について説明した。しかしながら、本実施形態では、互いの延伸方向は直交ではなく、90°を中心に±30°の範囲内で交差していてもよい。すなわち、複数枚の延伸シート基材11−1、11−2、…、11−nのうち積層方向で隣り合う一対の延伸シート基材は、互いの延伸方向が60°以上120°以下の角度または240°以上300°以下の角度で交差していてもよい。このような場合であっても、MD方向とTD方向とに対して、等方的に近い強度を有する化粧シート用複合基材とすることができる。
<実施例1、2>
実施例1、2においては、化粧シート用複合基材を構成する延伸シート基材について、延伸倍率を4倍、積層数を実施例1では2枚、実施例2では3枚として、化粧シート用複合基材を作製した。
具体的には、ホモポリプロピレン(プライムポリマー製:F−300SP MFR=3.0g/10min(230℃))を用いて、押出法によって120μmの原反シートを製膜した。さらに当該原反シートに1軸の4倍延伸(膜厚が1/4になるように)を行なうことによって30μmの延伸シート基材を作製した。
作製した延伸シート基材を、1000mm角に断裁し、ドライラミネート用接着剤(タケラックA540:三井化学(株)製;塗布量2g/m)による接着層を介してドライラミネート法にて貼り合わせた。延伸シート基材を貼り合せる際、延伸方向が直交になるように重ねて貼り合せ、化粧シート用複合基材とした。
また、透明樹脂シート(透明樹脂層)について、以下のように作製した。
具体的には、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010、BASF社製)を500PPMと、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン328、BASF社製)2000PPMと、ヒンダードアミン系光安定化剤(キマソーブ944、BASF社製)2000PPMと、リン酸エステル金属塩系造核剤(アデカスタブNA−21、ADEKA社製)1000PPMを添加した樹脂組成物を、溶融押出機を用いて製膜し、透明樹脂層として、厚さ100μmの透明樹脂シートを製膜した。
さらに、上記化粧シート用複合基材の表面に2液硬化型ウレタンインキ(V180:東洋インキ製造(株)製)にて絵柄印刷を施して印刷層を形成し、また、その化粧シート用複合基材の裏面にプライマーコートを施してプライマー層を形成した。しかる後、当該化粧シート用基材の印刷層に、上記の透明樹脂シート(透明樹脂層)をドライラミネート用接着剤(タケラックA540:三井化学(株)製;塗布量2g/m)による接着層を介してドライラミネート法にて貼り合わせた。次に、透明樹脂層に、エンボス用の金型ロールを用いてプレスしてエンボス模様を施した後、そのエンボス模様面上に2液硬化型ウレタントップコート(W184:DICグラフィックス社製)を塗布量3g/mにて塗布して表面保護層を形成して、化粧シートを得た。当該化粧シートを5mm厚の中質繊維板(MDF)に貼り合せ、床材とした。
<比較例1>
比較例1においては、化粧シート用複合基材を構成する延伸シート基材の枚数を1枚とし、工程に関しては、実施例1と同様の加工により化粧シートを得た。
<比較例2>
比較例2においては、化粧シート用複合基材を構成する延伸シート基材の枚数を2枚とし、当該2枚の延伸シート基材の延伸方向を揃えて貼り合せた。それ以外の工程に関しては、実施例1と同様の加工により化粧シートを得た。
<比較例3>
比較例3においては、化粧シート用複合基材を構成する延伸シート基材の枚数を3枚とし、当該3枚の延伸シート基材の延伸方向を揃えて貼り合せた。それ以外の工程に関しては、実施例1と同様の加工により化粧シートを得た。
<対比>
上記実施例1、2および上記比較例1〜3で得られた化粧シートの各々について、キャスター試験と引張試験とを実施した。その結果を表1に示す。
表1の「キャスター試験」の欄から明らかなように、実施例1、2の化粧シートは、比較例1〜3の化粧シートに比べて、キャスター試験によって、キャスターの痕跡がつきにくくなることを確認した。また、実施例1、2の化粧シートは、比較例1〜3の化粧シートに比べて、キャスター試験を実施する方向に対して、異方性が改善されることを確認した。
さらに、表1の「引張試験」の欄から明らかなように、実施例1、2の化粧シートの引張弾性率は、比較例1〜3の化粧シートに比べて、MD方向については引張弾性率が小さく、TD方向については引張弾性率が大きい傾向があり、等方的な性質であることを確認した。
このことから、実施例1、2の化粧シートおよび化粧シート基材は、比較例1〜3の化粧シートに比べて、引張試験による引張弾性率の観点からも異方性の改善が確認されるということが分かった。
Figure 2017132196
(1)キャスター試験
各化粧シート1を基材Bとしての中質繊維板(MDF)の表面にそれぞれ貼り付け、鉄車輪25kgを用いて、化粧シート1の上から10cmの距離を1000往復させ、その際に基材BとしてのMDFに対して凹みが認められたか否かを判定する。
(2)引張試験
つかみ具距離:90mm
引張速度:50mm/min
<本発明の技術的思想>
本発明の技術的思想は、以上に記載した実施形態や実施例に特定されるものではない。当業者の知識に基づいて実施形態や実施例に設計の変更等を加えてもよく、また、実施形態や実施例を任意に組み合わせてもよく、そのような変更が加えられた態様も本発明の技術的思想に含まれる。
本発明に係る化粧シートは、建築内装材、建具の表面材、家電製品の表面材などに用いることができる。例えば、木質ボード類、無機系ボード類、金属板などに化粧シートを貼り合わせて建材として用いることが可能であり、特に、化粧シートを木質基材に貼り合わせた時に、凹みに強い床材を実現することができる。
1 木質基材
10 化粧シート
11 化粧シート用複合基材
11−1、11−2、…、11−n 延伸シート基材
13 印刷層
15 接着層
17 透明樹脂層
19 表面保護層
100 床材(建材の一例)

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂を含み、1軸延伸された延伸シート基材を複数枚有し、
    前記複数枚の延伸シート基材は積層され、
    前記複数枚の延伸シート基材のうち積層方向で隣り合う一対の延伸シート基材は、互いの延伸方向が交差していることを特徴する化粧シート用複合基材。
  2. 前記互いの延伸方向が60°以上120°以下の角度または240°以上300°以下の角度で交差していることを特徴する請求項1に記載の化粧シート用複合基材。
  3. 前記互いの延伸方向が直交していることを特徴する請求項1に記載の化粧シート用複合基材。
  4. 前記複数枚の延伸シート基材のうちの少なくとも1枚以上の延伸シート基材は、色顔料によって着色されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の化粧シート用複合基材。
  5. 前記熱可塑性樹脂はポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の化粧シート用複合基材。
  6. 前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレンまたはポリプロピレンであることを特徴とする請求項5に記載の化粧シート用複合基材。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の化粧シート用複合基材と、
    前記化粧シート用複合基材の一方の面側に積層された印刷層と、
    前記印刷層上に接着層を介して積層された透明樹脂層と、
    前記透明樹脂層上に積層された表面保護層と、を備えることを特徴とする化粧シート。
  8. 請求項7に記載の化粧シートと、
    前記化粧シートが備える前記化粧シート用複合基材の他方の面側に貼り付けられた木質基材と、を備えることを特徴とする建材。
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