以下、図を参照して、本発明の実施形態に係る遊技機ついて説明する。
図1は、本実施形態の遊技機10を正面側から見た斜視図である。
本実施形態の遊技機10は、本体枠(外枠)11及び前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32の中央部には、開口部40aが形成された枠状のセンターケース40が配置されている。センターケース40の前面(ここでは上部)には、タイマ表示部40bが設けられている。タイマ表示部40bは、例えば、液晶表示器などによって時間(分、秒)を表示可能に構成されている。なお、タイマ表示部40bは、7セグメント型の表示器としてもよい。センターケース40の後方には表示装置41が配置され、センターケース40の開口部40aから表示装置41の表示面41aを臨むようになっている。また、センターケース40と表示装置41の間には、可動役物装置80が配置されている。
表示装置41(特別図柄表示装置、装飾表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。なお、表示装置41に時間を表示することによりタイマ表示部40bを兼ねるようにしてもよい。
可動役物装置80は、表示装置41の表示面41a前方に設けられる第1シャッター(第1可動役物)81および第2シャッター(第2可動役物)82と、センターケース40の後方に設けられ各シャッター81,82を移動させる移動機構(図示省略)とで構成されている。第1シャッター81は、正面視で上端部と下端部が側方に曲がった略弓状をしており、前面に始動記憶表示を表示する始動記憶表示部810(詳細後述)を備えている。
第2シャッター82は、正面視で第1シャッター81と左右が逆の形状をしており、始動記憶表示部を有していない。
ここで、図3を用いて、可動役物装置80の動作について説明する。第1シャッター81は、移動機構により、図3(a)に示す表示面41aの左端部前方の位置(第1停止位置)と図3(e)に示す表示面41aの右端部前方の位置(第2停止位置)との間を、センターケース40の開口部40aから視認可能に表示面41aに沿って左右方向に往復移動可能に設けられている。シャッター81の前面には始動記憶表示部810が設けられていることから、始動記憶表示部810は、第1シャッター81の移動に伴って表示面41aの前方を左右方向に移動可能であり、始動記憶表示の表示位置を変更することが可能になっているといえる。
第2シャッター82は、第1シャッター81と同様、図3(a)に示す第2停止位置と図3(e)に示す第1停止位置との間を表示面41aに沿って左右方向に移動することが可能となっている。ただし、第1シャッター81よりも表示面41a寄りを移動するようになっている。
また、シャッター81,82は、図3(a)に示すように、第1シャッター81が第1停止位置と第2停止位置のうち一方の停止位置にある場合は、第2シャッター82が他方の停止位置にあるよう構成されている。以下、この状態を第1状態と称する。そして、第1シャッター81が第1停止位置から右方へ移動を開始すると、第2シャッター82が同時に第2位置から左方へ移動を開始し、図3(b)に示すように同じ速さで互いに近づいていく。そして、図3(c)に示すように、第1シャッター81と第2シャッター82が表示面41aの中央部前方に位置すると、第2シャッター82が第1シャッター81よりも表示面41a寄りを移動するので、第1シャッター81が第2シャッター82の前方に重なり、すれ違う。始動記憶表示部810は、第1シャッター81の前面に設けられているので、第1シャッター81と第2シャッター82が重なったときも開口部40aから視認可能となる。
そして、図3(d)に示すように互いに離れていく。そして、図3(e)に示すように、第1シャッター81が第2停止位置に位置するとともに、第2シャッター82が第1停止位置に到達する。以下、この状態を第2状態と称する。両シャッター81,82が第2状態から第1状態に戻るときは、上記と逆の流れで移動する。なお、この可動役物装置80における上記の動作は、一方のシャッターの動作をギヤ等で構造的に他方のシャッターに伝達して行うようにしてもよいし、両シャッターを独立して動くことが可能に構成し、演出制御装置(図4参照)の制御によって行うようにしてもよい。
なお、本実施形態のシャッター81,82は、上下に細長い形状をしているので、シャッター81,82が停止位置にない(例えば、図3(b),(c)に示すような位置を移動している)とき、表示装置41の表示面41aのうち第1シャッター81左方および第2シャッター82右方の部分が露出してしまう。このため、本実施形態では、演出制御装置300が、表示装置41の表示領域のうち第1シャッター81左方および第2シャッター82右方の部分で表示を行わない、或いはその部分をシャッター81,82と同じ色で塗りつぶすようにシャッター表示を行う制御を行う。こうすることで、シャッター81,82が表示装置41もシャッターの一部として機能することになる。このため、可動役物装置80の左右両側にシャッター81,82の格納スペースを設ける必要がなくなる。また、シャッター81,82の位置を入れ替えた後は(図3(d),(e)の状態)、表示装置41におけるシャッター表示が、シャッター81,82が通過した部分から演出用の表示(背景等)に戻っていくため、表示面41a全体が遮蔽されず、表示装置41を用いた演出を引き続き実行することが可能となる。
図2の説明に戻る。遊技領域32におけるセンターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられ、普通図柄始動ゲート34の下方には、普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通図柄始動ゲート34および普通変動入賞装置37へは、センターケース40の右側を流下するように遊技球を打ち出した(所謂右打ちを行った)場合のみ遊技球が通過若しくは入賞可能となっている。
普通変動入賞装置37は、内部に第2始動入賞口を有しており、上部に逆「ハ」の字状に開いた状態と、遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態とに変換する一対の可動部材37b、37bを備えている。この一対の可動部材37b,37bは、常時は閉じた状態を保持しており、その上方には障害物37dが設けられているので、可動部材37b,37bが閉じた状態では、遊技球が入賞できないよう(遊技者にとって不利な状態)になっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、可動部材37b,37bが開いた状態になり、普通変動入賞装置37に遊技球が流入可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が配設され、始動入賞口36の下方には、特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉扉38cを閉じた状態(遊技球を受け入れない遊技者にとって不利な状態)から大入賞口を開放した状態(遊技球を受け入れ可能な遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を可能にし、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。
遊技領域32における特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50(特別図柄表示装置)は、図示は省略するが、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1始動記憶表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2始動記憶表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1始動記憶表示器54と同様にして表示する。
普図始動記憶表示器56は、図示は省略するが、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示される。
また、特図始動記憶の記憶数は、第1シャッターに設けられた始動記憶表示部810においても表示される。始動記憶表示部810は、縦方向に並ぶ複数(ここでは8個)の点灯部811〜818を有し、各点灯部810a〜810hは、LED等によって点灯可能に構成されている。このうち、下半分(4個)の点灯部810e〜810hは、第1始動記憶の記憶数を表示するもので、第1始動記憶が記憶される毎に下端の点灯部811hから順に点灯していき、点灯した点灯部の数で第1始動記憶数を表すようになっている。また、始動記憶表示部810の上半分(4個)の点灯部810a〜810dは、第2始動記憶の記憶数を表示するもので、第2始動記憶が記憶される毎に上端の点灯部818aから順に点灯していき、点灯した点灯部の数で第2始動記憶数を表すようになっている。また、各点灯部810a〜810hは、点灯する際の色を変更することが可能となっている。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを表示するともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など変動表示ゲームに伴う多様な演出画像を表示する。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って第1始動記憶(第2始動記憶)が記憶されて、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1加算されるととともに、直ちに第1始動記憶(第2始動記憶)に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が上限数未満ならば、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1加算されて第1始動記憶(第2始動記憶)が1つ記憶されることになる。そして、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1減算されるとともに、記憶された第1始動記憶(第2始動記憶)に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する(主に、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき前記変動表示ゲームの進行制御を行う)主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技制御装置100からの指令情報に基づき装飾表示装置の表示制御を行うもので、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式でタイマ表示部40bや表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へはタイマ表示部40bや表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物装置80等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
また、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの実行と並行してミッション演出を実行可能となっている。このミッション演出(指令演出)とは、例えば図32に示すように、所定の指令内容(ここでは、7でリーチをかけること)を事前に遊技者に告知し、所定の指令内容に対応する演出を実行することにより、前記特別遊技状態が発生することを遊技者に示唆する演出である。対象の始動記憶の事前判定結果が大当りの場合は、ミッション演出の終了が近づいたときに指令内容を達成する演出(ミッションクリア演出)を行い、ミッション演出の終了後、大当りとなる。対象の始動記憶の事前判定結果がはずれの場合は、指令内容が達成されることなくミッション演出が終了する。
また、演出制御装置300は、ミッション演出が開始されると、当初設定したミッション演出の実行時間(所定時間)からミッション演出が開始されてからの経過時間を差し引いて、ミッション演出の残り時間を計時する。
また、演出制御装置300は、計時しているミッション演出の残時間に対応する時間をタイマ表示部40bに表示させる。なお、タイマ表示部40bには、演出制御装置300の制御によって演出制御装置300が計数している残時間と一致しない時間が表示される場合がある。この動作の詳細については後述する。このように、演出制御装置300は、タイマ表示部40bの表示内容を制御するタイマ制御手段として機能している。
また、演出制御装置300は、ミッション演出が実行されているとき、シャッター81,82を第2状態とし、表示装置41に専用の背景(ここでは太陽が出た空)を表示させる。以下、ミッション演出実行時における遊技機10のこのような態様をミッションモード(特別演出態様)と称する。一方、演出制御装置300は、ミッション演出が実行されていないとき、シャッター81,82を第1状態とし、表示装置41にミッションモード時とは異なる背景(ここでは星)を表示させる。以下、ミッションモードとなっていないときの遊技機10の態様を通常モード(通常演出態様)と称する。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図6及び図7参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図8参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない))を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFF(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図7のステップS24へジャンプする。
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図7のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(第4出力ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、先ずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図8に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(開閉枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ12bや振動センサスイッチ12cからの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図9に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップS4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図10に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図11に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして(ステップA205)、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、ステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA212)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA215)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA217)、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA220)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA221)後、ミッション時間抽選乱数を抽出し、乱数セーブ領域にセーブ(ステップA222)する。
上記の各処理でセーブされた大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1〜3、ミッション時間抽選乱数が一組で1個の始動記憶となる。従って、遊技制御装置100は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して該変動表示ゲームの始動記憶として記憶することが可能な始動記憶保留手段として機能していることになる。なお、本処理で監視対象としているのが始動口スイッチ1の場合、各乱数は第1始動記憶として記憶され、始動口スイッチ2の場合は第2始動記憶として記憶される。つまり、遊技制御装置100は、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき第1始動記憶を記憶し、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき第2始動記憶を記憶するように構成されていることになる。この後、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA223)の詳細について説明する。
当該特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図12に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックする(ステップA231)。
ここで、「先読み演出を実行してよい条件」とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であること、又は当該始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力の場合には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)でなく、且つ、大当り中でないことを意味する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、ステップA232にて、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)は、大当り判定処理(ステップA233)を行う。この大当り判定処理では、始動記憶として記憶された大当り判定用の乱数を用いて、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する。
そして、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA234;Yes)には、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA236)、ステップA238へ移行する。
一方、ステップA234における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA234;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA238へ移行する。
続けて、ステップA238では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA238)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA239)。
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA240)、監視対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップA241)、特図情報設定処理(ステップA242)、後半変動パターン設定処理(ステップA243)、変動パターン設定処理(ステップA244)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE:遊技結果情報)を算出し、準備し(ステップA245)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION:遊技結果情報)として準備して(ステップA246)、コマンド設定処理(ステップA247)を行う。
続けて、始動口入賞演出図柄コマンド(遊技結果情報)をロードし、準備して(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
ステップA247、A249で設定された始動口入賞演出コマンドおよび始動口入賞演出図柄コマンドは、上記のタイマ割込み処理(図8参照)のステップB54において、事前判定コマンド(事前判定情報)として演出制御装置300に送信される。従って、遊技制御装置100は、始動記憶保留手段に始動記憶として記憶された乱数に基づき変動表示ゲームの結果を事前に判定し、遊技結果情報を生成する遊技結果事前判定手段、および、遊技結果事前判定手段により生成された遊技結果情報を事前判定情報として演出制御装置に送信する事前判定情報送信手段として機能していることになる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図13に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。
そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。
そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。
一方、ステップA276にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。従って、遊技制御装置100は、始動記憶保留手段に第1始動記憶と第2始動記憶が共に記憶されている場合に、第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先して実行する優先制御手段として機能していることになる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図14に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA302)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA303)。
続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA304)。
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA305)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA306)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA307)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA308)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA309)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA310)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA311)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図15に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA323)。
続いて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA325)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311では、図16に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。
次に、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB22)を行う。このシーン制御処理(ステップB22)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理(例えば、スピーカからの音声の出力であれば、サウンド制御処理)において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19、下スピーカユニット29)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図17に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。さらに、各種制御処理の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、通常ゲーム処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
〔通常ゲーム処理〕
図18には、2ndメイン処理(図17参照)における通常ゲーム処理(ステップB41)を示した。この通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB81)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB81)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、背景の設定を行う背景処理(ステップB82)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB83)を行う。さらに、特図1始動記憶表示器及び特図2始動記憶表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示の設定を行う保留表示処理(ステップB84)を行う。
その後、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB85)を行う。そして、ミッション演出の演出パターンを決定するミッション演出制御処理(ステップB86)を行い、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定するシーン制御/表示処理(ステップB87)を行う。そして、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB88)を行って、通常ゲーム処理を終了する。なお、保留表示処理およびミッション演出制御処理の詳細については後述する。
〔シーン制御処理〕
図19には、1stメイン処理(図16参照)におけるシーン制御処理(ステップB23)を示した。このシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB51)、テストモード中である場合(ステップB51;Yes)は、シーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB51;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB52)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB52;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB53)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB54)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB54)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB54;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB55)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB56)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB57)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB52;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB54;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB57)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB57)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB58)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB59)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB60)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB61)を行う。この変動中処理(ステップB61)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの変動停止に関する処理である図柄停止処理(ステップB62)を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB63)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB64)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB65)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB66)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB57)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB67)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB68)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB69)を行う。その後、ミッション演出の内容に関する情報を含むミッション演出コマンドに基づく処理を行うミッション演出コマンド受信処理(ステップB70)を行い、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB71)を行って、シーン制御処理を終了する。なお、先読みコマンド受信処理、ミッション演出コマンド受信処理の詳細については後述する。
〔先読みコマンド受信処理〕
図20には、シーン制御処理(図19参照)における先読みコマンド受信処理(ステップB69)のフローチャートを示した。この先読みコマンド受信処理では、まず、事前判定コマンド(事前判定情報)受信待ちの始動記憶があるか確認(ステップB151)し、該当する始動記憶がない場合(ステップB152;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。一方、該当する始動記憶がある場合(ステップB152;Yes)は、事前判定コマンドを受信したか否かを判定(ステップB153)する。ここで、事前判定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB153;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。一方、事前判定コマンドを受信したと判定した場合(ステップB153;Yes)は、普電サポート状態であるか否かを判定(ステップB154)する。
そして、普電サポート状態であると判定した場合(ステップB154;Yes)は、先読みコマンド受信処理を終了する。一方、普電サポート状態ではないと判定した場合(ステップB154;No)は、事前判定コマンドの内容を対応する始動記憶領域にセーブ(ステップB155)し、始動口入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得(ステップB156)する。そして、図柄情報がはずれを示すものであると判定した場合(ステップB157;Yes)は、事前演出振分テーブル1をセット(ステップB158)して、ステップB160に進む。一方、図柄情報が当りを示すものであると判定した場合(ステップB157;No)は、事前演出振分テーブル2をセット(ステップB159)してステップB160に進む。
ここで、事前演出および事前演出振分けテーブルについて説明する。シャッター81の始動記憶表示部810に表示される始動記憶表示には、複数の表示態様(ここでは色)がある。この表示態様には、対応する特図変動表示ゲームの信頼度を報知しない通常表示態様、(例えば、図36(c)の810fや810hで示される点灯部の発光色(黒など))と、信頼度を報知する事前演出態様(例えば、図36(c)の810gが示す点灯部の発光色(青など))とがある。そして、事前演出態様には、図21に示すように、それぞれ報知する信頼度の高さが異なる複数の表示態様(ここでは信頼度の低いほうから順に「青」、「黄」、「赤」、「レインボー」の4種類)がある。以下、始動記憶表示を事前演出態様で表示することで、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの信頼度を報知する演出を事前演出(予告報知演出)と称する。
事前演出振分けテーブルは、この事前演出を行うか否か、事前演出を行う場合の演出内容(始動記憶表示の表示態様)を決定するためのものである。事前演出振分けテーブルには、図21(a)に示す、結果がはずれになる場合に用いられるテーブル1と、図21(b)に示す、結果があたりになる場合に用いられるテーブル2がある。テーブル1とテーブル2とでは表示態様の選択率が異なっている。具体的には、テーブル1は、通常表示態様である「変化なし」や、最も信頼度の低い事前演出態様である「青」の選択率がテーブル2よりも高く、最も信頼度の高い表示態様である「レインボー」が選択できないようになっている。一方、テーブル2は、比較的信頼度の高い事前演出態様である「黄」や「赤」の選択率がテーブル1よりも高く、最も信頼度の高い表示態様である「レインボー」が選択可能となっている。
図20の説明に戻る。ステップB158またはステップB159で出事前演出振分けテーブルがセットされたら、始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得(ステップB160)する。そして、セットした事前演出振分けテーブルおよび取得したリーチ系統情報に基づいて始動記憶表示の表示態様を選択(ステップB161)し、選択した表示態様が事前演出態様であるか否かを判定(ステップB162)する。ここで、事前演出態様でないと判定した場合(ステップB162;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。一方、事前演出態様であると判定した場合(ステップB162;Yes)は、事前演出を行うことを示す先読み演出フラグをオンにする処理(ステップB163)を行って、先読みコマンド受信処理を終了する。
以上、演出制御装置300は、この先読みコマンド受信処理を行うことにより、事前判定情報送信手段により送信された事前判定情報に基づき変動表示ゲームの実行内容を事前判定する実行内容事前判定手段として機能していることになる。
〔保留表示処理〕
図22には、上記の通常ゲーム処理(図18参照)における保留表示処理(ステップB84)のフローチャートを示した。この保留表示処理では、まず、先読み演出フラグがオンになっているか否かを判定(ステップB171)する。ここで、先読み演出フラグがオンになってないと判定した場合(ステップB171;No)は、保留記憶を通常表示態様で表示する処理(ステップB172)を行って、保留表示処理を終了する。一方、先読み演出フラグがオンになっている場合(ステップB171;Yes)は、先読み実行条件が成立しているか否かを判定(ステップB173)する。本実施形態では、遊技モードがミッションモードであることを先読み条件としている。
ステップB173で、先読み実行条件が成立していないと判定した場合(ステップB173;No)は、ステップB172の処理を行って、保留表示処理を終了する。一方、先読み実行条件が成立していると判定した場合(ステップB173;Yes)は、保留記憶を選択された事前演出態様で表示する処理(ステップB174)を行い、先読み演出フラグをオフにする処理(ステップB175)を行って、保留表示処理を終了する。
この処理により、始動記憶が発生すると第1シャッター81の始動記憶表示部810に対応する始動記憶表示が表示される。また、所定の先読み実行条件が成立し、ミッションモードとなった場合には、始動記憶表示を通常と異なる事前演出態様で表示する。従って、演出制御装置300は、始動記憶保留手段に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示を始動記憶表示部に表示させる始動記憶表示手段、および、実行内容事前判定手段の事前判定結果が所定結果となった場合に、対応する始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行内容を事前に示唆する予告報知を実行することが可能な事前予告報知手段として機能していることになる。なお、先読み演出を、モードの移行と関連付けずに始動記憶表示の表示当初から行ってもよいし、保留記憶表示部(シャッター部材)の位置に応じて事前予告を実行するようにしてもよい。
〔ミッション演出コマンド受信処理〕
図23には、上記のシーン制御処理(図19参照)におけるミッション演出コマンド受信処理(ステップB70)のフローチャートを示した。このミッション演出コマンド受信処理は、受信したコマンドに基づいて、ミッション演出の内容(どのような指令を告知するか、延長演出を伴わせるか否か)を決定すると共に、延長演出を伴わせる場合の延長時間(タイマ表示部に表示する初期時間)を決定する処理である。
ミッション演出コマンド受信処理では、まず、ミッション演出中フラグがオンになっているか否かを判定(ステップB191)し、オンになっていると判定した場合(ステップB191;Yes)は、ミッション演出コマンド受信処理を終了する。一方、ミッション演出中フラグがオフになっていると判定した場合(ステップB191;No)は、ミッション演出コマンドの受信待ちとなっている始動記憶の有無を判定(ステップB192)する。ここで、該当する始動記憶が無いと判定した場合(ステップB192;No)は、ミッション演出コマンド受信処理を終了する。一方、該当する始動記憶があると判定した場合(ステップB192;Yes)は、ミッション演出コマンドを受信したか否かを判定(ステップB193)する。このミッション演出コマンドは、ミッション演出を行うか否か、ミッション演出を行う場合のミッション演出の時間や内容等を指示するコマンドである。
ステップB193で、ミッション演出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB193;No)は、ミッション演出コマンド受信処理を終了する。一方、ミッション演出コマンドを受信したと判定した場合(ステップB193;Yes)は、始動口入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得(ステップB194)し、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定(ステップB195)する。ここで、結果がはずれではないと判定した場合(ステップB195;No)は、ミッション演出振分けテーブル2をセット(ステップB196)して、ステップB199に進む。一方、結果がはずれであると判定した場合(ステップB195;Yes)は、始動記憶の中に当りとなるものが含まれているか否かを判定(ステップB197)する。そして、当りとなる始動記憶が含まれていると判定した場合(ステップB197;Yes)は、ミッション演出振分けテーブル2をセット(ステップB196)して、ステップB199に進む。一方、当りとなる始動記憶が含まれていないと判定した場合(ステップB197;No)は、ミッション演出振分けテーブル1をセット(ステップB198)して、ステップB199に進む。
ここで、ミッション演出振り分けテーブルについて説明する。
ミッション演出において告知される指令の内容には、図24に示すように、それぞれ報知する信頼度の高さが異なる複数の指令(ここでは信頼度の低いほうから順に指令A,指令B,…,指令Eの順に5種類)がある。また、本実施形態の遊技機10は、同一の指令内容であっても複数の異なる演出時間(ここでは、20秒、40秒、60秒の3種類)でまたミッション演出を実行可能となっている。更に、演出時間が長い(40秒、60秒)場合には、延長演出(詳細後述)を実行可能となっている。
ミッション演出振分けテーブルは、このミッション演出を行うか否か、ミッション演出を行う場合にはその指令内容を決定するためのものである。ミッション演出振分けテーブルには、図24(a)に示す、結果がはずれになる場合(ミッション演出を単なるモード演出として行う場合)に用いるテーブル1と、図24(b)に示す、結果が当りになる場合(ミッション演出を「ミッション達成→大当たり」を演出するための先読み予告として行う場合)に用いるテーブル2がある。テーブル1とテーブル2とでは演出内容の選択率が異なっている。具体的には、テーブル1はミッション演出を行わない「指令なし」や、最も信頼度の低い「指令A」の選択率がテーブル2よりも高く、最も信頼度の高い「指令E」が選択できないようになっている。一方、テーブル2は、比較的信頼度の高い「指令D」の選択率がテーブル1よりも高く、最も信頼度の高い「指令E」が選択可能となっている。
図23の説明に戻る。ステップB196またはステップB198でミッション演出振分けテーブルがセットされたら、ミッション演出が選択されたか否かを判定(ステップB199)する。ここで、ミッション演出が選択されていないと判定した場合(ステップB199;No)は、ミッション演出コマンド受信処理を終了する。一方、ミッション演出が選択されたと判定した場合(ステップB199;Yes)は、選択されたミッション演出が延長演出を伴うものであるか否かを判定(ステップB200)する。ここで、ステップB200で、延長演出を伴うものではないと判定した場合(ステップB200;No)は、ステップB204にスキップする。一方、延長演出を伴うものであると判定した場合(ステップB200;Yes)は、タイマ延長演出選択テーブルで延長時間を選択(ステップB201)する。
ここで、延長演出およびタイマ延長演出選択テーブルについて説明する。上記のミッション演出で延長演出ありのパターンが選択された場合、ミッション演出終了までの時間を表示するタイマ表示部40bは、実際の演出時間よりも少ない時間を残時間として表示するようになっている。そして、タイマ表示部40bがミッション演出の終了(残時間0)を示すタイミングと、実際の演出時間の終了タイミングとが一致するように、タイマ表示部40bがミッション演出の終了(残時間0)を示すタイミングを遅らせる(例えば、カウントダウンを一時停止させる、カウントダウンのペース(周期)を通常より落とす、表示時間を加算する)ことで、ミッション演出が延長されたように見せる演出を実行することが可能となっている。以下、この演出を延長演出と称する。
タイマ延長演出選択テーブルは、この延長演出の実行時間、すなわち、ミッション演出の残時間を実際の残時間よりどの程度少なくしてタイマ表示部40bに表示するかを決定するためのテーブルである。図25に示すように、60秒のミッション演出が行われる場合は、20秒、30秒、40秒の何れかから延長時間が選択される。40秒のミッション演出が行われる場合は、10秒、20秒の何れかから延長時間が選択される。なお、図25に示した「タイマ開始時間」は、ミッション演出の開始時にタイマ表示部40bに表示する時間であり、設定済みのミッション演出の時間から選択した延長時間を差し引いた残時間を示している。
図23の説明に戻る。ステップB201で延長時間を選択したら、ミッション延長時間およびミッション演出開始時のタイマ表示時間を決定(ステップB202)する。そして、延長演出が行われることを示す時間調整フラグをオン(ステップB203)にして、ステップB204の処理に進む。ステップB204では、ミッション残時間計数タイマをセットする。このミッション残時間計数タイマは、指令演出の行われる所定時間から時間経過を減算して、指令演出の残時間を計時する計時手段である。
そして、ミッション演出を開始(ステップB205)する。ステップB205の処理では、シャッター81,82を第2状態にするとともに、表示装置41にミッションモード用の背景画像や指令文を表示する。また、先読みフラグがオンになっている始動記憶があれば、その始動記憶表示の表示態様を通常表示態様から事前演出態様に変更する。このため、演出制御装置300は、可動役物の動作を制御する可動役物制御手段として機能し、演出態様の移行に伴って前記可動役物の停止位置が変更されるように、該可動役物を移動させていることになる。そして、ミッション演出を実行中であることを示すミッション演出中フラグをオン(ステップB206)にして、ミッション演出コマンド受信処理を終了する。
〔ミッション演出制御処理〕
図26には、上記の通常ゲーム処理(図18参照)におけるミッション演出制御処理(ステップB86)のフローチャートを示した。このミッション演出制御処理では、まず、ミッション演出中フラグがオンになっているか否かを判定(ステップB211)する。ここで、ミッション演出中フラグがオンになっていないと判定した場合(ステップB211;No)は、ミッション演出制御処理を終了する。一方、ミッション演出中フラグがオンになっていると判定した場合(ステップB211;Yes)は、タイマが0になったか否かを判定(ステップB212)する。ここで、タイマが0になったと判定した場合(ステップB212;Yes)は、所定タイミングになったか否かを判定(ステップB213)する。本意実施形態では、タイマが0になった際に実行中の特図変動表示ゲームの終了時を所定タイミングとしているが、その次の特図変動表示ゲームの開始時や大当りの発生時等としてもよい。
ステップB213で、所定タイミングになっていないと判定した場合(ステップB213;No)は、ミッション演出制御処理を終了する。一方、所定タイミングになったと判定した場合(ステップB213;Yes)は、ミッション演出を終了する処理(ステップB214)を行い、ミッション演出中フラグをオフ(ステップB215)にする。ステップB215の処理では、シャッター81,82を第1状態にするとともに、表示装置41に通常モード用の背景画像を表示する。また、事前演出態様で表示されている始動記憶表示の表示態様を通常表示態様に変更する。上記したように、ミッション演出を開始する処理は、ミッション演出コマンド受信処理(図23参照)のステップB205で行われる。このため、演出制御装置は、所定条件の成立に基づいて、装飾表示装置で表示する演出態様として、通常演出態様と、前記通常演出態様とは異なる特定演出態様とを、選択可能に構成されていることになる。そして、ミッションクリアフラグをオフ(ステップB216)にして、ミッション演出制御処理を終了する。
また、ステップB212で、タイマが0になっていないと判定した場合(ステップB212;No)は、ミッションクリアフラグがオンになっているか否かを判定(ステップB217)する。ここで、ミッションクリアフラグがオンになっていると判定した場合(ステップB217;Yes)は、ステップB213の処理に進む。一方、ミッションクリアフラグがオンになっていないと判定した場合(ステップB217;No)は、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されたか否かを判定(ステップB218)する。ここで、該当する特図変動表示ゲームが開始されたと判定した場合(ステップB218;Yes)は、ミッションクリアとなる演出パターンを設定(ステップB219)し、ミッションクリアフラグをオン(ステップB220)にして、ミッション演出制御処理を終了する。
また、ステップB218で、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されていないと判定した場合(ステップB218;No)は、当りとなる始動記憶が発生したり第2特図変動表示ゲームが割り込んできたりした場合にミッション演出の実行時間を延長するミッション時間変更処理1(ステップB221)を行う。そして、上記のミッション演出コマンド受信処理(図23参照)で延長演出が設定された場合のタイマ表示部の表示時間の設定を行うミッション時間変更処理2(ステップB222)を行って、ミッション演出制御処理を終了する。
この処理により、大当りとなる始動記憶が存在する状態でミッション演出が開始されると、ミッション演出の終了が近づいたときにミッションクリア演出が実行される。
また、ミッション演出が所定タイミングに達する前に終了することとなる場合は、所定タイミングまでミッション演出が延長されるので、変動の途中で演出が切り替わってしまうことがない。
〔ミッション時間変更処理1〕
図27には、上記のミッション演出制御処理(図26参照)におけるミッション時間変更処理1(ステップB221)のフローチャートを示した。このミッション時間変更処理1では、まず、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞を検出したか否か、すなわち、第2始動記憶が発生したか否かを判定(ステップB231)する。ここで、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞を検出したと判定した場合(ステップB231;Yes)は、ステップB235に進む。一方、入賞を検出していないと判定した場合(ステップB231;No)は、実行中のミッション演出の残時間が所定残時間に達したか否かを判定(ステップB232)する。本実施形態では所定残時間を10秒としている。ここで、所定残時間に達していないと判定した場合(ステップB232;No)は、ミッション時間変更処理1を終了する。一方、所定残時間に達したと判定した場合(ステップB232;Yes)は、始動記憶の中に当りとなるものが含まれているか否かを判定(ステップB233)する。
ここで、当りとなる始動記憶が含まれていないと判定した場合(ステップB232;No)は、ミッション時間変更処理1を終了する。一方、当りとなる始動記憶が含まれていると判定した場合(ステップB233;Yes)は、タイマの残時間、すなわち、演出制御装置300が内部で計時しているミッション演出の実際の残時間が、この始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいてミッションクリア演出が実行されるまでに要する時間よりも多いか否かを判定(ステップB234)する。ここで、タイマの残時間の方が多いと判定した場合(ステップB234;No)は、ミッション時間変更処理1を終了する。一方、タイマの残時間の方が少ないと判定した場合(ステップB232;Yes)は、ステップB235の演出時間変更処理に進む。
ステップB235では、演出制御装置300が計時しているミッション演出の残時間を増やし、ミッション演出の実行時間を延長する。具体的には、ステップB234からこの処理に進んだ場合には、ミッション演出の残時間に、ミッションクリア演出が行われるまでの所要時間と計時している残時間との差分を加算してミッション演出の実行時間を大当りとなる始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行時まで延長させる。一方、ステップB231からステップB232〜B234を飛ばしてこの処理に進んだ場合には、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行に要する時間分、演出中のミッション演出の実行時間を延長させる。
そして、タイマ表示部40bに表示する時間を調整するタイマ調節処理(ステップB236)を行い、ミッション時間変更処理1を終了する。タイマ調節処理では、演出時間調整手段が加算した差分に基づいて、タイマ表示部40bにミッション演出の終了を示す表示を行う時期を遅延させる処理を行う。本実施形態では、タイマ表示部40bにおける表示時間を所定期間一時停止させることにより、ミッション演出の終了を示す表示を行う時期を遅延させる。なお、タイマ表示部における表示時間の切り替えペースを前記表示時間変更手段の作動前より遅くすることにより遅延させてもよいし、一つの方法に固定せず、ランダムに選択したり、延長時間によって変更したりしてもよい。
この処理により、後に当りとなる始動記憶が存在してミッション演出をその前に終了してしまうのが不適当である場合や、第2特図変動表示ゲームが割込み実行されて、ミッション演出の終了が当初の予定よりも遅れた場合に、ミッション演出の実行時間が延長される。
従って、演出制御装置300は、ミッション時間変更処理1を実行することにより、実行内容事前判定手段により、始動記憶保留手段が保留している始動記憶の中に変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となる始動記憶があると判定された場合に、指令演出の残時間と特別結果態様となる始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるまでの所要時間とを比較し、指令演出の残時間の方が短い場合は残時間に残時間と所要時間の差分を加算して指令演出の実行時間を特別結果態様となる始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行時まで延長させる演出時間調整手段、および、所定条件の成立を条件として、タイマ表示部40bによる時間の表示パターンを変更するよう制御する表示時間変更手段として機能していることになる。
〔ミッション時間変更処理2〕
図28には、上記のミッション演出制御処理(図26参照)におけるミッション時間変更処理2(ステップB222)のフローチャートを示した。このミッション時間変更処理2では、まず、時間調整フラグがオンになっているか否かを判定(ステップB241)し、オンになっていないと判定した場合(ステップB241;No)は、延長演出が行われないということなので、ミッション時間変更処理を終了する。一方、時間調整フラグがオンになっていると判定した場合は、所定タイミング(実行中の特図変動表示ゲームの終了)になったか否かを判定(ステップB242)する。
ステップB242で、所定タイミングになっていないと判定した場合(ステップB242;No)は、ミッション時間変更処理2を終了する。一方、所定タイミングになっていると判定した場合(ステップB242;Yes)は、時間調整フラグをオフ(ステップB243)にする。そして、タイマ調整処理(ステップB244)を行って、ミッション時間変更処理2を終了する。
この処理により、上記のミッション演出コマンド受信処理(図23参照)で設定された延長時間に基づいて、タイマ表示部40bに実際のミッション演出実行時間よりも短い時間が表示され、ミッション演出の途中でタイマ表示部40bがミッション演出終了を示すタイミングが遅延される。このため、実際には予め設定された時間通りにミッション演出が終了するのに、ミッション演出が延長されているように見える。
〔ミッション時間変更処理3〕
図29には、上記のミッション演出制御処理(図26参照)におけるミッション時間変更処理3(ステップB223)のフローチャートを示した。このミッション時間変更処理3では、まず、始動記憶の中に当りとなるものが含まれているか否かを判定(ステップB251)し、含まれていると判定した場合(ステップB251;Yes)は、ミッション時間変更処理1で延長時間を調節済みなので、ミッション時間変更処理3を終了する。一方、当りとなる始動記憶が含まれていないと判定した場合(ステップB251;No)は、内部で計時している実際のミッション演出の残時間が所定時間(ここでは20秒)よりも多いか否かを判定(ステップB252)する。ここで、残時間が所定時間よりも多いと判定した場合(ステップB252;Yes)は、ミッション時間変更テーブル1をセット(ステップB253)して、ステップB254に進む。一方、残時間が所定時間よりも少ないと判定した場合(ステップB242;No)は、ミッション時間変更テーブル2をセット(ステップB254)して、ステップB254に進む。
ここで、ミッション時間変更テーブルについて説明する。ミッション時間変更テーブルは、このミッション演出の時間変更を行うか否か、時間変更を行う場合には、どのように変更(残時間に加算・減算、或いは全く異なる時間に差し替え)するかを決定するためのものである。ミッション時間変更テーブルには、図30(a)に示す、ミッション演出の残時間が20秒以上である場合に用いるテーブル1と、図30(b)に示す、残時間が20秒未満である場合に用いるテーブル2がある。両テーブルには、ミッション時間を減算する抽選結果が含まれている。このため、当選したミッション演出時間によっては、当初のミッション演出時間よりも延長することもあれば、短縮してしまうこともある。
テーブル1とテーブル2とでは変更時間の選択率が異なっている。具体的には、テーブル1は「20秒加算」の選択率がテーブル2よりも高く、「40秒加算」や「40秒に変更」が選択可能となっている。
一方、テーブル2は、「20秒に変更」の選択率がテーブル1よりも高く、「40秒加算」や「40秒に変更」が選択できないようになっている。つまり、ミッション演出の残時間が多いときにはより延長される可能性が高まり、残時間が少ないときには延長される可能性が低くなっている。
図29の説明に戻る。ステップB253またはステップB254でミッション時間変更テーブルがセットされたら、抽選結果が時間変更を行うものであるか否かを判定(ステップB255)する。ここで、時間変更を行うものではないと判定した場合(ステップB255;No)は、ミッション時間変更処理3を終了する。一方、時間変更を行うものであると判定した場合(ステップB255;Yes)は、抽選結果をミッション演出の残時間に反映させる処理(ステップB256)を行う。そして、演出時間変更処理(ステップB257)、タイマ調整処理(ステップB258)をそれぞれ行って、ミッション時間変更処理3を終了する。
この処理により、残時間が少ないときにはあまり延長がなされないので、いつまでもミッションモードが継続して、遊技者が飽きてしまうのを防ぐことができる。
また、抽選結果にはミッション時間を減算するものも含んでいるので、突然ミッション演出が終了してしまう場合も起こり得る。このため、抽選結果に対する遊技者の関心をより高めることができる。
なお、本変形例では、ミッション演出延長抽選を、各変動表示ゲームの実行時に行うこととしたが、所定の変動ゲーム実行時にのみ行ってもよい。
〔ミッション演出例1〕
次に、図31,32を用いて、ミッション演出の流れの一例について説明する。この演出例では、始動記憶の中に大当りとなるものが含まれていることによりミッション演出の実行時間が延長される場合について説明する。
図32に示すように、第1始動記憶が複数(ここでは3個)存在し、第2始動記憶が存在しない状態でミッションモードが開始されると、図31(a)に示すように、第1特図変動表示ゲームが繰り返し実行され(t1,t5,t6)、ミッション演出が複数の第1特図変動表示ゲームに跨って実行される。この間、表示装置41の表示領域には、図32(a)に示すように、ミッション演出が行われていることを示す文字表示(例えば「ミッションモード」)や、ミッション演出実行時のみ表示される背景画像(ここでは太陽)が表示され、このミッション演出中にクリアすべき指令(ここでは、7でリーチをかける)が告知される。また、ミッションモードであるため、表示装置41の前方のシャッター81,82が第2状態(第1シャッター81が右側、第2シャッター82が左側にある状態)となる。また、図31(b)に示すように、タイマ表示部40bにミッション演出終了までの残時間が表示され、このときは通常のペースで(1秒で1ずつ)カウントダウンが行われる。
ミッション終了予定の所定時間前(ここでは10秒前)になると、図31(a)に示すように、始動記憶の中に当りとなるものが含まれているか否かの判定が行われる(t2)。ここで、当りとなる始動記憶がないと判定された場合には、表示時間変更手段は作動せず、タイマ表示部40bはカウントダウンをそのままのペースで継続する。そして、所定時間(10秒間)経過後、図32(f)に示すように、終了予定時間にタイマ表示部40bの表示が0になり、ミッション演出が終了する(t4)。
一方、先読み判定(t2)で、当りとなる始動記憶があると判定された場合には、図31(a)に示すように、表示時間変更手段(演出制御装置300)が作動して、タイマ表示部40bの表示が、表示時間変更手段が作動した時点(t3)で表示されていた残時間(ここでは0:10)のまま一時停止する。すると、当初ミッション演出の終了時間に設定したタイミング(t4)になっても、図32(c),(d)に示すように、タイマ表示部40bが一時停止したときに示されていた時間(残り10秒)を示したままとなり、ミッション演出が継続する。そして、演出制御装置300で計時しているミッション演出の実際の残時間が、タイマ表示部40bに停止表示されている時間と同じ(残り10秒)になったとき(t6)に、タイマ表示部40bの一時停止を解除してカウントダウンを再開させる。そして、タイマ表示部40bがミッション演出の終了を示す所定時間前(t7)にミッションクリア演出を実行する。ミッションクリア演出開始から所定時間経過後(t8)、タイマ表示部40bが残時間0を示すが、特図変動表示ゲームが実行されている(所定タイミングでない)ため、ミッション演出(ミッションクリア演出)が当該特図変動表示ゲームの終了時(t9)まで延長される。
このように、ミッション演出においてタイマ表示部40bの表示を一時停止させると、ミッション演出の終了タイミングが予測できなくなり、タイマ表示部の表示の切り替えが単調に進んでいく場合よりも高揚感が高まる。また、一時停止することは、ミッション時間がその分延長されることになるため、当初の表示時間が短かった場合にこのような一時停止が行われれば、延長された際に変動または保留している始動記憶内において何か起きるかもしれないという予告となり、期待感を失った遊技者に再び期待感を与えることができる。
また、ミッション演出の途中で延長を行うか否か(大当りの有無)の判定を行うことで、ミッション時間の前半は通常のペースでカウントダウン表示が行われ、ミッション時間の後半になって始めてミッション演出の遅延が行われた場合に、今保留されている記憶内に大当りとなる始動記憶があるかもしれないという期待が遊技者に生じるので、ミッション演出の延長をより効果的なものとすることができる。
〔ミッション演出例2〕
次に、図33,34を用いて、ミッション演出の流れのもう一つの例について説明する。この演出例では、ミッション演出の途中で第2始動記憶が発生し、第2特図変動表示ゲームが割込み実行されることとなった場合について説明する。
図34に示すように、第1始動記憶が複数存在し、第2始動記憶が存在しない状態でミッションモードが開始されると、図33に示すように、第1特図変動表示ゲームが実行され(〜t13)、ミッション演出が並行して実行される。この間の、表示装置41の表示内容やシャッター81,82の状態は演出例1と同様であるため、その説明を省略する。
ここで、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞がなければ、実行中の第1特図変動表示ゲームの終了後も、第1特図変動表示ゲームが実行される。また、表示時間変更手段は作動せず、33(e),(f)に示すように、タイマ表示部40bはカウントダウンをそのままのペースで継続する。そして、所定時間経過後、図34(g)に示すように、終了予定時間に表示が0になり、ミッション演出が終了する(t17)。
一方、特図変動表示ゲーム実行中に普通変動入賞装置37へ遊技球が入賞し(t11)、第2始動記憶が発生すると、表示時間変更手段(演出制御装置300)が作動して、タイマ表示部40bの演出終了を示すタイミングを遅延させる(t12)。なお、本演出例では、カウントダウンのペースを落とす方法でタイミングを遅らせている。具体的には、一秒で1ずつ減らしていた表示を、はじめは5秒で3ずつ、次いで5秒で2ずつ、最後には5秒で1ずつ減らしていく。そして、タイマ表示部40bがミッション演出の終了を示す所定時間前(t18)にミッションクリア演出を実行する。ミッションクリア演出開始から所定時間経過後(t19)、タイマ表示部40bが残時間0を示すが、特図変動表示ゲームが実行されている(所定タイミングでない)ため、ミッション演出(ミッションクリア演出)が当該特図変動表示ゲームの終了時(t20)まで延長される。
このように、ミッション演出においてタイマ表示部40bの表示の減り方を遅くすると、ミッション演出を延長していることが明確に分かるため興趣が高まる。また、一度減り方を遅くした後も更に減り方の速度を変える(ここでは段々遅くしていく)ことにより、ミッション演出の終了タイミングの予測がしにくくなり、演出が単調にならない。
なお、上記実施例で挙げた他に、カウントダウンのペースは変更せずに、表示時間に延長時間を加算することによって、ミッション演出の終了を遅延させるようにしてもよい。
具体的には、図33(c)に示すように、表示時間変更手段(演出制御装置300)が作動すると同時(t15)に、タイマ表示部40bの表示時間に第2特図変動表示ゲームの実行時間と前後の特図変動表示ゲームとの間のインターバルを含めた時間(ここでは30秒)を加算する。そして、表示時間変更手段の作動前と同じペースでカウントダウンを実行することにより、上記演出例と同様のタイミングでタイマ表示部40bの表示する残時間が丁度0となる。この方法を採用した場合、図35に示すような演出(タイマ表示部40bの表示以外は図34と同様であるため、その説明は省略)となる。
このようにすれば、表示時間が加算された後は、タイマ表示部40bに表示される残り時間がそのまま当りとなるまでの残り時間となるため、大当りのタイミングが明確になり、遊技者の期待感が高まる。
また、各演出例では上記ミッション時間変更処理1で設定される延長演出(タイマ表示部40bの表示時間を実際のミッション演出の実行時間より短く表示する演出)やミッション時間変更処理3で設定される演出時間の増減が実行されない場合を例として示したが、この時間延長が各演出例における時間延長と組み合わされることで、タイマ表示部40bに表示される残時間がより複雑に変化することになり、より興趣の高い演出とすることができる。
〔先読み演出例〕
次に、図36を用いて、ミッションモードの開始に合わせて行われる先読み演出の流れの一例について説明する。
通常モードのとき、シャッター81,82は、図36(a)に示すように、第1状態(第1シャッター81が左側、第2シャッター82が右側にある状態)にあり、始動記憶表示部810に表示されている始動記憶表示の表示態様は全て通常表示態様となっている。ここで、図36(b)に示すようにシャッター81,82の移動が開始されると、ミッションモードの開始とともに、先読み演出の開始となる。やがて、図36(c)に示すように、シャッター81,82が第2状態となり、先読み演出フラグがオンになっている始動記憶に対応する始動記憶表示の表示態様(ここでは810gで示される点灯部の発光色)が事前演出態様に変化して、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの信頼度が報知される。
このように、モード(シャッターの位置)を変更したときに先読み演出が行われるようにすることで、シャッターが動いたときに遊技者の期待感を高めることができる。更に、ミッションモードが延長されると先読み可能な期間も長くなるので遊技者の期待感をより高めることができる。
<変形例1−1>
なお、本実施形態では、シャッター81,82が第2状態となったら、先読み予告対象の始動記憶表示の表示態様を事前演出態様に変更するようにしたが、シャッター81,82が移動する際に行なわれる演出に対応させて表示領域の一部を「先読み可能エリア」に設定し、そのエリア内に始動記憶表示部810があるときにのみ保留記憶の表示態様を変化させて先読み演出を行うようにしてもよい。
具体的には、シャッター移動直前に、図37(a)に示すように、表示領域を動き回るキャラクタCを表示し、シャッター81,82の移動が始まったら、キャラクタCが始動記憶表示部810の一部に光を照らしながら移動するようにする。この光が照らされている箇所(図の破線で描かれた丸の中)が先読み可能エリアである。ここで、始動記憶の中に先読み演出フラグがオンになっているものが存在しない場合には、図37(b)に示すように、キャラクタCが始動記憶表示のない箇所を照らすように移動し、図37(c)に示すように、始動記憶表示の表示態様は変化することなく先読み演出が終了する。
一方、始動記憶の中に先読み演出フラグがオンになっているものが存在する場合には、図37(d)に示すように、キャラクタCが始動記憶表示のある箇所を照らすように移動し、先読み演出フラグがオンになっている始動記憶に対応する始動記憶表示のある箇所を照らす。すると、光が照らされている間だけその表示態様が事前演出態様に変化する。シャッター81,82の移動が終了したら、図37(e)に示すように、キャラクタCを非表示にし、事前演出態様で表示されていた始動記憶表示の表示態様は通常表示態様に戻す。なお、シャッター81,82の移動終了後も事前演出態様で表示し続けるようにしてもよい。
<変形例1−2>
次に、先読み可能エリアを設定して先読み演出を行うようにした場合のもう一つの演出例について説明する。
具体的には、シャッターの移動中、図38(b)〜(d)に示すように、表示領域を上下動する画像(ここでは指で側方を差す手)Fを表示する。ここで、始動記憶の中に先読み演出フラグがオンになっているものが存在する場合には、シャッター81,82の停止と同時に、図38(e)に示すように、画像Fが先読み演出フラグがオンになっている始動記憶を指して停止する。すると、その表示態様が事前演出態様に変化する。
一方、始動記憶の中に先読み演出フラグがオンになっているものが存在しない場合には、シャッター81,82の停止と同時に、図38(f)に示すように、画像Fが始動記憶表示のない箇所を指して停止し、始動記憶表示の表示態様は変化することなく先読み演出が終了する。
<変形例2>
また、本実施形態では、第1始動記憶表示と第2始動記憶表示を共に一方のシャッター(第1シャッター81)にまとめて表示するようにしたが、第1始動記憶表示と第2始動記憶表示を各シャッターに分けて表示するようにしてもよい。
具体的には、図39に示すように、第1,第2シャッター81,82に、始動記憶表示を最大4つ表示可能な始動記憶表示部811,821をそれぞれ設け、第1始動記憶を第1シャッター81の始動記憶表示部811に表示する場合は、第2始動記憶を第2シャッター82の始動記憶表示部821に表示する。
〔保留表示処理〕
本実施形態の第1,第2シャッター81,82は、左右方向に移動し、互いの位置を入れ替えることが可能に構成されている。このため、このような変更を加える場合には、通常ゲーム処理(図18参照)における保留表示処理を、図40に示す保留表示処理に変更するとよい。具体的には、ステップB171の前に、始動記憶表示部設定処理(ステップB176)を実行する。
〔始動記憶表示部設定処理〕
図41には、保留表示処理(図40参照)における始動記憶表示部設定処理(ステップB176)のフローチャートを示した。この始動記憶表示設定処理では、まず、シャッター81,82が第1状態(第1シャッター81が左側、第2シャッター82が右側にある状態)であるか否かを判定(ステップB181)し、第1状態である場合(ステップB181;Yes)は、第1始動記憶の有無を判定(ステップB182)する。ここで、第1始動記憶がある場合(ステップB182;Yes)は、第1シャッター81にて始動記憶を表示する処理(ステップB183)を行い、始動記憶表示部設定処理を終了する。一方、第1始動記憶がない場合(ステップB182;No)は、第2始動記憶の有無を判定(ステップB184)する。ここで、第2始動記憶が無い場合(ステップB184;No)は、始動記憶表示部設定処理を終了する。一方、第2始動記憶がある場合(ステップB184;Yes)は、第2シャッター82にて始動記憶を表示する処理(ステップB185)を行って、始動記憶表示部設定処理を終了する。
ステップB181で、シャッター81,82が第1状態ではないと判定した場合(ステップB181;No)は、第1始動記憶の有無を判定(ステップB186)する。ここで、第1始動記憶がある場合(ステップB186;Yes)は、第2シャッター82にて始動記憶を表示する処理(ステップB187)を行い、始動記憶表示部設定処理を終了する。一方、第1始動記憶がない場合(ステップB186;No)は、第2始動記憶の有無を判定(ステップB188)する。ここで、第2始動記憶が無い場合(ステップB188;No)は、始動記憶表示部設定処理を終了する。一方、第2始動記憶がある場合(ステップB188;Yes)は、第2シャッター82にて始動記憶を表示する処理(ステップB189)を行って、始動記憶表示部設定処理を終了する。
このような変更を加えることで、図39(a)に示したように、第1シャッター81が第1停止位置にある場合には、第1始動記憶表示部811に第1始動記憶表示が表示されるとともに第2始動記憶表示部821に第2始動記憶表示が表示される。そして、図39(b)に示すように、第1シャッター81が第2停止位置にある場合には、第1始動記憶表示部811に第2始動記憶表示が表示されるとともに第2始動記憶表示部821に第1始動記憶表示が表示される。表示を切り替えるタイミングは、シャッター81,82が重なったときが好ましい。なお、シャッター81,82を第2状態から第1状態に戻す場合には、再び始動記憶表示の表示位置が入れ替わる。
なお、上記したように、本実施形態の普通変動入賞装置37は、センターケース40の右側を流下するように遊技球を打ち出した場合のみ遊技球の入賞が可能となっているので、ミッションモード時以外に時短中(普通変動入賞装置の可動部材37b,37bが開閉する間)もシャッター81,82を第2状態に移行するようにすれば、普通変動入賞装置37への入賞に基づいて発生する第2始動記憶の始動記憶表示を表示する始動記憶表示部が右側の第1シャッターに表示されることになるので、遊技者は右打ちを行う場合にも始動記憶表示を視認しやすくなる。
<変形例3−1>
また、ミッション演出実行中に当りとなる始動記憶が複数存在することが判明した場合、ミッション演出の後にミッション追加演出を行い、ミッション演出において大当り報知をするだけでなく、追加ミッションにおいて連続した大当り(所謂連チャン)確定を報知するようにしてもよい。この場合、本実施形態では、シーン変更処理(図19参照)において、図23に示したミッション演出コマンド受信処理の代わりに、図42に示すミッション演出コマンド受信処理2を実行する。
〔ミッション演出コマンド受信処理〕
ここで、ミッション演出コマンド受信処理2の、ミッション演出コマンド受信処理との相違点について説明する。ミッション演出コマンド受信処理2では、追加ミッション演出設定処理(ステップ207)が追加されている。すなわち、ステップ191でミッション演出中フラグがオンになっていると判定した場合(ステップB191;Yes)は、追加ミッション演出を行って、ミッション演出コマンド受信処理2を終了する。
〔追加ミッション受信処理1〕
図43には、上記のミッションコマンド受信処理2における(図42参照)における追加ミッション演出設定処理1(ステップB222)のフローチャートを示した。この追加ミッション演出設定処理1では、まず、始動記憶に当りとなるものが複数含まれているか否かを判定(ステップB261)し、含まれていないと判定した場合(ステップB261;No)は、追加ミッション演出設定処理1を終了する。一方、当りとなる始動記憶が複数含まれていると判定した場合(ステップB261;Yes)は、実行する追加ミッション演出を選択(ステップB262)し、選択した追加ミション演出を実行(ステップB263)して、追加ミッション演出設定処理1を終了する。
<変形例3−2>
なお、複数の当りとなる始動記憶が存在する場合に、その中の所定の(例えば最後の)当り始動記憶がどのような当たりかを判定し、その判定結果に基づいて追加ミッション演出の内容を異ならせるようにしてもよい。
このような変更を加える場合、上記のミッション演出コマンド受信処理2(図42参照)のステップB207において、図43に示した追加ミッション演出設定処理1の代わりに、図44に示す追加ミッション演出設定処理2を実行する。
〔追加ミッション演出設定処理2〕
ここで、ミッション演出設定処理2の、ミッション演出設定処理1との相違点について説明する。ミッション演出コマンド受信処理2では、ステップB262の処理が除かれ、代わりにステップB264〜B266の処理が追加されている。すなわち、ステップ261で、当りとなる始動記憶が複数含まれていると判定した場合(ステップB261;Yes)は、最後に記憶されている当り始動記憶は第1当り(例えば確変当り)であるか否かを判定(ステップB264)し、第1当りであると判定した場合(ステップB264;Yes)は、実行する追加ミッションとして、追加ミッション演出Aを選択(ステップB265)して、ステップB263の処理に進む。
一方、第1当りではない(第2当り(例えば通常当り)である)と判定した場合(ステップB264;No)は、実行する追加ミッションとして、追加ミッション演出Bを選択(ステップB266)して、ステップB263の処理に進む。
こうすることで、当りの種類に応じて追加ミッション演出の内容が変化するので、追加ミッション演出が遊技者にとってより有利な当りの予告となり、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例4>
なお、図示は省略したが、タイマの残時間に合わせてミッション演出の内容を変更するようにしてもよい。
具体的には、ミッション演出の終了間際に当りとなる始動記憶が発生し、ミッション演出の実行時間が延長できない場合、設定されていたミッション演出を早送りで実行し、早送りにより残った時間を用い、ミッション演出の終了となる前にミッションクリア演出を開始する。例えば、ミッション演出で告知された指令内容が『リーチをかけろ!』であった場合、本来のリーチ成立タイミング(本来ならミッション演出は終了している)になるまでの間、ミッションクリア演出を継続して特図変動表示ゲームの終了タイミングとの調整を行う。なお、ミッション演出の終了タイミングでリーチを発生可能な変動パターンを変動開始時に選択するようにしてもよい。
また、始動記憶数が所定数以上となった場合に特図変動表示ゲームの実行時間を短縮する機能を備えた遊技機において、大当りとなる始動記憶が存在する状態でミッション演出が行われた場合、始動記憶が新たに発生し始動記憶数が所定数に達すると、先読み対象の始動記憶より前の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行時間が短縮されて、想定よりも早く大当りとなる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されてしまう。このとき、ミッション達成演出の出現タイミングを遅らせて、最後の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの終了時までミッション演出を実行させる。
なお、ミッション達成演出が開始されるまでの演出を通常よりも遅いスピードで実行し、ミッション達成演出を表示した後は早送りで実行することによって変動停止時間に合わせるようにしてもよい。
また、大当りとなる始動記憶が存在する状態でミッション演出が行われた場合、第2特図変動表示ゲームが割り込んで実行されときに、ミッション演出の実行時間を延長せずに、表示装置41では第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの開始から大当りとなる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいてミッションクリア演出が実行されるまでを早送りで表示し、一括表示装置50では当初設定されていた時間通りに特図変動表示ゲームを実行することにより、一括表示装置50における特図変動表示ゲームの変動と表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの変動がずれるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の遊技機10において、演出制御装置300は、所定の指令内容を事前に遊技者に告知し、所定の指令内容に対応する演出を実行することにより、特別遊技状態が発生することを遊技者に示唆する指令演出(ミッション演出)を、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に並行して所定期間実行可能であり、指令演出の行われる所定時間から指令演出が開始されてからの経過時間を減算して、指令演出の残時間を計時する計時手段(演出制御装置300)と、指令演出の行われている所定時間の間、残時間に対応する時間を表示可能なタイマ表示部40bと、該タイマ表示部40bの表示内容を制御するタイマ制御手段(演出制御装置300)と、を備え、タイマ制御手段300は、所定条件の成立を条件として、タイマ表示部40bにおける表示の切替パターンを、所定条件の成立前と異なるよう制御する表示時間変更手段(演出制御装置300)を備えるようにしている。
こうすることで、所定条件が成立すると、指令演出の残時間を示すタイマ表示部40bがそれまで表示してきたのとは異なる表示パターン(例えば、一時停止、ペースダウン、残時間の加算等)で残時間を表示するようになる。遊技者はタイマ表示部40bの表示を頼りに指令演出がいつまで継続するのかを判断するため、タイマ表示部40bの時間表示パターンがそれまでと変化することで、指令演出がいつまで継続するのか明確に分からなくなったり、指令演出が延長または短縮したように見えたりする。このため、遊技者にタイマ表示部40bの表示が単調に切り替わっていく場合にはない高揚感が生まれ、遊技の興趣を高めることができる。
特に、表示パターンの変化がペースダウンや、残時間の加算であった場合には、指令演出の実行時間が延長されることになる。一般に指令演出の実行時間が長ければ特別結果態様(大当り)となる可能性が高くなるため、遊技者の期待感を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、遊技制御装置100は、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して該変動表示ゲームの始動記憶として記憶することが可能な始動記憶保留手段(遊技制御装置100)と、始動記憶保留手段100に始動記憶として記憶された乱数に基づき変動表示ゲームの結果を事前に判定し、遊技結果情報を生成する遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)と、遊技結果事前判定手段100により生成された遊技結果情報を事前判定情報(事前判定コマンド)として演出制御装置300に送信する事前判定情報送信手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出制御装置300は、事前判定情報送信手段100により送信された事前判定情報に基づき変動表示ゲームの実行内容を事前判定する実行内容事前判定手段(演出制御装置300)と、実行内容事前判定手段300により、始動記憶保留手段100が保留している始動記憶の中に変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となる始動記憶があると判定された場合に、指令演出の残時間と特別結果態様となる始動記憶に基づく変動表示ゲーム実行期間における所定時期までの所要時間とを比較し、指令演出の残時間の方が短い場合は残時間に残時間と所要時間の差分以上の時間を加算して指令演出の実行時間を延長させる演出時間調整手段(演出制御装置300)と、を備え、表示時間変更手段300は、指令演出の延長に合わせて、タイマ表示部40bにおいて指令演出の終了(残り時間0)を示す時期が遅延されるように、タイマ表示部40bの切替パターンを制御するようにしている。
こうすることで、特別結果態様となる始動記憶があると、少なくともこの始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始まで指令演出が延長され、それに合わせてタイマ表示部40bの表示の切替パターンが変化し、残時間が0になったことを示す時期が遅延される。このため、指令演出の延長が行われると、指令演出の終了後、特別結果態様となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されたり、直ちに特別結果態様が導出されたりするので、遊技者にとって指令演出の延長は特別結果態様導出の事前予告演出となる。このため、指令演出に対する遊技者の期待感が高まり、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、表示時間変更手段100は、所定条件の成立に基づいて、タイマ表示部40bの表示を所定期間一時停止させるようにしている。
こうすることで、所定条件が成立するとタイマ表示部40bの表示が一時停止するので、指令演出がいつ終了するのか明確に分からなくなり、タイマ表示部40bの表示の切り替えが単調に進んでいく場合よりも高揚感が高まる。また、一時停止される分だけ指令演出が延長されることになるが、一般に指令演出の実行時間が長ければ特別結果態様となる可能性が高いため、遊技者の期待感を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、表示時間変更手段100は、所定条件の成立に基づいて、タイマ表示部40bの表示が切り替わる周期を所定条件の成立前よりも遅くするようにしている。
こうすることで、指令演出が延長されることになるので、遊技者の期待感を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、始動入賞領域は、所定位置に設けられる第1始動入賞口36と、第1始動入賞口と異なる位置に設けられる第2始動入賞口37とを備え、始動記憶保留手段100は、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき第1始動記憶を記憶し、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき第2始動記憶を記憶するように構成され、遊技制御装置100は、始動記憶保留手段100に第1始動記憶と第2始動記憶が共に記憶されている場合に、第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先して実行する優先制御手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御装置300は、指令演出中に、第2始動記憶が発生し、優先制御手段100により第2始動記憶に基づく変動表示ゲームが優先して実行された場合、第2始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に要する時間分、演出中の指令演出の実行時間を延長させ、表示時間変更手段300は、指令演出の延長に合わせて、タイマ表示部40bにおいて指令演出の終了(残り時間0)を示す時期が遅延されるように、タイマ表示部40bの切替パターンを制御するようにしている。
こうすることで、第1始動記憶が存在する状態で変動表示ゲームが実行されているときに、第2始動記憶が新たに発生した場合、実行中の変動表示ゲームの終了後は第2始動記憶に基づく変動表示ゲームが割り込む形で実行される。しかし、当初設定してあった指令演出の実行時間を第2始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行時間分延長するので、指令演出が中途半端なタイミングで終了して、指令演出がはずれを示す演出のようになってしまい、遊技者の期待感が低下してしまうのを防ぐことができる。
また、本実施形態の遊技機10において、遊技制御装置100は、始動入賞領域36,37への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して該変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶保留手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御装置300は、始動記憶保留手段100に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示を始動記憶表示部810に表示させる始動記憶表示手段(演出制御装置300)と、可動役物(第1シャッター81)の動作を制御する可動役物制御手段(演出制御装置300)と、を備え、可動役物81は、その前面に始動記憶表示部810を備えるようにしている。
こうすることで、始動記憶表示が装飾表示装置(表示装置41)ではなく装飾表示装置41の前方に位置する可動役物81の前面に表示されるので、装飾表示装置41の前方を可動役物81が移動しても始動記憶表示は隠れることがなく、始動記憶表示の視認に支障が生じるのを防ぐことができる。
また、装飾表示装置41に始動記憶表示を表示する領域を設ける必要がなくなるので、表示装置41や可動役物81のデザインや設計、演出内容の自由度を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御装置300は、装飾表示装置41で表示する演出態様として、通常演出態様(通常モード)と、通常演出態様とは異なる特定演出態様(ミッションモード)とを、選択可能に構成され、可動役物81は、第1停止位置と第1停止位置とは異なる第2停止位置との間を往復移動可能に設けられ、可動役物制御手段300は、演出態様の移行に伴って可動役物81の停止位置が変更されるように、該可動役物81を移動させるようにしている。
こうすることで、演出態様が通常演出態様と特定演出態様のうち、一方態様から他方の態様へ変更された場合に、可動役物が第1停止位置と第2停止位置のうち、一方の停止位置から他方の停止位置に移動する。このため、装飾表示装置41による表示のみでなく可動役物81,82の移動によっても演出態様の移行が報知されることになり、演出態様の移行を遊技者に容易に報知することができる。
また、本実施形態の遊技機10において、遊技制御装置100は、始動記憶保留手段100に始動記憶として記憶された乱数に基づき変動表示ゲームの結果を事前に判定し、遊技結果情報を生成する遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)と、遊技結果事前判定手段により生成された遊技結果情報を事前判定情報(事前判定コマンド)として演出制御装置に送信する事前判定情報送信手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出制御装置300は、事前判定情報送信手段100により送信された事前判定情報に基づき変動表示ゲームの実行内容を事前判定する実行内容事前判定手段(演出制御装置300)と、実行内容事前判定手段300の事前判定結果が所定の実行内容となった場合に、対応する始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行内容を事前に示唆する予告報知演出を実行することが可能な事前予告報知手段(演出制御装置300)と、を備え、事前予告報知手段300は、可動役物81が第1停止位置にある場合には予告報知演出を実行せず、可動役物81が第2停止位置にある場合には予告報知演出を実行することを特徴としている。
こうすることで、可動役物が移動した場合に予告報知演出が実行されるので、予告報知演出の内容を遊技者に強く印象づけることができ、予告報知演出の効果を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、可動役物は、始動記憶表示部810を備える第1可動役物81と、始動記憶表示部を備えない第2可動役物82とにより構成され、可動役物制御手段300は、第1可動役物81が第1停止位置と第2停止位置のうち一方の停止位置にある場合は、第2可動役物82が他方の停止位置にあるように、第1可動役物81および第2可動役物82を移動制御し、第1可動役物81および第2可動役物82が移動する際には、第1可動役物81が第2可動役物82の前方を通過するようにすれ違わせている。
こうすることで、第1可動役物81と第2可動役物82がすれ違う際、前面に始動記憶表示部810を有する第1可動役物81が第2可動役物82の前方を通過するので、可動役物81,82同士が前後に重なるときも始動記憶表示が隠れることがなく、遊技者は常に始動記憶表示を視認することができる。
また、本変形例の遊技機10において、始動入賞領域は、所定位置に設けられる第1始動入賞口と、第1始動入賞口とは異なる位置に設けられる第2始動入賞口とを備え、始動記憶保留手段は、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づき第1始動記憶を記憶し、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき第2始動記憶を記憶するように構成され、始動記憶表示部は、第1始動記憶表示部と第2始動記憶表示部とにより構成され、可動役物は、第1始動記憶表示部を備える第1可動役物と第2始動記憶表示部を備える第2可動役物とにより構成され、可動役物制御手段は、第1可動役物が第1停止位置と第2停止位置のうち一方の停止位置にある場合は、第2可動役物が他方の停止位置にあるように、第1可動役物および第2可動役物を移動制御し、始動記憶表示手段は、第1可動役物が一方の停止位置にある場合には、第1始動記憶表示部に第1始動記憶表示を表示させるとともに第2始動記憶表示部に第2始動記憶表示を表示させ、第1可動役物が他方の停止位置にある場合には、第1始動記憶表示部に第2始動記憶表示を表示させるとともに第2始動記憶表示部に第1始動記憶表示を表示させるようにしている。
こうすることで、第1始動記憶表示部と第2始動記憶表示部が第1可動役物と第2可動役物とに別々に設けられるので、第1始動記憶表示と第2始動記憶表示を容易に識別することができる。
また、第1可動役物と第2可動役物の位置が入れ替わるときに、それまで第1始動記憶表示部に表示されていた始動記憶表示が第2始動記憶表示部に表示され、第2始動記憶表示部に表示されていた始動記憶表示が第1始動記憶表示部に表示される。つまり、可動役物が移動しても、第1始動記憶表示および第2始動記憶表示の表示位置は入れ替わらない。このため、可動役物の位置が入れ替わったときに、遊技者が始動記憶表示を見間違えてしまうのを防ぐことができる。
なお、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。