JP2013021689A - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲートウェイを経由してデータを伝送する複数のデータ伝送経路が存在する複数ゲートウェイ通信システム用の制御装置および制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置は、データ伝送経路における隣接ゲートウェイ間の消費電力を収集するチャネル品質測定モジュールと、ゲートウェイとデータ通信を行ない、データ伝送経路における各ゲートウェイのデータ遅延を収集する通信インターフェースと、複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表、前記チャネル品質測定モジュールにより収集した消費電力、および前記通信インターフェースにより収集したデータ遅延を記憶するメモリと、前記メモリに記憶されている消費電力とデータ遅延に基づいて、前記メモリに記憶されているゲートウェイ経路表における複数のデータ伝送経路に対して優先度を付加するプロセッサと、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は制御装置および制御方法に関し、特に複数ゲートウェイ通信システムにおけるデータ伝送と転送メカニズムに関する制御装置および制御方法に関する。
複数ゲートウェイ通信システムにおけるデータの転送メカニズムはオンデマンドルーティングプロトコルと見なすことができるが、ネットワークシステムの省エネと如何にネットワークの寿命を延ばすかが一つ非常に重要な課題である。AODV(Ad hoc on−demand distance vector:アドホックオンデマンド距離ベクトル)ルーティングプロトコルは代表的なオンデマンドルーティングプロトコルであり、従来のAODVは「最小ホップ数」をパラメータとしてルーティングの確立と更新を行ない、ホップ数を下げることでルーティングの構造を簡素化し、省エネの目的を達する。しかし、このような方法によるルーティングの確立と更新はネットワークにおける一部のネットワーク装置を他の装置よりも通信に多く関与させ、その結果、これらのネットワーク装置の電力を急激に消耗し、ネットワーク全体の生存時間を短縮させてしまう。
この問題については、従来技術においていくつかの解決方法が公開されている。例えば、特許文献1では、電波の伝播状況に関する情報に基づいて経路表を確立し、使用しない通信経路を構成する無線端末をシャットダウンし、これによりアドホックネットワーク全体の消費電力の低減と生存時間の延長を図るメカニズムが提案されている。
具体的に、特許文献1において、送信元端末装置は中継装置(ゲートウェイ)の受信電力、電池残量、位置情報、パケット到達率によって経路表を確立する。そのうち、中継装置の受信電力に基づいて、当該中継装置が作動を停止しているのかあるいは無線通信範囲外に移動したのかを判断する。また、中継装置の電池残量に基づいて、電池残量の少ない中継装置がまだどのぐらい作動できるかを判断する。また、中継装置の位置情報に基づいて、当該中継装置が作動を停止しているのかあるいは無線通信範囲外に移動したのかを判断する。最後に、中継装置のパケット到達率に基づいて、当該中継装置との間の無線信号の伝送状況を判断する。これにより、経路表を確立し通信経路に対して切換を行ない、少なくとも一つの通信経路が利用できるように確保し、使用しない通信経路を構成する無線端末をシャットダウンする。以上の技術により、アドホックネットワーク全体の消費電力を低減し、アドホック通信システム全体の生存時間を延長することができる。
日本特開2009−159457
しかしながら、特許文献1には以下のような技術問題点が依然として存在する。
(1)特許文献1では使用しない通信経路を構成するゲートウェイをシャットダウンすることで、複数ゲートウェイ通信システム全体の消費電力を減少することができるが、各ゲートウェイが隣接ゲートウェイと通信するときに生じる消費電力の違いについては考慮されておらず、消費電力の低い隣接ゲートウェイを選択して経路表を確立し通信を行なうことができない。そのため、特許文献1では複数ゲートウェイ通信システムを構成する全体の消費電力と複数ゲートウェイ通信システムにおける各隣接ゲートウェイの消費電力の低減において最適化を実現することができない。
(2)特許文献1では複数ゲートウェイ通信システムを構成する各ゲートウェイがデータ伝送を行なう際に発生するデータ遅延について言及されていない。即ち、ビジー状態のゲートウェイから発生するデータ遅延は長く、アイドル状態のゲートウェイから発生するデータ遅延は短いが、特許文献1ではアイドル状態のゲートウェイを選択してデータ遅延を短縮することができない。ネットワーク通信のリアルタイム性に対する要求がますます高くなっている現在、特に緊急なデータ(例えばインテリジェントビル制御における火災警報データなど)を送信する際には、もっと厳格な遅延閾値制御が求められている。しかし、特許文献1は明らかにこのような要求を満たさない。
(3)特許文献1では各ゲートウェイの間でデータ通信を行なうときの有効コードレートについて言及されていない。即ち、通信状況が悪い、または通信を行なうゲートウェイ間の距離が遠い場合、データの信頼性を保証するために高い前方誤り訂正符号レートが必要であるが、これはデータ通信時の有効コードレートを低下させてデータ通信の効率低下を招くことになる。しかし、特許文献1では有効コードレートで経路表を確立することについて検討していない。
(4)特許文献1では経路表を確立する際に電池残量を重要なパラメータとして利用しているが、電池残量は電池で電力供給を行なう通信装置のみに適用するため、特許文献1は、電源あるいはその他の方法で電力供給を行なう通信装置に適用することは難しい。
上述のように、複数ゲートウェイ通信システムにとって、消費電力とデータ遅延はいずれも非常に重要な要素である。通信システムの消費電力とデータ遅延に対する要求がますます高くなっている現在、特許文献1を代表とする従来技術は、消費電力とデータ遅延の両立は不可能である。
また、複数ゲートウェイ通信システムにとって、消費電力とデータ遅延のほかに、有効コードレートも非常に重要な要素である。明らかに、特許文献1を代表とする従来技術は、消費電力、データ遅延および有効コードレートの三つの項目を同時に考慮することはさらに困難である。
また、複数ゲートウェイ通信システムにとって、電池で電力供給を行なう端末だけではなく、電源あるいはその他の方法で電力供給を行なう装置を含むことも可能である。そのため、特許文献1を代表とする従来技術は、電池以外で電力供給を行なう装置を含む複数ゲートウェイ通信システムに適用することは難しい。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、複数ゲートウェイ通信システムにおける端末側ゲートウェイからメインゲートウェイの間のデータ伝送方式を最適化することにより、ネットワークの消費電力および重要なデータの遅延を減少させることができ、最終的にはシステム全体の性能向上を実現する、複数ゲートウェイ通信システム用の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
また、本発明はさらに、消費電力、データ遅延および有効コードレートの三つの項目を同時に考慮することができ、最終的にはシステム全体の性能向上を実現する、複数ゲートウェイ通信システム用の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
また、本発明はさらに、電池以外で電力供給を行なう装置を含む複数ゲートウェイ通信システムに適用可能な複数ゲートウェイ通信システム用の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
上述の目的を実現するために、本発明は、ゲートウェイを経由してデータを伝送するデータ伝送経路が複数存在する複数ゲートウェイ通信システム用の制御装置を提供し、前記制御装置は、データ伝送経路における隣接ゲートウェイ間の消費電力を収集するチャネル品質測定モジュールと、ゲートウェイとデータ通信を行ない、データ伝送経路における各ゲートウェイのデータ遅延を収集する通信インターフェースと、複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表、前記チャネル品質測定モジュールにより収集した消費電力、および前記通信インターフェースにより収集したデータ遅延を記憶するメモリと、前記メモリに記憶されている消費電力とデータ遅延に基づいて、前記メモリに記憶されているゲートウェイ経路表における複数のデータ伝送経路に対して優先度を付加するプロセッサと、を備えることを特徴とする。
また、本発明はさらに、ゲートウェイを経由してデータを伝送するデータ伝送経路が複数存在する複数ゲートウェイ通信システム用の制御方法を提供し、前記制御方法は、データ伝送経路における隣接ゲートウェイ間の消費電力を収集する消費電力収集ステップと、データ伝送経路における各ゲートウェイのデータ遅延を収集するデータ遅延収集ステップと、前記消費電力収集ステップで収集した消費電力と前記データ遅延収集ステップで収集したデータ遅延に基づいて、複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表におけるデータ伝送経路に対して優先度を付加する経路表最適化ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明による前記制御装置および制御方法は、複数ゲートウェイ通信システムにおける消費電力を低減するとともにデータの遅延を減少させることができ、消費電力と遅延の両立を実現することにより、ネットワーク全体の性能を向上させる。
さらに、本発明に係る前記制御装置において、前記チャネル品質測定モジュールはデータ伝送経路の有効コードレートを収集し、前記メモリはさらに前記チャネル品質測定モジュールにより収集した有効コードレートを記憶し、前記プロセッサは前記メモリに記憶されている消費電力、データ遅延および有効コードレートに基づいて、前記メモリに記憶されているゲートウェイ経路表における複数のデータ伝送経路に対して優先度を付加してもよい。
また、本発明に係る前記制御方法において、さらにデータ伝送経路の有効コードレートを収集する有効コードレート収集ステップを含み、前記経路表最適化ステップは、前記消費電力収集ステップで収集した消費電力、前記データ遅延収集ステップで収集したデータ遅延、および前記有効コードレート収集ステップで収集した有効コードレートに基づいて、複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表におけるデータ伝送経路に対して優先度を付加してもよい。
これにより、複数ゲートウェイ通信システムにおける消費電力を低減するとともにデータ遅延を減少し、同時に、有効コードレートを向上させることができ、消費電力、遅延および有効コードレートの三つの項目の同時考慮を実現することにより、ネットワーク全体の性能を向上させる。
さらに、本発明に係る前記制御装置において、前記通信インターフェースはデータ伝送経路の先頭ゲートウェイから当該先頭ゲートウェイにより収集したデータに要求されたデータ遅延閾値を受信し、前記プロセッサは前記通信インターフェースによって受信したデータ遅延閾値に基づいて、前記メモリに記憶されているゲートウェイ経路表から遅延合計が当該データ遅延閾値より大きいデータ伝送経路を削除し、ゲートウェイ経路表に残されているデータ伝送経路に対して優先度を付加してもよい。
また、本発明に係る前記制御方法において、さらにデータ伝送経路の先頭ゲートウェイから当該先頭ゲートウェイにより収集したデータに要求されたデータ遅延閾値を受信するデータ遅延閾値受信ステップを含み、前記経路表最適化ステップは、前記データ遅延閾値受信ステップで受信したデータ遅延閾値に基づいて、複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表から遅延合計が当該データ遅延閾値より大きいデータ伝送経路を削除し、ゲートウェイ経路表に残されているデータ伝送経路に対して優先度を付加してもよい。
これにより、データ伝送経路の先頭ゲートウェイが重要なデータと緊急なデータ(例えばインテリジェントビル制御における火災警報データなど)を受信した場合、要求された遅延閾値に基づいて伝送を行なうことができ、重要なデータと緊急なデータの適時伝送を確保することができる。
さらに、本発明に係る前記制御装置において、当該先頭ゲートウェイにより収集したデータは、前記データ遅延閾値によって、拡張タイプと固定タイプとに分類され、前記プロセッサは、固定タイプのデータに対して、優先度が付加されたゲートウェイ経路表を予め確立し、前記プロセッサは、拡張タイプのデータに対して、前記先頭ゲートウェイから前記通信インターフェースに送信されたネットワーク経路表要求におけるデータ遅延閾値に基づいて、予め確立された前記ゲートウェイ経路表から遅延合計が当該データ遅延閾値より大きいデータ伝送経路を削除し、ゲートウェイ経路表に残されているデータ伝送経路に対して新たに優先度を付加し、前記通信インターフェースを介して新たに優先度が付加されたゲートウェイ経路表を前記先頭ゲートウェイに送信してもよい。
また、本発明に係る前記制御方法において、当該先頭ゲートウェイにより収集したデータは、前記データ遅延閾値によって、拡張タイプと固定タイプとに分類され、前記経路表最適化ステップは、固定タイプのデータに対して、優先度が付加されたゲートウェイ経路表を予め確立し、前記経路表最適化ステップはさらに、拡張タイプのデータに対して、前記データ遅延閾値受信ステップによって受信した前記先頭ゲートウェイからのネットワーク経路表要求におけるデータ遅延閾値に基づいて、予め確立された前記ゲートウェイ経路表から遅延合計が当該データ遅延閾値より大きいデータ伝送経路を削除し、ゲートウェイ経路表に残されているデータ伝送経路に対して新たに優先度を付加し、新たに優先度が付加されたゲートウェイ経路表を前記先頭ゲートウェイに送信してもよい。
これにより、データ伝送経路の先頭ゲートウェイが受信したデータタイプによって新しいゲートウェイ経路表を要求するときに、先頭ゲートウェイが最適なデータ伝送経路を利用して当該データを伝送するように、データタイプによって最適化されたゲートウェイ経路表を先頭ゲートウェイに送信することができ、これによりデータ伝送の効率とネットワーク全体の性能を向上させる。
本発明の実施形態1に係る複数ゲートウェイ通信システムの構成図である。 本発明の実施形態1に係る転送ゲートウェイのハードウェア構成図である。 本発明の実施形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。 本発明の実施形態1に係る制御装置に利用される制御方法のフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る端末側ゲートウェイの動作のフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る転送ゲートウェイの動作のフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る制御装置のハードウェア構成図である。 本発明の実施形態3に係るデータフォーマットの一例の略図である。 本発明の実施形態3に係る端末側ゲートウェイの動作のフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る制御装置に利用される制御方法のフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る複数ゲートウェイ通信システムの代表的ネットワーク初期化/メッセージ更新の時系列図である。 本発明の実施形態3に係る複数ゲートウェイ通信システムの代表的データ転送メッセージの時系列図である。 本発明の実施形態4に係る制御装置に利用される制御方法のフローチャートである。 本発明の実施例1に係る複数ゲートウェイ通信システムのパラメータ付きのネットワークモデル図である。 本発明の実施例1に係る複数ゲートウェイ通信システムにおいて最適経路に故障が発生したときのネットワークモデル図である。 本発明の実施例2に係る複数ゲートウェイ通信システムのパラメータ付きのネットワークモデル図である。 本発明の実施例1と実施例2における合計遅延の比較図である。 本発明の実施例1と実施例2における合計消費電力の比較図である。
<1.実施形態1>
以下、図1〜図6に基づいて、本発明の実施形態1について説明する。本実施形態1は、複数ゲートウェイ通信システムにおいて、消費電力と遅延の二つの重要な指標を両立する実施形態である。
先ず、本実施形態1の全体構想について簡単に説明する。即ち、複数ゲートウェイ通信システムの特徴を分析した後に、データをアイドル状態のゲートウェイ装置に送信すれば、データ遅延をうまく低減することはできるが、このアイドル状態のゲートウェイ装置が送信端ゲートウェイから遠く離れている場合、大きい送信電力が必要で、電力が大量に消費され、逆に、距離が近いゲートウェイ装置を選択して送信すると、消費電力を低減することはできるが、データ遅延を保証することはできないことが分かった。この問題において、従来技術では、ネットワークの消費電力とデータ遅延の同時最小化の実現が難しい。本実施形態1では、一つの制御装置と対応するデータ転送ストラテジーを加えることにより両者のバランスを実現する。以下、本実施形態1に係る複数ゲートウェイ通信システムについて詳しく説明する。
<1−1.複数ゲートウェイ通信システム>
図1は本発明の実施形態1に係る複数ゲートウェイ通信システムの構成図である。
図1に示すように、実施形態1に係る複数ゲートウェイ通信システムは、二つ以上のゲートウェイ2〜7と少なくとも一つの制御装置8から構成されている。ここでのゲートウェイは端末1と通信可能な少なくとも一つの端末側ゲートウェイ2、最終的にサーバまたはインターネットなどその他の管理端に接続されるメインゲートウェイ7、およびデータ伝送経路を構成してデータ転送を行なうその他のいくつかのゲートウェイ3〜6を含む。ここで、ゲートウェイ2は端末と通信する端末側ゲートウェイであるが、これは一例に過ぎず、もちろんその他のゲートウェイ(例えばゲートウェイ3〜6)が端末と通信する端末側ゲートウェイになってもよい。
実施形態1の複数ゲートウェイ通信システムにおいて、端末1がデータをメインゲートウェイ7に送信する必要がある場合、まず最も近いゲートウェイ2と無線接続を確立し、これを自分の端末側ゲートウェイに設定してデータ伝送を行なう。当該端末側ゲートウェイ2は、通信範囲内のその他のゲートウェイとの通信ネットワークを確立する必要があり、これによりネットワークがデータをメインゲートウェイに転送する。最適な転送経路を選択するために、端末側ゲートウェイ2は、隣接ゲートウェイとの間の通信消費電力およびゲートウェイのデータ遅延時間の情報を収集する必要があり、この情報によって最終的なストラテジー判断をするが、それぞれの端末側ゲートウェイによってネットワーク全体の情報収集およびストラテジー判断を実行することは不便であり、且つ情報の重複が発生する恐れもある。そのため、本実施形態1においては、制御装置8を利用してシステムにおけるそれぞれのゲートウェイに対する経路表の確立と保守機能を実行し、且つデータ転送ストラテジーに対して関連する計算と判断を行ない、最終的にコマンドと経路情報を適時にゲートウェイ装置に送信する。
以下、複数ゲートウェイ通信システムにおける各構成部分について説明する。
<1−1−1.端末1>
端末1はネットワークにおける端末装置であり、データの収集と送信を行ない、応用シーンを満たすデータ収集に必要なセンサーモジュールと送信機能に必要な有線あるいは無線通信モジュールとを備え、受信したコマンドに基づいて制御機能を実現できる必要がある。端末1は一つのネットワークにおいて複数あってもよく、応用シーンに適合した通信プロトコルに基づいて適切なゲートウェイアクセスを選択し、その後データの送受信を行なう。本シーンにおいて、端末1が属するゲートウェイは端末側ゲートウェイ2である。
<1−1−2.端末側ゲートウェイ2>
端末側ゲートウェイ2はネットワークにおけるエッジゲートウェイ、即ち複数ゲートウェイ通信システムにおけるデータ伝送経路の先頭ゲートウェイであり、端末1により収集したデータを適切な経路を介してメインゲートウェイ7に送信する。端末側ゲートウェイ2は少なくとも端末1およびその他のゲートウェイ3〜6と通信する有線あるいは無線通信モジュールと、データ処理機能、端末にアクセスオン/オフする管理機能およびプロトコル変換機能を備える。端末側ゲートウェイ2は複数の端末1にアクセスされることが可能で、アクセスの数は当該ゲートウェイのハードウェア能力とプロトコル支持によって決められる。端末側ゲートウェイ2と端末1との間のネットワークは無線ネットワークでもよく、有線ネットワークでもよい。端末側ゲートウェイ2とその他のゲートウェイ3〜6およびメインゲートウェイ7との間のネットワークはマルチホップトポロジー構造を支持する無線ネットワークである。
<1−1−3.転送ゲートウェイ3〜6>
ゲートウェイ3〜6は、本システムにおいて、転送ゲートウェイであり、データを端末側ゲートウェイの経路表に従って次のホップゲートウェイに転送する。ゲートウェイ3〜6におけるすべてのゲートウェイは少なくともその他のゲートウェイ3〜6および端末側ゲートウェイ2と通信する無線通信モジュール、およびデータ処理機能を備える必要がある。これにより、ゲートウェイ3〜6は端末側ゲートウェイ2からメインゲートウェイ7までの複数のデータ伝送経路を構成し、図1においてはそれぞれ、端末側ゲートウェイ2―ゲートウェイ3―メインゲートウェイ7、端末側ゲートウェイ2―ゲートウェイ4―ゲートウェイ5―メインゲートウェイ7、端末側ゲートウェイ2―ゲートウェイ5―メインゲートウェイ7、端末側ゲートウェイ2―ゲートウェイ6―メインゲートウェイ7の幾つかのデータ伝送経路である。また、端末側ゲートウェイ2―メインゲートウェイ7のデータ伝送経路も存在する。
<1−1−4.メインゲートウェイ7>
メインゲートウェイ7はネットワークとサーバあるいはその他のネットワークとのエッジゲートウェイであり、受信したデータをサーバあるいはその他のネットワークに送信する。メインゲートウェイ7は少なくともネットワーク内のゲートウェイ3〜6と通信する無線通信モジュール、あるいは端末側ゲートウェイ2との通信能力、強いゲートウェイ性能(通信能力、データ処理能力、管理能力)を備える必要がある。同時に、サーバおよびその他のネットワークとのインターフェース、および対応するプロトコル変換機能を備える必要がある。
<1−1−5.制御装置8>
制御装置8は本実施形態1の重要装置であり、複数ゲートウェイ通信システム全体における端末側ゲートウェイ2および転送ゲートウェイ3〜6の情報に対して収集と分析を行ない、端末側ゲートウェイ2からメインゲートウェイ7までのデータ転送経路に対して最適化を行なう。制御装置8は少なくともゲートウェイのチャネル品質測定機能、ゲートウェイパラメータ採集機能、経路最適化に必要な計算、データ処理、およびストラテジー判断機能を備える必要がある。
本実施形態1の複数ゲートウェイ通信システムにおいて、システムの初期化の際に、端末1はデータをメインゲートウェイ7に送信する必要があり、必ず先に端末側ゲートウェイ2に送信し、その後データ転送を行なわなければならない。ここでは、制御装置8によってゲートウェイ2〜6の情報に対して収集と分析を行ない、各ゲートウェイ間の消費電力とデータ伝送経路における各ゲートウェイのデータ遅延に基づいて、優先度が付加されたゲートウェイ経路表を確立して、端末側ゲートウェイ2が最適なデータ伝送経路を選択してデータ転送を行なうようにする。
上述のように、複数ゲートウェイ通信システム全体において、技術ポイントはデータ転送の経路最適化であり、従来技術に貢献した技術特徴は主に、転送ゲートウェイ3〜6の機能と制御装置8の機能である。したがって、以下、転送ゲートウェイ3〜6の機能と制御装置8のハードウェア装置に備えるべきモジュールについて詳しく説明する。
<1−2.転送ゲートウェイ3〜6のハードウェアモジュール>
図2は本発明の実施形態1に係る転送ゲートウェイ3のハードウェア構成図である。ゲートウェイ3は、基本的な無線通信送受信、経路表選択、および遅延の自己判断などの機能を実行するために、少なくとも図2に示すハードウェアモジュールを備える必要がある。ここでは、転送ゲートウェイ3のハードウェア構造ついて例示しているが、その他の転送ゲートウェイも少なくともそれに応ずる構造を有する。
<1−2−1.無線通信インターフェース301>
無線通信インターファース301はネットワークにおけるその他のゲートウェイ2〜7および制御装置8と通信を行ない、データの交換を実現する。無線通信インターファース301の通信モジュールの能力はゲートウェイ2〜7と制御装置8が構成する無線ネットワークに使用されているプロトコルと技術要求によって決められる。
<1−2−2.プロセッサ302>
プロセッサ302は例えばCPU(中央処理装置)、MPU(マイクロプロセッサ)、シングルチップマイクロコンピュータなどであり、ソフトウェア機能モジュールとバッファ測定モジュールを実行する。ソフトウェア機能モジュールを実行することにより、転送ゲートウェイ3を作動させる。バッファ測定モジュールは本機のバッファを定期検査することにより、遅延時間を算出し、その結果を無線通信インターフェース301によって制御装置8に送信する。
<1−2−3.メモリ303>
メモリ303は、例えば内部記憶装置であり、定数およびリアルタイムに保守するゲートウェイ経路表を記憶し、本ゲートウェイがゲートウェイ経路表に基づいてデータを次のホップゲートウェイに転送するのに便利である。
<1−2−4.電力供給モジュール304>
電力供給モジュール304は転送ゲートウェイ3に電力を供給し、例えば、電源あるいは電池などの方式を利用することができる。本実施形態1に使用されるパラメータは電池の電気残存量に関係しないため、電源によって電力を供給するゲートウェイを含む複数ゲートウェイ通信システムにも適用可能である。
<1−3.制御装置8のハードウェアモジュール>
図3は本発明の実施形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。制御装置8はゲートウェイ情報収集と分析、経路表の保守などの機能を実現するために、少なくとも図3に示すハードウェアモジュールを備える必要がある。
<1−3−1.チャネル品質測定モジュール801>
チャネル品質測定モジュール801は複数ゲートウェイ通信システムに含まれているデータ伝送経路における隣接ゲートウェイ間の消費電力を収集する。具体的に、チャネル品質測定モジュール801は各ゲートウェイのチャネル品質指標CQIを測定し、これにより必要とする変調周波数と送信電力を選定する。それぞれのCQIは必要とするチャネル周波数に対応し、電力は予め設置された値であり、ゲートウェイと制御装置の物理層プロトコルに記憶されている。
<1−3−2.通信インターフェース802>
通信インターフェース802はゲートウェイとデータ通信を行ない、データ伝送経路における各ゲートウェイのデータ遅延を収集する。具体的に、通信インターフェース802は少なくとも無線通信インターフェースを含み、ネットワークにおけるゲートウェイ2〜7あるいは備える可能性のあるその他の制御装置8と通信を行うことでデータのインタラクティブを実現する。
<1−3−3.プロセッサ803>
プロセッサ803は、後で説明するメモリ804に記憶されている消費電力とデータ遅延に基づいて、メモリ804に記憶されているゲートウェイ経路表における複数のデータ経路に優先度を付加する。具体的に、プロセッサ803は、例えばCPU(中央処理装置)、MPU(マイクロプロセッサ)、シングルチップマイクロコンピュータなどであり、基本計算、データ処理、ストラテジー判断などの機能を実現し、ソフトウェア機能モジュールを実行することにより制御装置8を作動させる。
<1−3−4.メモリ804>
メモリ804は複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表、チャネル品質測定モジュール801により収集した消費電力、および通信インターフェース802により収集したデータ遅延を記憶する。具体的に、メモリ804は、例えば内部記憶装置であり、リアルタイムに保守するゲートウェイ経路表、電力パラメータテーブルおよび遅延パラメータテーブルを記憶する。
<1−4.消費電力およびデータ遅延に関する説明>
以下、本実施形態1に利用される消費電力とデータ遅延の二つのパラメータについて詳しく説明する。次の表1にはデータ遅延および消費電力の詳細状況が具体的に表示されている。
表1の第一行に示すように、転送ゲートウェイ3〜6の状態(ビジー/アイドル)は量子化された、バッファによるデータ遅延によって定義され、その単位はミリ秒であり、当該情報はゲートウェイ装置におけるプロセッサ302に含まれているバッファ測定モジュールにより収集し、ゲートウェイから制御装置8に送信される。ゲートウェイによって長いデータ遅延が発生すると、ゲートウェイが属する経路の経路最適化パラメータが低下し、選択される確率が減少する。遅延時間の計算式は数1のとおりである。
数1において、nは定数であり、バッファ内データ量はゲートウェイによってリアルタイムに更新され、処理速度はゲートウェイハードウェア装置によって決められた予め記憶された値である。
表1の第二行に示すように、隣接ゲートウェイ装置における消費電力は単位送信電力によって定義され、その単位はミリワットであり、当該情報は測定モジュール801により収集したチャネル品質指標(CQI)によって確定される。選択のために、物理層プロトコルにはチャネル品質指標CQI値に対応する送信チャネルと、周波数および電力値を記憶する。
<1−5.制御装置8の動作>
図4は本発明の実施形態1に係る制御装置に利用される制御方法のフローチャートである。図4に示すように、制御装置8に利用される制御方法は以下のステップを含む。
<1−5−1.消費電力収集ステップS401>
消費電力収集ステップS401において、データ伝送経路における隣接ゲートウェイ間の消費電力を収集する。具体的な収集方法は上述と同じで、ここでは説明を省略する。
<1−5−2.データ遅延収集ステップS402>
データ遅延収集ステップS402において、データ伝送経路における各ゲートウェイのデータ遅延を収集する。具体的な収集方法は上述と同じで、ここでは説明を省略する。消費電力収集ステップS401とデータ遅延収集ステップS402の順序は交換してもよい。
<1−5−3.経路表最適化ステップS403>
経路表最適化ステップS403において、消費電力収集ステップS401で収集した消費電力とデータ遅延収集ステップS402で収集したデータ遅延に基づいて、ゲートウェイ経路表における複数のデータ伝送経路に優先度を付加する。具体的に、データ伝送経路の優先度は数2で計算する。
数2において、δは経路最適化パラメータ(データ伝送経路の優先度判定パラメータ)で、kは定数で、ΣPは当該経路の消費電力合計を表し、ΣTは当該経路における各転送ゲートウェイの遅延時間合計を表し、Tは基本遅延、即ちすべての経路においてゲートウェイバッファのオーバーフローによる遅延以外のその他の無線通信などの要素による遅延時間であり、数2では定数である。ΣPは分母として、消費電力の小さい経路のΣP値は経路最適化パラメータδを大きくする。同様に、ΣTも分母として、遅延の小さい経路のΣT値は経路最適化パラメータδを大きくする。
経路最適化パラメータδ値を計算した後に、すべてのδ値に対して大きい順に並べ、δの最大値が最も高い優先度を有する経路と見なされ、以下は同様である。順位に並べた後の数値を経路優先シリアルナンバーとしてゲートウェイ経路表に書き込む。このときのゲートウェイ経路表は完全な経路表であり、経路最適化パラメータが最も大きい(優先度が最も高い)経路を選択するように、対応する端末側ゲートウェイ2により参照することができる。経路最適化パラメータが最も大きい経路に故障が発生した場合、経路最適化パラメータが二番目に大きい(優先度が二番目に高い)経路を順次選択して送信する。以下は同様である。
<1−6.端末側ゲートウェイ2の動作>
図5は本発明の実施形態1に係る端末側ゲートウェイの動作のフローチャートである。図5に示すように、端末側ゲートウェイ2は先ず端末側ネットワークを更新し、アクセスオンまたはオフになっている端末装置があるかをチェックする。端末1がアクセスオンになっている場合は、端末1からデータを受信する。データを受信した後に、ゲートウェイ経路表を参照する。このとき、ゲートウェイ経路表は制御装置8に要求して取得してもよく、制御装置8から取得した直前のゲートウェイ経路表を使用してもよい。最後に、端末側ゲートウェイ2はゲートウェイ経路表において優先度の最も高いデータ伝送経路を利用してデータを転送する。
<1−7.転送ゲートウェイ3〜6の動作>
図6は本発明の実施形態1に係る転送ゲートウェイの動作のフローチャートである。図6に示すように、端末側ゲートウェイ2とは異なり、転送ゲートウェイ3〜6は先ずコマンドを監視する。コマンドがある場合はコマンドを実行し、コマンドがない場合はデータ監視に進む。データがある場合はデータを受信し、データヘッダの情報に基づいてデータパケットの大きさを計算する。これによりバッファ内データの大きさを取得し、式に基づいて本ゲートウェイの遅延時間を計算し、その結果を制御装置8に送信する。その後データ転送機能を完了する。データが監視されなかった場合は監視を継続する。
<1−8.効果>
本発明の実施形態1によると、複数ゲートウェイ通信システムにおけるデータ伝送の消費電力を低減するとともにデータの遅延を減少することができ、消費電力と遅延の最適化の両立を実現し、これによりネットワーク全体の性能を向上させることができる。
<2.実施形態2>
以下、図7に基づいて本発明の実施形態2について説明する。本実施形態2は実施形態1に有効コードレートを追加した実施形態である。
実施形態2において、制御装置および制御装置に利用される制御方法以外は実施形態1と同じであり、ここでは説明を省略する。以下、本実施形態2における制御装置8’および制御装置8’に利用される制御方法について詳しく説明する。
<2−1.制御装置8’のハードウェアモジュール>
図7は本発明の実施形態2に係る制御装置のハードウェア構成図である。図7に示すように、制御装置8’は少なくとも以下のハードウェアモジュールを備える。
<2−1−1.チャネル品質測定モジュール801’>
チャネル品質測定モジュール801’は、実施形態1と同様に、複数ゲートウェイ通信システムに含まれているデータ伝送経路における隣接ゲートウェイ間の消費電力を収集するほか、さらにデータ伝送経路の有効コードレートを収集する。具体的に、チャネル品質測定モジュール801’は各ゲートウェイのチャネル品質指標CQIを測定し、CQIに基づいて有効コードレートを確定する。有効コードレートについては後で詳しく説明する。
<2−1−2.通信インターフェース802>
通信インターフェース802は実施形態1と同じであり、ここでは説明を省略する。
<2−1−3.プロセッサ803’>
プロセッサ803’と実施形態1のプロセッサ803との異なる点は、後述するメモリ804’に記憶されている消費電力、データ遅延および有効コードレートに基づいて、メモリ804’に記憶されているゲートウェイ経路表における複数のデータ伝送経路に対して優先度を付加することである。
<2−1−4.メモリ804’>
メモリ804’は、実施形態1と同様に、複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表、チャネル品質測定モジュール801’により収集した消費電力、および通信インターフェース802により収集したデータ遅延を記憶するほか、さらにチャネル品質測定モジュール801’により収集した有効コードレートを記憶する。具体的に、メモリ804’は例えば内部記憶装置であり、リアルタイムに保守するゲートウェイ経路表、電力パラメータテーブル、遅延パラメータテーブルおよび有効コードレートを記憶する。
<2−2.有効コードレートに関する説明>
以下、本実施形態2に追加されたパラメータである有効コードレートについて詳しく説明する。下の表2には本実施形態2に利用されるデータ遅延、消費電力および有効コードレートの三つのパラメータの詳しい状況が具体的に示されている。そのなか、データ遅延と消費電力は実施形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
表2の第三行に示すように、前方誤り訂正符号レートは、有効コードレートCRで表示し、その単位は実際送信した有効データがデータパケット全体に占めるパーセンテージである。当該情報はチャネル測定モジュール801’が収集したチャネル品質指標CQIによって確定される。物理層プロトコルにおいて、制御装置8’が選択を行なうように、選択チャネル品質指標CQI値に対応するために必要な信頼性数値を記憶する。信頼性が確定された状況で、遠く離れるほど、必要な前方誤り訂正符号が占める割合が高くなり、有効コードレートCRが低くなる。
<2−3.制御装置8’の動作>
実施形態2に係る制御装置8’に利用される制御方法の各ステップは実施形態1とほぼ同様で、異なる点は、有効コードレート収集ステップを追加し、データ伝送経路の有効コードレートを収集することである。そのなか、消費電力収集ステップ、データ遅延収集ステップおよび有効コードレート収集ステップの順序は任意である。具体的な収集方法は前述のとおりで、ここでは説明を省略する。
また、経路表最適化ステップにおいて、収集した消費電力、データ遅延および有効コードレートに基づいて、ゲートウェイ経路表における複数のデータ伝送経路に対して優先度を付加する。具体的に、データ伝送経路の優先度は数3で計算することができる。
数3において、δは経路最適化パラメータ(データ伝送経路の優先度判定パラメータ)で、kは定数で、CRは当該経路の有効コードレート、即ち、当該経路が信頼性を確定した後の有効コードレートを表し、ΣPは当該経路の消費電力合計を表し、ΣTは当該経路における各転送ゲートウェイの遅延時間合計を表し、Tは基本遅延、即ち、すべての経路においてゲートウェイバッファのオーバーフローによる遅延以外のその他の無線通信などの要素による遅延時間であり、数3では定数である。CRは分子として、有効コードレートの高い経路が高い経路最適化パラメータδを有するようにする。ΣPは分母として、消費電力の小さい経路のΣP値は経路最適化パラメータδを大きくする。同様に、ΣTも分母として、遅延の小さい経路のΣT値は経路最適化パラメータδを大きくする。
経路最適化パラメータδ値を計算した後に、すべてのδ値に対して大きい順に並べ、δの最大値が最も高い優先度を有する経路と見なされ、以下は同様である。順位に並べた後の数値を経路優先シリアルナンバーとしてゲートウェイ経路表に書き込む。このときのゲートウェイ経路表は完全な経路表であり、経路最適化パラメータが最も大きい(優先度が最も高い)経路を選択するように、対応する端末側ゲートウェイ2により参照することができる。当該経路に故障が発生した場合、経路最適化パラメータが二番目に大きい(優先度が二番目に高い)経路を順次選択して送信する。以下は同様である。
<2−4.効果>
本発明の実施形態2によると、複数ゲートウェイ通信システムにおけるデータ伝送の消費電力を低減し、データの遅延を減少する同時に、有効コードレートを向上させることができ、消費電力、遅延および有効コードレートの同時考慮を実現し、これによりネットワーク全体の性能を向上させる。
<3.実勢形態3>
以下、図8〜図12に基づいて本発明の実施形態3について説明する。実施形態3は実施形態1にデータ遅延閾値を追加した実施形態である。
先ず、本実施形態3の全体構想について簡単に説明する。即ち、複数ゲートウェイ通信システムにおける応用要求を考慮すると、一つのネットワークには様々な異なる遅延要求のデータが存在する可能性がある。一般データに対しては、その遅延要求範囲が広く、重要なデータに対して求められる時効性は、その遅延要求閾値が小さい。特に、緊急なデータの場合は、もっと厳格な遅延閾値制御が求められる。
このような要求に対して、本実施形態3における制御装置は異なるデータ遅延要求に基づいて端末側ゲートウェイのために複数のゲートウェイ経路表を確立する。ネットワーク初期化の初期段階で、データ遅延閾値に基づいて確立した異なる初期経路表を端末側ゲートウェイに送信する。端末側ゲートウェイがデータを受信したとき、データが求めている遅延閾値と記憶されている初期経路表における遅延閾値とを比較し、遅延要求が満足された場合は対応する経路表を直接使用し、満足されていない場合は当該閾値が含まれている要求を制御装置に送信して新しい経路表を取得する。制御装置は閾値およびその他のパラメータに基づいてストラテジー判断を行ない、初期経路表に対して最適化を行ない、最適化後のゲートウェイ経路表を、端末側ゲートウェイが使用するように、端末側ゲートウェイに送信する。
本実施形態3において、データ遅延閾値に関係する構造と処理以外は実施形態1と同じであり、ここでは説明を省略する。以下、本実施形態3においてデータ遅延閾値に関係する構造と処理について詳しく説明する。
<3−1.データ遅延閾値に関する説明>
前述のように、幾つかの応用シーンにおいて、遅延時間は厳格に規定されている。例えば、端末により収集したデータがインテリジェントビル制御における火災警報のような緊急なデータである場合、データ伝送経路における消費電力と遅延だけを収集して経路最適化を行なうことは不十分である。このときはデータソースの遅延要求を考えなければならない。そのため、端末側ゲートウェイ2は端末1により収集したデータに対して優先度分類を行なう必要があり、分類の基準は異なる応用要求に必要な遅延閾値に基づいて区分する必要がある。
以下、遅延閾値を利用してデータを分類する一つの方法について例を挙げて説明する。本方法においては、端末1により収集したデータを、拡張域を有する三つのタイプのデータに設定する。当然ながら、本実施形態3はこれに限らず、必要に応じてその他の方法を採用することもできる。
図8は本発明の実施形態3に係るデータフォーマットの一例の略図である。本実施形態において端末1などの端末装置と端末側ゲートウェイ2との間のネットワークは有線あるいは無線ネットワークでよい。ここでは、無線ネットワークを例にし、ネットワーク層は、例えば6LoWPANプロトコルを使用する。図8の上半部は通常の6LoWPANプロトコルのデータフォーマット601を示し、ヘッダの順次は、最外層がMAC層とPHY層ヘッダ、例えば802.15.4ヘッダで、その後がフラグメント再構築情報ヘッダで、その後がネットワーク層6LoWPANヘッダで、最後が実際のデータペイロードである。
このタイプのデータフォーマットは複数ゲートウェイ通信システムにおいて異なる遅延閾値の制御を満たすことができないため、本形態において端末1が送信するデータフォーマット602は図8の下半部に示すように、最外層802.15.4ヘッダの後に1バイトの遅延ヘッダを加え、当該ヘッダの前の二ビットはデータタイプである。データパイプは三種類の固定タイプと一種類の拡張タイプを含む。
00は基本データタイプ、即ち遅延閾値制限のないデータタイプであり、このときペイロードビットは空である。
01と10は遅延閾値を固定値に設定した二種類のデータタイプであり、このときの遅延閾値は実際応用タイプに基づいて定義され、ペイロードビットは空である。
11は拡張タイプ、即ちデータ遅延閾値が前の二種類の固定値の時刻より小さく、このときにペイロードビットは遅延閾値の数値情報を含む。
<3−2.端末側ゲートウェイ2の動作>
図9は本発明の実施形態3に係る端末側ゲートウェイの動作のフローチャートである。
先ず、端末側ゲートウェイ2は端末側ネットワークを更新し、端末装置のアクセスオンまたはオフがあるかどうかをチェックする。端末1がアクセスオンになっている場合は、端末1からデータを受信する。データを受信した後に、先ずデータ遅延ヘッダを検出してデータタイプの判断を行なう。上述の実施形態において、タイプが11である場合、拡張タイプであることを意味し、その後の拡張ペイロードビットには新しい遅延時間が記憶されており、この条件の下で新しいゲートウェイ経路表要求を送信し、受信した後に当該経路表に基づいてデータを送信する。タイプが固定タイプである場合、タイプに応じて記憶されている経路表に合わせてデータ送信を行なう。これで一つの送受信の周期が完了する。
<3−3.制御装置8の動作>
図10は本発明の実施形態3に係る制御装置に利用される制御方法のフローチャートである。
先ず、端末側ゲートウェイからメインゲートウェイとの間の全経路表を確立し、当該ゲートウェイ経路表は各経路の遅延時間合計、消費電力合計、経路最適化パラメータδ、および経路優先シリアルナンバー等のパラメータを含む。当該ゲートウェイ経路表の確立方法は実施形態1と同じであり、ここでは説明を省略する。
次に、事前設定あるいはリアルタイムデータ遅延要求に基づいてデータ遅延の閾値を更新する。その後すべてのゲートウェイのデータ遅延時間を収集して、各経路の遅延時間合計を算出し、閾値と比較する。比較後に、経路表から閾値要求を超える経路を削除し、要求を満たす経路を保留する。このときの経路の数が0である場合、エラー情報を送信する。このときの経路の数が1である場合、当該経路の経路優先シリアルナンバーを1にして、経路情報を端末側ゲートウェイに送信する。このときの経路の数が1より大きい場合、ゲートウェイから消費電力合計を収集する。数4に基づいて経路最適化パラメータδを計算する。
数4において、δは経路最適化パラメータ(データ伝送経路の優先度判定パラメータ)で、kは定数で、ΣPは当該経路の消費電力合計を表し、ΣTは当該経路における各転送ゲートウェイの遅延時間合計を表し、Tは基本遅延、即ちすべての経路においてゲートウェイバッファのオーバーフローによる遅延以外のその他の無線通信などの要素による遅延時間であり、数4では定数である。
最後に、端末側ゲートウェイ2が優先度の高いデータ伝送経路を選択してデータ伝送を行なうように、優先度が付加されたゲートウェイ経路表を端末側ゲートウェイ2に送信する。
また、転送ゲートウェイ3〜6の動作は実施形態1と同じであり、ここでは説明を省略する。
<3−4.複数ゲートウェイ通信システムのメッセージ時系列>
以下、複数ゲートウェイ通信システムにおけるメッセージ時系列についてさらに説明する。
<3−4−1.代表的ネットワーク初期化/メッセージ更新時系列>
図11は本発明の実施形態3に係る複数ゲートウェイ通信システムの代表的ネットワーク初期化/メッセージ更新の時系列図である。
ネットワークの初期化あるいはネットワークの更新が開始すると、先ず制御装置8よってマルチキャストメッセージ送信を行ない、当該メッセージには本ネットワークのIDおよびゲートウェイパラメータの要求が含まれている。当該メッセージを受信したゲートウェイはメッセージを応答し、端末側ゲートウェイ2の応答メッセージにはゲートウェイのID、記憶されている三つのデータタイプの閾値、およびチャネル品質指標CQIが含まれており、転送ゲートウェイ3〜6の応答メッセージにはゲートウェイのID、ゲートウェイの遅延時間Tおよびチャネル品質指標CQIの値が含まれている。
制御装置8は所定時間を待ってから、メッセージを応答したゲートウェイが本ネットワークのすべてのゲートウェイであると見なし、その後に端末側ゲートウェイ2のために全経路表を確立し、端末側ゲートウェイ2から送信された三つのデータタイプの閾値に基づいて、それぞれ初期ゲートウェイ経路表の確立を行なう。その後に初期ゲートウェイ経路表を端末側ゲートウェイ2に送信する。
端末側ゲートウェイ2は初期ゲートウェイ経路表を受信した後に、自身のメモリに記憶しておく。その後端末側ネットワークの更新を行ない、新しい端末装置のアクセスオンがあるかどうかあるいは既存の装置のアクセスオフがあるかどうかをチェックする。更新する際に新しい端末1の送信要求があった場合、リンクの確立が必要である。リンクが確立された後に、端末装置はデータを端末側ゲートウェイ2に送信することができ、端末側ゲートウェイ2によってデータ処理が行われ、データ転送のために適切な経路表を選択する。
以上は代表的ネットワーク初期化あるいは更新時のメッセージフローチャートである。ネットワークの運行時にゲートウェイ経路表の更新はもっと柔軟で、制御装置8はコマンドをゲートウェイに送信し、ゲートウェイ3〜6は必要なパラメータをリアルタイムでフィードバックして、経路表の更新と再送信を行なうことも可能である。
図11のフローチャートが完了した後に、ネットワークは運行状態に入る。
<3−4−2.代表的データ転送メッセージ時系列>
図12は本発明の実施形態3に係る複数ゲートウェイ通信システムの代表的データ転送メッセージの時系列図である。
複数ゲートウェイ通信システムが図11に示すプロセスを経て運行状態に入った後に、端末1から端末側ゲートウェイ2に送信したデータが01タイプである場合、端末側ゲートウェイ2はデータの処理と分析を行ない、データタイプ01を取り出して固定タイプと判断する。したがって、記憶されている01タイプゲートウェイ経路表から選択が行われ、経路表に基づいてデータの転送を行なう。図12のゲートウェイ5を例にすると、端末側ゲートウェイ2は経路表に基づいてゲートウェイ5に送信し、ゲートウェイ5は経路表に基づいてメインゲートウェイ7に送信して、端末からメインゲートウェイ7までの全プロセスが完了する。
端末1から端末側ゲートウェイ2に送信したデータが11タイプである場合、端末側ゲートウェイ2はデータの処理と分析を行ない、データタイプ11を取り出して拡張タイプと判断する。したがって、当該フラグビット後の拡張ビット中の実際閾値を継続して取り出し、当該閾値を有する要求を制御装置8に送信する。制御装置8は当該遅延閾値に基づいて、メモリに記憶されているパラメータテーブルの中の最新データを用いて新しいゲートウェイ経路表を計算し、当該算出された経路表を端末側ゲートウェイ2に送信する。端末側ゲートウェイ2は受信したゲートウェイ経路表を今回のデータ送信の経路表と定めて、経路表に基づいてデータ転送を行なう。図12のゲートウェイ3を例にすると、端末側ゲートウェイ2は経路表に基づいてゲートウェイ3に送信し、ゲートウェイ3は経路表に基づいてメインゲートウェイ7に送信して、端末からメインゲートウェイ7までの全プロセスが完了する。
<3−5.効果>
本実施形態3によると、データ伝送経路の先頭ゲートウェイから重要なデータと緊急なデータ(例えばインテリジェントビル制御における火災警報データなど)を受信したときに、要求される遅延閾値に基づいて伝送を行なうことが可能で、重要なデータと緊急なデータの適時伝送を確保できる。
<4.実施形態4>
以下、図13に基づいて本発明の実施形態4について説明する。実施形態4は実施形態3に有効コードレートを追加した実施形態である。
実施形態4において、制御装置および制御装置に利用される制御方法以外は実施形態3と同じであり、ここでは説明を省略する。そのうち、本実施形態4における制御装置の構成は実施形態2の制御装置8’と同じであり(図7を参照)、ここでは説明を省略する。以下、本実施形態4における制御装置8’に利用される制御方法について説明する。
図13は本発明の実施形態4に係る制御装置に利用される制御方法のフローチャートである。図13に示すように、本実施形態4における制御装置8’の動作と実施形態3における動作との異なる点は、経路最適化パラメータ(データ伝送経路の優先度)を計算する際に、当該経路の有効コードレートCRを追加したことである。具体的に、次の数5を利用して経路最適化パラメータδを計算する。
<5.実施例>
以下、図14〜図18に基づいて本発明の二つの実施例について詳しく説明する。
<5−1.実施例1>
本実施例1は上記の実施形態3に基づくものである。
先ず、ネットワーク初期化あるいは更新プロセスにおいて、図11に示すように、最初に制御装置8によりマルチキャストメッセージを送信し、当該メッセージには本ネットワークIDおよびゲートウェイパラメータの要求が含まれている。このときのパラメータ要求はゲートウェイ遅延時間Tとチャネル品質指標CQIである。
次に、ゲートウェイ3〜6は当該マルチキャストメッセージを受信した後に、本ゲートウェイのID、ゲートウェイの遅延時間Tおよびチャネル品質指標CQIの値を応答する必要がある。CQIの値はゲートウェイ3〜6の予め設置された値から取得し、固定値である。遅延時間Tはバッファ内のデータ量に基づいてリアルタイムに更新する。実例データと計算過程は次の表3に示すとおりである。
表3において、ゲートウェイ3〜6はリアルタイムに自身のバッファ内データ量とハードウェア固有の処理速度を取得することが可能であり、次の数6によって計算を行なう。
数6において、単位定数nを1として、本ゲートウェイの遅延時間Tを求め、当該データを制御装置8にリアルタイムで送信する。
同時に、端末側ゲートウェイ2の応答メッセージにはゲートウェイのID、記憶されている三つのデータタイプの閾値およびチャネル品質指標CQIが含まれている。
その次に、制御装置8は所定時間を待ってから、メッセージを応答したゲートウェイが本ネットワークの各データ伝送経路におけるすべてのゲートウェイであると確認する。本実施例においてはゲートウェイ3〜6である。その後に制御装置8は最初に端末側ゲートウェイ2のゲートウェイ経路表を確立し、すべての経路を列挙する。その後に受信されたゲートウェイメッセージに基づいてその遅延時間を記憶し、各ゲートウェイのCQIパラメータに基づいてゲートウェイ間のチャネル周波数と電力を選択し、これにより各ゲートウェイ間の単位データを送信する消費電力を得る。
図14は本発明の実施例1に係る複数ゲートウェイ通信システムのパラメータ付きのネットワークモデル図である。図において、得られたPとTパラメータは対応する電力パラメータテーブルと遅延パラメータテーブルの中に表示されている。
表4に示す電力パラメータテーブルは二つのゲートウェイ間の単位データを送信する消費電力であり、表において、第一行はゲートウェイ間の送信を示し、第二行は消費電力数値を示す。例えば、第二列の2−3はゲートウェイ2とゲートウェイ3の間の単位データ伝送に必要な消費電力が1ミリワットであることを表す。第三列の2−4はゲートウェイ2とゲートウェイ4の間の単位データ伝送に必要な消費電力が1ミリワットであることを表す。表に表示されていないのは二つのゲートウェイの間が遠く離れているかあるいはチャネル品質がマッチングしないため、通信を行なうことができないことを意味する。例えば、3−5あるいは3−6がそのケースである。
表5に示す遅延パラメータテーブルは、当該ゲートウェイを経由する、バッファ内の既存の一定量のデータの処理待ちによるデータ遅延である。第一行はゲートウェイIDで、第二行は遅延時間である。例えば、第二列はゲートウェイ3のこの時点での遅延時間が4ミリ秒であることを示す。
前記ゲートウェイ情報収集が完了した後に、ゲートウェイ経路表の計算過程に進む。制御装置8は端末側ゲートウェイ2から送信された三つのデータタイプの閾値に基づいて、図10に示す動作を行い、異なる閾値の下で初期ゲートウェイ経路表の計算を三回に分けて行なう。図10に使用する数式の定数kは本実施例において1に設定する。その後三つの初期ゲートウェイ経路表を端末側ゲートウェイ2に送信する。表6は遅延閾値が12ミリ秒のときのゲートウェイ経路表である。
端末側ゲートウェイ2が初期ゲートウェイ経路表を受信した後に、自身のメモリに記憶しておく。その後端末側ネットワーク更新を行ない、新しい端末装置のアクセスオンがあるどうかあるいは既存の装置のアクセスオフがあるかどうかをチェックする。本実施例において、更新する際に新しい端末1の送信要求があった場合、リンクの確立が必要になる。リンクが確立された後に、端末1はデータを端末側ゲートウェイ2に送信することができ、端末側ゲートウェイ2によってデータ処理が行われ、データ転送のために適切な経路表を選択する。
以上は端末1から送信されたデータが固定データである場合のデータ転送方法である。端末1が幾つかの緊急なデータ、例えばインテリジェントビル制御における火災警報のようなデータを送信する必要がある場合は、もっと厳格な遅延閾値要求を考慮する必要がある。図8のデータフォーマットに示すように、データタイプが11である場合、拡張データを示し、データ遅延ヘッダにおけるペイロードビットによりリアルタイム閾値要求を取得し、ゲートウェイ経路表を更新することができる。そのメッセージプロセスは図12に示すとおりである。
当該ゲートウェイ経路表の更新方法は同じく図10の動作を使用し、閾値判断のモジュール内から閾値を満足させない経路を削除し、残された経路に対して経路最適化パラメータδの計算を行なう。本実施例においては、遅延閾値を5msに設定し、T自身の0.5msを引いて、ΣTの値が4.5ms以下である。このパラメータに基づいて表7に示すゲートウェイ経路表を得ることができる。
表7にはデータタイプが11(データ遅延閾値が5ms)であるときのゲートウェイ経路表を示し、このとき経路3と経路4は遅延合計が遅延閾値要求を超えたため、当該経路の経路優先シリアルナンバーを空にし、適用できないことを示す。残りの経路1、経路2と経路5はいずれも遅延要求を満足し、経路最適化パラメータに基づいて優先シリアルナンバーを順次並べ、完了した後に、このテーブルは端末側ゲートウェイ2に送信される。
表7のゲートウェイ経路表の使用過程において、端末側ゲートウェイ2の表に基づいて抽出した優先度が最も高い経路に故障が発生した場合、ゲートウェイ経路表が更新されるまで優先度が二番目に高い経路を選択る。図15は本発明の実施例1に係る複数ゲートウェイ通信システムにおいて最適経路に故障が発生したときのネットワークモデル図である。図15に示すように、ゲートウェイ2が選択すべき優先度が最も高い経路に故障が発生したため、優先度が二番目に高い経路2を選択してデータ転送を行なう。
<5−2.実施例2>
本実施例2は実施形態4に基づくものである。実施形態3に基づいた実施例1から分るように、端末側ゲートウェイ2がメインゲートウェイ7と直接通信可能な場合、その他のゲートウェイの遅延がないため、当該直接経路は常に高い優先度を有する。しかし、端末側ゲートウェイ2がメインゲートウェイ7から遠く離れた場合、一定のデータ信頼性を満たすために、大量の前方誤り訂正符号が必要になり、通信効率が下がり、通信時間が増えることになる。そのため、本実施例2においてはもう一つのパラメータである有効コードレートCRを加えてゲートウェイ経路表をさらに最適化する。
ネットワークの初期化あるいは更新過程において、図11に示すように、先ず制御装置8’によりマルチキャストメッセージを送信し、当該メッセージには本ネットワークのIDおよびゲートウェイパラメータの要求が含まれている。このときのパラメータ要求はゲートウェイ遅延時間Tとチャネル品質指標CQIである。
次に、ゲートウェイ3〜6は当該マルチキャストメッセージを受信した後、本ゲートウェイのID、ゲートウェイ遅延時間Tおよびチャネル品質指標CQIの値を応答する必要がある。CQIの値はゲートウェイ3〜6の予め設置された値から取得し、固定値である。遅延時間Tはバッファ内のデータ量に基づいてリアルタイムに更新する。実例データと計算過程は実施例1と同じである。
同時に、端末側ゲートウェイ2の応答メッセージは変わらず、ゲートウェイのID、すでに記憶されている三つのデータタイプの閾値およびチャネル品質指標CQIを含む。
その次に、制御装置8’は所定時間を待ってから、メッセージを応答したゲートウェイが本ネットワークのすべてのゲートウェイであることを確認する。本実施例においてはゲートウェイ3〜6である。その後に制御装置8’は先ず端末側ゲートウェイ2のゲートウェイ経路表を確立し、すべての経路を列挙する。その後受信されたゲートウェイメッセージに基づいてその他の遅延時間を記憶し、各ゲートウェイのCQIパラメータに基づいてゲートウェイ間のチャネル周波数と電力を選択し、これにより各ゲートウェイ間の単位データを送信する消費電力を得る。さらにCQIの値と予め記憶されたメインゲートウェイのデータ信頼性要求に基づいて、有効コードレートCRを収集する。
図16は本発明の実施例2に係る複数ゲートウェイ通信システムのパラメータ付きのネットワークモデル図である。実施例1と同じく、得られたPとTパラメータは対応する電力パラメータテーブルと遅延パラメータテーブルに表示する。有効コードレートは次の表8に示すとおりである。
前記ゲートウェイ情報収集が完了した後に、ゲートウェイ経路表の計算過程に進む。制御装置8’は端末側ゲートウェイ2から送信された三つのデータタイプの閾値に基づいて、図10示す動作にしたがって、異なる閾値の下で初期ゲートウェイ経路表の確立を三回に分けて行なう。その後三つの初期ゲートウェイ経路表を端末側ゲートウェイ2に送信する。
同様に、端末側ゲートウェイ2は初期ゲートウェイ経路表を受信した後に、自身のメモリに記憶しておく。その後端末側ネットワークの更新を行ない、新しい端末装置のアクセスオンがあるかどうかあるいは既存の装置のアクセスオフがあるかどうかをチェックする。本実施例においては、更新する際に新しい端末1の送信要求があった場合、リンクの確立が必要である。リンクが確立された後、端末1はデータを端末側ゲートウェイ2に送信することができ、端末側ゲートウェイ2によってデータ処理が行われ、データ転送のために適切な経路表を選択する。
<5−3.実施例1と実施例2の比較>
実施例1の表6と実施例2の表9を比較すると、条件が同じである場合、CR値を加えた後に優先度の順位に変化が生じたことが分る。端末側ゲートウェイ2からメインゲートウェイ7の間の直接経路1の優先度が下がり、最も高い優先度から最も低い優先度に変わり、これにより端末側ゲートウェイ2とメインゲートウェイ7が遠く離れることによって発生する通信効率の低下を防止することができる。
さらに実施例1と実施例2の総遅延と消費電力について比較する。比較し易くするために、実施例1と実施例2における各経路が送信するデータパケットサイズが同じだとすると、それぞれのデータパケットを成功に送信するに必要な総消耗時間の計算式が得られる。
上記の数7により、各経路の総消耗時間を算出ことができる。図17は本発明の実施例1と実施例2における総遅延の比較図である。図17には、実施例1と実施例2の最適経路および二番目最適経路が、データパケットサイズが1で、Tが1msをとる際の総消耗時間が表示されている。図17示すように、CRパラメータを考慮した後の実施例2の二本の経路の総消耗時間がいずれも実施例1より小さい。これにより、CRパラメータの加入によってゲートウェイ経路表をさらに最適化できることが分る。
その後単位データパケットの送信に必要な消費電力を比較し、上述で得られた各経路の総消費電力および表6と表9に示す各経路の単位時間当たりの総消費電力ΣPに基づいて、次の数8によって各経路の単位データパケットの送信に必要な総消費電力を算出することができる。
図18は本発明の実施例1と実施例2における総消費電力の比較図である。図18において、単位サイズデータパケットを送信するとし、単位をmWにする。図18に示すように、CRパラメータを考慮した後の実施例2の最適経路の総消費電力は実施例1より遥かに小さく、二番目最適経路の消費電力は実施例1とあまり変わらない。これにより、CRパラメータの加入によってゲートウェイ経路表がさらに最適化できることが分る。
以上においては本発明の幾つかの代表的な実施形態と実施例について説明したが、本発明はこれに限らず、様々な変形と組み合せも可能である。本発明の主旨を超えない範囲内での変形と組み合わせはいずれも本発明の範囲内に含まれる。

Claims (8)

  1. ゲートウェイを経由してデータを伝送する複数のデータ伝送経路が存在する複数ゲートウェイ通信システム用の制御装置であって、
    データ伝送経路における隣接ゲートウェイ間の消費電力を収集するチャネル品質測定モジュールと、
    ゲートウェイとデータ通信を行ない、データ伝送経路における各ゲートウェイのデータ遅延を収集する通信インターフェースと、
    複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表、前記チャネル品質測定モジュールにより収集した消費電力、および前記通信インターフェースにより収集したデータ遅延を記憶するメモリと、
    前記メモリに記憶されている消費電力とデータ遅延に基づいて、前記メモリに記憶されているゲートウェイ経路表におけるデータ伝送経路に対して優先度を付加するプロセッサと、を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 前記チャネル品質測定モジュールはさらに、データ伝送経路の有効コードレートを収集し、
    前記メモリはさらに、前記チャネル品質測定モジュールにより収集した有効コードレートを記憶し、
    前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている消費電力、データ遅延および有効コードレートに基づいて、前記メモリに記憶されているゲートウェイ経路表におけるデータ伝送経路に対して優先度を付加することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記通信インターフェースは、データ伝送経路の先頭ゲートウェイから当該先頭ゲートウェイにより収集したデータに要求されたデータ遅延閾値を受信し、
    前記プロセッサは、前記通信インターフェースから受信したデータ遅延閾値に基づいて、前記メモリに記憶されているゲートウェイ経路表から遅延合計が当該データ遅延閾値より大きいデータ伝送経路を削除し、ゲートウェイ経路表に残されているデータ伝送経路に対して優先度を付加することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記先頭ゲートウェイにより収集したデータは、前記データ遅延閾値によって、拡張タイプと固定タイプに分類され、
    前記プロセッサは、固定タイプのデータに対して、優先度が付加されたゲートウェイ経路表を予め確立し、
    前記プロセッサは、拡張タイプのデータに対して、前記先頭ゲートウェイから前記通信インターフェースに送信するネットワーク経路表要求におけるデータ遅延閾値に基づいて、予め確立された前記ゲートウェイ経路表から遅延合計が当該データ遅延閾値より大きいデータ伝送経路を削除し、ゲートウェイ経路表に残されているデータ伝送経路に対して優先度を新たに付加し、前記通信インターフェースを介して優先度が新たに付加されたゲートウェイ経路表を前記先頭ゲートウェイに送信することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  5. ゲートウェイ経由でデータを伝送する複数のデータ伝送経路が存在する複数ゲートウェイ通信システム用の制御方法であって、
    データ伝送経路における隣接ゲートウェイ間の消費電力を収集する消費電力収集ステップと、
    データ伝送経路における各ゲートウェイのデータ遅延を収集するデータ遅延収集ステップと、
    前記消費電力ステップで収集した消費電力と前記データ遅延収集ステップで収集したデータ遅延に基づいて、複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表におけるデータ伝送経路に対して優先度を付加する経路表最適化ステップと、を含むことを特徴とする制御方法。
  6. データ伝送経路の有効コードレートを収集する有効コードレート収集ステップをさらに含み、
    前記経路表最適化ステップは、前記消費電力収集ステップで収集した消費電力、前記データ遅延収集ステップで収集したデータ遅延、および前記有効コードレート収集ステップで収集した有効コードレートに基づいて、複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表におけるデータ伝送経路に対して優先度を付加することを特徴とする請求項5に記載の制御方法。
  7. データ伝送経路の先頭ゲートウェイから当該先頭ゲートウェイにより収集したデータに要求されたデータ遅延閾値を受信するデータ遅延閾値受信ステップをさらに含み、
    前記経路表最適化ステップは、前記データ遅延閾値受信ステップで受信したデータ遅延閾値に基づいて、複数のデータ伝送経路を含むゲートウェイ経路表から遅延合計が当該データ遅延閾値より大きいデータ伝送経路を削除し、ゲートウェイ経路表に残されているデータ伝送経路に対して優先度を付加することを特徴とする請求項5または6に記載の制御方法。
  8. 前記先頭ゲートウェイにより収集したデータは、前記データ遅延閾値によって、拡張タイプと固定タイプに分類され、
    前記経路表最適化ステップは、固定タイプのデータに対して、優先度が付加されたゲートウェイ経路表を予め確立し、
    前記経路表最適化ステップはさらに、拡張タイプのデータに対して、データ遅延閾値受信ステップで受信した前記先頭ゲートウェイからのネットワーク経路表要求におけるデータ遅延閾値に基づいて、予め確立された前記ゲートウェイ経路表から遅延合計が当該データ遅延閾値より大きいデータ伝送経路を削除し、ゲートウェイ経路表に残されているデータ伝送経路に対して優先度を新たに付加し、優先度が新たに付加されたゲートウェイ経路表を前記先頭ゲートウェイに送信することを特徴とする請求項7に記載の制御方法。
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