『第1の実施の形態』
(画像処理装置の構成)
図1に示される如く、第1の実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。図1では、2台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC21に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC21から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
図2には、第1の実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。
画像処理装置10は、筐体10Aによって覆われており、適宜個所に開閉可能な扉が設けられている。一例として、図2の前面の扉10Bを図示するが、例えば、左右の側面にも扉が存在する場合がある。この扉10Bは、例えば、紙詰まり、消耗品の交換、定期点検等、装置内部に作業者が手を差し延べて作業する場合に開放されるものであり、通常処理中は閉止されている。
この扉10Bの開閉動作軌跡上には、当該扉10Bの開閉状態を検出する開閉検出スイッチ14Aが設けられている。この開閉検出スイッチ14Aは、図4に示すインターロック部14のための必須の部材である。インターロック部14では、前記開閉検出スイッチ14Aからの出力信号に基づいて、前記扉10Bが開放されたことを判別すると、インターロック部14に設けられ、機械的動作によって接点が切り替わるリレースイッチ14RLYを動作させて、外部からの電力供給を遮断(後述する商用電源242(図3,図4参照)からの電力供給を遮断)するようになっている。
リレースイッチ14RYLは、前記接点が切り替わるスイッチ部と、このスイッチ部に対面して配置されるコイル部とを備えている。コイル部には、前記開閉検出スイッチ14Aからの出力信号に応じて、電流が流れたり、流れないように回路が組み込まれている(一次側回路)。コイル部に電流が流れたときと、流れないときとで前記スイッチ部の接点が機械的動作によって切り替わり、電力供給ライン(二次側回路)が接続、或いは遮断される。
画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
(画像処理装置の制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。なお、UIタイッチパネル216には、UIタッチパネル用バックライト部(図4参照)が取り付けられている場合がある。
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とはバス33Eで接続されている。電源装置202は、商用電源242から電力の供給を受けている。電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給遮断(スリープモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
また、メインコントローラ200には、2個の人感センサ(第1の人感センサ28、第2の人感センサ30)が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この第1の人感センサ28、第2の人感センサ30については後述する。
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される処理部(「負荷」、「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。第1の実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給が可能でとなっている(部分節電)。
なお、処理部単位の部分節電は一例であり、処理部をいくつかのグループに分類しグループ単位で節電の制御を行ってもよいし、処理部を一括して節電の制御を行ってもよい。
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD、DVD、BD(ブルーレイディスク)、USBメモリ、SDメモリ等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、計時を行うものである(以下、「システムタイマ」という場合がある)。
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(図4の点線参照)。なお、図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、インターロックぶ14を介して、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、接点切り替え動作に機械的動作を伴うリレースイッチであることが好ましく、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。なお、このSW−1は、前記インターロック部14に設けられるリレースイッチ14RLYに相当する。
また、第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモーター等で使用される電源である。
第2の電源部250の24V電源部250H(LVPS2)及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266に接続されている。
画像読取部電源供給部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
画像形成部電源供給部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
ファクシミリ通信制御回路電源供給部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第4のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−4」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
UIタッチパネル電源供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)に接続されている。なお、UIタッチパネル216の本来の機能(バックライト部216BLを除く機能)へは、節電中監視制御部24から電源を供給可能としてもよい。
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部250Hと5V電源部250Lが供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置202でなく、電源供給先の各デバイス内に配置されても良い。
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。
図7は、上記電源装置202における各デバイス等への電力供給線に特化した配線図である。言い換えれば、図7では信号の送受信の関係については省略しているが、配線構造は、上記図3及び図4で説明した配線となっているので、詳細な配線構造については省略し、以下、第1の実施の形態における特徴部分について説明する。
図7に示される如く、電源装置202の第1の電源部248は、電源供給制御回路252を常時通電状態としている。
この電源供給制御回路252は、節電中監視制御部24に常時電力を供給している。これにより、例えば、メインコントローラ200に電力供給がなされていない状態(スリープモード)であっても、節電中監視制御部24には電力が供給されることになり、判別制御部として機能を持つ。
節電中監視制御部24からは、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30、節電制御ボタン26(単に、「節電ボタン26」という場合がある。)に電力が供給されるようになっており、その電力供給時期は、節電中監視制御部24の制御に依存される。
また、節電中監視制御部24は、ファクシミリ通信制御回路236、UI制御回路214に電力を供給している。これらは、スリープモード中であっても、ファクシミリ受信やサーバープリント等、外部からの入力信号を受け付ける可能性があるものである。
また、電源装置202の第2の電源部250は、選択的に、UIタッチパネル用バックライト216BL、ICカードリーダ217、画像読取部238、画像形成部240へ電力を供給するようになっている。それぞれへの電力供給は、電源供給制御回路252に依存する。
(画像処理装置の状態遷移のための監視制御)
ここで、第1の実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある。これらを総称して「スリープモード(節電モード)」という場合がある(図5参照)。
スリープモードは、例えば、画像処理が終了した時点でシステムタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記システムタイマが起動してから所定時間経過することで電力供給を停止させている。なお、予め定められた一定時間(例えば、図9のステップ104に相当)が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、スリープモードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からシステムタイマが起動される。
一方、上記スリープモード中において、常に電力の供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等で構成することができる。
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、電源供給制御回路252を介して、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力を供給を行なうことが前提である。
また、メインコントローラ200のI/O210には、節電制御ボタン26が接続されており、節電中に使用者がこの節電制御ボタン26を操作することで、節電が解除可能となっている。なお、この節電制御ボタン26には、処理部に電力が供給されているときに操作されることで、当該処理部の電力供給を強制的に遮断し、節電状態にする機能を持たせてもよい。
ここで、スリープモードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電制御ボタン26や各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが好ましい。すなわち、電力非供給状態であるスリープモードであっても、予め定めた電力以下(例えば、0.5W以下)であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける場合がある。このときの電力供給元は、商用電源242に限定されるものではなく、蓄電池、ソーラー電池や、商用電源242から電力が供給されているときに充電される充電器等であってもよい。
なお、スリープモードの特定の期間(図5に示すアウェイクモード(awk)において、UIタッチパネル216やICカードリーダー217等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給を含む(バックライト部216BLを除く、或いは照度を通常よりも減らすことが好ましい)。
ところで、スリープモード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電制御ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
そこで、第1の実施の形態では、前記節電中監視制御部24に、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を設置すると共に、スリープモードでは、使用者が節電制御ボタン26を操作(押圧等)する前に人感センサ(第1の人感センサ28、第2の人感センサ30)で検知して早期に電力供給を再開して、使用者が、節電制御ボタン26を操作して使用を開始するよりも早く使えるようにした。なお、節電制御ボタン26と第1の人感センサ28、第2の人感センサ30とを併用しているが、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30のみで全ての監視を行うことも可能である。
図4に示される如く、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、検出部28A、30Aと回路基板部28B、30Bとを備えており、回路基板部28B,30Bは、検出部28A、30Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、「人感」としているが、これは、第1の実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が検知(「検出」と同義である)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の検知も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も検知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して検知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。以下では、移動体、人、使用者等は、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が検出する対象として同義として扱い、必要に応じて区別することとする。
第1の実施の形態に係る第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲において、移動体の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(焦電型センサ)。第1の実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを適用している。
この第1の人感センサ28に適用された焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、検出領域が広いことである。また、移動体の動きを検知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
なお、第1の実施の形態における「静止」とは、スチルカメラ等で撮影した静止画のように完全静止も当然含まれるが、例えば、人が画像処理装置10の前に操作を目的として立ち止まることを含むものとする。従って、予め定めた範囲の微動(呼吸に伴う動き等)や、手足、首等を動かすといった場合を静止の範疇とする。
但し、人が画像処理装置10の前で、例えば画像形成や画像読取等の処理を待つ間、その場でストレッチ運動等を行うと、人感センサ28では、人の存在を検出する場合もある。
従って、当該「静止」を定義して第1の人感センサ28の感度を調整するのではなく、感度は、比較的おおまか、かつ標準的に調整し、当該第1の人感センサ28の検出状態に依存するようにしてもよい。すなわち、第1の人感センサ28が二値信号の内の1つ(例えば、ハイレベル信号)を出力しているときは人が動いていることを示し、第2の第1の人感センサ28の検出領域内に人が存在し、かつ二値信号の内の他の1つ(例えば、ローレベル信号)が出力された場合を静止とすればよい。
一方、第1の実施の形態に係る第2の人感センサ30の仕様は、移動体の有無(存在・不存在)を検出するものが適用されている。この第2の人感センサ30に適用されるセンサは、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である(反射型センサ)。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
この第2の人感センサ30に適用された反射型センサ等の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって移動体の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30として、以下に示す機能をそれぞれ達成することが可能であれば、第1の人感センサ28として焦電型センサや、第2の人感センサ30として反射型センサに限定されるものではない。
ここで、第1の実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30により、2つの領域(図6の第1の領域Fと第2の領域N)を設定した。
相対的に遠い検出領域である図6の第1の領域F(単に、「領域F」という場合がある)は、第1の人感センサ28による検出領域であり、遠隔移動体検出手段としての機能を有する。また、相対的に近い検出領域である図6の第2の領域N(単に、「領域N」という場合がある)は、第2の人感センサ30による検出領域であり、近接移動体検出手段としての機能を有する。
第1の人感センサ28の検出領域(図6の第1の領域F参照)は、画像処理装置10が設置されている場所の環境にもよるが、目安として2〜3m程度である。一方、第2の人感センサ30の検出領域(図6の第2の領域N)参照)は、画像処理装置10のUIタッチパネル216やハードキーの操作が可能な範囲であり、目安として0〜0.5m程度である。
図6に示される如く、移動体(使用者)と画像処理装置10との関係は、大きく分けて3形態あり、第1の形態は、人が画像処理装置10に対して、使用目的で操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のA線矢視の動向(Aパターン)参照)、第2の形態は、人が処理装置を使用目的ではないが、操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のB線矢視の動向(Bパターン)参照)、第3の形態は、人が処理装置の操作可能位置まで近づかないが、第1の形態、第2の形態に移行する可能性のある距離まできている形態(図6のC線矢視の動向(Cパターン)参照)である。
第1の実施の形態では、人の動向を少なくとも上記Aパターン〜Cパターンに区別することで、画像処理装置10の状態、特にスリープモードからの電力供給状態へ立ち上げ、或いは電力供給状態からスリープモードへの立ち下げを制御する。
ここで、第1の実施の形態に係るインターロック部14は、商用電源242からの電力供給状態に依存して、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチ14RLYの接点切り替えが発生していた。
特に、第1の人感センサ28を設置したことにより、スリープモードからの立ち上げ、並びにスリープモードへの立ち上げが繰り返されると、当該リレースイッチ14RLYの接点の切り替え回数が増加する。なお、以下では、前記スリープモードを対象とした立ち上げ(電力供給状態)及び立ち下げ(電力遮断状態)を「対」として、「スリープ復帰回数」という場合がある。すなわち、前記立ち上げと立ち下げは、リレースイッチ14RLYの接点の接触、離反を意味するため、この往復動作1回として「スリープ復帰回数」を計数することとする。なお、往路で1回、復路で1回と計数するようにしてもよい。
第1の実施の形態では、日単位に比べて長い期間である月単位、年単位といった観点から、リレースイッチ14RLYの接点切り替え頻度が増えることを防止し、リレースイッチ14RLYの延命化を図っている。より具体的には、図8(B)に示されるように、横軸を画像処理装置10の稼動時間、縦軸をスリープ復帰回数とし、画像処理装置10を同一の期間稼動させた場合において、延命化を図らない場合のスリープ復帰回数を、約25%〜30%軽減することを目的としている(横軸を固定としたときの差)。言い換えれば、軽減後のスリープ復帰回数(図8(B)では、250000回程度)に到達する画像処理装置10の稼動期間を延長することを目的としている(縦軸を固定としてときの差)。
第1の実施の形態では、スリープ移行調整手段1として、前記リレースイッチ14RLY延命化のための手段とし、スリープモードからスタンバイモードへ移行する(立ち上げ)までの時間を調整するようにしている。
(スリープ移行調整手段1)
スリープ移行調整手段1の特徴は、画像処理装置10の稼動時間が増えるのに応じて、スリープ移行時間を延長させる点にある。
図8(A)は、横軸を画像処理装置10の稼働時間、縦軸にスリープ移行時間とした特性図であり、正比例的にスリープ移行時間を長くしている。このスリープ移行調整手段1における正比例的に変化するスリープ移行時間は、後述する、図9のフローチャートのステップ104、ステップ108における一定時間に相当する。
スリープ移行時間は、メインコントローラ200のCPU204において、スリープモードからスタンバイモードへ移行する毎に、当該復帰回数をカウントし、当該カウント毎に1秒延長される。なお、カウント単位、並びに延長時間単位は、限定されるものではなく、例えば、カウント値が100カウントする毎に、スリープ移行時間を10秒延長するようにしてもよい。
このスリープ移行調整手段1では、画像処理装置10の稼動時間中、一切、情報を得る必要はなく、理論的には計算式(y=ax+b)に基づいて、スリープ移行時間を変更していけばよい(実際の処理では、一定カウント毎に一定の時間をスリープ移行時間に加算している処理フローチャートを構築)。また、傾き(上記計算式では、「a」に相当/aは正の数)は、一定であってもよいし、予め基準の傾きに設定しておき、使用者の使用頻度や、人感センサ28、30の精度(誤検出率等)に基づいて、手動で調整する入力手段を設けてもよいし、定期的に自動調整するようにしてもよい。なお、画像処理装置10の稼動時間が増えるのに応じて、スリープ移行時間を延長させるのであれば、一次関数に限らず、二次関数等、数次関数的に変化させてもよい。
以下、第1の実施の形態の作用を説明する。
(画像処理装置10(デバイス)の電力供給制御のモード遷移)
まず、図5に基づき、画像処理装置10における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートを示す。
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、スリープモードとなり、第1の実施の形態では、節電中監視制御部24にのみ電力が供給されている。
ここで、立ち上げ契機(立ち上げトリガの検出、或いはUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
なお、この立ち上げトリガ契機後は、依然としてスリープモードと定義し、UIタッチパネル216のみを起動するようにしてもよいし、或いは、UIタッチパネル216の起動によって、節電中監視制御部24のみの電力供給よりも電力供給量が増加するので、アウェイクモード「awk」(目覚めモード)として定義してもよい(図5の遷移図における、スリープモード範囲の括弧[ ]内参照)。このアウェイクモードでUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
前記立ち上げトリガとは、主として、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、操作者による節電解除操作も立ち上げトリガとしてもよい。
ウォームアップモードは画像処理装置10を迅速に処理可能状態にもっていくため、各モードの内最大の電力消費量となるが、例えば、定着部におけるヒータとしてIHヒータを利用することによって、ハロゲンランプを用いたヒータよりもウォームアップモード時間は、比較的短い時間とされている。
ウォームアップモードによる暖機運転が終了すると、画像処理装置10はスタンバイモードに遷移するようになっている。
スタンバイモードは、文字通り「事に備えて準備が完了している」モードであり、画像処理装置10においては、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。
このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに遷移し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、待機トリガによって画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ遷移する。なお、画像処理後、システムタイマによる計時を開始し、予め定めた時間経過した後に待機トリガを出力し、スタンバイモードへ遷移するようにしてもよい。
このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ遷移し、立ち下げトリガの検出がある、或いは予め定めた時間が経過したとき、スリープモードへ遷移するようになっている。
なお、立ち下げトリガとは、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、システムタイマを併用してもよい。
また、画像処理装置10における実際の動作におけるモード状態の遷移が、全てこのタイミングチャートのとおり時系列で進行するものではない。例えば、ウォームアップモード後のスタンバイモードで処理が中止され、スリープモードへ移行する場合もある。
ここで、電力の供給を受けて動作する各デバイスは、図5におけるスリープモードからアウェイクモード、ウォームアップモードを経てスタンバイモードへ遷移することで、それぞれの処理を即時に実行可能となる。
このように、第1の実施の形態の画像処理装置10は、モードの間を相互に遷移しており、各モード毎に電力供給量が異なっている。
第1の実施の形態の画像処理装置10では、予め定められた条件(例えば、人感センサ30による移動体(使用者)立ち去り情報、或いはシステムタイマのタイムアップによる立ち下げトリガ出力)が揃うと、スリープモードへ移行する。このスリープモードでは、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスのみならず、節電中監視制御部24を除くメインコントローラ200、並びにUIタッチパネル216に対しても電力供給を遮断する。この場合、メインコントローラ200に接続されている節電制御ボタン26の機能も停止されることが好ましい。このため、周囲から画像処理装置10を見ると、メイン電源スイッチが切られている状態とほぼ同等の状態となる。すなわち、スリープモードが確実に実行されていることが、周囲から確認可能な状態となる(「見える化」の実現)。
画像処理装置10のデバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)に関しては、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30に基づき、省エネ性及び利便性という二律背反の目的を相互に考慮し、適正なモード遷移(特に、スリープモードからの立ち上げ、並びにスリープモードへの立ち下げ)を行っている。この場合、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30等の検出系については、常時、電力が供給される前提となっている。なお、第1の人感センサ28のみを常時電力供給対象とし、この第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出した時点で、第2の人感センサ30に電力を供給するようにしてもよい。
(スリープモード遷移制御)
以下、図9のフローチャートに従い、スリープモードからの立ち上げ、スリープモードへの立ち下げに特化した制御の流れを示す。なお、この図9では、立ち上げについては、人感センサ28の検出で行い、立ち下げについては、前述した人感センサ30の検出状態の併用を省略してシステムタイマの計時で行うこととする。
図9は、スリープモード遷移時実行制御ルーチンであり、ステップ100では、人感センサ28で移動体(使用者)を検出したか否かが判断され、否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
ステップ100で肯定判定されると、ステップ102へ移行して、モードをスタンバイモードへ移行するべく、リレースイッチ14RLYをオンとして、メインコンバータ250を復帰させ、ステップ104へ移行する。
ステップ104では、一定時間内に、例えばUIタッチパネル216等、画像処理装置10が操作されたか否かが判断される。
このステップ104で否定判定、すなわち、一定時間、何ら操作がなかった場合には、ステップ110へ移行してスリープモードへ移行して、このルーチンは終了する。
また、ステップ104で肯定判定された場合は、ステップ106へ移行して当該操作に基づく処理の監視を実行する。すなわち、実際に処理を実行するのは各デバイスであり、その処理を制御するのは、メインコントローラ200のCPU204であるため、例えば、本ルーチンが、監視制御部24で行われている場合は、当該処理状態を監視し、処理が終了したことを認識する必要がある。この間、処理が終了すると、デバイスは、スタンバイモードとなる。
次のステップ108では、スタンバイモードに移行してから、一定時間内に、例えばUIタッチパネル216等、画像処理装置10が操作されたか否かが判断される。
このステップ108で肯定判定された場合は、ステップ106へ移行して、上記工程を繰り返す。
また、ステップ108で否定判定、すなわち、一定時間、何ら操作がなかった場合には、ステップ110へ移行してスリープモードへ移行して、このルーチンは終了する。
以上が、スリープモード遷移時実行制御であり、基本的には、この図9のフローチャートによって、スリープモード遷移時期が決定される。
ところで、インターロック部14の回路構成は、商用電源242からの電力供給状態に依存して、電力供給状態で機械的動作を伴って接点が切り替わるリレースイッチ14RLYの接点切り替えが発生する。
すなわち、第1の実施の形態では、人感センサ(特に第1の人感センサ28)を設置したことにより、スリープモードからの立ち上げ、並びにスリープモードへの立ち上げが繰り返される(スリープ復帰回数)。スリープ復帰回数は、リレースイッチ14RLYの接点切り替え数に相当するため、例えば、第1の人感センサ28の誤検出が多いと、不必要にリレースイッチ14RLYの接点切り替え頻度が増える。
そこで、スリープ復帰回数の累積に伴い、スリープモードからスタンバイモードへ移行する(立ち上げ)までの時間を調整するようにしている。
図10は、第1の実施の形態に係るスリープ移行時間調整制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ112では、スリープ復帰があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
また、ステップ112で肯定判定されると、ステップ114へ移行して、スリープ復帰回数をカウントする累積カウンタのカウントアップ(+1)を実行し、ステップ116へ移行する。
ステップ116では、スリープ移行時間調整時期か否かが判断される。第1の実施の形態では、前回の調整時から予め定めたカウント数になったか否かが判断される。この場合の予め定めたカウント数の最小単位は、1カウント毎から可能である。また、最大単位は特に限定されないが、リレースイッチ14RLYの寿命動作回数(50000回〜300000回程度)に基づいて、100カウント〜1000カウント程度毎に調整することが好ましい。
前記ステップ116で否定判定された場合は、スリープ移行時間調整時期ではないと判断し、このルーチンは終了する。また、ステップ116で肯定判定された場合は、スリープ移行時間調整時期であると判断し、ステップ118へ移行する。
ステップ118では、延長時間を読み出す。例えば、前記ステップ116での判定が、1カウント毎であれば読み出される延長時間は1秒から10秒程度、100カウント毎であれば10秒から100秒程度であることが好ましい。
次のステップ120では、ステップ118で読み出された延長時間を、現状のスリープ移行時間に加算して、ステップ122へ移行する。
ステップ122では、新たに設定されたスリープ移行時間を、図9のステップ104、108の一定時間として設定して、このルーチンは終了する。
これを繰り返すことにより、図8(A)に示す、横軸が画像処理装置10の稼働時間、縦軸がスリープ移行時間の特性図は、正比例の関係を持って変化し、この変化に応じて、図8(B)に示すように、横軸を画像処理装置10の稼動時間、縦軸をスリープ復帰回数とし、画像処理装置10を同一の期間稼動させた場合において、延命化を図らない場合のスリープ復帰回数が、約25%〜30%軽減される(横軸を固定としたときの差)。これは、図9のステップ104の否定判定の回数が減少することに起因するものである。
以下に、第1の実施の形態で説明したスリープ移行調整手段1に対する他の実施の形態(スリープ移行調整手段2〜7)を説明する。
『第2の実施の形態』
スリープ移行調整手段2の特徴は、画像処理装置10の稼動時間を区分して、当該区分された期間において、スリープ復帰回数が許容範囲を超えたか否かによって、スリープ移行時間を延長又は短縮させる点にある。
図11(A)は、横軸を画像処理装置10の稼働時間、縦軸にスリープ移行時間とした特性図であり、階段状にスリープ移行時間が増減している。このスリープ移行調整手段2における階段状に変化するスリープ移行時間は、図9のフローチャートのステップ104、ステップ108における一定時間に相当する。
このスリープ移行調整手段2では、メインコントローラ200のCPU204において、スリープモードからスタンバイモードへ移行する毎に、当該復帰回数をカウントしている。
このスリープ移行調整手段2では、画像処理装置10の初期設置からの稼動時間毎(例えば、特定の日毎、週毎、月毎等)に、前記カウント数が、予め設定された基準値(許容値)と比較されるようになっており、当該比較の結果、カウント数が基準値を超えている場合は、スリープ移行時間を延長、又は短縮するように制御する。
このスリープ移行調整手段2では、画像処理装置10の稼動時間中に調整がなされるため、実際のスリープ復帰回数に適したスリープ移行時間を設定することが可能である。
図12は、第2の実施の形態に係るスリープ移行時間調整制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ124では、スリープ復帰があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
また、ステップ124で肯定判定されると、ステップ126へ移行して、スリープ復帰回数をカウントする累積カウンタのカウントアップ(+1)を実行し、ステップ128へ移行する。
ステップ128では、スリープ移行時間調整時期か否かが判断される。第2の実施の形態では、画像処理装置10の初期稼動時(設置時)から、一定期間毎がスリープ移行時間調整時期となる。例えば、極端に言えば、毎日であってもよいし、毎週或いは毎月であってもよい。
前記ステップ128で否定判定された場合は、スリープ移行時間調整時期ではないと判断し、このルーチンは終了する。また、ステップ128で肯定判定された場合は、スリープ移行時間調整時期であると判断し、ステップ130へ移行する。
ステップ130では、スリープ復帰回数のカウント値の基準値CBを読み出し、次いでステップ132へ移行して、現カウント値CAと当該読み出した基準値CBとを比較する。
次のステップ134では、前記比較の結果に基づいて、スリープ移行時間tsを増減する。
例えば、CB>CAの場合は、スリープ移行時間tsに予め定めた補正時間Δtsを加える(ts←ts+Δts)。また、CB<CAの場合は、スリープ移行時間tsから予め定めた補正時間Δtsを減じる(ts←ts−Δts)。なお、CB=CAの場合は、現在のスリープ移行時間tsを維持する(ts←ts)。
次のステップ136では、新たに設定されたスリープ移行時間を、図9のステップ104、108の一定時間として設定して、このルーチンは終了する。
これを繰り返すことにより、図11(A)に示す、横軸が画像処理装置10の稼働時間、縦軸がスリープ移行時間の特性図は、階段状に増減変化し、この変化に応じて、図11(B)に示すように、横軸を画像処理装置10の稼動時間、縦軸をスリープ復帰回数とし、画像処理装置10を同一の期間稼動させた場合において、延命化を図らない場合のスリープ復帰回数が、約25%〜30%軽減される(横軸を固定としたときの差)。これは、図9のステップ104の否定判定の回数が減少することに起因するものである。
『第3の実施の形態』
スリープ移行調整手段3の特徴は、画像処理装置10の稼動時間を区分して、当該区分された期間において、スリープ復帰回数が予め許容範囲を超えたか否か、並びに、その許容範囲を超えた度合い(段数)によって、スリープ移行時間を延長させる点にある。
図13(A)は、横軸を画像処理装置10の稼働時間、縦軸にスリープ移行時間とした特性図であり、階段状にスリープ移行時間が増減している。このスリープ移行調整手段3における階段状に変化するスリープ移行時間は、図9のフローチャートのステップ104、ステップ108における一定時間に相当する。
このスリープ移行調整手段2では、メインコントローラ200のCPU204において、スリープモードからスタンバイモードへ移行する毎に、当該復帰回数をカウントしている。
このスリープ移行調整手段3では、画像処理装置10の初期設置からの稼動時間毎(例えば、特定の日毎、週毎、月毎等)に、前記カウント数が、予め設定された基準値(許容値)と比較されるようになっており、当該比較の結果、カウント数が基準値を超えている場合は、その超えたときの度合いに基づいて設定されている調整量を読み出して、スリープ移行時間を延長するように制御する。
このスリープ移行調整手段3では、画像処理装置10の稼動時間中に調整がなされるため、実際のスリープ復帰回数に適したスリープ移行時間を設定することが可能である。
図14は、第3の実施の形態に係るスリープ移行時間調整制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ138では、スリープ復帰があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
また、ステップ138で肯定判定されると、ステップ140へ移行して、スリープ復帰回数をカウントする累積カウンタのカウントアップ(+1)を実行し、ステップ142へ移行する。
ステップ142では、スリープ移行時間調整時期か否かが判断される。第1の実施の形態では、画像処理装置10の初期稼動時(設置時)から、一定期間毎がスリープ移行時間調整時期となる。例えば、極端に言えば、毎日であってもよいし、毎週或いは毎月であってもよい。
前記ステップ142で否定判定された場合は、スリープ移行時間調整時期ではないと判断し、このルーチンは終了する。また、ステップ142で肯定判定された場合は、スリープ移行時間調整時期であると判断し、ステップ144へ移行する。
ステップ144では、スリープ復帰回数のカウント値における複数の段階的な基準値CB(N)を読み出し(Nは正の整数)、次いでステップ146へ移行して、現カウント値CAと当該読み出した基準値CB(N)とを比較する。
次のステップ148では、前記比較の結果に基づいて、現カウント値CAの位置、すなわち、複数の基準値CB(N)の何れかより上回り、何れかより下回る段数を特定し、次いでステップ150へ移行して、特定された段数に基づいて、スリープ移行時間tsを増減する。
例えば、CB(1)≦CA<CB(2)の場合はスリープ移行時間tsに予め定めた補正時間Δts(0)を加える(ts←ts+Δts(0))。また、CB(2)≦CA<CB(3)の場合はスリープ移行時間tsに予め定めた補正時間Δts(1)を加える(ts←ts+Δts(1))。さらに、CB(n−1)≦CA<CB(n)の場合はスリープ移行時間tsに予め定めた補正時間Δts(n)を加える(ts←ts+Δts(n))。基準値CB(N)は、N値が大きいほど高いレベルであり、その分補正時間Δtsも大きくなるため、予め予測したカウント値との差が大きければ大きいほど、補正時間が多くなる。
次のステップ152では、新たに設定されたスリープ移行時間を、図9のステップ104、108の一定時間として設定して、このルーチンは終了する。
これを繰り返すことにより、図13(A)に示す、横軸が画像処理装置10の稼働時間、縦軸がスリープ移行時間の特性図は、段階的に変化し、この変化に応じて、図13(B)に示すように、横軸を画像処理装置10の稼動時間、縦軸をスリープ復帰回数とし、画像処理装置10を同一の期間稼動させた場合において、延命化を図らない場合のスリープ復帰回数が、約25%〜30%軽減される(横軸を固定としたときの差)。これは、図9のステップ104の否定判定の回数が減少することに起因するものである。
『第4の実施の形態』
スリープ移行調整手段4の特徴は、画像処理装置10の稼動時間が増えるのに応じて、第1の人感センサ28の感度を調整する点にある。
図15(A)は、横軸を画像処理装置10の稼働時間、縦軸を第1の人感センサ28の検出範囲(検出可能領域、以下、検出可能領域を仮想円として半径で示す場合がある。)とした特性図であり、正比例的に第1の人感センサ28の感度を低下させている(傾きがマイナス)。このスリープ移行調整手段4における正比例的に変化する第1の人感センサ28の感度は、図9のフローチャートのステップ100における感度に相当する。
第1の人感センサ28の感度は、メインコントローラ200のCPU204において、スリープモードからスタンバイモードへ移行する毎に、当該復帰回数をカウントし、当該カウント毎に検出可能領域の半径が0.1cm縮小される。なお、カウント単位、並びに縮小領域単位は、限定されるものではなく、例えば、カウント値が100カウントする毎に、検出可能領域の半径を1cm縮小するようにしてもよい。
このスリープ移行調整手段4では、画像処理装置10の稼動時間中、一切、情報を得る必要はなく、理論的には計算式(y=−ax+b)に基づいて、第1の人感センサ28の感度を調整していけばよい(実際の処理では、一定カウント毎に一定の長さだけ半径を縮小する処理フローチャートを構築)。また、傾き(上記計算式では、「−a」に相当/aは正の数)は、一定であってもよいし、予め基準の傾きに設定しておき、使用者の使用頻度や、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30の精度(誤検出率等)に基づいて、手動で調整する入力手段を設けてもよいし、定期的に自動調整するようにしてもよい。なお、画像処理装置10の稼動時間が増えるのに応じて、第1の人感センサ28の感度を低下(検出領域の縮小)させるのであれば、一次関数に限らず、二次関数等、数次関数的に変化させてもよい。
図16は、第4の実施の形態に係るスリープ移行時間調整制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ154では、スリープ復帰があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
また、ステップ154で肯定判定されると、ステップ156へ移行して、スリープ復帰回数をカウントする累積カウンタのカウントアップ(+1)を実行し、ステップ158へ移行する。
ステップ158では、センサ感度調整時期か否かが判断される。第1の実施の形態では、前回の調整時から予め定めたカウント数になったか否かが判断される。この場合の予め定めたカウント数の最小単位は、1カウント毎から可能である。また、最大単位は特に限定されないが、リレースイッチ14RLYの寿命動作回数(50000回〜300000回程度)に基づいて、100カウント〜1000カウント程度毎に調整することが好ましい。
前記ステップ158で否定判定された場合は、センサ感度調整時期ではないと判断し、このルーチンは終了する。また、ステップ158で肯定判定された場合は、センサ感度調整時期であると判断し、ステップ160へ移行する。
ステップ160では、感度減衰率を読み出す。例えば、前記ステップ158での判定が、1カウント毎であれば読み出される感度減衰率は半径が0.1cm〜1.0cm縮小される程度、100カウント毎であれば1cm〜10cm縮小程度であることが好ましい。
次のステップ162では、ステップ160で読み出された感度減衰率に基づいて、第1の人感センサ28の感度を調整し、ステップ164へ移行する。
ステップ164では、新たに設定されたスリープ移行時間を、図9のステップ100の感度として設定して、このルーチンは終了する。
これを繰り返すことにより、図15(A)に示す、横軸が画像処理装置10の稼働時間、縦軸が第1の人感センサ28の検出範囲の特性図は、正比例(傾きがマイナス)の関係を持って変化し、この変化に応じて、図15(B)に示すように、横軸を画像処理装置10の稼動時間、縦軸をスリープ復帰回数とし、画像処理装置10を同一の期間稼動させた場合において、延命化を図らない場合のスリープ復帰回数が、約25%〜30%軽減される(横軸を固定としたときの差)。これは、図9のステップ104の否定判定の回数が減少することに起因するものである。
『第5の実施の形態』
スリープ移行調整手段5の特徴は、画像処理装置10の稼動時間を区分して、当該区分された期間において、スリープ復帰回数が許容範囲を超えたか否かによって、センサ感度を調整する点にある。
図17(A)は、横軸を画像処理装置10の稼働時間、縦軸に第1の人感センサ28の検出範囲とした特性図であり、階段状に第1の人感センサ28の検出範囲が増減している。このスリープ移行調整手段5における階段状に変化する第1の人感センサ28の検出範囲は、図9のフローチャートのステップ100におけるセンサ感度に相当する。
このスリープ移行調整手段2では、メインコントローラ200のCPU204において、スリープモードからスタンバイモードへ移行する毎に、当該復帰回数をカウントしている。
このスリープ移行調整手段5では、画像処理装置10の初期設置からの稼動時間毎(例えば、特定の日毎、週毎、月毎等)に、前記カウント数が、予め設定された基準値(許容値)と比較されるようになっており、当該比較の結果、カウント数が基準値を超えている場合は、第1の人感センサ28の検出範囲を拡大、又は縮小するように制御する。具体的には、センサ感度を調整することで、第1の人感センサ28の検出領域の半径が大きくなる、或いは小さくなる。
このスリープ移行調整手段5では、画像処理装置10の稼動時間中に調整がなされるため、実際のスリープ復帰回数に適したセンサ感度を設定することが可能である。
図18は、第5の実施の形態に係るスリープ移行時間調整制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ166では、スリープ復帰があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
また、ステップ166で肯定判定されると、ステップ168へ移行して、スリープ復帰回数をカウントする累積カウンタのカウントアップ(+1)を実行し、ステップ170へ移行する。
ステップ170では、センサ感度調整時期か否かが判断される。第1の実施の形態では、画像処理装置10の初期稼動時(設置時)から、一定期間毎がセンサ感度調整時期となる。例えば、極端に言えば、毎日であってもよいし、毎週或いは毎月であってもよい。
前記ステップ170で否定判定された場合は、センサ感度調整時期ではないと判断し、このルーチンは終了する。また、ステップ170で肯定判定された場合は、センサ感度調整時期であると判断し、ステップ172へ移行する。
ステップ172では、スリープ復帰回数のカウント値の基準値CBを読み出し、次いでステップ174へ移行して、現カウント値CAと当該読み出した基準値CBとを比較する。
次のステップ176では、前記比較の結果に基づいて、第1の人感センサ28の感度Ssを増減する。
例えば、CB>CAの場合は、第1の人感センサ28の感度Ssに予め定めた補正時間ΔSsを加える(Ss←Ss+ΔSs)。また、CB<CAの場合は、第1の人感センサ28の感度Ssから予め定めた補正時間ΔSsを減じる(Ss←Ss−ΔSs)。なお、CB=CAの場合は、現在の第1の人感センサ28の感度Ssを維持する(Ss←Ss)。
次のステップ178では、新たに設定された第1の人感センサ28の感度Ssを、図9のステップ100の感度として設定して、このルーチンは終了する。
これを繰り返すことにより、図17(A)に示す、横軸が画像処理装置10の稼働時間、縦軸が第1の人感センサ28の検出範囲の特性図は、階段状に増減変化し、この変化に応じて、図17(B)に示すように、横軸を画像処理装置10の稼動時間、縦軸をスリープ復帰回数とし、画像処理装置10を同一の期間稼動させた場合において、延命化を図らない場合のスリープ復帰回数が、約25%〜30%軽減される(横軸を固定としたときの差)。これは、図9のステップ104の否定判定の回数が減少することに起因するものである。
『第6の実施の形態』
スリープ移行調整手段6の特徴は、画像処理装置10の稼動時間を区分して、当該区分された期間において、スリープ復帰回数が予め許容範囲を超えたか否か、並びに、その許容範囲を超えた度合い(段数)によって、センサ感度を調整する点にある。
図19(A)は、横軸を画像処理装置10の稼働時間、縦軸に第1の人感センサ28の検出範囲とした特性図であり、段階的に第1の人感センサ28の検出範囲が減少している。このスリープ移行調整手段6における第1の人感センサ28の検出範囲の変化は、図9のフローチャートのステップ100におけるセンサ感度に相当する。
このスリープ移行調整手段6では、メインコントローラ200のCPU204において、スリープモードからスタンバイモードへ移行する毎に、当該復帰回数をカウントしている。
このスリープ移行調整手段6では、画像処理装置10の初期設置からの稼動時間毎(例えば、特定の日毎、週毎、月毎等)に、前記カウント数が、予め設定された基準値(許容値)と比較されるようになっており、当該比較の結果、カウント数が基準値を超えている場合は、その超えたときの度合いに基づいて設定されている増減量を読み出して、第1の人感センサ28の感度を制御する。具体的には、第1の人感センサ28の検出範囲である、検出領域の半径を調整する。
このスリープ移行調整手段6では、画像処理装置10の稼動時間中に調整がなされるため、実際のスリープ復帰回数に適したスリープ移行時間を設定することが可能である。
図20は、第6の実施の形態に係るスリープ移行時間調整制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ180では、スリープ復帰があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
また、ステップ180で肯定判定されると、ステップ182へ移行して、スリープ復帰回数をカウントする累積カウンタのカウントアップ(+1)を実行し、ステップ184へ移行する。
ステップ184では、センサ感度調整時期か否かが判断される。第1の実施の形態では、画像処理装置10の初期稼動時(設置時)から、一定期間毎がセンサ感度調整時期となる。例えば、極端に言えば、毎日であってもよいし、毎週或いは毎月であってもよい。
前記ステップ184で否定判定された場合は、センサ感度調整時期ではないと判断し、このルーチンは終了する。また、ステップ184で肯定判定された場合は、センサ感度調整時期であると判断し、ステップ186へ移行する。
ステップ186では、スリープ復帰回数のカウント値における複数の段階的な基準値CB(N)を読み出し(Nは正の整数)、次いでステップ188へ移行して、現カウント値CAと当該読み出した基準値CB(N)とを比較する。
次のステップ190では、前記比較の結果に基づいて、現カウント値CAの位置、すなわち、複数の基準値CB(N)の何れかより上回り、何れかより下回る段数を特定し、次いでステップ194へ移行して、特定された段数に基づいて、センサ感度調整時期Ssを増減する。
例えば、CB(1)≦CA<CB(2)の場合はセンサ感度調整時期Ssに予め定めた補正感度ΔS(0)を加える(Ss←Ss+ΔS(0))。また、CB(2)≦CA<CB(3)の場合はセンサ感度調整時期Ssに予め定めた補正感度ΔS(1)を加える(Ss←Ss+ΔS(1))。さらに、CB(n−1)≦CA<CB(n)の場合はセンサ感度調整時期Ssに予め定めた補正感度ΔS(n)を加える(Ss←Ss+ΔS(n))。基準値CB(N)は、N値が大きいほど高いレベルであり、その分補正感度ΔSも大きくなるため、予め予測したカウント値との差が大きければ大きいほど、補正感度が多くなる。
次のステップ194では、新たに設定されたスリープ移行時間を、図9のステップ100のセンサ感度として設定して、このルーチンは終了する。
これを繰り返すことにより、図19(A)に示す、横軸が画像処理装置10の稼働時間、縦軸が第1の人感センサ28の検出範囲の特性図は、段階的に変化し、この変化に応じて、図19(B)に示すように、横軸を画像処理装置10の稼動時間、縦軸をスリープ復帰回数とし、画像処理装置10を同一の期間稼動させた場合において、延命化を図らない場合のスリープ復帰回数が、約25%〜30%軽減される(横軸を固定としたときの差)。これは、図9のステップ104の否定判定の回数が減少することに起因するものである。
『第7の実施の形態』
スリープ移行調整手段7の特徴は、画像処理装置10の稼動時間を区分して、当該区分された期間において、スリープ復帰回数の内、当該スリープ復帰後にUIタッチパネル216等への操作が一切なかった割合、すなわち誤検知率を、予め定めた基準値を超えた場合に、スリープ移行時間を延長(場合によっては短縮)させる点にある。
図21(A)は、横軸を画像処理装置10の稼働時間、縦軸にスリープ移行時間とした特性図であり、階段状にスリープ移行時間が増加している。このスリープ移行調整手段7において調整されるスリープ移行時間は、図9のフローチャートのステップ104、ステップ108における一定時間に相当する。
監視制御部24では、メインコントローラ200のCPU204において、スリープモードからスタンバイモードへ移行する毎に、当該復帰回数をカウントしている。さらに、監視制御部24では、メインコントローラ200のCPU204から稼動情報を取得して、スタンバイモードとなったにも関わらず、UIタッチパネル216等の操作が一切なく、前記スリープ移行時間が経過して、再度スリープモードへ遷移した回数、すなわち誤検知回数を解析して、カウントしている。
また、監視制御部24では、画像処理装置10の初期設置からの稼動時間毎(例えば、特定の日毎、週毎、月毎等)に、前記カウント数が、予め設定された基準値(許容値)と比較されるようになっており、当該比較の結果、カウント数が基準値を超えている場合は、スリープ移行時間を延長、又は短縮するように制御する。
画像処理装置10の稼動時間中に調整がなされるため、実際のスリープ復帰回数に適したスリープ移行時間を設定することが可能である。
図22は、第7の実施の形態に係るスリープ調整制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ300では、スリープ復帰があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
また、ステップ300で肯定判定されると、ステップ302へ移行して、スリープ復帰回数をカウントする累積カウンタのカウントアップ(+1)を実行し、ステップ304へ移行する。
ステップ304では、スリープ移行時間調整時期か否かが判断される。第1の実施の形態では、画像処理装置10の初期稼動時(設置時)から、一定期間毎がスリープ移行時間調整時期となる。例えば、極端に言えば、毎日であってもよいし、毎週或いは毎月であってもよい。
前記ステップ304で否定判定された場合は、スリープ移行時間調整時期ではないと判断し、このルーチンは終了する。また、ステップ304で肯定判定された場合は、スリープ移行時間調整時期であると判断し、ステップ306へ移行する。
ステップ306では、スリープ復帰後の稼動情報を取得し、次いでステップ308へ移行して、当該取得したスリープ復帰跡の稼動情報に基づいて、誤検知率Rfを演算する(Rf(%)=(誤検知回数/スリープ復帰回数)×100)。
次のステップ310では、誤検知率の基準値Rbを読み出し、ステップ312へ移行して、演算した誤検知率Rfが、基準値Rbを超えたか否かが判断される。
ステップ312の判定において、演算した誤検知率Rfが、基準値Rbを超えていないRf<Rb)と判定された場合は、このルーチンは終了する。また、ステップ312の判定において、演算した誤検知率Rfが、基準値Rbを超えている(Rf≧Rb)と判定された場合は、ステップ314へ移行して、スリープ移行時間の延長時間を読み出す。なお、この第7の実施の形態では、1回の延長時間を一定としたが、誤検知率に基づいて延長時間を決定するようにしてもよい。すなわち、誤検知率が高ければ高いほど、延長時間を増やすといった相関関係を持たせてもよい。
次のステップ316では、スリープ移行時間に、前記読み出した延長時間を加算して、ステップ318へ移行する。
ステップ318では、新たに設定されたスリープ移行時間を、図9のステップ104、108の一定時間として設定して、このルーチンは終了する。
これを繰り返すことにより、図21(A)に示す、横軸が画像処理装置10の稼働時間、縦軸がスリープ移行時間の特性図は、段階的に変化し、この変化に応じて、図21(B)に示すように、横軸を画像処理装置10の稼動時間、縦軸をスリープ復帰回数とし、画像処理装置10を同一の期間稼動させた場合において、延命化を図らない場合のスリープ復帰回数が、約25%〜30%軽減される(横軸を固定としたときの差)。これは、図9のステップ104の否定判定の回数が減少することに起因するものである。
『第8の実施の形態』
スリープ移行調整手段8の特徴は、画像処理装置10の稼動時間を区分して、当該区分された期間において、スリープ復帰回数の内、当該スリープ復帰後にUIタッチパネル216等への操作が一切なかった割合、すなわち誤検知率を、予め定めた基準値を超えた場合に、第1の人感センサ28の感度を調整する点にある。
図23(A)は、横軸を画像処理装置10の稼働時間、縦軸を第1の人感センサ28の検出範囲(検出可能領域、以下、検出可能領域を仮想円として半径で示す場合がある。)とした特性図であり、階段状にスリープ移行時間が増加している。このスリープ移行調整手段8において調整第1の人感センサ28の感度は、図9のフローチャートのステップ100における感度に相当する。
監視制御部24では、メインコントローラ200のCPU204において、スリープモードからスタンバイモードへ移行する毎に、当該復帰回数をカウントしている。さらに、監視制御部24では、メインコントローラ200のCPU204から稼動情報を取得して、スタンバイモードとなったにも関わらず、UIタッチパネル216等の操作が一切なく、前記スリープ移行時間が経過して、再度スリープモードへ遷移した回数、すなわち誤検知回数を解析して、カウントしている。
また、監視制御部24では、画像処理装置10の初期設置からの稼動時間毎(例えば、特定の日毎、週毎、月毎等)に、前記カウント数が、予め設定された基準値(許容値)と比較されるようになっており、当該比較の結果、カウント数が基準値を超えている場合は、第1の人感センサ28の感度を調整する。具体的には、第1の人感センサ28の検出領域の半径を段階的に縮小している(なお、場合によっては拡大する場合もある)。
画像処理装置10の稼動時間中に調整がなされるため、実際のスリープ復帰回数に適した第1の人感センサ28の感度を設定することが可能である。
図24は、第8の実施の形態に係るスリープ調整制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ320では、スリープ復帰があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
また、ステップ320で肯定判定されると、ステップ322へ移行して、スリープ復帰回数をカウントする累積カウンタのカウントアップ(+1)を実行し、ステップ324へ移行する。
ステップ324では、センサ感度調整時期か否かが判断される。第1の実施の形態では、画像処理装置10の初期稼動時(設置時)から、一定期間毎がセンサ感度調整時期となる。例えば、極端に言えば、毎日であってもよいし、毎週或いは毎月であってもよい。
前記ステップ324で否定判定された場合は、センサ感度調整時期ではないと判断し、このルーチンは終了する。また、ステップ324で肯定判定された場合は、センサ感度調整時期であると判断し、ステップ326へ移行する。
ステップ326では、スリープ復帰後の稼動情報を取得し、次いでステップ328へ移行して、当該取得したスリープ復帰跡の稼動情報に基づいて、誤検知率Rfを演算する(Rf(%)=(誤検知回数/スリープ復帰回数)×100)。
次のステップ330では、誤検知率の基準値Rbを読み出し、ステップ332へ移行して、演算した誤検知率Rfが、基準値Rbを超えたか否かが判断される。
ステップ332の判定において、演算した誤検知率Rfが、基準値Rbを超えていないRf<Rb)と判定された場合は、このルーチンは終了する。また、ステップ332の判定において、演算した誤検知率Rfが、基準値Rbを超えている(Rf≧Rb)と判定された場合は、ステップ334へ移行して、第1の人感センサ28の感度減衰率を読み出す。なお、この第8の実施の形態では、1回の感度減衰率を一定としたが、誤検知率に基づいて感度減衰率を決定するようにしてもよい。すなわち、誤検知率が高ければ高いほど、感度減衰率を高くするといった相関関係を持たせてもよい。
次のステップ336では、第1の人感センサ28の感度を、前記読み出した感度減衰率に応じて調整し、ステップ338へ移行する。
ステップ338では、新たに設定されたスリープ移行時間を、図9のステップ100の感度として設定して、このルーチンは終了する。
これを繰り返すことにより、図23(A)に示す、横軸が画像処理装置10の稼働時間、縦軸が第1の人感センサ28の検出範囲の特性図は、正比例の関係を持って変化し、この変化に応じて、図23(B)に示すように、横軸を画像処理装置10の稼動時間、縦軸をスリープ復帰回数とし、画像処理装置10を同一の期間稼動させた場合において、延命化を図らない場合のスリープ復帰回数が、約25%〜30%軽減される(横軸を固定としたときの差)。これは、図9のステップ104の否定判定の回数が減少することに起因するものである。
以下、前述した第1の実施の形態から第8の実施の形態までの、調整時期、調整対象、調整要件の対照表を示す(表1参照)。