JP2013020042A - 熱線反射フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱線反射率が高く、ヘイズが低く、可視光領域で高い透過率を有し、かつ耐熱性に優れる熱線反射フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の熱線反射フィルム10は、コレステリック液晶ポリマー層12と、透明基材11とを備え、コレステリック液晶ポリマー層12は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成されたものであり、前記重合性官能基を有する液晶化合物は、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを含み、前記高融点液晶化合物の融点と前記低融点液晶化合物の融点との差が、15℃以上30℃以下であり、前記高融点液晶化合物の融点が、前記透明基材のガラス転移温度以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明な熱線反射フィルムに関する。
地球温暖化防止及び省エネルギーの観点から、ビルディングの窓、ショーウインドウ、自動車の窓面等から太陽光の熱線(赤外線)をカットし、温度を低減させることが広く行われている。熱線カット材料としては、アンチモンドープ酸化錫(ATO)や錫ドープ酸化インジウム(ITO)等を用いたもの(例えば、特許文献1参照。)、金属薄膜の積層膜を用いたもの(例えば、特許文献2参照。)、コレステリック液晶を用いた赤外線反射部材(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。
特開平9−156025号公報 特開平10−309767号公報 特開平4−281403号公報
ATOやITOを用いた熱線カット部材は可視光領域に吸収があることや、熱線のカット方法が熱線吸収タイプであるため、ガラス等に貼合わせて使用した場合に熱割れを引き起こすことがある。また、金属薄膜の積層膜は、熱線のカット方式が反射タイプであり、上記の熱割れを引き起こすことがないが、ビルディングの窓やショーウインドウに使用した場合、電磁波をカットしてしまうので、携帯電話等の通信ができないというが問題点がある。更に、コレステリック液晶を用いた赤外線反射部材は、反射波長が大きくなるに伴い膜厚が増加するので、膜厚が増加することにより液晶の配向性が乱れやすく、反射させたい波長の反射率の低下、ヘイズ値の上昇による可視光領域での透過率の低下といった問題を有している。
本発明は、反射波長が大きくなっても液晶の配向が乱れないコレステリック液晶を用いた熱線反射フィルムを提供する。
本発明の熱線反射フィルムは、コレステリック液晶ポリマー層と、透明基材とを含む熱線反射フィルムであって、前記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成されたものであり、前記重合性官能基を有する液晶化合物は、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを含み、前記高融点液晶化合物の融点と前記低融点液晶化合物の融点との差が、15℃以上30℃以下であり、前記高融点液晶化合物の融点が、前記透明基材のガラス転移温度以上であることを特徴とする。
本発明によれば、熱線反射率が高く、ヘイズが低く、可視光領域で高い透過率を有し、かつ耐熱性に優れる熱線反射フィルムを提供できる。
図1は、本発明の熱線反射フィルムの一例を示す概略断面図である。
本発明の熱線反射フィルムは、コレステリック液晶ポリマー層と、透明基材とを備える。上記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成されたものである。また、上記重合性官能基を有する液晶化合物は、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを含み、上記高融点液晶化合物の融点と上記低融点液晶化合物の融点との差は、15℃以上30℃以下であり、上記高融点液晶化合物の融点は、上記透明基材のガラス転移温度以上である。
上記構成とすることにより、本発明の熱線反射フィルムは、反射波長が大きくなって膜厚が増加しても、液晶の配向性の乱れが生じない。この結果、熱線反射率が高く、ヘイズも上昇しないので、可視光領域での高い透過率を有する。また、本発明の熱線反射フィルムは、上記高融点液晶化合物の融点が上記透明基材のガラス転移温度以上であるので、耐熱性にも優れる。
以下、本発明の熱線反射フィルムを図面に基づき説明する。
図1は、本発明の熱線反射フィルムの一例を示す概略断面図である。図1において、本発明の熱線反射フィルム10は、透明基材11と、コレステリック液晶ポリマー層12とを備えている。
<コレステリック液晶ポリマー層>
コレステリック液晶ポリマーは、棒状分子であるネマチック液晶化合物に少量の光学活性化合物(キラル剤)を添加することにより得ることができる。このコレステリック液晶ポリマーは、ネマチック液晶化合物が幾重にも重なる層状の構造を有している。この層内では、それぞれのネマチック液晶化合物が一定方向に配列しており、互いの層は化合物の配列方向が螺旋状になるように集積している。そのため、コレステリック液晶ポリマーは、この螺旋のピッチに応じて、特定の波長の光のみを選択的に反射することができる。
通常のコレステリック液晶は、温度により螺旋のピッチが変わり、反射する光の波長が変わるという特徴がある。ここで、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを含有する組成物を、液晶状態で均一にさせた後、液晶状態を保持したまま紫外線等の活性エネルギー線を照射すると、液晶化合物の配向状態を半永久的に固定化したコレステリック液晶ポリマーを含有する層を作製することが可能となる。このようにして得られたコレステリック液晶ポリマー層は、温度によって反射する光の波長が変わることがなく半永久的に反射波長を固定化することが可能となる。
このようにして得られたコレステリック液晶ポリマー層は、コレステリック液晶旋光性を有することから、円偏光の回転方向と波長が、液晶分子の回転方向と螺旋ピッチと等しい場合、その光を透過せずに反射する。通常、太陽光は、右螺旋と左螺旋の円偏光から合成されている。そのため、旋光性の向きが右螺旋のキラル剤を用いて特定の螺旋ピッチとしたコレステリック液晶ポリマー層と、旋光性の向きが左螺旋のキラル剤を用いて特定の螺旋ピッチとしたコレステリック液晶ポリマー層とを積層させることにより、選択反射波長での反射率をより高くすることができる。
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成されたものであり、上記重合性官能基を有する液晶化合物は、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを含み、上記高融点液晶化合物の融点と上記低融点液晶化合物の融点との差が、15℃以上30℃以下であり、上記高融点液晶化合物の融点が、上記透明基材のガラス転移温度以上であれば、従来の重合性官能基を有する液晶化合物と、従来の重合性官能基を有するキラル化合物とを用いて製造することが可能である。上記重合性官能基を有する液晶化合物としては、例えば、「液晶の基礎と応用」(松本正一、角田市良 共著;(株)工業調査会)第8章に記載されているような公知の化合物を用いることができる。
上記重合性官能基を有する液晶化合物を三種類以上用いる場合は、それらの中で、最大の融点を有するものを高融点液晶化合物とし、最小の融点を有するものを低融点液晶化合物とする。
上記重合性官能基を有する液晶化合物の具体例としては、例えば、WO95/22586号パンフレット、特開2000−281629号公報、特開2001−233837号公報、特表2001−519317号公報、特表2002−533742号公報、特開2002−308832号公報、特開2002−265421号公報、特開2005−309255号公報、特開2005−263789号公報、特開2008−291218号公報、特開2008−242349号公報、WO2009/133290号パンフレット等に記載の化合物を挙げることができる。また、このような高融点液晶化合物と低融点液晶化合物との組み合わせとしては、市販品を用いることができ、例えば、ADEKA社製の商品名「PLC7700」(融点90℃)と「PLC8100」(融点65℃)との組合せ、上記「PLC7700」(融点90℃)と「PLC7500」(融点65℃)との組合せ、DIC社製の商品名「UCL−017A」(融点96℃)と「UCL−017」(融点70℃)との組合せ等が挙げられる。
重合性官能基を有する液晶化合物の融点が低い場合、重合性官能基を有するキラル化合物や溶剤との相溶性や溶解性に優れるが、融点が低すぎると作製した熱線反射フィルムの耐熱性に劣ることになる。このため、少なくとも透明基材のガラス転移温度以上の融点を含有する重合性官能基を有する液晶化合物(高融点液晶化合物)を混合させるとことが有用である。
また、上記重合性官能基を有する液晶化合物は、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを含み、高融点液晶化合物の融点と、低融点液晶化合物の融点との差が15℃以上30℃以下であることが必要であり、20℃以上30℃以下がより好ましい。上記融点の差が15℃を下回ると重合性官能基を含有する二種の液晶化合物の相溶性が低下し、その結果、コレステリック液晶ポリマー層の配向が一部乱れることによりヘイズの上昇が生じるからである。一方、上記融点の差が30℃を超えると透明基材のガラス転移温度以上で耐熱保存試験を行った場合での反射率の変化が生じるからである。
上記重合性官能基を有する液晶化合物は、高融点液晶化合物を全体の質量割合で90質量%以下の範囲で含むことが好ましい。高融点液晶化合物の割合が90質量%を超えると重合性官能基を有する液晶化合物の相溶性が低下する傾向があり、その結果、コレステリック液晶ポエマー層の配向が一部乱れることにより、ヘイズの上昇が生じる場合がある。
上記重合性官能基を有するキラル剤としては、併用する重合性官能基を有する液晶化合物と相溶し、かつ、溶剤に溶解可能なものであれば、特に構造についての制限はなく、従来の重合性官能基を有するキラル剤を用いることができる。
上記重合性官能基を有するキラル剤の具体例としては、例えば、WO98/00428号パンフレット、特表平9−506088号公報、特表平10−509726号公報、特開2000−44451号公報、特表2000−506873号公報、特開2003−66214号公報、特開2003−313187号公報、米国特許第6468444号明細書等に記載の化合物を挙げることができる。また、このようなキラル剤としては、市販品を用いることができ、例えば、メルク社製の商品名「S101」、「R811」、「CB15」;BASF社製の商品名「PALIOCOLOR LC756」;ADEKA社製の商品名「CNL715」、「CNL716」等が挙げられる。
上記コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長は、螺旋ピッチを調整することにより制御することができる。この螺旋ピッチは、重合性官能基を有する液晶化合物と重合性官能基を有するキラル剤の配合量を調整することにより、調整することができる。例えば、重合性官能基を有するキラル剤の濃度が高い場合、螺旋の捻じり力が増加するため、螺旋のピッチは小さくなり、コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長λは短波長側へシフトする。また、重合性官能基を有するキラル剤の濃度が低い場合、螺旋の捻じり力が低下するため、螺旋のピッチは大きくなり、コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長λは長波長側へシフトする。重合性官能基を有するキラル剤の配合量は、重合性官能基を有する液晶化合物と重合性官能基を有するキラル剤の合計100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上7.0質量部以下がより好ましい。上記キラル剤の配合量が0.1質量部以上10質量部以下であれば、得られるコレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長を長波長域に制御することができるからである。
上記のように、キラル剤の配合量を調整することにより、得られるコレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長を制御することができる。この選択反射波長を近赤外線領域に制御すれば、可視光領域に実質的に吸収がなく、即ち、可視光領域で透明で、かつ近赤外線領域の光を選択的に反射可能な熱線反射フィルムを得ることができる。例えば、上記熱線反射フィルムの最大反射率波長を800nm以上とすることができる。
上記熱線反射フィルムの光反射率は、コレステリック液晶ポリマー層の厚みに依存する。コレステリック液晶ポリマー層の厚みは、入射光を最大反射させる波長(最大反射率波長)の1.5倍以上4.0倍以下が好ましく、入射光を最大反射させる波長の1.7倍以上3.0倍以下がより好ましい。コレステリック液晶ポリマー層の厚みが入射光を最大反射させる波長の1.5倍を下回ると、コレステリック液晶ポリマーの配向を維持することが困難になり、光反射率の低下が生じるからである。また、コレステリック液晶ポリマー層の厚みが入射光を最大反射させる波長の4.0倍を超えると、コレステリック液晶ポリマーの配向と光反射率は維持できるが、熱線反射フィルムの厚みが厚くなり過ぎるからである。コレステリック液晶ポリマー層の厚みは、例えば、0.5μ以上20μm以下、好ましくは1μm以上10μm以下である。
本発明の熱線反射フィルムのコレステリック液晶ポリマー層は、単層構造に限らず、複数層構造であってもよい。複数層構造の場合、それぞれの層が、異なる選択反射波長を有すれば、光を反射する波長領域を制御しやすくなり、好ましい。
<透明基材>
透明基材としては、透光性を有する材料で形成されていれば特に限定されない。透明基材としては、例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、セルロース系樹脂(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等)、ノルボルネン系樹脂等の樹脂を、フィルム状又はシート状に加工したものを用いることができる。上記樹脂をフィルム状又はシート状に加工する方法としては、押し出し成形法、カレンダー成形法、圧縮成形法、射出成形法、上記樹脂を溶剤に溶解させてキャスティングする方法等が挙げられる。上記樹脂には、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。また、透明基材は、コレステリック液晶ポリマー層との密着性を向上させるため、その表面にプライマー層を設けたり、コロナ処理やプラズマ処理等を施してもよい。上記透明基材の厚みは、例えば、10〜500μmである。
<熱線反射フィルム>
上記構成の熱線反射フィルムは、日本工業規格(JIS)A5759による日射透過率を70%以上とでき、また、JIS K7105によるヘイズを2.0%以下、好ましくは1.5%以下とでき、最大反射率波長における光反射率を40%以上、好ましくは45%以上とすることができる。
本発明の熱線反射フィルムは、シート状熱線反射部材も含む概念である。
本発明の熱線反射フィルムは、更に粘着剤層を備えることが好ましい。この際、上記粘着剤層は、熱線反射フィルムの最外層として配置されるのが好ましい。上記粘着剤層に用いる粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、フェノール系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
上記粘着剤層を備えた熱線反射フィルムは、その粘着剤層の露出面の上に更にセパレータを備えることが好ましい。このセパレータにより粘着剤層の汚染を防止することができるからである。上記セパレータとしては、例えば、プラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シート、金属箔等を用いることができる。このセパレータの表面には、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系等の剥離剤でコーティング処理してもよい。このようなコーティング処理された表面は、粘着剤層と面するように配置されるのが好ましい。
次に、本発明の熱線反射フィルムの製造方法を説明する。本発明の熱線反射フィルムの製造方法では、先ず、異なる融点を有する重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、重合開始剤と、更に必要に応じて界面活性剤、配向調整剤等とを溶剤に溶解させて重合性液晶組成物(塗布液)を調製する。続いて、この塗布液を、透明基材の上に膜状に塗布して乾燥させる。その後、得られた塗膜に例えば紫外線を照射して液晶化合物とキラル剤とを重合させて、コレステリック液晶ポリマー層を透明基材上に形成する。
上記塗布液を塗布する方法は特に制限されず、例えば、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート、マイクログラビアコート等の塗工法、又はグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等の印刷法等を用いることができる。
上記重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤が挙げられる。上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系開始剤;α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α'−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等の芳香族ケトン系開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系開始剤;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール系開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系開始剤;ベンジル等のベンジル系開始剤;ベンゾイン等のベンゾイン系開始剤;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン等のα−ケトール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;カンファーキノン系化合物;ハロゲン化ケトン系化合物;アシルホスフィノキシド系化合物;アシルホスフォナート系化合物等が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、市販の光重合開始剤を用いることもでき、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のイルガキュア(登録商標)184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュア(登録商標)651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、イルガキュア(登録商標)369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1)、イルガキュア(登録商標)819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、イルガキュア(登録商標)907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)、イルガキュア(登録商標)500、イルガキュア(登録商標)1000、イルガキュア(登録商標)1700、イルガキュア(登録商標)1800、イルガキュア(登録商標)1850;メルク社製のダロキュア(登録商標)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン);アデカ社製のN−1717;黒金化成社製の2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で又は複数使用してもよい。光重合開始剤の配合量は、重合性官能基を有する液晶化合物と重合性官能基を有するキラル剤との合計100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部である。
上記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。照射する紫外線は、例えば、160〜380nmであり、250〜380nmが好ましい。照射時間は、例えば0.1〜600秒であり、0.3〜300秒が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト等)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ等)等を用いることができる。紫外線の光量としては、例えば200〜600mJ/cm2であり、好ましくは300〜500mJ/cm2である。
上記溶剤としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が使用できる。これらの溶剤は、例えば、一種類使用しもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に指摘がない場合、下記において、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
<コレステリック液晶ポリマー層の形成>
透明基材として、両面をアクリル樹脂にて易接着処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、商品名「U34」、厚み:50μm、ガラス転移温度:75℃)を用意した。次に、下記材料を攪拌して混合し、コレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を調製した。
(1)重合性官能基を有する高融点液晶化合物(ADEKA社製、商品名「PLC−7700」、融点:90℃) 86.8部
(2)重合性官能基を有する低融点液晶化合物(ADEKA社製、商品名「PLC−8100」、融点:65℃) 9.7部
(3)重合性官能基を有するキラル剤(ADEKA社製、商品名「CNL−715」) 3.5部
(4)光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、「イルガキュア907」) 3.0部
(5)溶剤(シクロヘキサノン) 412部
上記コレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液をマイクログラビアコータを用いてPETフィルム上に塗布し、100℃で乾燥させて塗膜を形成した。その塗膜に紫外線(波長:最大波長365nm、光源:高圧水銀ランプ、光量:500mJ/cm2)を30秒間照射して塗膜を硬化させ、コレステリック液晶ポリマー層(厚さ:2.1μm)を形成し、熱線反射フィルムを作製した。
(実施例2)
透明基材をポリビニルブチラール(PVB)フィルム(積水化学工業社製、商品名「S−LEC FILM」、厚み:760μm、ガラス転移温度:30℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして熱線反射フィルムを作製した。
(実施例3)
コレステリック液晶ポリマー層の厚みを1.8μmにした以外は、実施例1と同様にして熱線反射フィルムを作製した。
(実施例4)
コレステリック液晶ポリマー層の厚みを3.7μmにした以外は、実施例1と同様にして熱線反射フィルムを作製した。
(実施例5)
重合性官能基を有する高融点液晶化合物(ADEKA社製、商品名「PLC−7700」、融点:90℃)87.3部、重合性官能基を有する低融点液晶化合物(ADEKA社製、商品名「PLC−8100」、融点:65℃)9.7部、重合性官能基を有するキラル剤(ADEKA社製、商品名「CNL−715」)3.0部を用い、コレステリック液晶ポリマー層の厚みを2.6μmにした以外は、実施例1と同様にして熱線反射フィルムを作製した。
(実施例6)
重合性官能基を有する高融点液晶化合物(ADEKA社製、商品名「PLC−7700」(融点90℃)85.8部、重合性官能基を有する低融点液晶化合物(ADEKA社製、商品名「PLC−8100」(融点65℃)9.7部、重合性官能基を有するキラル剤(ADEKA社製、商品名「CNL−715」)4.5部を用い、コレステリック液晶ポリマー層の厚みを1.6μmにした以外は、実施例1と同様にして熱線反射フィルムを作製した。
(比較例1)
重合性官能基を有する高融点液晶化合物(ADEKA社製、商品名「PLC−7700」、融点:90℃)96.5部、重合性官能基を有するキラル剤(ADEKA社製、商品名「CNL−715」)3.5部を用いた以外は、実施例1と同様にして熱線反射フィルムを作製した。
(比較例2)
重合性官能基を有する低融点液晶化合物(ADEKA社製、商品名「PLC−8100」、融点:65℃)96.5部、重合性官能基を有するキラル剤(ADEKA社製、商品名「CNL−715」)3.5部を用いた以外は、実施例1と同様にして熱線反射フィルムを作製した。
(比較例3)
重合性官能基を有する高融点液晶化合物(ADEKA社製、商品名「PLC−7700」、融点:90℃)86.8部、重合性官能基を有する低融点液晶化合物(DIC社製、商品名「UCL−017」、20%トルエン溶液、液晶化合物の融点:80℃)48.5部、重合性官能基を有するキラル剤(ADEKA社製、商品名「CNL−715」)3.5部を用いた以外は、実施例1と同様にして熱線反射フィルムを作製した。
実施例1〜6及び比較例1〜3に関して、用いた透明基材のガラス転移温度、重合性官能基を有する液晶化合物の融点、作製した熱線反射フィルムの日射透過率、ヘイズ、最大反射率波長及び最大反射率を次にようにして測定した。また、各熱線反射フィルムの耐熱性を評価するために、下記のとおり80℃の保存試験を行った。
[透明基材のガラス転移温度]
約25mm×10mmの試料片を作製し、20℃〜200℃の範囲で昇温させ、Rheometrics社製の動的粘弾性試験測定装置「RSAII」にて周波数1Hzで動的粘弾性の測定を行った。ガラス転移温度は、動的粘弾性の測定より得られた動的貯蔵弾性率E'及び動的損失弾性率E"によって算出される動的損失正接tanδの値から算出した。
[液晶化合物の融点]
二枚のスライドガラス板の間に重合性官能基を有する液晶化合物を挟み込み、顕微鏡でスライドガラスを観察しながら、スライドガラスを5℃/分の速度で昇温させながら重合性官能基を有する液晶化合物の融解しはじめた温度を測定し、融点とした。
[日射透過率]
コレステリック液晶ポリマー層側を入射光側として、300nm〜2500nmの範囲で紫外可視近赤外分光光度計「Ubest V−570型」(日本分光社製)を用いて光透過率を測定し、JIS A 5759に基づき、熱線反射フィルムの日射透過率を計算した。
[ヘイズ]
JIS K7105に基づき、コレステリック液晶ポリマー層側を入射光側として、380nm〜780nmの範囲で紫外可視近赤外分光光度計「Ubest V−570型」(日本分光社製)を用いて、熱線反射フィルムの全光線透過率とヘイズを測定した。
[最大反射率波長及び最大反射率]
コレステリック液晶ポリマー層が形成されていない側の透明基材の表面を紙やすりで削り、更にその表面を黒インクの油性フェルトペンで黒く塗りつぶした。そのように処理した熱線反射フィルムの反射スペクトルを、紫外可視近赤外分光光度計「Ubest V−570型」(日本分光社製)を用いて、350nm〜2500nmの範囲で測定した。得られた反射スペクトルから、熱線反射フィルムの最大反射率波長と最大反射率を算出した。
[80℃保存試験]
温度80℃の環境下で熱線反射フィルムを1000時間保存して、保存前後での最大反射率の変化率を下記式に基づき計算した。
ΔR(%)=|(Rsta(%)−Rend(%))|/Rsta(%)×100
上記式において、Rsta(%)は保存試験前の最大反射率、Rend(%)は1000時間保存試験後の最大反射率を表す。
以上の結果を表1に示す
Figure 2013020042
表1に示すように、実施例1〜6の熱線反射フィルムは、日射透過率が90%以上で、ヘイズが1.5%以下で、最大反射率波長が950nm以上で、最大反射率が40%以上で、耐熱性の指標である最大反射率の変化率ΔRが0.5%以下であることが分かる。その結果、実施例1〜6の熱線反射フィルムは、必要な波長領域(可視光域範囲)では光透過性を有し、不要な波長領域では光を反射させ、かつ、優れた耐熱性を示すことが確認できた。
本発明によれば、熱線反射率が高く、ヘイズが低く、可視光領域で高い透過率を有し、かつ耐熱性に優れる熱線反射フィルムを提供でき、その熱線反射フィルムを窓に貼り付けることにより、直射日光による熱線を効果的に遮断でき、冷房効果を高め、省エネルギー及び電力節減に有効である。
10 熱線反射フィルム
11 透明基材
12 コレステリック液晶ポリマー層

Claims (6)

  1. コレステリック液晶ポリマー層と、透明基材とを含む熱線反射フィルムであって、
    前記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成されたものであり、
    前記重合性官能基を有する液晶化合物は、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを含み、
    前記高融点液晶化合物の融点と前記低融点液晶化合物の融点との差が、15℃以上30℃以下であり、
    前記高融点液晶化合物の融点が、前記透明基材のガラス転移温度以上であることを特徴とする熱線反射フィルム。
  2. 前記コレステリック液晶ポリマー層の厚みが、最大反射率波長の1.5倍以上である請求項1に記載の熱線反射フィルム。
  3. JIS A5759による日射透過率が70%以上であり、JIS K7105によるヘイズが2.0%以下であり、最大反射率波長における光反射率が40%以上である請求項1又は2に記載の熱線反射フィルム。
  4. 前記重合性官能基を有する液晶化合物は、前記高融点液晶化合物を全体の質量割合で90質量%以下の範囲で含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱線反射フィルム。
  5. 最大反射率波長が、800nm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱線反射フィルム。
  6. 最外層に粘着剤層を更に含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱線反射フィルム。
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