JP2015051604A - 熱線反射フィルム及びその製造方法、並びにその熱線反射フィルムを用いた合わせガラス体 - Google Patents

熱線反射フィルム及びその製造方法、並びにその熱線反射フィルムを用いた合わせガラス体 Download PDF

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公彦 金野
大谷 紀昭
Noriaki Otani
紀昭 大谷
欣正 光本
Yoshimasa Mitsumoto
欣正 光本
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Abstract

【課題】接着性の高い熱線反射フィルムとそれを用いた合わせガラス体を提供する。
【解決手段】コレステリック液晶ポリマー層12と、透明基材11とを備え、コレステリック液晶ポリマー層12は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成したものであり、コレステリック液晶ポリマー層12は、イソシアネート基を有する化合物を含むことを特徴とする熱線反射フィルムとそれを用いた合わせガラス体。製造方法は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、イソシアネート基を有する化合物と、重合開始剤とを含む塗布液を透明基材に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜に紫外線を照射させる工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱線反射フィルム及びその製造方法、並びにその熱線反射フィルムを用いた合わせガラス体に関する。
地球温暖化防止及び省エネルギーの観点から、ビルディングの窓、ショーウインドウ、自動車の窓面等から太陽光の熱線(赤外線)をカットし、内部の温度上昇を抑制させることが広く行われている。その熱線カット材料としては、コレステリック液晶ポリマーを用いた赤外線反射フィルム(例えば、特許文献1、2参照。)等が提案され、例えば、自動車のフロントガラス等の合わせガラスへの使用も検討されている。
特開2012−51220号公報 特開2012−101999号公報
コレステリック液晶ポリマーを用いた赤外線反射フィルムをガラス基板に貼り付ける場合、ポリビニルブチラール(PVB)又はエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等からなる接着性を有する樹脂フィルムを介して赤外線反射フィルムとガラス基板とを貼り合わせることが検討されている。
しかし、このようなコレステリック液晶ポリマーを用いた赤外線反射フィルムとガラス基板とを上記樹脂フィルムを介して貼り合わせた場合、上記樹脂フィルムと赤外線反射フィルムとの接着性が十分ではないという問題が明らかとなってきた。特に、赤外線反射フィルムのコレステリック液晶ポリマー層を形成した側と上記樹脂フィルムとの接着性の向上が求められている。
本発明は上記問題を解決したもので、コレステリック液晶ポリマーを用いた熱線反射フィルムと樹脂フィルムとの接着性の向上を図り、上記熱線反射フィルムとガラス基板とを上記樹脂フィルムを介して接着して形成した合わせガラス体の耐衝撃性を改善するものである。
本発明の熱線反射フィルムは、コレステリック液晶ポリマー層と、透明基材とを含む熱線反射フィルムであって、前記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成したものであり、前記コレステリック液晶ポリマー層は、イソシアネート基を有する化合物を含むことを特徴とする。
また、本発明の熱線反射フィルムの製造方法は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、イソシアネート基を有する化合物と、重合開始剤とを含む塗布液を透明基材に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜に紫外線を照射させる工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の合わせガラス体は、第1のガラス基板と、第1の樹脂フィルムと、熱線反射フィルムと、第2の樹脂フィルムと、第2のガラス基板とをこの順番に積層した合わせガラス体であって、前記熱線反射フィルムとして、上記本発明の熱線反射フィルムを用いることを特徴とする。
本発明によれば、コレステリック液晶ポリマーを用いた熱線反射フィルムと樹脂フィルムとの接着性の向上を図ることができ、上記熱線反射フィルムとガラス基板とを上記樹脂フィルムを介して接着して形成した合わせガラス体の耐衝撃性を改善できる。
図1は、本発明の熱線反射フィルムの一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の合わせガラス体の一例を示す概略断面図である。
(実施形態1)
先ず、本発明の熱線反射フィルムについて説明する。本発明の熱線反射フィルムは、コレステリック液晶ポリマー層と、透明基材とを備えている。また、上記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成したものであり、上記コレステリック液晶ポリマー層は、イソシアネート基を有する化合物を含んでいる。
上記構成とすることにより、本発明の熱線反射フィルムのコレステリック液晶ポリマー層側の接着性が向上し、例えば、本発明の熱線反射フィルムとガラス基板とを樹脂フィルムを介して貼り合わせて合わせガラス体を形成した場合における合わせガラス体の耐衝撃性を改善できる。
以下、本発明の熱線反射フィルムを図面に基づき説明する。
図1は、本発明の熱線反射フィルムの一例を示す概略断面図である。図1において、本発明の熱線反射フィルム10は、透明基材11と、コレステリック液晶ポリマー層12とを備えている。
<コレステリック液晶ポリマー層>
本発明のコレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成したものであり、更に、イソシアネート基を有する化合物を含んでいる。
コレステリック液晶ポリマーは、棒状分子であるネマチック液晶化合物に少量の光学活性化合物(キラル剤)を添加することにより得ることができる。このコレステリック液晶ポリマーは、ネマチック液晶化合物が幾重にも重なる層状の構造を有している。この層内では、それぞれのネマチック液晶化合物が一定方向に配列しており、互いの層は液晶化合物の配列方向が螺旋状になるように集積している。そのため、コレステリック液晶ポリマーは、この螺旋のピッチに応じて、特定の波長の光のみを選択的に反射することができる。
通常のコレステリック液晶ポリマーは、温度により螺旋のピッチが変わり、反射する光の波長が変わるという特徴がある。重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを含有する組成物を、液晶状態で均一にさせた後、液晶状態を保持したまま紫外線等の活性エネルギー線を照射すると、液晶化合物の配向状態を半永久的に固定化したコレステリック液晶ポリマーを含有する層を作製することが可能となる。
このようにして得られたコレステリック液晶ポリマー層は、温度によって反射する光の波長が変わることがなく半永久的に反射波長を固定化することが可能となる。また、このコレステリック液晶ポリマー層は、コレステリック液晶旋光性を有することから、円偏光の回転方向と波長が、液晶分子の回転方向と螺旋ピッチと等しい場合、その光を透過せずに反射する。通常、太陽光は、右螺旋と左螺旋の円偏光から合成されている。そのため、旋光性の向きが右螺旋のキラル剤を用いて特定の螺旋ピッチとしたコレステリック液晶ポリマー層と、旋光性の向きが左螺旋のキラル剤を用いて特定の螺旋ピッチとしたコレステリック液晶ポリマー層とを積層させることにより、選択反射波長での反射率をより高くすることができる。
本発明における上記コレステリック液晶ポリマー層の厚みは、入射光を最大反射させる波長(最大反射率波長)の1.5倍以上4.0倍以下が好ましく、最大反射率波長の1.7倍以上3.0倍以下がより好ましい。コレステリック液晶ポリマー層の厚みが最大反射率波長の1.5倍を下回ると、コレステリック液晶ポリマー層の配向性を維持することが困難になり、熱線反射フィルムの光反射率が低下することがある。また、コレステリック液晶ポリマー層の厚みが最大反射率波長の4.0倍を超えると、コレステリック液晶ポリマー層の配向性と光反射率は良好に維持できるが、熱線反射フィルムの厚みが厚くなり過ぎることがある。コレステリック液晶ポリマー層の厚みは、例えば、0.5μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上10μm以下である。
また、本発明における上記コレステリック液晶ポリマー層は、単層構造に限らず、複数層構造であってもよい。複数層構造の場合、それぞれの層が、異なる選択反射波長を有すれば、光を反射する波長領域を制御しやすくなり、好ましい。
以下、本発明の熱線反射フィルムを構成するコレステリック液晶ポリマー層の形成材料について詳細に説明する。
[重合性官能基を有する液晶化合物]
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層の形成には、重合性官能基を有する液晶化合物を用いる。上記液晶化合物としては、例えば、「液晶の基礎と応用」(松本正一、角田市良 共著;(株)工業調査会)第8章に記載されているような公知の化合物を用いることができる。また、上記液晶化合物は、一種類を単独で用いてもよいし、複数の種類を併用してもよい。
上記液晶化合物の具体例としては、例えば、特開2012−6997号公報、特開2012−168514号公報、特開2008−217001号公報、WO95/22586号パンフレット、特開2000−281629号公報、特開2001−233837号公報、特表2001−519317号公報、特表2002−533742号公報、特開2002−308832号公報、特開2002−265421号公報、特開2005−309255号公報、特開2005−263789号公報、特開2008−291218号公報、特開2008−242349号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層の形成に用いられる液晶化合物は、融点の異なる複数の液晶化合物を含んでいてもよく、例えば、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを併用してもいい。この場合、高融点液晶化合物の融点と低融点液晶化合物の融点との差が、15℃以上30℃以下であることが好ましく、20℃以上30℃以下がより好ましい。上記融点の差が15℃を下回ると、液晶化合物の相溶性が低下し、その結果、コレステリック液晶ポリマー層の配向性が一部乱れ、ヘイズの上昇が生じることがある。一方、上記融点の差が30℃を超えると、透明基材のガラス転移温度以上で耐熱保存試験を行った場合での光反射率に変化が生じることがある。
上記液晶化合物について、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを併用する場合、高融点液晶化合物の融点は、透明基材のガラス転移温度以上であることが好ましい。上記液晶化合物の融点が低い場合、キラル剤や溶剤との相溶性や溶解性に優れるが、融点が低すぎると作製した熱線反射フィルムの耐熱性に劣る。そのため、少なくとも高融点液晶化合物の融点を透明基材のガラス転移温度以上とするのがよい。
上記融点の異なる液晶化合物としては、市販品を用いることができ、例えば、ADEKA社製の商品名「PLC7700」(融点90℃)、「PLC8100」(融点65℃)、「PLC7500」(融点65℃)、DIC社製の商品名「UCL−017A」(融点96℃)、「UCL−017」(融点70℃)、BASF社製の商品名「パリオカラーLC242」(融点30℃)等が挙げられる。このような液晶化合物を先に示したように融点の差が好適となるように組み合わせて用いることができる。
上記重合性官能基を有する液晶化合物を複数用いる場合は、それらの中で、最高の融点を有するものを高融点液晶化合物とし、最低の融点を有するものを低融点液晶化合物とする。
上記融点の異なる液晶化合物を用いる場合は、上記高融点液晶化合物を全体の質量割合で90質量%以下の範囲で含むことが好ましい。上記高融点液晶化合物の割合が90質量%を超えると、上記液晶化合物の相溶性が低下する傾向があり、その結果、コレステリック液晶ポリマー層の配向性が一部乱れることにより、ヘイズの上昇が生じる場合がある。
[重合性官能基を有するキラル剤]
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層の形成に用いられる重合性官能基を有するキラル剤としては、上記液晶化合物との相溶性が良好で、かつ、溶剤に溶解可能なものであれば、特に構造についての制限はなく、従来の重合性官能基を有するキラル剤を用いることができる。
上記キラル剤の具体例としては、例えば、WO98/00428号パンフレット、特表平9−506088号公報、特表平10−509726号公報、特開2000−44451号公報、特表2000−506873号公報、特開2003−66214号公報、特開2003−313187号公報、米国特許第6468444号明細書等に記載の化合物を挙げることができる。また、このようなキラル剤としては、市販品を用いることができ、例えば、メルク社製の商品名「S101」、「R811」、「CB15」;BASF社製の商品名「パリオカラー LC756」;ADEKA社製の商品名「CNL715」、「CNL716」等が挙げられる。
上記コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長は、螺旋ピッチを調整することにより制御することができる。この螺旋ピッチは、上記液晶化合物及び上記キラル剤の配合量を調整することにより、調整することができる。例えば、上記キラル剤の濃度が高い場合、螺旋の捻じり力が増加するため、螺旋のピッチは小さくなり、コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長λは短波長側へシフトする。また、上記キラル剤の濃度が低い場合、螺旋の捻じり力が低下するため、螺旋のピッチは大きくなり、コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長λは長波長側へシフトする。よって、上記キラル剤の配合量としては、上記液晶化合物と上記キラル剤との合計100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上7.0質量部以下がより好ましい。上記キラル剤の配合量が0.1質量部以上10質量部以下であれば、得られるコレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長を長波長域に制御することができる。
上記のようにキラル剤の配合量を調整することにより、コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長を制御することができる。この選択反射波長を近赤外線領域に制御すれば、可視光領域に実質的に吸収がなく、即ち、可視光領域で透明で、かつ近赤外線領域の光を選択的に反射可能な熱線反射フィルムを得ることができる。例えば、上記熱線反射フィルムの最大反射率波長を800nm以上とすることができる。
[イソシアネート基を有する化合物]
本発明のコレステリック液晶ポリマー層は、イソシアネート基を有する化合物を含んでいる。イソシアネート基を有する化合物を含むことにより、コレステリック液晶ポリマー層の樹脂フィルムに対する接着性を向上できる。特に、コレステリック液晶ポリマー層のPVBを含む樹脂フィルムに対する接着性を向上できる。
従来、イソシアネート基を有する化合物は、水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基等の活性水素基を有する樹脂の架橋剤として用いることが知られている。即ち、活性水素基を有する樹脂にイソシアネート基を有する化合物を架橋剤として添加すると、イソシアネート基と活性水素とが反応して、その反応点を基点として架橋構造を形成し、樹脂自体の強度が向上し、その結果、接着性も良好となることが知られている。
一方、コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成したものであり、活性水素基を含んでいないため、従来はコレステリック液晶ポリマー層にイソシアネート基を有する化合物を添加しても、架橋構造は形成されないため、コレステリック液晶ポリマー層の強度は向上せず、コレステリック液晶ポリマー層の接着性の向上を図ることはできないと考えられてきた。
しかし、本発明者らが種々の検討を行った結果、コレステリック液晶ポリマー層にイソシアネート基を有する化合物を添加することにより、樹脂フィルムとの接着性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。上記接着性の向上の理由は明らかではないが、イソシアネート基を有する化合物と樹脂フィルムとが何らかの相互作用を及ぼし合っていると考えられる。
上記イソシアネート基を有する化合物は、コレステリック液晶ポリマー層の配向性が乱れない量で添加される。具体的には、上記イソシアネート基を有する化合物の含有量は、上記液晶化合物と上記キラル剤との合計100質量部に対して7質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以下である。また、上記含有量は、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上である。上記含有量とすることで、コレステリック液晶ポリマー層の接着性に優れた熱線反射フィルムを実現できる。
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層に含まれるイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等のジイソシアネート化合物及びこれらジイソシアネート化合物の少なくとも一種と多価アルコールとからなるポリイソシアネート化合物、また、これらのジイソシアネート化合物の少なくとも一種から誘導されるイソシアヌレート環を含むポリイソシアネート化合物等が挙げられる。また、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリレート等の単官能イソシアネート化合物を用いてもよい。このようなイソシアネート基を含む化合物には、例えば、信越化学工業社製の商品名「KBE9007」、昭和電工社製の商品名「カレンズMOI」、「カレンズAOI」、「カレンズMOI−EG」、日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートL」、「コロネートHL」、「コロネートHX」、「ミリオネートMR−100」等が挙げられる。
本発明の熱線反射フィルムは、通常ガラス基板に貼り合わせて用いられるため、コレステリック液晶ポリマー層の着色を防止するため、上記イソシアネート基を含む化合物としては、特に芳香族環を含まない、いわゆる無黄変タイプの化合物を用いることが好ましい。
また、本発明のコレステリック液晶ポリマー層には、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤を添加することにより、コレステリック液晶ポリマー層の透明性を向上させることができる。また、本発明のコレステリック液晶ポリマー層には、多官能アクリレート化合物及び多官能チオール化合物を含ませてもよい。これらの化合物を含ませることにより、コレステリック液晶ポリマー層の透明基材に対する密着性を向上できるとともに、コレステリック液晶ポリマー層の耐熱性を向上できる。
[界面活性剤]
上記界面活性剤としては、上記液晶化合物、上記キラル剤との相溶性が良好で、コレステリック液晶ポリマー層の配向性を乱さないものであれば、適宜使用可能である。例えば、アクリル系、フッ素系、シリコン系等の化合物が挙げられる。具体的には、ビックケミー社製の表面調整剤:商品名「BYK−UV3500」、「UV3510」、「BYK−350」、「BYK−352」、「BYK−361N」、「BYK−340」、EVONIK社製の商品名「TEGO RAD−2100」、「TEGO RAD−2010」、「TEGO RAD−2011」、ネオス社製の商品名「フタージェント251」、「フタージェント222F」、「フタージェント208G」、「フタージェント228P」等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記界面活性剤は、コレステリック液晶ポリマー層の配向性が乱れない量で添加される。具体的には、上記界面活性剤の含有量は、上記液晶化合物と上記キラル剤との合計100質量部に対して0.5質量部以下であればよいが、好ましくは0.2質量部以下である。また、上記含有量は、0.005質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上である。上記含有量とすることで、コレステリック液晶ポリマー層の透明性に優れた熱線反射フィルムを実現できる。
[多官能アクリレート化合物]
上記多官能アクリレート化合物としては、上記液晶化合物、上記キラル剤及び上記多官能チオール化合物との相溶性が良好で、コレステリック液晶ポリマー層の配向性を乱さないものであれば、適宜使用可能である。例えば、不飽和基を2つ以上有する多官能アクリル系樹脂モノマー等が挙げられる。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサントリメタクリレート;ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー等のポリウレタンポリアクリレート;ポリエステルポリアクリレート等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とから生成されるエステル類;1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン等のビニルベンゼン及びその誘導体等が挙げられる。これらの多官能アクリレート化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[多官能チオール化合物]
上記多官能チオール化合物としては、上記液晶化合物、上記キラル剤及び上記多官能アクリレート化合物との相溶性が良好で、コレステリック液晶ポリマー層の配向性を乱さないものであれば、適宜使用可能である。例えば、1分子中にチオール基を2官能基以上有する化合物等が挙げられる。具体的には、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート、テトラエチレングリコールビス−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。これらの多官能チオール化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記多官能アクリレート化合物及び上記多官能チオール化合物は、コレステリック液晶ポリマー層の配向性が乱れない量で添加される。具体的には、多官能アクリレート化合物及び多官能チオール化合物の含有量は、各々、上記液晶化合物と上記キラル剤との合計100質量部に対して、0.5質量部以上5質量部以下であればよいが、好ましくは1質量部以上3質量部以下である。これにより、プライマーを用いなくてもコレステリック液晶ポリマー層と透明基材との密着性が良好で、かつ耐熱性に優れた熱線反射フィルムを実現できる。
<透明基材>
本発明の熱線反射フィルムを構成する透明基材としては、透光性を有する材料で形成されていれば特に限定されない。上記透明基材としては、例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、セルロース系樹脂(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等)、ノルボルネン系樹脂等の樹脂を、フィルム状又はシート状に加工したものを用いることができる。上記樹脂をフィルム状又はシート状に加工する方法としては、押し出し成形法、カレンダー成形法、圧縮成形法、射出成形法、上記樹脂を溶剤に溶解させてキャスティングする方法等が挙げられる。上記樹脂には、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。上記透明基材の厚みは、例えば、10〜500μmである。
<熱線反射フィルム>
本発明の熱線反射フィルムは、日本工業規格(JIS)A5759による日射透過率を70%以上とでき、また、JIS K7105によるヘイズを2.0%以下、好ましくは1.5%以下とでき、最大反射率波長における光反射率を40%以上、好ましくは45%以上とすることができる。このような特性を有する熱線反射フィルムは、可視光領域で高い透過率を有し、ヘイズが低く、光反射率が高いため、反射波長が大きくなって膜厚が増加してもコレステリック液晶ポリマー層の配向性の乱れが生じない。
本発明の熱線反射フィルムは、シート状熱線反射部材も含む概念である。
次に、本発明の熱線反射フィルムの製造方法の一例を図1を参照しながら説明する。
先ず、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、重合開始剤と、イソシアネート基を有する化合物と、更に必要に応じて界面活性剤、多官能アクリレート化合物、多官能チオール化合物、配向調整剤等とを溶剤に溶解させてコレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を調製する。続いて、この塗布液を、透明基材11の一主面上に膜状に塗布して乾燥させる。その後、得られた塗膜に例えば紫外線を照射することにより、上記液晶化合物と上記キラル剤とを重合させる。これにより、透明基材11の一主面上にコレステリック液晶ポリマー層12が形成された熱線反射フィルム10が得られる。
上記塗布液を塗布する方法は特に制限されず、例えば、バーコート、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート、マイクログラビアコート等の塗工法、又はグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等の印刷法等を用いることができる。
上記乾燥は、上記液晶化合物の等方性液体への転移温度より低い温度で行うことが好ましく、通常は60〜120℃の範囲で行われる。
上記重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤が挙げられる。上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系開始剤;α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α'−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等の芳香族ケトン系開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系開始剤;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール系開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系開始剤;ベンジル等のベンジル系開始剤;ベンゾイン等のベンゾイン系開始剤;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン等のα−ケトール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;カンファーキノン系化合物;ハロゲン化ケトン系化合物;アシルホスフィノキシド系化合物;アシルホスフォナート系化合物等が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、市販の光重合開始剤を用いることもでき、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のイルガキュア(登録商標)184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュア(登録商標)651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、イルガキュア(登録商標)369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1)、イルガキュア(登録商標)819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、イルガキュア(登録商標)907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)、イルガキュア(登録商標)500、イルガキュア(登録商標)1000、イルガキュア(登録商標)1700、イルガキュア(登録商標)1800、イルガキュア(登録商標)1850;メルク社製のダロキュア(登録商標)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン);旭電化工業社製のN−1717;黒金化成社製の2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記光重合開始剤の配合量は、上記液晶化合物と上記キラル剤との合計100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部である。また、上記コレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液における他の各成分の配合量は、前述のとおりである。
上記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。照射する紫外線の波長は、例えば、160〜380nmであり、250〜380nmが好ましい。照射時間は、例えば0.1〜600秒であり、0.3〜300秒が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト等)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ等)等を用いることができる。紫外線の光量としては、例えば100〜600mJ/cm2であり、好ましくは200〜500mJ/cm2である。
上記溶剤としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルコール類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が使用できる。これらの溶剤は、単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の合わせガラス体について説明する。本発明の合わせガラス体は、第1のガラス基板と、第1の樹脂フィルムと、熱線反射フィルムと、第2の樹脂フィルムと、第2のガラス基板とをこの順番に積層して形成されている。また、本発明の合わせガラス体は、上記熱線反射フィルムとして、上記実施形態1で説明した本発明の熱線反射フィルムを用いている。
本発明の合わせガラス体は、上記本発明の熱線反射フィルムを用いているため、上記熱線反射フィルムのコレステリック液晶ポリマー層と上記樹脂フィルムとの接着強度を向上でき、上記合わせガラス体の耐久性を向上できる。
また、上記第1の樹脂フィルム及び上記第2の樹脂フィルムの材質は、合わせガラス体の中間膜として使用できる柔軟な樹脂であればよく、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が用いられる。特に、上記第1の樹脂フィルム及び上記第2の樹脂フィルムがPVBを含むことが好ましい。上記熱線反射フィルムのコレステリック液晶ポリマー層と上記PVBを含む樹脂フィルムとの接着強度が特に大きいからである。上記第1の樹脂フィルム及び上記第2の樹脂フィルムの厚さに特に制限はないが、通常0.2〜3mmである。
上記第1のガラス基板及び上記第2のガラス基板としては特に制限はなく、例えば、フロートガラス基板、強化ガラス基板等を使用できる。上記第1のガラス基板及び上記第2のガラス基板の厚さも特に制限はなく、合わせガラス体の用途に応じて適宜設定できる。
次に、本発明の合わせガラス体を図面に基づき説明する。図2は、本発明の合わせガラス体の一例を示す概略断面図であり、図1と同一の部材には同一の符号を付けて詳細な説明は省略する。図2において、本発明の合わせガラス体20は、第1のガラス基板21aと、第1の樹脂フィルム22aと、本発明の熱線反射フィルム10と、第2の樹脂フィルム22bと、第2のガラス基板21bとをこの順番に積層して形成されている。また、本発明の熱線反射フィルム10は、透明基材11及びコレステリック液晶ポリマー層12から形成されている。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に指摘がない場合、下記において、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
先ず、透明基材として、片面を易接着処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、商品名「U49」、厚み:50μm)を用意した。次に、下記材料を攪拌して混合し、コレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を調製した。
(1)重合性官能基を有する液晶化合物(ADEKA社製、高融点液晶化合物、商品名「PLC−7700」、融点:90℃):86.8部
(2)重合性官能基を有する液晶化合物(ADEKA社製、低融点液晶化合物、商品名「PLC−8100」、融点:65℃):9.7部
(3)キラル剤(ADEKA社製、右旋光性キラル剤、商品名「CNL−715」):3.5部
(4)イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」):2.0部
(5)光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」):3.0部
(6)溶剤(シクロヘキサノン):400部
上記コレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を、バーコータを用いて上記PETフィルムの易接着処理されていない面上に塗布し、100℃で乾燥させて塗膜を形成した。その塗膜に紫外線(波長:最大波長365nm、光源:高圧水銀ランプ)を光量:300mJ/cm2となるように照射して塗膜を硬化させ、コレステリック液晶ポリマー層(厚さ:2.1μm)を形成し、実施例1の熱線反射フィルムを作製した。
(実施例2)
下記材料を攪拌して混合し、コレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を調製し、上記コレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱線反射フィルムを作製した。
(1)重合性官能基を有する液晶化合物(BASF社製、商品名「パリオカラー LC242」):97.3部
(2)キラル剤(BASF社製、右旋光性キラル剤、商品名「パリオカラー LC−756」):2.7部
(3)イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」):2.0部
(4)光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」):3.0部
(5)溶剤(シクロヘキサノン):412部
(実施例3)
イソシアネート化合物の使用量を5.0部にした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱線反射フィルムを作製した。
(実施例4)
イソシアネート化合物として、日本ポリウレタン工業社製の「コロネートHX」(商品名)に代えて、信越化学工業社製のイソシアネート化合物「KBE9007」(商品名)を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例4の熱線反射フィルムを作製した。
(実施例5)
イソシアネート化合物の使用量を0.5部にした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱線反射フィルムを作製した。
(比較例1)
イソシアネート化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱線反射フィルムを作製した。
<PVB樹脂フィルムとの接着性評価>
実施例1〜5及び比較例1で作製した熱線反射フィルムについて、下記のとおりポリビニルブチラール樹脂フィルムとの接着性を評価した。
先ず、上記で作製した熱線反射フィルムのコレステリック液晶ポリマー層側に、厚さ380μmのポリビニルブチラール樹脂フィルム(中間膜)を配置し、更にその中間膜側にガラス基板(松浪硝子工業社製の大型スライドガラス「S−9224」(商品名)、サイズ:76×52mm)を配置して積層体を形成した。続いて、その積層体のガラス基板側に厚さ3mmのシリコンゴムシートを配置し、その積層体の熱線反射フィルム側に厚さ1mmのシリコンゴムシートを配置し、それらのシリコンゴムシートの両側に厚さ1mmのステンレス鋼板を配置し、その積層体のガラス基板側を下に配置して油圧成形機の熱プレス盤をステンレス鋼板の両側から押圧し、熱線反射フィルムと中間膜とガラス基板とを貼り合わせて、接着性評価サンプルを作製した。上記押圧は、上記熱プレス盤の温度を135℃、サンプルにかかる押圧力を1.2MPa、押圧時間を30分とする条件で行った。
次に、作製した接着性評価サンプルを室温で24時間保存した後、熱線反射フィルムと中間膜の密着部分にカッターナイフの刃を入れ、こじ開けるようにして上記接着性評価サンプルの剥離状態を観測した。
更に、作製した別の接着性評価サンプルを−20℃で24時間保存した後、直ぐに熱線反射フィルムと中間膜の密着部分にカッターナイフの刃を入れ、こじ開けるようにして上記接着性評価サンプルの剥離状態を観測した。
上記観測結果に基づき、下記評価基準により熱線反射フィルムと中間膜との接着性を評価し、その評価結果を表1に示す。
AA:きわめて良好(熱線反射フィルムと中間膜とが全く剥離せず、ガラス基板と中間膜が剥離するか、又は中間膜が損傷した場合)
A:良好(熱線反射フィルムから中間膜が部分的に剥離するが、その剥離部分を手で広げて剥がすのに強い手ごたえがあった場合)
B:普通(熱線反射フィルムから中間膜が部分的に剥離するが、その剥離部分を手で広げて剥がすのに軽い手ごたえがあった場合)
C:不良(熱線反射フィルムから中間膜が部分的に剥離した後、その剥離部分を手で広げて剥がすのにほとんど手ごたえがなかった場合)
Figure 2015051604
表1に示すように、実施例1〜5の熱線反射フィルムは、イソシアネート化合物を含んでおり、接着性が良好であることが分かる。一方、イソシアネート化合物を含まない比較例1の熱線反射フィルムは、接着性が劣っていることが分かる。
<合わせガラス体での耐衝撃性評価>
実施例1〜5及び比較例1で作製した熱線反射フィルムについて、下記のとおり合わせガラス体を作製し耐衝撃性を評価した。
先ず、上記で作製した熱線反射フィルムの両側に厚さ380μmのポリビニルブチラール樹脂フィルム(中間膜)を配置し、更にその中間膜の両側にガラス基板(松浪硝子工業社製の大型スライドガラス「S−9224」(商品名)、サイズ:76×52mm)を配置して積層体を形成した。続いて、その積層体の両側に厚さ3mmのシリコンゴムシートを配置し、そのシリコンゴムシートの両側に厚さ1mmのステンレス鋼板を配置し、油圧成形機の熱プレス盤をステンレス鋼板の両側から押圧し、熱線反射フィルムと中間膜とガラス基板とを貼り合わせて、合わせガラス体耐衝撃性評価サンプルを作製した。上記押圧は、上記熱プレス盤の温度を135℃、サンプルにかかる押圧力を1.2MPa、押圧時間を30分とする条件で行った。
次に、作製した合わせガラス体耐衝撃性評価サンプルを室温で24時間保存した後、合わせガラス体耐衝撃性評価サンプルを、厚さ10mmのアルミニウム板の上に、熱線反射フィルムのPETフィルム側のガラス基板を下にして載置した。次に、熱線反射フィルムのコレステリック液晶ポリマー層側のガラス基板の中央部を片手ハンマー(トラスコ社製、商品名「TKH10」)で強くたたいて、上記合わせガラス体耐衝撃性評価サンプルを観測した。
更に、作製した別の合わせガラス体耐衝撃性評価サンプルを−20℃で24時間保存した後、直ぐに上記と同様にして片手ハンマーで強くたたいて、上記合わせガラス体耐衝撃性評価サンプルを観測した。
上記観測の結果、いずれのサンプルもガラスにクラックは入ったものの、ガラスが剥がれることはなかった。但し、いずれのサンプルも構成部材の剥離による空気の侵入によるものと思われるうきが観測された。
上記観測結果に基づき、下記評価基準により合わせガラス体での耐衝撃性を評価し、その評価結果を表2に示す。
A:良好(うき部分の面積が、全体面積の30%未満であった場合)
C:不良(うき部分の面積が、全体面積の50%以上であった場合)
Figure 2015051604
表2に示すように、実施例1〜5の熱線反射フィルムは、イソシアネート化合物を含んでおり、合わせガラス体を形成しても耐衝撃性が良好であることが分かる。一方、イソシアネート化合物を含まない比較例1の熱線反射フィルムは、合わせガラス体にしても耐衝撃性が劣っていることが分かる。
本発明は、コレステリック液晶ポリマーを用いた熱線反射フィルムと樹脂フィルムとの接着性の向上を図ることができ、熱線反射フィルムとガラス基板とを上記樹脂フィルムを介して接着して形成した合わせガラス体の耐衝撃性を向上できる。
10 熱線反射フィルム
11 透明基材
12 コレステリック液晶ポリマー層
20 合わせガラス体
21a 第1のガラス基板
21b 第2のガラス基板
22a 第1の樹脂フィルム
22b 第2の樹脂フィルム

Claims (8)

  1. コレステリック液晶ポリマー層と、透明基材とを含む熱線反射フィルムであって、
    前記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを重合させて形成したものであり、
    前記コレステリック液晶ポリマー層は、イソシアネート基を有する化合物を含むことを特徴とする熱線反射フィルム。
  2. 前記イソシアネート基を有する化合物の含有量は、前記液晶化合物と前記キラル剤との合計100質量部に対して0.5質量部以上7質量部以下である請求項1に記載の熱線反射フィルム。
  3. 前記コレステリック液晶ポリマー層は、界面活性剤を更に含み、
    前記界面活性剤の含有量は、前記液晶化合物と前記キラル剤との合計100質量部に対して0.005質量部以上0.5質量部以下である請求項1又は2に記載の熱線反射フィルム。
  4. 前記コレステリック液晶ポリマー層の厚みが、最大反射率波長の1.5倍以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱線反射フィルム。
  5. 重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、イソシアネート基を有する化合物と、重合開始剤とを含む塗布液を透明基材に塗布して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜に紫外線を照射させる工程とを含むことを特徴とする熱線反射フィルムの製造方法。
  6. 前記塗布液中の前記イソシアネート基を有する化合物の含有量は、前記液晶化合物と前記キラル剤との合計100質量部に対して0.5質量部以上7質量部以下であり、
    前記塗布液中の前記重合開始剤の含有量は、前記液晶化合物と前記キラル剤との合計100質量部に対して0.05質量部以上5質量部以下である請求項5に記載の熱線反射フィルムの製造方法。
  7. 第1のガラス基板と、第1の樹脂フィルムと、熱線反射フィルムと、第2の樹脂フィルムと、第2のガラス基板とをこの順番に積層した合わせガラス体であって、
    前記熱線反射フィルムとして、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱線反射フィルムを用いることを特徴とする合わせガラス体。
  8. 前記第1の樹脂フィルム及び前記第2の樹脂フィルムは、ポリビニルブチラールを含む請求項7に記載の合わせガラス体。
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