JP6099442B2 - 透明遮熱断熱部材 - Google Patents

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Description

本発明は、透明遮熱断熱部材に関する。
地球温暖化防止及び省エネルギーの観点から、ビルディングの窓、ショーウインドウ、自動車の窓面等から太陽光の熱線(赤外線)をカットし、温度を低減させることが広く行われている。熱線カット材料としては、アンチモンドープ酸化錫(ATO)や錫ドープ酸化インジウム(ITO)等を用いたもの(例えば、特許文献1参照。)、金属薄膜の積層膜を用いたもの(例えば、特許文献2参照。)、遮熱性を更に向上させるためにコレステリック液晶層と、低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とが交互に積層されて構成される誘電体多層膜とを含む赤外線反射膜(例えば、特許文献3参照。)等が提案され、各種遮熱分野への使用が考えられる。
特開平9−156025号公報 特開平10−309767号公報 特開2012−32454号公報
しかし、特許文献1で提案されているようなATOやITOを用いた熱線カット部材は、可視光領域に吸収帯を有するものであるが、熱線のカット方法が熱線吸収タイプであるため、ガラス等に貼合わせて使用した場合に熱割れを引き起こすことがある。また、特許文献2で提案されているような金属薄膜の積層膜を用いた熱線カット部材は、熱線のカット方式が反射タイプであるため、上記のような熱割れを引き起こすことはないが、遮熱性能を向上させるため近赤外領域の反射率を高くすると可視光線透過率が低下するという問題点がある。更に、特許文献3で提案されているようなコレステリック液晶層と、低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とが交互に積層されて構成される誘電体多層膜とを含む赤外線反射膜は、耐光性を向上させるための層構成を低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層からなる誘電体多層膜及びコレステリック液晶層にせざるをえず、この赤外線反射膜は可視光透過率、遮熱性能、耐光性に優れるが、窓ガラス等に適用した場合、断熱性がガラスとほぼ同じ程度であるという問題があった。
本発明は上記問題を解決したもので、遮熱機能、断熱機能及び耐湿熱性に優れる透明遮熱断熱部材を提供するものである。
本発明の透明遮熱断熱部材は、コレステリック液晶ポリマー層と、赤外線反射層と、透明基材とを含む透明遮熱断熱部材であって、前記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、多官能アクリレート化合物とを含む材料を光重合させて形成されたものであり、前記キラル剤の含有量は、前記液晶化合物と前記キラル剤との合計100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下であり、前記コレステリック液晶ポリマー層及び前記赤外線反射層は、前記透明基材を介して配置され、ガラス基板を前記コレステリック液晶ポリマー層側に貼り合わせた場合において、前記ガラス基板とは反対側から光を照射して測定した際の波長5.5〜25.2μmの光の平均反射率が70%以上であることを特徴とする。

本発明によれば、遮熱機能、断熱機能及び耐湿熱性に優れる透明遮熱断熱部材を提供できる。
図1は、本発明の透明遮熱断熱部材の一例を示す概略断面図である。
本発明の透明遮熱断熱部材は、コレステリック液晶ポリマー層と、赤外線反射層と、透明基材とを備えている。また、上記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、多官能アクリレート化合物とを含む材料を光重合させて形成されたものであり、上記キラル剤の含有量は、上記液晶化合物と上記キラル剤との合計100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下である。また、上記コレステリック液晶ポリマー層及び上記赤外線反射層は、上記透明基材を介して配置されている。更に、本発明の透明遮熱断熱部材をガラス基板に貼り合わせた場合において、上記ガラス基板とは反対側から光を照射して測定した際の波長5.5〜25.2μmの光の平均反射率が70%以上であることを特徴とする。
上記構成とすることにより、本発明の透明遮熱断熱部材は遮熱機能、断熱機能及び耐湿熱性に優れる。
以下、本発明の透明遮熱断熱部材を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の透明遮熱断熱部材の一例を示す概略断面図である。図1において、本発明の透明遮熱断熱部材10は、透明基材11と、コレステリック液晶ポリマー層12と、赤外線反射層13と、保護層14と、粘着剤層15とを備え、コレステリック液晶ポリマー層12及び赤外線反射層13は透明基材11を介して配置されている。
<コレステリック液晶ポリマー層>
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、多官能アクリレート化合物とを含む材料を光重合させて形成されたものである。
コレステリック液晶ポリマーは、棒状分子であるネマチック液晶化合物に少量の光学活性化合物(キラル剤)を添加することにより得ることができる。このコレステリック液晶ポリマーは、ネマチック液晶化合物が幾重にも重なる層状の構造を有している。この層内では、それぞれのネマチック液晶化合物が一定方向に配列しており、互いの層は液晶化合物の配列方向が螺旋状になるように集積している。そのため、コレステリック液晶ポリマーは、この螺旋のピッチに応じて、特定の波長の光のみを選択的に反射することができる。
通常のコレステリック液晶ポリマーは、温度により螺旋のピッチが変わり、反射する光の波長が変わるという特徴がある。重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤とを含有する混合物を、液晶状態で均一にさせた後、液晶状態を保持したまま紫外線等の活性エネルギー線を照射すると、液晶化合物の配向状態を半永久的に固定化したコレステリック液晶ポリマーを含有する層を作製することが可能となる。
このようにして得られたコレステリック液晶ポリマー層は、温度によって反射する光の波長が変わることがなく半永久的に反射波長を固定化することが可能となる。また、このコレステリック液晶ポリマー層は、コレステリック液晶旋光性を有することから、円偏光の回転方向と波長が、液晶分子の回転方向と螺旋ピッチと等しい場合、その光を透過せずに反射する。通常、太陽光は、右螺旋と左螺旋の円偏光から合成されている。そのため、旋光性の向きが右螺旋のキラル剤を用いて特定の螺旋ピッチとしたコレステリック液晶ポリマー層と、旋光性の向きが左螺旋のキラル剤を用いて特定の螺旋ピッチとしたコレステリック液晶ポリマー層とを積層させることにより、選択反射波長での反射率をより高くすることができる。
本発明における上記コレステリック液晶ポリマー層の厚みは、入射光を最大反射させる波長(最大反射率波長)の1.5倍以上4.0倍以下が好ましく、最大反射率波長の1.7倍以上3.0倍以下がより好ましい。コレステリック液晶ポリマー層の厚みが最大反射率波長の1.5倍を下回ると、コレステリック液晶ポリマー層の配向性を維持することが困難になり、光反射率が低下することがある。また、コレステリック液晶ポリマー層の厚みが最大反射率波長の4.0倍を超えると、コレステリック液晶ポリマー層の配向性と光反射率は良好に維持できるが、厚みが厚くなり過ぎることがある。コレステリック液晶ポリマー層の厚みは、例えば、0.5μm以上20μm以下、好ましくは1μm以上10μm以下である。
また、本発明における上記コレステリック液晶ポリマー層は、単層構造に限らず、複数層構造であってもよい。複数層構造の場合、それぞれの層が、異なる選択反射波長を有すれば、光を反射する波長領域を広げることができ、好ましい。
以下、本発明に用いるコレステリック液晶ポリマー層の形成材料について詳細に説明する。
[重合性官能基を有する液晶化合物]
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層の形成には、重合性官能基を有する液晶化合物を用いる。上記液晶化合物としては、例えば、「液晶の基礎と応用」(松本正一、角田市良 共著;(株)工業調査会)第8章に記載されているような公知の化合物を用いることができる。
上記液晶化合物の具体例としては、例えば、WO95/22586号パンフレット、特開2000−281629号公報、特開2001−233837号公報、特表2001−519317号公報、特表2002−533742号公報、特開2002−308832号公報、特開2002−265421号公報、特開2005−309255号公報、特開2005−263789号公報、特開2008−291218号公報、特開2008−242349号公報、WO2009/133290号パンフレット等に記載の化合物を挙げることができる。
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層の形成に用いられる液晶化合物は、一種類を単独で用いてもよいし、単独で用いた場合に、コレステリック液晶層の配向が乱れやすいのであれば、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを併用してもいい。この場合、高融点液晶化合物の融点と低融点液晶化合物の融点との差が、15℃以上30℃以下であることが好ましく、20℃以上30℃以下がより好ましい。
上記液晶化合物について、高融点液晶化合物と低融点液晶化合物とを併用する場合、高融点液晶化合物の融点は、透明基材のガラス転移温度以上であることが好ましい。上記液晶化合物の融点が低い場合、キラル剤や溶剤との相溶性や溶解性に優れるが、融点が低すぎると作製した透明遮熱断熱部材の耐熱性に劣る。そのため、少なくとも高融点液晶化合物の融点を透明基材のガラス転移温度以上とするのがよい。
上記高融点液晶化合物と上記低融点液晶化合物との組合せとしては、市販品を用いることができ、例えば、ADEKA社製の商品名「PLC7700」(融点90℃)と「PLC8100」(融点65℃)との組合せ、上記「PLC7700」(融点90℃)と「PLC7500」(融点65℃)との組合せ、DIC社製の商品名「UCL−017A」(融点96℃)と「UCL−017」(融点70℃)との組合せ等が挙げられる。
上記重合性官能基を有する液晶化合物を三種類以上用いる場合は、それらの中で、最大の融点を有するものを高融点液晶化合物とし、最小の融点を有するものを低融点液晶化合物とする。
上記重合性官能基を有する液晶化合物を二種以上併用する場合は、上記高融点液晶化合物を全体の質量割合で90質量%以下の範囲で含むことが好ましい。上記高融点液晶化合物の割合が90質量%を超えると、上記液晶化合物の相溶性が低下する傾向があり、その結果、コレステリック液晶ポリマー層の配向性が一部乱れることにより、ヘイズの上昇が生じる場合がある。
[重合性官能基を有するキラル剤]
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層の形成に用いられる重合性官能基を有するキラル剤としては、上記液晶化合物との相溶性が良好で、かつ、溶剤に溶解可能なものであれば、特に構造についての制限はなく、従来の重合性官能基を有するキラル剤を用いることができる。
上記キラル剤の具体例としては、例えば、WO98/00428号パンフレット、特表平9−506088号公報、特表平10−509726号公報、特開2000−44451号公報、特表2000−506873号公報、特開2003−66214号公報、特開2003−313187号公報、米国特許第6468444号明細書等に記載の化合物を挙げることができる。また、このようなキラル剤としては、市販品を用いることができ、例えば、メルク社製の商品名「S101」、「R811」、「CB15」;BASF社製の商品名「PALIOCOLOR LC756」;ADEKA社製の商品名「CNL715」、「CNL716」等が挙げられる。
上記コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長は、螺旋ピッチを調整することにより制御することができる。この螺旋ピッチは、上記液晶化合物及び上記キラル剤の配合量を調整することにより、調整することができる。例えば、上記キラル剤の濃度が高い場合、螺旋の捻じり力が増加するため、螺旋のピッチは小さくなり、コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長λは短波長側へシフトする。また、上記キラル剤の濃度が低い場合、螺旋の捻じり力が低下するため、螺旋のピッチは大きくなり、コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長λは長波長側へシフトする。よって、上記キラル剤の配合量としては、上記液晶化合物と上記キラル剤との合計100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下とし、0.2質量部以上7.0質量部以下が好ましい。上記キラル剤の配合量が0.1質量部以上10質量部以下であれば、得られるコレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長を長波長域に制御することができる。
上記のようにキラル剤の配合量を調整することにより、コレステリック液晶ポリマー層の選択反射波長を制御することができる。この選択反射波長を近赤外線領域に制御すれば、可視光領域に実質的に吸収がなく、即ち、可視光領域で透明で、かつ近赤外線領域の光を選択的に反射可能な透明遮熱断熱部材を得ることができる。例えば、上記透明遮熱断熱部材の最大反射率波長を800nm以上とすることができる。
[多官能アクリレート化合物]
本発明におけるコレステリック液晶ポリマー層の形成に用いられる上記多官能アクリレート化合物としては、上記液晶化合物及び上記キラル剤との相溶性が良好で、コレステリック液晶ポリマー層の配向性を乱さないものであれば、適宜使用可能である。例えば、不飽和基を2つ以上有する多官能アクリル系樹脂モノマー等が挙げられる。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサントリメタクリレート;ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー等のポリウレタンポリアクリレート;ポリエステルポリアクリレート等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とから生成されるエステル類;1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン等のビニルベンゼン及びその誘導体等が挙げられる。これらの多官能アクリレート化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記多官能アクリレート化合物は、上記重合性官能基を有する液晶化合物と重合性官能基を有するキラル剤との硬化性を向上させるために用いられるが、コレステリック液晶ポリマー層の配向性が乱れない量で添加される。具体的には、多官能アクリレート化合物の含有量は、上記液晶化合物と上記キラル剤との合計100質量部に対して、0.5質量部以上5質量部以下であればよいが、好ましくは1質量部以上3質量部以下である。
<赤外線反射層>
上記赤外線反射層の波長5.5〜25.2μmの光の平均反射率は、80%以上に設定することが好ましい。これにより、本発明の透明遮熱断熱部材の断熱機能を付与できる。また、上記赤外線反射層は、導電性積層膜から構成されていることが好ましく、更に上記導電性積層膜は、可視光領域の透過率を向上させる目的で、少なくとも上記透明基材側から金属酸化物層と、銀、銅、金、白金、アルミニウム等の金属により形成される金属層と、上記金属酸化物層とをこの順に備えていることが好ましい。上記導電性積層膜を上記三層構造にすることにより、上記透明遮熱断熱部材の断熱機能をより向上できる。
上記金属酸化物層は、酸化インジウムスズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化アルミニウム等による金属酸化物材料が適宜使用可能であり、これらの材料をスパッタリング法、蒸着法等のドライコーティング法により形成することが可能で、上記金属酸化物層の一層当たりの厚さは、0.005μm〜0.02μmとすればよい。
また、上記金属層としては、銀、銅、金、白金、アルミニウム等の金属材料が適宜使用可能であり、これらの材料をスパッタリング法、蒸着法等のドライコーティング法により形成することが可能で、上記金属酸化物層の一層当たりの厚さは、0.005μm〜0.02μmとすればよい。
<透明基材>
本発明の透明遮熱断熱部材を構成する透明基材としては、透光性を有する材料で形成されていれば特に限定されない。上記透明基材としては、例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、セルロース系樹脂(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等)、ノルボルネン系樹脂等の樹脂を、フィルム状又はシート状に加工したものを用いることができる。上記樹脂をフィルム状又はシート状に加工する方法としては、押し出し成形法、カレンダー成形法、圧縮成形法、射出成形法、上記樹脂を溶剤に溶解させてキャスティングする方法等が挙げられる。上記樹脂には、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。上記透明基材の厚みは、例えば、10〜500μmである。
<保護層>
上記赤外線反射層の上記透明基材側とは反対側に保護層を配置することが好ましい。これにより、上記赤外線反射層の損傷を防止できる。上記保護層は、その波長5.5〜25.2μmの光の平均透過率が70%以上であることが好ましい。これにより、本発明の透明遮熱断熱部材の透明性を維持できる。上記保護層の材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)等の波長5.5〜25.2μm領域に光の吸収が少ない樹脂を使用できる。また、上記保護層の厚さは、5〜20μmとすればよい。
<粘着剤層>
上記コレステリック液晶ポリマー層の上記透明基材側とは反対側に粘着剤層を配置することが好ましい。これにより、本発明の透明遮熱断熱部材をガラス基板等(図示せず。)に容易に貼り付けることができる。上記粘着剤層の材料としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系等の樹脂を使用できる。また、上記粘着剤の厚さは、10〜100μmとすればよい。
<透明遮熱断熱部材>
本発明の透明遮熱断熱部材は、ガラス基板に貼り合わせた場合において、上記ガラス基板側から光を照射して日本工業規格(JIS)A5759による日射反射率を測定した際の波長800〜1500nmの光の最大反射率を70%以上とでき、上記ガラス基板とは反対側から光を照射して測定した際の波長5.5〜25.2μmの光の平均反射率を70%以上とできる。
即ち、本発明の透明遮熱断熱部材は、上記コレステリック液晶ポリマー層により遮熱機能を発揮でき、また、上記赤外線反射層により断熱機能を発揮できる。従って、本発明の透明遮熱断熱部材は、例えば、上記コレステリック液晶ポリマー層側をガラス基板等に貼り合わせて外界側に配置し、上記赤外線反射層側を室内側に配置するのが好ましい。これにより、夏場等において遮熱機能が発揮されて外光による室内の温度上昇が抑えられ、かつ、冬場等において断熱機能が発揮されて室内からの温度拡散が抑えられる。このように、本発明の透明遮熱断熱部材は、コレステリック液晶ポリマー層側をガラス基板等に貼りあわせ、ガラス基板側から外光(室外光等)が入射するように用いられる。
本発明の透明遮熱断熱部材は、フィルム状又はシート状の形態でガラス基板等に貼り合わせて用いることができるが、他の形態で用いてもよい。
次に、本発明の透明遮熱断熱部材の製造方法の一例を図1を参照しながら説明する。
先ず、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、多官能アクリレート化合物と、重合開始剤と、更に必要に応じて界面活性剤、配向調整剤等とを溶剤に溶解させてコレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を調製する。続いて、この塗布液を、透明基材11の片面上に膜状に塗布して乾燥させる。その後、得られた塗膜に例えば紫外線を照射することにより、上記液晶化合物と上記キラル剤と上記多官能アクリレート化合物とを重合させる。これにより、透明基材11の片面上にコレステリック液晶ポリマー層12が形成される。
上記塗布液を塗布する方法は特に制限されず、例えば、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート、マイクログラビアコート等の塗工法、又はグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等の印刷法等を用いることができる。
上記重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤が挙げられる。上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系開始剤;α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α'−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等の芳香族ケトン系開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系開始剤;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール系開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系開始剤;ベンジル等のベンジル系開始剤;ベンゾイン等のベンゾイン系開始剤;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン等のα−ケトール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;カンファーキノン系化合物;ハロゲン化ケトン系化合物;アシルホスフィノキシド系化合物;アシルホスフォナート系化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記光重合開始剤の配合量は、上記液晶化合物と上記キラル剤との合計100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部である。
上記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。照射する紫外線の波長は、例えば、160〜380nmであり、250〜380nmが好ましい。照射時間は、例えば0.1〜600秒であり、0.3〜300秒が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト等)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ等)等を用いることができる。紫外線の光量としては、例えば200〜600mJ/cm2であり、好ましくは300〜500mJ/cm2である。
上記溶剤としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が使用できる。これらの溶剤は、単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
次に、透明基材11の他方の片面に赤外線反射層13を形成する。赤外線反射層13は、例えば、導電性材料をスパッタリング等の方法で形成できるが、他の方法によって形成してもよい。赤外線反射層13は、高屈折率導電層と、低屈折率導電層と、高屈折率導電層との三層構造とするのが、断熱機能の点で好ましい。
次に、上記赤外線反射層13の外面に必要に応じて保護層14を形成する。これにより、赤外線反射層13を室内側に配置しても、窓拭き等により赤外線反射層13が損傷することが防止できる。
最後に、上記コレステリック液晶ポリマー層12の外面に粘着剤層15を形成する。上記粘着剤層15を形成する方法も特に制限されず、上記コレステリック液晶ポリマー層12の外面に、粘着剤を直接塗布してもよいし、別途用意した粘着剤シートを貼り合わせてもよい。
以上の工程により、本発明の透明遮熱断熱部材の一例が得られ、その後に必要に応じてガラス基板等に貼り合わせて用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に指摘がない場合、下記において、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
<透明遮熱断熱部材の作製>
先ず、透明基材として、片面をアクリル樹脂にて易接着処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、商品名「QT92」、厚み:50μm、ガラス転移温度:75℃)を用意した。次に、上記PETフィルムの易接着処理した側に、厚さ11nmのITO層、厚さ9nmの銀層、厚さ11nmのITO層からなる三層構造の導電性積層膜(赤外線反射層)をスパッタリングにより形成した。
続いて、下記材料を攪拌して混合し、コレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を調製した。
(1)重合性官能基を有する液晶化合物I(ADEKA社製、高融点液晶化合物、商品名「PLC−7700」、融点:90℃):86.4部
(2)重合性官能基を有する液晶化合物II(ADEKA社製、低融点液晶化合物、商品名「PLC−8100」、融点:65℃):9.6部
(3)キラル剤(ADEKA社製、右旋光性キラル剤、商品名「CNL−715」):4.0部
(4)多官能アクリレート化合物(共栄社化学社製、商品名「ライトアクリレートPE−3A」):1.5部
(5)光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」):3.0部
(6)溶剤(シクロヘキサノン):464部
上記コレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を、マイクログラビアコータを用いて上記PETフィルムの上記導電性積層膜が形成されていない面上に塗布し、100℃で乾燥させて塗膜を形成した。その塗膜に紫外線(波長:最大波長365nm、光源:高圧水銀ランプ、光量:500mJ/cm2)を30秒間照射して塗膜を硬化させ、右旋向性コレステリック液晶ポリマー層(厚さ:2.1μm)を形成した。
更に、キラル剤として、ADEKA社製の右旋光性キラル剤「CNL−715」に代えて、ADEKA社製の左旋光性キラル剤「CNL−716」(商品名)を用いた以外は、上記と同様にしてコレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を調製し、このコレステリック液晶ポリマー層形成用塗布液を用いて、上記右旋向性コレステリック液晶ポリマー層の面上に上記と同様の方法で左旋向性コレステリック液晶ポリマー層を形成した。
続いて、上記導電性積層膜が形成された面上に、東レ社製の延伸PPフィルム「トレファン2248」(商品名)を、温度100℃、線圧30Kg/cmで貼り合わせて保護層を形成した。上記延伸PPフィルム「トレファン2248」の波長5.5〜25.2μmの光の平均透過率を後述する紫外可視近赤外分光光度計「Ubest V−570型」(日本分光社製)を用いて測定したところ75%であった。
以上のようにして保護層付き透明遮熱断熱フィルム(透明遮熱断熱部材)を作製した。
<粘着テープの作製>
先ず、片面がシリコーン処理されたPETフィルム(中本パックス社製、商品名「NS50MB」、厚さ:38μm)(以下、第1剥離PETフィルムという。)を用意した。また、アクリル系粘着剤(綜研化学社製、商品名「SKダイン2094」、固形分:25%)100部に対して、紫外線吸収剤(和光純薬社製、ベンゾフェノン)1.25部及び架橋剤(綜研化学社製、商品名「E−5XM」、固形分:5%)0.27質量部を添加し、十分に混合・分散させて粘着剤層形成用塗布液を調製した。
次に、上記第1剥離PETフィルムのシリコーン処理された側の面上に、乾燥後の厚さが25μmとなるように上記粘着剤層形成用塗布液を塗布し、粘着剤層を形成した。更に、この粘着剤層の上面に、片面がシリコーン処理された上記PETフィルム(中本パックス社製、商品名「NS50A」)(以下、第2剥離PETフィルムという。)のシリコーン処理された側を貼り合せて粘着テープを作製した。
<ガラス基板との貼り合わせ>
先ず、ガラス基板として、厚さ3mmのフロートガラス(日本板硝子社製)を用意した。次に、上記粘着テープから第2剥離PETフィルムを剥離して粘着剤層の表面を露出させ、この粘着剤層の露出面を上記フロートガラスの片面に当接させ、25℃においてニップ圧0.5MPaで貼り合せた。続いて、上記粘着テープから第1剥離PETフィルムを剥離して粘着剤層の表面を露出させ、この粘着剤層の露出面を上記保護層付き透明遮熱断熱フィルムのコレステリック液晶層の露出面に当接させ、25℃においてニップ圧0.5MPaで貼り合せた。
(実施例2)
キラル剤の使用量を6.0部にした以外は、実施例1と同様にして保護層付き透明遮熱断熱フィルムを作製し、実施例1と同様にして上記保護層付き透明遮熱断熱フィルムをガラス基板に貼り合わせた。
(実施例3)
左旋向性コレステリック液晶ポリマー層をPETフィルム上に形成した後に右旋向性コレステリック液晶ポリマー層をその上に形成した以外は、実施例1と同様にして保護層付き透明遮熱断熱フィルムを作製し、実施例1と同様にして上記保護層付き透明遮熱断熱フィルムをガラス基板に貼り合わせた。
(比較例1)
<透明遮熱断熱部材の作製>
保護層をコレステリック液晶ポリマー層側に形成した以外は、実施例1と同様にして保護層付き透明遮熱断熱フィルムを作製した。次に、実施例1と同様にしてガラス基板の片面に粘着剤層を配置して、この粘着剤層の露出面を上記保護層付き透明遮熱断熱フィルムの赤外線反射層の露出面に当接させた以外は、実施例1と同様にして上記保護層付き透明遮熱断熱フィルムをガラス基板に貼り合わせた。
(比較例2)
キラル剤の使用量を13部にした以外は、実施例1と同様にして保護層付き透明遮熱断熱フィルムを作製し、実施例1と同様にして上記保護層付き透明遮熱断熱フィルムをガラス基板に貼り合わせた。
<透明遮熱断熱部材の評価>
上記実施例1〜3及び上記比較例1〜2に関して、ガラス基板に貼り付けた状態での透明遮熱断熱部材の遮蔽係数、日射透過率、熱貫流率、ヘイズ、最大反射率波長、最大反射率、赤外領域平均反射率を下記のとおり測定し、更に耐湿熱性試験を行った。
[遮蔽係数]
JIS A5759に準拠し、分光光度計(島津製作所製、「UV3100」)を用い、波長300〜2500nmの透過スペクトル、反射スペクトルを測定することにより日射透過率、日射反射率を計算し、日射透過率、日射反射率、修正放射率から日射遮蔽係数を計算することにより遮蔽係数求めた。修正放射率は、JIS R3106に準拠して透明積層フィルム全体の垂直放射率を求め、JIS A5759に記載されている係数で補正して算出した。
[日射透過率]
ガラス基板側を入射光側として、300〜2500nmの範囲で紫外可視近赤外分光光度計「Ubest V−570型」(日本分光社製)を用いて光透過率を測定し、JIS A5759に基づき、ガラス基板に貼り付けた状態での透明遮熱断熱部材の日射透過率を計算した。
[熱貫流率]
赤外分光用積分球を付属したフーリエ変換赤外分光光度計(島津製作所製、「IR Prestige21」)にて、ガラス基板に貼り付けた状態での透明遮熱断熱部材の赤外線反射層側の反射率の測定を3〜30μmの範囲にて行い、その測定値からJIS R3106(1985年制定)に準じて熱線の平均反射率を算出した。また、該熱線反射率からJIS R3107(1998年制定)に準じて、熱貫流率を算出した。
[ヘイズ]
JIS K7105に基づき、ガラス基板側を入射光側として、380nm〜780nmの範囲で紫外可視近赤外分光光度計「Ubest V−570型」(日本分光社製)を用いて、ガラス基板に貼り付けた状態での透明遮熱断熱部材のヘイズを測定した。
[最大反射率波長及び最大反射率]
ガラス基板とは反対側の透明遮熱断熱部材の表面を紙やすりで削り、更にその表面を黒インクの油性フェルトペンで黒く塗りつぶした。そのように処理した透明遮熱断熱部材の反射スペクトルを、ガラス基板側から紫外可視近赤外分光光度計「Ubest V−570型」(日本分光社製)を用いて、300〜2500nmの範囲で測定した。得られた反射スペクトルから、ガラス基板に貼り付けた状態での透明遮熱断熱部材の最大反射率波長と最大反射率を算出した。
[赤外領域平均反射率]
ガラス基板とは反対側から光を照射した際の波長5.5〜25.2μmの光の反射率をフーリエ変換赤外分光光度計(島津製作所製、「IR Prestige21」)を用いて測定し、赤外領域平均反射率を計算した。
[耐湿熱性試験]
温度60℃、相対湿度90%の環境下でガラス基板に貼り付けた状態での透明遮熱断熱部材を1000時間保存して、保存前後での前述の最大反射率の変化率ΔRを下記式に基づき計算した。
ΔR(%)=|(Rsta(%)−Rend(%))|/Rsta(%)×100
上記式において、Rsta(%)は保存前の最大反射率、Rend(%)は保存後の最大反射率を表す。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006099442
表1に示すように、実施例1〜3の透明遮熱断熱部材は、日射透過率が70%以上で、ヘイズが2.0%以下で、遮蔽係数と熱貫流率とが低いので夏場の遮熱性、冬場の断熱性とが共に優れ、耐湿熱性の指標である最大反射率の変化率ΔRが0.5%以下であり、耐湿熱性にも優れていることが分かる。
一方、実施例1〜3と層構成が異なる比較例1では、熱貫流率が高く、赤外領域平均反射率が低いため、冬場の断熱性に劣り、キラル剤の使用量が過剰の比較例2では、遮蔽係数が高く、夏場の遮熱性に劣ることが分かる。
本発明は、遮熱機能、断熱機能及び耐湿熱性に優れる透明遮熱断熱部材を提供できる。このため、本発明の透明遮熱断熱部材を窓ガラス等に適用した場合に、夏場での遮熱性及び冬場での断熱性に優れ、耐久性も高いので、省エネルギー効果を長期間発揮できる。
10 透明遮熱断熱部材
11 透明基材
12 コレステリック液晶ポリマー層
13 赤外線反射層
14 保護層
15 粘着剤層

Claims (7)

  1. コレステリック液晶ポリマー層と、赤外線反射層と、透明基材とを含む透明遮熱断熱部材であって、
    前記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、多官能アクリレート化合物とを含む材料を光重合させて形成されたものであり、
    前記キラル剤の含有量は、前記液晶化合物と前記キラル剤との合計100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下であり、
    前記コレステリック液晶ポリマー層及び前記赤外線反射層は、前記透明基材を介して配置され、
    ガラス基板を前記コレステリック液晶ポリマー層側に貼り合わせた場合において、前記ガラス基板とは反対側から光を照射して測定した際の波長5.5〜25.2μmの光の平均反射率が70%以上であることを特徴とする透明遮熱断熱部材。
  2. 前記赤外線反射層の波長5.5〜25.2μmの光の平均反射率が、80%以上である請求項1に記載の透明遮熱断熱部材。
  3. 前記赤外線反射層は、導電性積層膜からなる請求項1又は2に記載の透明遮熱断熱部材。
  4. 前記導電性積層膜は、金属酸化物層と、金属層と、金属酸化物層とをこの順に含む請求項3に記載の透明遮熱断熱部材。
  5. 前記赤外線反射層の前記透明基材側とは反対側に保護層が更に配置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
  6. 前記保護層の波長5.5〜25.2μmの光の平均透過率が、70%以上である請求項5に記載の透明遮熱断熱部材。
  7. ガラス基板を前記コレステリック液晶ポリマー層側に貼り合わせた場合において、前記ガラス基板側から光を照射してJIS A5759による日射反射率を測定した際の波長800〜1500nmの光の最大反射率が70%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
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