JP2013019927A - 光ファイバの固定構造、光ファイバの固定方法 - Google Patents

光ファイバの固定構造、光ファイバの固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光ファイバの位置ずれを防止し、安定して光ファイバを固定可能な光ファイバの固定構造等を提供する。
【解決手段】 ファイバ固定台座9には、固定される光ファイバ13の長手方向に沿って溝15が設けられる。溝15は断面において円弧状に形成される。すなわち、半田11の下方の形態は、溝15によって形成され、溝15と同様に断面円弧状に形成される。半田11は、表面張力によって、ファイバ固定台座9の上方に突出するように凸状に形成される。溝15の上縁部近傍において、半田11の断面形状に段差が形成されずになだらかに形成される。すなわち、半田11の下方の断面形状と上方の断面形状とがなだらかに接続される。また、光ファイバ13は、半田11の略中央に形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバの位置ずれを防止可能であり、安定して光ファイバを固定可能な光ファイバの固定構造および光ファイバの固定方法に関するものである。
従来用いられているレーザダイオード(以下LD)モジュールにおいて、LDチップと光ファイバとは光学的に接続される。この際、光ファイバは、LDチップとの光軸を合わせた状態で、台座上に半田等によって固定される。このような光ファイバの台座上への固定方法は各種のものが提案されている(たとえば特許文献1)。
特開昭57−138191号公報
図7は、従来のLDモジュール100を示す概略図である。LDモジュール100は、ベース103上に、LD台座105とファイバ固定台座109とが整列して配置される。LD台座105上には、LDチップ107が固定される。また、ファイバ固定台座109には光ファイバ113が半田111によって固定される。この状態で、光ファイバ113とLDチップ107とが光学的に結合される。なお、以下の説明において、光ファイバとファイバ固定台座との固定構造を、光ファイバ固定構造と称する。
図8は、LDモジュール100における光ファイバ固定構造110を示す図で、図8(a)は側面図、図8(b)は正面図である。図8(a)に示すように、上面が平坦なファイバ固定台座109上には、上方に表面張力で盛り上がるように半田111が設けられ、半田111によって光ファイバ113が固定される。
しかし、LDモジュールの固定等を行う際に、光ファイバ113の半田固定部の後方側で軸方向に力が付されると(図中矢印C方向)、半田111による光ファイバ113の保持力が十分でないため、光ファイバ先端が上下にずれる恐れがある(図中矢印D方向)。
また、図8(b)に示すように、このような光ファイバ固定構造110では、半田111を溶融して凝固させる際に、光ファイバ113の上下方向に力が付与され、さらに、その後の各種の環境試験等において、クリープ現象によって光ファイバに周囲から不均一な力を受ける(図中矢印E方向)。これは、特に、光ファイバ113周囲の半田111の形状の影響が大きく、光ファイバ113の外周の半田111の厚さ(形状)が急激に変化する部位があると、これによって、不均一な力が光ファイバ113に付与されるものである。したがって、ファイバ固定台座109に対する光ファイバ113の位置が事後的に変動する恐れがある。
このような光ファイバの位置ずれは、特にシングルモードのレンズドファイバの場合に大きな問題となる。すなわち、シングルモードのレンズドファイバのように、結合トレランスの特に狭い光学結合系を用いたLDモジュールにおいては、このような位置ずれが生じることで、LDチップと光ファイバとの光結合状態にずれが生じ、LDモジュールのファイバ端出力が劣化するという問題があった。
特に、波長帯が980nm前後のLDチップとの光結合に用いられる光ファイバのように、先端形状が楔状の楔レンズドファイバを用いる場合には、その光結合の特性上、上下高さ方向の光結合トレランスが極端に狭いことから、ファイバ端出力の劣化は更に大きな問題となっていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、光ファイバの位置ずれを防止し、安定して光ファイバを固定可能な光ファイバの固定構造等を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、光ファイバの固定構造であって、台座と、前記台座に半田で固定される光ファイバと、を具備し、前記台座には、前記光ファイバの長手方向に沿って溝が形成され、断面において、前記溝の内面には角部が形成されずになだらかに形成され、前記溝の内面にはめっきが施され、前記台座の上面および端面の前記溝と隣接する部位にはめっきが施されない非めっき部が形成され、前記半田は、前記溝の内部から前記台座の上方に凸状に形成されるとともに、断面において、前記溝の上縁部近傍に前記半田に段差が形成されずになだらかに形成されることを特徴とする光ファイバの固定構造である。
前記光ファイバは、前記光ファイバの軸心が、前記溝の幅方向の中心であって、前記台座の上面と略一致する高さとなるように固定されることが望ましい。
前記溝の断面形状は、略円弧状に形成されてもよい。前記半田の断面形状は、略円状に形成され、前記光ファイバは前記半田の略中心に配置されてもよい。
前記光ファイバの外表面の少なくとも半田で固定される部位にはメタライズ層が設けられ、前記光ファイバが前記台座に固定された状態において、前記台座の端面から突出する部位の前記光ファイバの外表面の少なくとも一部には、前記メタライズ層が設けられないことが望ましい。
第1の発明によれば、ファイバ固定台座に溝が形成され、断面において、溝の内面に角部が形成されないため、半田の断面下部の形状がなだらかに形成される。また、溝の内面にめっきが施され、溝に隣接する上面および端面には非めっき部が形成されるため、半田がめっき部分である溝部にのみ保持される。このため、半田が溝の上方に凸状に形成された際に、半田が台座の上面に流れずに、表面張力によって溝の上になだらかに形成される。
すなわち、断面において、半田の下部および、溝の上縁部近傍に段差等が形成されずになだらかに形成され。このため、環境試験等におけるクリープ現象により、半田の断面において局部的な不均一な応力が付与されないため、光ファイバの位置ずれを防止することができる。
また、溝に沿って光ファイバが配置されるため、従来のように、平坦な台座上に光ファイバが半田で固定される場合と比較して、同じ大きさの台座であっても半田と台座との接触面積を大きくすることができる。また、半田と台座との固定方向が台座の上面の一方向ではなく、溝の内側面方向等によっても固定が可能である。このため、光ファイバがより確実に台座に固定され、光ファイバに力が付与された場合であっても、光ファイバの位置ずれを抑制することができる。
また、光ファイバの軸心が、溝の幅方向の中心であって、台座の上面と略一致する高さに固定されれば、溝に対して光ファイバが略中心に固定される。また、溝の断面形状が略円弧状に形成することで、光ファイバの軸心溝に対して光ファイバが略重心位置に固定される。したがって、クリープ現象等に対しても光ファイバがより安定に固定される。
特に、半田の断面形状が略円状に形成され、光ファイバが半田の略中心に配置されることで、断面において光ファイバの全周方向で半田が略均一の厚みとなるため、より安定に光ファイバを固定することができる。
また、半田と接触する部位の光ファイバの外表面にメタライズ層を設け、台座の端面から突出する部位の少なくとも一部に、光ファイバの外表面のメタライズ層を設けないようにすることもできる。このようにすれば、半田が光ファイバの表面に流れることがなく、光ファイバの光軸調整を行う際等においても半田形状を維持することができる。
第2の発明は、光ファイバの固定方法であって、断面において、内面に角部が形成されずになだらかに形成された溝を有する台座を用い、前記溝の内面にはめっきが施され、前記台座の上面および端面の前記溝と隣接する部位にはめっきが施されない非めっき部が形成されており、前記台座の前記溝に沿って、光ファイバの軸心が、前記溝の幅方向の中心であって、前記台座の上面と略一致する高さとなるように光ファイバを配置し、前記溝に半田を配置して、前記半田を加熱し、前記半田が、前記溝の内部から前記台座の上方に凸状に形成されるとともに、断面において、前記溝の上縁部近傍に前記半田に段差が形成されずになだらかに形成されるように前記半田を溶融凝固させて、光ファイバを固定することを特徴とする光ファイバの固定方法である。
前記溝の断面形状は、略円弧状に形成されており、前記溝に配置する前記半田は、下方に溝を有する半田材であり、前記半田材の量は、前記半田材を溶融凝固した後、前記溝の全長に渡って断面略円形状の半田が形成されるように調整され、前記半田材を配置する際に、前記半田材の溝によって前記光ファイバとの干渉を防ぐことが望ましい。
第2の発明によれば、光ファイバの位置ずれが生じにくく安定した光ファイバの固定構造を得ることができる。
また、溝に配置する半田が、下方に溝を有する半田材であり、半田材の量が、溝の全長に渡って断面略円形状の半田が形成されるように調整されることで、半田材を配置する際に、半田材と光ファイバとの干渉を防ぐことができる。また、確実に光ファイバの周囲に略均一な厚みの半田を形成することができる。
本発明によれば、光ファイバの位置ずれを防止し、安定して光ファイバを固定可能な光ファイバの固定構造等を提供することができる。
LDモジュール1を示す斜視図。 光ファイバ固定構造10を示す図で、(a)は側方図、(b)は側方図における半田およびファイバ固定台座透視図、(c)は正面図。 ファイバ固定台座9を示す斜視図。 ファイバ固定台座9に光ファイバ13および半田材11aを設置した状態を示す図。 半田材11aを溶融させた状態を示す図。 ファイバ固定構造10aを示す図。 従来のLDモジュール100を示す斜視図。 従来の光ファイバ固定構造110を示す図で、(a)は側方図、(b)は正面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、LDモジュール1の斜視図である。LDモジュール1は、主に、ベース3、LD台座5、LDチップ7、ファイバ固定台座9、光ファイバ13等から構成される。
ベース3は、上部に各構成が設置される板状の部材である。ベース3としては、例えば、AlN、CuW、SiC、Si、Al等を用いることができ、熱伝導性に優れる材質であることが望ましい。
ベース3上には、半田等によってLD台座5が固定される。LD台座5は上部にLDチップ7が固定される部材である。LD台座5としては、例えば、AlN、CuW、SiC、Si、Al等を用いることができ、また、LDチップ7は、所望の波長のレーザを発光することが可能である、例えばGaAsレーザ等を用いることができる。
ベース3上にはLD台座5と併設するように、ファイバ固定台座9が半田等によって固定される。ファイバ固定台座9としては、例えば、KOVAR、Si、Al、Si、ZrO、LTCC、3Al・2SiO等を用いることができ、例えばベース3に対して熱伝導性が劣る材質であることが望ましい。また、ファイバ固定台座9上面には、光ファイバ13が半田11によって固定される。この状態で、光ファイバ13とLDチップ7とが光学的に結合される。
なお、光ファイバ13とLDチップとの調芯は、例えば、光ファイバ13をファイバ固定台座9上に仮固定した状態で、LDチップ7からの光を入射させる。この状態で、光ファイバ13をLDチップ7に対して相対移動させるように、光ファイバ13をチャックしているハンド(図示せず)を移動させ、光ファイバ13にテンションを加えて、半田11を加熱する。半田11の溶融に伴い、光ファイバ13の位置が微調整される。このような作業を繰り返し、光ファイバ13に接続された光検出器で検出される光強度が最大となるように位置決めを行い、所定以上の強度が検出された状態で位置決め作業を終了する。以上により、光ファイバ13が適切な位置でファイバ固定台座9上に固定される。
図2は、光ファイバ固定構造10を示す概略図であり、図2(a)は側方図、図2(b)は半田11およびファイバ固定台座9を透視した状態を示す図、図2(c)は正面図である。
ファイバ固定台座9には、固定される光ファイバ13の長手方向に沿って溝15が設けられる。図2(c)に示すように、溝15は断面において円弧状(図では半円形状)に形成される。すなわち、半田11の下方の形態は、溝15によって形成され、溝15と同様に断面円弧状に形成される。
半田11は、表面張力によって、ファイバ固定台座9の上方に突出するように凸状に形成される。例えば、半田11の上方の形状は、ファイバ台座9に対する表面張力によって形成され、例えば図示したように略円弧状に形成される。
また、溝15の上縁部近傍において、半田11の断面形状に段差が形成されずになだらかに形成される。すなわち、半田11の下方の断面形状と上方の断面形状とがなだらかに接続され、例えば、図示したように、半田11の断面形状が略円状に形成される。なお、断面形状でなだらかに接続されるとは、段差や角部などがなく、断面における各部位における接線の傾きが外周において連続していることを指す。
なお、ファイバ固定台座9の幅(図2(c)の左右方向)は例えば1.5mm程度であり、高さは0.3〜0.5mm程度であり、長さ(図2(a)の左右方向)が0.9mm程度である。また、溝15は、幅が0.5〜0.6mm程度であり、光ファイバ13としては、例えば125μmのものを用いることができる。
図2(a)に示すように、半田11は、ファイバ固定台座9の前後方向(光ファイバの長手方向)に対しても、ファイバ固定台座9の端面からわずかに突出する。ここで、図2(b)に示すように、光ファイバ13の表面には、メタライズ層12が形成される。メタライズ層12は、半田11との濡れ性を高めるものである。したがって、半田11は、光ファイバ11のメタライズ層12の範囲において、光ファイバ13と接触する。
一方、光ファイバ13がファイバ固定台座9に固定された状態において、ファイバ固定台座9の端面から突出する部位の光ファイバ13の外表面の少なくとも一部には、メタライズ層12を設けなくてもよい。例えば、メタライズ層12の一部が剥離されてもよい。この場合、半田11は、メタライズ層12のない部位に対しては濡れることがなく、表面張力によって、半田11はメタライズ層12の範囲にのみ形成される。なお、光ファイバ心線の先端部のみメタライズ層が設けられず、その他の部位にはメタライズ層が全長に渡って形成されてもよい。
また、光ファイバ13は、半田11の略中央に形成される。例えば、半田11の断面が略円形状であれば、光ファイバ13はその中心に配置される。図の例では、光ファイバ13の軸心が、溝15の幅方向の中心であって、ファイバ固定台座9の上面の高さに配置される。このように配置することで、光ファイバ13の外周における半田11の厚さ(形状)が略均一となり、急激な形状変化部等が生じないため、前述したクリープ等による事後的な位置ずれを防止することができる。
また、半田11は、溝15の内面全面に固定される。このため、平面上に半田を配置する場合と比較して、同一範囲において、半田11とファイバ固定台座9との接触面積を大きくとることができる。また、半田11とファイバ固定台座9との接触方向が鉛直方向のみではなく溝15の内面形状に応じて、複数方向に接合される。このため、光ファイバ13の長手方向に力が付与された場合でも(図中矢印A方向)、半田11がファイバ固定台座に確実に固定され、光ファイバ13の先端位置のずれを防止することができる。
次に、光ファイバ固定構造10の形成方法について説明する。図3は、ファイバ固定台座9を示す斜視図である。光ファイバ固定構造10は、前述の通り半円形状の溝15が長手方向に形成される。すなわち、溝15の内面には、角部が形成されずになだらかに形成される。
また、溝15の表面には、前面に渡ってめっき17が形成される。めっき17は、半田11との濡れ性を高めるための例えばAuめっきである。これに対し、溝15以外の部位であって、溝15に隣接する部位であるファイバ固定台座9の上面19および端面21(図の背面側の端面も含む)には、めっき17が施されない非めっき部となる。したがって、めっき17以外のファイバ固定台座9の上面19および端面21には、半田11が濡れにくく、半田11が表面張力によって前述の通りそれぞれの方向に凸状に形成される。
次に、図4に示すように、ファイバ固定台座9に、光ファイバ13および半田材11aを配置する。半田材11aは、光ファイバ13を固定するための溶融前の状態の半田チップ等である。半田材11aの下部には、溝23が形成される。
まず、光ファイバ13を溝15に沿って配置する。この際、前述の通り、光ファイバ13の軸心位置が、溝15の幅方向の中心であって、ファイバ固定台座9の上面19の高さとなるように配置して仮固定する。
次に、光ファイバ13の上から半田材11aを配置する。この際、溝23に光ファイバ13が嵌り込むように、半田材11aが溝15内に配置される。すなわち、半田材11aを設置した状態で、光ファイバ13が半田材11aと干渉することがない。
次に、図5(a)に示すように、ファイバ固定台座9を加熱して、半田材11aを溶融させる。半田材11aは溶融して溝15内に溶け落ちる。なお、半田材11aを直接加熱してもよい。
半田材11aが完全に溶融すると、半田材11aは、下部が溝15の全面に接触して溝15の内面形状に形成されるとともに、上部が表面張力によって円弧状に上方に突出する。この状態で半田材の加熱を終了し、半田材を凝固させる。以上により光ファイバ13がファイバ固定台座上に固定される。
なお、溝15の上縁部において、半田11の断面に段差等が形成されずになだらかに形成されるように(図では、略円状の断面となるように)、あらかじめ設置される半田材11aの量が設定される。したがって、半田材の不足により、半田の上部への突出代が小さくなることで、溝15の上縁部に段差や不連続部が形成されることがなく、また、過剰な半田材によって、溝15の上縁部で、半田がファイバ固定台座9の上面に対して略垂直にならず、両側に過剰に膨れたり、上面19に流れたりすることがない。
また、光ファイバ13の外周部の半田11の厚さが全周方向で略均一となり、急激な厚さや形状の変化部がない。このため、その後の環境試験等においても、光ファイバ13の外周から受ける応力等(図中矢印B方向)が略均一である(または急激な変化部がない)ため、光ファイバ13のずれ等を防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、ファイバ固定台座9に断面円弧状の溝15が形成される。このため、半田11とファイバ固定台座9との接触面積を確保することができ、半田11がファイバ固定台座9に確実に固定される。したがって、半田11で固定される光ファイバ13の位置ずれを防止することができる。また、半田11の下方の断面形状をなだらかに形成することができる。
また、溝15の内面に角部等が形成されないため、半田を溶融させた際に、空気溜まりなどが生じにくい。このため、その後の環境試験時等において、温度変化に伴う空気溜まりの膨張および収縮により半田にクラック等が発生することや、クリープ現象の助長による光結合ズレなどの発生を防止することができる。
また、溝15の内面にのみめっき17を施すことで、非めっき部であるファイバ固定台座9の上面19や端面21に半田が流れることがなく、半田を表面張力によって保持することができる。このため、半田の上方の断面形状をなだらかに形成するとともに、溝15の上縁部において、半田11の溝15の形状と、上方の凸形状との接続部を、なだらかに形成することができる。したがって、半田11の断面形状において、急激な形状の変化部(角部や段部)が形成されることがない。
また、光ファイバ13は、半田11の断面の略中央に配置される。したがって、光ファイバ13の外周から半田11の外面までの距離が例えば上下左右で略均等となる。
したがって、内部の光ファイバ13の外周の全周に対して、半田11の厚さがなだらかに変化し、上下左右からの応力を互いに打ち消し合い、光ファイバ13に対する局所的な応力の発生を抑制することができる。したがって、クリープ等による事後的な光ファイバ13の位置ずれを抑制することができる。すなわち、本発明によれば、特に光接合トレランスの小さなシングルモードのレンズドファイバ等に特に好適な光ファイバ固定構造を得ることができる。
また、光ファイバ13の溝15の位置からわずかに突出する部位にメタライズ層が形成されない部位を設ければ、半田11が光ファイバ13の長手方向に流れることをより確実に防止することもできる。また、下部に溝23を有する半田材11aを用いることで、半田材の溶融時に光ファイバ13の上方からの荷重を低減し、光ファイバ13の下方からも半田材を流すことで、半田溶融時における光ファイバ13の位置ずれを防止することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、溝15の断面形状は、前述した略半円形状には限られない。図6は、ファイバ光ファイバ固定構造10aを示す図である。ファイバ固定構造10aは、溝15aが略半円形状ではなく、直線部を一部含む形状である。
すなわち、溝15aの断面形状は、略矩形の溝に対して、両側の隅部の角を面取りした形状となる。この場合でも、溝15aの内面形状は、角部が形成されずになだらかに形成される。ここで、角部のRは、溝の深さ分の距離を半径としたRで、その最大寸法は溝幅の1/2とすることが望ましい。
なお、この場合であっても、光ファイバ13の中心は、溝15aの幅方向の中心であって、ファイバ固定台座9の上面19の高さとなるように配置して固定すればよい。
1………LDモジュール
3………ベース
5………LD台座
7………LDチップ
9、9a………ファイバ固定台座
10、10a………ファイバ固定構造
11………半田
11a………半田材
12………メタライズ層
13………光ファイバ
15………溝
17………めっき
19………上面
21………端面
23………溝
100………LDモジュール
103………ベース
105………LD台座
107………LDチップ
109………ファイバ固定台座
110………ファイバ固定構造
111………半田
113………光ファイバ

Claims (6)

  1. 光ファイバの固定構造であって、
    台座と、
    前記台座に半田で固定される光ファイバと、
    を具備し、
    前記台座には、前記光ファイバの長手方向に沿って溝が形成され、
    断面において、前記溝の内面には角部が形成されずになだらかに形成され、
    前記溝の内面にはめっきが施され、前記台座の上面および端面の前記溝と隣接する部位にはめっきが施されない非めっき部が形成され、
    前記半田は、前記溝の内部から前記台座の上方に凸状に形成されるとともに、断面において、前記溝の上縁部近傍に前記半田に段差が形成されずになだらかに形成されることを特徴とする光ファイバの固定構造。
  2. 前記光ファイバは、前記光ファイバの軸心が、前記溝の幅方向の中心であって、前記台座の上面と略一致する高さとなるように固定されることを特徴とする請求項1記載の光ファイバの固定構造。
  3. 前記溝の断面形状は、略円弧状に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバの固定構造。
  4. 前記半田の断面形状は、略円状に形成され、前記光ファイバは前記半田の略中心に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ファイバの固定構造。
  5. 光ファイバの固定方法であって、
    断面において、内面に角部が形成されずになだらかに形成された溝を有し、前記溝の内面にめっきが施された台座を用い、前記台座の上面および端面の前記溝と隣接する部位にはめっきが施されない非めっき部が形成されており、
    前記台座の前記溝に沿って、光ファイバの軸心が、前記溝の幅方向の中心であって、前記台座の上面と略一致する高さとなるように光ファイバを配置し、
    前記溝に半田を配置して、前記半田を加熱し、
    前記半田が、前記溝の内部から前記台座の上方に凸状に形成されるとともに、断面において、前記溝の上縁部近傍に前記半田に段差が形成されずになだらかに形成されるように前記半田を溶融凝固させて、光ファイバを固定することを特徴とする光ファイバの固定方法。
  6. 前記溝の断面形状は、略円弧状に形成されており、
    前記溝に配置する前記半田は、下方に溝を有する半田材であり、
    前記半田材の量は、前記半田材を溶融凝固した後、前記溝の全長に渡って断面略円形状の半田が形成されるように調整され、
    前記半田材を配置する際に、前記半田材の溝によって前記光ファイバとの干渉を防ぐことを特徴とする請求項5記載の光ファイバの固定方法。
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