JP2013018713A - 皮膚外用剤 - Google Patents
皮膚外用剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013018713A JP2013018713A JP2011151060A JP2011151060A JP2013018713A JP 2013018713 A JP2013018713 A JP 2013018713A JP 2011151060 A JP2011151060 A JP 2011151060A JP 2011151060 A JP2011151060 A JP 2011151060A JP 2013018713 A JP2013018713 A JP 2013018713A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- group
- compound
- cysteic acid
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 0 C*C(NC(C)*)=O Chemical compound C*C(NC(C)*)=O 0.000 description 1
- GJQJRYRUYWAGFU-UHFFFAOYSA-N Cc(cccc1)c1C(NC(CS(O)(=O)=O)C(O)=O)=O Chemical compound Cc(cccc1)c1C(NC(CS(O)(=O)=O)C(O)=O)=O GJQJRYRUYWAGFU-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- LIWAZWJACUPLJE-UHFFFAOYSA-N OC(C(CS(O)(=O)=O)NC(c1ccccc1)=O)=O Chemical compound OC(C(CS(O)(=O)=O)NC(c1ccccc1)=O)=O LIWAZWJACUPLJE-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
Description
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、mは、0〜3の整数、nは、1又は2の整数を表す。]
<1> 下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)下記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、mは、0〜3の整数、nは、1又は2の整数を表す。]
<9> 前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を、皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、<1>〜<8>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<10> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、<1>〜<9>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<11> 色素沈着予防又は改善用であることを特徴とする、<1>〜<10>の何れかに記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物の内、好ましいものとしては、前記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、より好ましくは、前記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、さらに好ましくは、前記一般式(5)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
また、前記一般式(1)、(3)〜(5)に表される化合物に付いては、その化学構造中に不斉炭素を有するため、(L)体、(D)体又はラセミ体、更には、(L)体及び(D)体が任意の混合比率であるラセミ混合物等の様々な存在形態が考えられる。本発明の前記一般式(1)、(3)〜(5)に表される化合物は、(D)体、(L)体、ラセミ体、ラセミ混合物等の存在可能な形態を全て包含する。また、前記一般式(1)、(3)〜(5)に表される化合物及びその光学異性体の内、特に好ましいものとしては、(L)体が好適に例示出来る。これは、色素沈着予防又は改善作用の薬効面、安全性面などの性質に優れるためである。また、本発明の前記一般式(1)、(3)〜(5)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の1種又は2種以上を選択し、本発明の皮膚外用剤に含有させることが出来る。
前記R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、好ましいものを具体的に挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、メチルピリジル基、エチルピリジル基、メトキシピリジル基、エトキシピリジル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、ビフェニル基、メチルビフェニル基、エチルビフェニル基、メトキシビフェニル基、エトキシビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、フェニル基、ビフェニル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、フェニル基、4−ビフェニル基が好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物の内、前記R3が、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、フェニル基、4−ビフェニル基である化合物は、特に、色素沈着予防又は改善効果に優れる。また、前記の芳香族環上の置換基の数は、0〜3が好適に例示出来、より好ましくは、0又は1であり、芳香族環上の置換基は、それぞれ独立に存在することが出来る。また、前記の芳香族環上の置換基の置換位置としては、特段の限定はないが、芳香族環上においてシステイン酸構造が結合したアミド結合に対しパラ位が好ましい。前記mは、0〜3の整数を表し、特に、m=0の場合が好ましい。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは、n=1が好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、N−(トルイル)システイン酸、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(フェニルベンゾイル)システイン酸、N−(ベンゾイル)システイン酸、N−(トルイル)ホモシステイン酸、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましいものとしては、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)、N−(ベンゾイル)システイン酸(化合物6)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物7)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
前記一般式(1)、(3)〜(5)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。また、前記一般式(1)、(3)〜(5)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、親水性又は親油性媒体に対する溶解性に優れ、皮膚外用剤への製剤化が容易であり、多様な形態の皮膚外用剤を製造することが出来る。さらに、かかる化合物は、化合物自身及び製剤中の安定性に優れ、皮膚外用剤に含有させて使用した場合には、高い皮膚貯留性を有し、前記一般式(2)に表される化合物と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着の予防又は改善効果を発揮する。また、本発明の前記一般式(1)、(3)〜(5)に表される化合物は、天然のアミノ酸の誘導体であり、化合物自身が高い安全性を有する。特に、皮膚外用剤に含有させた場合にも、皮膚感作性及び刺激性等において高い安全性を有する。
メチルエステル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(クロロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(フルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(ジフルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(ベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(メチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(メトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルオキシベジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(アミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(クロロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(フルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ジフルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、N−(2−ピリジルメチルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(3−ピリジルメチルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(4−ピリジルメチルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(1−ナフチルメチルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(2−ナフチルメチルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(2−フェニルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(3−フェニルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(4−フェニルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(2−ピリジルメチルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(3−ピリジルメチルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(4−ピリジルメチルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(1−ナフチルメチルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(2−ナフチルメチルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(2−フェニルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(3−フェニルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(4−フェニルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(2−ピリジルメチルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(3−ピリジルメチルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(4−ピリジルメチルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(1−ナフチルメチルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(2−ナフチルメチルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(2−フェニルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(3−フェニルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(4−フェニルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−(トルイル)システイン酸、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(フェニルベンゾイル)システイン酸、N−(ベンゾイル)システイン酸(化合物6)、N−(トルイル)ホモシステイン酸、その光学活性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)、N−(ベンゾイル)システイン酸(化合物6)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物7)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。
1H−NMR(D2O):δ 2.32(3H、s)、3.46(2H、m)、4.87(1H、m)、7.25(2H、d)、7.64(2H、dd).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H]−)、308([M+Na−H]−).
1H−NMR(DMSO−d6):δ 2.36(3H、s)、2.94(2H、m)、4.41(1H、m)、7.36(2H、d)、7.58(2H、t)、8.84(1H、d)、12.5(1H、brs).
FAB−MS(negatove ion mode):M/z=286([M−H]−)
1H−NMR(D2O):δ 2.31(3H、s)、3.42(2H、m)、4.86(1H、m)、7.24(2H、m)、7.35(2H、m).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H]−)
1H−NMR(D2O):δ 3.45(2H、m)、3.81(3H、s)、4.85(1H、m)、7.00(2H、d)、7.72(2H、d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=302([M−H]−).
1H−NMR(DMSO−d6):δ 2.96(2H、m)、4.54(1H、q)、7.42(1H、m)、7.51(2H、m)、7.74(2H、d)、7.80(2H、d)、7.90(2H、d)、8.94(1H、d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=348([M−H]−).
1H−NMR(DMSO−d6):δ 2.12(2H、m)、2.35(3H、s)、2.57(2H、t)、4.37(1H、m)、7.26(2H、d)、7.79(2H、d)、9.02(1H、d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=300([M−H]−)
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有する皮膚外用剤は、優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮する。本発明の前記一般式(2)に表される化合物の内、好ましいものとしては、前記一般式(6)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましいものを具体的に挙げれば、N−(メチル)グリシン及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。本発明の前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、取り分け、N−(メチル)グリシン及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いては、既に化粧料等の皮膚外用剤への配合実績があり、界面活性化作用、保湿作用、シワ改善作用等の作用を有することが報告されている。しかしながら、前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより色素沈着予防又は改善作用が発揮されることは、発明者の知る限り報告されていない。
化合物8及び化合物9は、例えば、「ペプチド合成の基礎と実験」(丸善株式会社)等に記載の方法に従い合成することが出来る。出発原料としてBoc−Gly(株式会社ペプチド研究所)を用い、無水N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業株式会社)に溶解し、水素化ナトリウム及び相当するアルキルハライド(ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、和光純薬工業株式会社)を用いアルキル化反応を行った後、塩酸等の酸により脱保護反応、更には、イオン交換により遊離塩基体とすることにより目的とする化合物8又は化合物9を得ることが出来る。また、かかる化合物は、東京化成工業株式会社等の試薬メーカーより市販の試薬として購入することも出来る。本発明の実施例においては、東京化成工業株式会社より購入した化合物を使用した。
1H−NMR(d6−DMSO):δ 2.44(2H、s)、3.09(3H、s).
1H−NMR(D2O):δ 1.30(3H、t、J=7.8Hz)、3.12(2H、q、J=7.8Hz)、3.61(2H、s).
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善効果を有する。本発明の皮膚外用剤が有する色素沈着予防又は改善作用とは、日焼け、しみ、くすみ等の色素沈着症状に対する予防又は改善作用を意味し、既に形成された色素沈着を薄くする又は元に戻す作用に加え、色素沈着を予防する作用も包含する。本発明における色素沈着予防又は改善作用は、色素沈着予防又は改善作用であれば特段の限定なく適用することが出来、例えば、後述する実施例2に記載の「本発明の皮膚外用剤のヒトにおける色素沈着抑制作用評価1」において、色素沈着抑制作用を有するか否かにより判断出来る。実施例2の「本発明の皮膚外用剤のヒトにおける色素沈着抑制作用評価1」において、色素沈着抑制作用を有する成分としては、コントロ−ル群(評価物質無配合製剤群)と比較して、評価物質配合製剤群に色素沈着予防又は改善効果が認められる成分(コントロ−ル群に比較し、評価物質配合製剤群の△L*値が小さい成分)が好適に例示出来、さらに好ましくは、色素沈着予防又は改善効果に統計的な有意差が認められる成分が好適に例示出来る。
以下の表1及び表2に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤(ロ−ション剤型、化粧料1〜4)を作製した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させ、攪拌冷却した後、10質量%の水酸化カリウム水溶液を適量加え、pHを6.5に調整した。最後に水を追加して総重量を1000gとし、皮膚外用剤(ロ−ション剤型、化粧料1〜4)を得た。同様の操作により表1の、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「前記一般式(2)に表される化合物」を共に「水」に置換した比較例1、化粧料1に含まれる前記一般式(1)に表される化合物を「水」に置換した比較例2、化粧料1に含まれる前記一般式(2)に表される化合物を「水」に置換した比較例3を作製した。
実施例1に記載の方法に従い製造した皮膚外用剤(ロ−ション剤型、化粧料1〜4)、比較例1〜3の皮膚外用剤(ロ−ション剤型)を用い、色素沈着抑制効果を調べた。自由意思で参加したパネラ−の背部に、試験初日(1日目)に1.5cm×1.5cmの試験部位を設け、試験部位の皮膚明度(L*値)を色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて測定した。試験初日に皮膚明度を測定した後、試験部位に最少紅斑量の2倍量(2MED)の紫外線を1回照射した。紫外線照射終了直後より1日3回、14日連続して、各試験部位に各検体(化粧料1〜16又は比較例1〜3の化粧料)を50μL塗布した。塗布終了24時間後(15日目)に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、試験初日のL*値から15日目のL*値を引いたΔL*値を算出した。L*値は大きいほど皮膚明度が高いことを示す。そのため、ΔL*値が小さいほど、試験初日のL*値と15日目のL*値との差が小さく、色素沈着が抑制されたと判断することができる。結果を表3に示す。本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜4は、比較例1と比べてΔL*値が小さく、優れた色素沈着抑制効果を有することが分かる。また、比較例2及び比較例3も、比較例1と比べてΔL*値が小さく、色素沈着抑制作用が認められたが、その効果は化粧料1〜4に比較し弱かった。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜4は、優れた色素沈着に対する予防又は改善効果を示すことが分かる。
実施例1に記載の化粧料1の処方成分中、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明の前記一般式(2)に表される化合物」を表4に記載の含有量に変更した皮膚外用剤(ロ−ション剤型、化粧料5〜6)を、化粧料1と同様の方法にて作製した。
実施例3に記載の皮膚外用剤(化粧料5〜6)及び実施例1に記載の比較例1を用いて、実施例2に記載の方法に従いヒトにおける紫外線による色素沈着抑制効果を評価した。結果を表5に示す。本発明の皮膚外用剤である化粧料5〜6は、比較例1と比べてΔL*値が小さく、優れた色素沈着に対する予防又は改善効果を有することが分かる。
以下の表6に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤(クリ−ム剤型、化粧料7)を作製した。即ち、ロの成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させた後、10質量%の水酸化カリウム水溶液を適量加え、pHを6.5に調整した。最後に水を追加し、総重量が524.5gとなるようにした(混合物Aとする)。また、イの成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させた(混合物Bとする)。80℃に加熱した混合物Aを混合物Bに徐々に攪拌しながら加え、乳化し、ホモジナイザ−で粒子を均一化した後、撹拌冷却し皮膚外用剤(クリ−ム剤型、化粧料7)を作製した。同様の操作により表6の、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「前記一般式(2)に表される化合物」を共に「水」に置換した比較例4を作製した。
以下の表7に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤(乳液剤型、化粧料8)を作製した。即ち、ロの成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させた後、10質量%の水酸化カリウム水溶液を適量加え、pHを6.5に調整した。最後に水を追加し、総重量が879gとなるようにした(混合物Cとする)。また、イの成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させた(混合物Dとする)。80℃に加熱した混合物Cを混合物Dに徐々に攪拌しながら加え、乳化し、ホモジナイザ−で粒子を均一化した後、撹拌冷却し皮膚外用剤(乳液剤型、化粧料8)を作製した。同様の操作により表8の、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「前記一般式(2)に表される化合物」を共に「水」に置換した比較例5を作製した。
実施例5に記載の皮膚外用剤(化粧料7)及び比較例4、実施例6に記載の皮膚外用剤(化粧料8)及び比較例5を用いて、実施例2に記載の方法に従いヒトにおける紫外線による色素沈着抑制効果を評価した。結果を表8に示す。本発明の皮膚外用剤である化粧料7は、比較例4と比べてΔL*値が小さく、優れた色素沈着抑制効果を有することが分かる。また、本発明の皮膚外用剤である化粧料8は、比較例5と比べてΔL*値が小さく、優れた色素沈着に対する予防又は改善効果を有することが分かる。
Claims (11)
- 下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)下記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、mは、0〜3の整数、nは、1又は2の整数を表す。]
[式中、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R6は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。] - 前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)、N−(ベンゾイル)システイン酸(化合物6)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物7)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を、皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を、皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 色素沈着予防又は改善用であることを特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011151060A JP2013018713A (ja) | 2011-07-07 | 2011-07-07 | 皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011151060A JP2013018713A (ja) | 2011-07-07 | 2011-07-07 | 皮膚外用剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013018713A true JP2013018713A (ja) | 2013-01-31 |
JP2013018713A5 JP2013018713A5 (ja) | 2014-08-21 |
Family
ID=47690524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011151060A Pending JP2013018713A (ja) | 2011-07-07 | 2011-07-07 | 皮膚外用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013018713A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000064926A1 (fr) * | 1999-04-26 | 2000-11-02 | Ajinomoto Co., Inc. | Inhibiteur hormonal stimulant les melanocytes |
JP2006052152A (ja) * | 2004-08-10 | 2006-02-23 | Toagosei Co Ltd | 抗酸化性化合物 |
WO2007013662A1 (ja) * | 2005-07-26 | 2007-02-01 | Shiseido Company, Ltd. | しわ防止・改善剤 |
WO2010058730A1 (ja) * | 2008-11-19 | 2010-05-27 | ポーラ化成工業株式会社 | シワ改善剤 |
-
2011
- 2011-07-07 JP JP2011151060A patent/JP2013018713A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000064926A1 (fr) * | 1999-04-26 | 2000-11-02 | Ajinomoto Co., Inc. | Inhibiteur hormonal stimulant les melanocytes |
JP2006052152A (ja) * | 2004-08-10 | 2006-02-23 | Toagosei Co Ltd | 抗酸化性化合物 |
WO2007013662A1 (ja) * | 2005-07-26 | 2007-02-01 | Shiseido Company, Ltd. | しわ防止・改善剤 |
WO2010058730A1 (ja) * | 2008-11-19 | 2010-05-27 | ポーラ化成工業株式会社 | シワ改善剤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6225228B2 (ja) | シワ改善効果を有する化合物 | |
CN110121329B (zh) | 具有氨基酸和ppar活化脂肪酸的局部皮肤增亮添加剂和组合物 | |
CA3046721A1 (en) | Personal care compositions comprising poorly soluble compounds | |
US20200016059A1 (en) | Personal care compositions with glutathione precursor comprising nicotinamide and amino acids | |
US11596586B2 (en) | Personal care compositions with glutathione precursor comprising 4-substituted resorcinols and amino acids | |
CN110099672B (zh) | 具有氨基酸和烟酰胺化合物的局部皮肤增亮添加剂和组合物 | |
JP5374058B2 (ja) | グルタミン酸誘導体、不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤及び皮膚外用組成物 | |
JP2011241164A (ja) | 組成物 | |
JP5669437B2 (ja) | 組成物 | |
JP2012001519A (ja) | 組成物 | |
JP5666170B2 (ja) | 組成物 | |
JP4887050B2 (ja) | 不全角化抑制剤、毛穴縮小剤 | |
JP5911209B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2011241166A5 (ja) | ||
JP5908678B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2013018713A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP5963402B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2013001657A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP5911208B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2013032300A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2013032299A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2013018713A5 (ja) | ||
JP2013001657A5 (ja) | ||
EP4142677A1 (en) | Personal care compositions with enhanced solubility actives | |
JP2013032299A5 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140707 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140707 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20140707 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150205 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150217 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150721 |