JP2013011308A - 車両用減速度制御装置、車両用減速度制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者のブレーキ操作を支援し、操作負担を軽減する。
【解決手段】車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速度を与えるエンジンブレーキを備え、運転者がブレーキ操作量を保持したときに、エンジンブレーキによる減速度をライズアップ率Rrで増加させる。そして、減速度をライズアップ率Rrで増加させてから予め定められた時間が経過したら、この時点の減速度から減速度をライズアップ率Rrよりも小さなビルドアップ率Rbで増加させる。また、運転者がブレーキ操作量を増減させている、つまりブレーキ操作量を保持していないときには、エンジンブレーキによる減速度を保持させる。また、エンジンブレーキによる減速度を上限値GLIM以下に制限する。
【選択図】図15
【解決手段】車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速度を与えるエンジンブレーキを備え、運転者がブレーキ操作量を保持したときに、エンジンブレーキによる減速度をライズアップ率Rrで増加させる。そして、減速度をライズアップ率Rrで増加させてから予め定められた時間が経過したら、この時点の減速度から減速度をライズアップ率Rrよりも小さなビルドアップ率Rbで増加させる。また、運転者がブレーキ操作量を増減させている、つまりブレーキ操作量を保持していないときには、エンジンブレーキによる減速度を保持させる。また、エンジンブレーキによる減速度を上限値GLIM以下に制限する。
【選択図】図15
Description
本発明は、車両用減速度制御装置、車両用減速度制御方法に関するものである。
特許文献1の従来技術では、運転者のブレーキ操作が解除された時点のブレーキ解除車速を記憶し、その後の車速がブレーキ解除車速よりも大きくとなるときに、その速度偏差と路面勾配とに応じてエンジンブレーキを上昇させている。
上記従来技術では、運転者がブレーキ操作を解除してからの車速に応じてエンジンブレーキが制御されるので、例えば先行車両や停止線に近づくにつれて、運転者がブレーキペダルを踏み増すようなシーンでは、積極的な減速度制御が行われない。すなわち、先行車両や停止線までの距離に応じて、運転者が自らブレーキペダルを踏み増す等の修正操作を行なわなければならず、操作支援の点で改善の余地があった。
本発明の課題は、運転者のブレーキ操作を支援し、操作負担を軽減することである。
本発明の課題は、運転者のブレーキ操作を支援し、操作負担を軽減することである。
上記の課題を解決するために、車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速度を与える減速手段を備え、運転者がブレーキ操作量を保持したときに、減速手段による減速度を第一の増加率で増加させる。そして、減速度を第一の増加率で増加させてから予め定められた時間が経過したら、この時点の減速度から減速度を第一の増加率よりも小さな第二の増加率で増加させる。また、運転者がブレーキ操作量を増減させている、つまりブレーキ操作量を保持していないときには、減速手段による減速度を保持させる。さらに、減速手段による減速度を、上限値以下に制限する。
本発明に係る車両用減速度制御装置によれば、運転者がブレーキ操作量を保持したときに、減速度を先ず第一の増加率で増加させているので、ブレーキ操作の初期には、制動力の効き(食い付き)の良さを運転者に実感させることができる。次いで、減速度を第一の増加率よりも小さな第二の増加率で増加させているので、ブレーキ操作の中期から後期にかけて制動力が漸増する。これにより、例えば先行車両や停止線に近づくにつれて、運転者がブレーキペダルを踏み増すような修正操作量の増加を抑制することができる。また、減速度を上限値以下に制限することで、過大な減速度が発生することを抑制できる。このように、運転者のブレーキ操作を支援し、操作負担を軽減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、減速度制御装置の構成図である。
減速度制御装置は、各車輪毎の速度を検出する車輪速センサ11FL〜11RRと、ドライバのブレーキ操作を検出するマスタ圧センサを内蔵したブレーキアクチュエータ12と、車両の減速度を制御する車両制御コントローラ13と、制動力を実現するパワートレインコントローラ14と、を備える。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、減速度制御装置の構成図である。
減速度制御装置は、各車輪毎の速度を検出する車輪速センサ11FL〜11RRと、ドライバのブレーキ操作を検出するマスタ圧センサを内蔵したブレーキアクチュエータ12と、車両の減速度を制御する車両制御コントローラ13と、制動力を実現するパワートレインコントローラ14と、を備える。
車両制御コントローラ13は、CAN等の通信を利用して、各輪の車輪速センサ値及びマスタ圧センサ値を受信し、嵩上げ減速度Guを算出し、この嵩上げ減速度Guの指令値をパワートレインコントローラ14に送信する。
パワートレインコントローラ14は、指令値を受信し、エンジンブレーキのコントロールを行なう。エンジンブレーキのコントロールは、例えばトランスミッション(CVT)によるギア比をコントロールすることによって実現される。また、エンジンの補記類(オルタ回生等)をコントロールすることによって実現してもよい。
パワートレインコントローラ14は、指令値を受信し、エンジンブレーキのコントロールを行なう。エンジンブレーキのコントロールは、例えばトランスミッション(CVT)によるギア比をコントロールすることによって実現される。また、エンジンの補記類(オルタ回生等)をコントロールすることによって実現してもよい。
次に、車両制御コントローラ13で実行される減速度制御処理について説明する。
図2は、減速度制御処理を示すブロック線図である。
制御許可フラグ設定部21では、CAN等により、ドライバのブレーキ操作を検出するマスタ圧センサ値、及び車両の状態を検知する車輪速センサ値に基づいて、減速度嵩上げ制御の可否を判断し、制御許可フラグfcを設定する。
図2は、減速度制御処理を示すブロック線図である。
制御許可フラグ設定部21では、CAN等により、ドライバのブレーキ操作を検出するマスタ圧センサ値、及び車両の状態を検知する車輪速センサ値に基づいて、減速度嵩上げ制御の可否を判断し、制御許可フラグfcを設定する。
保持判定フラグ設定部22は、マスタ圧センサ値に基づいて、ドライバがブレーキ操作を保持しているか否かを判断し、保持判定フラグfhを設定する。
嵩上げ率算出部23では、マスタ圧センサ値に基づいてドライバ要求減速度Gdを算出し、制御許可フラグfc、保持判定フラグfh、及びドライバ要求減速度Gdに基づいて、エンジンブレーキを立ち上げる(ライズアップ)際のライズアップ率Rrと、エンジンブレーキを立ち上げた後に更に漸増させる(ビルドアップ)際のビルドアップ率Rbとを算出する。
嵩上げ率算出部23では、マスタ圧センサ値に基づいてドライバ要求減速度Gdを算出し、制御許可フラグfc、保持判定フラグfh、及びドライバ要求減速度Gdに基づいて、エンジンブレーキを立ち上げる(ライズアップ)際のライズアップ率Rrと、エンジンブレーキを立ち上げた後に更に漸増させる(ビルドアップ)際のビルドアップ率Rbとを算出する。
ライズアップ率累計部24では、制御許可フラグfc、保持判定フラグfh、及びライズアップ率Rrに基づいて、ライズアップ率の累計値Crを算出する。
ビルドアップ率累計部25では、制御許可フラグfc、保持判定フラグfh、及びビルドアップ率Rbに基づいて、ビルドアップ率の累計値Cbを算出する。
上限値設定部26では、嵩上げ減速度Guに対する上限値GLIMを設定する。
嵩上げ減速度算出部27では、ライズアップ率累計値Cr、ビルドアップ率累計値Cb、及びドライバ要求減速度Gdに基づいて、エンジンブレーキによる嵩上げ減速度Guを算出し、算出された嵩上げ減速度Guは、CAN等によってパワートレインコントローラへ送信される。
ビルドアップ率累計部25では、制御許可フラグfc、保持判定フラグfh、及びビルドアップ率Rbに基づいて、ビルドアップ率の累計値Cbを算出する。
上限値設定部26では、嵩上げ減速度Guに対する上限値GLIMを設定する。
嵩上げ減速度算出部27では、ライズアップ率累計値Cr、ビルドアップ率累計値Cb、及びドライバ要求減速度Gdに基づいて、エンジンブレーキによる嵩上げ減速度Guを算出し、算出された嵩上げ減速度Guは、CAN等によってパワートレインコントローラへ送信される。
図3は、減速度制御処理を示すフローチャートである。
この減速度制御処理は、予め定められた時間(例えば10msec)毎に実行される。
先ずステップS11では、後述する制御許可フラグ設定処理を実行し、マスタ圧センサ値、及び車輪速センサ値に基づいて、減速度嵩上げ制御の可否を判断し、制御許可フラグfcを設定する。
続くステップS12では、後述する保持判定フラグ設定処理を実行し、マスタ圧センサ値に基づいて、ドライバがブレーキ操作を保持しているか否かを判断し、保持判定フラグfhを設定する。
この減速度制御処理は、予め定められた時間(例えば10msec)毎に実行される。
先ずステップS11では、後述する制御許可フラグ設定処理を実行し、マスタ圧センサ値、及び車輪速センサ値に基づいて、減速度嵩上げ制御の可否を判断し、制御許可フラグfcを設定する。
続くステップS12では、後述する保持判定フラグ設定処理を実行し、マスタ圧センサ値に基づいて、ドライバがブレーキ操作を保持しているか否かを判断し、保持判定フラグfhを設定する。
続くステップS13では、後述する嵩上げ率算出処理を実行し、マスタ圧センサ値に基づいてドライバ要求減速度を算出し、制御許可フラグ、保持判定フラグ、及びドライバ要求減速度に基づいて、ライズアップ率とビルドアップ率とを算出する。
続くステップS14では、後述するライズアップ率累計処理を実行し、制御許可フラグ、保持判定フラグ、及びライズアップ率に基づいて、ライズアップ率の累計値を算出する。
続くステップS14では、後述するライズアップ率累計処理を実行し、制御許可フラグ、保持判定フラグ、及びライズアップ率に基づいて、ライズアップ率の累計値を算出する。
続くステップS15では、後述するビルドアップ率累計処理を実行し、制御許可フラグ、保持判定フラグ、及びビルドアップ率に基づいて、ビルドアップ率の累計値を算出する。
続くステップS16では、後述する上限値設定処理を実行し、嵩上げ減速度Guに対する上限値GLIMを設定する。
続くステップS17では、後述する嵩上げ減速度算出処理を実行し、ライズアップ率累計値、ビルドアップ率累計値、及びドライバ要求減速度に基づいて、嵩上げ減速度を算出し、パワートレインコントローラ14へ出力する。
続くステップS16では、後述する上限値設定処理を実行し、嵩上げ減速度Guに対する上限値GLIMを設定する。
続くステップS17では、後述する嵩上げ減速度算出処理を実行し、ライズアップ率累計値、ビルドアップ率累計値、及びドライバ要求減速度に基づいて、嵩上げ減速度を算出し、パワートレインコントローラ14へ出力する。
次に、制御許可フラグ設定処理について説明する。
図4は、制御許可フラグ設定処理を示すブロック線図である。
ドライバ要求減速度算出部31では、マスタ圧センサ値に応じて、ドライバ要求減速度を算出する。
減速要求判定フラグ設定部32では、ドライバ要求減速度Gdが予め定められた閾値Gt1(例えば0.05G)以上であるか否かを判定し、Gd≧Gt1であれば、運転者が減速を望んでいると判断して減速要求判定フラグを『fd=1』にセットする。一方、Gd<Gt1であれば、運転者は減速を望んでいないと判断して減速要求判定フラグを『fd=0』にリセットする。なお、減速要求判定フラグのハンチングを防ぐために、減速要求判定フラグが『fd=1』にセットされた後は、ドライバ要求減速度Gdが前記閾値Gt1よりも小さな予め定められた閾値Gt2(例えば0.02G)以下となるときに、減速要求判定フラグを『fd=0』にリセットする。
図4は、制御許可フラグ設定処理を示すブロック線図である。
ドライバ要求減速度算出部31では、マスタ圧センサ値に応じて、ドライバ要求減速度を算出する。
減速要求判定フラグ設定部32では、ドライバ要求減速度Gdが予め定められた閾値Gt1(例えば0.05G)以上であるか否かを判定し、Gd≧Gt1であれば、運転者が減速を望んでいると判断して減速要求判定フラグを『fd=1』にセットする。一方、Gd<Gt1であれば、運転者は減速を望んでいないと判断して減速要求判定フラグを『fd=0』にリセットする。なお、減速要求判定フラグのハンチングを防ぐために、減速要求判定フラグが『fd=1』にセットされた後は、ドライバ要求減速度Gdが前記閾値Gt1よりも小さな予め定められた閾値Gt2(例えば0.02G)以下となるときに、減速要求判定フラグを『fd=0』にリセットする。
車速算出部33では、例えば従動輪に対応する車輪速センサ値を読込み、二輪分の車輪速センサ値の平均値を車速として算出する。
車速判定フラグ設定部34では、車速Vが予め定められた閾値Vt1(例えば40km/h)以上であるか否かを判定し、V≧Vt1であれば、運転者の減速要求があれば減速度を嵩上げする必要があると判断して、車速判定フラグを『fv=1』にセットする。一方、V<Vt1であれば、運転者の減速要求があっても減速度を嵩上げする必要はないと判断して、車速判定フラグを『fv=0』にリセットする。なお、車速判定フラグのハンチングを防ぐために、車速判定フラグが『fv=1』にセットされた後は、車速Vが前記閾値Vt1よりも小さな予め定められた閾値Vt2(例えば30km/h)以下となるときに、車速判定フラグを『fv=0』にリセットする。
車速判定フラグ設定部34では、車速Vが予め定められた閾値Vt1(例えば40km/h)以上であるか否かを判定し、V≧Vt1であれば、運転者の減速要求があれば減速度を嵩上げする必要があると判断して、車速判定フラグを『fv=1』にセットする。一方、V<Vt1であれば、運転者の減速要求があっても減速度を嵩上げする必要はないと判断して、車速判定フラグを『fv=0』にリセットする。なお、車速判定フラグのハンチングを防ぐために、車速判定フラグが『fv=1』にセットされた後は、車速Vが前記閾値Vt1よりも小さな予め定められた閾値Vt2(例えば30km/h)以下となるときに、車速判定フラグを『fv=0』にリセットする。
制御許可フラグ設定部35では、減速要求判定フラグが『fd=1』であり、且つ車速判定フラグが『fv=1』であれば、減速度を嵩上げする必要があると判断して制御許可フラグを『fc=1』にセットする。一方、減速要求判定フラグが『fd=0』である、又は車速判定フラグが『fv=0』であれば、減速度を嵩上げする必要はないと判断して制御許可フラグを『fc=0』にリセットする。
次に、保持判定フラグ設定処理について説明する。
図5は、保持判定フラグ設定処理を示すブロック線図である。
マスタ圧センサ値変化量算出部41は、マスタ圧センサ値の前回値からの変化量ΔPを算出する。
保持判定フラグ設定部42は、マスタ圧センサ値変化量ΔPの絶対値が、予め定められた閾値Pt以下であるか否かを判定し、|ΔP|≦Ptであれば、運転者がブレーキ操作量を保持していると判断して保持判定フラグを『fh=1』にセットする。一方、|ΔP|>Ptであれば、運転者がブレーキ操作量を増加させている、又は減少させていると判断して保持判定フラグを『fh=0』にリセットする。
図5は、保持判定フラグ設定処理を示すブロック線図である。
マスタ圧センサ値変化量算出部41は、マスタ圧センサ値の前回値からの変化量ΔPを算出する。
保持判定フラグ設定部42は、マスタ圧センサ値変化量ΔPの絶対値が、予め定められた閾値Pt以下であるか否かを判定し、|ΔP|≦Ptであれば、運転者がブレーキ操作量を保持していると判断して保持判定フラグを『fh=1』にセットする。一方、|ΔP|>Ptであれば、運転者がブレーキ操作量を増加させている、又は減少させていると判断して保持判定フラグを『fh=0』にリセットする。
次に、嵩上げ率算出処理について説明する。
図6は、嵩上げ率算出処理を示すフローチャートである。
先ずステップS21では、制御許可フラグが『fc=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fc=0』であれば、減速度の嵩上げは不要であると判断してステップS22に移行する。一方、判定結果が『fc=1』であれば、減速度の嵩上げが必要であると判断してステップS24に移行する。
図6は、嵩上げ率算出処理を示すフローチャートである。
先ずステップS21では、制御許可フラグが『fc=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fc=0』であれば、減速度の嵩上げは不要であると判断してステップS22に移行する。一方、判定結果が『fc=1』であれば、減速度の嵩上げが必要であると判断してステップS24に移行する。
ステップS22では、下記に示すように、ライズアップ率Rr及びビルドアップ率Rbをリセットする。
Rr=0
Rb=0
続くステップS23では、設定フラグを『fs=0』にリセットしてから、この嵩上げ率算出処理を終了する。
一方、ステップS24では、保持判定フラグが『fh=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fh=0』であれば、そのまま嵩上げ率算出処理を終了する。一方、判定結果が『fh=1』であれば、ステップS25に移行する。
Rr=0
Rb=0
続くステップS23では、設定フラグを『fs=0』にリセットしてから、この嵩上げ率算出処理を終了する。
一方、ステップS24では、保持判定フラグが『fh=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fh=0』であれば、そのまま嵩上げ率算出処理を終了する。一方、判定結果が『fh=1』であれば、ステップS25に移行する。
ステップS25では、設定フラグが『fs=0』にリセットされているか否かを判定する。判定結果が『fs=1』であれば、ライズアップ率Rr及びビルドアップ率Rbが設定済みであると判断して、そのまま嵩上げ率算出処理を終了する。一方、設定フラグが『fs=0』であれば、ライズアップ率Rr及びビルドアップ率Rbが未設定であると判断してステップS26に移行する。
ステップS26では、マップを参照し、現在のドライバ要求減速度Gdに応じて、ライズアップ率Rr及びビルドアップ率Rbを算出する。
ステップS26では、マップを参照し、現在のドライバ要求減速度Gdに応じて、ライズアップ率Rr及びビルドアップ率Rbを算出する。
図7は、ライズアップ率及びビルドアップ率の算出に用いるマップである。
ドライバ要求減速度Gdが0のときには、ライズアップ率Rr及びビルドアップ率Rbは共に0よりも大きく1よりも小さな範囲で同一の値となる。そして、ドライバ要求減速度Gdが大きいほど、ライズアップ率Rrは大きくなり、ビルドアップ率Rbは0よりも大きな範囲で小さくなる。
続くステップS27では、設定フラグを『fs=1』にセットしてから、この嵩上げ率算出処理を終了する。
ドライバ要求減速度Gdが0のときには、ライズアップ率Rr及びビルドアップ率Rbは共に0よりも大きく1よりも小さな範囲で同一の値となる。そして、ドライバ要求減速度Gdが大きいほど、ライズアップ率Rrは大きくなり、ビルドアップ率Rbは0よりも大きな範囲で小さくなる。
続くステップS27では、設定フラグを『fs=1』にセットしてから、この嵩上げ率算出処理を終了する。
次に、ライズアップ率累計処理について説明する。
図8は、ライズアップ率累計処理を示すフローチャートである。
先ずステップS31では、制御許可フラグが『fc=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fc=0』であれば、減速度の嵩上げは不要であると判断してステップS32に移行する。一方、判定結果が『fc=1』であれば、減速度の嵩上げが必要であると判断してステップS33に移行する。
図8は、ライズアップ率累計処理を示すフローチャートである。
先ずステップS31では、制御許可フラグが『fc=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fc=0』であれば、減速度の嵩上げは不要であると判断してステップS32に移行する。一方、判定結果が『fc=1』であれば、減速度の嵩上げが必要であると判断してステップS33に移行する。
ステップS32では、下記に示すように、ライズアップ率累計値Crを0にリセットしてから、このライズアップ累計処理を終了する。
Cr=0
一方、ステップS33では、保持判定フラグが『fh=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fh=0』であれば、ステップS34に移行する。一方、判定結果が『fh=1』であれば、ステップS35に移行する。
ステップS34では、下記に示すように、ライズアップ率累計値の前回値Cr(n-1)を今回値Crに設定してから、このライズアップ率累計処理を終了する。すなわち、前回値Cr(n-1)を保持する。
Cr=Cr(n-1)
Cr=0
一方、ステップS33では、保持判定フラグが『fh=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fh=0』であれば、ステップS34に移行する。一方、判定結果が『fh=1』であれば、ステップS35に移行する。
ステップS34では、下記に示すように、ライズアップ率累計値の前回値Cr(n-1)を今回値Crに設定してから、このライズアップ率累計処理を終了する。すなわち、前回値Cr(n-1)を保持する。
Cr=Cr(n-1)
一方、ステップS35では、下記に示すように、ライズアップ率の累積値(Rr+Cr(n-1))か、又はライズアップ率の最大値(Rr×Tr)のうち、小さい方をライズアップ率の累積値Crとして設定してから、このライズアップ率累計処理を終了する。
Cr=min[(Rr+Cr(n-1)),(Rr×Tr)]
ここで、Trは予め設定されたライズアップ時間である。ライズアップ時間Trは、ライズアップできる、つまり演算周期毎にRrずつ累積してゆける最大時間(最大回数)である。
Cr=min[(Rr+Cr(n-1)),(Rr×Tr)]
ここで、Trは予め設定されたライズアップ時間である。ライズアップ時間Trは、ライズアップできる、つまり演算周期毎にRrずつ累積してゆける最大時間(最大回数)である。
次に、ビルドアップ率累計処理について説明する。
図9は、ビルドアップ率累計処理を示すフローチャートである。
先ずステップS41では、制御許可フラグが『fc=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fc=0』であれば、減速度の嵩上げは不要であると判断してステップS42に移行する。一方、判定結果が『fc=1』であれば、減速度の嵩上げが必要であると判断してステップS43に移行する。
図9は、ビルドアップ率累計処理を示すフローチャートである。
先ずステップS41では、制御許可フラグが『fc=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fc=0』であれば、減速度の嵩上げは不要であると判断してステップS42に移行する。一方、判定結果が『fc=1』であれば、減速度の嵩上げが必要であると判断してステップS43に移行する。
ステップS42では、下記に示すように、ビルドアップ率累計値Cbを0にリセットしてから、このビルドアップ累計処理を終了する。
Cb=0
一方、ステップS43では、ライズアップが完了したか否かを判定する。具体的には、ライズアップ累積値Crが最大値(Rr×Tr)に達しているときに、ライズアップが完了したと判断する。ここで、ライズアップが完了していなければ、前記ステップS42に移行する。一方、ライズアップが完了していれば、ステップS44に移行する。
Cb=0
一方、ステップS43では、ライズアップが完了したか否かを判定する。具体的には、ライズアップ累積値Crが最大値(Rr×Tr)に達しているときに、ライズアップが完了したと判断する。ここで、ライズアップが完了していなければ、前記ステップS42に移行する。一方、ライズアップが完了していれば、ステップS44に移行する。
ステップS44では、保持判定フラグが『fh=1』にセットされているか否かを判定する。判定結果が『fh=0』であれば、ステップS45に移行する。一方、判定結果が『fh=1』であれば、ステップS46に移行する。
ステップS45では、下記に示すように、ビルドアップ率累計値の前回値Cb(n-1)を今回値Cbに設定してから、このビルドアップ率累計処理を終了する。すなわち、前回値Cb(n-1)を保持する。
Cb=Cb(n-1)
ステップS45では、下記に示すように、ビルドアップ率累計値の前回値Cb(n-1)を今回値Cbに設定してから、このビルドアップ率累計処理を終了する。すなわち、前回値Cb(n-1)を保持する。
Cb=Cb(n-1)
一方、ステップS46では、下記に示すように、ビルドアップ率の累積値(Rb+Cb(n-1))か、又はビルドアップ率の最大値(Rb×Tb)のうち、小さい方をビルドアップ率の累積値Cbとして設定してから、このビルドアップ率累計処理を終了する。
Cb=min[(Rb+Cb(n-1)),(Rb×Tb)]
ここで、Tbは予め設定されたビルドアップ時間である。ビルドアップ時間Tbは、ビルドアップできる、つまり演算周期毎にBbずつ累積してゆける最大時間(最大回数)である。
Cb=min[(Rb+Cb(n-1)),(Rb×Tb)]
ここで、Tbは予め設定されたビルドアップ時間である。ビルドアップ時間Tbは、ビルドアップできる、つまり演算周期毎にBbずつ累積してゆける最大時間(最大回数)である。
次に、上限値設定処理について説明する。
ここでは、マップを参照し、車速Vに応じて上限値GLIMを設定する。
図10は、上限値GLIMの設定に用いるマップである。
このマップによれば、車速Vが高いほど、上限値GLIMが大きくなる。具体的には、車速Vが0から設定値V1までの範囲で増加するときに、上限値GLIMが0よりも大きな設定値G1から設定値G2の範囲で増加する。そして、車速Vが設定値V1以上であれば、上限値GLIMが設定値G2を維持する。設定値V1は、ロードノイズや風切り音などの暗騒音が小さくなってくる車速に相当する。
ここでは、マップを参照し、車速Vに応じて上限値GLIMを設定する。
図10は、上限値GLIMの設定に用いるマップである。
このマップによれば、車速Vが高いほど、上限値GLIMが大きくなる。具体的には、車速Vが0から設定値V1までの範囲で増加するときに、上限値GLIMが0よりも大きな設定値G1から設定値G2の範囲で増加する。そして、車速Vが設定値V1以上であれば、上限値GLIMが設定値G2を維持する。設定値V1は、ロードノイズや風切り音などの暗騒音が小さくなってくる車速に相当する。
次に、嵩上げ減速度算出処理について説明する。
図11は、嵩上げ減速度算出処理を示すフローチャートである。
先ずステップS51では、下記に示すように、ライズアップ率の累積値Crと、ビルドアップ率の累積値Cbとを加算して、嵩上げ率累計値Cを算出する。
C=Cr+Cb
続くステップS52では、下記に示すように、ドライバ要求減速度Gdに嵩上げ率累計値Cを乗算して、嵩上げ減速度Guを算出する。
Gu=Gd×C
図11は、嵩上げ減速度算出処理を示すフローチャートである。
先ずステップS51では、下記に示すように、ライズアップ率の累積値Crと、ビルドアップ率の累積値Cbとを加算して、嵩上げ率累計値Cを算出する。
C=Cr+Cb
続くステップS52では、下記に示すように、ドライバ要求減速度Gdに嵩上げ率累計値Cを乗算して、嵩上げ減速度Guを算出する。
Gu=Gd×C
続くステップS53では、下記に示すように、嵩上げ減速度Gu及び上限値GLIMのうち、値の小さい方を最終的な嵩上げ減速度Guとして設定する(セレクトロー)。
Gu=min[Gu,GLIM]
続くステップS54では、嵩上げ減速度Guをパワートレインコントローラ14へ出力してから、この嵩上げ減速度算出処理を終了する。
Gu=min[Gu,GLIM]
続くステップS54では、嵩上げ減速度Guをパワートレインコントローラ14へ出力してから、この嵩上げ減速度算出処理を終了する。
《作用》
図12は、制御許可フラグ及び保持判定フラグを示すタイムチャートである。
先ず車速Vが閾値Vt1(例えば40km/h)以上になると、車速判定フラグが『fv=1』にセットされる。そして、マスタ圧センサ値に基づいて、摩擦ブレーキの諸元等からドライバ要求減速度を算出し、このドライバ要求減速度が予め定められた閾値Gt1(例えば0.05G)以上になると、減速要求判定フラグが『fd=1』にセットされる。
図12は、制御許可フラグ及び保持判定フラグを示すタイムチャートである。
先ず車速Vが閾値Vt1(例えば40km/h)以上になると、車速判定フラグが『fv=1』にセットされる。そして、マスタ圧センサ値に基づいて、摩擦ブレーキの諸元等からドライバ要求減速度を算出し、このドライバ要求減速度が予め定められた閾値Gt1(例えば0.05G)以上になると、減速要求判定フラグが『fd=1』にセットされる。
これら車速判定フラグが『fv=1』で、且つ減速要求判定フラグが『fd=1』であるときに、エンジンブレーキによって減速度を増加させるライズアップとビルドアップを許容するための制御許可フラグが『fc=1』にセットされる(ステップS11)。すなわち、ある程度の車速がでている状態で、運転者が減速を要求している状態で、本実施形態のライズアップとビルドアップは実行される。
一方、マスタ圧センサ値の変化量を観測し、増減量|ΔP|が予め定められた閾値Pt以下であれば、保持判定フラグが『fh=1』にセットされる(ステップS12)。
これら、制御許可フラグが『fc=1』で、且つ保持判定フラグが『fh=1』であるときに、エンジンブレーキによる減速度の嵩上げが開始される。すなわち、ある程度の車速で走行している状態で、先行車両との車間距離が短くなったり、又は停止線に近づく等して、運転者がブレーキペダルを踏み込み、ある程度の踏み込み位置で保持した場合に、エンジンブレーキによる減速度の嵩上げが開始される。
これら、制御許可フラグが『fc=1』で、且つ保持判定フラグが『fh=1』であるときに、エンジンブレーキによる減速度の嵩上げが開始される。すなわち、ある程度の車速で走行している状態で、先行車両との車間距離が短くなったり、又は停止線に近づく等して、運転者がブレーキペダルを踏み込み、ある程度の踏み込み位置で保持した場合に、エンジンブレーキによる減速度の嵩上げが開始される。
先ずドライバ要求減速度Gdに応じて、ライズアップ率Rrとビルドアップ率Rbとを設定する(ステップS13、図7)。ライズアップ率Rrはビルドアップ率Rbよりも大きく、ドライバ要求減速度Gdが大きいほど、ライズアップ率Rrが大きくなると共に、一方のビルドアップ率Rbが小さくなる。
これにより、運転者によるブレーキ操作の初期に増加率が高くなり、中期から後期にかけて増加率が小さくなるので、ブレーキ操作の初期に制動力の食い付きが良く、中期から後期にかけては減速度が漸増するので、運転者に違和感を与えることがなく、安心感を与える。
これにより、運転者によるブレーキ操作の初期に増加率が高くなり、中期から後期にかけて増加率が小さくなるので、ブレーキ操作の初期に制動力の食い付きが良く、中期から後期にかけては減速度が漸増するので、運転者に違和感を与えることがなく、安心感を与える。
さらに、ドライバ要求減速度Gdの変化量に対するライズアップ率の変化量(傾き)が、ドライバ要求減速度Gdの変化量に対するビルドアップ率の変化量(傾き)よりも大きくなる。
これにより、運転者の制動力が大きいほど、制動初期の食い付きが大きくなるので、運転者に安心感を与える。
また、ライズアップ率Rrに上限値を設けている。
これにより、過大なエンジンブレーキが作用することを抑制できるので、エンジン音の上昇が抑制される。
こうして、ライズアップ率Rrとビルドアップ率Rbとを設定したら、ライズアップ率累計値Crを算出する(ステップS14)。
これにより、運転者の制動力が大きいほど、制動初期の食い付きが大きくなるので、運転者に安心感を与える。
また、ライズアップ率Rrに上限値を設けている。
これにより、過大なエンジンブレーキが作用することを抑制できるので、エンジン音の上昇が抑制される。
こうして、ライズアップ率Rrとビルドアップ率Rbとを設定したら、ライズアップ率累計値Crを算出する(ステップS14)。
具体的には、制御許可フラグが『fc=1』で、且つ保持判定フラグが『fh=1』であるときに(ステップS31、S33の判定が共に“Yes”)、演算周期毎にRrずつ累計することで、ライズアップ率累計値Crを算出する(ステップS35)。一方、保持判定フラグが『fh=0』であれば(ステップS33の判定が“No”)、ライズアップ率の累計を一時中止し、ライズアップ率累計値の前回値Cr(n-1)を保持する(ステップS34)。
図13は、ライズアップ率累計値のタイムチャートである。
ライズアップ率累計処理では、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいる途中では、ライズアップ率累計値Crは前回値を保持し、運転者がブレーキペダルを踏んだ状態で保持するときだけ、ライズアップ率Rrの累計が行われる。
ライズアップ累計値Crは、最大値(Rr×Tr)で制限される。Trはライズアップ時間であり、演算周期毎にRrずつ累計してゆける最大時間を表す。これにより、ライズアップ累計値Crが不必要に増大することを防げる。したがって、過大なエンジンブレーキが作用することを抑制できるので、エンジン音の上昇が抑制される。
こうして、ライズアップ率累計値Crを算出したら、ビルドアップ率累計値Cbを算出する(ステップS15)。
ライズアップ率累計処理では、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいる途中では、ライズアップ率累計値Crは前回値を保持し、運転者がブレーキペダルを踏んだ状態で保持するときだけ、ライズアップ率Rrの累計が行われる。
ライズアップ累計値Crは、最大値(Rr×Tr)で制限される。Trはライズアップ時間であり、演算周期毎にRrずつ累計してゆける最大時間を表す。これにより、ライズアップ累計値Crが不必要に増大することを防げる。したがって、過大なエンジンブレーキが作用することを抑制できるので、エンジン音の上昇が抑制される。
こうして、ライズアップ率累計値Crを算出したら、ビルドアップ率累計値Cbを算出する(ステップS15)。
具体的には、制御許可フラグが『fc=1』で、ライズアップが完了しており、且つ保持判定フラグが『fh=1』であるときに(ステップS41、S43、S44の判定が全て“Yes”)、演算周期毎にRbずつ累計することで、ビルドアップ率累計値Cbを算出する(ステップS46)。一方、ライズアップが完了していなければ(ステップS43の判定が“No”)、ライズアップ率累計値Cbを0に設定する(ステップS42)。また、保持判定フラグが『fh=0』であれば(ステップS44の判定が“No”)、ビルドアップ率の累計を一時中止し、ビルドアップ率累計値の前回値Cb(n-1)を保持する(ステップS45)。
図14は、ビルドアップ率累計値のタイムチャートである。
ビルドアップ率累計処理では、ライズアップが完了していても、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいる途中では、ビルドアップ率累計値Cbは前回値を保持し、運転者がブレーキペダルを踏んだ状態で保持するときだけ、ビルドアップ率Rbの累計が行われる。
ビルドアップ累計値Cbは、最大値(Rb×Tb)で制限される。Tbはビルドアップ時間であり、演算周期毎にRbずつ累計してゆける最大時間を表す。これにより、ビルドアップ累計値Cbが不必要に増大することを防げる。
こうして、ビルドアップ率累計値Cbを算出したら、上限値GLIMを設定する(ステップS16)。
ビルドアップ率累計処理では、ライズアップが完了していても、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいる途中では、ビルドアップ率累計値Cbは前回値を保持し、運転者がブレーキペダルを踏んだ状態で保持するときだけ、ビルドアップ率Rbの累計が行われる。
ビルドアップ累計値Cbは、最大値(Rb×Tb)で制限される。Tbはビルドアップ時間であり、演算周期毎にRbずつ累計してゆける最大時間を表す。これにより、ビルドアップ累計値Cbが不必要に増大することを防げる。
こうして、ビルドアップ率累計値Cbを算出したら、上限値GLIMを設定する(ステップS16)。
具体的には、車速Vが設定値V1よりも低いほど、上限値GLIMを小さくする。すなわち、車速Vが低下するほど、ロードノイズや風切り音などの暗騒音が小さくなり、エンジンブレーキ時のエンジン音が目立ってしまう。したがって、車速Vが低いほど、上限値GLIMを小さくすることで、エンジン音(減速音)の上昇を抑制することができる。
こうして、上限値GLIMを設定したら、ライズアップ累計値Crとビルドアップ率累計値Cbとを加算し、最終的な嵩上げ率累計値Cを算出する(ステップS51)。そして、この嵩上げ累計値Cをドライバ要求減速度Gdに乗算することで、嵩上げ減速度Guを算出する(ステップS52)。
そして、嵩上げ減速度Guと上限値GLIMのうち、小さい方の値を最終的な嵩上げ減速度Guとして設定し、出力する(ステップS53、S54)。このように、嵩上げ累計値C及びドライバ要求減速度Gdに応じて算出した嵩上げ減速度Guを、上限値GLIMによって制限することで、エンジン音(減速音)の上昇を抑制することができる。
そして、嵩上げ減速度Guと上限値GLIMのうち、小さい方の値を最終的な嵩上げ減速度Guとして設定し、出力する(ステップS53、S54)。このように、嵩上げ累計値C及びドライバ要求減速度Gdに応じて算出した嵩上げ減速度Guを、上限値GLIMによって制限することで、エンジン音(減速音)の上昇を抑制することができる。
図15は、嵩上げ率累計値のタイムチャートである。
ライズアップ中は、ライズアップ率累計値Crが増加してゆき、ビルドアップ率累計値Cbが0を維持する。逆に、ライズアップが終了した後に開始されるビルドアップ中は、ビルドアップ率累計値Cbが増加しゆき、ビルドアップ累計値Crが0を維持する。
嵩上げ率累計値Cの最大値は、ライズアップ率累計値の最大値(Rr×Tr)と、ビルドアップ率累計値の最大値(Rb×Tb)とを加算した値となる。
ライズアップ中は、ライズアップ率累計値Crが増加してゆき、ビルドアップ率累計値Cbが0を維持する。逆に、ライズアップが終了した後に開始されるビルドアップ中は、ビルドアップ率累計値Cbが増加しゆき、ビルドアップ累計値Crが0を維持する。
嵩上げ率累計値Cの最大値は、ライズアップ率累計値の最大値(Rr×Tr)と、ビルドアップ率累計値の最大値(Rb×Tb)とを加算した値となる。
上記のように、車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速度を与えるエンジンブレーキを備え、運転者がブレーキ操作量を保持したときに、エンジンブレーキによる減速度をライズアップ率Rrで増加させる。そして、減速度をライズアップ率Rrで増加させてから予め定められた時間が経過したら、この時点の減速度から減速度をライズアップ率Rrよりも小さなビルドアップ率Rbで増加させる。また、運転者がブレーキ操作量を増減させている、つまりブレーキ操作量を保持していないときには、エンジンブレーキによる減速度を保持させる。
すなわち、運転者がブレーキ操作量を保持したときに、減速度を先ずライズアップ率Rrで増加させているので、ブレーキ操作の初期には、制動力の効き(食い付き)の良さを運転者に実感させることができる。
次いで、減速度をライズアップ率Rrよりも小さなビルドアップRb率で増加させているので、ブレーキ操作の中期から後期にかけて制動力が漸増する。これにより、例えば先行車両や停止線に近づくにつれて、運転者がブレーキペダルを踏み増すような修正操作量の増加を抑制することができる。
次いで、減速度をライズアップ率Rrよりも小さなビルドアップRb率で増加させているので、ブレーキ操作の中期から後期にかけて制動力が漸増する。これにより、例えば先行車両や停止線に近づくにつれて、運転者がブレーキペダルを踏み増すような修正操作量の増加を抑制することができる。
このように、運転者のブレーキ操作を支援し、操作負担を軽減することができる。
なお、車輪に制動力を発生させる油圧などの摩擦ブレーキ機構では、運転者のブレーキ操作に応じて、通常の制動力が発生する。したがって、運転者がブレーキ操作量を増減させたときに、ライズアップ又はビルドアップを一時停止して、エンジンブレーキによる減速度を保持したとしても、運転者のブレーキ操作に応じて制動力が増減するので、車両の減速度を運転者がコントロールすることができる。つまり、操作性は確保されるので、運転者に違和感を与えることはない。
なお、車輪に制動力を発生させる油圧などの摩擦ブレーキ機構では、運転者のブレーキ操作に応じて、通常の制動力が発生する。したがって、運転者がブレーキ操作量を増減させたときに、ライズアップ又はビルドアップを一時停止して、エンジンブレーキによる減速度を保持したとしても、運転者のブレーキ操作に応じて制動力が増減するので、車両の減速度を運転者がコントロールすることができる。つまり、操作性は確保されるので、運転者に違和感を与えることはない。
《変形例》
本実施形態では、エンジン車両について説明したが、勿論、ハイブリッド車両(HEV)や電気自動車(EV)に適用してもよい。すなわち、車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速作用を及ぼすものには適用できる。
本実施形態では、エンジン車両について説明したが、勿論、ハイブリッド車両(HEV)や電気自動車(EV)に適用してもよい。すなわち、車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速作用を及ぼすものには適用できる。
《効果》
以上より、パワートレインコントローラ14、ステップS54の処理が「減速手段」に対応し、ライズアップ累計部24、及びステップS14の処理が「第一の増加制御手段」に対応する。ビルドアップ累計部25、及びステップS15の処理が「第二の増加制御手段」に対応し、ステップS34、S45の処理が「保持制御手段」に対応し、ステップS53の処理が「制限手段」に対応する。また、ステップS26の処理が「増加率設定手段」に対応し、ドライバ要求減速度算出部31が「要求減速度算出手段」に対応し、車輪速センサ11FL〜11RR、車速算出部33が「車速検出手段」に対応する。
以上より、パワートレインコントローラ14、ステップS54の処理が「減速手段」に対応し、ライズアップ累計部24、及びステップS14の処理が「第一の増加制御手段」に対応する。ビルドアップ累計部25、及びステップS15の処理が「第二の増加制御手段」に対応し、ステップS34、S45の処理が「保持制御手段」に対応し、ステップS53の処理が「制限手段」に対応する。また、ステップS26の処理が「増加率設定手段」に対応し、ドライバ要求減速度算出部31が「要求減速度算出手段」に対応し、車輪速センサ11FL〜11RR、車速算出部33が「車速検出手段」に対応する。
(1)本実施形態の車両用減速度制御装置によれば、車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速度を与えるエンジンブレーキを備え、運転者がブレーキ操作量を保持したときに、エンジンブレーキによる減速度をライズアップ率Rrで増加させる。また、運転者がブレーキ操作量を保持し、且つエンジンブレーキによる減速度を予め定められた時間だけライズアップ率Rrで増加させたときに、この時点の減速度からエンジンブレーキによる減速度をライズアップ率Rrよりも小さなビルドアップ率Rbで増加させる。また、運転者がブレーキ操作量を増減させているときには、エンジンブレーキによる減速度を保持させる。さらに、エンジンブレーキによる減速度を上限値GLIM以下に制限する。
このように、運転者がブレーキ操作量を保持したときに、減速度を先ずライズアップ率Rrで増加させているので、ブレーキ操作の初期には、制動力の効き(食い付き)の良さを運転者に実感させることができる。次いで、減速度をライズアップ率Rrよりも小さなビルドアップ率Rbで増加させているので、ブレーキ操作の中期から後期にかけて制動力が漸増する。これにより、例えば先行車両や停止線に近づくにつれて、運転者がブレーキペダルを踏み増すような修正操作量の増加を抑制することができる。また、エンジンブレーキによる減速度を上限値GLIM以下に制限することで、過大な減速度が発生することを抑制できる。このように、運転者のブレーキ操作を支援し、操作負担を軽減することができる。
(2)本実施形態の車両用減速度制御装置によれば、車速Vが低いほど、上限値GLIMを小さくする。
このように、車速Vが低いほど上限値GLIMを小さくすることで、エンジン音(減速音)の上昇を抑制することができる。
このように、車速Vが低いほど上限値GLIMを小さくすることで、エンジン音(減速音)の上昇を抑制することができる。
(3)本実施形態の車両用減速度制御方法によれば、車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速度を与えることをエンジンブレーキ(駆動源減速)と定義する。そして、運転者がブレーキ操作量を保持したときには、エンジンブレーキによる減速度をライズアップ率Rrで増加させる。また、運転者がブレーキ操作量を保持し、且つエンジンブレーキによる減速度をライズアップ率Rrで予め定められた時間だけ増加させたときには、この時点の減速度からエンジンブレーキによる減速度をライズアップ率Rrよりも小さなビルドアップ率Rbで増加させる。また、運転者がブレーキ操作量を増減させているときには、エンジンブレーキによる減速度を保持させる。そして、エンジンブレーキによる減速度を、上限値GLIM以下に制限する。
このように、運転者がブレーキ操作量を保持したときに、減速度を先ずライズアップ率Rrで増加させているので、ブレーキ操作の初期には、制動力の効き(食い付き)の良さを運転者に実感させることができる。次いで、減速度をライズアップ率Rrよりも小さなビルドアップ率Rbで増加させているので、ブレーキ操作の中期から後期にかけて制動力が漸増する。これにより、例えば先行車両や停止線に近づくにつれて、運転者がブレーキペダルを踏み増すような修正操作量の増加を抑制することができる。また、エンジンブレーキによる減速度を上限値GLIM以下に制限することで、過大な減速度が発生することを抑制できる。このように、運転者のブレーキ操作を支援し、操作負担を軽減することができる。
《第2実施形態》
《構成》
本実施形態は、嵩上げ減速度Guに対する上限値GLIMを、運転者の運転スタイルに応じて変化させるものである。具体的には、上限値GLIMを前後加速度及び横加速度に応じて変化させるものである。
したがって、本実施形態は、上限値設定処理を除いては、構成、作用、効果が、前述した第1実施形態と同一であるため、同一箇所については、詳細な説明を省略する。
《構成》
本実施形態は、嵩上げ減速度Guに対する上限値GLIMを、運転者の運転スタイルに応じて変化させるものである。具体的には、上限値GLIMを前後加速度及び横加速度に応じて変化させるものである。
したがって、本実施形態は、上限値設定処理を除いては、構成、作用、効果が、前述した第1実施形態と同一であるため、同一箇所については、詳細な説明を省略する。
本実施形態の上限値設定処理について説明する。
図16は、第2実施形態の上限値設定処理を示すフローチャートである。
ステップS61では、前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出する。
続くステップS62では、下記に示すように、前後加速度Xg及び横加速度Ygの二乗和平方根Dsを算出する。
Ds=√(Xg2+Yg2)
図16は、第2実施形態の上限値設定処理を示すフローチャートである。
ステップS61では、前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出する。
続くステップS62では、下記に示すように、前後加速度Xg及び横加速度Ygの二乗和平方根Dsを算出する。
Ds=√(Xg2+Yg2)
続くステップS63では、二乗和平方根Dsに対してレートリミッタ処理を行う。すなわち、二乗和平方根Dsの単位時間当たりの変化量を予め定められた設定量以下に制限する。
続くステップS64では、減速要求判定フラグがfd=1であるか否かを判定する。判定結果がfd=1であるときにはステップS65に移行する。一方、判定結果がfd=0であるときにはステップS67に移行する。
続くステップS64では、減速要求判定フラグがfd=1であるか否かを判定する。判定結果がfd=1であるときにはステップS65に移行する。一方、判定結果がfd=0であるときにはステップS67に移行する。
ステップS65では、マップを参照し、二乗和平方根Dsに応じて上限値GLIMを設定する。このマップによれば、二乗和平方根Dsが大きいほど、上限値GLIMが大きくなる。具体的には、二乗和平方根Dsが0から予め定められた設定値Ds1の範囲にあるときには、上限値GLIMが0よりも大きな設定値G3を維持する。二乗和平方根Dsが設定値Ds1から設定値Ds2の範囲で増加するときに、上限値GLIMが設定値G3から設定値G4の範囲で増加する。二乗和平方根Dsが設定値Ds2以上のときには、上限値GLIMが設定値G4を維持する。
続くステップS66では、下記に示すように、上限値GLIMの今回値GLIM(n)及び前回値GLIM(n-1)のうち、大きい方の値を最終的な上限値GLIMとして設定してから、この上限値設定処理を終了する。
GLIM=max[GLIM(n),GLIM(n-1)]
ステップS67では、上限値GLIMを前述した設定値G3に設定してから、この上限値設定処理を終了する。
GLIM=max[GLIM(n),GLIM(n-1)]
ステップS67では、上限値GLIMを前述した設定値G3に設定してから、この上限値設定処理を終了する。
《作用》
本実施形態は、前後加速度Xgや横加速度Ygから運転スタイルを判断し、その運転スタイルに応じて上限値GLIMを設定する。ここでは、前後加速度Xgや横加速度Ygを比較的はっきりと効かせたメリハリのあるスポーティな走行スタイルの度合を判断する。
すなわち、メリハリのあるスポーティな走行スタイルを好む運転者であれば、ある程度のエンジン音(減速音)を楽しむ傾向にある。そこで、前後加速度Xg及び横加速度Ygから、運転者の走行スタイルを推定し、それがスポーティな走行スタイルであるほど、上限値GLIMを大きくする。これにより、運転者の走行スタイルに合わせて上限値GLIMを設定できるので、運転者にとって好ましい減速度を実現し、且つエンジン音(減速音)を発生させることができる。
本実施形態は、前後加速度Xgや横加速度Ygから運転スタイルを判断し、その運転スタイルに応じて上限値GLIMを設定する。ここでは、前後加速度Xgや横加速度Ygを比較的はっきりと効かせたメリハリのあるスポーティな走行スタイルの度合を判断する。
すなわち、メリハリのあるスポーティな走行スタイルを好む運転者であれば、ある程度のエンジン音(減速音)を楽しむ傾向にある。そこで、前後加速度Xg及び横加速度Ygから、運転者の走行スタイルを推定し、それがスポーティな走行スタイルであるほど、上限値GLIMを大きくする。これにより、運転者の走行スタイルに合わせて上限値GLIMを設定できるので、運転者にとって好ましい減速度を実現し、且つエンジン音(減速音)を発生させることができる。
図17は、上限値GLIMの設定状態を示すタイムチャートである。
先ず、前後加速度Xg及び横加速度Ygの二乗和平方根Dsを算出し(ステップS61、S62)、それにレートリミッタ処理を行う(ステップS63)。これにより、二乗和平方根Dsの急変を抑制することができる。
そして、二乗和平方根Dsに応じて上限値GLIMを設定し(ステップS65)、その上限値GLIMと設定値G3とのセレクトハイによって最終的な上限値GLIMを設定する(ステップS66)。
なお、減速要求フラグがfd=0のときには(ステップS64の判定が“No”)、上限値GLIMは常に予め定められた設定値G3を維持する(ステップS67)。
先ず、前後加速度Xg及び横加速度Ygの二乗和平方根Dsを算出し(ステップS61、S62)、それにレートリミッタ処理を行う(ステップS63)。これにより、二乗和平方根Dsの急変を抑制することができる。
そして、二乗和平方根Dsに応じて上限値GLIMを設定し(ステップS65)、その上限値GLIMと設定値G3とのセレクトハイによって最終的な上限値GLIMを設定する(ステップS66)。
なお、減速要求フラグがfd=0のときには(ステップS64の判定が“No”)、上限値GLIMは常に予め定められた設定値G3を維持する(ステップS67)。
《効果》
(1)本実施形態の車両用減速度制御装置によれば、前後加速度Xg及び横加速度Ygの二乗和平方根Dsが大きいほど、上限値GLIMを大きくする。
このように、前後加速度Xg及び横加速度Ygの二乗和平方根Dsが大きいほど、上限値GLIMを大きくすることで、運転者の走行スタイルに合わせて、エンジン音(減速音)を発生させることができる。
(1)本実施形態の車両用減速度制御装置によれば、前後加速度Xg及び横加速度Ygの二乗和平方根Dsが大きいほど、上限値GLIMを大きくする。
このように、前後加速度Xg及び横加速度Ygの二乗和平方根Dsが大きいほど、上限値GLIMを大きくすることで、運転者の走行スタイルに合わせて、エンジン音(減速音)を発生させることができる。
《第3実施形態》
《構成》
本実施形態は、嵩上げ減速度Guに対する上限値GLIMを、運転者のブレーキ操作速度に応じて変化させるものである。
したがって、本実施形態は、上限値設定処理を除いては、構成、作用、効果が、前述した第1実施形態と同一であるため、同一箇所については、詳細な説明を省略する。
《構成》
本実施形態は、嵩上げ減速度Guに対する上限値GLIMを、運転者のブレーキ操作速度に応じて変化させるものである。
したがって、本実施形態は、上限値設定処理を除いては、構成、作用、効果が、前述した第1実施形態と同一であるため、同一箇所については、詳細な説明を省略する。
本実施形態の上限値設定処理について説明する。
図18は、第3実施形態の上限値設定処理を示すフローチャートである。
ステップS71では、マスタ圧センサ値に応じて増加速度dPを算出する。これは、マスタ圧センサ値の単位時間当たりの増加量であり、微分値などである。
続くステップS72では、減速要求判定フラグがfd=1であるか否かを判定する。判定結果がfd=1であるときにはステップS73に移行する。一方、判定結果がfd=0であるときにはステップS75に移行する。
図18は、第3実施形態の上限値設定処理を示すフローチャートである。
ステップS71では、マスタ圧センサ値に応じて増加速度dPを算出する。これは、マスタ圧センサ値の単位時間当たりの増加量であり、微分値などである。
続くステップS72では、減速要求判定フラグがfd=1であるか否かを判定する。判定結果がfd=1であるときにはステップS73に移行する。一方、判定結果がfd=0であるときにはステップS75に移行する。
ステップS73では、マップを参照し、ブレーキ操作の増加速度dPに応じて上限値GLIMを設定する。このマップによれば、増加速度dPが大きいほど、上限値GLIMが大きくなる。具体的には、増加速度dPが0から予め定められた設定値dP1の範囲にあるときには、上限値GLIMが0よりも大きな設定値G5を維持する。増加速度dPが設定値dP1から設定値dP2の範囲で増加するときに、上限値GLIMが設定値G5から設定値G6の範囲で増加する。増加速度dPが設定値dP2以上のときには、上限値GLIMが設定値G6を維持する。
続くステップS74では、下記に示すように、上限値GLIMの今回値GLIM(n)及び前回値GLIM(n-1)のうち、大きい方の値を最終的な上限値GLIMとして設定してから、この上限値設定処理を終了する。
GLIM=max[GLIM(n),GLIM(n-1)]
ステップS75では、上限値GLIMを前述した設定値G5に設定してから、この上限値設定処理を終了する。
GLIM=max[GLIM(n),GLIM(n-1)]
ステップS75では、上限値GLIMを前述した設定値G5に設定してから、この上限値設定処理を終了する。
《作用》
本実施形態は、ブレーキ操作の増加速度dPに応じて上限値GLIMを設定する。
すなわち、ブレーキの踏み込み速度が速いほど、運転者が速やかな減速を望んでいると考えられる。そこで、ブレーキ操作の増加速度dPが速いほど、上限値GLIMを大きくする。これにより、運転者の減速意図に合わせて上限値GLIMを設定できるので、運転者にとって好ましい減速度を実現することができる。一方、ゆっくりブレーキを踏み込んでいるときには、上限値GLIMを小さくすることで、不必要に減速度が大きくなることを抑制し、且つエンジン音(減速音)の上昇を抑制することができる。
本実施形態は、ブレーキ操作の増加速度dPに応じて上限値GLIMを設定する。
すなわち、ブレーキの踏み込み速度が速いほど、運転者が速やかな減速を望んでいると考えられる。そこで、ブレーキ操作の増加速度dPが速いほど、上限値GLIMを大きくする。これにより、運転者の減速意図に合わせて上限値GLIMを設定できるので、運転者にとって好ましい減速度を実現することができる。一方、ゆっくりブレーキを踏み込んでいるときには、上限値GLIMを小さくすることで、不必要に減速度が大きくなることを抑制し、且つエンジン音(減速音)の上昇を抑制することができる。
《効果》
(1)本実施形態の車両用減速度制御装置によれば、運転者のブレーキ操作速度dPが速いほど、上限値GLIMを大きくする。
このように、ブレーキ操作速度dPが速いほど、上限値GLIMを大きくすることで、運転者の減速意図に合わせて、運転者にとって好ましい減速度を実現することができる。
(1)本実施形態の車両用減速度制御装置によれば、運転者のブレーキ操作速度dPが速いほど、上限値GLIMを大きくする。
このように、ブレーキ操作速度dPが速いほど、上限値GLIMを大きくすることで、運転者の減速意図に合わせて、運転者にとって好ましい減速度を実現することができる。
11FL-11RR 車輪速センサ
12 ブレーキアクチュエータ
13 車両制御コントローラ
14 パワートレインコントローラ
21 制御許可フラグ設定部
22 保持判定フラグ設定部
23 嵩上げ率算出部
24 ライズアップ率累計部
25 ビルドアップ率累計部
26 上限値設定部
27 嵩上げ減速度算出部
31 ドライバ要求減速度算出部
32 減速要求判定フラグ設定部
33 車速算出部
34 車速判定フラグ設定部
35 制御許可フラグ設定部
41 マスタ圧センサ値変化量算出部
42 保持判定フラグ設定部
12 ブレーキアクチュエータ
13 車両制御コントローラ
14 パワートレインコントローラ
21 制御許可フラグ設定部
22 保持判定フラグ設定部
23 嵩上げ率算出部
24 ライズアップ率累計部
25 ビルドアップ率累計部
26 上限値設定部
27 嵩上げ減速度算出部
31 ドライバ要求減速度算出部
32 減速要求判定フラグ設定部
33 車速算出部
34 車速判定フラグ設定部
35 制御許可フラグ設定部
41 マスタ圧センサ値変化量算出部
42 保持判定フラグ設定部
Claims (5)
- 車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速度を与える減速手段と、
運転者がブレーキ操作量を保持したときに、前記減速手段による減速度を第一の増加率で増加させる第一の増加制御手段と、
運転者がブレーキ操作量を保持し、且つ前記第一の増加制御手段が前記減速手段による減速度を予め定められた時間だけ増加させたときに、この時点の減速度から前記減速手段による減速度を前記第一の増加率よりも小さな第二の増加率で増加させる第二の増加制御手段と、
運転者がブレーキ操作量を増減させているときに、前記減速手段による減速度を保持させる保持制御手段と、
前記減速手段による減速度を上限値以下に制限する制限手段と、を備えることを特徴とする車両用減速度制御装置。 - 前記制限手段は、車速が低いほど、前記上限値を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の車両用減速度制御装置。
- 前記制限手段は、前後加速度及び横加速度の二乗和平方根が大きいほど、前記上限値を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用減速度制御装置。
- 前記制限手段は、運転者のブレーキ操作速度が速いほど、前記上限値を大きくすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用減速度制御装置。
- 車両の駆動源を被動側から駆動される状態にして車両に減速度を与えることを駆動源減速とし、
運転者がブレーキ操作量を保持したときには、前記駆動源減速による減速度を第一の増加率で増加させ、
運転者がブレーキ操作量を保持し、且つ前記駆動源減速による減速度を前記第一の増加率で予め定められた時間だけ増加させたときには、この時点の減速度から前記駆動源減速による減速度を前記第一の増加率よりも小さな第二の増加率で増加させ、
運転者がブレーキ操作量を増減させているときには、前記駆動源減速による減速度を保持させ、
前記駆動源減速による減速度を、上限値以下に制限することを特徴とする車両用減速度制御方法。
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