JP2013011295A - 車両用サスペンション装置のスプリングユニット - Google Patents

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【課題】複雑な加工を要することがなく、またスプリングレートの変更調節作業を容易とする車両用サスペンション装置のスプリングユニットの提供。
【解決手段】車両用サスペンション装置のコイルスプリング5と、筒状に形成され、前記コイルスプリングの内径部に挿通される筒体3と、コイルスプリング5の巻線の一部と任意の位置で当接する当接部材71を備えたスプリングレート調節機構7と、を有し、スプリングレート調節機構7は、筒体3の周面に取り外し可能に取り付けられた支軸73に対して当接部材71を回転自在に取り付けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、コイルスプリングのスプリングレートを調節できる車両用サスペンション装置のスプリングユニットに関する。
車両用サスペンション装置は、車体側の部材と車輪側の部材との間に配置するショックアブソーバと、前記ショックアブソーバに外装される圧縮コイルスプリングとを有する。前記ショックアブソーバは、前記車体側に取り付けられる第1の部材と、前記車輪側に取り付けられる第2の部材とがその長さ方向に相対的に移動可能とする。また、圧縮コイルスプリングは、前記第1の部材に設けた第1のばねシートと、前記第2の部材に設けた第2のばねシートとの間に弾性力を有して配置されている。そして、圧縮コイルスプリングは、車体に加わる荷重を支え、且つ荷重の大きさに応じて撓むようになっている。
サスペンション装置における圧縮コイルスプリングのスプリングレートを調節可能とし、車両の走行性や乗り心地を任意にセッティングできるスプリングユニットが提案されている(特許文献1)。
このスプリンユニットは、アジャストパイプと、前記アジャストパイプに外装するコイルスプリングと、前記アジャストパイプに対して取り付け位置を変更可能とする螺旋状のアジャストシートにより構成し、アジャストシートを前記コイルスプリングの巻線間に嵌め込んでボルトによりアジャストパイプに固定する。アジャストシートとコイルスプリングの一端間の距離をコイルスプリングの有効長とすると、この有効長が短くなればコイルスプリングのスプリングレート(ばね剛性)が大きくなり、逆に有効長が長くなれば個売るスプリングのばねレートは小さくなる。
特開2006−214453号公報
上記した従来のスプリングユニットは、コイルスプリングの巻線間に合致した形状とするためにアジャストシートを螺旋状に形成し、コイルスプリングの曲率に合わせると共に、円筒形状のアジャストパイプの外周面に合致した湾曲した形状に形成していたため、加工に手間を要し、コストアップを招いていた。
本発明の目的は、上述した従来のスプリングユニットを改善し、複雑な加工を要することがなく、またスプリングレートの変更調節作業を容易とする車両用サスペンション装置のスプリングユニットを提供しようとするものである。
本発明の課題を解決する車両用サスペンション装置のスプリングユニットの構成は、車体側の部材と車輪側の部材との間に配置され、前記車体に加わる荷重を支え、且つ荷重の大きさに応じて撓む車両用サスペンション装置のコイルスプリングと、筒状に形成され、前記コイルスプリングの内径部に挿通される筒体と、
前記コイルスプリングの巻線の一部と任意の位置で当接する当接部材を備えたスプリングレート調節機構と、を有し、前記スプリングレート調節機構は、前記筒体の周面に取り外し可能に取り付けられた支軸に対して前記当接部材を回転自在に取り付けたことを特徴とする。
本発明によれば、当接部材を回転自在としてコイルばねの巻線の傾斜に合わせて当接できるので、当接部材を螺旋状に形成するといった複雑な加工が不要となった。
また、1本の支軸に対して当接部材を取り外すだけで、取り付け位置を変更できるので、スプリングレート調節作業が容易となる。
本発明の実施形態を示す車両用サスペンション装置のスプリングユニットの斜視図。 図1の縦断面図で、ショックアブソーバに装着した状態を示す。 図1のA−A矢視断面図。 図1に示すフローティングブッシュをコイルスプリングの巻線間に取り付けた状態を示す図。 第2の実施形態を示す他の形状のフローティングブッシュを示す斜視図。 図5のフローティングブッシュをコイルスプリングの巻線間に取り付けた状態を示す図。
本発明による車両用サスペンション装置のスプリングユニットを図面に示す実施形態を参照して以下に説明する。
第1の実施形態
図1は車両用サスペンション装置のスプリングユニットを示す斜視図、図2はショックアブソーバに図1のスプリングユニットを装着した状態を示す縦断面図である。
図1において、スプリングユニット1は、円筒状のアジャストパイプ3と、アジャストパイプ3に外装されるコイルスプリング5と、コイルスプリング5の巻線間に取り外し可能に嵌め込まれてアジャストパイプ3に取り付けられるスプリングレート調節機構7とにより構成している。
アジャストパイプ3は、円筒状のパイプ本体31と、パイプ本体31の軸方向の下端に一体に形成された外方に延びるフランジ状のロワースプリングシート32とにより構成されている。パイプ本体31には、外装されるコイルスプリング5の巻線(51−54)間に合わせて複数の調節機構取り付け部33が形成されている。なお、図1では、調節機構取り付け部33を正面側に形成した状態を示しているが、背面側あるいは全周に渡って複数形成するようにしてもよい。
調節機構取り付け部33は、ねじ孔部34と、パイプ本体31の表面で、ねじ孔部34の周囲に後述するカラー73の先端部が嵌まり込むカラー用座ぐり穴35により構成している。
コイルスプリング5は、コイル端が開放したオープンエンド、あるいはコイル端が閉鎖したクローズドエンドのいずれでもよいが、本実施形態ではクローズドエンドとしている。
図2に示すように、本実施形態のサスペンション装置30は、ショックアブソーバ20とスプリングユニット1とにより構成する。ショックアブソーバは、車体側(不図示)にアッパーマウント26を介して取り付けられる第1の部材であるピストンロッド24と、ピストンロッド24の先端部でアッパーマウント26より下方位置に取り付けたアッパースプリングシート25と、ピストンロッド24が内装され、ピストンロッド24と軸方向に沿って相対移動する第2の部材であるシリンダ21と、シリンダ21の外周面に形成したねじ部23に螺合して軸方向の位置を調節可能なロワースプリングシートであるアジャストパイプ受けシート22とを有する。シリンダ21の下端部に車輪側が取り付けられる。
スプリングユニット1は、図2に示すように、例えばショックアブソーバ20の外筒部であるシリンダ21に外装され、アジャストパイプ受けシート22にアジャストパイプ3のロワースプリングシート32が当接し、スプリングユニット1の下端の位置決めが行われる。コイルスプリング5は、上端がアッパースプリングシート25に当接し、下端がアジャストパイプ3のロワースプリングシート32に当接し、ピストンロッド24とシリンダ21との間に弾性力を有して配置される。
本実施形態のスプリングレート調節機構7は、図3に示すように、中央部にカラー装入孔72が貫通形成された直方体状の当接部材をなすフローティングブッシュ71と、カラー装入孔72に装入され、外方端にフランジ部73aが形成された円筒状のカラー73と、カラー73を貫通して調節機構取り付け部33のねじ孔部34に螺着する六角穴付きのボルト74とにより構成している。カラー73の先端は、調節機構取り付け部33のカラー用座ぐり穴35の底面に当接した状態でボルト74により締結されている。そして、このカラー73を支軸としてフローティングブッシュ71がカラー73の軸回りを回転自在としている。
ここで、コイルスプリング5の上端から下端の間で、コイルスプリング5の巻線間にスプリングレート調節機構7が取り付けられていない場合、アッパースプリングシート25とロワースプリングシート32との間(例えばピストンロッド24とシリンダ21とが最大に延びた状態)におけるコイルスプリング5の長さを最大有効長(Lmax)とすると、この最大有効長(Lmax)でのスプリングレート(k)が最も低い(kmin)。
これに対し、スプリングレート調節機構7により、コイルスプリング5の巻線の任意の一点に対して下方への移動を制限すると、該一点とアッパースプリングシート25との間の距離(Ln<Lmax)に応じてスプリングレート(kn)が高くなる(kn>kmin)。
本実施形態のスプリングレート調節機構7は、直方体状のフローティングブッシュ71をコイルスプリング5の巻線(51〜54)に当接させることにより、コイルスプリング5の有効長を変更し、スプリングレートを調節する。フローティングブッシュ71は、カラー73の回りを回転自在であるため、フローティングブッシュ71の直線面をなす上辺が螺旋状のコイルスプリング5の傾斜した巻線(51〜54)に合わせて部分的に全面にわたって面接触状態で当接する。
すなわち、フローティングブッシュ71は、当接するコイルスプリング5の巻線部分に合わせて自由に回転するので、フローティングブッシュ71の上辺をコイルスプリング5の巻線部分の傾斜に合わせた傾斜面に形成する必要がなく、簡単な加工で済む。また、フローティングブッシュ71をコイルスプリング5の巻線の上下の間に配置する際(図2では巻線52と巻線53との間に配置している)、フローティングブッシュ71を容易に取り付けることができる。
本実施形態では、図4に示すように、コイルスプリング5に圧縮方向への荷重が加わっていない無負荷状態(例えば車体をジャッキアップした状態)において、コイルスプリング5の巻線の間隔に対しフローティングブッシュ71の高さを低く形成し、フローティングブッシュ71の上面および下面と、コイルスプリングの巻線との間に隙間を設けている。車輪を地面に降ろして車体の重量をコイルスプリンが支えると、コイルスプリング5がたわみ、フローティングブッシュ71の上面にコイルスプリング5の巻線53が破線で示すように当接する。その際、コイルスプリング5の巻線53は撓む(撓み角をδで示す)が、フローティングブッシュ71は回転自在であるため、巻線53との面接触状態を維持しながら巻線53の撓みに追従して矢印方向に回転する。
フローティングブッシュ71はカラー73を回転軸として回転するため、フローティングブッシュ71のボルト74が緩み難いという効果が得られます。
また、フローティングブッシュ71は、上面がコイルスプリング5の巻線53に面接触状態で接触するので、コイルスプリング5に加わる荷重を大きな面積のバルブシートをなすフローティングブッシュ71の上面で支持できる。このため、コイルスプリング5の巻線部の途中の部分で安定に支持することができる。
なお、本実施形態では、一本のボルト74により支軸をなすカラー73をパイプ本体にねじ込み式に締結しているので、フローティングブッシュ71の取り付け位置の変更作業が容易である。
第2の実施形態
図5は他のフローティングブッシュの構成を示している。本第2の実施形態によるフローティングブッシュ81は、中央にカラー装入孔82を形成した円板状のローラとし、第1の実施形態と同様にカラーを支軸として回転自在としている。
本実施形態では、図6に示すように、フローティングブッシュ81の外周面にコイルスプリング5の巻線が線接触状態で接触する。円板状のフローティングブッシュ81は回転自在であるため、コイルスプリング5の巻線が撓む際に、フローティングブッシュ81の外周面に対して摺動力が発生しても、フローティングブッシュ81が回転してこれを吸収し、摺動摩擦等により異音の発生等を抑制することができる。
なお、上記した第1の実施形態において、アジャストパイプ3はショックアブソーバ20のロワースプリングシート22上に載せているが、この場合アジャストパイプ3のロワースプリングシート32を設けずに、ショックアブソーバ20のロワースプリングシート22にコイルスプリング5の下端を直接当接させるようにしても良い。ショックアブソーバ20のロワースプリングシート22を上下方向に移動させることにより、車両の車高を調節することができる。
1:スプリングユニット、
3:アジャストパイプ、31:パイプ本体、32:ロワースプリングシート、
5:コイルスプリング、51〜54:巻線
7:スプリングレート調節機構、71:フローティングブッシュ、72:カラー装入孔、73:カラー、74:ボルト
20:ショックアブソーバ
30:サスペンション装置

Claims (4)

  1. 車体側の部材と車輪側の部材との間に配置され、前記車体に加わる荷重を支え、且つ荷重の大きさに応じて撓む車両用サスペンション装置のコイルスプリングと、
    筒状に形成され、前記コイルスプリングの内径部に挿通される筒体と、
    前記コイルスプリングの巻線の一部と任意の位置で当接する当接部材を備えたスプリングレート調節機構と、を有し、
    前記スプリングレート調節機構は、前記筒体の周面に取り外し可能に取り付けられた支軸に対して前記当接部材を回転自在に取り付けたことを特徴とする車両用サスペンション装置のスプリングユニット。
  2. 前記当接部材は直方体形状としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置のスプリングユニット。
  3. 前記筒体は、一端に前記コイルスプリングの一端が当接するスプリングシートが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用サスペンション装置のスプリングユニット。
  4. 前記支軸は、ボルトにより前記筒体の外周面に固定したカラーであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用サスペンション装置のスプリングユニット。




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