JP2013011230A - 大気圧の推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関およびモータを動力源として有する車両において、単純かつ安価な方法により、車両の走行中に大気圧を精度良く推定することができる大気圧の推定装置を提供する。
【解決手段】車両は、エンジンおよびモータを動力源として有し、エンジンが停止した状態でモータの動力によって走行することが可能である。推定装置によれば、車両Vの走行中において、エンジン回転数NE=0のときに検出された吸気圧PBAを、推定大気圧HPAとして設定する(ステップ5)。また、車両Vの走行中において、エンジン回転数NE>0のときには、機関運転時走行距離DISTENGが所定距離DREFよりも大きいことを条件として、検出されたスロットル弁開度ATHおよび吸気圧PBAに基づいて算出した更新用大気圧HPACALを用い、推定大気圧HPAを更新する(ステップ15)。
【選択図】図3
【解決手段】車両は、エンジンおよびモータを動力源として有し、エンジンが停止した状態でモータの動力によって走行することが可能である。推定装置によれば、車両Vの走行中において、エンジン回転数NE=0のときに検出された吸気圧PBAを、推定大気圧HPAとして設定する(ステップ5)。また、車両Vの走行中において、エンジン回転数NE>0のときには、機関運転時走行距離DISTENGが所定距離DREFよりも大きいことを条件として、検出されたスロットル弁開度ATHおよび吸気圧PBAに基づいて算出した更新用大気圧HPACALを用い、推定大気圧HPAを更新する(ステップ15)。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関およびモータを動力源として有する車両において、内燃機関の制御に用いられる大気圧を推定する大気圧の推定装置に関する。
内燃機関に用いられる従来の大気圧の推定装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この内燃機関の吸気管には、上流側から順に、スロットル弁および吸気圧センサが設けられている。この推定装置では、検出された内燃機関の回転数が20rpmよりも小さくなったときに、内燃機関が停止したと判定し、それから2秒経過後に吸気圧センサにより検出された吸気圧を、大気圧として推定する。
また、従来の他の大気圧の推定装置として、特許文献2に開示されたものが知られている。この推定装置は、車両に搭載された内燃機関に適用されたものである。この推定装置では、平地相当の大気圧を基準とし、この平地相当大気圧からの大気圧の低下量と、平地相当大気圧時からの吸気圧の低下量との関係を、1次関数として設定し、この1次関数の傾きを、スロットル弁の開度および内燃機関の回転数に応じて設定する。そして、実際に検出された吸気圧に応じ、上記の1次関数を用いて、大気圧を算出・推定する。
前述したように、特許文献1の推定装置は、内燃機関の回転数が0に近い非常に小さな値まで低下していることを条件として、大気圧を推定するものである。このため、大気圧の推定精度が高い一方で、内燃機関の通常の運転中には、大気圧の推定を行うことができない。また、特許文献2の推定装置は、平地相当大気圧時からの吸気圧の低下量に応じて、大気圧を推定するので、実際の吸気圧が平地相当大気圧時の吸気圧に近いときには、吸気圧の検出誤差の影響が大気圧の推定結果に現れやすく、高い推定精度が得られない。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、内燃機関およびモータを動力源として有する車両において、単純かつ安価な方法により、車両の走行中に大気圧を精度良く推定することができる大気圧の推定装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関3およびモータ31を動力源として有し、内燃機関3が停止した状態でモータ31の動力によって走行することが可能な車両Vにおいて、内燃機関3の制御に用いられる大気圧(実施形態における(以下、本項において同じ)推定大気圧HPA)を推定する大気圧の推定装置1であって、内燃機関3の吸気通路(吸気管11)のスロットル弁13よりも下流側に配置され、吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ23と、車両Vの走行中で、かつ内燃機関3の回転が停止しているときに、吸気圧センサ23により検出された吸気圧PBAに基づいて、大気圧を推定する大気圧推定手段(ECU2、図3のステップ5)と、を備えることを特徴とする。
この車両は、内燃機関およびモータを動力源として有し、内燃機関が停止した状態でモータの動力によって走行することが可能である。この大気圧の推定装置によれば、車両の走行中で、かつ内燃機関の回転が停止しているときに、吸気圧センサにより検出された吸気圧に基づいて、大気圧を推定する。内燃機関の回転が停止しているときには、内燃機関のピストンによるポンピング作用がないので、スロットル弁の下流側に負圧がほとんど発生せず、吸気圧が大気圧にほぼ等しくなる。したがって、この状態で検出された吸気圧に基づいて大気圧を推定することによって、車両の走行中に大気圧を精度良く推定することができる。また、大気圧センサを用いる必要がなく、単純かつ安価な方法によって、大気圧の推定を行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の大気圧の推定装置1において、スロットル弁13の開度(スロットル弁開度ATH)を検出するスロットル弁開度検出手段(スロットル弁開度センサ21)と、内燃機関3が運転されている状態で車両Vが走行する機関運転時走行期間中に走行した距離を、機関運転時走行距離DISTENGとして算出する機関運転時走行距離算出手段(ECU2、図3のステップ8)と、算出された機関運転時走行距離DISTENGが所定距離DREFを超えているときに、検出されたスロットル弁13の開度および吸気圧PBAに基づいて大気圧(更新用大気圧HPACAL)を算出するとともに、大気圧推定手段により推定された大気圧を算出された大気圧に更新する第1大気圧更新手段(ECU2、図5のステップ33〜35、図3のステップ15)と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、内燃機関が運転されている状態で車両が走行する機関運転時走行期間中に走行した距離を、機関運転時走行距離として算出する。また、算出された機関運転時走行距離が所定距離を超えているときに、第1大気圧更新手段により、検出されたスロットル弁の開度および吸気圧に基づいて大気圧を算出し、大気圧推定手段により推定された大気圧(以下「推定大気圧」という)を算出された大気圧に更新する。
以上の構成は、以下の技術的観点に基づいている。すなわち、前述した請求項1による大気圧の推定は、その精度が高い一方で、内燃機関の回転が停止していることを条件として実行される。このため、例えば、内燃機関を動力源として車両の登坂走行が比較的長い時間、行われた場合には、その間、高度の上昇に伴って実際の大気圧が低下するのに対し、大気圧の推定は実行されないため、推定大気圧が実際の大気圧から乖離するおそれがある。したがって、この場合には、精度が多少低くても、他の手法で大気圧を推定し、採用することが好ましい。
以上の技術的観点に基づき、本発明によれば、内燃機関が運転されている状態で車両が走行した距離である機関運転時走行距離が所定距離を超えているときには、車両の登坂走行が比較的長い時間、行われ、高度の上昇に伴って実際の大気圧がある程度、低下している可能性が高いとして、スロットル弁の開度および吸気圧に基づいて算出した、より精度の低い大気圧を用いて、大気圧を更新する。
以上のように、内燃機関の運転の有無および大気圧が変化した可能性に応じて、大気圧推定手段による最も精度の高い推定大気圧を優先的に用い、第1大気圧更新手段により算出された大気圧を限定的に用いることによって、全体として大気圧の推定精度を高めることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の大気圧の推定装置1において、内燃機関3が所定の高負荷状態にあるか否かを判定する負荷判定手段(ECU2、図5のステップ32)と、内燃機関3が高負荷状態にあると判定されているときに、第1大気圧更新手段による大気圧の更新を許可する第1許可手段(ECU2、図5のステップ32)と、をさらに備えることを特徴とする。
内燃機関が高負荷状態にあるときには、スロットル弁の開度が大きく、スロットル弁の開度の変化に対して、その下流側の吸気圧が安定して変化するので、スロットル弁の開度および吸気圧と大気圧との相関性が高くなる。したがって、内燃機関が高負荷状態にあると判定されているときに、第1大気圧更新手段による大気圧の更新を許可することによって、その算出精度を高めることができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の大気圧の推定装置1において、内燃機関3の回転数(エンジン回転数NE)を検出する回転数検出手段(クランク角センサ25)と、検出された内燃機関3の回転数が高いほど、基準開度ATHREFをより大きな値に設定する基準開度設定手段(ECU2、図5のステップ31、図7)と、をさらに備え、負荷判定手段は、スロットル弁13の開度が設定された基準開度ATHREF以上のときに、内燃機関3が高負荷状態にあると判定する(図5のステップ32)ことを特徴とする。
内燃機関の回転数が高いほど、スロットル弁の下流側に発生する負圧がより大きくなるため、吸気圧が安定し始めるスロットル弁の開度はより大きくなる。したがって、検出された内燃機関の回転数が高いほど、基準開度をより大きな値に設定するとともに、スロットル弁の開度が設定された基準開度以上のときに、内燃機関が高負荷状態にあると判定することによって、第1大気圧更新手段による大気圧の算出精度をより高めることができる。
請求項5に係る発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の大気圧の推定装置1において、車両Vの前後方向の傾斜角AOIを取得する傾斜角取得手段(傾斜角センサ26)と、機関運転時走行期間中に取得された傾斜角AOIの平均値(平均傾斜角AveAOI)を算出する平均値算出手段(ECU2、図3のステップ9、図4)と、算出された傾斜角AOIの平均値の絶対値が所定値(所定角度AREF)以上のときに、第1大気圧更新手段による大気圧の更新を許可する第2許可手段(ECU2、図3のステップ12)と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、車両の前後方向の傾斜角を取得し、機関運転時走行期間中に取得された傾斜角の平均値を算出し、その絶対値が所定値以上のときに、第1大気圧更新手段による大気圧の更新を許可する。前述したように、第1大気圧更新手段による大気圧の算出は、機関運転時走行距離が所定距離を超えていることを条件として実行されるので、機関運転時走行期間中の車両の傾斜角の平均値は、機関運転時走行距離が所定距離を超えているときの機関運転時走行期間全体における高度変化量を表し、実際の大気圧の変化量を反映する。したがって、算出された傾斜角の平均値の絶対値が所定値以上のときに、第1大気圧更新手段による大気圧の更新を許可することによって、実際の大気圧が高度変化に応じて大きく低下または上昇した適切なタイミングで、第1大気圧更新手段による大気圧の更新を実行することができる。
請求項6に係る発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の大気圧の推定装置1において、車両Vの前後方向の傾斜角AOIを取得する傾斜角取得手段(傾斜角センサ26)と、機関運転時走行期間中に取得された傾斜角AOIの平均値(平均傾斜角AveAOI)を算出する平均値算出手段(ECU2、図11のステップ9)と、算出された傾斜角AOIの平均値の絶対値が大きいほど、所定距離DREFをより小さな値に設定する所定距離設定手段(ECU2、図11のステップ10)と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、車両の前後方向の傾斜角を取得し、機関運転時走行期間中に取得された傾斜角の平均値を算出し、その絶対値が大きいほど、所定距離をより小さな値に設定する。前述したように、機関運転時走行期間中の車両の傾斜角の平均値は、機関運転時走行期間全体における高度変化量を表し、実際の大気圧の変化量を反映する。したがって、算出された傾斜角の平均値の絶対値に応じて、所定距離を上記のように設定するとともに、機関運転時走行距離が設定された所定距離を超えているときに、第1大気圧更新手段による大気圧の更新を実行することによって、実際の大気圧が高度変化に応じて低下または上昇した適切なタイミングで、第1大気圧更新手段による大気圧の更新を実行することができる。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の大気圧の推定装置1において、スロットル弁13の開度(スロットル弁開度ATH)を検出するスロットル弁開度検出手段(スロットル弁開度センサ21)と、スロットル弁13を通過した空気の量を通過空気量GAIRとして検出する通過空気量検出手段(エアフローメータ22)と、大気圧推定手段により推定された大気圧、検出された吸気圧PBAおよびスロットル弁13の開度に応じて、通過空気量の推定値である推定通過空気量HGAIRTHを算出する推定通過空気量算出手段(ECU2、図6のステップ44)と、内燃機関3が所定の高負荷状態にあるか否かを判定する負荷判定手段(ECU2、図5のステップ32)と、内燃機関3が運転されている状態で車両Vが走行する機関運転時走行期間において、内燃機関3が高負荷状態にないと判定されているときに、算出された推定通過空気量HGAIRTHと検出された通過空気量GAIRとの差(空気量偏差DGAIR)に基づいて大気圧(更新用大気圧HPACAL)を算出するとともに、大気圧推定手段により推定された大気圧を算出された大気圧に更新する第2大気圧更新手段(ECU2、図6のステップ36,37)と、をさらに備えることを特徴とする。
前述したように、第1大気圧更新手段による大気圧の算出手法は、検出されたスロットル弁の開度および吸気圧に基づいて大気圧を算出するものであり、内燃機関が高負荷状態にないときの算出精度はそれほど高くない。このため、本発明では、機関運転時走行期間において、内燃機関が高負荷状態にないと判定されているときに、第2大気圧更新手段により大気圧を算出し、更新する。具体的には、推定大気圧、検出された吸気圧およびスロットル弁の開度に応じて、推定通過空気量を算出し、この推定通過空気量と検出された通過空気量との差に基づいて大気圧を算出する。
推定大気圧が実際の大気圧からずれている場合には、上記のように算出される推定通過空気量と実際の通過空気量との間に差が生じ、両者の差は、推定大気圧と実際の大気圧との乖離度合を表す。したがって、推定通過空気量と通過空気量との差に基づいて大気圧を算出することによって、内燃機関が高負荷状態にないときでも、大気圧を精度良く算出できる。その結果、内燃機関が高負荷状態にないときに、大気圧の更新を適切に行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態による大気圧の推定装置1を適用した車両Vを概略的に示している。同図に示すように、車両Vは、前輪DW,DWおよび後輪DNW,DNWを有する前輪駆動式のハイブリッド車両であり、動力源としての内燃機関(以下「エンジン」という)3およびモータ31や、変速機15を備えている。
エンジン3のクランクシャフト3eは、変速機15の入力軸(図示せず)の一端部に、クラッチ19を介して連結されている。また、モータ31の出力軸31aは、変速機15の入力軸の他端部に連結されている。また、変速機15の出力軸(図示せず)は、プロペラシャフト16、デフギヤ17および車軸18などを介して、前輪DW,DWに連結されている。クラッチ19は、電磁式のものであり、その接続・遮断は、後述するECU2からの制御信号によって制御される。
モータ31は、インバータ32を介してバッテリ33に接続されている。モータ31は、バッテリ33の電力がインバータ32を介して供給されることにより、動力を発生するとともに、変速機15を介して伝達された前輪DWの回転エネルギを利用して発電を行い、発生した電力をバッテリ33に充電する回生動作を行う。モータ31の動作は、ECU2からの制御信号によって制御される。
以上の構成により、クラッチ19が接続された状態でエンジン3が運転されると、エンジン3の動力が前輪DW,DWに伝達される。同様に、モータ31に電力が供給されると、モータ31の動力が前輪DW,DWに伝達される。
エンジン3およびモータ31の運転/停止は、車両Vの負荷や走行状態に応じて切り換えられる。例えば、平地走行時などの低負荷時には、クラッチ19を遮断した状態でエンジン3を停止し、モータ31の動力のみで走行するモータ走行モードが選択され、登坂走行時や急加速時などの高負荷時には、エンジン3の動力で走行するエンジン走行モードが選択される。さらに、車両Vの減速時などには、モータ31が回生動作を行う回生走行モードが選択される。
また、エンジン3は、4気筒(1つのみ図示)タイプのガソリンエンジンであり、図2に示すように、各気筒のピストン3aとシリンダヘッド3bの間には燃焼室3cが形成されている。ピストン3aの上面の中央部には、凹部3dが形成されている。また、シリンダヘッド3bには、燃焼室3cに臨むように燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)4および点火プラグ5が取り付けられている。
インジェクタ4は、燃焼室3cの天壁の中央に配置されており、高圧の燃料をピストン3aの凹部3dに向かって噴射する。また、点火プラグ5は、点火時期に応じたタイミングで高電圧が加えられることにより放電し、それにより、燃焼室3c内の混合気を燃焼させる。インジェクタ4の燃料噴射時間、燃料噴射時期および点火プラグ5の点火時期は、ECU2からの制御信号によって制御される。
シリンダヘッド3bには、気筒ごとに、吸気管11および排気管12が接続されるとともに、一対の吸気弁8、8(1つのみ図示)および一対の排気弁9、9(1つのみ図示)が設けられている。吸気弁8は吸気側動弁機構40によって駆動され、排気弁9は排気側動弁機構70によって駆動される。
吸気側動弁機構40は、クランクシャフト3eと同期して回転する吸気カムシャフト51と、吸気カムシャフト51に一体に設けられた吸気カム52と、油圧式のバルブタイミング切換機構60などを備えている。吸気カム52は、低速カムと、低速カムよりも高いカムノーズを有する高速カム(いずれも図示せず)とによって構成されている。バルブタイミング切換機構60は、吸気カム52を低速カムと高速カムの間で切り換えるものである。具体的には、ECU2からの制御信号により、バルブタイミング切換機構60の電磁弁60aを制御し、作動油圧を制御することによって、吸気カム52の切換が行われ、それにより、吸気弁8のバルブタイミングが、低速バルブタイミング(以下「LO.VT」という)と高速バルブタイミング(以下「HI.VT」という)の間で切り換えられる。
HI.VTのときには、LO.VTのときと比較し、吸気弁8の開弁期間と、吸気弁8と排気弁9のバルブオーバーラップが長くなるとともに、吸気弁8のリフトも大きくなることにより、充填効率が高められる。
一方、排気側動弁機構70は、通常のカム駆動式のものであり、回転自在の排気カムシャフト81と、排気カムシャフト81に一体に設けられた排気カム82などを備えている。排気弁9は、クランクシャフト3eと同期して排気カムシャフト81が回転するのに伴い、排気カム82によって開閉される。
また、エンジン3の吸気管11には、スロットル弁13が設けられており、このスロットル弁13には、THアクチュエータ13aが連結されている。スロットル弁13の開度(以下「スロットル弁開度」という)ATHは、ECU2からの制御信号により、THアクチュエータ13aを制御することによって制御され、それにより、エンジン3に吸入される吸気量が制御される。また、スロットル弁開度ATHは、スロットル弁開度センサ21によって検出され、その検出信号はECU2に出力される。
また、吸気管11のスロットル弁13よりも上流側にはエアフローメータ22が、下流側には吸気圧センサ23および吸気温センサ24が、それぞれ設けられている。エアフローメータ22は、吸気管11を流れ、スロットル弁13を通過する空気の質量(以下「通過空気量」という)GAIRを検出し、吸気圧センサ23は、吸気の圧力(以下「吸気圧」という)PBAを検出し、吸気温センサ24は、吸気の温度(以下「吸気温」という)TAを検出する。それらの検出信号はECU2に出力される。
また、エンジン3のクランクシャフト3eには、クランク角センサ25が設けられている。クランク角センサ25は、クランクシャフト3eの回転に伴い、所定のクランク角(例えば30゜)ごとに、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。ECU2は、CRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
また、ECU2には、傾斜角センサ26から、車両Vの前後方向の傾斜角AOIを表す検出信号が、車速センサ27から、車両Vの速度である車速VPを表す検出信号が、それぞれ出力される。
ECU2は、CPU、RAM、ROMおよび入力インターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、上述した各種のセンサ21〜27の検出信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに基づいて、各種の演算処理を実行する。なお、本実施形態では、ECU2は、大気圧推定手段、機関運転時走行距離算出手段、第1大気圧更新手段、負荷判定手段、第1許可手段、基準開度設定手段、平均値算出手段、第2許可手段、所定距離設定手段、推定通過空気量算出手段および第2大気圧更新手段に相当する。
次に、図3〜図10を参照しながら、ECU2で実行される本発明の第1実施形態による大気圧の推定処理について説明する。本処理は、所定の演算周期ΔTごとに実行される。
図3は、大気圧の推定処理のメインフローを示す。本処理ではまず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、エンジン回転数NEが0であるか否かを判別する。この答がYESで、車両Vの走行中または停止中において、エンジン3の回転が停止しているときには、後述する機関運転時走行距離DISTENG、積算値ΣKALTおよび更新許可フラグF_RECALを、それぞれ0にリセットする(ステップ2〜4)。
次に、ステップ5において、そのときに吸気圧センサ23によって検出された吸気圧PBAを、推定大気圧HPAとして設定する。
ここで、CA1は、所定の重み係数(0<CA1<1)であり、HPADZは、最終推定大気圧HPADの前回値である。
なお、イグニッションスイッチ(図示せず)がオンされた直後には、エンジン回転数NEが0であるので、上記ステップ5および6において、推定大気圧HPAおよび最終推定大気圧HPADの初期値が算出される。この場合には、式(1)の最終推定大気圧の前回値HPADZとして、所定値が用いられる。
一方、前記ステップ1の答がNOで、車両Vの走行中または停止中において、NE>0のときには、ステップ7において、更新許可フラグF_RECALが「1」であるか否かを判別する。この答がNOのときには、ステップ8において、車速VPと演算周期ΔTとの積を今回の処理サイクルにおける走行距離ΔDISTとして算出するとともに、この走行距離ΔDISTを前回までの機関運転時走行距離DISTENGに加算することによって、今回までの機関運転時走行距離DISTENGを算出する。前述したように、機関運転時走行距離DISTENGは、エンジン回転数NE=0のときに0にリセットされるので、ステップ8で上記のように算出される機関運転時走行距離DISTENGは、エンジン3が運転されている状態で車両Vが連続して走行した距離を表す。
次に、ステップ9において、平均傾斜角AveAOIを算出する。図4は、そのサブルーチンを示す。本処理ではまず、走行距離ΔDISTと傾斜角センサ26で検出された傾斜角AOIとの積KALTを算出する(ステップ21)とともに、その積算値ΣKALTを算出する(ステップ22)。次に、この積算値ΣKALTを機関運転時走行距離DISTENGで除算することによって、平均傾斜角AveAOIを算出し(ステップ23)、本処理を終了する。このようにして算出される平均傾斜角AveAOIは、機関運転時走行距離DISTENGの全体における、走行距離ΔDISTを重みとする傾斜角AOIの加重平均値である。
図3に戻り、上記ステップ9に続くステップ11では、機関運転時走行距離DISTENGが所定距離DREF(例えば5km)よりも大きいか否かを判別する。この答がYESのときには、ステップ12において、前記ステップ9で算出した平均傾斜角AveAOIが所定角度AREF以上であるか否かを判別する。この答がYESのときには、機関運転時走行距離DISTENGが長く、かつその間の平均傾斜角AveAOIが大きいため、車両Vの登坂走行による高度の上昇に伴い、実際の大気圧が、前記ステップ5で推定した推定大気圧HPAから大きく低下したとして、推定大気圧HPAを更新するものとし、更新許可フラグF_RECALを「1」にセットした(ステップ13)後、後述するステップ14に進む。
一方、前記ステップ11の答がNOで、機関運転時走行距離DISTENGが所定距離DREF以下のとき、または、ステップ12の答がNOで、平均傾斜角AveAOIが所定角度AREFよりも小さいときには、高度の変化に伴う実際の大気圧の大きな低下は生じていないとして、推定大気圧HPAの更新を行うことなく、そのまま本処理を終了する。
一方、前記ステップ7の答がYESのとき、すなわち、更新許可フラグF_RECAL=1で、推定大気圧HPAの更新がすでに許可されているときには、前記ステップ8〜13をスキップし、ステップ14に進む。
このステップ14では、更新用大気圧HPACALを算出し、ステップ15において、推定大気圧HPAを更新用大気圧HPACALに更新する。次に、前記ステップ6に進み、この推定大気圧HPAに対してなまし演算処理を行い、最終推定大気圧HPADを算出する。
図5は、上記の更新用大気圧HPACALの算出処理を示す。本処理ではまず、ステップ31において、エンジン回転数NEに応じ、図7に示すマップを検索することによって、基準開度ATHREFを算出する。このマップでは、基準開度ATHREFは、エンジン回転数NEが高いほど、より大きな値に設定されている。
次に、ステップ32において、スロットル弁開度ATHが基準開度ATHREF以上であるか否かを判別する。この答がYESのときには、エンジン3が高負荷状態にあると判定し、ステップ33に進む。
このステップ33では、スロットル弁開度ATHに応じ、図8に示すマップを検索することによって、基準吸気圧PBASTDを算出する。このマップでは、基準吸気圧PBASTDは、スロットル弁開度ATHが大きいほど、より大きな値に設定されている。なお、実際には、このステップとして、複数の所定のエンジン回転数NEごとに、また吸気弁8のバルブタイミング(LO.VT/HI.VT)ごとに、異なる複数のマップ(図示せず)が用意されており、これらのマップから、実際のエンジン回転数NEおよび吸気弁8のバルブタイミングに対応するマップが選択して用いられる。
次に、ステップ34において、基準吸気圧PBASTD、吸気圧PBA、および平地相当の大気圧である所定の基準大気圧PASTD(例えば1030hPa=760mmHg)を用い、次式(2)によって、第1更新用大気圧HPACAL1を算出する。
次に、ステップ35において、算出した第1更新用大気圧HPACAL1を更新用大気圧HPACALとして設定・更新し、本処理を終了する。
一方、前記ステップ32の答がNOで、ATH<ATHREFのときには、エンジン3が高負荷状態にないと判定し、ステップ36において、第2更新用大気圧HPACAL2を算出する。次に、ステップ37において、算出した第2更新用大気圧HPACAL2を更新用大気圧HPACALとして設定・更新し、本処理を終了する。
図6は、上記の第2更新用大気圧HPACAL2の算出処理を示す。本処理ではまず、ステップ41において、スロットル弁開度ATHに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、開度関数値KTHを算出する。このマップでは、開度関数値KTHは、スロットル弁開度ATHが大きいほど、より大きな値に設定されている。
次に、ステップ42において、吸気圧PBAと最終推定大気圧HPADとの比PBA/HPDAである圧力比R_PHDに応じ、図9に示すマップを検索することによって、流量関数値FPBAPAを算出する。このマップでは、流量関数値FPBAPAは、圧力比R_PHDが所定値R1以下の範囲では、所定値F1に設定され、圧力比R_PHDが所定値R1よりも大きく、1.0よりも小さい範囲では、圧力比R_PHDが大きいほど、より小さな値に設定され、圧力比R_PHD=1.0のときに値0に設定されている。
次に、ステップ43において、吸気温TAの平方根RTTAを算出し、ステップ44において、補正係数KTHCOR、変換係数KC、開度関数値KTH、最終推定大気圧HPAD、流量関数値FPBAPA、気体定数Rの平方根RGASおよび吸気温TAの平方根RTTAを用い、次式(3)によって、推定通過空気量HGAIRTHを算出する。
ここで、補正係数KTHCORは、スロットル弁13に付着した異物などに起因して発生する誤差を補償するためのものであり、別個の処理(図示せず)によって算出される。また、変換係数KCは、推定通過空気量HGAIRTHの単位を(g/sec)に変換するためのものである。
次に、ステップ45において、算出した推定通過空気量HGAIRTHとエアフローメータ22で検出された通過空気量GAIRとの差(=HGAIRTH−GAIR)を、空気量偏差DGAIRとして算出する。
次に、ステップ46において、車速VPが所定値VLよりも大きいか否かを判別する。この答がYESのときには、車両Vが走行中であるとして、ステップ47において、空気量偏差DGAIRに応じ、図10に示すマップを検索することによって、補正項CORHPAを算出する。このマップでは、補正項CORHPAは、空気量偏差DGAIRが所定の−D1値以上でD1値以下の範囲では値0に設定され、DGAIR<−D1の範囲では、所定のCOR1(>0)に設定され、DGAIR>D1の範囲では、−CORに設定されている。
一方、前記ステップ46の答がNOで、VP≦VLのときには、ステップ48において、補正項CORHPAを0に設定する。
ステップ47または48に続くステップ49では、最終推定大気圧HPADに補正項CORHPAを加算することによって、第2更新用大気圧HPACAL2(=HPAD+CORHPA)を算出し、本処理を終了する。
以上のように、図3のステップ14では、更新用大気圧HPACALとして、エンジン3が高負荷状態にあるときには、第1更新用大気圧HPACAL1を算出し、エンジン3が高負荷状態にないときには、第2更新用大気圧HPACAL1を算出し、ステップ15において、算出された更新用大気圧HPACALを用いて、推定大気圧HPAが更新される。
以上のように、本実施形態によれば、車両Vの走行中において、エンジン回転数NEが0のときに検出された吸気圧PBAを、推定大気圧HPAとして設定する(図3のステップ5)ので、車両Vの走行中に大気圧を精度良く推定することができる。また、大気圧センサを用いる必要がなく、単純かつ安価な方法によって、大気圧の推定を行うことができる。
また、機関運転時走行距離DISTENGが所定距離DREFよりも大きく、かつ平均傾斜角AveAOIが所定角度AREF以上のとき(図3のステップ12:YES)に、更新用大気圧HPACALによる推定大気圧HPAの更新を許可するので、実際の大気圧が高度の上昇に応じて大きく低下した適切なタイミングで、更新用大気圧HPACALによる推定大気圧HPAの更新を実行することができる。以上のように、エンジン3の運転の有無および大気圧の変化の可能性に応じて、エンジン回転数NEが0のときに検出された吸気圧PBAに基づく最も精度の高い推定大気圧HPAを優先的に用い、エンジン3の運転中に算出された更新用大気圧HPACALを限定的に用いることによって、全体として大気圧の推定精度を高めることができる。
また、推定大気圧HPAを更新する際、エンジン3が高負荷状態にあると判定されているとき(図5のステップ32:YES)には、更新用大気圧HPACALとして第1更新用大気圧HPACAL1を算出するので、更新用大気圧HPACAL1の算出精度を高めることができる。一方、エンジン3が高負荷状態にないと判定されているとき(図5のステップ32:NO)には、更新用大気圧HPACALとして第2更新用大気圧HPACAL2を算出するので、エンジン3が高負荷状態にないときでも、大気圧を精度良く算出できる。
また、推定大気圧HPAに対してなまし演算処理を行い、最終推定大気圧HPADを算出する(図3のステップ6)ので、吸気圧PBAの一時的な変動やノイズの影響を回避しながら最終推定大気圧HPADをを適切に算出でき、それを用いたエンジン3の制御を安定して行うことができる。
次に、図11を参照しながら、本発明の第1実施形態の変形例による大気圧の推定処理について説明する。この変形例は、図3に示した第1実施形態の推定処理から、平均傾斜角AveAOIに応じた推定大気圧HPAの更新の許可判定を省略するとともに、平均傾斜角AveAOIに応じて、機関運転時走行距離DISTENGと比較される所定距離DREFを算出するようにしたものであり、他の構成は、第1実施形態と同じである。このため、図11において、図3の推定処理と同じ実行内容の部分に、同じステップ番号を付するとともに、以下、図3と異なる実行内容の部分を中心として説明する。
本処理では、図3の推定処理と同様、ステップ1〜6を実行し、エンジン回転数NEが0のときに検出された吸気圧PBAを、推定大気圧HPAとして設定する。一方、エンジン回転数NEが0でないときには、ステップ7〜9を同様に実行し、機関運転時走行距離DISTENGおよび平均傾斜角AveAOIを算出する。
次に、ステップ10において、算出した平均傾斜角AveAOIに応じ、図12に示すマップを検索することによって、機関運転時走行距離DISTENGと比較される所定距離DREFを算出する。このマップでは、所定距離DREFは、平均傾斜角AveAOIが大きいほど、より小さな値に設定されている。これは、平均傾斜角AveAOIが大きいほど、同程度の高低差やそれによる大気圧の低下量に達するまでの走行距離がより短くなるからである。
次に、ステップ11の答がYESで、機関運転時走行距離DISTENGが算出された所定距離DREFよりも大きいときには、車両Vの登坂走行による高度の上昇に伴い、実際の大気圧が、ステップ5で推定した推定大気圧HPAから大きく低下したとして、ステップ13〜15を同様に実行し、推定大気圧HPAの更新を許可し、算出された更新用大気圧HPACALを用いて、推定大気圧HPAを更新する。
以上のように、本実施形態によれば、エンジン3の回転が停止しているときに、所定距離DREFを、平均傾斜角AveAOIが大きいほど、より小さな値に設定する(図11のステップ10、図12)ので、実際の大気圧が高低差に応じて低下した適切なタイミングで、推定大気圧HPAの更新を実行することができる。
次に、図13を参照しながら、本発明の第2実施形態による大気圧の推定処理について説明する。本処理は所定時間ΔTごとに実行される。この第2実施形態は、図3〜図10に示した第1実施形態と比較し、平均傾斜角AveAOIに応じた推定大気圧HPAの更新の許可判定が省略されている点と、推定大気圧HPAを更新する際に、エンジン3の負荷に応じた第1および第2更新用大気圧HPACAL1,HPACAL2の使い分けを行わず、第1更新用大気圧HPACAL1を常に用いる点が異なる。他の構成は、第1実施形態と同じである。このため、図13において、第1実施形態の処理と同じ実行内容の部分に、同じステップ番号を付するとともに、以下、異なる実行内容の部分を中心として説明する。
本処理では、図3の推定処理と同様、ステップ1〜6を実行し、エンジン回転数NEが0のときに検出された吸気圧PBAを、推定大気圧HPAとして設定する。一方、エンジン回転数NEが0でないときには、ステップ8において、機関運転時走行距離DISTENGを算出する。
次に、ステップ11の答がYESで、機関運転時走行距離DISTENGが所定距離DREFよりも大きいときには、実際の大気圧が、ステップ5で推定した推定大気圧HPAから大きく低下したとして、推定大気圧HPAの更新を許可する(ステップ13)。次に、図5の算出処理と同様、ステップ33〜35および15において、第1更新用大気圧HPACAL1を算出し、更新用大気圧HPACALとして設定するとともに、この更新用大気圧HPACALを用いて、推定大気圧HPAを更新する。
以上のように、本実施形態によれば、車両Vに傾斜角センサ26を備えておらず、平均傾斜角AveAOIを算出することができない場合や、車両Vがスロットル弁開度センサ21を備えておらず、スロットル弁開度ATHに応じてエンジン3が高負荷状態にあるか否かの判定を行えない場合でも、推定大気圧HPAの更新を適切に行うことができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、第1実施形態では、傾斜角AOIとして、傾斜角センサ26の検出値を用いているが、他の適当なパラメータを用いて傾斜角を推定してもよい。
また、第1実施形態では、平均傾斜角AveAOIとして、走行距離ΔDISTを重みとする傾斜角AOIの加重平均値を用いているが、これに限らず、例えば、単位走行距離ごとの傾斜角AOIの相加平均値を用いてもよい。さらに、機関運転時走行距離DISTENGの全体における平均値でなくてもよく、移動平均値であってもよい。
また、第1実施形態では、平均傾斜角AveAOIが所定角度AREF以上のときに、実際の大気圧が高度の上昇に応じて大きく低下したとして、推定大気圧HPAの更新を許可しているが、これに代えて、平均傾斜角AveAOIの絶対値をパラメータとし、この絶対値が所定角度AREF以上のときに、推定大気圧HPAの更新を許可してもよい。これにより、実際の大気圧が高度の低下に応じて大きく上昇した場合も含めて、更新を適切に行うことができる。
同様に、変形例では、高度が上昇することを前提として、平均傾斜角AveAOIが大きいほど、所定距離DREFをより小さな値に設定しているが、これに代えて、平均傾斜角AveAOIの絶対値をパラメータとし、この絶対値が大きいほど、所定距離DREFをより小さな値に設定してもよい。これにより、実際の大気圧が高度の低下に応じて大きく上昇した場合も含めて、更新を適切に行うことができる。
また、第1実施形態では、エンジン3が高負荷状態にあるか否かの判定を、スロットル弁開度ATHが基準開度ATHREF以上であるか否かに応じて行っているが、これに限らず、例えば、吸気圧PBAが所定の基準圧力以上であるか否かに応じて、または、アクセルペダルの開度を検出し、その値が所定の基準開度以上であるか否かに応じて行ってもよい。
また、実施形態では、推定大気圧HPAに対してなまし演算処理を行い、最終推定大気圧HPADを算出しているが、このなまし演算処理を省略してもよい。
また、実施形態は、本発明をガソリンエンジンを搭載した車両に適用した例であるが、本発明は、これに限らず、ガソリンエンジン以外のディーゼルエンジンなどの各種のエンジンを搭載した車両にも適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 大気圧推定装置
2 ECU(大気圧推定手段、機関運転時走行距離算出手段、第1大気圧更新手段、
負荷判定手段、第1許可手段、基準開度設定手段、平均値算出手段、
第2許可手段、所定距離設定手段、推定通過空気量算出手段、
第2大気圧更新手段)
3 内燃機関
11 吸気管(吸気通路)
13 スロットル弁
21 スロットル弁開度センサ(スロットル弁開度検出手段)
22 エアフローメータ(通過空気量検出手段)
23 吸気圧センサ
25 クランク角センサ(回転数検出手段)
26 傾斜角センサ(傾斜角取得手段)
31 モータ
V 車両
HPA 推定大気圧
PBA 吸気圧
DISTENG 機関運転時走行距離
DREF 所定距離
HPACAL 更新用大気圧(大気圧)
ATH スロットル弁の開度
ATHREF 基準開度
AOI 傾斜角
AveAOI 平均傾斜角(傾斜角の平均値)
GAIR 通過空気量
HGAIRTH 推定通過空気量
DGAIR 空気量偏差(推定通過空気量と通過空気量との差)
2 ECU(大気圧推定手段、機関運転時走行距離算出手段、第1大気圧更新手段、
負荷判定手段、第1許可手段、基準開度設定手段、平均値算出手段、
第2許可手段、所定距離設定手段、推定通過空気量算出手段、
第2大気圧更新手段)
3 内燃機関
11 吸気管(吸気通路)
13 スロットル弁
21 スロットル弁開度センサ(スロットル弁開度検出手段)
22 エアフローメータ(通過空気量検出手段)
23 吸気圧センサ
25 クランク角センサ(回転数検出手段)
26 傾斜角センサ(傾斜角取得手段)
31 モータ
V 車両
HPA 推定大気圧
PBA 吸気圧
DISTENG 機関運転時走行距離
DREF 所定距離
HPACAL 更新用大気圧(大気圧)
ATH スロットル弁の開度
ATHREF 基準開度
AOI 傾斜角
AveAOI 平均傾斜角(傾斜角の平均値)
GAIR 通過空気量
HGAIRTH 推定通過空気量
DGAIR 空気量偏差(推定通過空気量と通過空気量との差)
Claims (7)
- 内燃機関およびモータを動力源として有し、前記内燃機関が停止した状態で前記モータの動力によって走行することが可能な車両において、前記内燃機関の制御に用いられる大気圧を推定する大気圧の推定装置であって、
前記内燃機関の吸気通路のスロットル弁よりも下流側に配置され、吸気圧を検出する吸気圧センサと、
前記車両の走行中で、かつ前記内燃機関の回転が停止しているときに、前記吸気圧センサにより検出された吸気圧に基づいて、大気圧を推定する大気圧推定手段と、
を備えることを特徴とする大気圧の推定装置。 - 前記スロットル弁の開度を検出するスロットル弁開度検出手段と、
前記内燃機関が運転されている状態で前記車両が走行する機関運転時走行期間中に走行した距離を、機関運転時走行距離として算出する機関運転時走行距離算出手段と、
当該算出された機関運転時走行距離が所定距離を超えているときに、前記検出されたスロットル弁の開度および吸気圧に基づいて大気圧を算出するとともに、前記大気圧推定手段により推定された大気圧を当該算出された大気圧に更新する第1大気圧更新手段と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の大気圧の推定装置。 - 前記内燃機関が所定の高負荷状態にあるか否かを判定する負荷判定手段と、
前記内燃機関が前記高負荷状態にあると判定されているときに、前記第1大気圧更新手段による大気圧の更新を許可する第1許可手段と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の大気圧の推定装置。 - 前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記検出された内燃機関の回転数が高いほど、基準開度をより大きな値に設定する基準開度設定手段と、をさらに備え、
前記負荷判定手段は、前記スロットル弁の開度が前記設定された基準開度以上のときに、前記内燃機関が前記高負荷状態にあると判定することを特徴とする、請求項3に記載の大気圧の推定装置。 - 前記車両の前後方向の傾斜角を取得する傾斜角取得手段と、
前記機関運転時走行期間中に取得された前記傾斜角の平均値を算出する平均値算出手段と、
当該算出された傾斜角の平均値の絶対値が所定値以上のときに、前記第1大気圧更新手段による大気圧の更新を許可する第2許可手段と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載の大気圧の推定装置。 - 前記車両の前後方向の傾斜角を取得する傾斜角取得手段と、
前記機関運転時走行期間中に取得された前記傾斜角の平均値を算出する平均値算出手段と、
当該算出された傾斜角の平均値の絶対値が大きいほど、前記所定距離をより小さな値に設定する所定距離設定手段と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載の大気圧の推定装置。 - 前記スロットル弁の開度を検出するスロットル弁開度検出手段と、
前記スロットル弁を通過した空気の量を通過空気量として検出する通過空気量検出手段と、
前記大気圧推定手段により推定された大気圧、前記検出された吸気圧およびスロットル弁の開度に応じて、前記通過空気量の推定値である推定通過空気量を算出する推定通過空気量算出手段と、
前記内燃機関が所定の高負荷状態にあるか否かを判定する負荷判定手段と、
前記内燃機関が運転されている状態で前記車両が走行する機関運転時走行期間において、前記内燃機関が前記高負荷状態にないと判定されているときに、前記算出された推定通過空気量と前記検出された通過空気量との差に基づいて大気圧を算出するとともに、前記大気圧推定手段により推定された大気圧を当該算出された大気圧に更新する第2大気圧更新手段と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の大気圧の推定装置。
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