JP2013010371A - 電動ブレーキ制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両電源の失陥によりブレーキ操作中に電動アクチュエータへの電源電圧が低下した際、急激なブレーキ液圧低下の抑制と急激なペダル踏力増加の緩和を達成すること。
【解決手段】ドライバーによるペダル操作量を検出し、倍力モータ24をアシスト制御することで、倍力されたブレーキ液圧をマスタシリンダ68により発生させる電動倍力ブレーキ装置6を有する。この電動ブレーキ制御システムにおいて、電源電圧検出回路10と、コントローラ21と、を備える。電源電圧検出回路10は、車両電源1の電源電圧を検出する。コントローラ21は、車両電源1の失陥によりブレーキ操作中に倍力モータ24への電源電圧Vが低下した際、検出される電源電圧Vが、低電圧判定基準値V1になってから倍力機能が停止する最低作動電圧値V0になるまでの間に、ブレーキ液圧を徐々に低下させるように倍力モータ24を制御する(図4)。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両電源からの電源供給により作動する電動アクチュエータにより倍力されたブレーキ液圧をマスタシリンダにより発生させる電動倍力ブレーキ装置を有する電動ブレーキ制御システムに関する。
従来、ブレーキペダルへの操作により進退移動する入力部材と、該入力部材に相対移動可能に配置されたアシスト部材と、該アシスト部材を進退移動させる電動アクチュエータと、を備えた電動倍力ブレーキ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電動倍力ブレーキ装置は、前記ブレーキペダルによる前記入力部材の移動に応じて前記電動アクチュエータにより前記アシスト部材にアシスト推力が付与される。そして、ペダル踏力に前記アシスト推力を加えることで、倍力されたブレーキ液圧をマスタシリンダにより発生させる。
特開2007−112426号公報
しかしながら、従来の電動倍力ブレーキ装置にあっては、電動アクチュエータを制御することで、アシスト部材をアシスト動作させる構成になっていた。このため、車両電源の失陥によりブレーキ操作中に電動アクチュエータへの電源供給が低下すると、急激な制動力低下が発生し、大きなペダル踏力が必要になる、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、車両電源の失陥によりブレーキ操作中に電動アクチュエータへの電源電圧が低下した際、急激なブレーキ液圧低下の抑制と急激なペダル踏力増加の緩和を達成することができる電動ブレーキ制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動ブレーキ制御システムは、ドライバーによるペダル操作量を検出し、電動アクチュエータをアシスト制御することで、倍力されたブレーキ液圧をマスタシリンダにより発生させる電動倍力ブレーキ装置を有する。
この電動ブレーキ制御システムにおいて、電源電圧検出手段と、倍力制限制御手段と、を備える。
前記電源電圧検出手段は、車両電源の電源電圧を検出する。
前記倍力制限制御手段は、前記車両電源の失陥によりブレーキ操作中に前記電動アクチュエータへの電源電圧が低下した際、検出される電源電圧が、低電圧判定基準値になってから倍力機能が停止する最低作動電圧値になるまでの間に、前記ブレーキ液圧を徐々に低下させるように前記電動アクチュエータを制御する。
上記のように、車両電源の失陥によりブレーキ操作中に電動アクチュエータへの電源電圧が低下した際、倍力制限制御手段において、ブレーキ液圧を徐々に低下させるように電動アクチュエータが制御される。
この倍力制限制御は、車両電源が失陥した後、検出される電源電圧が低下するとき、電源電圧が低電圧判定基準値になってから倍力機能が停止する最低作動電圧値になるまでの間で行われる。言い換えると、車両電源が失陥間際であるものの電動アクチュエータの制御が可能な時間帯で行われる。
このように、電動アクチュエータによる倍力機能が停止するまでの間に、ブレーキ液圧を徐々に低下させる倍力制限制御を行うことで、急激なブレーキ液圧低下が抑制される。そして、ブレーキ液圧低下によりペダル踏力増加をドライバーに促すことで、電動アクチュエータによる倍力機能が停止したときに急激なペダル踏力増加(ペダルキックバック)が緩和される。
この結果、車両電源の失陥によりブレーキ操作中に電動アクチュエータへの電源電圧が低下した際、急激なブレーキ液圧低下の抑制と急激なペダル踏力増加の緩和を達成することができる。
電動車両に搭載された実施例1の電動ブレーキ制御システムを示す全体システム図である。 実施例1の電動ブレーキ制御システムにおいて基本構成によるインバータ回路を有する電動ブースタを示す回路図である。 実施例1の電動ブレーキ制御システムに用いられる電動倍力ブレーキ装置を示す概略図である。 実施例1の電動ブレーキ制御システムにおける電動ブースタのコントローラにて実行される倍力制限制御処理の流れを示すフローチャートである。 比較例の電動ブレーキ制御システムでの車両電源失陥時における電動倍力ブレーキ装置の遷移状態を示す課題説明図である。 実施例1の電動ブレーキ制御システムでの車両電源失陥時に倍力制限制御を実行したときの電源電圧・電流値・液圧・踏力・ストロークの各特性を示すタイムチャートである。 実施例1の電動ブレーキ制御システムでの車両電源失陥時における倍力制限制御での電流値・液圧・踏力の各特性を示す効果説明図である。 実施例1の倍力制限制御処理においてペダル操作量が大きいときの相対ストローク・液圧・踏力の制限特性の一例を示す制限特性図である。 実施例1の倍力制限制御処理においてペダル操作量が小さいときの電流値・液圧・踏力の制限特性の一例を示す制限特性図である。
以下、本発明の電動ブレーキ制御システムを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1の電動ブレーキ制御システムの構成を、「全体システム構成」、「電動ブースタの構成」、「電動倍力ブレーキ装置の構成」、「倍力制限制御構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、電動車両に搭載された実施例1の電動ブレーキ制御システムを示す全体システム図である。以下、図1に基づき全体システム構成を説明する。
実施例1の電動ブレーキ制御システムは、図1に示すように、車両電源1と、電動ブースタ2と、電動油圧回路3と、一般負荷4と、電源電圧検出回路10と、を備えている。
前記電動ブレーキ制御システムは、電気自動車やハイブリッド車や燃料電池車等の電動車両に搭載されている。電動車両の場合、ドライバーの要求制動力を、液圧制動力と回生制動力で得る回生協調制御を行う。このため、ドライバーの要求制動力を液圧制動力により得るエンジン車に比べ、高い自由度で倍力制御を行うことができる電動ブースタ2を用いる必要性が高く、電動ブースタ2を用いたブレーキシステムとしている。
前記車両電源1は、走行駆動用のバッテリパックからの直流電圧を変換するDC/DCコンバータ11とバッテリー12を有し、電源電圧VB(VB=V、例えば、V=12V)を生成する。そして、車両電源1の下流に、12V系電気負荷による複数の負荷ユニットとして、電動ブースタ2と、電動油圧回路3と、一般負荷4と、を並列に接続する構成としている。ここで、一般負荷4とは、電動ブースタ2と電動油圧回路3以外の12V系電気負荷、例えば、エアーコンディショナー、オーディオ機器、パワーウインドウ等による複数の負荷ユニットの総称として用いている。
前記電動ブースタ2は、後述するブレーキペダルやマスタシリンダを備えた電動倍力ブレーキ装置6に設けられ、制動操作時、ドライバーによるペダル踏力を、一般的な負圧倍力に代え、モータトルクによりアシストする。この電動ブースタ2は、コントローラ21と、遮断リレー22と、インバータ回路23と、倍力モータ24と、を有する。そして、電動ブースタ2の最低作動電圧値Vmin(Vmin=V0、例えば、V0=7V)は、他の負荷ユニットの最低作動電圧値VMIN(例えば、VMIN=9V)より小さい値に設定している。
前記コントローラ21は、ドライバーからの入力であるペダル操作量を計算し、インバータ回路23へ指令を送る。その指令に従い倍力モータ24を制御し、必要な量の倍力によりドライバー入力をアシストする。この倍力制御に加え、インバータ回路23に過大な電流が流れる短絡診断を行い、短絡であると診断されると、遮断リレー22への指令により、インバータ回路23への通電を遮断する。さらに、ブレーキ操作中に車両電源1に失陥が発生したときの倍力制限制御を行う。
前記電動油圧回路3は、ABS/TCS/VDC制御に用いられるABSアクチュエータであり、ブレーキ液圧を自己増圧できるオイルポンプモータ31と、車両の各輪のブレーキ液圧を調整できる複数のバルブソレノイド32,33,…と、を有する。
ここで、ABS/TCS/VDC制御とは、走行安全性を向上するため、車両の姿勢制御機能(VDC機能)やTCS機能やABS機能をABS/TCS/VDCユニットにより実現し、ドライバーをサポートする制御である。
前記ABS/TCS/VDCユニットは、電動油圧回路3と、ABS/TCS/VDCコントローラ7と、各種センサ8と、エンジンコントローラ9と、を有する。ABS/TCS/VDCコントローラ7は、各種センサ8によりドライバーによる運転操作や車速などを検知し、ブレーキ圧(電動油圧回路3への指令)やエンジン出力(エンジンコントローラ9への指令)を自動的に制御する。そして、滑りやすい路面やコーナリング、障害物を回避する際に発生する横滑りを低減し、走行安全性を高める。このABS/TCS/VDCコントローラ7とコントローラ21との間は、ローカル通信やCAN通信などによる双方向通信が確立している。
前記電源電圧検出回路10は、電動ブースタ2を作動させた状態で、車両電源1の電源電圧Vの検出を行う。つまり、イグニッションスイッチ13のオン時、車両電源1の電源電圧Vを測定する。そして、電源電圧Vが、倍力モータ24の最低作動電圧値V0以下となったとき、ドライバーに対しブレーキ倍力機能が低下することを告知器14の作動により告知する。告知器14による告知手法としては、告知ランプの点灯等による視覚に訴える手法、告知ブザー音等による聴覚に訴える手法、告知振動等による触覚に訴える手法、の何れかの選択、あるいは、複数の手法の組み合わせにより行う。
[電動ブースタの構成]
図2は、実施例1の電動ブレーキ制御システムにおいて基本構成によるインバータ回路を有する電動ブースタを示す回路図である。以下、図2に基づき、電動ブースタ2の構成を説明する。
前記電動ブースタ2は、図2に示すように、コントローラ21と、遮断リレー22と、インバータ回路23と、倍力モータ24と、を有する。
前記遮断リレー22は、システムが作動していないときや、異常が起こりシステムを停止させるときに車両電源1を遮断するためのリレーである。通常は、電動ブースタ2内のコントローラ21から指令している。
前記インバータ回路23は、シャント抵抗23aと、6個の切り替えスイッチ23b,23c,23d,23e,23f,23gを有する。
前記シャント抵抗23aは、電源ライン5から流れる電流を監視するための抵抗値が小さく高精度な抵抗である。実際には流れる電流を電位差としてコントローラ21のモニタ回路へ取り込む。
前記切り替えスイッチ23bは、パワーFETを使っているもので、上流の切り替えスイッチ23b,23c,23dと下流の切り替えスイッチ23e,23f,23gを順次切替えて行き、各相(コイル)へ流れる電流をコントロールしている。
前記倍力モータ24は、インバータ回路23からのPWMによる高速なスイッチングにより各相の切替えを行って回転駆動する3相モータである。ただし、倍力モータ24としては、3相モータに限らず、DCブラシモータなどであれば、インバータ回路23に代え、Hブリッジのモータドライバーで機械式のリレーなどを用いても、回転駆動制御が可能である。
[電動倍力ブレーキ装置の構成]
図3は、実施例1の電動ブレーキ制御システムに用いられる電動倍力ブレーキ装置6を示す概略図である。以下、図3に基づき、電動倍力ブレーキ装置6の構成を説明する。
前記電動倍力ブレーキ装置6は、図3に示すように、ブレーキペダル61と、インプットロッド62と、インプットピストン63と、ブースタハウジング64と、倍力モータ24(電動アクチュエータ)と、ボールねじ機構65と、プライマリピストン66と、セカンダリピストン67と、マスタシリンダ68と、を備えている。
前記ブレーキペダル61は、ドライバーがペダル踏力を加えると、インプットロッド62とインプットピストン63にペダル踏力を伝達する。このペダル踏力伝達系には、ドライバーによるペダル操作量を検出するストロークセンサ69が設けられている。なお、インプットピストン63のフランジ部と、プライマリピストン66と、の間には、一対のコイルスプリングが介装され、ブレーキ非操作時、インプットピストン63を付勢中立位置に保つ。
前記倍力モータ24は、図外のダッシュパネル等に固定されたブースタハウジング64に内蔵され、ブースタハウジング64に固定されたステータと、ステータに対しエアギャップを介して配置されたロータと、により構成される。この倍力モータ24の内側位置には、倍力モータ24のロータ回転力を軸方向のアシスト推力に変換してプライマリピストン66に伝達するボールねじ機構65が設けられる。
前記マスタシリンダ5は、図3に示すように、倍力モータ24をアシスト制御することで倍力されたプライマリ液圧とセカンダリ液圧によるブレーキ液圧を発生させるブレーキ液圧発生装置である。すなわち、ブレーキ非操作時には、リザーバタンク70が、プライマリピストン66により形成されるプライマリ液圧室71とセカンダリピストン67により形成されるセカンダリ液圧室72に対しポートを介して連通している。ブレーキ操作されると、プライマリピストン66とセカンダリピストン67の図3の左方向へのストロークによりポート連通を遮断し、ペダル踏力とアシスト推力を合計した力に応じてプライマリ液圧とセカンダリ液圧を上昇させる。そして、プライマリ液圧をプライマリ液圧管73に供給し、セカンダリ液圧をセカンダリ液圧管74に供給する。なお、プライマリ液圧管73には、ブレーキ液圧センサ75が設けられている。
[倍力制限制御構成]
図4は、実施例1の電動ブレーキ制御システムにおける電動ブースタ2のコントローラ21にて実行される倍力制限制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、倍力制限制御構成をあらわす図4の各ステップについて説明する。
ステップS1では、電源電圧Vを監視している電源電圧検出回路10から車両電源1の電源電圧情報を読み込むことで、電源電圧Vを検出し、ステップS2へ進む。
ステップS2では、ステップS1での電源電圧Vの検出に続き、検出された電源電圧Vが、低電圧判定基準値V1以下であるか否かを判断する。Yes(電源電圧V≦低電圧判定基準値V1)の場合はステップS3へ進み、No(電源電圧V>低電圧判定基準値V1)の場合はエンドへ進む。
ここで、低電圧判定基準値V1は、正常時の電源電圧Vより低く、倍力モータ24による倍力機能が停止する最低作動電圧値V0より高い電圧値に設定される。
ステップS3では、ステップS2での電源電圧V≦低電圧判定基準値V1であるとの判断に続き、倍力モータ24による倍力機能を制限することのない正常モードから、ブレーキ液圧を徐々に低下させる倍力制限モードへ遷移し、ステップS4へ進む。
ステップS4では、ステップS3での倍力制限モードへの遷移に続き、ストロークセンサ69からのセンサ信号に基づき、ドライバーによるペダル操作量を検出し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4でのドライバーによるペダル操作量の検出に続き、ドライバーによるペダル操作有りか否かを判断する。Yes(ドライバーペダル操作有り)の場合はステップS6へ進み、No(ドライバーペダル操作無し)の場合はステップS10へ進む。
ここで、ドライバーによるペダル操作の有無は、ペダルストロークが所定値(例えば、10mm程度)以上のときには、ドライバーペダル操作有りと判断し、ペダルストロークが所定値未満のときには、ドライバーペダル操作無しと判断する。
ステップS6では、ステップS5でのドライバーペダル操作有りとの判断に続き、ブレーキ液圧を低減する際の制限値として、倍力モータ24への電流制限値と、電動倍力ブレーキ装置6のストローク相対位置の相対ストローク制限値と、のうち、いずれの制限値を選択するかをドライバーによるペダル操作量により判定し、ステップS7へ進む。
ここで、相対ストローク制限値とは、電動倍力ブレーキ装置6のインプットロッド62あるいはインプットピストン63(入力部材)とプライマリピストン66(アシスト部材)のストローク相対位置の制限値をいう。
また、制限値の切り替えは、ペダル操作量が所定量より大きく減速要求が高い場合、相対ストローク制限値を選択する。そして、ペダル操作量が所定量以下であり減速要求が低い場合、電流制限値を選択する。
ステップS7では、ステップS6での制限値判定に続き、ブレーキ液圧を徐々に低下させる制限特性として、ブレーキ液圧の低下を開始するタイミングを遅らせた第1ブレーキ液圧制限特性と、ブレーキ液圧の低下勾配が緩やかな第2ブレーキ液圧制限特性と、のうち、いずれの制限特性を選択するかをドライバーによるペダル操作量により判定し、ステップS8へ進む。
ブレーキ液圧制限特性の切り替えは、ペダル操作量が所定量より大きく減速要求が高い場合、ブレーキ液圧が低下を開始するタイミングを遅らせた第1ブレーキ液圧制限特性を選択する。そして、ペダル操作量が所定量以下であり減速要求が低い場合、ブレーキ液圧の低下勾配が緩やか第2ブレーキ液圧制限特性を選択する。
ステップS8では、ステップS7での制限特性の判定に続き、ステップS6で選択した制限値と、ステップS7で選択した制限特性による倍力制限制御を開始し、選択した制限値と制限特性による倍力制限制御を目標制限値に到達するまで実行し、ステップS9へ進む。
ステップS9では、ステップS8での倍力制限の開始に続き、選択した制限値と制限特性による倍力制限制御の実行により目標制限値に到達しても、車両電源1の電源電圧Vが最低作動電圧値V0に達するまでは、可能な限り目標制限値による制動作動を継続し、ステップS10へ進む。
ステップS10では、ステップS9での目標制限値による継続作動、あるいは、ステップS5でのドライバーペダル操作無しとの判断に続き、倍力モータ24を停止し、エンドへ進む。なお、ステップS9からステップS10へ進んできたときは、車両電源1の電源電圧Vが最低作動電圧値V0に達し、目標制限値による制動作動を継続できなくなった時点で倍力モータ24を停止する。ステップS5からステップS10へ進んできたときは、ドライバーペダル操作無しと判断されると、倍力制限制御を行うことなく直ちに倍力モータ24を停止する。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例の課題」の説明を行う。続いて、実施例1の電動ブレーキ制御システムにおける作用を、「車両電源失陥時の倍力制限制御作用」、「制限特性の切り替え作用」、「制限値の切り替え作用」に分けて説明する。
[比較例の課題]
電動倍力ブレーキ装置を搭載した電動車両の電動ブレーキ制御システムにおいて、電動ブレーキ制御システムへの電源供給が停止すると、電動アクチュエータによるアシストが突然停止するものを比較例とする。
この比較例において、ブレーキペダルを踏み込んだブレーキ操作状態では、図5(a)に示すように、ペダル踏力と倍力によるアシスト推力に応じてプライマリピストンとセカンダリピストンが左方向へストロークし、ポート連通を遮断する。そして、ペダル踏力とアシスト推力の合計した力により、プライマリ液圧室のプライマリ液圧とセカンダリ液圧室のセカンダリ液圧を上昇させている。
このブレーキ操作状態のとき、電動ブレーキ制御システムへの電源供給が停止する車両電源の失陥が発生した場合、電動アクチュエータによるアシストが突然停止し、アシスト推力を失ったプライマリピストンが初期位置に戻される。このプライマリピストンが、図5(b)に示すように、ドライバー操作により前進移動しているインプットピストンと接触(=メカタッチ)すると、アシストされていた液圧反力をペダルで受けるため、ペダル反力によるペダルキックバックが発生する。これと同時にプライマリピストンとセカンダリピストンが初期位置に戻されることで、遮断していたポートが開き、プライマリ液圧室のプライマリ液圧とセカンダリ液圧室のセカンダリ液圧が急激に低下する。この結果、ドライバーにとって予期しない制動力低下が発生し、ドライバーに対し不安感を与えるおそれがある。
そして、電源供給が停止した後は、電動アクチュエータによるアシスト推力がなくなるため、プライマリ液圧とセカンダリ液圧を上昇させて制動力を出すためには、アシスト推力を補うまでの大きなペダル踏力が必要になる。その上、ペダルキックバックや急激なブレーキ液圧の低下が、図5(c)に示すように、インプットロッド及びブレーキペダルを介してドライバーへ伝達する。このため、急激な伝達力に打ち勝つように応答良くペダル踏力を増加させる必要があるが、通常のドライバーにとっては、操作困難といえる状況に陥るし、ペダルコントロール性も悪くなってしまう。
[車両電源失陥時の倍力制限制御作用]
上記のように、ブレーキ操作状態のとき車両電源の失陥が発生した場合、急激なブレーキ液圧の低下や急激なペダル踏力の増加を抑える対策が必要である。以下、図6及び図7に基づいて、これを反映する車両電源失陥時の倍力制限制御作用を説明する。
ブレーキ操作状態のとき、車両電源1の失陥により倍力モータ24への電源電圧Vが低電圧判定基準値V1以下に低下すると、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→エンドへと進む。
すなわち、ステップS8では、ステップS6で選択した制限値と、ステップS7で選択した制限特性による倍力制限制御が開始され、選択した制限値と制限特性による倍力制限制御を目標制限値に到達するまで実行される。ステップS9では、倍力制限制御の実行により目標制限値に到達しても、車両電源1の電源電圧Vが最低作動電圧値V0に達するまで目標制限値による制動作動が継続される。そして、ステップS10では、倍力機能が停止する最低作動電圧値V0になると倍力モータ24を停止し、倍力制限制御を終了する。
したがって、倍力制限制御は、車両電源1が失陥した後、検出される電源電圧Vが低下するとき、電源電圧Vが低電圧判定基準値V1になってから倍力機能が停止する最低作動電圧値V0になるまでの間で行われる。言い換えると、車両電源1が失陥間際であるものの倍力モータ24の制御が可能な時間帯で行われる。
この倍力制限制御作用の一例を、図6に示すタイムチャートに基づき説明する。
まず、車両電源1の失陥を原因として電源電圧Vが低下し、時刻t1にて電源電圧Vが低電圧判定基準値V1になると、時刻t1から倍力モータ24へ印加する電流値Aを、図6の矢印Bに示すように、正常電流A1から緩やかな一定勾配にて低下させる。この倍力モータ24へ印加する電流値Aの低下により、プライマリピストン66をブレーキペダル61側に戻すため、図6の矢印Cに示すように、ブレーキ液圧Pは正常液圧P1から徐々に低下する。さらに、図6のペダル踏力特性に示すように、時刻t1からペダル踏力Fを作動時踏力F1に保っていると、図6の矢印Dに示すように、ペダルストロークSは作動時ストロークS1から徐々に増加する。このストローク増加分Eは、インプットロッド62の受圧面積でのブレーキ液圧低下分による増加である。
そして、時刻t2になると、プライマリピストン66の戻りストロークとペダルストロークの増加により、プライマリピストン66とインプットピストン63とのギャップがゼロ(接触)になる。このメカタッチ時刻t2から電源電圧Vが最低作動電圧値V0になる時刻t3までは、ペダルストロークSを一定に保ったままで、図6の矢印Gに示すように、ブレーキ液圧Pの減少に応じてペダル踏力Fを失陥時踏力F0に向かって緩やかに上昇させる。
そして、時刻t3になると、倍力モータ24へ印加する電流値Aは、目標制限電流A0からゼロとされるが、ブレーキ液圧Pは失陥液圧P0へ向かって緩やかに低下して収束し、ペダル踏力Fは失陥踏力F0へ向かって緩やかに増加して収束する。すなわち、図6の矢印Hに示すように、ブレーキ液圧Pが急激に低下する液圧急変動により、ドライバー操作によるペダル踏力Fの増加が遅れることがない。
このように、倍力モータ24による倍力機能が停止するまでの間に、ブレーキ液圧Pを徐々に低下させることで、急激なブレーキ液圧低下が抑制されるし、ブレーキ液圧低下によりペダル踏力増加をドライバーに促すことで、倍力モータ24による倍力機能が停止したときに急激なペダル踏力増加(ペダルキックバック)が緩和される。
電源電圧Vが低電圧判定基準値V1になる時刻t1から電源電圧Vが最低作動電圧値V0になる時刻t3まで行われる倍力制限制御作用による効果を、図7に示すタイムチャートに基づき説明する。
実施例1の倍力制限制御では、時刻t1から徐々に倍力モータ24へ印加する電流値Aを低下させている。このため、図7の電流値特性のI領域に示すように、正常電流A1から時刻t3にて一気にゼロまで低下させる場合に比べ、バックアップ電源を含む車両電源1の電源消費量を低減させることができる。
実施例1の倍力制限制御では、時刻t1から徐々にブレーキ液圧Pが低下する。このため、図7の液圧特性Jに示すように、急激なブレーキ液圧Pの低下を解消できるし、時刻t3以降も失陥液圧P0を保って停止後の制動力を確保することができる。これに加え、緩やかにブレーキ液圧Pが低下することで、ドライバーに対して電源電圧Vの低下の検知性を高めることができると共に、減速度の低下によりペダル踏力Fの増加をドライバーに促すことができる。
実施例1の倍力制限制御では、時刻t2にてギャップが無くなると、ペダルストロークを保つのにペダル踏力Fの増加が必要となるため、ドライバーにペダル踏力Fの増加開始を促すことになる。その後、ブレーキ液圧Pの低下に応じてペダル踏力Fを増加してゆくことで、図7の踏力特性Kに示すように、時刻t3にてペダル踏力Fを失陥時踏力F0に近いレベルまで増加させることができる。つまり、時刻t3にてペダルキックバックによる急激なペダル踏力Fの増加を緩和できる。
[制限特性の切り替え作用]
倍力制限制御におけるブレーキ液圧の制限特性は、目標制限液圧・制御介入開始タイミング・制限液圧推移プロフィールについて設定自由度を持つ。以下、図8及び図9に基づいて、制限特性の切り替え作用を説明する。
制限特性の切り替えは、図4のステップS7にて行われる。ドライバーのペダル操作量が所定量より大きく減速要求が高い場合には、図8の液圧特性に示すように、電源電圧Vが低電圧判定基準値V1になった時刻t1から遅れ時間Δtを加えた時刻t2まで正常液圧P1を維持することで制御介入開始タイミングを遅らせる。そして、制御介入開始時刻t2の後は介入初期にブレーキ液圧Pを大きく低減し、徐々に低減推移が緩やかになる曲線的な推移プロフィールを持ち、最低作動電圧値V0に達する時刻t3にて失陥液圧P0になる第1ブレーキ液圧制限特性を選択する。
一方、ドライバーのペダル操作量が所定量以下であり減速要求が低い場合、図9の液圧特性に示すように、電源電圧Vが低電圧判定基準値V1になった時刻t1を制御介入開始タイミングとし、制御介入開始タイミングを早める。そして、制御介入開始時刻t1の後はブレーキ液圧Pが緩やかな勾配で直線的に低減する推移プロフィールを持ち、最低作動電圧値V0に達する時刻t3にて失陥液圧P0になる第2ブレーキ液圧制限特性を選択する。
したがって、ドライバーによるペダル操作量が大きい場合(例えば、ペダルストローク≧40mm程度)、ドライバーが早急に停止する意志があると判断し、ドライバーの高減速要求に応えて可能な限り高い減速度を維持する第1ブレーキ液圧制限特性を選択する。そして、第1ブレーキ液圧制限特性を選択することで、高い減速度を維持しながらも、倍力制限制御が介入した後は、図8に示すように、速やかにブレーキ液圧Pの低下とペダル踏力Fの増加を演出することで、ドライバーに倍力停止をインフォメーションすることができる。
その反対にドライバーによるペダル操作量が小さい場合(例えば、ペダルストローク<40mm程度)、早急な停止意志は無いものと判断し、ドライバーの低減速度要求に応えて初期から緩やかに制限量を変化させる第2ブレーキ液圧制限特性を選択する。この緩やかにブレーキ液圧が低下する第2ブレーキ液圧制限特性を選択することで、低減速度の操作を違和感なくでき、且つ、電流消費を可能な限り抑え供給電源を長持ちさせることができる。例えば、10秒程度の制動時間とすると、消費電流を25%低減できる。
[制限値の切り替え作用]
倍力制限制御におけるブレーキ液圧の制限方法は、電動アクチュエータに印加する電流値に制限をかける方法と、入力部材とアシスト部材のストローク相対位置に制限をかける方法の選択肢がある。以下、図8及び図9に基づいて、制限値の切り替え作用を説明する。
制限値の切り替えは、図4のステップS6にて行われる。ドライバーのペダル操作量が所定量より大きく減速要求が高い場合には、インプットロッド62あるいはインプットピストン63(入力部材)とプライマリピストン66(アシスト部材)のストローク相対位置を制限する相対ストローク制限値が選択される。そして、制限値特性は、図8の相対ストローク特性に示すように、電源電圧Vが低電圧判定基準値V1になった時刻t1から遅れ時間Δtを加えた時刻t2まで正常相対ストロークΔS1を維持する。そして、制御介入開始時刻t2の後は介入初期に相対ストロークΔSを大きく低減し、徐々に低減推移が緩やかになる曲線的な推移プロフィールを持ち、最低作動電圧値V0に達する時刻t3にて目標制限相対ストロークΔS0になる特性とする。
一方、ドライバーのペダル操作量が所定量以下であり減速要求が低い場合、倍力モータ24への印加電流に制限をかける電流制限値が選択される。そして、制限値特性は、図9の電流特性に示すように、電源電圧Vが低電圧判定基準値V1になった時刻t1から電流値Aを緩やかな勾配で直線的に低減する推移プロフィールを持ち、最低作動電圧値V0に達する時刻t3にて目標制限電流A0になる特性とする。
したがって、ドライバーによるペダル操作量が大きい場合(例えば、ペダルストローク≧40mm程度)、ドライバーが早急に停止する意志があると判断し、倍力制限制御での制限対象を、ドライバーの高減速要求に応えて相対ストローク制限値とする。これにより、入力部材とアシスト部材のストローク相対位置を確実にゼロとなるように倍力モータ24で位置制御を行うことができ、スムーズにドライバーにアシスト停止を伝達する。
その反対にドライバーによるペダル操作量が小さい場合(例えば、ペダルストローク<40mm程度)、早急な停止意志は無いものと判断し、ドライバーの低減速度要求に応えて電流制限値とする。これにより、過敏なドライバー操作(ポンピング操作など)によるブレーキフィーリングへの影響が少ない。また、電流制限値により電流値Aを直線的に減じるとモータトルクも直線的に減じられ、違和感なく制動力低下するため、ドライバーは比較的容易に状態遷移に対応できる。ペダル踏力の増加については、アシスト部材と入力部材との相対ストローク量がゼロとなって初めて入力部材が倍力液圧を受圧し、ペダル踏力の増加という形でドライバーへ伝達される。このとき、例えば、ペダル踏力が100N程度(0.4G制動相当)の低減速度操作時に急停止すると、法規性能の制動力を出すにはペダル踏力が500N程度必要である。したがって、ペダル踏力差400Nの操作力変動が発生するため、一般のドライバーは操作性変動への対応が困難である。しかし、実施例1の場合には、電流制限により十分な時間をかけて減速度低下をドライバーに伝達し、ペダル踏力を増加する時間を与えることで、状態遷移による操作性変動への対応が容易になる。
次に、効果を説明する。
実施例1の電動ブレーキ制御システムにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) ドライバーによるペダル操作量を検出し、電動アクチュエータ(倍力モータ24)をアシスト制御することで、倍力されたブレーキ液圧Pをマスタシリンダ68により発生させる電動倍力ブレーキ装置6を有する電動ブレーキ制御システムにおいて、
車両電源1の電源電圧を検出する電源電圧検出手段(電源電圧検出回路10)と、
前記車両電源1の失陥によりブレーキ操作中に前記電動アクチュエータ(倍力モータ24)への電源電圧Vが低下した際、検出される電源電圧Vが、低電圧判定基準値V1になってから倍力機能が停止する最低作動電圧値V0になるまでの間に、前記ブレーキ液圧Pを徐々に低下させるように前記電動アクチュエータ(倍力モータ24)を制御する倍力制限制御手段(図4)と、
を備える。
このため、車両電源1の失陥によりブレーキ操作中に電動アクチュエータ(倍力モータ24)への電源電圧が低下した際、急激なブレーキ液圧低下の抑制と急激なペダル踏力増加の緩和を達成することができる。
(2) 前記倍力制限制御手段(図4)は、ブレーキ液圧Pを徐々に低下させる制限特性として、ブレーキ液圧Pが低下を開始するタイミングを遅らせた第1ブレーキ液圧制限特性と、ブレーキ液圧Pの低下勾配が緩やかな第2ブレーキ液圧制限特性と、を有し、いずれの制限特性を選択するかをドライバーによるブレーキ操作状況により判定する(ステップS7)。
このため、(1)の効果に加え、ドライバーによるブレーキ操作状況に応じて制限特性を切り替えて付与することで、ブレーキ操作にあらわれるドライバーの意図に最適な倍力制限制御によるブレーキ液圧特性を実現することができる。
(3) 前記倍力制限制御手段(図4)は、前記電動アクチュエータ(倍力モータ24)への電源電圧Vが低電圧判定基準値V1まで低下するとドライバーによるペダル操作量を検出し、ペダル操作量が所定量より大きい場合、電源電圧Vが低電圧判定基準値V1になってからの制御介入開始タイミングを遅らせると共に、制御介入開始後は介入初期に大きく低減し、徐々に低減推移が緩やかになる曲線的な推移プロフィールを持つ第1ブレーキ液圧制限特性を選択し、ペダル操作量が所定量以下の場合、電源電圧Vが低電圧判定基準値V1になってからの制御介入開始タイミングを早めると共に、制御介入開始後は緩やかな勾配で直線的に低減する推移プロフィールを持つ第2ブレーキ液圧制限特性を選択する。
このため、(2)の効果に加え、ペダル操作量が所定量より大きくて高減速が要求される場合、高減速要求に応え可能な限り高い減速度を維持しながら、制御介入後はドライバーに倍力停止のインフォメーションをすることができる。その反対に、ペダル操作量が所定量以下であり低減速が要求される場合、低減速要求に応え低減速を保つ操作を違和感なくでき、且つ、電流消費を可能な限り抑えることができる。
(4) 前記倍力制限制御手段(図4)は、ブレーキ液圧Pを低減する際の制限値として、前記電動アクチュエータ(倍力モータ24)への電流値Aを制限する電流制限値と、前記電動倍力ブレーキ装置6の入力部材(インプットロッド62,インプットピストン63)とアシスト部材(プライマリピストン66)のストローク相対位置を制限する相対ストローク制限値と、を有し、いずれの制限値を選択するかをドライバーによるブレーキ操作状況により判定する(ステップS6)。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、ドライバーによるブレーキ操作状況に応じて制限値を切り替えて付与することで、ブレーキ操作にあらわれるドライバーの意図に最適な倍力制限制御性を実現することができる。
(5) 前記倍力制限制御手段(図4)は、前記電動アクチュエータ(倍力モータ24)への電源電圧Vが低電圧判定基準値V1まで低下するとドライバーによるペダル操作量を検出し、ペダル操作量が所定量より大きい場合、前記入力部材(インプットロッド62,インプットピストン63)と前記アシスト部材(プライマリピストン66)のストローク相対位置を制限する相対ストローク制限値を選択し、ペダル操作量が所定量以下の場合、前記電動アクチュエータ(倍力モータ24)への電流値Aを制限する電流制限値を選択する(ステップS6)。
このため、(4)の効果に加え、ペダル操作量が所定量より大きくて高減速が要求される場合、高減速要求に応えながら、スムーズにドライバーに対しアシスト停止を伝達することができる。その反対に、ペダル操作量が所定量以下であり低減速が要求される場合、低減速要求に応えながら、過敏なドライバー操作によるブレーキフィーリングへの影響を少なく抑えることができる。
以上、本発明の電動ブレーキ制御システムを実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、車両電源として、バックアップ電源を備えていない例を示した。しかし、本発明は、例えば、特開2005-140165号公報に記載されているように、バックアップ電源を備えているものでも、バックアップ電源を備えていないものでも、両方適用できる。
実施例1では、ドライバーのペダル操作量に応じて制限値と制限特性を切り替える例を示した。しかし、制限値と制限特性の切り替えをせずに、ドライバーのペダル操作量にかかわらず、例えば、同じ電流制限値により一律の制限特性を使うようにした例も本発明に含まれる。
実施例1では、制限値と制限特性の両方を切り替える例を示した。しかし、ドライバーのペダル操作量に応じて制限値と制限特性のうち、一方のみを切り替えるようにした例も本発明に含まれる。さらに、制限特性に関しては、ドライバーのペダル操作量に応じて3以上の複数特性に切り替えるようにした例も本発明に含まれる。
実施例1では、制限値と制限特性の切り替えをドライバーのペダル操作量に応じて行う例を示した。しかし、制限値と制限特性を切り替える場合、ペダル操作量に代え、ペダル操作方向やペダル操作速度によりドライバーの減速要求を判定するようにした例も本発明に含まれる。また、ペダル操作量にペダル操作方向やペダル操作速度を加えてドライバーの減速要求を判定するようにした例も本発明に含まれる。
実施例1では、ハイブリッド車や電気自動車、等の電動車両への適用例を示したが、一般的なガソリン車へも適用することができる。電動車両へ適用した場合には、「DC/DCコンバータ+バッテリー」という車両電源の構成となる。しかし、一般的なガソリン車へ適用した場合、「オルタネータ+バッテリー」という車両電源の構成となる。
1 車両電源
2 電動ブースタ
21 コントローラ
22 遮断リレー
23 インバータ回路
24 倍力モータ(電動アクチュエータ)
6 電動倍力ブレーキ装置
61 ブレーキペダル
62 インプットロッド
63 インプットピストン
64 ブースタハウジング
65 ボールねじ機構
66 プライマリピストン
67 セカンダリピストン
68 マスタシリンダ
69 ストロークセンサ
10 電源電圧検出回路(電源電圧検出手段)
V 電源電圧
V1 低電圧判定基準値
V0 倍力モータの最低作動電圧値
A 電流値
A1 正常電流
A0 目標制限電流
F ペダル踏力
F1 作動時踏力
F0 失陥時踏力
S ペダルストローク
S1 作動時ストローク
S0 失陥時ストローク

Claims (5)

  1. ドライバーによるペダル操作量を検出し、電動アクチュエータをアシスト制御することで、倍力されたブレーキ液圧をマスタシリンダにより発生させる電動倍力ブレーキ装置を有する電動ブレーキ制御システムにおいて、
    車両電源の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    前記車両電源の失陥によりブレーキ操作中に前記電動アクチュエータへの電源電圧が低下した際、検出される電源電圧が、低電圧判定基準値になってから倍力機能が停止する最低作動電圧値になるまでの間に、前記ブレーキ液圧を徐々に低下させるように前記電動アクチュエータを制御する倍力制限制御手段と、
    を備えることを特徴とする電動ブレーキ制御システム。
  2. 請求項1に記載された電動ブレーキ制御システムにおいて、
    前記倍力制限制御手段は、ブレーキ液圧を徐々に低下させる制限特性として、ブレーキ液圧が低下を開始するタイミングを遅らせた第1ブレーキ液圧制限特性と、ブレーキ液圧の低下勾配が緩やかな第2ブレーキ液圧制限特性と、を有し、いずれの制限特性を選択するかをドライバーによるブレーキ操作状況により判定する
    ことを特徴とする電動ブレーキ制御システム。
  3. 請求項2に記載された電動ブレーキ制御システムにおいて、
    前記倍力制限制御手段は、前記電動アクチュエータへの電源電圧が低電圧判定基準値まで低下するとドライバーによるペダル操作量を検出し、ペダル操作量が所定量より大きい場合、電源電圧が低電圧判定基準値になってからの制御介入開始タイミングを遅らせると共に、制御介入開始後は介入初期に大きく低減し、徐々に低減推移が緩やかになる曲線的な推移プロフィールを持つ第1ブレーキ液圧制限特性を選択し、ペダル操作量が所定量以下の場合、電源電圧が低電圧判定基準値になってからの制御介入開始タイミングを早めると共に、制御介入開始後は緩やかな勾配で直線的に低減する推移プロフィールを持つ第2ブレーキ液圧制限特性を選択する
    ことを特徴とする電動ブレーキ制御システム。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載された電動ブレーキ制御システムにおいて、
    前記倍力制限制御手段は、ブレーキ液圧を低減する際の制限値として、前記電動アクチュエータへの電流値を制限する電流制限値と、前記電動倍力ブレーキ装置の入力部材とアシスト部材のストローク相対位置を制限する相対ストローク制限値と、を有し、いずれの制限値を選択するかをドライバーによるブレーキ操作状況により判定する
    ことを特徴とする電動ブレーキ制御システム。
  5. 請求項4に記載された電動ブレーキ制御システムにおいて、
    前記倍力制限制御手段は、前記電動アクチュエータへの電源電圧が低電圧判定基準値まで低下するとドライバーによるペダル操作量を検出し、ペダル操作量が所定量より大きい場合、前記入力部材と前記アシスト部材のストローク相対位置を制限する相対ストローク制限値を選択し、ペダル操作量が所定量以下の場合、前記電動アクチュエータへの電流値を制限する電流制限値を選択する
    ことを特徴とする電動ブレーキ制御システム。
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