JP2005176419A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電機7に発電した電力をモータに供給すると共に、車両電源42からモータ界磁コイル4aに電力が供給される。その車両電源42は昇圧回路43によって昇圧可能となっている。その昇圧回路43は、所定車速以下でのみ作動してモータ界磁電流を大きくする。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、それでは、発電機とモータ間のハーネスの電圧降下が大きく、しかも電気の損失でみるとI×I×Rと電流の二乗に比例して大きくなることから、発電機とモータ間のハーネスに大きな電流を流すほどエネルギー効率が悪くなる。また、ハーネスでの損失分だけ発電機の電圧を高めると、エンジンに対する発電機の負荷が増大することで車両の燃費悪化を招く。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、モータ界磁用の電源を大型化することなく、エネルギー効率の向上を図ることができる車両の駆動力制御装置を提供することを課題としている。
上記モータ界磁コイルへ供給される電圧を第2電源よりも大きな値に昇圧させることでモータ界磁電流を大きくする昇圧手段を備えることを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る車両のシステム構成を説明する図である。
この図1に示すように、本実施形態の車両は、左右前輪1L、1Rが、内燃機関であるエンジン2(主駆動源)によって駆動される主駆動輪であり、左右後輪3L、3Rが、モータ4によって駆動可能な従駆動輪である。
すなわち、エンジン2の出力トルクTeが、トランスミッション30及びディファレンスギア31を通じて左右前輪1L、1Rに伝達されるようになっている。
上記トランスミッション30には、現在の変速のレンジを検出するシフト位置検出手段32が設けられ、該シフト位置検出手段32は、検出したシフト位置信号を4WDコントローラ8に出力する。
また、符号34は制動指示操作部を構成するブレーキペダルであって、そのブレーキペダル34のストローク量がブレーキストロークセンサ35によって検出される。該ブレーキストロークセンサ35は、検出したブレーキストローク量を制動コントローラ36及び4WDコントローラ8に出力する。
また、上記エンジン2の回転トルクTeの一部は、無端ベルト6を介して発電機7に伝達されることで、上記発電機7は、エンジン2の回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Nhで回転する。
また、上記ジャンクションボックス10内には電流センサ23が設けられ、該電流センサ23は、発電機7からモータ4に供給される電力の電流値Iaを検出し、当該検出した電機子電流信号を4WDコントローラ8に出力する。また、電線9を流れる電圧値(モータ4の電圧)が4WDコントローラ8で検出される。符号24は、リレーであり、4WDコントローラ8から指令によってモータ4に供給される電圧(電流)の遮断及び接続が制御される。
また、本実施形態のクラッチ12は、4WDコントローラ8からのクラッチ制御指令に応じて接続状態又は切断状態に制御される。
また、各車輪1L、1R、3L、3Rには、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRが設けられている。各車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRは、対応する車輪1L、1R、3L、3Rの回転速度に応じたパルス信号を車輪速検出値として4WDコントローラ8に出力する。
上記発電機制御部8Dは、電圧調整器22を通じて、発電機7の発電電圧Vをモニターしながら、当該発電機7の発電機指令値c1を出力して界磁電流Ifhを調整する。
モータ制御部8Fは、4WDコントロール本体8Aからの指令に応じてモータ4の界磁電流Ifmを調整することで、当該モータ4のトルクを所要の値に調整する。
クラッチ制御部8Gは、上記クラッチ12の電磁クラッチ部106への通電のオン・オフによってクラッチ12の状態を制御し、4輪駆動状態と判定している間は電磁クラッチ部106を通電状態とする。
まず、ステップS10において、駆動モードスイッチ41に基づき、4輪駆動モード状態か否かを判定し、4輪駆動モードの場合にはステップS20に移行する。一方、2輪駆動モード若しくは2輪駆動モードへの移行の場合にはステップS150に移行する。
ステップS20では、シフト位置検出信号31からの信号に基づいて、変速が駆動レンジ(D・R・1・2)つまり、パーキングやニュートラル以外のレンジか否かを判定し、駆動レンジつまりエンジンから前輪にトルク伝達される状態若しくは次回の発進時に4輪駆動モードで発進すると判定した場合には、ステップS30に移行し、そうでない場合には、2輪駆動に移行すべく、ステップS150に移行する。
ステップS40では、駆動フラグCLSFLGに4輪駆動状態を示す「1」を代入し、続けて、ステップS50で、クラッチ制御部8Gに対してクラッチ・オン指令を出力してステップS60に移行する
ステップS60では、目標モータトルク算出部8Bを起動し、モータ4の目標モータトルクTmを求めた後にステップS70に移行する。
ここで、目標モータトルク算出部8Bは、車速、アクセル開度、前輪の加速スリップ量などの諸条件に基づき目標モータトルクTmを算出する。
ステップS70では、昇圧回路43をオンにする必要があるか否かを判定し、昇圧要と判定したらステップS100に移行し、昇圧不要と判定したらステップS80に移行する。
一方、ステップS100では、昇圧回路43にオン指令を出力して昇圧状態とし、続いてステップS110にて、目標モータ界磁電流Ifmに対し高めの値であるIfm2を設定し、モータ制御部に出力した後、ステップS120に移行する。
なお、所定車速を越えた昇圧しない走行状態では、モータ4が所定の回転数以上であるので公知の弱め界磁制御方式を採用してモータ4の界磁電流Ifmを小さく設定しても良い。すなわち、モータ4が高速回転になるとモータ誘起電圧Eの上昇によりモータトルクが低下することから、モータ4の回転数Nmが所定値以上になったらモータ4の界磁電流Ifmを小さくして誘起電圧Eを低下させることでモータ4に流れる電流を増加させて所要モータトルクを得るようにしても良い。
ステップS130では、上記目標電機子電流Iaに基づき発電機での出力電圧Vを求め、ステップS140で、その出力電圧Vに応じた発電機制御指令値であるデューティ比c1を演算し出力した後に、復帰する。
一方、2輪駆動状態、若しくは4輪駆動状態から2輪駆動状態への移行と判定されてステップS150に移行すると、駆動フラグCLSFLGが「0」か否かを判定し「0」である場合には、すでに2輪駆動状態であるので、そのまま処理を終了する。一方、クラッチ状態フラグCLSFLGが「0」以外の場合にはステップS160に移行する。ここで、駆動フラグCLSFLGの初期値は「0」に設定されている。
次に、上記構成の装置における作用などについて説明する。
運転者による4輪駆動モードの選択や、予め決められた4輪駆動条件(例えば、発進時や前輪の加速スリップ時など)に合致したと自動判定されると、車速やアクセル開度、前輪1L、1Rの加速スリップ量などに応じたモータトルクでモータ4が駆動される結果、4輪駆動状態となって車両の加速性が向上する。
ここで、発電機7とモータ4とを接続した場合の電気的な動作特性を、図5に示す。
この図5のように、弱め界磁制御で界磁モータへの供給電圧を小さくした場合には、モータ界磁電流がIf0と小さいのでモータ誘起電圧E0が小さく、目的とするモータトルクを発生させるのに大きな電機子電流Ia0が必要となり、発電機7とモータ4との間でのハーネス電圧降下はR×Ia0(ここで、Rはハーネスの抵抗値)と大きくなる。
ここで、所定車速以上で、公知の弱め界磁制御を採用する場合には、モータ界磁コイル4aに電力を供給する車両電源42の電圧を12Vよりも小さな電圧の電源として、より車両電源42の小型化を図っても良い。
さらに、発電機7が高電圧化することが防止できる結果、発電機7−モータ4の電気システムの耐圧が下げられ、コストの低減に繋がる。
ここで、上記実施形態では、発電機7の発電した電力でモータ4を駆動して4輪駆動を実施する構成の場合で説明しているが、これに限定されない。モータ4ヘ電力供給する第1電源として別にバッテリを備える駆動システムに採用しても良い。この場合には、バッテリから電力を供給するようにすればよいし、さらにはバッテリからの供給と共に発電機7からの電力供給も併行して行うようにしてもよい。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
すなわち、図7及び図8に示すように、発電機7からモータ4に電力を供給する電線9を途中で分岐して、4WDコントローラの切換器44に接続すると共に、車両電源42も上記切換器44に接続する構成とした。
すなわち、モータ界磁コイル4aに印加される電圧に比例したモータ界磁電流となり、上述のように第2電源である車両電源42の電圧の方が高ければ、当該電圧に比例したモータ界磁電流If1(=車両電源42の電圧/モータ界磁コイル抵抗)となるが、発電機7の出力電圧の方が高ければ、上記ダイオードによって自動的に当該出力電圧に比例したモータ界磁電流If2に切り換えられる。
電機子電流及びモータ界磁電流が大きいほど、モータ4は大きなトルクを発生できるが、同じトルクを発生する場合、前述のように、モータ界磁電流を極力高め、電機子電流を低めにバランスさせれば、発電機7(第1電源)からモータ4間のハーネスでの損失(Ia×Ia×R)は電機子電流Iaが小さい程低減するので、発電機7の電圧は小さくて済む、つまり発電機7の出力が小さくできてエンジンへの負荷が低減する。
また、主駆動輪である前輪の加速スリップ量に応じて発電機7で発電させるように構成した場合には、車両がスタックして前輪が加速スリップして発電量が増大すると、電機子電流の増大と共にモータ界磁電流が自動的に増大する結果、モータ4の駆動トルクが増大してスタックから脱出しやすくなる。上記前輪の加速スリップ量に応じた発電機7での発電は、例えば後輪に対する前輪の回転数差から前輪の加速スリップ量を推定し、その加速スリップ量を抑えるための吸収トルクを求め、その吸収トルク分だけ、エンジンに対する発電機の負荷トルク量を増大することで行う。
昇圧の条件は、その車両の制御に応じて適宜設定可能である。
2 エンジン
3L、3R 後輪
4 モータ
4a モータ界磁コイル
4b 電機子
6 ベルト
7 発電機
8 4WDコントローラ
8A 4WDコントローラ本体
8B 目標モータトルク算出部
8D 発電機制御部
8E リレー制御部
8F モータ制御部
8G クラッチ制御部
9 電線
10 ジャンクションボックス
11 減速機
12 クラッチ
14 吸気管路
15 メインスロットルバルブ
16 サブスロットルバルブ
18 エンジンコントローラ
19 ステップモータ
20 モータコントローラ
21 エンジン回転数センサ
22 電圧調整器
23 電流センサ
26 モータ用回転数センサ
27FL、27FR、27RL、27RR
車輪速センサ
30 トランスミッション
31 ディファレンシャル・ギヤ
32 シフト位置検出手段
34 ブレーキペダル
35 ブレーキストロークセンサ
36 制動コントローラ
37FL、37FR、37RL、37RR
制動装置
40 アクセルセンサ
41 駆動モードスイッチ
42 車両電源(第2電源)
43 昇圧回路
44 切換器
Ifh 発電機の界磁電流
V 発電機の電圧
Nh 発電機の回転数
Ia 目標電機子電流
Ifm 目標モータ界磁電流
E モータの誘起電圧
Nm モータの回転数(回転速度)
Th 目標発電機負荷トルク
Tm モータの現在の目標トルク
Claims (6)
- 車輪を駆動するモータと、上記モータの電機子に電力を供給する第1電源と、上記モータの界磁コイルに電力を供給する第2電源とを備え、そのモータのトルクをモータ界磁電流と電機子電流により制御する車両の駆動力制御装置において、
上記モータ界磁コイルへ供給される電圧を第2電源よりも大きな値に昇圧させることでモータ界磁電流を大きくする昇圧手段を備えることを特徴とする車両の駆動力制御装置。 - 上記昇圧手段は、上記第2電源を昇圧する昇圧回路であることを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。
- 上記第1電源の電圧よりも第2電源の電圧の方が小さい構成の車両の駆動力制御装置において、上記昇圧手段は、第1電源の電力をモータ界磁コイルに供給することで昇圧することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の駆動力制御装置。
- 車速に応じて上記昇圧手段を作動させて、モータ界磁コイルに供給する電圧を第2電源よりも昇圧させることを特徴とする請求項1〜請求項3にいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
- 主駆動輪を駆動する主駆動源を備え、且つ上記モータで駆動される車輪を従駆動輪とすると共に、上記主駆動源で駆動される発電機を上記第1電源とする車両の駆動力制御装置において、
昇圧手段は、発電機の出力電圧が第2電源の電圧を越えているときに、発電機の電力をモータ界磁コイルに供給することで昇圧することを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。 - 上記発電機は、主駆動輪の加速スリップ量に応じて発電することを特徴とする請求項5に記載した車両の駆動力制御装置。
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2003
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